(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
H02K 5/22 20060101AFI20221004BHJP
H01R 12/72 20110101ALI20221004BHJP
【FI】
H02K5/22
H01R12/72
(21)【出願番号】P 2018063580
(22)【出願日】2018-03-29
【審査請求日】2021-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】398061810
【氏名又は名称】日本電産テクノモータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【氏名又は名称】前井 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100138689
【氏名又は名称】梶原 慶
(72)【発明者】
【氏名】藤田 滉大
【審査官】島倉 理
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-111345(JP,A)
【文献】登録実用新案第3077893(JP,U)
【文献】特開2012-152094(JP,A)
【文献】特開2012-200055(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
H01R 12/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる中心軸を中心として回転するモータにおいて、
基板と、
前記基板に装着されるブッシングと、
前記基板を収容する筐体と
を有し、
前記基板は、導通部材が接続される導通部材接続部を有し、
前記ブッシングは、
上主壁と、
前記上主壁の内壁面から下側へ突出し、前記ブッシングの径方向外側に位置する上凸部と、
下主壁と、
前記下主壁の内壁面から上側へ突出し、前記ブッシングの径方向外側に位置する下凸部と、
前記上凸部と前記下凸部とで構成される前記導通部材を保持する導通部材保持部と、
前記ブッシングが前記基板に装着されることによって、前記導通部材を前記導通部材接続部に電気的に接続させる基板接続部と
、
を有し、
上凸部は、径方向外側から内側に向かって上側に上がる上傾斜部を有し、
下凸部は、径方向外側から内側に向かって上側に上がる下傾斜部を有し、
前記上傾斜部及び前記下傾斜部により前記導通部材が、前記導通部材接続部の上面へと配線され、
前記筐体は、軸方向へ延びる壁部を有し、
前記壁部は、径方向に開放する挿入口を有し、
前記ブッシングの一部は、前記挿入口を介して、径方向の外側に突出し、前記ブッシングの他の部分は、前記壁部よりも径方向の内側に位置する、モータ。
【請求項2】
前記壁部は、
前記挿入口を構成し、軸方向の一部が切欠かれた第1切欠き部と、
前記ブッシングの径方向外側への移動を規制する規制部と
を有し、
前記ブッシングは、装着方向において前記規制部と接触する被規制部を有する、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記筐体は、
軸方向に開放する開口を有する筐体本体と、
前記開口を覆う蓋部と
を有し、
前記挿入口は、前記筐体本体及び前記蓋部の少なくとも一方に形成される、請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記蓋部は、
軸方向と交差する方向に拡がる平板状の蓋ベースと、
前記蓋ベースから軸方向へ突出する突出部と
を有し、
前記ブッシングは、軸方向に凹む凹部を有し、
前記凹部には前記突出部が嵌る、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記蓋部は、
軸方向と交差する方向に拡がる平板状の蓋ベースと、
前記蓋ベースから軸方向へ突出する突出部と
を有し、
前記突出部は、周方向の一部が切り欠かれた第2切欠き部を有し、
前記第2切欠き部は、前記挿入口を構成し、
前記ブッシングは、前記第2切欠き部に嵌る凸部を有する、請求項3に記載のモータ。
【請求項6】
前記筐体本体は、前記壁部を有し、
前記突出部は、前記壁部の内壁面に接触する、請求項4又は請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記ブッシングは、前記基板と接続する側の基板接続端を有し、
前記ブッシングが前記基板に装着された状態において、前記基板接続端は、前記突出部
よりも径方向の内側に位置する、請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記基板は、電子部品を有し、
前記電子部品は、前記基板が有する複数の面のうち、前記導通部材接続部が配置される側と同じ面に配置される、請求項1~請求項7のいずれか1項に記載のモータ。
【請求項9】
前記電子部品に接触するシリコーンを更に有し、
前記シリコーンは、軸方向において前記筐体と接触する、請求項8に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
