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特許7152076アンチピッキングおよびデコードの機構を備えた組み合わせ南京錠
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】アンチピッキングおよびデコードの機構を備えた組み合わせ南京錠
(51)【国際特許分類】
   E05B 37/02 20060101AFI20221004BHJP
   E05B 67/24 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
E05B37/02 A
E05B67/24
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2021535160
(86)(22)【出願日】2019-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 CN2019125914
(87)【国際公開番号】W WO2020125617
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-05-24
(31)【優先権主張番号】62/781,119
(32)【優先日】2018-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/688,405
(32)【優先日】2019-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】503044640
【氏名又は名称】ザ・サンロック・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライ、カール
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0118215(US,A1)
【文献】特開2005-139895(JP,A)
【文献】特開2006-022641(JP,A)
【文献】登録実用新案第3192005(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2016/0222698(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0025333(US,A1)
【文献】米国特許第6729166(US,B1)
【文献】米国特許第5715709(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0307839(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0338407(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0031764(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0047873(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0120999(US,A1)
【文献】米国特許第9663970(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2006/0218979(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 37/02
E05B 67/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
南京錠であって、前記南京錠が、
シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、前記固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、前記開口部が、前記本体の上面で前記シャックルの短脚部を受容するように配置されている、本体と、
複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起、開口スロット、および複数の偽ゲートを備える、複数の連結プレートと、
前記第1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、前記連結プレートが、前記本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに前記本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起が前記フィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、
複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、前記プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、
複数のクラッチであって、各クラッチが、前記複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、前記ダイヤルの前記印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、前記シャックルの前記長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、前記シャックルの前記短脚部が前記ロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、
前記ダイヤルは、前記印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する開錠組み合わせコードと一致するときに、前記長脚部の前記縦方向の移動を可能にするよう前記複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、前記ダイヤルの各々が複数の歯を有し、前記クラッチの各々が、一緒に回転移動するために前記複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの前記歯の1つと係合可能なフィンを有し、前記クラッチの各々の前記フィンは、前記クラッチが関連付けられたダイヤルと一緒に回転させられるときに、前記偽ゲートまたは前記開口スロットのいずれかに接触するように配置されている、南京錠。
