(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】クレーン上のカウンターウェイト組立体の光学的な検出及び分析
(51)【国際特許分類】
B66C 23/74 20060101AFI20221004BHJP
B66C 23/76 20060101ALI20221004BHJP
B66C 13/00 20060101ALI20221004BHJP
B66C 15/00 20060101ALI20221004BHJP
B66C 23/90 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B66C23/74 Z
B66C23/76 D
B66C13/00 D
B66C15/00 Z
B66C23/90 T
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017224692
(22)【出願日】2017-11-22
【審査請求日】2020-11-20
(32)【優先日】2016-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510051082
【氏名又は名称】マニタウォック クレイン カンパニーズ, エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】MANITOWOC CRANE COMPANIES, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ルディ, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ソアーセン, マシュー
【審査官】今野 聖一
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第102013008348(DE,A1)
【文献】特開2006-315843(JP,A)
【文献】特開2013-082549(JP,A)
【文献】特開2012-096915(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66C 23/00 - 23/94
B66C 13/00 - 15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クレーンであって、
下部走行体と、
前記下部走行体に連結されていて、ブームを含んでいる上部構造体と、
当該クレーン上で可動とされたカウンターウェイト組立体と、
前記カウンターウェイト組立体を撮像するように構成されている1つ又はそれ以上の撮像デバイスを備える撮像組立体、及び光学制御システム、を有する光学検出システムと、を備え、
前記光学制御システムは、
前記撮像デバイスにより撮像された画像内で、前記カウンターウェイト組立体、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及び前記カウンターウェイト組立体上の1つ又はそれ以上のマーカー、から選択されている1つ又はそれ以上の物体を検出し、
前記1つ又はそれ以上の検出された物体を分析し、
前記1つ又はそれ以上の検出された物体の前記分析に基づいて前記カウンターウェイト組立体のステータスを判定するようになされており、前記判定するステータスが前記カウンターウェイト組立体の位置とされ、前記画像内で検知されたカウンターウェイトの実位置が、前記カウンターウェイトの基準点または座標系内の1つの位置からの距離として判定するようにされている、クレーン。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上の撮像デバイスはカメラを含んでいる、請求項1に記載のクレーン。
【請求項3】
前記カウンターウェイト組立体の前記判定されたステータスは、更に、前記カウンターウェイト組立体の構成、及び前記カウンターウェイト組立体の仕様、のうちの1つ又はそれ以上から選択されている、請求項1に記載のクレーン。
【請求項4】
前記光学制御システムは、前記1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して、当該1つ又はそれ以上の検出された物体の形状、色、又はパターン、のうちの1つ又はそれ以上を検出する、請求項1に記載のクレーン。
【請求項5】
前記光学制御システムは、更に、前記1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して当該1つ又はそれ以上の検出された物体を既知の物体として識別する、請求項4に記載のクレーン。
【請求項6】
前記光学制御システムは前記既知の物体と関連付けられている追加情報を取り出し、前記判定されたステータスは前記追加情報に基づいている、請求項5に記載のクレーン。
【請求項7】
前記光学制御システムは、既知の物体として識別された前記1つ又はそれ以上の検出された物体の個数を数え、前記判定されたステータスは前記検出された物体の数えられた個数に基づいている、請求項5に記載のクレーン。
【請求項8】
前記光学制御システムは前記
撮像された画像内での前記1つ又はそれ以上の検出された物体の位置を識別し、前記判定されたステータスは前記
撮像された画像の中の前記1つ又はそれ以上の検出された物体の前記位置に基づいている、請求項5に記載のクレーン。
【請求項9】
クレーン構成要素へ動作可能に連結されていて前記1つ又はそれ以上のクレーン構成要素の運動を制御又は阻止するように構成されているクレーン制御システム、を更に備えている請求項1に記載のクレーン。
【請求項10】
前記クレーン制御システムは、前記カウンターウェイト組立体の前記判定されたステータスに基づいて前記クレーンの最大荷重容量を求め、前記最大荷重容量に基づいて前記クレーン構成要素の運動を制御又は阻止する、請求項9に記載のクレーン。
【請求項11】
クレーン上で可動とされたカウンターウェイト組立体を有するクレーンのための光学検出システムであって、
前記カウンターウェイト組立体を撮像するように構成されている1つ又はそれ以上の撮像
デバイスを備える
撮像組立体と、 光学制御システムと、を備え、
前記光学制御システムは、
前記撮像デバイスで撮像された画像内で、前記カウンターウェイト組立体、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及び前記カウンターウェイト組立体上の1つまたはそれ以上のマーカー、から選択されている1つ又はそれ以上の物体を検出し、
前記1つ又はそれ以上の検出された物体を分析し、
前記1つ又はそれ以上の検出された物体の前記分析に基づいて前記カウンターウェイト組立体のステータスを判定するように構成されており、前記判定するステータスが前記カウンターウェイト組立体の位置とされ、前記画像内で検出された前記カウンターウェイトの実位置が、前記カウンターウェイトの基準点または座標系内の1つの位置からの距離として判定されるようにした、光学検出システム。
【請求項12】
前記光学制御システムは、前記1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して当該1つ又はそれ以上の検出された物体を既知の物体として識別する、請求項11に記載の光学検出システム。
【請求項13】
前記光学制御システムは前記既知の物体と関連付けられている追加情報を取り出し、前記判定されたステータスは前記追加情報に基づいている、請求項12に記載の光学検出システム。
【請求項14】
前記光学制御システムは前記1つ又はそれ以上の検出された物体の個数を数え、前記判定されたステータスは前記検出された物体の前記数えられた個数に基づいている、請求項12に記載の光学検出システム。
【請求項15】
前記光学制御システムは前記
撮像された画像の中の前記1つ又はそれ以上の検出された物体の位置を識別し、前記判定されたステータスは前記
撮像された画像の中の前記1つ又はそれ以上の検出された物体の前記位置に基づいている、請求項12に記載の光学検出システム。
【請求項16】
クレーン構成要素のステータスを判定する方法であって、
撮像組立体を用いて、クレーン上のカウンターウェイト組立体の画像を撮像する段階と、
光学制御システムを用いて、前記撮像組立体によって撮像された画像内の1またはそれ以上の物体を検出する段階であって、前記カウンターウェイト組立体、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、前記カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及び前記カウンターウェイト組立体上の1つ又はそれ以上のマーカー、のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる1つ又はそれ以上の物体を検出する段階と、