電動機の固定子は、リード線口出し部品と、基板とを有する。リード線口出し部品は、基板に組み付けられる。リード線口出し部品は、第1の口出し部品と第2の口出し部品とによって構成される。第1の口出し部品及び第2の口出し部品には、L型端子が組み付けられる。第2の口出し部品は、爪を備える。基板は、切り欠き部を備える。第2の口出し部品が備える爪が基板の切り欠き部に入り込むことによって、リード線口出し部品が基板に組み付けられる。リード線口出し部品が基板に組み付けられると、L型端子も同時に基板に組み付けられる。基板に組み付けられたL型端子は、半田付けされることによって基板と電気的に接続する(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の技術では、L型端子と基板とを電気的に接続するために、L型端子を基板に半田付けしなければならない。したがって、L型端子を基板に電気的に接続する作業の効率が低下する虞がある。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、導通部材を基板に電気的に接続する作業の効率を向上させることができるモータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の例示的なモータは、上下に延びる中心軸を中心として回転する。当該モータは、基板と、ブッシングと、筐体とを有する。前記ブッシングは、前記基板に装着される。前記筐体は、前記基板を収容する。前記基板は、導通部材が接続される導通部材接続部を有する。前記ブッシングは、導通部材保持部と、基板接続部とを有する。前記導通部材保持部は、前記導通部材を保持する。前記基板接続部は、前記ブッシングが前記基板に装着されることによって、前記導通部材を前記導通部材接続部に電気的に接続させる。前記筐体は、軸方向へ延びる壁部を有する。前記壁部は、径方向に開放する挿入口を有する。前記ブッシングの一部は、前記挿入口から径方向の外側へ突出し、前記ブッシングの他の部分は、前記壁部よりも径方向の内側に位置する。
【発明の効果】
【0007】
例示的な本発明によれば、導通部材を基板に電気的に接続する作業の効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態1に係るモータの構成を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態1に係るモータの構成を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の実施形態1に係る筐体本体の構成を示す上面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示すIV-IV線に沿った断面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態1に係る第1切欠き部の近傍を示す拡大図である。
【
図6】
図6は、本発明の実施形態1に係る蓋部の構成を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本発明の実施形態1に係る基板の構成を示す上面図である。
【
図8】
図8は、本発明の実施形態1に係る導通部材の構成を示す図である。
【
図9】
図9は、本発明の実施形態1に係るブッシングの構成を示す平面図である。
【
図12】
図12は、本発明の実施形態1に係る基板とブッシングとを示す図である。
【
図13】
図13は、本発明の実施形態1に係る基板とブッシングとを示す図である。
【
図14】
図14は、本発明の実施形態1に係る筐体を示す上面図である。
【
図15】
図15は、本発明の実施形態1に係る
図14に示すXV-XV線に沿った断面図である。
【
図16】
図16は、本発明の実施形態1に係る蓋部を示す図である。
【
図17】
図17は、本発明の実施形態1に係るブッシングの構成を示す上面図である。
【
図18】
図18は、本発明の実施形態1に係る第1切欠き部の近傍を示す拡大図である。
【
図19】
図19は、本発明の実施形態2に係るブッシングの構成を示す斜視図である。
【
図20】
図20は、本発明の実施形態2に係る蓋部とブッシングとを示す図である。
【
図21】
図21は、本発明の実施形態3に係る蓋部の構成を示す斜視図である。
【
図22】
図22は、本発明の実施形態3に係るブッシングの構成を示す斜視図である。
【
図23】
図23は、本発明の実施形態3に係るブッシングと蓋部とを示す図である。
【
図24】
図24は、本発明の実施形態3に係る第2切欠き部の近傍を示す拡大図である。
【
図25】
図25は、本発明の実施形態3に係る蓋部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態について、図面を参照して説明する。但し、本発明は以下の実施形態に限定されない。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。また、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合がある。
【0010】
本明細書では、便宜上、モータの中心軸AX(
図1参照)が延びる方向を上下方向として説明する。但し、上下方向は、説明の便宜上定めるものであり、中心軸AXの方向が鉛直方向と一致することを意図していない。また、本明細書では、モータの中心軸AXと平行な方向を「軸方向」と記載し、モータの中心軸AXを中心とする径方向及び周方向を「径方向」及び「周方向」と記載する。但し、これらの定義により、本発明に係るモータの使用時の向きを限定する意図はない。なお、「平行な方向」は、略平行な方向を含む。
【0011】
[実施形態1]
まず、
図1を参照して、実施形態1に係るモータ100の構成について説明する。
