(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】接続支援システム、接続支援方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H01R 13/64 20060101AFI20221004BHJP
H01R 13/717 20060101ALI20221004BHJP
H02G 1/06 20060101ALI20221004BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20221004BHJP
H01R 43/26 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
H01R13/64
H01R13/717
H02G1/06
G06K7/10 256
G06K7/10 168
G06K7/10 264
H01R43/26
(21)【出願番号】P 2018010115
(22)【出願日】2018-01-25
【審査請求日】2020-12-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】三好 勝幸
【審査官】濱田 莉菜子
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-268279(JP,A)
【文献】特開2002-347937(JP,A)
【文献】特開2007-221241(JP,A)
【文献】米国特許第09842288(US,B1)
【文献】特開2007-158993(JP,A)
【文献】特表2011-510402(JP,A)
【文献】特開2011-135984(JP,A)
【文献】特開2013-057145(JP,A)
【文献】特開2009-025987(JP,A)
【文献】特開2011-076333(JP,A)
【文献】特開2008-156038(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/56-13/72
H02G 1/06
G06K 7/00
G06K 7/10
H01R 43/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、
前記コネクタが両端部に接続されたケーブルと、
前記非接触タグに近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信し、前記非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、
前記アンテナから送出される電波を受信し、受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて点灯される点灯装置と、
前記コネクタが結合される少なくとも一つの前記接続先を有し、前記アンテナから送出された電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記点灯装置を点灯させる第1の点灯処理と、前記非接触タグが近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信し、受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記コネクタの前記接続先に設置された発光部を点灯させる第2の点灯処理とを実行する情報処理装置と、
少なくとも一つの前記情報処理装置が搭載され、前記点灯装置が筐体に取り付けられたラック装置と、を備える接続支援システム。
【請求項2】
前記コネクタの前記非接触タグには、
前記コネクタの前記接続先の前記情報処理装置の筐体番号と、
前記コネクタの前記接続先のコネクタ番号とを含むコネクタ情報が記録される請求項1に記載の接続支援システム。
【請求項3】
前記情報処理装置は、
前記コネクタと結合する少なくとも一つの前記接続先と、
送信範囲が限られた特定の周波数領域の電波を発信し、自身から発信された電波に応じて前記非接触タグから発信される電波を受信するタグリーダと、
前記情報処理装置の筐体番号と、前記情報処理装置に設置された前記接続先の前記コネクタ番号とを含む前記コネクタ情報が記録される第1記憶部と、
前記タグリーダによって受信された電波に基づいて、前記非接触タグが近接した前記コネクタの前記接続先に設置された前記発光部を点灯させる制御部とを有する請求項2に記載の接続支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、
前記タグリーダによって受信された電波の強度が所定の閾値を超える場合に前記発光部を点灯させる請求項3に記載の接続支援システム。
【請求項5】
前記情報処理装置の筐体に
、前記アンテナから送出される電波を受信し、受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて点灯される、前記情報処理装置の点灯装置が取り付けられる請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接続支援システム。
【請求項6】
前記ラック装置は、
前記情報処理装置ごとの前記コネクタ情報を記憶する記憶装置を含む請求項2に記載の接続支援システム。
【請求項7】
前記点灯装置は、
前記アンテナから送出される電波を受信する受信部と、
前記点灯装置が担当する前記情報処理装置の筐体番号と、前記点灯装置が担当する前記情報処理装置の前記接続先のコネクタ番号とを含むコネクタ情報が記録される第2記憶部と、
受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて点灯される発光部と
受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記発光部を点灯させる点灯制御部とを有する請求項1に記載の接続支援システム。
【請求項8】
