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特許7152031ESU単極および双極モードで使用される伸縮電気外科用ペンシル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ESU単極および双極モードで使用される伸縮電気外科用ペンシル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61B18/14
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2019518230
(86)(22)【出願日】2017-10-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 US2017055415
(87)【国際公開番号】W WO2018067870
(87)【国際公開日】2018-04-12
【審査請求日】2020-10-02
(31)【優先権主張番号】62/404,292
(32)【優先日】2016-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508311248
【氏名又は名称】アイ.シー. メディカル, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コズメスク,ヨハン
【審査官】宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第04850353(US,A)
【文献】米国特許第07727232(US,B1)
【文献】米国特許第06458125(US,B1)
【文献】特表2007-527766(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0018539(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 18/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断および凝固のために双極電気外科用ブレードを利用して無線周波エネルギーを双極モードで使用することが可能な伸縮電気外科用ペンシルであって、
第1の端部および第2の端部を有するハンドピース部材と、
第1の端部および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記第2の端部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、
前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、頂部、底部、対向する平坦側部、非切断端および鋭利な切断縁部を備える切断端を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部の頂部に、前記一方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記鋭利な切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部の頂部に、前記他方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記鋭利な切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードとを備える、伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項2】
前記電気外科用ペンシルが、電気外科手術を行うために使用する際に単極モードと双極モードの両方で使用することができる、請求項1に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項3】
前記電気外科用ペンシルが、20ワット未満の電力レベルで組織を切断および凝固することが可能である、請求項2に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項4】
前記電気外科用ブレードが前記伸縮電気外科用ペンシル内に配置されると前記伸縮電気外科用ペンシルの内周に隣接して位置する丸みを帯びた部分をさらに備える、請求項1に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項5】
第1の絶縁ワイヤであって、前記電気外科用ブレードの前記アクティブ電極、および前記第1の絶縁ワイヤの少なくとも一部を前記ハンドピース部材の上部内側付近に保持するための第1の保持要素に接続された、第1の絶縁ワイヤをさらに備える、請求項1に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項6】
第2の絶縁ワイヤであって、前記電気外科用ブレードの前記リターン電極、および前記第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部を前記ハンドピース部材の下部内側付近に保持するための第2の保持要素に接続された、第2の絶縁ワイヤをさらに備える、請求項5に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項7】
前記ハンドピース部材および前記中空伸縮部材が、前記電気外科用ペンシルが利用されている手術部位から離れる方向に煙およびデブリのうちの少なくとも1つを排出するための排出チャネルを形成する、請求項6に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項8】
前記ハンドピース部材の前記第2の端部に接続された旋回部材をさらに備える、請求項7に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項9】
前記中空伸縮部材の前記第1の端部に接続されたノズル部材であって、前記電気外科用ブレードの少なくとも一部が前記ノズル部材内に配置されるノズル部材をさらに備え、前記旋回部材、前記ハンドピース部材、および前記中空伸縮部材が、前記電気外科用ペンシルが利用されている前記手術部位から離れる方向に煙およびデブリのうちの少なくとも1つを排出するための前記排出チャネルを形成する、請求項8に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項10】
前記ハンドピース部材の上部内面に取り付けられた導電性細長接点部材と、前記導電性細長接点部材に対して摺動可能に係合することができるように前記電気外科用ブレードの前記アクティブ電極に接続された導電性接点部材とをさらに備える、請求項1に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項11】
前記中空伸縮部材内に収容され、前記電気外科用ブレードの前記リターン電極に接続された、中空導電性管状部材と、前記中空導電性管状部材内でその長さに沿って摺動することができるように前記ハンドピース部材内に収容された中実導電性ロッド部材とをさらに備える、請求項10に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項12】
前記ハンドピース部材および前記中空伸縮部材が、前記電気外科用ペンシルが利用されている手術部位から離れる方向に煙およびデブリのうちの少なくとも1つを排出するための排出チャネルを形成する、請求項11に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項13】
前記中空伸縮部材の前記第1の端部に接続されたノズル部材であって、前記電気外科用ブレードの少なくとも一部が前記ノズル部材内に配置されるノズル部材をさらに備える、請求項11に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項14】