図1は、実施形態1に係るモータ100の構成を示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、モータ100は、上下に延びる中心軸AXを中心として回転する。モータ100は、例えば、エアコンのような家電製品に搭載される。本実施形態において、モータ100は、モールドモータである。なお、モータ100は、モールドモータ以外のモータであり得る。
【0013】
モータ100は、筐体50を有する。筐体50は、例えば、熱可塑性樹脂によって構成される。熱可塑性樹脂は、例えば、6、6-ナイロン又はポリブチレンテレフタラート(PBT)である。
【0014】
続いて、
図2を参照して、実施形態1に係るモータ100の構成について更に説明する。
図2は、実施形態1に係るモータ100の構成を示す分解斜視図である。本実施形態において、モータ100は、インナーロータ型のモータである。
【0015】
図2に示すように、モータ100は、筐体50に加え、基板アッセンブリ10、ロータ60、及びステータ70を有する。
【0016】
筐体50は、筐体本体51及び蓋部55を有する。
【0017】
筐体本体51は、収容空間51s及び上部開口51hを有する。上部開口51hは、開口の一例である。上部開口51hは、上方に開放する。換言すると、上部開口51hは、軸方向ADに開放する。収容空間51sは、上部開口51hを介して筐体本体51の外部と通じる。
【0018】
蓋部55は、筐体本体51の上部に配置されて、筐体本体51に固定される。蓋部55は、筐体本体51に固定されると、上部開口51hを覆う。
【0019】
基板アッセンブリ10は、筐体本体51の内部に収容される。基板アッセンブリ10は、例えば、ロータ60の動作を制御する。基板アッセンブリ10は、基板1、ブッシング2及び導通部材3を有する。
【0020】
基板1は、収容空間51sに配置される。換言すると、基板1は、筐体50に収容される。ブッシング2は、基板1に装着される。導通部材3は、ブッシング2に取り付けられて保持される。本実施形態において、基板1は、配線が印刷されたプリント基板である。
【0021】
ステータ70は、収容空間51sに配置される。ステータ70は、筐体本体51に固着する。ステータ70は、中心軸AXを中心とする略円環形状である。ステータ70には、基板1が固定される。ステータ70は、基板1と電気的に接続する。
【0022】
ステータ70は、コイル、ステータコア及びインシュレータを有する。コイルは、インシュレータを介してステータコアに巻かれる。コイルに電流が流れると磁束が発生する。
【0023】
ロータ60は、収容空間51sに配置される。詳しくは、ロータ60は、ステータ70よりも径方向RDの内側に配置される。ロータ60は、回転軸61を有する。回転軸61は、軸方向ADに沿って延びる略円柱状の部材である。ステータ70のコイルに電流が流れて磁束が発生すると、回転軸61が中心軸AXを中心として回転する。回転軸61の下側の端部は、モータ100の出力軸として利用される。
【0024】
続いて、
図1~
図5を参照して、実施形態1に係る筐体本体51の構成について説明する。
図3は、実施形態1に係る筐体本体51の構成を示す上面図である。
図4は、
図3に示すIV-IV線に沿った断面図である。なお、理解を容易にするために、
図4では、筐体本体51の上側部分のみを断面で示している。
【0025】
図3及び
図4に示すように、筐体本体51は、壁部52、及び複数の取付け部54を有する。本実施形態において、筐体本体51は、3つの取付け部54を有する。なお、取付け部54の数は、3つに限定されず、1つ、2つ、又は4つ以上であってもよい。
【0026】
壁部52は、中心軸AXを中心とする略円筒形状である。壁部52は、軸方向ADに延びる。
【0027】
壁部52は、軸方向ADの一部が切欠かれた第1切欠き部52kを有する。第1切欠き部52kは、壁部52の上端部の一部が切欠かれることによって形成される。第1切欠き部52kは、径方向RDから見て、壁部52の上端面から下方に凹む形状を有する。収容空間51sは、第1切欠き部52kを介して径方向RDの外部と通じる。本実施形態において、第1切欠き部52kは、挿入口50eを構成する。換言すると、壁部52は、径方向RDに開放する挿入口50eを有する。
【0028】
3つの取付け部54はそれぞれ、壁部52から径方向RDの外側へ突出する。3つの取付け部54は、壁部52の外縁に沿って略均等に配置される。各取付け部54は、支持壁541及び締結孔542を有する。各締結孔542は、支持壁541を軸方向ADに貫通する。各締結孔542には、ネジなどの締結部材を挿し込むことができる。
【0029】
図5は、実施形態1に係る第1切欠き部52kの近傍を示す拡大図である。
図5に示すように、壁部52は、規制部523を有する。本実施形態において、規制部523は、2つの第2突起523tを有する。
【0030】
壁部52は、2つの第1対向面52sを有する。2つの第1対向面52sは、周方向CDにおいて対向する。2つの第2突起523tの各々は、各第1対向面52sに設けられる。換言すると、2つの第1対向面52sは、第1切欠き部52kを挟んで対向する。
【0031】
各第2突起523tは、各第1対向面52sから周方向CDへ突出する。各第2突起523tは、内側端面523n及び外側端面523sを有する。外側端面523sは、内側端面523nよりも径方向RDの外側の端面である。
【0032】
次に、
図1~
図6を参照して、実施形態1に係る蓋部55の構成について説明する。
図6は、実施形態1に係る蓋部55の構成を示す斜視図である。詳しくは、
図6は、蓋部55を軸方向ADの斜め下方から見た図である。
【0033】