接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、前記コネクタが両端部に接続されたケーブルと、前記非接触タグに近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信し、前記非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、前記アンテナから送出される電波から抽出される論理情報に含まれる前記接続先情報に基づいて点灯される点灯装置と、前記点灯装置が筐体に取り付けられたラック装置とによって構成されるシステムに関して、
前記アンテナから送出される電波を受信し、
前記アンテナから受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記点灯装置を点灯させ、
前記非接触タグが近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信し、
前記非接触タグから受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記コネクタの前記接続先に設置された発光部を点灯させる接続支援方法。
【請求項9】
接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、前記コネクタが両端部に接続されたケーブルと、前記非接触タグに近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信し、前記非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、前記アンテナから送出される電波から抽出される論理情報に含まれる前記接続先情報に基づいて点灯される点灯装置と、前記点灯装置が筐体に取り付けられたラック装置とによって構成されるシステムに関して、
前記アンテナから送出される電波を受信する処理と、
前記アンテナから受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記点灯装置を点灯させる処理と、
前記非接触タグが近接した際に前記非接触タグから発信される電波を受信する処理と、
前記非接触タグから受信した電波から抽出される前記接続先情報に基づいて前記コネクタの前記接続先に設置された発光部を点灯させる処理とをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルの接続を支援する接続支援システム、接続支援方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
データセンターのように多くの情報処理装置が設置される環境では、システムの構築作業や保守作業を実施する際に、情報処理装置間を多数のケーブルで配線する配線作業が発生する。このような配線作業では、作業者による配線の誤りが起こらないように対策することが求められる。
【0003】
特許文献1には、配線盤の多数のアダプタの中から選択されたアダプタへの接続ケーブルのプラグの挿抜を行う配線作業を支援する配線支援システムについて開示されている。特許文献1のシステムは、アダプタ用非接触IC(Identification)タグと、配線管理装置とで構成される。アダプタ用非接触ICタグは、アダプタの固有の識別情報と位置情報とを記憶した記憶部と報知部とを備える。配線管理装置は、配線管理情報に基づいてアダプタ用非接触ICタグとデータの授受を行うタグリーダ/ライタと配線管理情報が格納されている。アダプタ用非接触ICタグは、タグリーダ/ライタから受信した配線作業指示情報に含まれている識別情報と記憶している固有の識別情報が一致したときには、その報知部を作動させ、接続ケーブルのプラグを挿抜すべきアダプタの位置を作業者に直接的に報知する。例えば、特許文献1のシステムは、LED(Light Emitting Diode)などの発光素子を発光させることによって、挿抜すべきアダプタの位置を作業者に報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1のシステムは、挿抜対象のプラグを含む配線盤の近傍において作業員がケーブルの挿抜作業をする際には採用できる。ところで、特許文献1のシステムでは、低コストを実現するために、通信可能な範囲が数メートル程度のパッシブ型の非接触ICタグを用いることが想定される。特許文献1のシステムには、配線盤が離散して設置される環境でパッシブ型の非接触ICタグを用いる場合、非接触ICタグの電波の送受信範囲外ではケーブルを接続すべき配線盤の位置を特定できないという問題点があった。
【0006】
本発明の目的は、上述した課題を解決するために、正確かつ効率的なケーブルの接続支援を実現する接続支援システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様の接続支援システムは、接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、コネクタが両端部に接続されたケーブルと、非接触タグに近接した際に非接触タグから発信される電波を受信し、非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、アンテナから送出される電波を受信し、受信した電波から抽出される論理情報に含まれる接続先情報に基づいて点灯される点灯装置と、コネクタが結合される少なくとも一つの接続先を有し、アンテナから送出された電波から抽出される接続先情報に基づいて点灯装置を点灯させる第1の点灯処理と、非接触タグが近接した際に非接触タグから発信される電波を受信し、受信した電波から抽出される接続先情報に基づいてコネクタの接続先に設置された発光部を点灯させる第2の点灯処理とを実行する情報処理装置とを備える。
【0008】
本発明の一態様の接続支援方法においては、接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、コネクタが両端部に接続されたケーブルと、非接触タグに近接した際に非接触タグから発信される電波を受信し、非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、アンテナから送出される電波から抽出される論理情報に含まれる接続先情報に基づいて点灯される点灯装置とによって構成されるシステムに関して、アンテナから送出される電波を受信し、アンテナから受信した電波から抽出される接続先情報に基づいて点灯装置を点灯させ、非接触タグが近接した際に非接触タグから発信される電波を受信し、非接触タグから受信した電波から抽出される接続先情報に基づいてコネクタの接続先に設置された発光部を点灯させる。