前記光学制御システムを用いて、前記検出された物体を分析する段階と、
前記光学制御システムを用いて、前記検出された物体の前記分析に基づいて前記カウンターウェイト組立体のステータスを判定する段階であって、判定するステータスが前記カウンターウェイト組立体の位置とされ、前記画像内で検知されたカウンターウェイトの実位置が、前記カウンターウェイトの1つの基準点または座標系内の1つの位置からの距離として判定されるようにした、方法。
【請求項17】
前記分析する段階は、前記1つ又はそれ以上の検出された物体を既知の物体として識別する段階を更に備えている、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記ステータスを判定する段階は、前記既知の物体と関連付けられている追加情報を取り出す段階、既知の物体として識別されている前記1つ又はそれ以上の検出された物体の個数を数える段階、及び前記画像の中の前記1つ又はそれ以上の検出された物体の位置を識別する段階、のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記カウンターウェイト組立体の前記判定されたステータスは、更に、前記カウンターウェイト組立体の構成、及び前記カウンターウェイト組立体の仕様、のうちの1つ又はそれ以上から選択されている、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記カウンターウェイト組立体の前記判定されたステータスに基づいて前記クレーンの最大荷重容量を求める段階を更に備えている、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、カウンターウェイト組立体の検出及び分析に関し、詳細にはカウンターウェイト組立体のステータスを判定するためのカウンターウェイト組立体の光学的な検出及び分析に関する。
【背景技術】
【0002】
移動式クレーンの様なクレーンは、典型的には、下部構造又は下部走行体と下部構造上に取り付けられている上部構造又は上部構造体を含んでいる。下部構造は、例えば、フレームと、フレームへ取り付けられているサスペンションと、サスペンションへ取り付けられているタイヤと、1つ又はそれ以上のアウトリガーであって実質的に水平方向に選択的に伸展及び収縮可能であるアーム及びアームに連結されている実質的に垂直方向に選択的に伸展及び収縮可能であるジャッキをそれぞれが有しているアウトリガーと、を含んでいる。上部構造は、垂直軸周りに回転するように下部構造上に回転可能に取り付けられていることもある。上部構造は、例えば、ブームと、操作者運転室と、カウンターウェイト組立体と、ロープを巻き取ったり巻き戻したりするためのホイストと、を含んでいるであろう。上部構造は、更に、上記構成要素が取り付けられている回転台を含んでいる。ホイストは回転台の様な上部構造の基部に又は基部付近に取り付けられているのが典型的である。ロープはホイストから外方へ概ねブームに沿って延びていてブームの先端から自由に垂れ下がっているだろう。ロープの自由端には荷重に係合するためにフックブロックが配置されているのが典型的である。
【0003】
クレーンは数多くの運動を遂行できる。例えば、上部構造はブームを含め、左に揺動する又は右に揺動する(即ち、垂直軸を中心に反時計回り又は時計回りに回転する)ことができ、ブームは起きる又は伏せる(即ち、水平軸に対する角度を増加又は減少させる)ことができ、ブームは伸縮自在に伸展又は収縮することができる。
【0004】
上述のものを含め、様々なクレーン構成要素は、クレーン構成要素のステータスを判定するために監視されることがある。クレーン構成要素を検出するには、典型的に、近接センサ、ロードセル、RFIDセンサ、など、の様なセンサを使用することができる。例えば、近接センサが、アウトリガーが完全伸展状態又は完全収縮状態にあるかどうかや、カウンターウェイトが適正に位置決めされた状態かどうか、を検出していることもある。一部のクレーン構成要素は例えば操作者又は監視者によって目視で検出されていることもある。
【0005】
クレーン構成要素は、更に、実働状態を判定し特定の構成要素を交換、補修、又は他の整備が必要かどうかを判定するために監視されることもある。その様な監視は既定の時間間隔にて行われることもあれば既定の実働時間数にて行われることもある。この監視は例えば構成要素の目視検査によって実施されることもある。
【0006】
監視が必要とされる或る特定のクレーン構成要素はカウンターウェイト組立体である。カウンターウェイトには、固定式、可動式、脱着式、構成可能、再構成可能、及び/又は再配置可能なものがある。カウンターウェイト組立体の位置、構成、及び仕様は、クレーンによって吊り上げることのできる最大荷重に影響を及ぼす。
【0007】
現在のところ、カウンターウェイト組立体の位置、構成、及び仕様は、操作者、監視者、又は保守技術者によって目視で監視されているであろう。カウンターウェイト組立体の位置は、近接スイッチ又は類似のセンサを使用することによって求めることもできる。しかしながら、カウンターウェイトの手作業又は目視による検査は、時間を消費し、費用が嵩み、主観的であったり不正確であったりすることもある。そのうえセンサは時間が経つと通常の摩耗のせいで失陥したり信頼性が乏しくなったりする可能性もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第9,440,824号
【文献】米国特許第9,394,146号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
以上より、カウンターウェイト組立体のステータス、例えばカウンターウェイト組立体の構成、位置、及び仕様など、を検出し判定することのできる画像ベースのカウンターウェイト組立体検出及び分析システムを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0010】
1つの態様によれば、クレーンが、下部走行体と、ブームを含む上部構造体と、カウンターウェイト組立体と、光学検出システムと、を含んでいる。光学検出システムは、カウンターウェイト組立体の画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを有する画像キャプチャー組立体と、光学制御システムと、を含んでいる。光学制御システムは、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出するように構成されており、当該1つ又はそれ以上の物体は、カウンターウェイト組立体、カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及びカウンターウェイト組立体上のマーカー、から選択されている。光学制御システムは、更に、1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して、当該1つ又はそれ以上の検出された物体の分析に基づいてカウンターウェイト組立体のステータスを判定するように構成されている。
【0011】
別の態様によれば、カウンターウェイト組立体を有するクレーンのための光学検出システムが、カウンターウェイト組立体の画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイスを有する画像キャプチャー組立体と、光学制御システムと、を含んでいる。光学制御システムは、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出するように構成されており、当該1つ又はそれ以上の物体は、カウンターウェイト組立体、カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及びカウンターウェイト組立体上のマーカー、から選択されている。光学制御システムは、更に、1つ又はそれ以上の検出された物体を分析して、当該1つ又はそれ以上の検出された物体の分析に基づいてカウンターウェイト組立体のステータスを判定するように構成されている。
【0012】