図6に示すように、蓋部55は、中心軸AXを中心とする円盤形状である。蓋部55は、蓋ベース56、第1突出部57、及び第2突出部58を有する。第1突出部57は、突出部の一例である。
【0034】
蓋ベース56は、中心軸AXと交差する方向に拡がる平板状である。本実施形態において、蓋ベース56は、径方向RDに拡がる平板状である。具体的には、蓋ベース56は、中心軸AXを中心とする円盤形状である。軸方向ADから見たときの蓋ベース56の外形形状は、
図3を参照して説明した壁部52の外形形状と略一致する。したがって、蓋ベース56の外縁の中心軸AXからの距離と、壁部52の外壁面の中心軸AXからの距離とは、略一致する。
【0035】
蓋ベース56は、上方へ窪む窪み部56kを有する。窪み部56kには、モータ100が有するシリコーンSiが配置される。したがって、シリコーンSiは、窪み部56kの上面と接触する。換言すると、シリコーンSiは、軸方向ADにおいて、筐体50と接触する。なお、シリコーンSiは、放熱性を有する樹脂の一例である。窪み部56kに配置する放熱性を有する樹脂は、熱硬化性樹脂であることが好ましい。シリコーンSiは、放熱性を有する熱硬化性樹脂の一例である。
【0036】
第1突出部57は、蓋ベース56から下方へ突出する。換言すると、第1突出部57は、蓋ベース56から軸方向ADへ突出する。第1突出部57は、蓋ベース56の外縁よりも内側に設けられる。第1突出部57は、蓋ベース56の外縁に沿って連続して設けられる。
【0037】
第2突出部58は、蓋ベース56の外縁に設けられる。第2突出部58は、蓋ベース56から下方へ突出する。
【0038】
蓋部55が筐体本体51に固定されると、第1突出部57は、壁部52の内壁面に接触する。本実施形態において、蓋部55は、圧入されることにより筐体本体51に固定される。
【0039】
次に、
図1~
図7を参照して、実施形態1に係る基板1の構成について説明する。
図7は、実施形態1に係る基板1の構成を示す上面図である。
【0040】
図7に示すように、基板1は、基部11、導通部材接続部12及び電子部品13を有する。電子部品13は、例えば、パワー素子である。
【0041】
本実施形態において、基板1は、5つの導通部材接続部12を有し、1つの電子部品13を有する。なお、導通部材接続部12の数は、少なくとも1つであればよく、5つに限定されない。同様に、電子部品13の数は、少なくとも1つであればよく、1つに限定されない。
【0042】
導通部材接続部12及び電子部品13は、基部11が有する2つの主面のうちの一方の主面に配置される。換言すると、電子部品13は、基板1が有する複数の面のうち、導通部材接続部12が配置される面と同じ面に配置される。
【0043】
電子部品13は、蓋部55が筐体本体51に固定された状態において、
図6を参照して説明した窪み部56kと軸方向ADにおいて対向する。
図6を参照して説明したように窪み部56kにはシリコーンSiが配置される。したがって、電子部品13は、軸方向ADにおいて、シリコーンSiと接触する。これにより、電子部品13から発生する熱がシリコーンSi及び蓋部55を介して筐体50の外部へ放熱される。
【0044】
基部11は、平板状である。本実施形態において、基部11は、中心軸AXを中心とする略半円盤形状の一部が切欠かれた形状である。基部11は、平坦面11hを有する。平坦面11hは、基部11の主面と直交する基部11の端面であり、軸方向AD及び径方向RDの各々と直交する。
【0045】
基部11は、スリット11sを有する。スリット11sは、基部11を上下方向に貫通する。スリット11sは、基部11の平坦面11hから径方向RDの内側へ延びる。スリット11sには、ブッシング2が嵌る。
【0046】
スリット11sの径方向RDにおける長さは、ブッシング2が基板1に装着された際に、
図2を参照して説明した導通部材3が導通部材接続部12に接触する長さを有する。したがって、ブッシング2が基板1に装着されると、5つの導通部材接続部12の各々には、導通部材3が接続される。
【0047】
5つの導通部材接続部12の各々は、スリット11sが延びる方向と直交する方向において、スリット11sと対向する。詳しくは、5つの導通部材接続部12は、スリット11sが延びる方向と直交する方向に並んで配置される。各導通部材接続部12は、スリット11sと平行に延びる。各導通部材接続部12は、例えば、電流が流れる銅箔である。
【0048】
次に、
図1~
図8を参照して、実施形態1に係る導通部材3の構成について説明する。
図8は、実施形態1に係る導通部材3の構成を示す図である。
【0049】
図8に示すように、導通部材3は、導電部31及び絶縁部32を有する。本実施形態において、導通部材3は、リード線を有する。リード線は、芯線及び被覆部を有する。被覆部は、芯線を覆う。導電部31は、芯線に取り付けられた平端子である。絶縁部32は、リード線の被覆部である。
【0050】
次に、
図1~
図11を参照して、実施形態1に係るブッシング2の構成について説明する。
図9は、実施形態1に係るブッシング2の構成を示す平面図である。
図10は、
図9に示すX-X線に沿った断面図である。
図11は、
図10に示すブッシング2に導通部材3が取付けられた状態を示す図である。
【0051】
図9に示すように、ブッシング2は、ブッシング筐体20を有する。ブッシング筐体20は、例えば、6、6-ナイロン、又はポリブチレンテレフタラート(PBT)のような熱可塑性樹脂によって構成される。ブッシング筐体20は、上部材21及び下部材22を有する。
【0052】
