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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】X線を用いた電池測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/20025 20180101AFI20221004BHJP
   H01M 10/04 20060101ALI20221004BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
G01N23/20025
H01M10/04 Z
H01M10/48 Z
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021500117
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2020002712
(87)【国際公開番号】W WO2020222413
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0050425
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2019-0172991
(32)【優先日】2019-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム、ソ ヨン
(72)【発明者】
【氏名】コー、ジャピル
【審査官】田中 洋介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/057484(WO,A1)
【文献】特開2016-170093(JP,A)
【文献】特開2012-159311(JP,A)
【文献】特開2018-049002(JP,A)
【文献】特開2005-221363(JP,A)
【文献】特開2008-064463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
H01M 10/00-10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の一側面を第1電池面とし、前記第1電池面と対面する前記電池の他側面を第2電池面とする時、
前記第1電池面に接して、前記電池を加圧する第1プレートと、
前記第2電池面に接して、前記電池を支持する第2プレートと、
前記第1プレートを前記第2プレート側に押す加圧部と、を含み、
前記第1プレートには、X線が通過する第1ホールが形成され、
前記第2プレートには、前記X線が通過する第2ホールが形成され、
前記第1ホールと前記第2ホールは、互いに対面する位置に形成され
前記電池と接する前記第1プレートの一側面を第2面とし、
前記第2面と対面する前記第1プレートの他側面を第1面とし、
前記電池と接する前記第2プレートの一側面を第3面とし、
前記第3面と対面する前記第2プレートの他側面を第4面とする時、
前記加圧部は、
前記第1プレートの前記第1面を加圧して、前記第1プレートの前記第2面が前記電池を加圧させる加圧手段と、
前記第1プレートの第1面側に位置し、前記加圧手段が挿入されてガイドされるガイドホールが設けられるガイドプレートと、
一端部は、前記第2プレートに結合され、他端部は、前記ガイドプレートと結合されて、前記第2プレートと前記ガイドプレートとを離隔した状態で互いに平行に固定する固定プレートと、を含み、
前記ガイドプレート、前記第2プレート及び前記固定プレートは一体に結合されるX線を用いた電池測定装置。
【請求項2】
前記加圧部と異なる位置で前記第1プレートと前記第2プレートとを前記電池に密着されるように加圧する補助加圧部をさらに含む請求項1に記載のX線を用いた電池測定装置。
【請求項3】
電池の一側面を第1電池面とし、前記第1電池面と対面する前記電池の他側面を第2電池面とする時、
前記第1電池面に接して、前記電池を加圧する第1プレートと、
前記第2電池面に接して、前記電池を支持する第2プレートと、
前記第1プレートを前記第2プレート側に押す加圧部と、を含み、
前記第1プレートには、X線が通過する第1ホールが形成され、
前記第2プレートには、前記X線が通過する第2ホールが形成され、
前記第1ホールと前記第2ホールは、互いに対面する位置に形成され、
前記電池と接する前記第1プレートの一側面を第2面とし、
前記第2面と対面する前記第1プレートの他側面を第1面とし、
前記電池と接する前記第2プレートの一側面を第3面とし、
前記第3面と対面する前記第2プレートの他側面を第4面とする時、
前記加圧部は、
前記第1プレートの前記第1面を加圧して、前記第1プレートの前記第2面が前記電池を加圧させる加圧手段と、
前記第1プレートの第1面側に位置し、前記加圧手段が挿入されてガイドされるガイドホールが設けられるガイドプレートと、
一端部は、前記第2プレートに結合され、他端部は、前記ガイドプレートと結合されて、前記第2プレートと前記ガイドプレートとを離隔した状態で互いに平行に固定する固定プレートと、を含み、
前記加圧部と異なる位置で前記第1プレートと前記第2プレートとを前記電池に密着されるように加圧する補助加圧部をさらに含み、
前記補助加圧部は、
前記第2プレートの前記第4面に接して、前記第2プレートを支持する第2補助プレートと、