別の態様によれば、クレーン構成要素のステータスを判定する方法が、画像キャプチャー組立体を用いて、クレーン上のカウンターウェイト組立体の画像をキャプチャーする段階と、光学制御システムを用いて、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出する段階と、を含んでおり、当該1つ又はそれ以上の物体は、カウンターウェイト組立体、カウンターウェイト組立体のウェイトユニット、カウンターウェイト組立体のウェイトユニットの積重体、及びカウンターウェイト組立体上のマーカー、のうちの1つ又はそれ以上を含んでいる。方法は、更に、光学制御システムを用いて、検出された物体を分析する段階と、光学制御システムを用いて、検出された物体の分析に基づいてカウンターウェイト組立体のステータスを判定する段階と、を含んでいる。
【0013】
本開示の他の目的、特徴、及び利点は、次に続く説明を添付図面と関連付けて考察することから自明となるものであり、図面中、同様の符号は同様の部分、要素、構成要素、段階、及びプロセスを表す。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】或る実施形態によるクレーンの側面図である。
【
図3】或る実施形態によるクレーン制御システムのブロック線図である。
【
図4】或る実施形態による光学検出システムのブロック線図である。
【
図5】或る実施形態によるクレーン上のカウンターウェイト組立体の一実施例を示している。
【
図6】クレーン上のカウンターウェイト組立体の別の実施例を示している。
【
図7】或る実施形態による、クレーン構成要素のステータスを判定する方法を示すブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本開示は様々な形態での具現化の余地があるとはいえ、図面には1つ又はそれ以上の実施形態が示されており以下ではそれら実施形態を説明してゆくが、ついては本開示は単に例示と見なされるべきであって本開示を説明され又は描かれている何れかの特定の実施形態に限定しようとするものではないことを理解しておきたい。
【0016】
図1は、ここに説明されている一実施形態によるクレーン10の側面図であり、
図2は、
図1のクレーン10の上面図である。
図1及び
図2を参照して、クレーン10は、限定するわけではないが、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、トラック搭載型クレーン、又は産業用クレーン、の様な移動式クレーンとすることができる。クレーン10は、概して、下部走行体又は下部構造12と上部構造体又は上部構造14を含んでいる。一実施形態では、下部走行体12は、様々なクレーン構成要素、例えばフレーム16、複数のタイヤの様な地面係合要素18、及びフレーム16と地面係合要素18の間に相互接続されているサスペンション(図示せず)など、を含むことができる。下部走行体12は、更に、1つ又はそれ以上のアウトリガー組立体20の様な他のクレーン構成要素を含んでいてもよい。一実施形態では、各アウトリガー組立体20は、地面又は他の支持面に係合及び係合解除するように概ね垂直方向に可動であるジャッキ22を含んでいる。各アウトリガー組立体20は、更に、フレーム16に向かって及びフレーム16から離れて伸展するように概ね水平方向に可動であるアーム24を含んでいてもよい。一実施形態では、アーム24は、アウトリガーボックスの様な固定部と固定部に対して可動である1つ又はそれ以上の伸縮部とを有する伸縮式アームである。各ジャッキ22はそれぞれのアーム24へ取り付けられていてもよい。
【0017】
上部構造体14は下部走行体12に連結されている。一実施形態では、上部構造体14は下部走行体12へ回転可能に連結されていて下部走行体12に対して垂直軸「A」(
図1)周りに回転するように構成されている。一実施形態では、上部構造体14は、更に、クレーン構成要素、例えば、回転台26、操作者運転室28、カウンターウェイト組立体30、ブーム32、ロープ36を巻き取ったり巻き戻したりするためのホイスト34、及びロープ36へ接続されているフックブロック37、を含むことができる。カウンターウェイト組立体30は、米国特許第9,440,824号及び米国特許第9,394,146号に示され説明されているカウンターウェイト組立体に類似していてもよく、上記特許はどちらも本出願の同一出願人によるものであり、ここにそっくりそのまま援用する。
【0018】
一実施形態では、ブーム32は、油圧伸縮式ブームの様な伸縮式ブームとすることができる。ブーム32は、基部38と、基部38に対して伸縮自在に伸展及び収縮するように構成されている1つ又はそれ以上の入れ子になった伸縮部40と、を含むことができる。1つ又はそれ以上の伸縮部40は、例えば、線形アクチュエータ(図示せず)によって駆動されていてもよい。ロープ36は、ホイスト34から概ねブーム32に沿って延び、更にブーム先端33から延びることができる。ロープ36には、ホイスト34と反対側のロープ36の遠位端にフックブロック37が接続されている。
【0019】
本開示は以上に説明されている型式の移動式クレーンに限定されるものではないと理解している。例えば、クレーン10は、クローラークレーン、タワークレーン、又はカウンターウェイト組立体を有している他の吊り上げ装置であってもよい。例えば、タワークレーンでは、下部構造又は下部走行体はタワーの形態をしているし、上部構造又は上部構造体はタワーの頂部に連結されているだろう。ブームは上部構造体上にジブとして形成されていてもよい。カウンターウェイト組立体は、上部構造体へ固定されているか、又はクレーンの基部に固定されていて上部構造体へケーブル又は引張ラインの様な適した接続具を使用して接続されているであろう。
【0020】
図3を参照して、クレーン10は更にクレーン制御システム300を含むことができる。クレーン制御システム300は、操作者からの入力を受信するように構成されている、操作ノブ、レバー、スイッチ、タッチスクリーン入力、など、の様な1つ又はそれ以上の入力デバイス310を含んでいてもよい。1つ又はそれ以上の入力デバイス310は、入力デバイス310にて受信される入力に応じてクレーン構成要素の運動を制御するように構成されているアクチュエータ(図示せず)へ動作可能に接続されている。例えば、1つ又はそれ以上の入力デバイス310は、ブーム32及び回転台26の旋回運動、ブーム32の起上(起伏)運動、ブーム32の伸縮運動(伸展/収縮)、ホイスト34へのロープ36の巻き取り又は巻き取り、又はアウトリガー組立体20の運動、を制御するための入力を受信するようになっていてもよい。入力を受信したことに応じて、アクチュエータ(図示せず)は、ブーム32、ホイスト34、アウトリガー20、又は他のクレーン構成要素の運動を所望の方式で制御するように作動されることになる。アクチュエータは、例えば、線形アクチュエータ、回転式アクチュエータ、駆動モータ、及び当業者に知られている他の適したアクチュエータとすることができる。
【0021】
一実施形態では、クレーン制御システム300は、コンピュータプロセッサ314、コンピュータ可読記憶媒体316、1つ又はそれ以上の入力デバイス310を含んでいるユーザーインターフェース318、及び通信インターフェース320、を含むことができる。クレーン制御システム300は、運転室28内に配置されていてもよいし、又は運転室28から遠隔に配置されていてもよい。一部の実施形態では、クレーン制御システム300の構成要素は、クレーン10の異なる部分内に分散されていてもよいし、クレーン10から遠隔のデバイス上に分散されていてもよい。コンピュータ可読記憶媒体316は、それがコンピュータプロセッサ314と通信することができるようにコンピュータプロセッサ314へ動作可能に連結されている。コンピュータ可読記憶媒体316は、コンピュータプロセッサ314によって実行されると当該コンピュータプロセッサ314に諸機能を実施又は遂行するための1つ又はそれ以上の信号を生成させる命令322を記憶している。コンピュータ可読記憶媒体316は、更に、クレーン10の動作に関係する情報を記憶していてもよい。ユーザーインターフェース318は、操作者がコンピュータプロセッサ314と対話することができるように、コンピュータプロセッサ314へ動作可能に連結されている。例えば、ユーザーインターフェース318を通して、操作者はクレーン10の動作に関係する情報を得ることができ、またコンピュータプロセッサ314に或る機能を実施するための1つ又はそれ以上の信号を生成させることができる。操作者は、更に、情報をユーザーインターフェース314へ又は1つ又はそれ以上の入力デバイス310へ入力してコンピュータプロセッサ314に制御信号を生成させ、それを通信インターフェース320を介してアクチュエータ(図示せず)の1つ又はそれ以上へ送信させて、クレーン構成要素の運動を制御又は阻止させるようにすることもできる。一実施形態では、コンピュータ可読記憶媒体316に記憶されている命令322がユーザーインターフェース318からの入力情報の受信に応じてコンピュータプロセッサ314によって実行され、或る機能がコンピュータプロセッサ314によって実施されて入力情報を制御信号に変換するようになっていてもよい。