上部材21は、上主壁211及び2つの上側壁212を有する。各上側壁212は、上主壁211の各端部から下方へ突出する。上主壁211と、2つの上側壁212とは、上方へ凹む上凹部を構成する。上凹部は、上主壁211の内壁面と、各上側壁212の内壁面とによって構成される。
【0053】
下部材22は、下主壁221及び2つの下側壁222を有する。各下側壁222は、下主壁221の各端部から上方へ突出する。下主壁221と、2つの下側壁222とは、下方へ凹む下凹部を構成する。下凹部は、下主壁221の内壁面と、各下側壁222の内壁面とによって構成される。
【0054】
上部材21は、上凹部が下凹部と対向した状態で下部材22と連結する。例えば、上部材21は、2つの上側壁212の少なくとも一方の端面から下方へ延びる突起を有する。下部材22は、下側壁222の少なくとも一方の端面から下方へ凹む孔を有する。下部材22が有する孔は、突起と略同一の大きさである。突起が孔に嵌ることにより、上部材21と下部材22とが連結する。なお、下部材22が突起を有し、上部材21が孔を有してもよい。
【0055】
上部材21と下部材22とが連結することにより、
図10に示すように、上凹部と下凹部とが対向して内部空間20aが形成される。内部空間20aには、
図8を参照して説明した導通部材3が配置される。導通部材3は、例えば、下凹部に配置された後、上部材21と下部材22とが連結することにより、ブッシング2に取り付けられる。
【0056】
内部空間20aは、第1空間20f及び第2空間20bを有する。詳しくは、下主壁221は下凸部221tを有する。下凸部221tは、下主壁221の内壁面から上側へ突出する。換言すると、下凸部221tは、下主壁221の上面から上側へ突出する。下凸部221tは、下主壁221の上面から上側へ突出する段差部分を基端として後側へ延びる。第1空間20fと、第2空間20bとは、下主壁221の段差部分を挟んで対向する。以下、内部空間20aのうち、第1空間20f側を「前側」とし、その反対側を「後側」として前後方向を規定する。また、第1空間20fを「前方空間20f」と記載し、第2空間20bを「後方空間20b」と記載する。
【0057】
また、上主壁211は、上凸部211tを有する。上凸部211tは、上主壁211の内壁面から下側へ突出する。換言すると、上凸部211tは、上主壁211の下面から下側へ突出する。上凸部211tは、上主壁211の後端部に設けられる。上凸部211tは、上主壁211の後端から前側に延びる。上凸部211tは、上傾斜部211k及び上水平部211sを有する。上傾斜部211kは、上凸部211tの前側部分に設けられる。上傾斜部211kは、前側へ進むにつれて上側に上がる。詳しくは、上傾斜部211kは、上水平部211sから離れるにつれて上側へ傾斜する。上水平部211sは、上傾斜部211kの後端と接続し、後側へ延びる。
【0058】
下凸部221tは、第1下水平部221s、下傾斜部221k、及び第2下水平部221hを有する。第1下水平部221sは、下凸部221tの前端から後側へ延びる。下傾斜部221kは、第1下水平部221sの後端と接続し、後側へ進むにつれて下側に下がる。詳しくは、下傾斜部221kは、第1下水平部221sの後端から離れるにつれて下側へ傾斜する。下傾斜部221kは、上傾斜部211kと対向する。下傾斜部221kは、上傾斜部211kと平行である。第2下水平部221hは、下傾斜部221kの後端と接続し、後側へ延びる。
【0059】
図10及び
図11に示すように、ブッシング2は、導通部材保持部23を更に有する。本実施形態において、導通部材保持部23は、被覆保持部231を有する。被覆保持部231は、絶縁部32を保持する。即ち、被覆保持部231は、リード線の被覆部を保持する。
【0060】
被覆保持部231は、下凸部221tの前端よりも後側において、上凸部211tと下凸部221tとによって構成される。即ち、被覆保持部231は、後方空間20bを構成する壁面によって構成される。
【0061】
上凸部211tと下凸部221tとの間の最大距離、即ち、後方空間20bの上下方向の距離は、絶縁部32の幅以下に設定されている。したがって、導通部材3がブッシング2に取り付けられると、絶縁部32が上凸部211tと下凸部221tとの間に挟まれて保持される。これにより、導通部材3の前後方向、左右方向及び上下方向への移動が規制される。本実施形態において、被覆保持部231が絶縁部32を保持すると、導電部31は、前方空間20fの上部に固定される。詳しくは、導電部31は、上下方向における絶縁部32の前端の位置と同じ位置を維持したまま前側へ延びる。
【0062】
次に、
図1~
図13を参照して、実施形態1に係る基板1とブッシング2との構成について説明する。
図12及び
図13は、実施形態1に係る基板1とブッシング2とを示す図である。
【0063】
図12に示すように、基板1は、被接触部14を有する。被接触部14は、第1被接触面141及び第2被接触面142を有する。第1被接触面141及び第2被接触面142は、装着方向Dと直交する方向において対向する。装着方向Dは、ブッシング2が基板1に装着される際に、ブッシング2が移動する方向である。本実施形態において、装着方向Dは、ブッシング2の前後方向と一致する。また、装着方向Dは、軸方向ADと直交し、且つ、径方向RDと交差する。
【0064】
第1被接触面141は、基部11の周方向CDにおける2つの端面のうちの一方の端面によって構成される。第2被接触面142は、基部11に形成されたスリット11sを構成する壁面のうち、第1被接触面141に近い側の壁面によって構成される。