前記第1プレートの前記第1面側で前記第1面と対面する第1補助プレートと、
前記第1補助プレートに設けられた補助ガイドホールに挿入されて、前記第1プレートを前記電池側に加圧する補助加圧手段と、
前記第1補助プレートに一端部が結合され、前記第2補助プレートに他端部が結合されて、前記第1補助プレートと前記第2補助プレートとを離隔した状態で互いに平行に固定する柱部と、を含むX線を用いた電池測定装置。
【請求項4】
前記第1補助プレートと前記第2補助プレートとの隔離距離は、15~45mmである請求項3に記載のX線を用いた電池測定装置。
【請求項5】
前記加圧手段と前記補助加圧手段との一端部は、前記第1プレートに接触して加圧し、
前記加圧手段が前記第1プレートに接触する地点と前記補助加圧手段が前記第1プレートに接触する地点とを連結する仮想の直線は、前記第1ホールを経由する請求項3または4に記載のX線を用いた電池測定装置。
【請求項6】
前記第1プレート及び前記第2プレートの素材は、Al、SUSのうち1つ以上を含み、
前記第1プレート及び前記第2プレートの厚さは、5~15mmであり、
前記第1ホール及び前記第2ホールの縦幅は、15~30mmであり、横幅は、5~25mmである請求項1から5のいずれか一項に記載のX線を用いた電池測定装置。
【請求項7】
前記第2プレートと前記ガイドプレートとの隔離距離は、10~30mmである請求項1から6のいずれか一項に記載のX線を用いた電池測定装置。
【請求項8】
前記第1プレートの一端部のエッジが前記固定プレートの面に接するように、前記第1プレートは、前記ガイドプレートと前記第2プレートとの間に配置される請求項1から7のいずれか一項に記載のX線を用いた電池測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年4月30日付の大韓民国特許出願10-2019-0050425号及び2019年12月23日付の大韓民国特許出願10-2019-0172991号に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示されたあらゆる内容は、本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、電池の活物質の性能を確認するために、電池が実際駆動する状態で活物質の挙動分析のためのものであって、具体的には、X線を電池に透過させて電池を測定するX線を用いた電池測定装置に関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、二次電池は、化学エネルギーを電気エネルギーに変換する放電と、逆方向である充電過程とを通じて繰り返し使用が可能な電池であり、その種類としては、ニッケルカドミウム(Ni-Cd)電池、ニッケル水素(Ni-MH)電池、リチウム金属電池、リチウムイオン(Li-ion)電池及びリチウムイオンポリマー電池(Li-ion Polymer Battery)などがある。このような二次電池のうち、高いエネルギー密度と電圧とを有し、サイクル寿命が長く、自己放電率が低いリチウム二次電池が商用化されて広く使われている。
【0004】
活物質は、実際バッテリ電極反応に関与する物質であって、活物質の性能によって、電池の容量、電圧など電池の性能が決定される。したがって、電池の性能を解釈するために、活物質を分析することは重要である。
【0005】
X線を利用した電池測定は、電池の活物質の測定するための1つの方法である。電池の測定は、充放電、温度、電圧など多様な条件に対して変化を与えながら行われる。この際、電池からガスが発生し、ガスの発生によって電圧降下、ポーチのスウェリング(pouch swelling)現象などが発生すれば、測定にエラーが生じうる。
【0006】
このような現象を防止するために、電池を加圧するジグが使われる。但し、ジグは、多様な目的(EV、ESS、携帯電話など)として販売されている二次電池のタイプ別に当該規格及び形状に合う形態が要求された。すなわち、二次電池は、面積、厚さなどの規格が多様であるために、従来の装置では、検査対象二次電池の形状及び規格の変更される度にジグの交替が必要であった。
【0007】
大韓民国登録特許第10-1274730号には、「X線回折分析が可能なインサイチュ電池フレーム」についての技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、電池の活物質の性能を確認するために、電池が実際駆動する状態で活物質の挙動分析のためのものであって、具体的には、X線を電池に透過させて電池を測定するX線を用いた電池測定装置を提供することである。
【0009】
本発明が解決しようとする技術的課題は、前述した技術的課題に制限されず、言及されていないさらに他の技術的課題は、下記の記載から当業者に明確に理解されるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、電池の一側面を第1電池面とし、前記第1電池面と対面する前記電池の他側面を第2電池面とする時、前記第1電池面に接して、前記電池を加圧する第1プレート;前記第2電池面に接して、前記電池を支持する第2プレート;及び前記第1プレートを前記第2プレート側に押す加圧部;を含み、前記第1プレートには、X線が通過する第1ホールが形成され、前記第2プレートには、前記X線が通過する第2ホールが形成され、前記第1ホールと前記第2ホールは、互いに対面する位置に形成されうる。
