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  • 特許-ダイヤフラム式電磁弁 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ダイヤフラム式電磁弁
(51)【国際特許分類】
   F16K 7/14 20060101AFI20221004BHJP
   F16K 31/06 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F16K7/14 A
F16K31/06 305L
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018208852
(22)【出願日】2018-11-06
(65)【公開番号】P2020076437
(43)【公開日】2020-05-21
【審査請求日】2021-10-15
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】市山 亮二
【審査官】加藤 昌人
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-091274(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105927752(CN,A)
【文献】米国特許第05333643(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 7/12-7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流路が開口するダイヤフラム着座面を有する本体部と、
前記本体部の前記ダイヤフラム着座面に着座するように設けられたダイヤフラムと、
前記ダイヤフラムを保持するダイヤフラムボスと、
前記ダイヤフラムボスを保持する移動コアと、
前記移動コアに対して電磁力を作用させ、当該移動コアを前記本体部の前記ダイヤフラム着座面から離れる方向に移動させることで前記ダイヤフラムを前記ダイヤフラム着座面から離間させるコイル収容部と、
を備えたダイヤフラム式電磁弁であって、
前記ダイヤフラムは、前記ダイヤフラムボスに焼付によって一体化されており、
前記コイル収容部は、前記移動コアを取り囲む筒状部を有しており、
前記本体部は、前記ダイヤフラム着座面の外周側において、前記コイル収容部の前記筒状部と接続される外側筒部を有しており、
前記コイル収容部の前記筒状部の内径は、前記本体部の前記外側筒部の内径よりも小さく、
前記ダイヤフラムの外周部と前記コイル収容部との間に、ダイヤフラムリングが介在されている
ことを特徴とするダイヤフラム式電磁弁。
【請求項2】
前記ダイヤフラムリングの内径は、前記移動コアの内径よりも小さく、
前記ダイヤフラムボスと前記移動コアとは、着脱可能である
ことを特徴とする請求項に記載のダイヤフラム式電磁弁。
【請求項3】
前記ダイヤフラムボスと前記移動コアとは、螺合によって着脱可能である
ことを特徴とする請求項に記載のダイヤフラム式電磁弁。
【請求項4】
前記ダイヤフラムボスは、前記ダイヤフラムによって包囲された、大径の被包囲本体部と、当該被包囲本体部から上方に先細状に延出する被包囲テーパ部と、当該テーパ部から更に上方に延出する被包囲小径部と、を有している
ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のダイヤフラム式電磁弁。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥時に固着しやすい流体、例えば印刷用インク、の通流/遮断の制御に用いられるダイヤフラム式電磁弁に関している。
【背景技術】
【0002】
従来より、ダイヤフラム式電磁弁は、流体の通流/遮断の制御に用いられている。
【0003】