【0022】
図4を参照して、クレーン10は、更に、光学検出システム400を含んでいる。一実施形態では、光学検出システム400は、1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410と、当該1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410へ動作可能に且つ通信可能に接続されている光学制御システム402と、を含んでいる。光学制御システム402は、以上にクレーン制御システム300に関して説明されているものに類似した、コンピュータプロセッサ412、コンピュータ可読記憶媒体414、及び通信インターフェース416を含んでいる。光学制御システム402が同じくユーザーインターフェース418を含むのは随意である。コンピュータ可読記憶媒体414は命令420を記憶しており、命令420は、コンピュータプロセッサ412によって実行されたときに、1つ又はそれ以上の機能を実施するための1つ又はそれ以上の信号をコンピュータプロセッサ412に生成させる。代替的又は追加的に、光学検出システム400は、光学検出システム400とクレーン制御システム300が共通のコンピュータプロセッサ、コンピュータ可読記憶媒体、ユーザーインターフェース、及び通信インターフェース、のうちの1つ又はそれ以上を共有するような具合に、クレーン制御システム300へ動作可能に且つ通信可能に連結されていてもよい。一実施形態では、光学制御システム402とクレーン制御システム300は同一物であってもよい。一実施形態では、光学検出システム400の構成要素は、個別の画像キャプチャー組立体410と同じ場所に配置されていてもよいし、中央集中的な場所に配置されていてそれら画像キャプチャー組立体410へ従来の通信インターフェース経由で通信可能に接続されていてもよいし、又は両者のうちで分散されていてもよい。
【0023】
ここに説明されている特定のプロセス、方法、分析、計算、及び/又は判定はクレーン制御システム300又は光学検出システム400(光学制御システム402を含む)の一方にて実施されるものとして言及されているかもしれないが、本実施形態はこれらの構成に限定されないものと理解している。つまり、ここに説明されているプロセス、方法、分析、計算、及び/又は判定は、一部の実施形態では、クレーン制御システム300と光学検出システム400の間で互換可能に実施することができ、即ち、クレーン制御システム300と光学検出システムのどちらか一方によって実施されてもよいし又はそれら両方によって実施されてもよいわけであり、たとえ或る固有のプロセス、方法、分析、計算、又は判定がここでその様に明示的に記述されていなくても、それはクレーン制御システム300と光学検出システム400の間で互換可能に実施され得る、ということである。同様に、構成要素の仕様、センサデータ、などの様な情報もクレーン制御システム300か又は光学検出システム400のどちらにも互換可能に入力され得るものと理解している。
【0024】
一貫性と理解を図るうえで、様々な方法、プロセス、分析、計算、又は判定、並びに様々なデータ又は情報の入力は、光学検出システム400若しくは光学制御システム402によって実施される、又は光学検出システム400若しくは光学制御システム402へ入力されるものとしてここに説明されているかもしれない。しかしながら、以上に詳述されている様に、光学検出システム400とクレーン制御システム300は、リソース又は構成要素を共有していてもよいし、又は互換可能に動作していてもよいし、又は同一物であってもよいわけである。従って、方法、プロセス、分析、計算、判定が、データ又は情報の入力を含め、光学検出システム400若しくは光学制御システム402によって実施される、又は光学検出システム400若しくは光学制御システム402へ入力されるというここでの記述は、その様なプロセス、方法、分析、計算、判定、若しくはデータ又は情報の入力が同じくクレーン制御システム300によって実施される、又はクレーン制御システム300へ入力されるということ含むものと理解される。
【0025】
一実施形態では、1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410は、例えば、上部構造体14側に、下部走行体12側に、又は両方に取り付けられていてもよい。上部構造体14上の1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410を取り付けるのに適した場所は、限定するわけではないが、回転台26、運転室28、ブーム32、カウンターウェイト30、又はこれらの構成要素の間の他の中間構造又は接続構造を含む。各画像キャプチャー組立体410は、所望の視野にわたる画像をキャプチャーするように構成されている1つ又はそれ以上の画像キャプチャーデバイス422を含むことができる。一実施形態では、画像キャプチャーデバイス422は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、及び/又はステレオカメラの様なカメラ、LiDARセンサ、可視光カメラ、紫外線(UV)カメラ、赤外線(IR)カメラ、及び物体認識のために画像をキャプチャーすることのできる他の適したデバイス、とすることができる。例えば、一実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、広角カメラの様な単一のカメラであってもよいし、又は代わりに、ある視野にわたる単数又は複数の画像をキャプチャーするために互いに連携して動作するカメラの組合せであってもよい。
【0026】
光学検出システム400は、1つ又はそれ以上のクレーン構成要素の画像をキャプチャーし、画像内にキャプチャーされた1つ又はそれ以上のクレーン構成要素又は他の物体を検出し、検出された物体を分析して、クレーン構成要素、クレーンシステム、クレーン、又は一連のクレーンのステータスをキャプチャー画像に基づいて判定するように構成されている。そして、クレーン制御システム300は、操作者や他の従業員に判定されたステータスに対する注意を喚起し、判定されたステータスに応じてクレーン制御機能を実施するようになっていてもよい。注意喚起は、例えば、操作者への音声、視覚、又は触覚(振動を含む)による信号又は警報として提供されていてもよい。代替的又は追加的に、クレーン制御機能を実施するためにクレーン制御システム300は判定されたステータスに基づいてアクチュエータを、ひいては所望のクレーン構成要素の運動を、制御する制御信号を生成するようになっていてもよい。
【0027】
前記ステータスは、例えば、クレーン構成要素の絶対位置、相対位置、運動、存在、速さ、加速度、寸法、及び、伸展長さ又は収縮長さ、とすることができるだろう。他のステータスには、例えば、構成要素の型式及び構成要素の物理的構成を含めることができる。また、ステータスは、クレーン構成要素の実働状態としてもよく、そうするとそれには、例えば、摩耗、損傷、又は構成要素の整備、補修、又は取換えの必要性、の指示が含まれるだろう。これらの例は網羅的ではなく、他の状態の判定も構想されるものと理解している。
【0028】
光学検出システム400は、クレーン構成要素を検出することができ、一部の実施形態では、限定するわけではないが1つ又はそれ以上の物体認識技術を含む1つ又はそれ以上の検出方法を使用して、クレーン構成要素のステータスを判定することもできる。一部の実施形態では、光学検出システム400は、画像キャプチャー組立体410によってキャプチャーされた画像を分析し、明るさの不連続性を使用する稜線検出の様な光学的認識アルゴリズムを使用してクレーン構成要素を光学的に検出することができる。光学的認識アルゴリズムは、メモリ414に記憶されていてもよく、及び/又はコンピュータプロセッサ412によって、例えば光学検出システム400の光学制御システム402にて、実行されるようになっていてもよい。光学検出システム400は、クレーン構成要素の稜線又は端を上記稜線検出を使用して検出し、次いで、ステータスを判定するために、構成要素の検出された稜線又は端のピクセル位置に基づいて構成要素の位置をルックアップすることができる。例えば、画像にキャプチャーされた視野内で、光学制御システム402を較正してキャプチャー画像中の1つ又はそれ以上のピクセルに位置又は距離を割り当てるようにしてもよい。そうするとクレーン構成要素の検出された稜線又は端と関連付けられるピクセルをそれらピクセルに割り当てられた位置又は距離と比較して、構成要素の検出された稜線又は端の位置又は距離を求めることができる。