【請求項2】
各ダイヤルがN個の印を有し、各連結プレートがN-1個の偽ゲートを有し、Nが1より大きい整数である、請求項1記載の南京錠。
【請求項3】
前記複数のクラッチの各々が、前記複数の連結プレートの1つに関連付けられ、前記南京錠が前記組み合わせモードによるアンロックにあるときに、前記複数のクラッチの各々の前記フィンが、関連付けられた連結プレートにおける前記開口スロットと整列しており、前記複数のクラッチと一緒の前記長脚部の前記縦方向の移動を可能にする、請求項1記載の南京錠。
【請求項4】
前記南京錠が前記組み合わせモードによるアンロックにあるときに、前記複数のクラッチの各々の前記フィンが、前記長脚部の前記縦方向の移動によって、前記関連付けられた連結プレートの前記開口スロット内に移動させられ、そのため、前記ダイヤルを回すことができず、それにより、前記開錠組み合わせコードの偶発的な変更が防がれる、請求項3記載の南京錠。
【請求項5】
前記南京錠は、前記複数の連結プレートの最上部の連結プレートが前記第1の縦孔に対して回転するのを防ぐように、前記第1の縦孔の上部に位置づけられた上部リングを備える、請求項4記載の南京錠。
【請求項6】
上部リングが、前記フィンキャッチャーの1つと係合する方向フィンを含む、請求項5記載の南京錠。
【請求項7】
前記南京錠が前記組み合わせモードによるアンロックにあるときに、前記シャックルが前記ロック孔から離れて180度回転させられ、前記シャックルの前記長脚部が前記上部リングに対して下方に移動させられることを可能にし、そのため、各クラッチの前記フィンが対応する前記ダイヤルの前記歯との係合を解除し、それにより、前記ダイヤルを回して、リセットモードを構成する新しい開錠組み合わせコードを入力することが可能になる、請求項6記載の南京錠。
【請求項8】
キーモードによるアンロックを有し、前記南京錠がさらに、
可動ブロックエッジの移動を制御するブロックプレートを備え、前記キー機構は、正しいキーが前記キー機構に挿入されて回転させられたときに、前記ロック孔から離れた短いシャックルの回転を可能にするべく、前記可動ブロックエッジを前記固定カムにおける前記開口部から離して移動させるように前記可動ブロックエッジを制御するように構成されている、請求項7記載の南京錠。
【請求項9】
前記キー機構が、シリンダハウジングを備えたシリンダを含み、前記固定カムが、前記シリンダハウジングの延出された先端を受容するスロットを備え、前記固定カムは、前記南京錠が前記キーモードによるアンロックにないときに、前記固定カムおよび前記シリンダハウジングの前記本体に対する回転または縦方向の移動を防ぐように前記本体に恒久的に取り付けられている、請求項8記載の南京錠。
【請求項10】
前記ブロックプレートがピンを備え、前記シリンダが、前記キー機構で前記シリンダを回転させるための前記正しいキーを受容するように構成されており、前記南京錠がさらに、
一緒に回転するために前記シリンダと係合した回転カムを備え、前記回転カムが、前記ブロックプレートの前記ピンと摺動可能に係合した傾斜スロットを備え、前記シリンダが回転させられると、前記ブロックプレートの前記可動ブロックエッジが、前記固定カム上の前記ロック孔の前記開口部から離れて移動させられる、請求項9記載の南京錠。
【請求項11】
各クラッチが1つを超えるフィンをさらに備え、各連結プレートが1つを超える開口スロットを有し、それにより、前記フィンが前記開口スロットと正しく整列したときにのみ前記組み合わせコードによるアンロックが行われる、請求項1記載の南京錠。
【請求項12】
南京錠であって、前記南京錠が、
シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、前記固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、前記開口部が、前記本体の上面で前記シャックルの短脚部を受容するように配置されている、本体と、
複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起および開口スロットを備える、複数の連結プレートと、
前記第1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、前記連結プレートが、前記本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに前記本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起が前記フィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、
複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、前記プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、
複数のクラッチであって、各クラッチが、前記複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、前記ダイヤルの前記印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、前記シャックルの前記長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、前記シャックルの前記短脚部が前記ロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、