前記ノズル部材、前記ハンドピース部材、および前記中空伸縮部材が、前記電気外科用ペンシルが利用されている前記手術部位から離れる方向に煙およびデブリのうちの少なくとも1つを排出するための前記排出チャネルを形成する、請求項13に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項15】
前記ハンドピース部材の前記第2の端部に接続された第1の端部と、真空管に接続可能な第2の端部とを有する中空旋回部材をさらに備える、請求項14に記載の伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項16】
切断および凝固のために双極電気外科用ブレードを利用して無線周波エネルギーを双極モードで使用することが可能な伸縮電気外科用ペンシルであって、
第1の端部および第2の端部を有するハンドピース部材と、
第1の端部および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記
第2の端部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、
前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部の頂部に、前記一方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部の頂部に、前記他方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードと、
第1の絶縁ワイヤであって、前記電気外科用ブレードの前記アクティブ電極、および前記第1の絶縁ワイヤの少なくとも一部を前記ハンドピース部材の上部内側付近に保持するための第1の保持要素に接続された、第1の絶縁ワイヤと、
第2の絶縁ワイヤであって、前記電気外科用ブレードの前記リターン電極、および前記第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部を前記ハンドピース部材の下部内側付近に保持するための第2の保持要素に接続された、第2の絶縁ワイヤとを備える、伸縮電気外科用ペンシル。
【請求項17】
切断および凝固のために双極電気外科用ブレードを利用して無線周波エネルギーを双極モードで使用することが可能な伸縮電気外科用ペンシルであって、
第1の端部および第2の端部を有するハンドピース部材と、
第1の端部および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、前記中空伸縮部材の前記第2の端部が前記ハンドピース部材の前記第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、
前記中空伸縮部材の前記第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部の頂部に、前記一方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部の頂部に、前記他方の対向する平坦側部の前記頂部の少なくとも一部が前記切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードと、
前記ハンドピース部材の上部内面に取り付けられた導電性細長接点部材、および前記導電性細長接点部材に対して摺動可能に係合することができるように前記電気外科用ブレードの前記アクティブ電極に接続された導電性接点部材と、
前記中空伸縮部材内に収容され、前記電気外科用ブレードの前記リターン電極に接続された、中空導電性管状部材、および前記中空導電性管状部材内でその長さに沿って摺動することができるように前記ハンドピース部材内に収容された中実導電性ロッド部材とを備える、伸縮電気外科用ペンシル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、切断および凝固のための単極モードと双極モードの両方で使用される、超極性電気外科用ブレードおよび超極性電気外科用ペンシルを対象とする。超極性電気外科用ブレードは、対向する平坦側部、切断端、および対向する非切断端を備える非導電性部材と、非導電性部材の一方の対向する平坦側部に位置するアクティブ電極と、非導電性部材の他方の対向する平坦側部に位置するリターン電極とを有する。
【0002】
本発明はまた、切断および凝固のための単極モードと双極モードの両方で使用される、超極性伸縮電気外科用ペンシルをも対象とする。超極性伸縮電気外科用ペンシルは、第1および第2の端部を有するハンドピース部材と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の少なくとも一部がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部に、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードとを含む。中空伸縮部材およびハンドピース部材はまた、手術部位から離れる方向に煙および/またはデブリを排出するための排出チャネルを形成し得る。
【背景技術】
【0003】
電気外科手術は、RF電気外科発生器(電気手術器またはESUとしても知られる)、および様々な電圧で高周波交流無線周波(RF)電流の入力を与えて生体組織を切断または凝固する電極を備えるハンドピースを使用する。ハンドピースは、1つの電極を備える単極の器具または2つの電極を備える双極の器具であり得る。単極の器具を使用する際には、リターン電極板が患者に取り付けられ、高周波電流が発生器から単極の器具へ、患者を通って患者のリターン電極板へ流れて、発生器に戻る。その汎用性および有効性のために、単極電気外科手術が一般に用いられている。しかし、患者の背中に配置されたリターン電極が高電圧および高RFエネルギを患者に通すため、単極電気外科手術で発生する過剰な熱が、過剰な組織損傷およびその組織の壊死を引き起こす恐れがある。
【0004】
双極電気外科手術では、アクティブ電極とリターン電極の両方が双極の器具に収容されているため、アクティブ出力機能と患者リターン機能の両方が手術部位で生じる。したがって、電流の経路は、アクティブ電極とリターン電極との間に位置する生体組織に限定される。双極電気外科手術は、より低い電圧およびより少ないエネルギの使用を可能にし、それによって単極電気外科手術に関連する組織損傷およびスパークが起きる可能性を低減または排除するが、広い出血領域を切断および凝固する能力が限られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、切断および凝固のための単極モードと双極モードの両方で使用することができ、それによって単極モードで使用する際には組織損傷なしに組織の広い領域を切断および凝固する自由度を可能にし、双極モードで使用する際には患者を通るエネルギの通過をなくす、電気外科用ブレードおよび電気外科用ペンシルが必要である。鋭利な切断端と、非導電性部材の一方の対向する平坦側部に配置されたアクティブ電極と、非導電性部材の他方の対向する平坦側部に配置されたリターン電極とを有する超極性電気外科用ブレー