【0029】
代替的又は追加的に、コンピュータ可読記憶媒体414には1つ又はそれ以上の記憶画像を記憶させておいてもよい。記憶画像は、画像キャプチャー組立体400からのキャプチャー画像と同じ視野内でキャプチャーされていて視野内に識別される既知の物体を有していてもよい。そうすると、キャプチャー画像を記憶画像と比較して、例えば或る特定の構成要素の存在又は不在を検出することができる。クレーン構成要素を以上に説明した方式で検出することもできる。そして、光学検出システム400は、キャプチャー画像を、例えばキャプチャー画像と記憶画像の中の検出された物体との相対位置を比較することによって、又はキャプチャー画像と記憶画像の中の検出された物体の相対的な状態若しくは外観を比較することによって、分析することができる。次いで光学検出システム400は、当該比較に基づいて、検出された物体のステータスを判定することができる。その様な実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、記憶画像が撮られた視点に密接に対応する視点にて物体の画像をキャプチャーするように位置決めされてもよい。そうすれば記憶画像又は記憶図形とキャプチャー画像との間で精確な比較を行うことができる。
【0030】
他の実施形態では、クレーン構成要素の端又は稜線の場所を、画像キャプチャー組立体410の視野内の検出されたピクセル位置に基づいてリアルタイムで計算することができる。例えば、クレーン構成要素の端又は稜線が画像キャプチャー組立体410の中心線に対して或る特定の角度にあると判定された場合、表が当該特定の角度に対応している延長を与えるようになっていてもよい。他の実施形態では、検出された端又は稜線は、或る特定のピクセル位置にあったとすると、その場所がチャート上でルックアップされて当該特定のピクセル位置に対応している延長が与えられるようになっていてもよい。他の実施形態では、クレーン構成要素の端又は稜線の相対場所が検出され次第、クレーン構成要素の物理的長さが三角法又は幾何学の様な一般的に知られている技法を使用して計算されるようになっていてもよい。
【0031】
代替的又は追加的に、光学検出システム400は、クレーン構成要素上に配置されている視認可能なターゲット又はマーカー42(
図5及び
図6を見られたし)を検出することもできる。その様な検出を通して、光学検出システム400はマーカー42を分析してクレーン構成要素のステータス、例えば、クレーン構成要素の位置、クレーン構成要素の運動、及び/又はクレーン構成要素の存在、を判定することができる。一実施形態では、マーカー42は水平な線であってもよいが、同様に他のパターンが使用されていてもよい。他の実施形態では、マーカー42は、カウンターウェイト組立体30の様なクレーン構成要素上の色被覆であってもよい。光学検出システム400は、マーカー42を、従来のパターン認識アルゴリズムを使用して検出することができる。パターン認識アルゴリズムは、メモリに記憶されていてもよく、及び/又は、光学検出システム400の光学制御システム402のプロセッサによって及び/又は個別画像キャプチャー組立体410にて実行されるようになっていてもよい。一実施形態では、複数の既知のマーカーがコンピュータ可読記憶媒体414に記憶されていて、画像内のキャプチャーされたマーカー42が既知のマーカーと比較されるようになっていてもよい。検出されたマーカー42が既知のマーカーと一致していると判明した場合、光学検出システム400は検出されたマーカーを既知のマーカーに対応しているとして識別することができる。
【0032】
光学検出システム400は、既知のマーカーと関連付けられている追加情報424を、例えばコンピュータ可読記憶媒体414に記憶させていてもよい。そうすると、検出されるマーカー42を分析するとき、光学検出システム400は、検出されたマーカー42を既知のマーカーに対応しているとして識別すると、既知のマーカーと関連付けられている追加情報424を取り出し、取り出された追加情報を検出されたマーカー42と関連付けることができる。追加情報424は、例えば、位置情報又は構成要素固有情報、例えば構成要素の型式など、を含んでいてもよい。逆に、光学検出システム400は、以前に検出された又は検出されると予想されるマーカー42の不在を検出するかもしれず、そうすると検出されたマーカー42の不在に基づいてステータスを判定することになる。
【0033】
これらの実施形態の各々では、キャプチャー画像内の物体を検出するとき、光学検出システム400はクレーン構成要素又はマーカー42を画像内の背景から差別化するように構成されている。一部の実施形態では、クレーン構成要素上の目標又はマーカー42は、当該クレーン構成要素を背景から差別化するのに助けとなる特別な色及び/又はパターンで被覆されている区分であってもよい。例えば、クレーン構成要素は、蛍光マーカー、反射マーカー、又はクレーン構成要素の背景に対するコントラストを増加させる他の視認性の高いマーカー、を有していてもよいだろう。
【0034】
一実施形態では、マーカー42の視認可能部分を1つ又はそれ以上の画像キャプチャー組立体410によって画像内にキャプチャーさせることができる。光学制御システム402は、次いで、キャプチャーされたマーカー画像42を画像の視認可能部分を表すコードへ変換することができる。例えば、マーカー42が、画像キャプチャー組立体410にとって視認可能である線を5本含んでいてそれらの線が画像キャプチャー組立体410によってキャプチャーされたとすると、光学制御システム402は、画像(即ちマーカー42のキャプチャー画像)を5という数字コードへ変換するようになっていてもよい。パターンは、或る計測値に直接対応していて例えば各線が1フィート(30.48センチメートル)ずつ間隔を空けられているというのでもよいし、又は他の既定の計測単位だけ間隔を空けられていてもよく、そうすると数字コードが直接的な計測値となる。一部の実施形態では、数字コードはマーカー42と関連付けられている情報をルックアップするための表と比較されてもよい。別の実施形態では、マーカー42は、クレーン構成要素の定性的又は定量的な位置に対応しているクレーン構成要素上の場所に配置させることができる。例えば、マーカー42が画像キャプチャー組立体410の視野の中へ入ってゆくと、マーカー42は光学検出システム400によって検出され、例えば以上に詳述されている様に記憶されているマーカーとの比較によって識別されることになる。次いで光学制御システム402は既知のマーカー42と関連付けられている何らかの追加情報424を識別し、取り出し、当該追加情報を検出されたマーカー42と関連付けことができる。
【0035】
上記検出方法の各々を掲示されている他の方法と組み合わせて、クレーン構成要素のステータスを判定する代わりの又は冗長的な方法を支援する、バックアップする、及び/又は与えることもできる。例えば、マーカー42は概して計測のために使用し、そのうえで当該計測を検証するためにクレーン構成要素の端又は稜線検出を使用することもできる。一実施形態では、マーカー42が隠れていて画像キャプチャー組立体410がマーカー42の一部分を見失った場合に、クレーン構成要素の検出される稜線又は端は、キャプチャー又は検出されているマーカー42と矛盾する読み取りを与えるかもしれず、すると光学検出システム400は起こり得る問題に対する注意を操作者に喚起する、ということを想定している。
【0036】
而して、一実施形態では、光学検出システム400、具体的には光学制御システム402は、物体認識ソフトウェアを使用してキャプチャー画像内のクレーン構成要素及び/又はマーカー42の様な様々な物体を検出し、検出された物体を分析し、検出された物体に基づいてクレーン又はクレーン構成要素のステータスを判定することができる。ステータスを判定されるクレーン構成要素は、検出されたクレーン構成要素であってもよいし別個のクレーン構成要素であってもよい。物体認識ソフトウェアはコンピュータ可読記憶媒体414に記憶されていてもよい。一実施形態では、物体認識ソフトウェアは、キャプチャーされた画像又は映像内の物体を検出する又は差別化するうえで当業者に理解されている従来の方法を使用している従来式である。本開示はここに説明されている物体認識技術に限定されるものでなく他の既知の物体認識技術又はアルゴリズムを使用することもできるものと理解している。
【0037】
図5及び
図6は、クレーン10上に設置させることのできるカウンターウェイト組立体30の実施例を示す斜視図である。
図5及び