【発明の効果】
【0011】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、X線測定システムに適用されるものであって、具体的には、電池に結合して電池から発生する内部ガスによる電池の変化を抑制するものである。また、電池の一側面及び一側面と対面する他側面のみに接して電池を加圧するために、電池のサイズに関係なく電池と結合することができる。
【0012】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、必要面積だけの加圧で十分なので、電池の面積のうち、局所面積のみに接触して加圧することができる。したがって、電池にジグが結合するとしても、電池は、ジグと結合されない露出面積を有しており、このような露出面積を用いて多様な分析のための断熱材、ヒーター、充放電端子などのアクセサリー部品を連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】X線測定システムを概略的に示す概念図である。
図2】本発明のX線を用いた電池測定装置を示す斜視図である。
図3】本発明のX線を用いた電池測定装置を示す正面図である。
図4】本発明のX線を用いた電池測定装置を示す背面図である。
図5】補助加圧部が第1プレート及び第2プレートに分離された状態を示す平面図である。
図6】補助加圧部が第1プレート及び第2プレートに結合された状態を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、電池の一側面を第1電池面とし、前記第1電池面と対面する前記電池の他側面を第2電池面とする時、前記第1電池面に接して、前記電池を加圧する第1プレート;前記第2電池面に接して、前記電池を支持する第2プレート;及び前記第1プレートを前記第2プレート側に押す加圧部;を含み、前記第1プレートには、X線が通過する第1ホールが形成され、前記第2プレートには、前記X線が通過する第2ホールが形成され、前記第1ホールと前記第2ホールは、互いに対面する位置に形成されうる。
【0015】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記第1プレート及び前記第2プレートの素材は、Al、SUSのうち1つ以上を含み、前記第1プレート及び前記第2プレートの厚さは、5~15mmであり、前記第1ホール及び前記第2ホールの縦幅は、15~30mmであり、横幅は、5~25mmである。
【0016】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記電池と接する前記第1プレートの一側面を第2面とし、前記第2面と対面する前記第1プレートの他側面を第1面とし、前記電池と接する前記第2プレートの一側面を第3面とし、前記第3面と対面する前記第2プレートの他側面を第4面とする時、前記加圧部は、前記第1プレートの前記第1面を加圧して、前記第1プレートの前記第2面が前記電池を加圧させる加圧手段と、前記第1プレートの第1面側に位置し、前記加圧手段が挿入されてガイドされるガイドホールが設けられるガイドプレートと、一端部は、前記第2プレートに結合され、他端部は、前記ガイドプレートと結合されて、前記第2プレートと前記ガイドプレートとを離隔した状態で互いに平行に固定する固定プレートと、を含みうる。
【0017】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記第2プレートと前記ガイドプレートとの隔離距離は、10~30mmである。
【0018】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記第1プレートの一端部のエッジが前記固定プレートの面に接するように、前記第1プレートは、前記ガイドプレートと前記第2プレートとの間に配置される。
【0019】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記加圧部と異なる位置で前記第1プレートと前記第2プレートとを前記電池に密着されるように加圧する補助加圧部をさらに含みうる。
【0020】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記補助加圧部は、前記第2プレートの前記第4面に接して、前記第2プレートを支持する第2補助プレートと、前記第1プレートの前記第1面側で前記第1面と対面する第1補助プレートと、前記第1補助プレートに設けられた補助ガイドホールに挿入されて、前記第1プレートを前記電池側に加圧する補助加圧手段と、前記第1補助プレートに一端部が結合され、前記第2補助プレートに他端部が結合されて、前記第1補助プレートと前記第2補助プレートとを離隔した状態で互いに平行に固定する柱部と、を含みうる。
【0021】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記第1補助プレートと前記第2補助プレートとの隔離距離は、15~45mmである。
【0022】
本発明のX線を用いた電池測定装置で、前記加圧手段と前記補助加圧手段との一端部は、前記第1プレートに接触して加圧し、前記加圧手段が前記第1プレートに接触する地点と前記補助加圧手段が前記第1プレートに接触する地点とを連結する仮想の直線は、前記第1ホールを経由することができる。