前記ダイヤルは、前記印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する前記開錠組み合わせコードと一致するときに、前記長脚部の前記縦方向の移動を可能にするよう前記複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、前記ダイヤルの各々が複数の歯を有し、前記クラッチの各々が、一緒に回転運動するために前記複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの前記歯の1つと係合可能なフィンを有し、前記連結プレートの各々がさらに、デコードエッジおよびその上に形成されたデコード壁を含み、前記デコード壁が、前記開口スロットに隣接する第1の壁面および壁斜面を有する第2の壁面を有し、前記南京錠はキーモードによるアンロックを有して、前記シャックルの前記長脚部が前記クラッチとともに前記本体の上面に対して下方に移動することが可能になるように、前記シャックルの前記短脚部が前記ロック孔に対して180度回転することを可能にし、そのため、前記クラッチの少なくともいくつかの前記フィンが前記連結プレートのうちの隣接する1つの前記デコードエッジに接触し、
各クラッチの前記回転運動が第1の移動方向で行われるときに、前記第1の移動方向の前記回転運動は、前記フィンが隣接する前記開口スロットと整列すると、前記クラッチの前記フィンが前記デコード壁の前記第1の壁面に接触したときに停止させられ、それにより、前記開錠組み合わせコードの読み取りが可能になり、
各クラッチの前記回転運動が前記第1の移動方向と反対の方向で行われるときに、前記シャックルの前記長脚部は、前記クラッチの前記フィンが前記壁斜面によって上方に移動させられると、前記本体の上面に対して上方に移動させられて、前記クラッチの前記フィンが前記隣接する開口スロットと整列するのが防がれる、南京錠。
【請求項13】
各連結プレートが複数の偽ゲートをさらに備え、前記クラッチの各々の前記フィンは、前記ダイヤルの前記印列が開錠組み合わせコードと異なる場合に、前記クラッチが、関連付けられた前記ダイヤルと一緒に回転させられるときに、前記偽ゲートまたは前記開口スロットのいずれかに接触するように配置され、前記デコードエッジの各々が、前記偽ゲートを形成するための第1のエッジ面および前記壁斜面を有する前記デコード壁を形成するための対向する第2の面を含む、請求項12記載の南京錠。
【請求項14】
南京錠の開錠組み合わせコードをデコードする方法であって、前記南京錠が、
シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、前記固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、前記開口部が前記本体の上面で前記シャックルの短脚部を受容するためのものである、本体と、
複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起および開口スロットを備える、複数の連結プレートと、
前記1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、前記連結プレートが、前記本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに前記本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起が前記フィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、
複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、前記プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、
複数のクラッチであって、各クラッチが、前記複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、前記ダイヤルの前記印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、前記シャックルの前記長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、前記シャックルの前記短脚部が前記ロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、
前記ダイヤルは、前記印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する前記開錠組み合わせコードと一致するときに、前記長脚部の前記縦方向の移動を可能にするよう前記複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、前記ダイヤルの各々が複数の歯を有し、前記クラッチの各々が、一緒に回転運動するために前記複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの前記歯の1つと係合可能なフィンを有し、前記方法は、
前記連結プレートの各々にデコードエッジおよびその上に形成されたデコード壁を提供する工程を含み、前記デコード壁は、前記開口スロットに隣接する第1の壁面および壁斜面を有する第2の壁面を有し、前記南京錠がキーモードによるアンロックを有して、前記シャックルの前記長脚部が前記クラッチとともに前記本体の上面に対して下方に移動することが可能になるように、前記シャックルの前記短脚部が前記ロック孔に対して180度回転することを可能にし、そのため、前記クラッチの少なくともいくつかの前記フィンが前記連結プレートのうちの隣接する1つの前記連結プレートの前記デコードエッジと接触するように配置され、
各クラッチの前記回転運動が第1の移動方向で行われるときに、前記第1の移動方向の前記回転運動は、前記フィンが隣接する前記開口スロットと整列すると、前記クラッチの前記フィンが前記デコード壁の前記第1の壁面に接触したときに停止させられ、それにより、前記開錠組み合わせコードの読み取りが可能になり、