ドが、こうした超極性電気外科用ブレードをそれぞれが含む超極性電気外科用ペンシルおよび超極性伸縮電気外科用ペンシルと共に、この必要性を満たすことになる。本発明に関して説明する、鋭利な切断端と、電気外科用ブレードの対向する側部に配置されたアクティブおよびリターン電極とを備える超極性電気外科用ブレード(ならびにその超極性電気外科用ブレードをそれぞれが収容する超極性電気外科用ペンシルおよび超極性伸縮電気外科用ペンシル)は、単極モードと双極モードの両方で使用することができ、それによって外科医または操作者に自由度を与える。本発明に関して説明する超極性電気外科用ブレードは、煙排出能力を有しない電気外科用ハンドピース/ペンシル(伸縮式または非伸縮式)と共に使用することができるが、電気外科的処置中に煙排出が可能な電気外科用ペンシル/ハンドピース(伸縮式または非伸縮式)と共に使用することも意図している。本発明に関して説明する、超極性電気外科用ブレードを含む超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、ペンシルの伸縮部材およびペンシルの伸縮部材内に配置された電気外科用ブレードを伸長させることにより、使用者または外科医が、視認能力の向上に伴って、より容易かつ効率的に手術部位にアクセスすることも可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1および第2の対向する平坦側部、切断端、ならびに非切断端を有する非導電性平坦部材と、第1の対向する平坦側部に位置し、第1の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材の切断端付近に露出する、アクティブ電極と、第2の対向する平坦側部に位置し、第2の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材の切断端付近に露出する、リターン電極とを含む、超極性電気外科用ブレードを対象とする。本発明の超極性電気外科用ブレードの例示的な一実施形態では、第1の平坦側部に位置するアクティブ電極は、第2の平坦側部に位置するリターン電極の少なくとも一部と対称である。
【0007】
非導電性平坦部材は、セラミックを含んでもよく、アクティブ電極およびリターン電極は、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含んでもよい。本発明の超極性電気外科用ブレードの別の例示的な実施形態では、アクティブ電極およびリターン電極はそれぞれ、非導電性平坦部材の半分の長さを超えて延在する細長い導電層の形をとってもよい。アクティブ電極の細長い導電層の少なくとも一部は、第1の対向する平坦側部の1つまたは複数の対向する細長い縁部まで、またその部分長に沿って延在してもよく、リターン電極の細長い導電層の少なくとも一部は、第2の対向する平坦側部の1つまたは複数の対向する細長い縁部まで、またその部分長に沿って延在してもよい。
【0008】
本発明の超極性電気外科用ブレードのさらに別の例示的な実施形態では、超極性電気外科用ブレードは、対向する細長い縁部を備える第1および第2の対向する平坦側部、切断端、ならびに対向する非切断端を有する非導電性平坦部材と、非導電性平坦部材の第1の対向する平坦側部に位置する、丸みを帯びたまたは尖ったフック状形構成を有するアクティブ電極と、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部に位置する、丸みを帯びたまたは尖ったフック状形構成を有するリターン電極とを含む。アクティブ電極およびリターン電極のフック状形構成は、非導電性平坦部材の切断端付近に位置する、第1および第2の対向する平坦側部の少なくとも一部を覆うことなく、非導電性平坦部材の切断端付近に位置し得る。第1の対向する平坦側部に位置するアクティブ電極のフック状形構成の少なくとも一部は、非導電性平坦部材の第2の対向する平坦側部に位置するリターン電極のフック状形構成の少なくとも一部と対称であってもよい。非導電性平坦部材は、セラミックを含んでもよく、アクティブ電極およびリターン電極は、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含んでもよい。
【0009】
非導電性平坦部材の切断端は、鋭利な切断端であり、鋭利な切断縁部の形状/構成をとってもよく、非導電性平坦部材の対向する平坦側部に位置するアクティブ電極およびリタ
ーン電極はそれぞれ、鋭利な切断縁部に最も近い非導電性平坦部材の一部を依然として露出させたままにしながら、非平坦部材の鋭利な切断縁部に隣接して位置している。
【0010】
さらに、アクティブ電極およびリターン電極のそれぞれの一部は、非導電性平坦部材の対向する非切断端まで延在してもよい。本発明の超極性電気外科用ブレードは、非導電性平坦部材の非切断端付近に位置する、アクティブ電極と連通する第1の導電性インサート部材と、非導電性平坦部材の非切断端付近に位置する、リターン電極と連通する第2の導電性インサート部材とをさらに備えてもよい。第1および第2の導電性インサートはそれぞれ、真鍮および/または銅製の金属接点部材を備えてもよい。
【0011】
本発明の超極性電気外科用ブレードは、電気外科手術を行うために使用する際に単極モードと双極モードの両方で使用することができる。アクティブ電極と連通する導電性インサートは、電気外科用ペンシルを作動させるための、電気外科用ペンシル内に収容された回路基板に接続されており(その回路基板はさらには、ワイヤなどの電気的接続手段を通じて電気手術器発生器に接続されており)、リターン電極と連通する導電性インサートは、ワイヤなどの電気的接続手段を通じて電気手術器発生器に接続されており、したがって超極性電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点は電気手術器発生器に接続されている。本発明の超極性電気外科用ブレードを単極モードで使用する際には、電気手術器発生器上で単極電力出力モードを選択する。本発明の超極性電気外科用ブレードを双極モードで使用する際には、電気手術器発生器上で双極電力出力モードを選択する。
【0012】
本発明はまた、第1および第2の端部を備えるハンドピースと、ハンドピースの第1の端部に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部、切断端、および対向する非切断端を有する非導電性平坦部材、一方の対向する平坦側部に位置し、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材の非導電性切断端付近に露出する、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に位置し、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材の非導電性切断端付近に露出する、リターン電極を含む、電気外科用ブレードとを有する、超極性電気外科用ペンシルをも対象とする。ハンドピースは、電気外科用ペンシルの作動中に手術部位から煙およびデブリを排出するための、その中に収容された煙排出チャネルをさらに備えてもよい。加えて、ハンドピースは、非導電性平坦部材の鋭利な切断端/縁部が、超極性電気外科用ブレードに電力を印加することなく正確な切断を行うことができるので、1つだけの凝固用の作動ボタンをさらに備えてもよい。あるいは、ハンドピースは、2つ以上の切断および凝固用の作動ボタンを含んでもよい。超極性電気外科用ブレードはまた、超極性電気外科用ブレードを電気外科用ペンシルに接続するように機能するコネクタをも含んでもよい。
【0013】
本発明は、第1および第2の端部を有するハンドピース部材と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部に、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードとを含む、超極性伸縮電気外科用ペンシルをさらに対象とする。超極性伸縮電気外科用ペンシルは、電気外科手術を行うために使用する際に単極モードと双極モードの両方で使用することができる。加えて、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルは、低い電力レベル、すなわち20ワット未満の電力レベルで、組織を切断および凝固することが可能である。
【0014】
超極性伸縮電気外科用ペンシルは、電気外科用ブレードの少なくとも一部を伸縮部材内
に保持するための、中空伸縮部材内に位置する保持部材をさらに備える。ハンドピース部材および中空伸縮部材は、超極性伸縮電気外科用ペンシルが利用されている手術部位から離れる方向に煙および/またはデブリを排出するための排出チャネルを形成し得る。
【0015】
