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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】電気化学電池及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/1004 20160101AFI20221004BHJP
   H01M 8/08 20160101ALI20221004BHJP
   H01M 8/1016 20160101ALI20221004BHJP
   H01M 8/10 20160101ALI20221004BHJP
   H01M 8/00 20160101ALI20221004BHJP
   C25B 9/00 20210101ALI20221004BHJP
   C25B 9/23 20210101ALI20221004BHJP
【FI】
H01M8/1004
H01M8/08
H01M8/1016
H01M8/10 101
H01M8/00 Z
C25B9/00 A
C25B9/23
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2019538517
(86)(22)【出願日】2018-04-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 US2018028300
(87)【国際公開番号】W WO2018195275
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-01-21
(31)【優先権主張番号】62/487,134
(32)【優先日】2017-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/957,052
(32)【優先日】2018-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519252985
【氏名又は名称】ピーエイチ マター、エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100104411
【弁理士】
【氏名又は名称】矢口 太郎
(72)【発明者】
【氏名】ビーチー、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ホルト、クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】オカンポ、ミネッテ
(72)【発明者】
【氏名】マター、ポール
【審査官】守安 太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-300215(JP,A)
【文献】特開2005-251492(JP,A)
【文献】特表2003-515894(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0162074(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0047988(US,A1)
【文献】特開2009-048953(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0057436(US,A1)
【文献】特表2008-503042(JP,A)
【文献】特開平05-214573(JP,A)
【文献】特開2016-188437(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0123998(KR,A)
【文献】特開平05-339769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/10
C25B 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気化学電池(10)であって、
液体水を実質的に含まず、かつ電解質層(400、500)(500、600)と電気化学的に接触する少なくとも1つの電極(350、750)を有し、
第1面と第2面を有する少なくとも1つのガス不透過性アニオン伝導膜(400、600)であって、前記第1面上の電極(350、750)と電気化学的に接触し、かつ前記膜(400、600)の前記第2面上の水性液体で透過される多孔質非電極層(550)と電気化学的に接触する、前記ガス不透過性アニオン伝導膜をさらに有する、電気化学電池。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、前記水性液体が7.0と同等またはそれより大きいpHを有する液体電解質である、装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、前記電解質層(400、500)(500、600)は、第2のガス不透過性膜(400、600)をさらに有し、および前記多孔質非電極層(550)は、対向する第1面および第2面を有し、
各々の膜(400、600)は、7.0と同等またはそれより大きいpHを有する水性液体によって透過される前記多孔質非電極層(550)の前記対向する面のうちの1つの面上に配置される、装置。
【請求項4】
請求項1記載の装置であって、第2の電極(350、750)をさらに有し、前記第2の電極(350、750)は、50%と同等またはそれ以上が液体電解質で充填される、装置。
【請求項5】
請求項4記載の装置において、前記第2の電極(350、750)はアノードである装置。
【請求項6】
請求項4記載の装置において、前記第2の電極(350、750)はカソードである装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)は燃料電池である装置。
【請求項8】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)は燃料電池または水電解槽である装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)は酸素減極カソードを有する電解槽である装置。
【請求項10】
請求項1記載の装置において、前記電解質層(400、500)(500、600)はさらに、導電性である多孔質非電極層(550)を含む装置。
【請求項11】
請求項1記載の装置において、発生ガスは前記電気化学電池(10)内で電気化学的に加圧される装置。
【請求項12】
請求項3記載の装置において、発生ガスは前記電気化学電池(10)内で電気化学的に加圧される装置。
【請求項13】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)はガス発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーを使用する装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)は酸素発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーを使用する装置。
【請求項15】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)は酸素発生電極(750)において水性フッ素化バインダーを使用する装置。
【請求項16】
請求項1記載の装置において、前記電気化学電池(10)はガス発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーと疎水性フッ素化バインダーとの混合物を使用する装置。
【請求項17】
請求項3記載の装置において、前記電気化学電池(10)はガス発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーと疎水性フッ素化バインダーとの混合物を使用する装置。
【請求項18】
電気化学電池(10)を使用して電解質からガスを発生させる方法であって、
第1面および第2面を有するアニオン伝導膜の第1面と電気化学的に接触している非電極多孔質層に電解質を供給する工程であって、前記アニオン伝導膜の第2面は、電解液での浸水が50%未満であるガス発生電極層と電気化学的に接触する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年4月19日付け出願の米国仮出願第62/487,134号の利益を主張した、2018年4月9日付け出願の米国本出願第15/957,052号、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、エネルギー省契約番号DE-SC0013111の下で政府の支援で作られた。政府は、本発明において一定の権利を有し得る。
【0003】
本発明は、概して電気化学電池及びその使用方法に関連する。
【背景技術】
【0004】
エネルギー貯蔵は、エネルギー生産者からその顧客への確実な電力供給を維持するために必要とされる。グリッドの電気負荷が1日を通して変化するにつれ、貯蔵エネルギーは増加した電力需要期間に電力を供給する。さらに、再生可能エネルギーや代替エネルギー源が増えるにつれ、エネルギー貯蔵はこれらの技術の有用性を最大化するだろう。エネルギー需要が拡大し続け、そしてより多くの再生可能エネルギー、すなわち風力および太陽光がグリッドに追加されるにつれ、地理的特徴に依存しない新しい分散型エネルギー貯蔵技術が必要とされるだろう。
【0005】
電池技術はいくつかの用途でエネルギー貯蔵を提供することが可能だが、再生可能エネルギーの負荷平準化のような長期間の充電/放電には経済的にあまり適していない。その結果、新しいエネルギー貯蔵装置の開発は既存のグリッドを補強し、構築アップグレードにおける設備投資を減らすだろう。ますます増加する再生可能エネルギーが実施されるにつれ、再生可能エネルギー用のより低価格のエネルギー貯蔵解決策が、消費者にとって電気料金を低く抑えるために必要となるだろう。
【0006】
再生燃料電池は、グリッドエネルギー貯蔵のための独自の解決策を提供する。電池とは異なり、再生式燃料電池は、大量のエネルギーを水素の形態で価格的に効率よく貯蔵することが可能である。水素形態のエネルギーは、スチールタンクの場合、約35ドル/kW-hrの価格で貯蔵することができ、これはバッテリーの価格よりかなり低い。再生式燃料電池または電気分解システムはまた、燃料電池自動車に水素生成のさらなる利益を提供し得る。残念なことに、再生燃料電池および電気分解システムについての既存の技術にはいくつかの制限がある。
【0007】
現在、水電解には2つの技術が商業的に使用されている。アルカリ電解槽は、液体電解液中の2つの電極に依存する確立された技術である。これらの電極は通常、セパレータと呼ばれる非導電性多孔質層によって分離されている。電圧の印加により、水素と酸素がそれぞれカソードとアノードから放出される。セパレータの透過性のために、水素ガスは実質的に電気化学的手段によって加圧されない。電池の両側の圧力差が小さいと、壊滅的な電池障害が発生する可能性がある。機械的圧縮機は、通常、水素圧縮に使用され、多くの規模および用途のため非常に高価な追加のシステム構成要素を必要とする。
【0008】
水電解のための第二の一般的な方法は、プロトン交換膜(PEM)電解槽である。この技術は、電解質としてガス不透過性ポリマー膜を使用する。水蒸気または液体水が少なくとも一方の電極に供給される。ガスは、PEM電解装置を用いて電気化学的に容易に圧縮することができ、電池は100バールを超える圧力差で作動することができる。PEM電解槽はまた、水素と酸素から電気と水を生成するように可逆的に作動することも可能である。PEM電解槽およびPEM可逆燃料電池の欠点は、構成要素のコストである。酸性電解質および電解操作電圧は、長期安定性のために高価な構成要素の選択を必要とする。白金およびイリジウムを電極触媒として使用しても良い。さらに、電極集電体は、耐食性材料で製造されなければならない。その結果、PEM電解システムは、多くのグリッド規模のエネルギー貯蔵用途のための広範囲の商業的適用には高価過ぎる。
【0009】
水酸化物イオンおよび他の陰イオンを伝導する陰イオン交換膜(AEM)として知られる高分子膜の開発と共に、加圧水素を生成することができる低コストの電池が可能になった。しかしながら、炭化水素系AEMは、液体の水がない状態で実施された場合の導電性を維持という課題を抱えている。さらに、液体電解質が存在しない場合、電極層中のアイオノマーは、高い面電流密度を得るために必要である2次元電解質/電極界面を越えたイオン伝導を導入することを要求される。
【0010】
米国特許第7,943,258号は、AEM電池設計に伴う課題を提示するAEM燃料電池設計を開示する。この特許は、電極層中の電解質およびアイオノマーとしてAEMを使用する。当業者であれば、液体電解質の不在下でAEMを数時間以上水和させ、活性を保つことは非常に困難であることを理解するだろう。258特許では、膜は、いくつかの独自の設計で、活性電極領域の外側の膜の端部に水を供給することによって一定の水和状態が保たれている。液体電解質が存在しない場合、この電池設計の電極層には、イオン伝導が電極を透過し、実質的な電流密度で作動することを可能にするためにアイオノマーが必要とされる。電池設計は、純粋な水素および純粋な酸素を利用する燃料電池として上手く機能すると予想されるが、燃料または酸化剤中に二酸化炭素が存在すると性能が徐々に低下することが予想される。さらに、この電池設計はいくつかの理由で電解操作には役立たない。
【0011】
第一に、酸素電極に使用される炭化水素アイオノマーは典型的な電解電圧下では安定しないだろう。第二に、膜を水和するために水を送達するために使用される吸い上げメカニズムは、大電流電解中の水消費量と一致するのに十分な速度で電池に水を送達しないだろう。
【0012】
液体電解質を使用して、電解および可逆的燃料電池/電解操作のためのアルカリ電池設計が実証されている。米国特許第6,447,942号は、アルカリ液体電解質を用いた可逆燃料電池設計を開示する。この設計は、電極間に多孔質セパレータを使用する。他の液体電解質電池の設計は、米国特許出願第2006/0057436A1号に開示される。この設計も多孔質隔膜セパレータを利用する。両方の設計において、電池は、燃料電池として作動したときに、燃料中の炭素酸化物汚染物質または酸化剤の影響を受け易いだろう。酸化剤では、長期間の運転中に、二酸化炭素がカソード中に炭酸塩を沈殿させ、それによりガス流を遮断する。燃料中では、白金またはニッケルなどのアノード触媒は、二酸化炭素によって被毒されるだろう。二酸化炭素も同様に炭酸塩として沈殿し、アノード内のガスの流れを妨げ得る。両方の場合において、電池設計は、多孔質セパレータの必要性のため、電気分解の間に生成物ガスの著しい加圧を可能にしないだろう。その結果、液体電解質アルカリ型燃料電池および可逆性アルカリ型燃料電池は多くの理想的な場合には機能し得る一方で、それらはかなりの制限を有する。
【0013】
電気分解電池のための一般的な設計は、ガス不透過性膜セパレータと水および/または電解質で満たされた電極との組み合わせである。米国特許第4,909,912号はそのような設計を開示する。この設計は、高電流密度を発生させるのに十分な速度でガスを浸水電極内の触媒に供給することができないため、燃料電池の作動には実用的ではない。燃料電池設計として有用ではないことを超えて、電気分解のためのこの電池設計に関する制限は、生成物を回収するために追加の水および生成物ガス分離工程が必要とされることである。さらに、アノード上での腐食、すなわち水の電気分解のための酸素発生電極上の腐食は、電解質と接触するあらゆる成分にとって深刻であり得る。この電池設計では、集電体および双極板が電解質と接触し、それらを潜在的に腐食性の電気化学反応にさらすことになる。
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある(国際出願日以降国際段階で引用された文献及び他国に国内移行した際に引用された文献を含む)。
(先行技術文献)
(特許文献)
(特許文献1) 米国特許第8,945,774号明細書
(特許文献2) 米国特許第8,617,746号明細書
(特許文献3) 米国特許出願公開第2009/0081501号明細書
(特許文献4) 米国特許出願公開第2003/0162074号明細書
(特許文献5) 米国特許出願公開第2001/0031389号明細書
(特許文献6) 米国特許第4,732,660号明細書
(特許文献7) 米国特許出願公開第2003/0068544号明細書
(非特許文献)
(非特許文献1) TAKAMURA,T.; OHARA,S.; UEHARA,M.; SUZUKI,J.; SEKINE,K.,J.Power Sources 2004 ,129,96.
(非特許文献2) CHAN,C.K.,et al.,High-performance lithium battery anodes using silicon nanowires,Nature Nanotechnology,2008,3,31
(非特許文献3) BATES,J.B.,et al.,Thin film lithium and lithium ion batteries,Solid State Ionics,2000,135,33
(非特許文献4) WU,H.,et al,Designing nanostructured Si anodes for high energy lithium ion batteries Nano Today,2012,7,414
(非特許文献5) GE,M.,et al.,Porous Doped Silicon Nanowires for Lithium Ion Battery Anode with Long Cycle Life Nano Lett.,2012,12,2318
(非特許文献6) YOO,J.K.,et al.,Scalable fabrication of silicon nanotubes and their application to energy storage Adv.Mater.,2012,24,5452
(非特許文献7) PARK,M.H.,et al.,Silicon Nanotube Battery Anodes,Nano Lett.,2009,9,3844
(非特許文献8) KIM,H.,et al.,Three-dimensional porous silicon particles for use in high-performance lithium secondary batteries., Angew.Chem.Int.Ed.,2008,47,10151
(非特許文献9) ZHOU,X.,et al.,Self‐Assembled Nanocomposite of Silicon Nanoparticles Encapsulated in Graphene through Electrostatic Attraction for Lithium‐Ion Batteries,Adv.Energy Mater.,2012,2,1086
(非特許文献10) LIU,N.,et al.,A Yolk-Shell Design for Stabilized and Scalable Li-Ion Battery Alloy Anodes,Nano Lett.,2012,12,3315.