各クラッチの前記回転運動が前記第1の移動方向と反対の方向で行われるときに、前記シャックルの前記長脚部は、前記クラッチの前記フィンが前記壁斜面によって上方に移動させられると、前記本体の上面に対して上方に移動させられて、前記クラッチの前記フィンが前記隣接する開口スロットと整列するのが防がれる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の技術分野は、組み合わせ南京錠に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、ロック本体/ハウジングに封入されている高度なアンチピッキング機構を備えた組み合わせ南京錠である。先行技術の米国特許第5,715,709号明細書は偽ゲートを有するが、ロックピッカーにとって開錠するのが非常に容易である、4つの偽ゲートに対して1つの真のゲートしかないため、生産の観点から有効性は限定される。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一実施形態は、改善された偽ゲート機構を組み込んだ南京錠である。そのような一実施形態は、9つの偽ゲートおよび1つの真のゲートを有する。本発明によって、組み合わせ機構を開錠するのはより困難になる。新しい南京錠はまた、多くのTSAラゲージロックと同様に、組み合わせ機構を無効にするキー機構を有する。このようなロックによって、TSAエージェントは、無効にするキー機構を用いて錠を開けることが可能になる。本発明による南京錠は、別の特徴、即ち、連結プレートを組み込み、ここで、連結プレートの片面はアンチピッキング機構であり、裏面はデコード機能を有している。これは、キー機構のユーザが、キー機構を介して錠を開けることができ、以下のさらなる説明を介して組み合わせコードを解読することもできることを意味している。
【0004】
したがって、本発明は南京錠に関し、南京錠は、シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、開口部が、本体の上面でシャックルの短脚部を受容するように配置されている、本体と、複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起、開口スロット、および複数の偽ゲートを備える、複数の連結プレートと、第1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、連結プレートが、本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起がフィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、複数のクラッチであって、各クラッチが、複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、ダイヤルの印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、シャックルの長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、シャックルの短脚部がロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、ダイヤルは、印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する開錠組み合わせコードと一致するときに、長脚部の縦方向の移動を可能にするよう複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、ダイヤルの各々は複数の歯を有し、クラッチの各々は、一緒に回転運動するために複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの歯の1つと係合可能なフィンを有し、およびクラッチの各々のフィンは、クラッチが関連付けられたダイヤルと一緒に回転させられるときに、偽ゲートまたは開口スロットのいずれかに接触するように配置されている。
【0005】
本発明の別の実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、各ダイヤルはN個の印を有し、各連結プレートはN-1個の偽ゲートを有し、Nは1より大きい整数である。
【0006】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、複数のクラッチの各々は、複数の連結プレートの1つに関連付けられ、南京錠が組み合わせモードによるアンロックにあるときに、複数のクラッチの各々のフィンは、関連付けられた連結プレートにおける開口スロットと整列しており、複数のクラッチと一緒の長脚部の縦方向の移動を可能にする。
【0007】
本発明のさらに別の実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、南京錠が組み合わせモードによるアンロックにあるとき、複数のクラッチの各々のフィンは、長脚部の縦方向の移動によって、関連付けられた連結プレートの開口スロット内に移動させられ、そのため、ダイヤルを回すことができず、それにより、開錠組み合わせコードの偶発的な変更が防がれる。
【0008】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、南京錠は、複数の連結プレートの最上部の連結プレートが第1の縦孔に対して回転するのを防ぐように、第1の縦孔の上部に位置づけられた上部リングを備える。
【0009】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、上部リングは、フィンキャッチャーの1つと係合する方向フィンを含む。
【0010】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、南京錠が組み合わせモードによるアンロックにあるときに、シャックルがロック孔から離れて180度回転させられ、シャックルの長脚部が上部リングに対して下方に移動させられることを可能にし、そのため、各クラッチのフィンは対応するダイヤルの歯との係合を解除し、それにより、ダイヤルを回して、リセットモードを構成する新しい開錠組み合わせコードを入力することが可能になる。
【0011】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、南京錠はキーモードによるアンロックを有し、南京錠はさらに、可動ブロックエッジの移動を制御するブロックプレートを備え、ここで、キー機構は、正しいキーがキー機構に挿入されて回転させられたときに、ロック孔から離れた短いシャックルの回転を可能にするべく、可動ブロックエッジを固定カムにおける開口部から離して移動させるように可動ブロックエッジを制御するように構成されている。