【0065】
ブッシング2は、基板接続端20tを有する。基板接続端20tは、ブッシング2が有する端のうち、基板1と接続する側の端である。
【0066】
また、ブッシング2は、基板接続部24を更に有する。基板接続部24は、第1接触面241及び第2接触面242を有する。第1接触面241及び第2接触面242は、装着方向Dと直交する方向において対向する。第1接触面241は、
図9を参照して説明した上側壁212の内壁面及び下側壁222の内壁面のうちの少なくとも一方によって構成される。同様に、第2接触面242は、上側壁212の内壁面及び下側壁222の内壁面のうちの少なくとも一方によって構成される。
【0067】
ブッシング2を装着方向Dに沿って移動させることにより、基板1の一部が
図10を参照して説明した前方空間20fに収容される。基板1の一部が
図10を参照して説明した前方空間20fに収容されると、第1被接触面141が第1接触面241と接触し、第2被接触面142が第2接触面242と接触する。これにより、ブッシング2が基板1に固定される。ブッシング2が基板1に固定されると、
図13に示すように、導通部材3が導通部材接続部12に接触する。この結果、基板1にブッシング2が装着される。換言すると、基板接続部24は、ブッシング2が基板1に装着されることによって、導通部材3を導通部材接続部12に電気的に接続させる。
【0068】
次に、
図14~
図16を参照して、実施形態1に係るブッシング2と筐体50との構成について説明する。
図14は、実施形態1に係る筐体50を示す上面図である。
図15は、
図14に示すXV-XV線に沿った断面図である。
図16は、実施形態1に係る蓋部55を示す図である。詳しくは、
図16は、軸方向ADの下方から見た図を示す。
図14~
図16では、理解を容易にするために、ブッシング2を2点鎖線で示し、
図14では、蓋部55を省略している。また、
図15では、筐体本体51の上側部分のみを断面で示している。
【0069】
図14~
図16に示すように、ブッシング2が基板1に装着された状態において、ブッシング2の一部は、挿入口50eから径方向RDの外側へ突出する。換言すると、ブッシング2の一部とは異なる他の部分は、壁部52よりも径方向RDの内側に位置する。詳しくは、ブッシング2が基板1に装着された状態において、ブッシング2の基板接続端20tは、第1突出部57よりも径方向RDの内側に位置する。
【0070】
以上、実施形態1について説明した。本実施形態におけるモータ100によれば、半田付け作業をすることなく、導電部31を導通部材接続部12に接続させることができる。したがって、導通部材3を基板1に電気的に接続する作業の効率を向上させることができる。
【0071】
また、電子部品と導通部材接続部とが基部の同じ面に配置されない構成である場合、基部に設けられたスルーホールに導通部材を通した後、導電部を基板に半田付けする必要があるが、本実施形態によれば、導通部材接続部12と電子部品13とは基部11の同じ面に配置される。したがって、導通部材3をスルーホールに通す必要がない。よって、導通部材3を基板1に電気的に接続する作業効率が向上する。
【0072】
また、電子部品と導通部材接続部とが基部の同じ面に配置されない構成では、導通部材を通すスルーホールを基部に設ける必要がある。本実施形態によれば、導通部材3を通すスルーホールを基板1に設ける必要がなくなる。この結果、基板1のパターン設計の自由度が向上する。
【0073】
また、本実施形態において、第1突出部57は、壁部52の内壁面に接触する。具体的には、第1突出部57は、壁部52の内壁面に圧入される。したがって、水及び埃の少なくとも一方が収容空間51sへ浸入することが抑制される。
【0074】
本実施形態によれば、ブッシング2の基板接続端20tは、第1突出部57よりも径方向RDの内側に位置する。よって、水及び埃の少なくとも一方が基板1に付着することによる基板1の破損を抑制できる。
【0075】
また、基板1の位置が挿入口50eから遠い程、水及び埃が基板1に付着しにくい。換言すると、導通部材接続部12と導電部31との接続箇所が、挿入口50eから遠い程、水及び埃が基板1に付着しにくい。例えば、ブッシング2のうち、筐体本体51から径方向RDの外方に突出する部分に水が付着した場合、水がブッシング2を伝って収容空間51sに浸入する可能性がある。水がブッシング2を伝って基板1に到達するまでの距離は、導通部材接続部12と導電部31との接続箇所が挿入口50eから遠い程、長くなる。したがって、導通部材接続部12と導電部31との接続箇所を挿入口50eから遠くする程、水が基板1に付着することが抑制される。換言すると、ブッシング2の径方向RDにおける長さを長くする程、水が基板1に付着することが抑制される。よって、基板1の破損を抑制できる。
【0076】
また、
図17及び
図18に示すように、ブッシング2は、被規制部25を更に有してもよい。被規制部25は、
図5を参照して説明した規制部523と装着方向Dにおいて接触する。
図17は、実施形態1に係るブッシング2の構成を示す上面図である。
図18は、実施形態1に係る第1切欠き52kの近傍を示す拡大図である。
【0077】
被規制部25は、2つの第1突起251を有する。2つの第1突起251は、装着方向Dと直交する方向において対向する。詳しくは、各第1突起251は、各上側壁212の外壁面及び各下側壁222の外壁面の少なくとも一方に配置される。各第1突起251は、各上側壁212の外壁面及び各下側壁222の外壁面の少なくとも一方の外壁面から、ブッシング筐体20の外方へ突出する。各第1突起251は、傾斜面251k及び接触面251sを有する。