(非特許文献11) ZHAO,J.,et al,Artificial solid electrolyte interphase-protected,LixSi Nanoparticles: An efficient and stable prelithiation agent for lithium ion batteries,2015,JACS,DOI:10.1021/jacs.5b04526
(非特許文献12) CHANDRASIRI,K.W.,et al.,Citric acid based Pre-SEI for improvement of silicon electrodes in lithium ion batteries,J. Electrochem Soc., 2018, 165 (10) A1991-A1996
(非特許文献13) ZHU,C.,et al,Achieving High-Performance silicon anodes of lithium ion batteries via atomic and molecular layer deposited surface coatings: an overview,Electrochimca Acta,2017,251,710-728
(非特許文献14) LIU,N.,et al.,A pomegranate-inspired nanoscale design for large-volume-change-lithium battery anodes,Nature Nanotechnology,2014,9,187-192.
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
複数の実施形態に開示される本発明は、全て単なる例示のみという意味であり、それに限定されることなく、既存の液体電解質電池およびAEM電池設計の制限を解決する電池設計を含むものである。この設計は、複数の実施形態において、PEM電解槽および可逆燃料電池よりもはるかに低コストの構成要素を可能にする。この設計は、複数の実施形態において、液体電解質と接触する少なくとも1つのガス不透過性AEMと、液体であふれない少なくとも1つの電極との組み合わせを利用し得ることにより、電極へのおよび/または電極からのガスの高速流を可能にする。ガス不透過性AEMは、ガス不透過性で水酸化物アニオンを伝導する任意の膜材料を含む、実質的にガス不透過性でアニオンを伝導する任意のAEM材料とし得る。
【0015】
別の好ましい実施形態では、水性KOHを液体電解質成分として使用しても良い。しかしながら、様々な実施形態において、液体電解質は、pH>7の任意の塩水溶液を含み得る。電池設計の別の好ましい実施形態では、多孔質層によって分離された2つのAEMを、電極を分離するのに使用可能な水性液体電解質を浸透させ得る。電極は、電気化学反応が起こる任意の層であり得る。別の好ましい実施形態では、電極は、水素発生および水素酸化が起こり得る水素電極と、酸素発生および酸素還元が起こり得る酸素電極とからなるだろう。
【0016】
他の実施形態では、これらの電極は、酸素還元、酸素発生、水素還元、水素発生、フッ素発生、塩素発生、臭素発生、ヨウ素発生、および他の多数の電気化学反応に有用であり得る。
【0017】
2つのAEM層の間に配置された多孔質マトリックスは、導電性でも非導電性でも良い。別の好ましい実施形態では、多孔質層はニッケル金属フォームでも良く、そして水性水酸化カリウムで浸透されても良い。電池設計の一実施形態において、少なくとも1つの電極は、最適性能を達成するためにアイオノマーを使用する。
【0018】
別の好ましい実施形態では、水素電極はアニオン伝導性アイオノマーを使用する。さらに別の好ましい実施形態では、酸素電極はフッ素化バインダーおよび/またはフッ素化アイオノマーを使用する。
【0019】
さらなる好ましい実施形態では、少なくとも1つの電極は親水性および疎水性フッ素化バインダーの混合物を使用する。別の好ましい実施形態では、両方の電極が液体であふれないが、膜は水性電解質と接触していても良く、燃料電池および/または電解槽としての動作を可能にする。さらに別の好ましい実施形態では、液体電解質を外部の貯蔵器に貯蔵し、電極セパレータ層を通して循環させることが可能である。
【0020】
別の実施形態では、電池は酸化剤として空気を用いて燃料電池として動作する。AEMと接触している液体電解質は、AEMがそのカーボネート形態に変換されるのを防止する。電池の一実施形態では、水素電極は、少量の一酸化炭素によってひどく被毒されない非Niおよび非Pt触媒を含む。電池の一実施形態では、アノードは、一酸化炭素と二酸化炭素も含む水素含有燃料で動作する。
【0021】
別の実施形態では、電池は燃料電池として動作する。他の実施形態では、電池は電解槽として動作する。別の実施形態では、電池は燃料電池と電解槽の両方として動作する。別の実施形態では、電池は酸素減極カソードを有する電気分解装置として動作する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書に開示されるような電気化学電池の範囲を限定することなく、ここで図面および図を参照する。
図1a図1aは、本発明の実施形態を示す。
図1b図1bは、本発明の実施形態を示す。
図1c図1cは、本発明の実施形態を示す。
図2a図2aは、本発明の他の実施形態を示す。
図2b図2bは、本発明の他の実施形態を示す。
図3図3は、水の電気分解および燃料電池電流で得られた例示的な電流-電圧曲線を示す。
図4図4は、可逆燃料電池の実施形態の例示的な加速劣化サイクルを示す。
図5図5は、可逆燃料電池の実施形態の例示的な定常状態サイクルを示す。
図6図6は、酸素注入電極の実施形態の例示的な定常状態電圧を示す。
図7図7は、加湿酸素(25℃露点)中で45℃での炭化水素系アニオン伝導性アイオノマーを有する電極の例示的な酸素電極電圧、40mA/cmの酸素発生での200サイクル、1分の緩和を伴う200mA/cmの酸素還元を示し、及び、
図8図8は、湿潤化酸素(25°C露点)中の45℃でのスルホン化テトラフルオロエチレン系フルオロポリマー-コポリマー(以下、「NAFION(登録商標)」、E.I.Dupont de Nemours and Co.米国、デラウェア州、ウィルミントン)アイオノマー/バインダーを有する電極の例示的な酸素電極電圧;40mA/cmの酸素発生での200サイクル、1分の緩和を伴う200mA/cmの酸素還元を示す。
【0023】
これらの図は、以下により詳細に記載されるように、電気化学電池の例示的な実施形態およびその使用方法の理解を助けるために提供されたものであり、本明細書を過度に限定するものとして解釈されるべきではない。特に、図面に示される様々な要素の相対的な間隔、配置、サイズ、および寸法は、一定の縮尺で描かれていないことがあり、明確さを向上させるために誇張、縮小または修正される。当業者はまた、単に明瞭さを改善し、図面の数を減らすために、一連の代替的な構成が省略されていることを理解するだろう。
【発明を実施するための形態】
【0024】