【0023】
以下、添付図面を参照して、本発明による実施例を詳しく説明する。この過程で図面に示された構成要素の大きさや形状などは、説明の明瞭性と便宜上、誇張して示される。また、本発明の構成及び作用を考慮して特別に定義された用語は、ユーザ、運用者の意図または慣例によって変わりうる。このような用語に対する定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて下されなければならない。
【0024】
本発明の説明において、留意しなければならない点は、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内側」、「外側」などが指示した方位または位置関係は、図面で示した方位または位置関係、または、普段に本発明の製品を使用する時に配置する方位または位置関係に基づいたものであり、本発明の説明及び簡略な説明のためのものであり、表示された装置または素子が、必ずしも特定された方位をもって特定された方位によって構成または操作されなければならないということを提示または暗示するものではないので、本発明を制限するものと理解してはならない。
【0025】
以下、図1から図6を参照して、本発明のX線を用いた電池測定装置の構成及び機能を詳しく説明する。
【0026】
図1は、X線測定システムを概略的に示す概念図である。図2は、本発明のX線を用いた電池測定装置を示す斜視図である。図3は、本発明のX線を用いた電池測定装置を示す正面図である。図4は、本発明のX線を用いた電池測定装置を示す背面図である。図5は、補助加圧部300が第1プレート110及び第2プレート120に分離された状態を示す平面図である。図6は、補助加圧部300が第1プレート110及び第2プレート120に結合された状態を示す平面図である。
【0027】
図1に示したように、本発明のX線を用いた電池測定装置が適用されるシステムは、X線光源13が電池11にX線を照射し、電池11を透過したX線を受光部15に入力されて電池11を分析するものである。例えば、2theta scan測定方式で電池11を分析のために、0.56Åの波長のX線を使用して、2theta rangeを有効な範囲と測定することができる。受光部15は、回折角が5~25°である範囲で測定することができる。
【0028】
分析対象となる電池11は、電極組立体と、電極組立体を内部に収容する可撓性ポーチケースと、を含むものである。X線測定システムで電池11分析は、電池11に充放電、温度、電圧などの変数に変化を与えながら、電池11を多様な状態で分析することができる。可撓性ポーチケースの場合、電池11の状態が変わりながら電極組立体にガスが発生し、このように発生したガスは、ポーチケースを膨張させて電池11分析に差し支えを与える。
【0029】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、X線測定システムに適用されるものであって、具体的には、電池11に結合して電池11から発生する内部ガスによる電池11の変化を抑制するものである。また、電池11の一側面及び一側面と対面する他側面のみに接して電池11を加圧するために、電池11のサイズに関係なく電池11と結合することができる。
【0030】
以下、説明のために、電池11の一側面を第1電池面11aとし、前記第1電池面11aと対面する前記電池11の他側面を第2電池面11bとして定義する。
【0031】
図2に示したように、本発明のX線を用いた電池測定装置は、第1電池面11aに接して電池11を加圧する第1プレート110、第2電池面11bに接して電池11を支持する第2プレート120、及び第1プレート110を第2プレート120側に押す加圧部200を含みうる。すなわち、本発明のX線を用いた電池測定装置は、第1プレート110と第2プレート120とが電池11の両側面のみに接して加圧し、第1プレート110と第2プレート120とが加圧する面を除いた電池11の面は、外部に露出されている状態である。したがって、第1プレート110と第2プレート120と接する面を除いた電池11の規格は、制限がない。
【0032】
第1プレート110及び第2プレート120は、第1ホール115及び第2ホール125を除いた領域で短波長X線が透過されないことが望ましい。したがって、密度が高い金属素材で製作されることが望ましい。また、第1プレート110及び第2プレート120は、多様な分析環境に使われるために、耐熱、放熱、剛性などの特性に優れたものが望ましい。したがって、第1プレート110及び第2プレート120は、Al、SUSのうち1つ以上を含む金属である。第1プレート110及び第2プレート120の厚さは、5~15mmである。Al、SUSなどの素材は、5~15mmの厚さで短波長X線を効果的に遮断することができる。
【0033】
第1プレート110には、X線が通過する第1ホール115が形成され、第2プレート120には、X線が通過する第2ホール125が形成され、第1ホール115と第2ホール125は、互いに対面する位置に形成されるものである。例えば、図3及び図4に示したように、第1ホール115及び第2ホール125は、四角形で形成されうる。本発明のX線を用いた電池測定装置が適用されるシステムでX線光源13は、20mmの長さのラインビーム(line beam)を照射することができる。第1ホール115及び第2ホール125の横及び縦の長さは、ラインビームの長さ、X線の波長、測定方式、有効範囲などと加圧性能を低下させない範囲で定められる。すなわち、第1ホール115及び第2ホール125のサイズが小さければ、加圧性能は優れているが、測定に難点があり、サイズが大きければ、測定に第1プレート110及び第2プレート120による妨害要素は減るが、加圧性能が低下する。したがって、第1ホール115及び第2ホール125のサイズは、適正なレベルで定義される。