【0009】
本発明の一態様のプログラムは、接続先を識別するための接続先情報が記録された非接触タグが内蔵されたコネクタと、コネクタが両端部に接続されたケーブルと、非接触タグに近接した際に非接触タグから発信される電波を受信し、非接触タグから受信した電波を増幅して送出するアンテナを含む作業手袋と、アンテナから送出される電波から抽出される論理情報に含まれる接続先情報に基づいて点灯される点灯装置とによって構成されるシステムに関して、アンテナから送出される電波を受信する処理と、アンテナから受信した電波から抽出される接続先情報に基づいて点灯装置を点灯させる処理と、非接触タグが近接した際に非接触タグから発信される電波を受信する処理と、非接触タグから受信した電波から抽出される接続先情報に基づいてコネクタの接続先に設置された発光部を点灯させる処理とをコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、正確かつ効率的なケーブルの接続支援を実現する接続支援システムを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムの構成の一例を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備えるコネクタの一例を示す概念図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備えるコネクタに記憶される接続先情報の一例を示す概念図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備える作業手袋の一例を示す概念図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備える作業手袋から電波が送信される一例を示す概念図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備える情報処理装置の外観の一例を示す概念図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備える情報処理装置の構成の一例を示す概念図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムが備える情報処理装置に記憶されるコネクタ情報の一例を示す概念図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムの第一の動作を示す概念図である。
【
図10】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムの第二の動作を示す概念図である。
【
図11】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムの第一の動作に関するフローチャートである。
【
図12】本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムの第二の動作に関するフローチャートである。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムがデータセンターの内部に設置される一例を示す概念図である。
【
図14】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムが設置されるデータセンターの内部に配置されるラック装置の一例を示す概念図である。
【
図15】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムが備えるラック装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図16】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムが備えるラック装置に記憶されるコネクタ情報の一例を示す概念図である。
【
図17】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムの第一の動作を示す概念図である。
【
図18】本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムの第二の動作を示す概念図である。
【
図19】本発明の第3の実施形態に係る点灯装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図20】本発明の各実施形態に係る接続支援システムを構成する情報処理装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。また、以下の実施形態の説明に用いる全図においては、特に理由がない限り、同様箇所には同一符号を付す。また、以下の実施形態において、同様の構成・動作に関しては繰り返しの説明を省略する場合がある。また、図面中の矢印の向きは、一例を示すものであり、ブロック間の信号の向きを限定するものではない。
【0013】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係る接続支援システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態の接続支援システムは、データセンターなどに配置された情報処理装置に設置された接続先のコネクタ(接栓座とも呼ぶ)に、その接続先に接続されるコネクタ(接栓とも呼ぶ)を接続することを支援するシステムである。本実施形態においては、各コネクタが接続される接続先が一意に設定されているものとする。
【0014】
図1は、本実施形態の接続支援システム1の構成の一例を示す概念図である。
図1のように、接続支援システム1は、コネクタ10、作業手袋20、情報処理装置30を備える。本実施形態の接続支援システム1は、複数の情報処理装置30を備える。
【0015】