複数の実施形態に開示されている本発明は、全て単なる例示のみという意味であり、それに限定されることなく、既存の液体電解質電池およびAEM電池設計の制限を解決する電池設計を含む。この設計は、複数の実施形態において、PEM電解槽、可逆燃料電池および従来の液体電解質電解槽よりもはるかに低コストの構成要素を可能にする。この設計は、複数の実施形態において、液体電解質と接触する少なくとも1つのガス不透過性AEMと、液体であふれない少なくとも1つの電極との組み合わせを利用し得ることにより、電極へのおよび/または電極からのガスの高速流を可能にする。ガス不透過性AEMは、ガス不透過性で水酸化物アニオンを伝導する任意の膜材料を含む、実質的にガス不透過性でアニオンを伝導する任意のAEM材料とすることができる。
【0025】
これらには、カチオン性ポリマー膜、アニオン伝導性セラミック膜、メッシュまたは多孔質基材によって機械的に支持されたカチオン性ポリマー膜、カチオン官能基を有するポリマー膜、N+H3R官能基を有するポリマー、N+H2R2官能基を有するポリマー、N+HR3官能基を有するポリマー、N+R4官能基を有するポリマー、P+官能基を有するポリマー、およびそれらの混合物を含む。当業者であれば、他の可能な材料およびそれらの組み合わせを容易に思い浮かべるだろう。
【0026】
好ましい実施形態では、水性KOHを電解質として使用しても良い。しかしながら、様々な実施形態において、電解質はpH>7の任意の塩水溶液を含んでも良く、グループI、グループII、および遷移金属水酸化物、グループI、グループII、および遷移金属炭酸塩、グループI、グループII、および遷移金属重炭酸塩、グループI、グループII、および遷移金属酢酸塩、水酸化アンモニウム、アンモニウム炭酸塩、重炭酸アンモニウム、およびそれらの組み合わせを含む。液体電解質は、これも限定ではなく例としてのみであるが、上記のものを含む任意の高pH水溶液であり得る。
【0027】
電池設計の好ましい実施形態では、水性液体電解質を浸透させることができる多孔質マトリックス層によって2つのAEMを分離することができる。AEMおよび多孔質マトリックスは、電極を分離するために使用される。電極は、電気化学反応が起こる任意の層であり得る。好ましい実施形態では、電極は、水素発生および水素酸化が起こり得る水素電極と、酸素発生および酸素還元が起こり得る酸素電極とからなる。当業者に周知のように、電極層はガス拡散電極を含んでも良く、または浸水電極を含んでも良い。電極の例としては、バッキング支持体上の触媒コーティング、および金属電極が挙げられる。金属電極の例としては、ステンレス鋼メッシュ、ニッケルメッシュ、チタンメッシュ、白金メッシュ、被覆メッシュ、金属フォーム、金属スポンジ、およびそれらの混合物がさらに挙げられる。バッキング支持体の例としては、カーボンクロス、カーボンペーパー、金属フォーム、金属メッシュ、エキスパンドメタルメッシュ、およびそれらの混合物が挙げられる。電極触媒の例には、3、4、5、6、7、8、9、10、11、および12族遷移金属などの遷移金属、これらの遷移金属の合金、およびそれらの混合物が含まれ得る。
【0028】
具体的には、Ti、Cr、Mo、W、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ru、Os、Rh、Pd、Ag、Ir、Pt、Au、およびHgは電極触媒として当業者にとって周知である。遷移金属の炭化物、ホウ化物、窒化物、酸化物、硫化物、およびリン化物もまた、電極触媒として当業者によく知られている。当業者に周知である追加の触媒は、B、Al、Ga、In、Sn、Pb、Sb、Bi、およびCが挙げられる。元素形態、炭化物形態、ホウ化物形態、窒化物形態、酸化物形態、硫化物形態、リン化物触媒の形態およびそれらの混合物は、電極触媒として当業者によく知られている。炭素触媒は、グラファイト、グラフェン、単層ナノチューブ、多層ナノチューブ、ナノファイバー、球状粒子、非晶質粒子、コア-シェル粒子、およびそれらの混合物を含む多数の形態であっても良い。炭素触媒は、遷移金属原子、B、N、P、O、S、F、Cl、Br、およびそれらの混合物を含む多数の元素でドープされていても良い。
【0029】
電極触媒の例には、有機金属骨格、導電性ポリマー、炭化水素の熱分解生成物、ポリマーの熱分解生成物、およびそれらの混合物も含まれる。触媒はしばしば既知の触媒の混合物からなる。これらの電極触媒は、酸素還元、酸素発生、水素還元、水素発生、フッ素発生、塩素発生、臭素発生、ヨウ素発生、および他の多数の電気化学反応に有用であり得る。任意のガス発生またはガス消費電気化学反応のための電極触媒は本発明において有用であり得る。
【0030】
少なくとも1つのAEMと接触して、または2つのAEM層の間に配置されている多孔質マトリックスは、導電性または非導電性であっても良い。多孔質マトリックスの例としては、任意の連続気泡多孔質材料、多孔質ポリプロピレン、多孔質ポリエチレン、アスベスト、多孔質PTFE、金属発泡体、セラミック発泡体、ニッケル金属発泡体、カーボンペーパー、カーボンクロス、カーボンスポンジ、カーボン布、金属クロス、セラミッククロス、金属スポンジ、ポリマースポンジ、セラミックスポンジ、天然スポンジ、セラミック布地、金属布地、ポリマー布地、流通チャネルを有する多層エッチングポリマー膜、薄いシートのエッチングチャネルまたはカットチャネル、織布メッシュ、非織メッシュ、およびそれらの組み合わせを含む。当業者であれば、他の可能な材料およびそれらの組み合わせを容易に思い浮かべるだろう。
【0031】
好ましい実施形態では、多孔質層はニッケル金属フォームであっても良く、および水性水酸化カリウムで浸透されても良い。電池設計の一実施形態では、少なくとも1つの電極は、最適性能を達成するためにアイオノマーを使用する。アイオノマーの例は、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、アニオン伝導性セラミック粒子、N+H3R官能基を有するポリマー、N+H2R2官能基を有するポリマー、N+HR3官能基を有するポリマー、N+R4官能基を有するポリマー、P+官能基を有するポリマー、アニオン性ポリシロキサン、およびそれらの混合物を含む。いくつかの実施形態では、対応するAEMを製造するために使用されるポリマーと類似の構造の溶解分子であるAEMアイオノマーを利用しても良い。当業者であれば、他の可能な材料およびそれらの組み合わせを再び容易に思い浮かべるだろう。
【0032】
別の好ましい実施形態では、水素電極はアニオン伝導性アイオノマーを使用する。さらに別の好ましい実施形態では、酸素電極はフッ素化バインダーおよびフッ素化アイオノマーを使用する。フッ素化アイオノマーの例は、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、NAFION(登録商標)、N+H3R官能基を有するポリマー、N+H2R2官能基を有するポリマー、N+HR3官能基を有するポリマー、N+R4官能基を有するポリマー、P+官能基を有するポリマー、フッ素化アニオンポリシロキサン、およびそれらの混合物を含む、イオンを伝導し、フッ素化骨格を含む任意の分散ポリマー材料が含まれる。そしてまた、当業者であれば、他の可能な材料およびそれらの組み合わせを容易に思い浮かべるだろう。