図6のカウンターウェイト組立体30はここでは総称的に且つ入れ替え可能に「カウンターウェイト組立体」と呼称されることもある。
図5及び
図6に示されているカウンターウェイト組立体30は例示目的で描かれており本開示は
図5及び
図6のカウンターウェイト組立体30に限定されるものではないと理解している。
【0038】
なおも
図5及び
図6を参照して、一実施形態では、カウンターウェイト組立体30は、所望に応じ組立体30の重量を増加又は減少させるために選択的にカウンターウェイト組立体30へ追加する又はカウンターウェイト組立体30から除去することのできる複数のウェイトユニット130を含んでいる。加えて、カウンターウェイト組立体30はクレーン10上を可動又は再配置可能になっていてもよい。例えば、カウンターウェイト組立体30は、直線的に動かされるようになっていてもよく、又は下部走行体12又は上部構造体14に対して軸を中心に枢動するようになっていてもよい。
【0039】
図5に示されている様な一実施形態では、カウンターウェイト組立体30は、1つ又はそれ以上のウェイトユニット130を有する第1のカウンターウェイト積重体132と、1つ又はそれ以上のウェイトユニット130を有する第2のカウンターウェイト積重体134と、を含むことができる。但し、本開示はその様な構成に限定されない。カウンターウェイト積重体は、垂直方向に配列された複数のウェイトユニット130又は水平方向に配列された複数のウェイトユニット130を含んでいてもよいものと理解している。別の実施形態では、カウンターウェイト積重体は単一のウェイトユニット130であってもよい。更に別の実施形態では、カウンターウェイト組立体30は単一のウェイトユニット130であってもよい。更に別の実施形態では、カウンターウェイト組立体は、例えば
図6に示されている様に、単一のカウンターウェイト積重体しか含んでいないこともある。
【0040】
従って、一部の実施形態では、カウンターウェイト組立体30の構成は、ウェイトユニット130の1つ又はそれ以上の積重体132、134を含むことができる。加えて、カウンターウェイト組立体30の構成は、ウェイトユニット130を追加又は除去することによって変更することもできる。一実施形態では、カウンターウェイト組立体30は、1つ又はそれ以上の重量の翼形ウェイト136を含んでいてもよい。カウンターウェイト組立体30はその全体を設置することもできるしクレーン10から取り外すこともできる。加えて、カウンターウェイト組立体30の位置は、個別積重体132、134の位置を含め、変更することができる。カウンターウェイト組立体30の重量又は位置を変更することで、クレーン10の最大荷重容量が変わる。また、異なるカウンターウェイト組立体30及び個別ウェイトユニット130は、限定するわけではないが、異なる寸法、重量、及び製品情報を含め、異なる仕様を有していてもよい。
【0041】
再度
図5及び
図6を参照して、一実施形態では、カウンターウェイト組立体30が画像キャプチャー組立体410の視野内に位置決めされることになる。従って、画像キャプチャー組立体410は、カウンターウェイト組立体30の、一画像、一連の画像、及び/又は映像、をキャプチャーするように構成されている。画像キャプチャー組立体410は、例えば、ブーム32上に取り付けられていてもよい。一実施形態では、画像キャプチャー組立体410はブーム32の基部38上に取り付けられていてもよい。別の実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、ブーム32の伸縮部40上に取り付けられていてもよい。更に別の実施形態では、画像キャプチャー組立体410は、操作者運転室28上に又はその中に取り付けられていてもよい。但し本開示はこれらの実施例に限定されるわけではなく、画像キャプチャー組立体410を取り付けるための他の適した場所も構想される。その様な場所には、カウンターウェイト組立体30及び好適にはカウンターウェイト組立体30の可動域が画像キャプチャー組立体410によって撮られる画像内にキャプチャーされ得る視野を有するように画像キャプチャー組立体410を取り付けることのできる場所が含められる。
【0042】
光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30に関係付けられる1つ又はそれ以上の物体を検出し、検出された物体を分析し、カウンターウェイト組立体30のステータスを判定するように構成されている。例えば、一実施形態では、光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30、カウンターウェイト組立体30の翼形ウェイト136を含む1つ又はそれ以上の個別ウェイト130、カウンターウェイト組立体30の1つ又はそれ以上の積重体132、134、及びカウンターウェイト組立体30又は個別ウェイトユニット130上のマーカー42、を検出することができる。光学制御システム402は、それら物体を、以上に詳述されている物体認識技術の1つ又はそれ以上を使用して検出することができる。一実施形態では、光学制御システム402は、例えばカウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されていないときはキャプチャー画像内に物体を一切検出しないようになっていてもよい。
【0043】
光学制御システム402によって実施される分析は、例えば、カウンターウェイト組立体30、ウェイトユニット130、ウェイトユニットの積重体、又はマーカー42の様な、検出された物体を識別する段階を含んでいてもよい。一実施形態では、分析は、例えば、検出された物体の形状、位置、又は色を検出する段階を含んでいてもよい。分析は、更に、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された物体を記憶画像内の1つ又はそれ以上の既知の物体と比較する段階を含んでいてもよい。記憶画像は、例えば、コンピュータ可読記憶媒体414に記憶されていてもよい。一実施形態では、比較は、検出された物体の形状、色、又はパターンを、記憶画像内の既知の物体の形状、色、又はパターンと比較することであってもよい。キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の検出された物体を記憶画像内の既知の物体と比較することによって、1つ又はそれ以上の検出された物体は或る特定の既知の物体に対応しているとして識別されることになる。従って、検出された物体は、例えば、カウンターウェイト組立体30、個別ウェイトユニット130、又は1つ若しくはそれ以上のマーカー42、として識別されることになる。
【0044】
別の実施例では、キャプチャー画像内の検出された物体の位置が、記憶画像内の既知の物体の位置と比較されてもよい。一実施形態では、記憶画像は、同じ又は実質的に同じ視角から撮られた画像であり、キャプチャー画像と同じ又は実質的に同じ視野を有しているので、比較はより容易に行える。比較は、例えば、キャプチャー画像を記憶画像の上に重ね合わせることによって又はキャプチャー画像と記憶画像の間で対応するピクセル同士を比較することによって行うことができる。但し、比較はこれらの技法に限定されず、画像を比較するための既知の技法も同じく使用することができる。更に別の実施形態では、分析は、例えば、検出された物体にわたるピクセル又はキャプチャー画像内の基準点間のピクセルを数える段階を含んでいてもよい。
【0045】
記憶画像は、その中の既知の物体、例えばカウンターウェイト組立体30、ウェイトユニット130、又はマーカー42など、と関連付けられている追加情報を有していてもよい。記憶画像内の既知の物体と関連付けられている追加情報には、例えば、限定するわけではないが、既知の物体の重量、型式、寸法、位置、及び識別情報が含められるだろう。
【0046】
以上に説明されている様に、光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30のステータスを、検出された物体の分析に基づいて判定することができる。ステータスには、例えば、カウンターウェイト組立体30の構成、位置、又は仕様が含められる。加えて、光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されているかどうかを判定することができる。
【0047】