中空伸縮部材の第1の端部には、ノズル部材が、電気外科用ブレードの少なくとも一部がノズル部材および中空伸縮部材の第1の端部内に配置されるように、接続されてもよい。超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、手術部位から煙および/またはデブリを排出するための、電気外科用ペンシルに接続された真空管のねじれおよびよじれを抑制するために、ハンドピース部材の第2の端部に接続された、旋回部材をも含んでもよい。手術部位からの煙および/またはデブリの排出に対応する本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの実施形態では、ノズル、中空伸縮部材、ハンドピース部材、および旋回部材の全てが、手術部位から離れる方向に煙および/またはデブリを排出するための排出チャネルを形成し得る。
【0016】
例示的な一実施形態では、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルは、第1および第2の端部を有するハンドピース部材と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部に、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードと、第1の絶縁ワイヤであって、電気外科用ブレードのアクティブ電極、および第1の絶縁ワイヤの少なくとも一部をハンドピース部材の上部内側
付近に保持するための第1の保持要素に接続された、第1の絶縁ワイヤと、第2の絶縁ワイヤであって、電気外科用ブレードのリターン電極、および第2の絶縁ワイヤの少なくとも一部をハンドピース部材の下部内側付近に保持するための第2の保持要素に接続された、第2の絶縁ワイヤとを含む。この例示的な実施形態はまた、上述したノズル部材および旋回部材をも含んでよく、ノズル部材、中空伸縮部材、ハンドピース部材、および旋回部材が、手術部位から離れる方向に煙および/またはデブリを排出するための排出チャネルを形成し得る。
【0017】
別の例示的な実施形態では、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルは、第1および第2の端部を有するハンドピース部材と、第1および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に少なくとも部分的に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部に、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードと、ハンドピース部材の上部内面に取り付けられた導電性細長接点部材、および導電性細長接点部材に対して摺動可能に係合することができるように電気外科用ブレードのアクティブ電極に接続された導電性接点部材と、中空伸縮部材内に収容され、電気外科用ブレードのリターン電極に接続された、中空導電性管状部材、および中空導電性管状部材内でその長さに沿って摺動することができるようにハンドピース部材に接続された中実導電性ロッド部材とを含む。
【0018】
この第2の例示的な実施形態では、導電性接点部材の少なくとも一部は、中空伸縮部材内およびその内部に配置されてもよく、導電性接点部材の少なくとも一部は、中空伸縮部材の外面に配置されてもよい。加えて、中空伸縮部材内に収容され、電気外科用ブレードのリターン電極に接続された、中空導電性管状部材の代わりに、それは、中空伸縮部材内に収容され、電気外科用ブレードのリターン電極に接続された、中実導電性ロッドであることも可能である。この場合には、ハンドピース部材に接続された中実導電性ロッドの代わりに、中空導電性管状部材がハンドピース部材に接続されることになり、したがって中空伸縮部材内に収容された中実導電性ロッドは、ハンドピース部材内に収容された中空導電性管状部材内で摺動することができる。上述の第1の例示的な実施形態と同様に、この第2の例示的な実施形態も、上述したノズル部材および旋回部材を含んでもよく、ノズル部材、中空伸縮部材、ハンドピース部材、および旋回部材が、手術部位から離れる方向に煙および/またはデブリを排出するための排出チャネルを形成し得る。
【0019】
本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルは、電気外科手術を行うために使用する際に単極モードと双極モードの両方で使用することができる。電気外科用ブレードのアクティブ電極と連通する、電気外科用ペンシル内の絶縁ワイヤまたは導電性接点部材は、電気外科用ペンシルを作動させるための、電気外科用ペンシル内に収容された回路基板に接続されており、その回路基板はさらには、ワイヤなどの電気的接続手段を通じて電気手術器発生器に接続されている。加えて、電気外科用ブレードのリターン電極と連通する絶縁ワイヤ、または導電性ロッド、または中空部材も、ワイヤなどの電気的接続手段を通じて電気手術器発生器に接続されており、したがって超極性伸縮電気外科用ペンシル内の超極性電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点の両方が、電気手術器発生器に接続されている。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルを単極モードで使用する際には、電気手術器発生器上で単極電力出力モードを選択する。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルを双極モードで使用する際には、電気手術器発生器上で双極電力出力モードを選択する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
添付図面と併せて本発明を以下に説明し、図面において、同様の符号は同様の要素を表す。
【0021】
図1図1は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルに使用される超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態の側面透視図である。
図2図2は、図1に示した超極性電気外科用ブレードの例示的な実施形態の反対側の側面図である。
図3図3は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な一実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレードを、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの中空伸縮部材内に設置された状態で示している。
図4図4は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの別の例示的な実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレードを、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの中空伸縮部材内に設置された状態で示している。
図5図5は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルのさらに別の例示的な実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレードを、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの中空伸縮部材内に設置された状態で示している。
図6図6は、本発明の非伸縮超極性電気外科用ペンシルの側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の電気手術器(ESU)単極および双極モードで使用される超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、使用者または外科医が、ペンシル内の電気外科用ブレードの鋭利な非導電性先端で切断を行うこと、および電気外科用ブレードの電気接点を使