【0034】
具体的に、X線の波長が0.6Å未満で2theta scan測定方式で有効な2theta range(2theta 5~25°)を得るのに有利になるように、第1ホール115及び第2ホール125の縦幅は、15~30mmである。横幅は、X線から照射されたラインビームの幅と類似したものが望ましく、5~25mmである。例えば、第1ホール115及び第2ホール125は、縦20mm、横15mmに形成されうる。
【0035】
説明のために、前記電池11と接する前記第1プレート110の一側面を第2面113とし、前記第2面113と対面する前記第1プレート110の他側面を第1面111とし、前記電池11と接する前記第2プレート120の一側面を第3面121とし、前記第3面121と対面する前記第2プレート120の他側面を第4面123として定義する。
【0036】
図5及び図6に示したように、加圧部200は、第1プレート110の第1面を加圧して第1プレート110の第2面113が電池11を加圧させる加圧手段210と、第1プレート110の第1面111側に位置し、加圧手段210が挿入されてガイドされるガイドホール231が設けられるガイドプレート230と、一端部は、第2プレート120に結合され、他端部は、ガイドプレート230と結合されて、第2プレート120とガイドプレート230とを離隔した状態で互いに平行に固定する固定プレート250と、を含みうる。
【0037】
すなわち、第2プレート120とガイドプレート230は、平行な状態で固定プレート250に固定されて、第2プレート120、ガイドプレート230及び固定プレート250の結合の形状は、図5及び図6に示したように"コ"状になりうる。ガイドプレート230-第1プレート110-電池11-第2プレート120順に積層され、そのうち、ガイドプレート230、第2プレート120及び固定プレート250は、一体に製作することができる。加圧手段210は、ガイドプレート230に加圧のための力の作用点が位置した状態で第1プレート110が第2プレート120に隣接した方向に力を加えることができる。したがって、ガイドホール231も、第1電池面11aに垂直な方向に加圧手段210をガイドできるように形成されうる。例えば、加圧手段210は、ボルト(bolt)である。ガイドホール231の内周面には、ネジ山が形成され、加圧手段210は、ガイドホール231に螺合によって固定される。具体的に、加圧手段210は、トルクレンチ(torque wrench)で力を受けてガイドホール231と螺合によって結合されうる。トルクレンチは、加圧手段210に0kgfcm超過10kgfcm以下の力、または5~6kgfcmの力を加えて加圧手段210とガイドホール231とを螺合させる。
【0038】
すなわち、加圧手段210が回転することによって、加圧手段210は、ガイドホール231にさらに挿入され、加圧手段210が挿入されたガイドプレート230の面の反対側面に突出し、該突出した加圧手段210の端部が第1プレート110を加圧することができる。
【0039】
第2プレート120とガイドプレート230との隔離距離は、10~30mmである。第2プレート120とガイドプレート230との距離の下限値は、第1プレート110の厚さ及び電池11の厚さを考慮して設定しうる。上限値の制限はないが、装置が不要に大きくなることを防止する線で考慮される。
【0040】
第1プレート110の一端部のエッジが固定プレート250の面に接するように、第1プレート110は、ガイドプレート230と第2プレート120との間に配置される。第1プレート110の一端部のエッジは、第1面111または第2面113のエッジの1つでさらに縁部に突出したエッジであるか、縁部に最も突出した部分である。X線光源13から出力されたX線が受光部15に到達するために、第1ホール115及び第2ホール125は整列されなければならない。したがって、第1プレート110が第2プレート120を基準に常に定位置で加圧しなければならない。第2プレート120と一体に結合される固定プレート250に対して第1プレート110を定位置に整列させることにより、第1プレート110が第2プレート120に対して定位置に整列される。具体的に、第1プレート110に形成された第1ホール115の位置を固定プレート250と接するエッジを基準に形成し、第1プレート110のエッジを固定プレート250に接触させることで第1ホール115及び第2ホール125を整列させることができる。
【0041】
図5及び図6に示したように、本発明のX線を用いた電池測定装置は、加圧部200と異なる位置で第1プレート110と第2プレート120とを電池11に密着されるように加圧する補助加圧部300をさらに含みうる。例えば、加圧部200は、第1プレート110の一端部側で第1プレート110を加圧し、補助加圧部300は、第1プレート110の他端部側で第1プレート110を加圧することができる。
【0042】