【0078】
図18に示すように、収容空間51sに収容された基板1にブッシング2が装着された状態において、ブッシング2の各第1突起251の接触面251sと壁部52の各第2突起523tの内側端面523nとが装着方向Dにおいて対向する。本実施形態において、装着方向Dは、径方向RDと略平行な方向である。したがって、各接触面251sと各内側端面523nとが接触することにより、ブッシング2の径方向RDの外側への移動が規制される。換言すると、壁部52が有する規制部523は、ブッシング2の径方向RDの外側への移動を規制する。この結果、筐体50からブッシング2が脱離することが抑制される。
【0079】
また、各第1突起251は、弾性を有し、互いに接近する方向へ移動してもよい。2つの第1突起251は、例えば、スナップフィットであってもよい。各第1突起251が弾性を有する場合、ブッシング2を筐体本体51の径方向RDの外側から内側へ移動させることにより、基板1に装着させることができる。詳しくは、ブッシング2を筐体本体51の外部から径方向RDに沿って移動させてブッシング2の一部を挿入口50eから筐体50の収容空間51s内に挿入すると、各第1突起251の傾斜面251kが各第2突起523tの外側端面523sに接触する。
【0080】
各第1突起251の傾斜面251kが各第2突起523tの外側端面523sに接触する状態において、ブッシング2を径方向RDに沿って更に移動させると、各第1突起251が各第2突起523tを乗り越える。この結果、各第1突起251の接触面251sと各第2突起523tの内側端面523nとが径方向RDにおいて接触して、ブッシング2が筐体本体51に固定される。また、これとともに、ブッシング2が基板1に装着される。詳しくは、
図13を参照して説明したように、導電部31が導通部材接続部12に接触して、電気的に接続する。したがって、導通部材3を基板1に電気的に接続する作業の効率を向上させることができる。
【0081】
なお、本実施形態において、導通部材接続部12と電子部品13とが基部11の同じ面に配置される構成を説明したが、導通部材接続部12と電子部品13とは別の面に配置されてもよい。
【0082】
また、本実施形態において、ブッシング筐体20が、上部材21及び下部材22を有する構成を説明したが、ブッシング筐体20は、上部材21と下部材22とに分かれていなくてもよい。換言すると、ブッシング筐体20は、単一の部品であってもよい。あるいは、ブッシング筐体20は、上部材21のみを有してもよい。ブッシング筐体20が上部材21のみを有する場合、第1接触面241及び第2接触面242は、上部材21の内壁面によって構成される。
【0083】
また、本実施形態において、導電部31が平端子である場合を例に説明したが、導電部31は、リード線の芯線であってもよい。
【0084】
また、本実施形態において、導通部材3が導電部31及び絶縁部32を有する構成を説明したが、絶縁部32は省略されてもよい。
【0085】
また、本実施形態において、挿入口50eが筐体本体51に設けられる構成を説明したが、挿入口50eは、筐体本体51及び蓋部55の少なくとも一方に形成されてもよい。これにより、軸方向ADにおける基板1の位置に応じて挿入口50eを設けることができる。この結果、基板1とブッシング2との軸方向ADにおける位置を一致させることができる。よって、基板1にブッシング2を装着させやすくなる。
【0086】
[実施形態2]
続いて、
図19及び
図20を参照して、実施形態2に係るモータ100について説明する。実施形態2では、ブッシング2の構成が実施形態1と異なる。以下、実施形態2について、実施形態1と異なる点について説明し、実施形態1と重複する部分についての説明は省略する。
【0087】
図19は、実施形態2に係るブッシング2の構成を示す斜視図である。
図20は、実施形態2に係る蓋部55とブッシング2とを示す図である。なお、
図20では、理解を容易にするために、蓋部55の中央部分を軸方向ADに沿って切断した断面で示している。
【0088】
図19及び
図20に示すように、ブッシング2は、第1凹部261及び第2凹部262を有する。第1凹部261及び第2凹部262は、下方に凹む。換言すると、ブッシング2は、軸方向ADに凹む第1凹部261を有する。第1凹部261は、凹部の一例である。
【0089】
また、ブッシング2は、第1凸部271、第2凸部272及び第3凸部273を有する。第1凸部271、第2凸部272及び第3凸部273は、上主壁211から上方へ延びる。第1凸部271、第2凸部272及び第3凸部273は、互いに対向する。第1凹部261は、上主壁211と、第1凸部271と、第2凸部272とによって構成される。詳しくは、第1凹部261は、上主壁211の上面及び第1凸部271と第2凸部272との対向面によって構成される。
【0090】
第2凹部262は、上主壁211と、第2凸部272と、第3凸部273とによって構成される。詳しくは、上主壁211の上面及び第2凸部272と第3凸部273との対向面によって構成される。
【0091】
図1を参照して説明した収容空間51sに収容された基板1にブッシング2が装着されると、
図20に示すように、第1凹部261は、第2凹部262よりも径方向RDの内側に位置する。
【0092】
図20に示すように、
図2を参照して説明した筐体本体51に蓋部55を取り付ける際、第1突出部57は、第1凹部261に嵌る。詳しくは、第1突出部57の外壁面が第1凹部261を構成する壁面に接触する。これにより、ブッシング2の移動が規制されて、ブッシング2が蓋部55に対して固定される。なお、第2突出部58は、第2凹部262に嵌る。