一実施形態では、ステータスは、キャプチャー画像内の識別されている物体の個数を数えることによって判定されてもよい。ステータスは、更に、既知の物体と関連付けられている追加情報をコンピュータ可読記憶媒体414から取り出すこと、記憶されている表から情報を取り出すこと、及び/又は計算を実施することによって、判定することもできる。次いで追加情報がキャプチャー画像内の識別されている物体と関連付けられてもよい。そうすると、キャプチャー画像内の検出された物体が記憶画像内の既知の物体と一致するとして識別された場合、光学制御システム402は既知の物体と関連付けられている追加情報を取り出し、当該追加情報が検出された物体に対応していると判定することができる。
【0048】
光学制御システム402によって判定され得る1つのステータスは、カウンターウェイト組立体30の構成である。光学制御システム402によって判定され得るカウンターウェイト組立体30の構成には、限定するわけではないが、カウンターウェイト組立体30上の積重体132、134の個数、カウンターウェイト組立体30上の翼形ウェイト136を含むウェイトユニット130の個数、及びカウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されているかどうか、が含められる。
【0049】
一実施形態では、各積重体132、134、又は翼形ウェイト136を含むウェイトユニット130は、以上に説明されている様にキャプチャー画像内に検出され識別されることになるマーカー42を含んでいてもよい。マーカー42は、以上に説明されている技法を使用している光学制御システム402によって識別されることになる。光学制御システム402は、次いで、対応する既知のマーカーと関連付けられている追加情報を取り出し、取り出された情報を検出されたマーカー42と関連付けることができる。追加情報は、カウンターウェイト組立体30の積重体132、134又はウェイトユニット130の様な、マーカー42が配置されている物体の型式を指示していてもよい。一実施形態では、光学制御システム402は、検出された積重体132、134又はウェイトユニット130の個数を数えて、カウンターウェイト組立体30内の積重体132、134又はウェイトユニットの個数をそれぞれ求めることができる。代わりに、検出されたマーカー42が光学制御システム402によってカウンターウェイト積重体132、134又はウェイトユニット130と関連付けられているマーカーであると識別されると、検出されたマーカー42の個数が数えられて積重体132、134又はウェイトユニット130の個数が求められるようになっていてもよい。
【0050】
光学制御システム402は、上述の技法を使用してカウンターウェイト組立体30のその全体をキャプチャー画像の中に識別し、カウンターウェイト組立体30の構成を判定することができる。例えば、光学制御システム402は、キャプチャー画像と1つ又はそれ以上の既知の画像との間の比較を経て、検出されたカウンターウェイト組立体に一致していると判明した既知のカウンターウェイト組立体に関係付けられている情報を取り出すことができる。次いで追加情報は検出されたカウンターウェイト組立体30と関連付けられてもよい。例えば、光学制御システム402は、キャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30を1つ又はそれ以上の記憶画像内の既知のカウンターウェイト組立体と比較することによって、積重体132、134の個数又はウェイトユニット130の個数を求めることができる。検出されたカウンターウェイト組立体30が記憶画像内の既知のカウンターウェイト組立体と一致していると判明すれば、例えば既知のカウンターウェイト組立体内の積重体又はウェイトユニットの個数を含む追加情報が取り出され、検出されたカウンターウェイト組立体30と関連付けられることになる。こうして光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30内の積重体の個数又は翼形ウェイトを含むウェイトユニットの個数を、一部には追加情報に基づいて、求めることができる。一実施形態では、光学制御システム402は、翼形ウェイト136を含む個別ウェイトユニット130及び/又は積重体132、134を検出すると、検出されているウェイトユニット及び/又は積重体の個数を数えてカウンターウェイト組立体30の構成を求めることができる。代替的又は追加的に、カウンターウェイト組立体30上の検出されたマーカー42の識別に応じて追加情報が光学制御システム402によって取り出され、検出されたカウンターウェイト組立体30の構成が求められてもよい。
【0051】
また、光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されているかどうかを判定するようになっていてもよい。例えば、光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30が位置決めされているはずの視野にわたってキャプチャーされた画像を分析してもよい。カウンターウェイト組立体30に対応する物体がキャプチャー画像内に何も検出されなければ、光学制御システム402はカウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されていないと判定することができる。別の実施形態では、光学制御システム402は、キャプチャー画像を既知のカウンターウェイト組立体を有する1つ又はそれ以上の記憶画像と比較することができる。比較によりキャプチャー画像が記憶画像の何れとも一致しないことが判明すると、その様な判明に基づき光学制御システム402はカウンターウェイト組立体30が設置されていないと判定することができる。逆に、カウンターウェイト組立体30として識別される物体がキャプチャー画像内に検出されるか、又は比較に基づきキャプチャー画像が記憶画像と一致すると判定されれば、光学制御システム402はカウンターウェイト組立体30がクレーン10上に設置されていると判定することができる。
【0052】
光学制御システム402によって判定することのできる別のステータスはカウンターウェイト組立体30の位置である。位置は定性的か又は定量的のどちらかで判定することができる。例えば、位置の定性的判定は、カウンターウェイト組立体30が所望の吊り上げを実施するために適切に位置決めされているか又は所望の吊り上げを実施するために適切に位置決めされていないかの判定であってもよい。位置の定量的判定は、カウンターウェイト組立体30が基準点又は座標系内の或る位置から隔てられている距離の判定であってもよい。
【0053】
例えば、一実施形態では、カウンターウェイト組立体30がキャプチャー画像内に検出され、画像内でのカウンターウェイト組立体30の位置が識別される。キャプチャー画像の中で識別されている位置決めは、例えばキャプチャー画像の中のピクセル位置として表されていてもよい。既知のカウンターウェイト組立体がクレーン10で所望の吊り上げを実施するための適した位置に対応する既定位置にあるとの前提において、キャプチャー画像を既知のカウンターウェイト組立体を有する1つ又はそれ以上の記憶画像と比較することができる。こうしてキャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30の位置は記憶画像内の既知のカウンターウェイト組立体の位置と比較されることになる。検出されたカウンターウェイト組立体30の位置が適した位置にある既知のカウンターウェイト組立体の位置に一致すれば、光学制御システム402は、検出されたカウンターウェイト組立体30はクレーン10が所望の吊り上げを実施するための適した位置にあると判定する。逆に、キャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30の位置が記憶画像内の既知のカウンターウェイト組立体の位置に対応していなければ、光学制御システム402は、検出されたカウンターウェイト組立体30はクレーン10が所望の吊り上げを実施するのに適した位置にないと判定する。
【0054】
別の実施形態では、キャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30の位置は、所望の吊り上げを実施するには適していない位置にある状態での記憶画像内での既知のカウンターウェイト組立体の位置と比較される。従って、キャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30の位置が記憶画像内の既知のカウンターウェイト組立体の位置と一致すれば、光学検出システム402は、検出されたカウンターウェイト組立体30がクレーン10が所望の吊り上げを実施するために適切に位置決めされていないと判定することになる。逆に、検出されたカウンターウェイト組立体30の位置が既知のカウンターウェイトの位置と一致していなければ、光学検出システム402は、カウンターウェイト組立体30はクレーン10が所望の吊り上げを実施するために適切に位置決めされていると判定することになる。