【0033】
当業者に周知であるように、フッ素化バインダーの例として、以下のものが挙げられる。PTFE分散液、PTFE粒子、PTFE被覆粒子、アニオン性ポリマー、カチオン性ポリマー、NAFION(登録商標)、N+H3R官能基を有するポリマー、N+H2R2官能基を有するポリマー、N+HR3官能基を有するポリマー、N+R4官能基を有するポリマー、P+官能基を有するポリマー、フッ素化ポリシロキサン、およびそれらの混合物が含む、電極内で粒子を結合するために使用可能で、フッ素化骨格を含む任意の分散性ポリマー材料が含まれる。
【0034】
好ましい実施形態では、少なくとも1つの電極は親水性および疎水性フッ素化バインダーの混合物を使用する。好ましい実施形態では、両方の電極が液体であふれないが、膜は水性電解質と接触していてもよく、燃料電池および/または電解槽としての動作を可能にする。好ましい実施形態では、液体電解質は外部貯蔵器に貯蔵され、電極セパレータ層を通って循環することが可能である。
【0035】
さらに別の実施形態では、電池は酸化剤として空気を用いて燃料電池として動作する。AEMと接触している液体電解質は、AEMがそのカーボネート形態に変換されるのを防止する。電池の一実施形態では、水素電極は、少量の一酸化炭素によってひどく被毒されない非Niおよび非Pt触媒を含む。電池の別の実施形態では、アノードは、一酸化炭素と二酸化炭素も含む水素含有燃料で作動する。
【実施例1】
【0036】
実施例1-燃料電池または可逆燃料電池。
図1および図2は本発明の実施形態を示す。当業者であれば、層が全て同じ厚さである必要はなく、実際に層の厚さには広い変動があり得ることを理解するだろう。限定ではなく単なる例としての意味である例示的な実施形態では、エンドプレートは10cm程度の厚さであり得る一方、膜層は1ミクロン程度の薄さであり得る。この電池設計は、本発明を形成するために積み重ねられた一連の層からなっていても良い。当業者であれば、本発明の機能を依然として維持しながら、いくつかの層を組み合わせ、除去し、かつ/または修正することができることを理解するだろう。第1層は水素電極エンドプレート(100)であっても良い。一実施形態では、プレートはステンレス鋼から成っても良い。水素エンドプレート(100)は、水素進入(110)および進出ポート(120)、ならびに集電用のタブを含み得る。
【0037】
電気分解電池などのいくつかの例では、水素エンドプレート(100)は、水素進出ポート(120)のみを必要とし得る。次の層は第1の水素シール(200)であり得る。一実施形態では、シールは薄いPTFEシートから成る。シール層はまた、エポキシ、接着剤、シーラント、他のポリマー、またはそれらの組み合わせから作製され得る。シール内の空隙は、電極にガスが出入りするのを可能にするために水素ポート(210、220)まで延びてもよい。当業者は、別の実施形態において、ポート(210、220)が集電体メッシュおよび流動場(250)と共存し得ることを理解するであろう。このシールは、水素電極集電体(250)および水素流動場を囲むことができる。一実施形態では、水素電極集電体(250)はステンレス鋼メッシュであっても良い。一実施形態では、第2の水素シールは水素電極(350)を囲む。一実施形態では、水素電極(350)は、触媒とAEMアイオノマーとの混合物で被覆された多孔質カーボンペーパーであり得る。水素電極(350)の好ましい触媒は、Vulcan炭素によって担持された50重量%のルテニウムであり得る。水素側AEM層(400)は、第2の水素シール(300)および枠付き水素電極(350)層の上に位置しても良い。
【0038】
次の層は電解質層(500)であり得る。電解質層(500)は、多孔質マトリックス(550)を囲む薄いセパレータシールから成る。一実施形態では、多孔質マトリックスはセパレータシールの厚さに圧縮されたニッケルフォームであっても良い。一実施形態では、セパレータシールは、水性電解質、好ましくは水性KOH用の進入(510)および進出(520)も含む。電解質層シール内のチャネル(530、540)は、電解質が多孔質マトリックス(550)の底部に流入し、そして多孔質マトリックス(550)の上部から進出することを可能にする。酸素側AEM層(600)は、電解質層(500)および枠付き多孔質マトリックス層(550)の上に位置しても良い。
【0039】
次に、第1の酸素シール(700)を酸素側AEM(600)の上に置くことができる。このシールは酸素電極(750)を囲むことができる。酸素電極(750)は、触媒とフッ素化アイオノマー/バインダーとの混合物で被覆された多孔質カーボンペーパーであり得る。酸素電極(750)の好ましい触媒は、酸化物相および炭化物相を含む、窒素ドープ炭素およびFe/Co金属粒子の混合物であり得る。フッ素化アイオノマー/バインダーは、NAFION(登録商標)と分散PTFEバインダーとの混合物であり得る。一実施形態では、第2の酸素シール(800)が酸素電極集電体(850)をシールする。この実施形態では、酸素極集電体(850)はステンレス鋼メッシュであっても良い。酸素側シールは、電解質用の貫通口(810、820)も含み得る。第2のシール(800)内の空隙は、酸素進入ポート(830)および/または進出ポート(1つまたは複数)(840)まで延び、ガスが電極に出入りするのを可能にする。当業者であれば、別の実施形態において、ポート(830、840)が集電体メッシュおよび流動場(850)と共存し得ることを理解するだろう。
【0040】
最終層は酸素エンドプレート(900)であり得る。酸素エンドプレート(900)は、酸素進入(930)および進出(940)ポートを含み得る。電解電池などのようないくつかの例では、プレートは酸素進出ポート(940)しか必要としないことがある。エンドプレート(900)はまた、電池に入る(910)および出る(920)ための水性電解質のためのポート(910、920)、および電流収集のためのタブを含み得る。当業者であれば、多数の電池反復単位または電池反復単位を直列に積み重ねることが可能になるように、設計をどのように修正するべきかわかり得る。そのような設計では、内部層は酸素、水素、および電解質用の貫通口を使用することができる。そのような実施形態では、酸素ポートと水素ポートとをずらすことができる。導電性相互接続プレートは、電池を直列に接続するために電池反復単位間に使用され得る。シリーズの最上部と最下部の電池間の電解液を通るクロストークの影響を最小限に抑えるために、曲がりくねった電解液流路が好ましい。相互接続電解質スルーポートを被覆するなど、導電性材料を電解質から分離が好ましい。
【0041】
当業者はまた、いくつかの代替の電解質膜設計を想定することができる。例えば、AEMは、薄いAEMを安定化させるために多孔質層または他の機械的支持体によって機械的に支持することができる。さらに、電池設計のためのいくつかの用途では、電池ごとに2つのAEM層を使用する必要はないかもしれない。AEM層のうちの1つは、多孔質ポリプロピレンのような多孔質セパレータによって置き換えられ得る。