補助加圧部300は、第2プレート120の第4面123に接して第2プレート120を支持する第2補助プレート340と、第1プレート110の第1面111側で第1面111と対面する第1補助プレート330と、第1補助プレート330に設けられた補助ガイドホール331に挿入されて第1プレート110を電池11側に加圧する補助加圧手段310と、第1補助プレート330に一端部が結合され、第2補助プレート340に他端部が結合されて、第1補助プレート330と第2補助プレート340とを離隔した状態で互いに平行に固定する柱部350と、を含みうる。
【0043】
第1補助プレート330と第2補助プレート340は、平行な状態で柱部350に固定されて、第1補助プレート330、第2補助プレート340及び柱部350の結合の形状は、図5及び図6に示したように"コ"状になりうる。第1補助プレート330-第1プレート110-電池11-第2プレート120-第2補助プレート340順に積層され、そのうち、第1補助プレート330、第2補助プレート340及び柱部350は、一体に製作することができる。補助加圧部300は、第1プレート110、第2プレート120、及び加圧部200と別途の胴体を有しうる。したがって、補助加圧部300は、第1プレート110及び第2プレート120に対して分離及び結合が自在である。補助加圧部300の結合位置は、電池11の形状及びサイズによって自在に設定しうる。
【0044】
補助加圧手段310は、第1補助プレート330に加圧のための力の作用点が位置した状態で第1プレート110が第2プレート120に隣接した方向に力を加えることができる。したがって、補助ガイドホール331も、第1電池面11aに垂直な方向に補助加圧手段310をガイドできるように形成されうる。例えば、補助加圧手段310は、ボルトである。補助ガイドホール331の内周面には、ネジ山が形成され、補助加圧手段310は、補助ガイドホール331に螺合によって固定される。具体的に、補助加圧手段310は、トルクレンチで力を受けて補助ガイドホール331と螺合によって結合されうる。トルクレンチは、補助加圧手段310に0kgfcm超過10kgfcm以下の力、または5~6kgfcmの力を加えて補助加圧手段310と補助ガイドホール331とを螺合させる。
【0045】
すなわち、補助加圧手段310が回転することによって、補助加圧手段310は、補助ガイドホール331にさらに挿入され、補助加圧手段310が挿入された第1補助プレート330の面の反対側面に突出し、該突出した補助加圧手段310の端部が第1プレート110を加圧することができる。
【0046】
第1補助プレート330と第2補助プレート340との隔離距離は、15~45mmである。第1補助プレート330と第2補助プレート340との間には、第1プレート110、第2プレート120、及び電池11が挿入され、第1補助プレート330と第2補助プレート340との間隔は、第1プレート110、第2プレート120、及び電池11の厚さを考慮して定められる。
【0047】
加圧手段210と補助加圧手段310との一端部は、第1プレート110に同時に接触して加圧することができる。すなわち、第1プレート110は、2個の作用点で加圧される。
【0048】
図3に示したように、加圧手段210が第1プレート110に接触する地点と補助加圧手段310が第1プレート110に接触する地点とを連結する仮想の直線は、第1ホール115を経由することができる。加圧手段210及び補助加圧手段310の加圧位置をこのようにすることにより、第1ホール115周辺で第1プレート110が電池11からの浮き上がりを防止することができる。
【0049】
加圧手段210及び補助加圧手段310は、それぞれガイドホール231及び補助ガイドホール331に電池11がモノセルである場合、3~5kgfcmの力で、バイセルの場合、6~7kgfcmの力でトルクレンチを通じて螺合されてもよい。
【0050】
加圧手段210及び補助加圧手段310の端部は、第1プレート110に2点に対して点で力を加えるが、第1プレート110は、加圧手段210及び補助加圧手段310から力を伝達されて2450~2700mmに該当する電池10の面積全体を均一な圧力で加圧することができる。
【0051】
以上、本発明による実施例が説明されたが、これは例示的なものに過ぎず、当業者ならば、これにより多様な変形及び均等な範囲の実施例が可能であるという点を理解できるであろう。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、次の特許請求の範囲によって決定されねばならない。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、X線測定システムに適用されるものであって、具体的には、電池に結合して電池から発生する内部ガスによる電池の変化を抑制するものである。また、電池の一側面及び一側面と対面する他側面のみに接して電池を加圧するために、電池のサイズに関係なく電池と結合することができる。
【0053】
本発明のX線を用いた電池測定装置は、必要面積だけの加圧で十分なので、電池の面積のうち、局所面積のみに接触して加圧することができる。したがって、電池にジグが結合するとしても、電池は、ジグと結合されない露出面積を有しており、このような露出面積を用いて多様な分析のための断熱材、ヒーター、充放電端子などのアクセサリー部品を連結することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6