例えば、従来のダイヤフラム式電磁弁は、図4に示すように、流路110a、110bが開口するダイヤフラム着座面112を有する本体部110と、本体部110のダイヤフラム着座面112に着座するように設けられたダイヤフラム123と、ダイヤフラム123を保持するダイヤフラムボス122と、ダイヤフラムボス122を保持する移動コア(図4では不図示)と、移動コアに対して電磁力を作用させ、当該移動コアを本体部110のダイヤフラム着座面112から離れる方向に移動させることでダイヤフラム123をダイヤフラム着座面112から離間させるコイル収容部(図4では不図示)と、を備えている。
【0004】
より詳細には、ダイヤフラムボス122が、ダイヤフラム123によって包囲される大径の被包囲本体部122mと、当該被包囲本体部122mの中心部から上方に延出する小径部122eと、を有しており、ダイヤフラム123は、被包囲本体部122m及び小径部122eの下方領域を包囲するダイヤフラムボス包囲部123cと、ダイヤフラムボス包囲部123cの外側に環状に延在する薄肉部123bと、薄肉部123bの更に外側に環状に延在する厚肉外周部123caと、を有している。
【0005】
ダイヤフラムボス122の被包囲本体部122m及び小径部122eの下方領域とダイヤフラム123のダイヤフラムボス包囲部123cとは、ダイヤフラムボス包囲部123cの弾性変形を利用して、作業者の手作業によって嵌合(及び取り外し)されるようになっている。
【0006】
ダイヤフラム式電磁弁のその他の基本的な構造については、例えば特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2009-257438
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
図4に示す従来のダイヤフラム式電磁弁においては、前述のように、ダイヤフラムボス122の被包囲本体部122m及び小径部122eの下方領域とダイヤフラム123のダイヤフラムボス包囲部123cとが、ダイヤフラムボス包囲部123cの弾性変形を利用して、作業者の手作業によって嵌合(及び取り外し)されるようになっている。換言すれば、ダイヤフラムボス122の被包囲本体部122m及び小径部122eの下方領域とダイヤフラム123のダイヤフラムボス包囲部123cとの嵌合力は、作業者の手作業によって取り外せる程度の強度しかない。
【0009】
このため、図4に示す従来のダイヤフラム式電磁弁を、乾燥時に固着しやすい流体、例えば印刷用インク、の通流/遮断の制御に用いる場合、ダイヤフラム123と本体部110のダイヤフラム着座面112(例えば流路110a、110b間を仕切る仕切壁110wの端面)との間で流体が固着すると、移動コアの上昇の際に、ダイヤフラムボス122の被包囲本体部122mがダイヤフラム123のダイヤフラムボス包囲部123cから脱落してしまう、という問題が生じることがあった。
【0010】
本発明は、以上の知見に基づいて創案されたものである。本発明の目的は、移動コアの上昇の際にダイヤフラムボスがダイヤフラムから脱落してしまうことがないダイヤフラム式電磁弁を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、流路が開口するダイヤフラム着座面を有する本体部と、前記本体部の前記ダイヤフラム着座面に着座するように設けられたダイヤフラムと、前記ダイヤフラムを保持するダイヤフラムボスと、前記ダイヤフラムボスを保持する移動コアと、前記移動コアに対して電磁力を作用させ、当該移動コアを前記本体部の前記ダイヤフラム着座面から離れる方向に移動させることで前記ダイヤフラムを前記ダイヤフラム着座面から離間させるコイル収容部と、を備えたダイヤフラム式電磁弁であって、前記ダイヤフラムは、前記ダイヤフラムボスに焼付によって一体化されていることを特徴とするダイヤフラム式電磁弁である。
【0012】
本発明によれば、ダイヤフラムがダイヤフラムボスに焼付によって一体化されているため、移動コアの上昇の際にダイヤフラムボスがダイヤフラムから脱落してしまうことがない。
【0013】