用することにより生体組織の広い領域の凝固を行うことを可能にする。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルはまた、電気外科用ブレードのアクティブ電極およびリターン電極を用いても切断を行い得る。本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの例示的な実施形態は、第1および第2の対向する平坦側部ならびに鋭利な切断縁部を有する非導電性部材と、非導電性部材の第1の対向する平坦側部に、第1の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極と、非導電性部材の第2の対向する平坦側部に、第2の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極とを有する、超極性電気外科用ブレードを含む。非導電性平坦部材の切断縁部は、生体組織を切断するための鋭利な非導電性切断縁部を形成することができ、一方、非導電性部材の対向する平坦側部に位置するアクティブ電極およびリターン電極は、生体組織の凝固および切断を行うために使用することができる。
【0023】
本発明は、第1の端部および第2の端部を有するハンドピース部材と、第1の端部および第2の端部を有する中空伸縮部材であって、中空伸縮部材の第2の端部がハンドピース部材の第1の端部内に同心円状に配置される中空伸縮部材と、中空伸縮部材の第1の端部内に配置される電気外科用ブレードであって、対向する平坦側部および切断縁部を備える非導電性部材、一方の対向する平坦側部に、一方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、アクティブ電極、ならびに他方の対向する平坦側部に、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が切断縁部付近に露出するように配置された、リターン電極を含む、電気外科用ブレードとを含む、超極性伸縮電気外科用ペンシルを対象とする。
【0024】
非導電性部材の一方の対向する平坦側部に位置するアクティブ電極は、他方の平坦側部に位置するリターン電極の少なくとも一部と対称であってもよい。電気外科用ブレード上のアクティブ電極およびリターン電極は、全体にわたって同じ厚さを有する導電層とすることができる。非導電性部材の頂部は、非導電性部材の鋭利な切断縁部よりも幅広とすることができ、非導電性部材は、その頂部の少なくとも一部からその底部の一部にかけて先細になってもよい。
【0025】
非導電性平坦部材は、セラミックを含んでもよく、アクティブ電極およびリターン電極は、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含んでもよい。アクティブ電極およびリターン電極はそれぞれ、非導電性部材の半分の長さを超えて延在する細長い導電層の形をとってもよい。アクティブ電極の細長い導電層の少なくとも一部は、非導電性部材の一方の対向する平坦側部の1つまたは複数の対向する細長い縁部まで、またその部分長に沿って延在してもよく、リターン電極の細長い導電層の少なくとも一部は、非導電性部材の他方の対向する平坦側部の1つまたは複数の対向する細長い縁部まで、またその部分長に沿って延在してもよい。
【0026】
図1は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルに使用される超極性電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の側面透視図である。超極性電気外科用ブレード10は、第1および第2の対向する平坦側部14,16、頂部18、底部20、鋭利な切断縁部26を備える切断端22、ならびに非切断端24を有する非導電性部材12と、非導電性部材12の第1の対向する平坦側部14に、第1の対向する平坦側部14の少なくとも一部が鋭利な切断縁部26付近に露出するように配置された、アクティブ電極30とを含む。ブレード10の底部に対する鋭利な切断縁部26の角度Xは、図1に示すように、20度未満であってもよい。超極性電気外科用ブレード10はまた、非導電性部材上に収容されたアクティブ電極およびリターン電極と連通する導電性インサート部材80をも含む。図1は、導電性インサート部材80のうちの1つと連通する、第1の対向する平坦側部14上のアクティブ電極30を示し、それによってその導電性インサート部材は上部アクティブ導電性インサート部材となっている。アクティブ電極30は、非導電性部材12の第1の対向する平坦側部14上に被着された導電層であってもよく、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含んでもよい。図1に示すように、アクティブ電極30は、非導電性部材12の第1の対向する平坦側部14の長さに沿って、非導電性部材12の頂部18付近に延在する細長い導電層であり、非導電性部材12の第1の対向する平坦側部14に配置された「V」字形フック状の形状が非導電性部材12の切断端22付近にある。アクティブ電極30はまた、非導電性部材12の第1の対向する平坦側部14の全長に沿って非導電性部材12の非切断端24まで延在し、次いで導電性インサート部材80のうちの1つと連通するように非導電性部材12の非切断端24に巻き付く。非導電性部材12はまた、導電性インサート部材80を挿入するための非切断端24内の開口(図示せず)と、超極性電気外科用ブレード10が超極性伸縮電気外科用ペンシル内に配置されると超極性伸縮電気外科用ペンシルの内周に隣接して位置する丸みを帯びた部分90とを含む。
【0027】
図2は、図1に示した超極性電気外科用ブレード10の例示的な実施形態の反対側の側面図である。超極性電気外科用ブレード10は、第1および第2の対向する平坦側部14,16、頂部18、底部20、鋭利な切断縁部26を備える切断端22、ならびに非切断端24を有する非導電性部材12と、非導電性部材12の第2の対向する平坦側部16に、第2の対向する平坦側部16の少なくとも一部が鋭利な切断縁部26付近に露出するように配置された、リターン電極32とを含む。超極性電気外科用ブレード10はまた、非導電性部材12上に収容されたアクティブ電極およびリターン電極と連通する導電性インサート部材80をも含む。図2は、導電性インサート部材80のうちの1つと連通する、第2の対向する平坦側部16上のリターン電極32を示し、それによってその導電性インサート部材は下部リターン導電性インサート部材となっている。リターン電極32は、非導電性部材12の第2の対向する平坦側部16上に被着された導電層であってもよく、ステンレス鋼、銅、および/またはタングステンを含んでもよい。図2に示すように、リターン電極32は、非導電性部材12の第2の対向する平坦側部16の長さに沿って、非導電性部材12の頂部18付近に延在する細長い導電層であり、非導電性部材12の第2の対向する平坦側部16に配置された「V」字形フック状の形状が非導電性部材12の切断端22付近にある。リターン電極32はまた、非導電性部材12の第2の対向する平坦側部16の全長に沿って非導電性部材12の非切断端24まで延在し、次いで導電性インサート部材80のうちの1つと連通するように非導電性部材12の非切断端24に巻き付く。非導電性部材12はまた、導電性インサート部材80を挿入するための非切断端24内の開口(図示せず)と、超極性電気外科用ブレード10が超極性伸縮電気外科用ペンシル
内に配置されると超極性伸縮電気外科用ペンシルの内周に隣接して位置する丸みを帯びた部分90とを含む。非導電性部材12の第1および第2の対向する平坦側部14,16に位置するアクティブ電極30およびリターン電極32は、それぞれ対向する互いの鏡像である。
【0028】