【0012】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、キー機構は、シリンダハウジングを備えたシリンダを含み、固定カムは、シリンダハウジングの延出された先端を受容するスロットを備え、固定カムは、南京錠がキーモードによるアンロックにないときに、固定カムおよびシリンダハウジングの本体に対する回転または縦方向の移動を防ぐように本体に恒久的に取り付けられている。
【0013】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、ここで、ブロックプレートはピンを備え、シリンダは、キー機構でシリンダを回転させるための正しいキーを受容するように構成されており、南京錠はさらに、一緒に回転するためにシリンダと係合した回転カムを備え、回転カムは、ブロックプレートのピンと摺動可能に係合した傾斜スロットを備え、シリンダが回転させられると、ブロックプレートのブロックエッジは、固定カム上のロック孔の開口部から離れて移動させられる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、南京錠は、シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、開口部が、本体の上面でシャックルの短脚部を受容するように配置されている、本体と、複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起および開口スロットを備える、複数の連結プレートと、第1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、連結プレートが、本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起がフィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、複数のクラッチであって、各クラッチが、複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、ダイヤルの印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、シャックルの長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、シャックルの短脚部がロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、ダイヤルは、印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する開錠組み合わせコードと一致するときに、長脚部の縦方向の移動を可能にするよう複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、ダイヤルの各々は複数の歯を有し、クラッチの各々は、一緒に回転運動するために複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの歯の1つと係合可能なフィンを有し、連結プレートの各々はさらに、デコードエッジおよびその上に形成されたデコード壁を含み、デコード壁は、開口スロットに隣接する第1の壁面および壁斜面を有する第2の壁面を有し、南京錠はキーモードによるアンロックを有して、シャックルの長脚部がクラッチとともに本体の上面に対して下方に移動することが可能になるように、シャックルの短脚部がロック孔に対して180度回転することを可能にし、そのため、クラッチの少なくともいくつかのフィンが連結プレートのうちの隣接する1つのデコードエッジに接触し、各クラッチの回転運動が第1の移動方向で行われるときに、第1の移動方向の回転運動は、フィンが隣接する開口スロットと整列すると、クラッチのフィンがデコード壁の第1の壁面に接触したときに停止させられ、それにより、開錠組み合わせコードの読み取りが可能になり、各クラッチの回転運動が第1の移動方向と反対の方向で行われるときに、シャックルの長脚部は、クラッチのフィンが壁斜面によって上方に移動させられると、本体の上面に対して上方に移動させられて、クラッチのフィンが隣接する開口スロットと整列するのが防がれる。
【0015】
本発明のさらなる実施形態は上記のような南京錠であり、各連結プレートは複数の偽ゲートをさらに備え、クラッチの各々のフィンは、ダイヤルの印列が開錠組み合わせコードと異なる場合に、クラッチが、関連付けられたダイヤルと一緒に回転させられるときに、偽ゲートまたは開口スロットのいずれかに接触するように配置され、デコードエッジの各々は、偽ゲートを形成するための第1のエッジ面および壁斜面を有するデコード壁を形成するための対向する第2の面を含む。
【0016】
本発明のさらに別の態様は、南京錠の開錠組み合わせコードをデコードする方法であり、南京錠は、シャックルの長脚部を受容するための第1の縦孔、ならびに固定カムおよびキー機構を受容するための第2の縦孔を有する本体であって、固定カムが、可動ブロックエッジによって塞がれる開口部を備えたロック孔を有し、開口部が本体の上面でシャックルの短脚部を受容するためのものである、本体と、複数の連結プレートであって、その各々が、フィン突起および開口スロットを備える、複数の連結プレートと、第1の縦孔に形成された複数のフィンキャッチャーであって、連結プレートが、本体に形成された複数のプレート孔の1つに配置されたときに本体に対して回転するのを防ぐように、各フィン突起がフィンキャッチャーの1つに配置されて構成されている、複数のフィンキャッチャーと、複数のダイヤルであって、各ダイヤルが、印列を形成するための複数の印を有し、各ダイヤルが、プレート孔に隣接して形成された複数のダイヤルスロットの1つに配置されている、複数のダイヤルと、複数のクラッチであって、各クラッチが、複数のダイヤルの隣接する1つに対応しており、ダイヤルの印列が開錠組み合わせコードと異なるときに、シャックルの長脚部の縦方向の移動を制御し、それにより、シャックルの短脚部がロック孔から離れて縦方向に移動するのを防ぐ、複数のクラッチと、を備え、ダイヤルは、印列が、組み合わせモードによるアンロックを構成する開錠組み合わせコードと一致するときに、長脚部の縦方向の移動を可能にするよう複数のクラッチの回転運動を制御するように構成されており、ダイヤルの各々は複数の歯を有し、クラッチの各々は、一緒に回転運動するために複数のダイヤルのうちの関連付けられた1つのダイヤルの歯の1つと係合可能なフィンを有し、前記方法は、連結プレートの各々にデコードエッジおよびその上に形成されたデコード壁を提供する工程を含み、デコード壁は、開口スロットに隣接する第1の壁面および壁斜面を有する第2の壁面を有し、南京錠はキーモードによるアンロックを有して、シャックルの長脚部がクラッチとともに本体の上面に対して下方に移動することが可能になるように、シャックルの短脚部がロック孔に対して180度回転することを可能にし、そのため、クラッチの少なくともいくつかのフィンが連結プレートのうちの隣接する1つの連結プレートのデコードエッジと接触するように配置され、各クラッチの回転運動が第1の移動方向で行われるときに、第1の移動方向の回転運動は、フィンが隣接する開口スロットと整列すると、クラッチのフィンがデコード壁の第1の壁面に接触したときに停止させられ、それにより、開錠組み合わせコードの読み取りが可能になり、各クラッチの回転運動が第1の移動方向と反対の方向で行われるときに、シャックルの長脚部は、クラッチのフィンが壁斜面によって上方に移動させられると、本体の上面に対して上方に移動させられて、クラッチのフィンが隣接する開口スロットと整列するのが防がれる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
本発明をより十分に理解するために、以下の図面と併せて以下の詳細な説明が参照される。
【0018】
図1A】本発明による南京錠の一実施形態の断面図である。
図1B図1Aの線1B-1Bに沿った得た図1Aに示される南京錠の断面図である。
図2図1Aおよび図1Bに示される南京錠の本体の斜視図である。
図3A】南京錠の部分を形成する上部リングの上面斜視図である。
図3B】上部リングの底面斜視図である。
図4A】南京錠の部分を形成する連結プレートの上面斜視図である。
図4B】連結プレートの底面斜視図である。
図5】南京錠の部分を形成するダイヤルの斜視図である。
図6】南京錠の部分を形成するクラッチの斜視図である。
図7】南京錠の部分を形成する固定カムの斜視図である。
図8】南京錠の部分を形成するカムの斜視図である。
図9】南京錠の部分を形成するブロックプレートの斜視図である。
図10】南京錠の部分を形成するシリンダの斜視図である。
図11】南京錠の部分を形成するシリンダハウジングの斜視図である。
図12】南京錠の部分を形成するシャックルの斜視図である。
図13A】組み合わせモードによるアンロックにおけるシャックルを示す南京錠の断面図である。
図13B図13Aの線13B-13Bに沿った南京錠の断面図である。
図14A】ロック孔から180度回転したシャックルを示すキーコードモードによるアンロックにおける南京錠の断面図である。
図14B図14Aの線14B-14Bに沿った南京錠の断面図である。
図15A】南京錠をリセットモードにするようにシャックルの長脚部を下方に押した状態の南京錠の断面図である。
図15B図15Aの線15B-15Bに沿った南京錠の断面図である。
図16】施錠モードにおける南京錠の斜視図である。
図17】組み合わせモードによるアンロックにおける南京錠の斜視図である。
図18】ロック孔から離れて180度回転したシャックルを示すキーモードによるアンロックにおける南京錠の斜視図である。
図19】南京錠をリセットモードにするようにシャックルを下方に押した状態のリセットモードにおける南京錠の斜視図である。
図20A】示されるようにシャックルの長脚部を押し下げることによってデコードモードにしたときの南京錠の断面斜視図である。
図20B】デコードモードにあるときの南京錠の詳細を示す南京錠の断面斜視図である。
図21A】デコードモードにあるときの南京錠の断面斜視図である。
図21B】デコードモードにあるときの南京錠の断面斜視図である。
図22】南京錠の部分を形成するピンの斜視図である。
図23】南京錠の部分を形成するCクリップの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1A~23)
ロックモード(図1A~12、図13A~13B、図16、および図22~23):
南京錠10は、短脚シャックル121がキー機構12によって制御されるシャックル120を含んでいる。キー機構は、本体20の第2の孔(シリンダ孔)23内に配置される(図2を参照)。長脚シャックル125は、本体20の第1の孔14内に配置され(図2参照)、組み合わせ機構によって制御される。錠が施錠モードにあるとき、シャックルは、短脚シャックル121が固定カム70のロック孔71内に留まるように、本体20に対して上方に移動しない。また、本実施形態に示されているようにキー機構のシリンダ100に正しいキー130が挿入されていないため、カムは静止したままであり、ブロックプレートは移動しないため、短脚シャックル121がキー機構によって開くのが阻止される。
【0020】
組み合わせロックモードについて:
少なくとも1つのダイヤル50が開錠の組み合わせにないため、錠を開けることはできない。ダイヤル50の歯51は、クラッチ60のフィン61に係合されている。このような位置では、ダイヤル50の回転がクラッチ60に直接伝達される。
【0021】
一方、ロック本体20は、連結プレート40を受容するように構成されている一連のプレート孔22を含む。各連結プレート40のフィン突起44は、本体20のフィンキャッチャー21と係合する。この場合、これによって連結プレートの回転運動が制限される。ダイヤル50が所定位置に組み付けられた状態では、連結プレート40は上下運動が防止される。また、上部リング30は、ロック本体に恒久的に固定されるように圧入されるため、最上部の連結プレート40がロック本体から離れて上方に移動するのを防止する。上部リング30はさらに、本体20の最上部のフィンキャッチャー21とも係合する方向フィン32を備えており、組み立てられたノッチの角度が所望の角度と一致するように、上部リングの組み付けが正しく行われる。したがって、連結プレート40は、上方/下方または回転の運動がなく、南京錠10に恒久的に固定される。
【0022】