好ましくは、前記コイル収容部は、前記移動コアを取り囲む筒状部を有しており、前記本体部は、前記ダイヤフラム着座面の外周側において、前記コイル収容部の前記筒状部と接続される外側筒部を有しており、前記コイル収容部の前記筒状部の内径は、前記本体部の前記外側筒部の内径よりも小さく、前記ダイヤフラムの外周部と前記コイル収容部との間に、ダイヤフラムリングが介在されている。
【0014】
この場合、ダイヤフラムリングによって、ダイヤフラムの外周部を好適な締め付け力で把持することができる。(コイル収容部の筒状部によって直接的にダイヤフラムの外周部を押圧することは、締め付け力にばらつきが生じやすく、困難である)。
【0015】
また、この場合において、ダイヤフラムリングの内径が移動コアの内径よりも小さい場合には、ダイヤフラムボスと移動コアとが着脱可能であれば、ダイヤフラムボスと移動コアとを互いから取り外した状態でダイヤフラムリングをダイヤフラム上に配置でき、作業性が良い。
【0016】
ダイヤフラムボスと移動コアとは、例えば螺合によって着脱可能であることが好ましいが、他の形式の嵌合等の態様によって着脱可能であってもよい。
【0017】
また、前記ダイヤフラムボスは、前記ダイヤフラムによって包囲された、大径の被包囲本体部と、当該被包囲本体部から上方に先細状に延出する被包囲テーパ部と、当該テーパ部から更に上方に延出する被包囲小径部と、を有していることが好ましい。
【0018】
このような形態が採用される場合、ダイヤフラムの材料であるゴム材料が被包囲本体部と被包囲テーパ部と被包囲小径部の周りに円滑に行き渡りやすく、成型不良の発生が抑制され得る。また、ダイヤフラムボスの上昇時(ダイヤフラム弁の開放時)にダイヤフラムが受ける負荷の集中も抑制されるため、ダイヤフラムの劣化が抑制され、ひび割れ発生のリスクも顕著に低減される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ダイヤフラムがダイヤフラムボスに焼付によって一体化されているため、移動コアの上昇の際にダイヤフラムボスがダイヤフラムから脱落してしまうことがない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係るダイヤフラム式電磁弁の概略断面図である。
図2図1のダイヤフラム式電磁弁の移動部の概略断面図である。
図3図1及び図2のダイヤフラムのダイヤフラムボスへの焼付加工を説明するための概略断面図である。
図4】従来のダイヤフラム式電磁弁の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0022】
図1は、本発明の一実施形態に係るダイヤフラム式電磁弁1の概略断面図であり、図2は、図1のダイヤフラム式電磁弁1の移動部20の概略断面図であり、図3は、図1及び図2のダイヤフラム23のダイヤフラムボス22への焼付加工を示す概略断面図である。
【0023】
図1乃至図3に示すように、本実施形態のダイヤフラム式電磁弁1は、流路10a、10bが開口するダイヤフラム着座面12を有する本体部10と、本体部10のダイヤフラム着座面12に着座するように設けられたダイヤフラム23と、ダイヤフラム23を保持するダイヤフラムボス22と、ダイヤフラムボス22を保持する移動コア21と、移動コア21に対して電磁力を作用させ、当該移動コア21を本体部10のダイヤフラム着座面12から離れる方向に移動させることでダイヤフラム23をダイヤフラム着座面12から離間させるコイル収容部40と、を備えている。そして、ダイヤフラム23がダイヤフラムボス22に焼付によって一体化されていることが、本実施形態のダイヤフラム式電磁弁1の特徴である。
【0024】
より詳細には、特に図3を参照して、ダイヤフラムボス22が、ダイヤフラム23によって包囲される、大径の被包囲本体部22m(例えば高さ1.5mm、直径3.2mm)と、当該被包囲本体部22mから上方に(図3では下方に)先細状に延出する被包囲テーパ部22t(例えば高さ0.8mm)と、当該テーパ部から更に上方に(図3では下方に)延出する被包囲小径部22e(例えば高さ1.7mm、直径2.0mm)と、を有している。図示のように、各部間は円滑に(アールを付けられて)連続している。
【0025】