図3は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル100の例示的な一実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレード10を、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル100の中空伸縮部材内に設置された状態で示している。超極性伸縮電気外科用ペンシル100は、第1および第2の端部104,106を備えるハンドピース部材102と、第1および第2の端部114,116を備える中空伸縮部材112であって、超極性伸縮電気外科用ペンシル100が使用のために組み立てられると、中空伸縮部材112の第2の端部116がハンドピース部材102の第1の端部104内に同心円状に配置(および保持)される、中空伸縮部材112とを含む。超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、中空伸縮部材112の第1の端部114に配置される超極性電気外科用ブレード10をも含む。超極性電気外科用ブレード10は、対向する平坦側部14,16、鋭利な切断縁部26を備える切断端22、および対向する非切断端24を有する非導電性平坦部材12と、一方の対向する平坦側部14に位置し、一方の対向する平坦側部14の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、アクティブ電極30と、他方の対向する平坦側部16(図示せず)に位置し、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、リターン電極32(反対側にあるため図示せず)とを含む。非導電性平坦部材12の非切断端24には、導電性インサート部材80が位置しており、それぞれアクティブ電極30およびリターン電極32と連通している。
【0029】
超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、ハンドピース部材102の上部内面に取り付けられた(導電性チャネルの形をとり得る)導電性細長接点部材120と、導電性接点部材122であって、中空伸縮部材112の第2の端部116がハンドピース部材102内に配置されると、導電性接点部材122の一部がハンドピース部材102内に収容された導電性細長接点部材120と摺動可能に係合するように、導電性インサート部材80を通じて電気外科用ブレード10のアクティブ電極30に接続された、導電性接点部材122とを含む。導電性接点部材122の一部は、中空伸縮部材112の内部に配置されてもよく、導電性接点部材122の一部は、中空伸縮部材112の外面に配置されてもよい。超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、中空伸縮部材112内に収容され、導電性インサート部材80を通じて電気外科用ブレード10のリターン電極(図示せず)に接続された、中空導電性管状部材140と、中空導電性管状部材140内でその長さに沿って摺動することができるようにハンドピース部材102内に収容された中実導電性ロッド部材142とを含む。中空伸縮部材112には、中空導電性管状部材140を中空伸縮部材112内に保持するための第1の支持部材150が接続されてもよく、ハンドピース部材102には、中実導電性ロッド部材142をハンドピース部材102内に保持するための第2の支持部材152が接続されてもよい。
【0030】
導電性細長接点部材120は、ワイヤなどの電気的連通手段を介して回路基板160に接続されており、それによって超極性電気外科用ブレード10のアクティブ電極30を回路基板160に接続する。ワイヤ170などの連通手段が、超極性伸縮電気外科用ペンシル100に電力を供給するために回路基板160を電気手術器(図示せず)に接続し、超極性伸縮電気外科用ペンシル100は、電気外科用ペンシル100の上部166に位置する作動ボタン164を介して動作させることができる。ワイヤ172などの連通手段も、中空導電性管状部材140および中実導電性ロッド部材142を介してリターン電極(図示せず)を電気手術器(図示せず)に接続するために使用され得る。導電性細長接点部材120との導電性接点部材122の摺動可能な係合、および中空導電性管状部材140内での中実導電性ロッド部材142の摺動可能な係合が、ハンドピース部材102に対する中空伸縮部材112の伸縮を可能にする。これにより、外科医または使用者が超極性伸縮電気外科用ペンシルを長くするまたは短くすることが可能になり、行われる電気外科手術のタイプおよび領域に応じたその使用がより容易になる。
【0031】
超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、ノズル部材180であって、超極性電気外科用ブレード10の少なくとも一部がノズル部材180および中空伸縮部材112の第1の端部114内に収容されるように中空伸縮部材112の第1の端部114に接続された、ノズル部材180をも含む。ノズル部材180は、透明であってもよく、図4および図5に示す実施形態のような煙排出チャネルを含む超極性伸縮電気外科用ペンシルの煙排出チャネルに煙および/またはデブリを送り込むように機能する。超極性伸縮電気外科用ペンシル100はまた、ハンドピース部材102の第2の端部106に接続された旋回部材186をも含む。
【0032】
図4は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル200の別の例示的な実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレード10を、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの中空伸縮部材内に設置された状態で示している。図3に示した実施形態とこの実施形態との間の主な違いは、超極性伸縮電気
外科用ペンシル200のこの実施形態が煙排出チャネルを含み、超極性電気外科用ブレードのアクティブ接点およびリターン接点が、超極性伸縮電気外科用ペンシル200を電気手術器/電気手術器発生器(ESU)に接続するために使用される絶縁電源コード内に共に収容されたアクティブワイヤおよびリターンワイヤに最終的に接続されていることである。
【0033】
超極性伸縮電気外科用ペンシル200は、第1および第2の端部204,206を備えるハンドピース部材202と、第1および第2の端部214,216を備える中空伸縮部材212であって、超極性伸縮電気外科用ペンシル200が使用のために組み立てられると、中空伸縮部材212の第2の端部216がハンドピース部材202の第1の端部204内に同心円状に配置(および保持)される、中空伸縮部材212とを含む。超極性伸縮電気外科用ペンシル200はまた、中空伸縮部材212の第1の端部214に配置される超極性電気外科用ブレード10をも含む。超極性電気外科用ブレード10は、対向する平坦側部14,16、鋭利な切断縁部26を備える切断端22、および対向する非切断端24を有する非導電性平坦部材12と、一方の対向する平坦側部14に位置し、一方の対向する平坦側部14の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、アクティブ電極30と、他方の対向する平坦側部16(図示せず)に位置し、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、リターン電極32(反対側にあるため図示せず)とを含む。非導電性平坦部材12の非切断端24には、導電性インサート部材80が位置しており、それぞれアクティブ電極30およびリターン電極32と連通している。
【0034】
超極性伸縮電気外科用ペンシル200はまた、ハンドピース部材202の上部内面に取り付けられた(導電性チャネルの形をとり得る)導電性細長接点部材220と、導電性接点部材222であって、中空伸縮部材212の第2の端部216がハンドピース部材202内に配置されると、導電性接点部材222の一部がハンドピース部材202内に収容された導電性細長接点部材220と摺動可能に係合するように、導電性インサート部材80を通じて電気外科用ブレード10のアクティブ電極30に接続された、導電性接点部材222とを含む。導電性接点部材222の一部は、中空伸縮部材212の内部に配置されてもよく、導電性接点部材222の一部は、中空伸縮部材212の外面に配置されてもよい。超極性伸縮電気外科用ペンシル200はまた、中空伸縮部材212内に収容され、導電性インサート部材80を通じて電気外科用ブレード10のリターン電極(図示せず)に接続された、中空導電性管状部材240と、中空導電性管状部材240内でその長さに沿って摺動することができるようにハンドピース部材202内に収容された中実導電性ロッド部材242とを含む。中空伸縮部材212には、中空導電性管状部材240を中空伸縮部材212内に保持するための第1の支持部材250が接続されてもよく、ハンドピース部材202には、中実導電性ロッド部材242をハンドピース部材202内に保持するための第2の支持部材252が接続されてもよい。