連結プレート40は、等しい数の偽ゲート42および少なくとも1つの開口スロット43を含む。示された実施形態では、ダイヤルは10桁(N=10)であり、9つの偽ゲート(N-1個の偽ゲート)および1つの開口スロットがある。このような配置では、侵入者は、組み合わせ機構を開錠するのにかなりの時間を費やさなければならないだろう。プレート40は、またデコードエッジ41を含み、ここで、南京錠10がキー機構(後述される)によって開かれるとき、シャックル120の短脚部121は固定カム70のロック孔71から出て回転することができる。その後、ユーザは、シャックルを下方に押して、組み合わせコードをデコードすることができる。この機能についてはデコードのセクションでさらに説明される。
【0023】
シャックル120はクラッチ突起123を含み、ここでクラッチ60は、このリセット突起122とネック124との間に積み重ねられる。Cクリップ150がネック124に挿入され、そのような挟まれた位置に恒久的に組み立てられるようにすべてのクラッチを係合する。
【0024】
複数のクラッチ60のうちの1つのクラッチ60の少なくとも1つのフィン61がプレート40の開口スロット43と整列しないコードまでダイヤル50が回転すると、シャックル120を上方に引っ張って、シャックルの短脚部121をロック孔71から離して移動させることはできない。
【0025】
キーロックについて:
ロックモードでは、正しいキー130(すなわち、シリンダ100のキー設定に一致するキー)が存在しない場合、シリンダ100は回転運動しない。シリンダのフォーク101は、カム80の受容スロット82に常時係合されている。シリンダ100が移動しないため、カム80も移動しない。回転カム80が移動しないため、傾斜スロット81も移動しない。カム80の傾斜スロット81が移動しないため、ブロックプレート90のピン91を本体に対して垂直に引きずることはできない。これらの要素は移動しないため、ブロックプレート90のブロックエッジ91は、固定カム70のロック孔71の経路を塞ぐ。固定カム70はまた、シリンダハウジング110の延出された先端112を互いに係合させるスロット72を含む。固定カム70は、ロック本体20のピンホール24に固定されているピン140を受容するためのピンホール73をさらに備える。このような位置では、ピン140によって、固定カム70の回転が防止され、ピン140によって、固定カムがロック本体20から引き離されることが制御されるため、固定カム70は回転運動しない。また、延出された先端112が固定カム70のスロット72と係合しているため、シリンダハウジング110は回転運動しない。このような位置では、正しいキーカットキー130が挿入されると、シリンダ100は移動することができ、それにより、シリンダ上のウェーハはシリンダハウジングの回転を可能にするようにシリンダハウジングから離れて移動する。しかし、ロックモードでは、キーカットキー130がないため、シリンダは回転せず、ブロックプレートは下方に移動することができない。固定カム70のロック孔71は確実に隠される。
【0026】
組み合わせによるアンロック(図13A~14Bおよび図17):
組み合わせモードによるアンロックでは、各クラッチ60のフィン61は、対応する連結プレート40の開口スロット43と完全に整列している。これは、クラッチ60のフィン61の上方への移動を妨げるものがないことを意味している。ユーザは、シャックル120を上方に引っ張ることができ、その後、シャックル120の短脚部121は、固定カム70のロック孔71および短脚部121から引き離される。シャックルが開位置まで上方に引っ張られると、シャックル120は自由に回転できる。シャックル120は、クラッチ60が上部リング30のストップエンド33に接触するまで上方に引っ張られることができる。
【0027】
組み合わせモードによるアンロックでは、クラッチ60のフィン61は、ここでダイヤル50の歯51と係合され、連結プレート40の開口スロット43とも係合される。これは、シャックルが組み合わせモードによるアンロックにあるときに、組み合わせコードの偶発的な変更を防ぐためにダイヤル50を回すことができないため、良好な特徴である。コードは開錠組み合わせコードのままとなる。
【0028】
南京錠を再度ロックするために、ユーザは、シャックル120を上方に押すことにより、短脚部121を固定カム70のロック孔71に嵌める。キーロック機構がロック位置にあると、ブロックプレート90はロック位置に留まる。これにより、ブロックエッジは、シャックル120が開位置に回転するのを制限するように作動する。シャックル120がロック位置にあると、各クラッチのフィン61は、対応する連結プレート40の開口スロット43から離れて係合を解除する。一方、クラッチ60のフィン61は、対応するダイヤル50の歯51に係合したままである。その後、ユーザはダイヤルをスクランブルして、クラッチ60のフィン61は連結プレート40の開口スロット43と整列しなくなる。このような場合、シャックル120を上方に引っ張ることができなくなり、したがって南京錠はここではロックモード(閉位置)にある。
【0029】
キーモードによるアンロック(図14A~14Bおよび図18):
南京錠をロック解除するためのキー機構を使用して、正しくカットされたキー130がシリンダ70に挿入される。その後、ウェーハは、シリンダ内に引き込まれ、シリンダハウジング110の外に延びず、シリンダ100の回転を阻止する。
【0030】
シリンダ100のフォーク101は、カム80の受容スロット82に常時係合している。シリンダ100が回転すると、カム80も同様に回転する。シリンダ100の回転角度は、シリンダ100の角度制御エッジ102およびシリンダハウジング110の停止エッジ111によって制御される。カム80が回転しているため、傾斜スロット81が移動する。カム80の傾斜スロット81が回転させられるため、ブロックプレート90のピン92は下方に引きずられる。ブロックプレート90が下方に移動すると、ブロックプレート90のブロックエッジ91は、固定カム70のロック孔71を塞がなくなる。キーのユーザは、ここで固定カム70のロック孔71から短脚シャックル121を回転させることによって南京錠を開けることができる。
【0031】
キーのユーザは、シャックル120を再度ロックしたい場合、シャックルの短脚シャックル121を固定カム70のロック孔71へ回転させることができる。その後、キーのユーザは、カム80の傾斜スロット81がブロックプレート90のピン92を上方に引きずるように、シリンダ100を逆回転させることによって、シリンダ100をロック位置に回転させることができる。ブロックプレート90が上方に移動すると、ブロックエッジ91は固定カム70のロック孔71を塞ぐ。キーのユーザはキー130を引き抜くことができる。したがって、シャックル120の短脚部121はロック位置(ロックモード)にある。