また、ダイヤフラムボス22の最上部(図3では最下部)には、移動コア21との螺合のための雄ネジ部22aが設けられており、当該雄ネジ部22aと被包囲小径部22eとの間に、小径部22b、中径部22c、大径部22d、が順に設けられている。
【0026】
一方、ダイヤフラム23は、被包囲本体部22m、被包囲テーパ部22t及び被包囲小径部22eを包囲するダイヤフラムボス包囲部23c(例えば高さ4.9mm、直径4.8mm)と、当該ダイヤフラムボス包囲部23cの外側に環状に延在する薄肉部23b(例えば高さ0.5mm、外径8.2mm)と、当該薄肉部23bの更に外側に環状に延在する厚肉外周部23a(例えば高さ1.7mm、外径11.0mm)と、を有している。図示のように、各部間は円滑に(アールを付けられて)連続している。
【0027】
図1に戻って、コイル収容部40は、移動コア21を取り囲む筒状部43を有しており、本体部10は、ダイヤフラム着座面12の外周側において、コイル収容部40の筒状部43と接続される(例えば螺合される)外側筒部13を有している。
【0028】
コイル収容部40の筒状部43の内径は、本体部10の外側筒部13の内径よりも小さく、ダイヤフラム23の厚肉外周部23aとコイル収容部40との間に、樹脂製のダイヤフラムリング15(例えば高さ3.2mm、内径11.8mm、外径17.0mm)が介在されている。
【0029】
このダイヤフラムリング15の弾性によって、ダイヤフラム23の圧肉外周部23aを、コイル収容部40と本体部10のダイヤフラム着座面12との間に好適な締め付け力で把持することができる。ダイヤフラムリング15を用いることなく、コイル収容部40の筒状部43によって直接的にダイヤフラム23の圧肉外周部23aを押圧することは、締め付け力にばらつきが生じやすく、困難である。
【0030】
ここで、図1に示すように、本実施形態においては、ダイヤフラムリング15の内径が移動コア21の外径(例えば直径18.0mm)よりも小さい。従って、ダイヤフラムボス22と移動コア21とが一体的で互いに取り外しできない(従来構造ではそうなっている)場合、ダイヤフラム23を変形させながらダイヤフラムリング15にダイヤフラム23を通過させる作業工程が必要で、その後のダイヤフラム23のシール性能に悪影響が生じることが懸念される。
【0031】
しかしながら、本実施形態においては、ダイヤフラムボス22の雄ネジ部22aが移動コア21に対して着脱可能に螺合されているため、ダイヤフラムリング15を所望の位置にセットする際には、当該螺合を解除して移動コア21をダイヤフラムボス22から取り外すことができる。これにより、作業性が良く、ダイヤフラム23のシール性能に悪影響が生じることもない。
【0032】
なお、ダイヤフラムボス22の雄ネジ部22a及び/または移動コア21の対応する雌ネジ部には、ネジ締めの緩みを防止するべくロックタイトが塗布されることが好ましい。また、ネジ締め作業後、専用工具によってトルク管理を行う(例えば移動コア21の下面からダイヤフラム23の下面までの長さを管理する)ことが好ましい。
【0033】
ダイヤフラム23のダイヤフラムボス22への焼付は、例えば図3に示すような焼付装置によって行われる。
【0034】
図3(a)に示すように、ダイヤフラムボス22が、雄ネジ部22aを下向きにして、ダイヤフラムボス保持部54に保持される。例えば、小径部22bと中径部22cとの間の段差や、中径部22cと大径部22dとの間の段差が、当該保持に利用される。
【0035】
ダイヤフラムボス保持部54の上面側に隣接して、金型53が配置されている。金型53には、ダイヤフラムボス22の被包囲本体部22m、被包囲テーパ部22t及び被包囲小径部22eを包含するようにキャビティ53cが設けられている。キャビティ53c(の内容積)と、ダイヤフラムボス22の被包囲本体部22m、被包囲テーパ部22t及び被包囲小径部22eと、の差分が、ダイヤフラム23に相当するようになっている。
【0036】
金型53の上面側に隣接して、ゴム供給部52が配置されている。ゴム供給部52には、加熱されて軟化した状態(流動状態)のゴム材料R(通常は加硫されている)を収容するゴム収容部52cと、当該ゴム収容部52cを金型53のキャビティ53cに連通するゲート52gと、が設けられている。