【0042】
当業者はまた、この電池設計がどのようにしてより大きなシステムの一部となり得るかを理解するだろう。そのシステムは、それを電解質貯蔵器に戻すために排出された液体電解質のための戻りラインを含み得る。ガス出口上の凝縮収集器からの液体戻りラインも電解質貯蔵器と流体連通して接続することができる。電極ガスの一方または両方は、層間に同様の圧力を維持するために電解質貯蔵器と流体連通することができる。
【0043】
当業者はまた、この電池設計が塩素または臭素の発生などの他の種類の電気分解にどのように有用であり得るかを理解することもできる。このような実施形態では、電解質は、電解質層または電極室のうちの1つを通って電池に供給することができる。乾燥ガスが一方の電極から発生する可能性がある。電池の他の実施形態では、電解槽は酸素脱分極カソードを利用することができ、酸素は電極に供給され、酸素還元は電極内で起こる。電池の一実施形態では、少なくとも1つの集電体は電解質と接触することができず、したがって、浸水電極ほど電気化学的劣化を受けにくい。
【実施例2】
【0044】
実施例2-フラッド酸素電極電解。
本発明のいくつかの実施形態では、電池当たり2つのAEM膜を使用する必要はないかもしれず、その一例はフラッド酸素電極電気分解のためである。この実施形態では、一連の層を積み重ねて電池を形成することができる。図1はこの実施形態で使用される層を示すが、層500および600はこの実施形態に含まれないであろう。第1層は水素電極エンドプレート(100)であり得る。この実施形態では、水素エンドプレート(100)はステンレス鋼から成っても良い。水素エンドプレート(100)は、水素進入(110)および進出ポート(120)、ならびに集電用のタブを含み得る。場合によっては、水素エンドプレート(100)は、水素進出ポート(120)のみを必要とし得る。
【0045】
次の層は第1の水素シール(200)であり得る。この実施形態では、シールは薄いPTFEシートから成っても良い。シール層はまた、エポキシ、接着剤、シーラント、他のポリマー、またはそれらの組み合わせから作製され得る。シール内の空隙は水素ポート(110、120)まで延び、ガスが電極の内外に出ることを可能にする。このシールは、水素電極集電体(250)を囲むことができる。この実施形態では、水素電極集電体(250)はステンレス鋼メッシュであっても良い。次の層は、水素電極(350)を囲む第2の水素シール(300)であっても良い。水素電極(350)は、触媒とAEMアイオノマーとの混合物で被覆された多孔質カーボンペーパーであっても良い。水素電極(350)のための好ましい触媒は、Vulcan炭素によって担持された50重量%のルテニウムであり得る。AEM層(400)は、第2の水素シール(300)および枠付き水素電極層(350)の上に位置してもよい。AEMは、水性電解質を充填した多孔質マトリックスによってさらに機械的に支持し得る。このような実施形態では、多孔質マトリックスは浸水電極、この実施形態では酸素電極(750)と接触していても良い。したがって、多孔質マトリックスは、水素側膜(400)と酸素電極(750)との間に配置され得る。
【0046】
次に、第1の酸素シール(700)が水素側膜(AEM)(400)の上に着座する。この第1の酸素シール(700)は酸素電極(750)を囲むことができる。第2の酸素シール(800)は第1のシール(700)の上に着座してもよく、第2の酸素シール(800)は酸素電極集電体(850)を囲んでもよい。一実施形態では、酸素電極集電体(850)はニッケルメッシュとしても良く、酸素電極(750)は触媒とバインダーの混合物で被覆されたニッケルフォームとしても良い。一実施形態では、酸素電極(750)は水性電解質で満たされても良い。電解質は、酸素入口(830)および出口(840)ポートを通して電池に供給しても良い。酸素電極(850)用の好ましい触媒は、Fe/Co金属粒子(酸化物相および炭化物相を含む)の混合物であり得る。バインダーは、ナフィオン(登録商標)と分散PTFEバインダーとの混合物であっても良い。酸素側シール(800)はまた、電解質のための進入(810)および進出(820)ポートを含み得、そして任意の気体生成物のための進出ポートとしても役立ち得る。
【0047】
最終層は酸素エンドプレート(900)であり得る。酸素エンドプレート(900)は、進入(930)および酸素進出(940)を含み得る。酸素エンドプレート(900)はまた、電池に進入(930)および進出(940)ための水性電解質のためのポート、および電流収集のためのタブを含み得る。当業者であれば、多数の電池反復単位または電池反復単位を直列に積み重ねることを可能にするためにどのように設計を修正すべきかがわかるだろう。そのような設計では、内部層は酸素、水素、および電解質用の貫通口を使用することができる。導電性相互接続プレートは、電池を直列に接続するために電池反復単位間に使用され得る。シリーズの最上部と最下部の電池間の電解液を通るクロストークの影響を最小限に抑えるために、曲がりくねった電解液流路が好ましい。相互接続電解質スルーポートを被覆するなど、導電性材料を電解質から分離することが好ましい。
【実施例3】
【0048】
実施例3-フラッド水素電極電解。
本発明のいくつかの実施形態では、電池ごとに2つのAEM膜を使用する必要はないかもしれず、その一例は、浸水水素電極電解用である。この実施形態では、一連の層を積み重ねて電池を形成することができる。図1はこの実施形態で使用される層を示すが、層500および600はこの実施形態に含まれないであろう。
【0049】
第1層は、水素電極エンドプレート(100)であり得る。一実施形態では、水素エンドプレート(100)はニッケル製であっても良い。水素エンドプレート(100)は、水素進入(110)および進出ポート(120)、ならびに集電用のタブを含んでも良い。場合によっては、水素エンドプレート(100)は、水素出口ポート(120)のみを必要とし得る。水素エンドプレート(100)はまた、液体電解質を電池に進入させ(110)及び進出させる(120)ためのポートを含んでも良い。
【0050】
次の層は第1の水素シール(200)であり得る。この実施形態では、シールは薄いPTFEシートから成っても良い。シール層はまた、エポキシ、接着剤、シーラント、他のポリマー、またはそれらの組み合わせから成り得る。シール(200)内の空隙は水素ポート(210、220)まで延び、電池の中(210)および/または外(220)のガス、および電池の中(210)および/または外(220)の電解質を可能にする。このシール(200)は水素電極集電体(250)を囲むことができる。一実施形態では、水素電極集電体(250)はニッケルメッシュとすることができる。次の層は第2の水素シール(300)であり得る。第2の水素シール(300)は水素電極(350)を囲むことができる。水素電極(350)は、触媒とAEMアイオノマーとの混合物で被覆された多孔質カーボンペーパーであり得る。水素電極(350)のための好ましい触媒は、Vulcan炭素によって担持された50重量%のルテニウムであり得る。一実施形態では、水素電極(350)は液体電解質で満たされてもよい。水素側膜(AEM)層(400)は、第2の水素シール(300)および枠付き水素電極層(350)の上に位置しても良い。いくつかの実施形態において、水素側膜(AEM)層(400)は、電解質で満たされている多孔質マトリックスによって機械的に支持されても良い。この多孔質マトリックスは、固体水素側膜(AEM)層(400)と浸水水素電極(350)との間に配置されても良い。