【0032】
リセットモード(図15A~15Bおよび図19):
リセットモードでは、ユーザは、組み合わせモードによるアンロック(アンロックの組み合わせに設定されたダイヤル)を介して開錠しなければならない。シャックル120が上方に引っ張られていると、ユーザはシャックルを180度回転させることができ、それにより、リセット突起122を上部リング30のノッチ31と整列させて、シャックルを下方にリセット位置まで押すことができる。このような位置では、各クラッチ60のフィン61は、対応するダイヤル50の歯51との係合を解除する。クラッチのフィン61は、対応する連結プレート40の開口スロット43と係合する。この位置で、ユーザがダイヤルを新しいコードに回すと、クラッチは回されることなく静かなままとなる。
【0033】
設定後、各クラッチ60のフィン61が対応するダイヤル50の歯51と再び係合するように、ユーザはシャックル120を上方に引くことができる。その後、フィン61は、連結プレート40の開口スロット43との係合を解除される。
【0034】
ロックするには、ユーザは、シャックル120の短脚部121を固定カム70のロック孔71に配置し、各クラッチ60のフィン61が対応する連結プレート40の開口スロット43と整列しないように、ダイヤルをスクランブルすることができる。
【0035】
デコードモード(図20A、20B、21A、21B):
図20A~20Bは、各クラッチ60のフィン61が対応する連結プレート40のデコード壁45に接触していないデコードモードの南京錠を示している。図21A~21Bは、各クラッチのフィン61がデコード壁45に接触しているデコードモードの南京錠を示している。
【0036】
デコードモードでは、ユーザは、(正しくカットされたキーを使用して)キーモードによるアンロックを介して開錠しなければならない。短脚シャックル121が固定カム70のロック孔71から出て回転させられると、ユーザはシャックルを180度回転させることができ、それにより、リセット突起122は上部リング30のノッチ31と整列する。その後、ユーザは、シャックルをデコードモードまで下方に押すことができる(リセットモードと同様の動作であるが、デコードモードへの移動距離はリセットモードへの移動距離よりも短いため、クラッチ60のフィン61はデコードモードではダイヤル50の歯51から離れて係合解除されない)。シャックルが下方に押されると、各クラッチ60のフィン61は対応する連結プレート40のデコードエッジ41に接触する。その後、ユーザはダイヤル50を回転させることができ、クラッチも同じように回転する。ユーザは、各クラッチ60のフィン61が連結プレート40の対応するデコード壁45に接触するように、ダイヤルを正しい方向(この場合は反時計回り)に回転させることができる。その後、デコード壁45はフィン61をキャッチして、対応するクラッチ60およびダイヤル50の回転を停止させる。デコード壁45は、連結プレート40の開口スロット43と同じ位置にある。これは、ダイヤルが回転を停止すると、数字がそのプリセットコード(アンロックコード)に揃うことを意味している。
【0037】
さらに、シャックル120が下方に押されると、各クラッチ60のフィン61が対応する連結プレート40の下に1つ移動する。これは、南京錠が4つのダイヤルを含む場合に、デコード機能の使用に5つの連結プレートが必要とされることを意味している。連結プレートの位置および角度はすべて同じであるため、クラッチのフィン61は、下の連結プレート40のデコード壁45に接触するときに、コードの上のダイヤル50のデコードが行われることになる。
【0038】
連結プレート40には壁斜面46がある。デコードモードでは、ユーザがダイヤル50を間違った方向(この場合は時計回り)に回すと、壁斜面46はフィン61をより高く摺動させ、これにより、シャックルを上方に移動させ、その結果、フィン61が連結プレート40のデコード壁45に接触することができなくなるため、ユーザはデコードすることができなくなる。このため、ユーザが実際のデコードのためにダイヤルを一方向にのみ回転させてデコードすることが必要とされる。
【0039】
クラッチ60のすべてのフィン61がデコード壁45に接触すると、フィン61も開口スロット43と整列する。ユーザは、フィン61が連結プレート40の開口スロット43に戻って係合するように、シャックル120を上方に引っ張ることができる。ユーザはまた、組み合わせコードをリセットするために、シャックルをさらに下方に押すことができる。
【符号の説明】
【0040】
本出願の参照符号は以下の通りである。
10.南京錠
12.キー機構
14.第1の孔
20.本体
21.フィンキャッチャー
22.プレート孔
23.第2の孔(シリンダ孔)
24.ピンホール
30.上部リング
31.ノッチ
32.方向フィン
33.ストップエンド
40.連結プレート
41.デコードエッジ
42.偽ゲート
43.開口スロット
44.フィン突起
45.デコード壁
46.壁斜面
50.ダイヤル
51.歯
60.クラッチ
61.フィン
62.孔
70.固定カム
71.ロック孔
72.スロット
73.ピンホール
80.カム
81.傾斜スロット
82.受容スロット
90.ブロックプレート
91.ブロックエッジ
92.ピン
100.シリンダ
101.フォーク
102.角度制御エッジ
110.シリンダハウジング
111.停止エッジ
112.延出された先端
120.シャックル
121.短脚シャックル
122.リセット突起
123.クラッチ突起
124.ネック
125.長脚シャックル
130.キー
140.ピン
150.Cクリップ

番号が付与されていないが、図面に示されているコンポーネント:
1.シリンダ上のウェーハ
2.シリンダ上のウェーハのバネ
3.ダイヤル上で使用するラチェットバネプレート
4.ダイヤル上で使用するラチェットピン
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19
【図 】
図20B
【図 】
図21B
図22
図23