【0037】
ゴム供給部52のゴム収容部52cの上面側には、プレス機51が配置されている。図3(b)に示すように、プレス機51が下降することによって、ゴム収容部52c内に収容されていたゴム材料Rがゲート52gを介して金型53のキャビティ53c内へと押し込まれ、キャビティ53c内に充填される。プレス機51による加圧状態が所定時間維持されることで、ゴム材料Rがダイヤフラムボス22の被包囲本体部22m、被包囲テーパ部22t及び被包囲小径部22eを包囲した状態で硬化し、ダイヤフラム23が成型加工される(ダイヤフラム23の成型とダイヤフラムボス22への一体化(接着)とが同時に達成される)。
【0038】
ここで、ダイヤフラムボス22の被包囲本体部22mと被包囲小径部22eとの間に被包囲テーパ部22tが設けられていることにより、ゴム材料Rがキャビティ53c内に円滑に充填され得て、また、ダイヤフラムボス22の上昇時(ダイヤフラム弁の開放時)にダイヤフラム23が受ける負荷の集中も抑制され得る。これにより、ダイヤフラムの劣化が抑制され、ひび割れ発生のリスクも顕著に低減される。これらの効果を得るためには、被包囲テーパ部22tの傾斜角度が30~60°であることが好ましい。
【0039】
ゴム材料Rが硬化した後、プレス機51及びゴム供給部52が金型53から分離され、ダイヤフラム23の焼付が施されたダイヤフラムボス22が金型53及びダイヤフラムボス保持部54から取り出される。その後、ゲート52gに対応する箇所のバリ取り作業が実施され、図3(c)に示すような状態となる。
【0040】
その後、樹脂性のダイヤフラムリング15をダイヤフラム23の上方に配置してから、移動コア21の対応する雌ネジ部にダイヤフラムボス22の雄ネジ部22aを螺合させる。これによって移動部20の組み立てが完成する。この状態が図2の状態である。
【0041】
この移動部20を、本体部10のダイヤフラム着座面12上に載置し、移動コア21を取り囲むコイル収容部40を上方から被せることで、ダイヤフラム式電磁弁1の組み立てが完成する。この状態が図1の状態である。
【0042】
例えば、コイル収容部40の筒状部43が本体部10の外側筒部13に螺合されることで、コイル収容部40の筒状部43の内径側領域とダイヤフラム着座面12との間に、ダイヤフラムリング15を挟んでダイヤフラム23の圧肉外周部23aが好適な締め付け力で把持される。
【0043】
なお、図2に示すように、移動コア21の上方端側にはバネ収容穴21hが設けられており、当該バネ収容穴21hにコイルバネ30が収容されている。当該コイルバネ30は、コイル収容部40の上方内面45とバネ収容穴21hの底面との間で圧縮されており、コイル収容部40に対して移動コア21を下方側に付勢している。これにより、コイル収容部40による電磁力の作用が無い時には、ダイヤフラム23がダイヤフラム着座面12に着座するようになっている。
【符号の説明】
【0044】
1 ダイヤフラム式電磁弁
10 本体部
10a 第1流路
10b 第2流路
10w 仕切壁
12 ダイヤフラム着座面
13 外側筒部
15 ダイヤフラム押えリング
20 移動部
21 移動コア
21h バネ収容穴
22 ダイヤフラムボス
22a 雄ネジ部
22b 小径部
22c 中径部
22d 大径部
22e 被包囲小径部
22t 被包囲テーパ部
22m 被包囲本体部
23 ダイヤフラム
23a 厚肉外周部
23b 薄肉部
23c ダイヤフラムボス包囲部
30 コイルバネ
40 コイル収容部
43 筒状部
45 上方内面
51 プレス機
52 ゴム供給部
52c ゴム収容部
52g ゲート
53 金型
53c キャビティ
54 ダイヤフラムボス保持部
110 本体部
110a 第1流路
110b 第2流路
110w 仕切壁
112 ダイヤフラム着座面
122 ダイヤフラムボス
122e 小径部
122m 被包囲本体部
123 ダイヤフラム
123a 厚肉外周部
123b 薄肉部
123c ダイヤフラムボス包囲部
図1
図2
図3
図4