【0051】
次に、第1の酸素シール(700)が水素側膜(AEM)(400)の上に着座する。このシール(700)は酸素電極(750)を囲むことができる。次に、第2の酸素シール(800)は酸素集電装置および流動場(850)を囲む。一実施形態では、酸素電極集電体(850)はニッケルメッシュとしても良く、酸素電極(750)は触媒とバインダーの混合物で被覆したカーボンペーパーとしても良い。酸素電極(750)用の好ましい触媒は、Fe/Co金属粒子(酸化物相および炭化物相を含む)の混合物であり得る。バインダーは、ナフィオン(登録商標)と分散PTFEバインダーとの混合物であり得る。
【0052】
最終層は酸素エンドプレート(900)であり得る。酸素エンドプレート(900)は酸素出口ポート(940)を含み得る。エンドプレート(900)はまた、集電用のタブを含み得る。当業者であれば、多数の電池反復単位または電池反復単位を直列に積み重ねることを可能にするために、設計をどのように修正できるかわかるだろう。そのような設計では、内部層は酸素、水素、および電解質用の貫通口を使用し得る。導電性相互接続プレートは、電池を直列に接続するために電池反復単位間に使用されるだろう。シリーズの最上部と最下部の電池間の電解液を通るクロストークの影響を最小限に抑えるために、曲がりくねった電解液流路が好ましい。相互接続電解質スルーポートを被覆するなど、導電性材料を電解質から分離することが好ましい。
【実施例4】
【0053】
実施例4-可逆燃料電池試験。
実施例1に記載した設計を有する電池を可逆燃料電池および電解操作について試験した。電池は25cmの活性電極面積を有した。純粋な水素と酸素をそれぞれ300sccmの流速でそれぞれの電極に送り、両方とも25℃の露点に加湿した。水性5MKOH電解質を3cc/分で電解質層を通して循環させた。閉じ込められた空気をパージした後、ガスと電解質を3バールに加圧した。電池を最初に外部ヒーターを用いて60℃に加熱した。図3に示すように、電流-電圧曲線を電気分解および燃料電池電圧で得た。同じ電池は、燃料電池または電解槽のいずれとしても優れた動作が可能である。
【0054】
次に、図4に示すように、燃料電池と電気分解操作との間の急速なサイクルを実施した。これらのサイクルは、1分間の燃料電池電流負荷、それに続く1分間の開回路、それに続く1分間の電解負荷、それに続くさらに1分間の開回路を含んだ。燃料電池負荷は150mA/cmであった。電解負荷は50mA/cmであった。30時間の慣らし運転期間の後、60℃で500サイクル、続いて70℃で500サイクルを実施した。当業者であれば、Pt/Ir電極を有する可逆的PEM電池を除いて、ほとんどの電池設計および触媒がこれらのサイクル条件下で急速な劣化を受けることを理解するだろう。さらに、湿度制御および安定性はこの長期間の運転の下では困難であろう。驚くべきことに、この非Ptおよび非Ir電池設計はこれらの動作条件下で非常に安定するかもしれない。
【0055】
最後に、図5に示すように、燃料電池と電気分解運転との間のより長期のサイクルを実施した。これらのサイクルは、約5時間の燃料電池電流負荷、それに続く10分間の開回路、約15時間の電気分解負荷、それに続くさらに10分間の開回路を含んだ。燃料電池負荷は150mA/cmであった。電解負荷は50mA/cmであった。250時間を超えると、電池は燃料電池および電解槽として可逆的に作動した。当業者であれば、Pt/Ir電極を有する可逆的PEM電池を除いて、ほとんどの電池設計および触媒がこれらのサイクル条件下で急速な劣化を受けることを理解するだろう。さらに、湿度制御および安定性はこの長期間の運転の下では困難だろう。驚くべきことに、この非Ptおよび非Ir電池設計もまたこれらの動作条件下で非常に安定するかもしれない。
【実施例5】
【0056】
実施例5-定常電解試験。
実施例2に記載された設計を有する電池を定常状態電解操作について試験した。電池は25cm2の活性電極面積を有した。3バールの窒素を30sccmの流速で水素電極(カソード)に送った。5MのKOH水溶液を酸素電極室に3cc/分で循環させた。閉じ込められた空気をパージした後、ガスと電解質を3バールに加圧した。電池を最初に外部ヒーターを用いて60℃に加熱した。電池は、50mA/cmで18時間、定常電解下で運転された(図6参照)。操作中電圧は安定していた。さらなる試験(データは示さず)では、ガスクロマトグラフを用いて水素および酸素の純度を試験しながら、電流を2時間ごとに250mA/cmまで50mA/cmずつ増加させた。他の永久ガスに対して水素および酸素に対する99.99%を超える選択性が検出された。
【実施例6】
【0057】
実施例6-フッ素化ナフィオン(登録商標)対炭化水素バインダー。
実施例3に記載した設計態様を用いて可逆的酸素電極動作を電池で試験した。この電池において、ニッケルメッシュを水素電極に使用し、水素電極を5MのKOHで満たした。活性電極面積は2cmであった。酸素流量は50sccmであった。電池を可逆燃料電池および電気分解操作について45℃で試験した。参照電極を電解質中に置き、酸素電極と比較した。酸素極の電圧は、図7および図8にグラフで示され、2つの異なる実施形態にそれぞれ参照される可逆的水素電極に対する。
【0058】
図7は、電極に市販の炭化水素AEMアイオノマーを使用した酸素電極性能を示す。図8は、電極中にNAFION(登録商標)(官能化フルオロカーボン)アイオノマー/バインダーとPTFEとの混合物を用いた酸素電極性能を示す。予想通り、非浸水酸素電極に炭化水素AEMアイオノマーを使用することは、燃料電池または電解電流下で最初は良好に機能する。AEMアイオノマーは、イオン伝導性を電極内に広げ、電極の性能を高め、所与の電流密度で動作電圧を下げる。NAFION(登録商標)およびPTFEを用いて調製した電極では、初期性能はAEMアイオノマーを装填した電極と同様であった。NAFION(r)はアニオンを伝導するようには設計されていないため、この結果は驚くべきことである。炭化水素AEMアイオノマーを充填した電極は、燃料電池と電気分解運転との間で電流が循環するにつれて劣化する。これは、電解操作下での炭化水素アイオノマーの酸化、およびその結果としてのイオン伝導性の損失によって説明し得る。
【0059】
逆に、ナフィオン(登録商標)フルオロカーボンアイオノマー/バインダー、および他のすべての触媒、成分および操作条件が同一である電極は、急速には劣化しない。サイクル中に電解電圧のいくらかの急上昇が観察されたが、これはおそらく電極内の湿度制御によるものであり、電圧が典型的な動作値に戻る前に数秒間しか続かない。
【0060】