【0035】
導電性細長接点部材220は、ワイヤなどの電気的連通手段を介して回路基板260に接続されており、それによって超極性電気外科用ブレード10のアクティブ電極30を回路基板260に接続する。ワイヤ270などの連通手段が、超極性伸縮電気外科用ペンシル200に電力を供給するために回路基板260を電気手術器(図示せず)に接続し、超極性伸縮電気外科用ペンシル200は、電気外科用ペンシル200の上部266に位置する作動ボタン264を介して動作させることができる。ワイヤ272などの連通手段も、中空導電性管状部材240および中実導電性ロッド部材242を介してリターン電極(図示せず)を電気手術器(図示せず)に接続するために使用され得る。ワイヤ270および272は、絶縁電源コード274内に収容されており、これは、電気手術器(ESU)上の異なる単極および双極接続モードへの超極性伸縮電気外科用ペンシル200のより簡単な接続を提供する。導電性細長接点部材220との導電性接点部材222の摺動可能な係
合、および中空導電性管状部材240内での中実導電性ロッド部材242の摺動可能な係合が、ハンドピース部材202に対する中空伸縮部材212の伸縮を可能にする。これにより、外科医または使用者が超極性伸縮電気外科用ペンシルを長くするまたは短くすることが可能になり、行われる電気外科手術のタイプおよび領域に応じたその使用がより容易になる。
【0036】
超極性伸縮電気外科用ペンシル200はまた、ノズル部材280であって、超極性電気外科用ブレード10の少なくとも一部がノズル部材280および中空伸縮部材212の第1の端部214内に収容されるように中空伸縮部材212の第1の端部214に接続された、ノズル部材280をも含む。ノズル部材280は、透明であってもよく、ブレード10を囲むノズル280内の領域290から煙排出チャネル292に煙および/またはデブリを送り込むように機能する。超極性伸縮電気外科用ペンシル200はまた、ハンドピース部材202の第2の端部206に接続された一方の端部と、手術部位から煙およびデブリを排出するための真空管298に接続可能な他方の端部とを有する旋回部材286をも含む。超極性伸縮電気外科用ペンシル200のこの実施形態では、ノズル280、中空伸縮部材212、ハンドピース部材202、および旋回部材286は、超極性伸縮電気外科用ペンシル200内に収容された煙排出チャネルを共に形成する。
【0037】
図5は、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル300のさらに別の例示的な実施形態の別々の構成部品を示す側面断面図であり、図1および図2に図示した超極性電気外科用ブレードを、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシル300の中空伸縮部材内に設置された状態で示している。図4に示した実施形態とこの実施形態との間の主な違いは、超極性伸縮電気外科用ペンシル300のこの実施形態が、電気外科用ブレード10のアクティブ電極およびリターン電極に接続する、中空伸縮部材およびハンドピース部材内の摺動可能な係合手段を一切使用しないことである。
【0038】
超極性伸縮電気外科用ペンシル300は、第1および第2の端部304,306を備え
るハンドピース部材302と、第1および第2の端部314,316を備える中空伸縮部材312であって、超極性伸縮電気外科用ペンシル300が使用のために組み立てられると、中空伸縮部材312の第2の端部316がハンドピース部材302の第1の端部304内に同心円状に配置(および保持)される、中空伸縮部材312とを含む。超極性伸縮電気外科用ペンシル300はまた、中空伸縮部材312の第1の端部314に配置される超極性電気外科用ブレード10をも含む。超極性電気外科用ブレード10は、対向する平坦側部14,16、鋭利な切断縁部26を備える切断端22、および対向する非切断端24を有する非導電性平坦部材12と、一方の対向する平坦側部14に位置し、一方の対向する平坦側部14の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、アクティブ電極30と、他方の対向する平坦側部16(図示せず)に位置し、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材12の非導電性切断端22付近に露出する、リターン電極32(反対側にあるため図示せず)とを含む。非導電性平坦部材12の非切断端24には、導電性インサート部材80が位置しており、それぞれアクティブ電極30およびリターン電極32と連通している。
【0039】
超極性伸縮電気外科用ペンシル300はまた、第1の絶縁ワイヤ322であって、電気外科用ブレード10のアクティブ電極、および第1の絶縁ワイヤ322の少なくとも一部をハンドピース部材302の上部内側付近に保持するための第1の保持要素325に接続された、第1の絶縁ワイヤ322と、第2の絶縁ワイヤ324であって、電気外科用ブレード10のリターン電極、および第2の絶縁ワイヤ324の少なくとも一部をハンドピース部材302の下部内側付近に保持するための第2の保持要素352に接続された、第2の絶縁ワイヤ324とを含む。
【0040】
第1の絶縁ワイヤ322は、回路基板360に接続されており、それによって超極性電気外科用ブレード10のアクティブ電極30を回路基板360に接続する。ワイヤ370などの連通手段が、超極性伸縮電気外科用ペンシル300に電力を供給するために回路基板360を電気手術器(図示せず)に接続し、超極性伸縮電気外科用ペンシル300は、電気外科用ペンシル300の上部366に位置する作動ボタン364を介して動作させることができる。第2の絶縁ワイヤ324は、リターン電極(図示せず)を電気手術器(図示せず)に接続する。第1および第2の絶縁ワイヤ322,324は、外科医または使用者が、ハンドピース部材302からまたはハンドピース部材302に中空伸縮部材312を伸長または収縮させることにより、超極性伸縮電気外科用ペンシルを長くするまたは短くするとき、中空伸縮部材312およびハンドピース部材302内で自由に移動する。
【0041】
超極性伸縮電気外科用ペンシル300はまた、ノズル部材380であって、超極性電気外科用ブレード10の少なくとも一部がノズル部材380および中空伸縮部材312の第1の端部314内に収容されるように中空伸縮部材312の第1の端部314に接続された、ノズル部材380をも含む。ノズル部材380は、透明であってもよく、ブレード10を囲むノズル380内の領域390から煙排出チャネル392に煙および/またはデブリを送り込むように機能する。超極性伸縮電気外科用ペンシル300はまた、ハンドピース部材302の第2の端部306に接続された一方の端部と、手術部位から煙およびデブリを排出するための真空管398に接続可能な他方の端部とを有する旋回部材386をも含む。超極性伸縮電気外科用ペンシル300のこの実施形態では、ノズル380、中空伸縮部材312、ハンドピース部材302、および旋回部材386は、超極性伸縮電気外科用ペンシル300内に収容された煙排出チャネルを共に形成する。
【0042】