【0055】
光学制御システム402は、更に、キャプチャー画像内で検出されているカウンターウェイト組立体30の実位置を判定してもよい。例えば、光学制御システム402がキャプチャー画像内のカウンターウェイト組立体30の位置を識別する。すると光学制御システム402は、カウンターウェイト組立体30の実位置を、光学制御システム402の例えば表に記憶されている画像スケール情報を使用することによって計算することができる。例えば、キャプチャー画像内の各ピクセルが距離計測値と関連付けられていてもよいし、又はキャプチャー画像内のピクセル位置がコンピュータ可読記憶媒体414に記憶されている既定距離に対応していてもよい。そうするとカウンターウェイト組立体30の実位置を例えば基準点又は座標系の中の或る位置からの距離として求めることができる。
【0056】
光学制御システム402は、更に、カウンターウェイト組立体30上の1つ又は複数のマーカー42の検出に基づく位置判定を、以上に説明されている位置を判定するための技法を使用して行うように構成されている。
【0057】
光学制御システム402によって判定することのできる更に別のステータスは、カウンターウェイト組立体30の仕様である。その様な仕様には、例えば、寸法、重量、及び、全体としてのカウンターウェイト組立体30、カウンターウェイト組立体30の積重体132、134、及び個別ウェイトユニット130、の型式及び識別情報を含む製品情報、が含められる。一実施形態では、重量又は寸法の様な仕様は、計算されてもよい。例えば、ウェイトユニット130についての既知の重量をコンピュータ可読記憶媒体414に記憶させておいてもよい。その場合、光学制御システム402は、以上に説明されている様にウェイトユニット130の個数を求めることによって、積重体132、134又はカウンターウェイト組立体30の総重量を計算することができる。寸法も同じく、例えばキャプチャー画像について記憶されているスケール情報を使用して計算することができる。
【0058】
別の実施形態では、仕様は、既知の物体と関連付けられている追加情報の一部として記憶されていてもよい。そうすると、検出された物体が、例えばここに説明されている技法を使用して識別されると、追加情報から仕様を取り出し、キャプチャー画像内の検出されて識別された物体と関連付けることができる。例えば、キャプチャー画像内の検出されたカウンターウェイト組立体30、個別ウェイトユニット130、又はウェイトユニットの積重体が、記憶画像内の既知の物体との比較を経て又は1つ又はそれ以上のマーカー42を識別することによって、識別されるとする。次いで検出された物体が既知の物体に対応しているとして識別されると、既知の物体と関連付けられている追加情報が検出された物体と関連付けられることになる。
【0059】
図7は、一実施形態による、クレーン構成要素のステータスを判定する方法700を示すブロック線図である。
図7を参照して、この方法は、画像キャプチャー組立体を用いてクレーン上のカウンターウェイト組立体の画像をキャプチャーする段階710と、光学制御システム402を用いて、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出する段階720と、を含むことができる。ここで当該1つ又はそれ以上の物体には、カウンターウェイト組立体30、カウンターウェイト組立体30のウェイトユニット130、カウンターウェイト組立体30のウェイトユニット130の積重体、及びカウンターウェイト組立体上のマーカー42、のうちの1つ又はそれ以上が含まれる。当該方法は、更に、光学制御システム402を用いて、検出された物体を分析する段階730と、光学制御システム402を用いて、検出された物体の分析に基づきカウンターウェイト組立体のステータスを判定する段階740と、を含むことができる。
【0060】
以上の実施形態は、キャプチャー画像内に1つ又はそれ以上の物体が検出され光学制御システム402によって分析されたことに応じてステータスが判定されるということに言及しているが、ステータスの判定は、1つ又はそれ以上の物体の不在が検出されたことに基づいて行われてもよいものと理解している。
【0061】
従って、以上の実施形態では、画像キャプチャー組立体がクレーン構成要素又はマーカーの一画像又は一連の画像をキャプチャーし、当該画像が光学検出システム400によって分析されて、カウンターウェイト組立体30のステータスが判定される、というようにしてもよい。一部の実施形態では、操作者が当該ステータスへの注意を喚起され、判定されたステータスに応じてクレーン動作が制御又は阻止される、或いはその両方が行われる、というようにしてもよい。加えて、光学検出システム400は様々な異なるステータスを検出することもできる。例えば、カウンターウェイト組立体30のキャプチャー画像の場合、光学検出システム400は、カウンターウェイト組立体30の構成、カウンターウェイト組立体30の位置、及びカウンターウェイト組立体30の仕様、に関係するステータスを判定することができる。
【0062】
一実施形態では、荷重表が、例えばクレーン制御システム300によって計算されていてもよい。荷重表は、カウンターウェイト組立体30の判定された(単数又は複数の)ステータス、例えばカウンターウェイト組立体30の判定された位置及び判定された重量など、に基づいて計算されていてもよい。而して、クレーン10の最大荷重(吊り上げ)容量は、カウンターウェイト組立体30のステータスに基づいて求めることができる。また、クレーン制御システム300は、最大荷重容量に基づいて様々なクレーン構成要素を制御して、クレーン10をフックへの荷重が当該最大荷重容量を超過する過負荷状態に入らせないようにすることができる。例えば、クレーン制御システム300は、フックへの荷重がクレーン10の最大荷重容量を超える位置へブーム32を動かしてしまう動作を遮断することができる。
【0063】
ここに説明されている実施形態は互いと一体に使用されてもよく、またここに説明されている一実施形態からの様々な特徴が他の実施形態での特徴と一体に使用されてもよいものと理解している。
【0064】
ここに参照されている全ての特許は、本開示の本文内で明確に指示されていようがいまいが、これによりここにその全体を参考文献として援用する。
【0065】
本開示では、原文の冠詞「a」又は「an」の対訳である「一」、「或る」という語は単数形及び複数形のどちらも含むものと捉えられたい。逆に、複数物品への何らかの言及は、該当する場合には、単数形を含むものとする。
【0066】
上記からは、本発明の新規性のある概念の真髄及び範囲から逸脱することなく数多くの修正型及び変形型が達成され得るということが観取されるであろう。示されている特定の実施形態に関しては何らの限定も意図されず、また推察されてもならない、ということを理解しておきたい。本開示は、付随の特許請求の範囲によって、当該特許請求の範囲の範囲内に入る全てのその様な修正型を網羅するものとする。
【符号の説明】
【0067】
10 クレーン
12 下部走行体、下部構造
14 上部構造体、上部構造
16 フレーム
18 地面係合要素
20 アウトリガー組立体
22 ジャッキ
24 アーム
26 回転台
28 操作者運転室
30 カウンターウェイト組立体
32 ブーム
33 ブーム先端
34 ホイスト
36 ロープ
37 フックブロック
38 基部
40 伸縮部
42 マーカー
130 ウェイトユニット
132、134 カウンターウェイト積重体
136 翼形ウェイト
300 クレーン制御システム
310 入力デバイス
314 コンピュータプロセッサ
316 コンピュータ可読記憶媒体
318 ユーザーインターフェース
320 通信インターフェース
322 命令
400 光学検出システム
402 光学制御システム
410 画像キャプチャー組立体
412 コンピュータプロセッサ
414 コンピュータ可読記憶媒体
416 通信インターフェース
418 ユーザーインターフェース
420 命令
422 画像キャプチャーデバイス
424 追加情報
700 クレーン構成要素のステータスを判定する方法
710 画像キャプチャー組立体を用いて、クレーン上のカウンターウェイト組立体の画像をキャプチャーする
720 光学制御システムを用いて、キャプチャー画像内の1つ又はそれ以上の物体を検出する
730 光学制御システムを用いて、検出された物体を分析する
740 光学制御システムを用いて、検出された物体の分析に基づいてカウンターウェイト組立体のステータスを判定する
A 垂直軸