【0093】
以上、実施形態2について説明した。本実施形態によれば、ブッシング2は、蓋部55に固定される。よって、ブッシング2が筐体50から抜けることが更に抑制される。
【0094】
また、本実施形態において、第1突出部57が第1凹部261を構成する壁面に接触し、第1突出部57が
図3及び
図4を参照して説明した壁部52に接触する。したがって、水及び埃の少なくとも一方が収容空間51sへ浸入することが抑制される。よって、水及び埃の少なくとも一方が基板1に付着することによる基板1の破損を抑制できる。なお、第1突出部57は、壁部52及び第1凹部261に圧入されてもよい。
【0095】
[実施形態3]
続いて、
図21~
図25を参照して、実施形態3に係るモータ100について説明する。実施形態3は、ブッシング2及び蓋部55の構成が実施形態1及び実施形態2と異なる。以下、実施形態3について、実施形態1及び実施形態2と異なる点について説明し、実施形態1及び実施形態2と重複する部分についての説明は省略する。
【0096】
図21は、実施形態3に係る蓋部55の構成を示す斜視図である。
図21に示すように、第1突出部57は、周方向CDの一部を切欠いた第2切欠き部57kを有する。第2切欠き部57kは、径方向RDにおいて、第2突出部58と対向する位置に設けられる。本実施形態において、第2切欠き部57kは、挿入口50eを構成する。
【0097】
図22は、実施形態3に係るブッシング2の構成を示す斜視図である。
図22に示すように、ブッシング2は、第4凸部274及び第5凸部275を有する。第4凸部274は、凸部の一例である。第4凸部274及び第5凸部275は、上主壁211から上方へ延びる。第4凸部274と第5凸部275とは対向する。
【0098】
ブッシング2は、第3凹部263を有する。第3凹部263は、上主壁211と、第4凸部274と、第5凸部275とによって構成される。詳しくは、第3凹部263は、上主壁211の上面及び第4凸部274と第5凸部275との対向面によって構成される。
【0099】
図23は、実施形態3に係るブッシング2と蓋部55とを示す図である。なお、
図23は、理解を容易にするために、蓋部55の中央部分を軸方向ADに沿って切断した断面で示している。
図24は、実施形態3に係る第2切欠き部57kの近傍を示す拡大図である。詳しくは、
図24は、径方向RDの内側から第2切欠き部57kを見た図である。
図25は、実施形態3に係る蓋部55を示す図である。詳しくは、
図25は、軸方向ADの下方から見た蓋部55を示す。なお、
図25では、理解を容易にするために、ブッシング2を2点鎖線で示している。
【0100】
図23~
図25に示すように、
図1を参照して説明した収容空間51sに収容された基板1にブッシング2が装着されると、第4凸部274は、第5凸部275よりも径方向RDの内側に位置する。
【0101】
図24及び
図25に示すように、ブッシング2の第4凸部274は、第1突出部57の第2切欠き部57kに嵌る。詳しくは、第1突出部57は、2つの第2対向面を有する。2つの第2対向面は、第2切欠き部57kを構成する壁面であり、第1突出部57の周方向CDにおいて対向する面である。ブッシング2の第4凸部274が第1突出部57の第2切欠き部57kに嵌ると、第4凸部274の周方向CDにおける各外壁面が各第2対向面に接触する。この結果、ブッシング2の移動が規制されて、ブッシング2が蓋部55に対して固定される。なお、蓋部55の第2突出部58は、ブッシング2の第3凹部263に嵌る。
【0102】
以上、実施形態3について説明した。本実施形態によれば、ブッシング2は、蓋部55に固定される。よって、ブッシング2が筐体50から抜けることが更に抑制される。
【0103】
以上、本発明の実施形態について、図面(
図1~
図25)を参照しながら説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態で示す構成及び材料は、一例であって特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0104】
例えば、本発明の実施形態において、基板1が中心軸AXを中心とする略半円盤形状の一部が切欠かれた形状である場合を説明したが、基板1の形状はこれに限定されない。基板1は、例えば、上面視円弧形状又は上面視略矩形形状であり得る。
【0105】
また、各実施形態1~3において説明した事項は、適宜組み合わせ可能である。例えば、実施形態2で説明した事項と、実施形態1で説明した事項とを組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、例えば、モータに好適に利用できる。
【符号の説明】
【0107】
1 基板
2 ブッシング
3 導通部材
10 基板アッセンブリ
12 導通部材接続部
13 電子部品
14 被接触部
20 ブッシング筐体
20t 基板接続端
23 基板接続部
24 導通部材保持部
25 被規制部
31 導電部
32 絶縁部
50 筐体
50e 挿入口
51 筐体本体
52 壁部
52k 第1切欠き部
55 蓋部
56 蓋ベース
57 第1突出部(突出部)
57k 第2切欠き部
141 第1被接触面
142 第2被接触面
231 第1接触面
232 第2接触面
261 第1凹部(凹部)
274 第4凸部(凸部)
523 規制部
AD 軸方向
AX 中心軸
CD 周方向
RD 径方向
Si シリコーン