超極性伸縮電気外科用ペンシルの異なる実施形態を備える別々の構成部品の変形形態を混合および適合させて、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルの任意の数の実施形態を生み出すことができることを理解されたい。たとえば、絶縁アクティブおよびリターン電極ワイヤを収容する図4に示した電源コードを、図3に示した超極性伸縮電気外科用ペンシルの実施形態、ならびに図5に示した超極性伸縮電気外科用ペンシルの実施形態に使用して、本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルのさらに2つの例示的な実施形態を生み出してもよい。さらに別の非限定的な例では、図3に示した超極性電気外科用ブレードは、煙およびデブリを、手術部位から離れる方向に、超極性電気外科用ブレードの周りを、中空伸縮部材およびハンドピース部材内の開放チャネルを通って排出することができるように、図4に示したもののように設置部材を使用して超極性伸縮電気外科用ペンシルの中空伸縮部材内に設置されてもよく、それによって本発明の超極性伸縮電気外科用ペンシルのさらに別の例示的な実施形態を生み出す。
【0043】
図6は、本発明の非伸縮超極性電気外科用ペンシル400の例示的な実施形態の側面断面図である。非伸縮超極性電気外科用ペンシル400は、第1および第2の端部404,406を備えるハンドピース402と、ハンドピース402の第1の端部404に配置される電気外科用ブレード410であって、対向する平坦側部414,416、鋭利な切断縁部426を備える切断端422、および対向する非切断端424を有する非導電性平坦部材412、一方の対向する平坦側部414に位置し、一方の対向する平坦側部414の少なくとも一部が非導電性平坦部材412の非導電性切断端422付近に露出する、アクティブ電極430、ならびに他方の対向する平坦側部416(図示せず)に位置し、他方の対向する平坦側部の少なくとも一部が非導電性平坦部材412の非導電性切断端422付近に露出する、リターン電極432(反対側にあるため図示せず)を含む、電気外科用ブレード410とを含む。ハンドピース402は、電気外科用ペンシル400の作動中に手術部位から煙およびデブリを排出するための、その中に収容された煙排出チャネル408をさらに備えてもよい。加えて、ハンドピース402は、非導電性平坦部材412の鋭利な切断縁部426が、超極性電気外科用ブレード410に電力を印加することなく正確
な切断を行うことができるので、1つだけの凝固用の作動ボタン409をさらに備えてもよい。あるいは、ハンドピース部材は、2つ以上の切断および凝固用の作動ボタン409を含んでもよい。超極性電気外科用ブレード410はまた、超極性電気外科用ブレード410を電気外科用ペンシルに接続するように機能するコネクタ490をも含んでもよい。超極性電気外科用ペンシル400はまた、透明であってもよい、ハンドピース402に接続されたノズル部材440をも含んでもよく、その場合、ハンドピース402の第1の端部404はノズル部材440の一部である。超極性電気外科用ペンシル400はまた、超極性電気外科用ブレード410のアクティブ電極430を超極性電気外科用ペンシル400の回路基板448に接続するための、ワイヤ445などの導電性連通手段と、超極性電気外科用ブレード410のリターン電極432を超極性電気外科用ペンシル400用の導電性配線を収容する電源コード(図示せず)に接続するための、ワイヤ446などの導電性連通手段とを含む。超極性電気外科用ペンシル400はまた、ハンドピース402の第2の端部406に接続され、さらには手術部位から煙およびデブリを排出するための真空管に接続された、旋回部材460をも含んでもよい。
【0044】
超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルのハンドピース部材は、非導電性平坦部材の鋭利な切断端/縁部が、超極性電気外科用ブレードに電力を印加することなく正確な切断を行うことができるので、1つだけの凝固用の作動ボタンを含んでもよい。あるいは、ハンドピースは、2つ以上の切断および凝固用の作動ボタンを含んでもよい。
【0045】
本発明の超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、電気外科手術を行うために使用する際に単極モードまたは双極モードで使用し得る。超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、20ワット未満の電力レベルで組織を切断および凝固することが可能であり得て、15ワットで特に良好に働き得る。
【0046】
<超極性伸縮電気外科用ペンシルの特徴および利点>
非導電性平坦部材の対向する側部に位置するアクティブ電極およびリターン電極を構成する導電層は、電気外科用ブレードが組織を切断および凝固する間に非常に低い電力レベル(15~20ワットなどまたはそれ以下)で機能することを依然として可能にしながら、任意の数の構成を呈し得る。本発明の超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、患者の身体に電流を通さないことにより組織抵抗が大幅に低減するため、低電力を用いて動作および機能することができる。他の電気外科用ペンシルとは異なり、本発明の超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、リターン電極板を患者の身体に配置することを必要としない。その結果、無線周波数電流が患者の身体を通らず、したがって身体の抵抗がほぼゼロである。したがって、本発明は、リターン電極を患者に配置せず、電流が患者の身体を通らないので、患者がリターン電極によって熱傷する危険がないため、他の電気外科用ペンシルよりもはるかに安全である。
【0047】
超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルの超極性電気外科用ブレードの鋭利な切断縁部は、超極性伸縮電気外科用ペンシルに電力を印加することなく組織を切断することができ、超極性伸縮電気外科用ペンシルに電力が印加されると組織を切断および凝固することもできる。
【0048】
本発明の超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、組織への最小限の側方損傷でまたは側方損傷なく、また組織の焦げまたは焼けなしに、切断後に組織が出血するのを止める。さらに、組織を切断および/または凝固する間に、組織が超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルの超極性電気外科用ブレードにくっつかない。加えて、超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルが機能するのに必要な低電力または低減電力、ならびに組織の最小限のまたは存在しない焦げのために、超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルを使用する際に煙がごくわずかしか発生しない。
【0049】
本発明の超極性電気外科用ブレードならびに超極性伸縮および非伸縮電気外科用ペンシルは、単極モードと双極モードの両方で使用することができ、それによってほぼいずれの電気手術器とも共に使用することができる電気外科用ブレードおよび電気外科用ペンシルを提供する。加えて、超極性伸縮電気外科用ペンシルの伸縮機構(すなわち、中空伸縮部材)は、行われる特定の外科的処置に応じて使用者または外科医が超極性電気外科用ペンシルの長さを延長または縮小することを可能にする。
【0050】
上記の例示的な実施形態は、本発明の範囲、適用性、または構成をいかなる形でも限定することを意図するものではない。むしろ、本開示は、例示的な実施形態およびモードの実施と、当業者に知られているかまたは明らかな等価なモードまたは実施形態の両方を教示することを意図するものである。さらに、含まれる全ての図は、例示的な実施形態およびモードの非限定的な例示であり、同様に、当業者に知られているかまたは明らかな任意の等価なモードまたは実施形態に役立つものである。
【0051】
具体的に記載されていないものに加えて、本発明の実施において用いられる構造、配置、用途、割合、要素、材料、もしくは構成部品の他の組合せおよび/または修正は、本発明の範囲から逸脱することなく、変更するか、そうでない場合には、特定の環境、製造仕様、設計パラメータ、または他の動作要件に特に適合させることができ、また本開示に包含されることを意図するものである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6