当業者が理解するように、そして限定するものではなく、単なる一例として、少量の水性電解質がAEMを通って酸素電極中に浸透し、それによりイオン伝導性を電極中に広げることが可能である。しかしながら、電極の優れた酸素還元性能は、ガスが依然として電極触媒に接近可能であり、従って電極が完全に溢れていないことを示している。試験後の電極の検査により、酸素電極の膜側が濡れており、電極の集電体および流動場側が乾燥していることを確認した。
【0061】
その後、請求されるのは、複数の実施形態において、電気化学電池(10)およびその使用方法である。電気化学電池(10)は、液体水を実質的に含まず、電解質層(400、500)(500、600)と電気化学的に接触する少なくとも1つの電極(350、750)を有することができる。電気化学電池(10)は、第1の面と第2の面とを有し、第1の面で電極(350、750)と電気化学的に接触し、膜(400、600)の第2の面上で水性液体を浸透させた多孔質非電極層(550)と電気化学的に接触する少なくとも1つのガス不透過性アニオン伝導膜(400、600)をさらに有する。特定の実施形態において、水性液体は、7.0と同等またはそれより大きいpHを有する液体電解質であり得る。
【0062】
様々な実施形態において、電解質層(400、500)(500、600)は、第2のガス不透過性膜(400、600)を含み得る。多孔質非電極層(550)は、対向する第1の面および第2の面を有しても良く、各膜(400、600)は、高pH水性液体によって透過される多孔質非電極層(550)の対向する面の一方に配置されても良い。
【0063】
いくつかの実施形態では、電気化学電池(10)は、液体電解質で50%以上充填された第2の電極(350、750)を有しても良い。いくつかの実施形態では、第2の電極(350、750)はアノードとしても良く、他の実施形態では、第2の電極(350、750)はカソードとしても良い。当業者には理解されるように、いくつかの実施形態では、電気化学電池(10)は、燃料電池、および/または燃料電池および水電解槽であっても良い。いくつかのさらなる実施形態では、電気化学電池(10)は、酸素脱分極カソードを有する電解槽であっても良い。
【0064】
一連の実施形態において、電解質層(400、500)(500、600)は、導電性の多孔質非電極層(550)を含んでも良い。いくつかのさらなる実施形態では、発生ガスを電気化学電池(10)内で電気化学的に加圧することができる。さらに他の実施形態では、電気化学電池(10)は、ガス発生電極(750)に親水性フッ素化バインダーを使用することができ、他の実施形態では、酸素発生電極(750)に親水性フッ素化バインダーを使用することができる。電気化学電池(10)は、酸素発生電極(750)に親水性フッ素化バインダーを使用しても良い。
【0065】
いくつかの実施形態では、電気化学電池(10)は、ガス発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーと疎水性フッ素化バインダーとの混合物を使用しても良く、また、いくつかの実施形態では、酸素発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーとおよび疎水性フッ素化バインダーを使用しても良い。さらに他の実施形態では、電気化学電池(10)は、ガス発生電極(750)において親水性フッ素化バインダーと疎水性フッ素化バインダーの混合物を使用しても良い。
【0066】
さらなる一連の実施形態において、電気化学電池(10)は、水素進入ポート(110)および水素ポート(120)をさらに有する水素エンドプレート(100)を含む複数の層を有しても良い。そのような層は、さらに水素電極(350)を有する第1の水素シール層(300)と電気化学的に接触していても良く、水素側膜(400)と電気化学的に接触していても良い。次いで、そのような層は、電解質進入ポート(510)、電解質進出ポート(520)、電解質入口チャネル(530)、および電解質出口チャネル(540)、多孔質非電極層(550)をさらに有する電解質層(500)と電気化学的に接触し得る。この層は、酸素側膜(600)と電気化学的に接触していても良く、次いで酸素電極(750)を有する第1の酸素シール層(700)と電気化学的に接触していても良い。次いで、上記は、酸素進入ポート(930)および酸素進出ポート(940)をさらに含む酸素エンドプレート(900)と電気化学的に接触し得る。
【0067】
限定ではなく一例として意味されるいくつかの実施形態では、電気化学電池(10)は、水素進入ポート(210)、水素進出ポート(220)、水素シール層(300)および水素エンドプレート(100)の両方と電気化学的に接触する水素集電装置および流動場(250)有する第2の水素シール層(200)をさらに含み得る。他では、酸素シール層(700)と水素エンドプレート(900)の両方と電気化学的に接触する、流動場(850)第2の酸素シール層(800)は、電解質進入ポート(810)、電解質進出ポート(820)、酸素進入ポート(830)、酸素進出ポート(840)、および集電体メッシュをさらに含み得る。
【0068】
当業者によって理解されるように、水素シール層(200、300)は単一構造として形成されてもよく、酸素シール層(700、800)は単一構造として形成されても良い。
【0069】
電解質からガスを発生させるために電気化学電池(10)を使用する方法は、第1の面と第2の面とを有するアニオン伝導膜の第1の面と電気化学的に接触する非電極多孔質層に電解液を供給する工程を含む。アニオン伝導膜の第2の面は、実質的に非浸水ガス発生電極層と電気化学的に接触する。そのような方法では、実質的に非浸水ガス発生電極層の電解液での浸水が50%未満であり得ることを含み得る。
【0070】
実質的に浸水していないガス発生電極層を有することは、電池(10)内のガスの流れを容易にし、電解液を集電体と流体接触させることによって引き起こされる腐食を最小限に抑える。
【0071】
本明細書に開示された好ましい実施形態の多くの変更、修正、および変形は当業者にとって明らかであり、それらはすべて開示された明細書の精神および範囲内にあると予想および企図される。例えば、特定の実施形態を詳細に記載されたが、当業者であれば、前述の実施形態および変形例を様々な種類の代替材料および/または追加または代替材料、要素の相対配置、工程の順序、追加の工程、および寸法構成を組み込むために修正され得ることを理解するだろう。したがって、たとえ本明細書には、ほんのわずかな変形形態の製品および方法しか記載されていないが、そのような追加の修正および変形、ならびにそれらの均等物の実施は、以下の請求項に定義される方法および製品の主旨と範囲内にある。添付の特許請求における対応する構造、材料、行為、およびすべての手段または工程に加えて機能要素の均等物は、特に請求される他の請求される要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料または行為を含むことを意図する。
図1a
図1b
図1c
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8