コネクタ10は、データ通信に用いられるケーブルの端部に設置される。例えば、コネクタ10が設置されたケーブルは、複数の情報処理装置30を通信可能に接続するために用いられる。コネクタ10は、パッシブ型のIC(Identification)タグ(非接触タグとも呼ぶ)を内蔵する。ICタグの電波の伝達方式には、電磁誘導方式や電波方式を適用できる。例えば、ICタグには、HF帯(13.56MHz)やLF帯(125KHz~134KHz)、UHF帯(860MHz~960MHz)、433MHz、2.45GHzなどの周波数帯に対応する非接触タグを用いることができる。ただし、ICタグの周波数帯はここで挙げた範囲に限定されない。
【0016】
コネクタ10のICタグには、コネクタ10ごとの接続先を識別するための接続先情報が記憶される。接続先情報は、コネクタ10の接続先が含まれる情報処理装置30の筐体番号と、その接続先の番号(以下、コネクタ番号と呼ぶ)とを含む。本実施形態においては、一つのコネクタ10に対して一つの接続先が一意に対応付けられる。
【0017】
作業手袋20は、ケーブルの接続作業を行う作業者が装着する手袋である。作業手袋20は、コネクタ10のICタグに記憶された接続先情報を読み出すためのアンテナを含む。また、作業手袋20は、アンテナによって受信された電波を増幅する電波増幅器を含む。作業手袋20を装着した作業者がコネクタ10を掴むと、作業手袋20のアンテナとコネクタ10のICタグとが近接し、ICタグに記憶された接続先情報に変換される微弱な電波がアンテナによって受信される。アンテナによって受信された微弱な電波は、電波増幅器によって増幅されてアンテナから送出される。
【0018】
情報処理装置30は、データセンターなどに設置されるコンピュータやサーバなどの装置である。情報処理装置30は、コネクタ10の接続先を少なくとも一つ有する。本実施形態においては、情報処理装置30に複数の接続先を設置する例を挙げる。それぞれの情報処理装置30は、他の情報処理装置30とケーブルを介して通信可能に接続される。
【0019】
情報処理装置30には、作業手袋20から送信された電波に基づいて点灯される点灯装置が設置される。点灯装置は、情報処理装置30の構成の一部としてもよいし、情報処理装置30とは別の構成としてもよい。点灯装置は、情報処理装置30の筐体の上部のように、作業者によって視認されやすい位置に配置される。また、情報処理装置30の接続先には、コネクタ10が近接した際に受信される電波に基づいて点灯される発光部が設置される。例えば、情報処理装置30は、自装置に含まれる接続先に対応するコネクタ10が近接した際に、その接続先の発光部を点灯させる。
【0020】
情報処理装置30は、作業手袋20から送信された電波を受信し、受信した電波から論理情報を抽出する。情報処理装置30は、抽出した論理情報に含まれる接続先情報に基づいて、点灯を指示する点灯指示信号を点灯装置に送信する。
【0021】
情報処理装置30には、その情報処理装置30の筐体番号と、その情報処理装置30に設置された複数のコネクタ10のコネクタ番号とが記憶される。情報処理装置30は、作業手袋20から受信した電波から抽出された接続先情報に含まれる筐体番号と、自装置に格納された筐体番号とを比較する。情報処理装置30は、接続先情報に含まれる筐体番号と、自装置に格納された筐体番号とが一致する場合、点灯装置を点灯させる。
【0022】
また、情報処理装置30は、送信範囲が限られた特定の周波数領域の電波を発信する。情報処理装置30は、自装置が発信した電波に応じてICタグから発信される電波を受信する。例えば、情報処理装置30は、コネクタ10が近接すると、コネクタ10のICタグに含まれる接続先情報に変換される電波を受信する。例えば、情報処理装置30は、受信した電波の強度が閾値を超える場合、コネクタ10から受信した電波から論理情報を抽出する。情報処理装置30は、抽出した論理情報に含まれる接続先情報を読み出す。情報処理装置30は、読み出した接続先情報に自装置の接続先が含まれる場合、該当する接続先の発光部を点灯させる。
【0023】
例えば、情報処理装置30は、タグリーダを有する。タグリーダは、作業手袋20から送信された電波を受信する。また、タグリーダは、送信範囲が限られた特定の周波数領域の電波を発信し、その電波に応じて発信される電波を受信する。例えば、タグリーダは、プリアンブル、コマンドビット列、無変調キャリアによって構成される電波を発信する。タグリーダは、コネクタ10が送信範囲内に近接した際に、そのコネクタ10のICタグから電波を受信できる。ただし、作業手袋20から送信される電波と、コネクタ10が近接した際にコネクタ10のICタグから発信される電波とを異なる受信機能で受信するように構成してもよい。
【0024】
以上が、接続支援システム1の概略についての説明である。次に、接続支援システム1の構成要素について詳細に説明する。
【0025】
〔コネクタ〕
図2は、コネクタ10の構成の一例を示す概念図である。
図2のように、コネクタ10は、情報処理装置30のいずれかの接続先に接続される接続部11と、接続先情報が記憶されたICタグ12とを有する。コネクタ10は、ケーブル15の一端部に設置される。ケーブル15の他端部には別のコネクタ10が設置される。ケーブル15の一端部に設置されたコネクタ10と、他端部に設置されたコネクタ10とがそれぞれの接続先に結合されることによって、任意の装置同士がケーブル15によって通信可能に接続される。なお、ケーブル15の長さや材質などには特に限定を加えない。
【0026】
接続部11は、情報処理装置30の接続先に結合される部分である。接続部11の構造や材質には特に限定を加えない。
【0027】
ICタグ12は、パッシブ型のタグである。ICタグ12は、作業手袋20のアンテナが近接すると電波を発信する。また、ICタグ12は、情報処理装置30のタグリーダに近接した際に、そのタグリーダから発信される電波に応答して電波を発信する。
【0028】
ICタグ12には、タグリーダから発信される電波を整流して直流に変換する整流回路が内蔵される。ICタグ12は、整流回路によって整流された直流を電源として動作する。例えば、ICタグ12は、受信した電波のプリアンブルの部分で初期動作に必要となるエネルギーを蓄える。ICタグ12は、初期動作に必要なエネルギーを蓄えると、コマンドビット列を復調して解釈し、無変調キャリアの部分で反射波に乗せて接続先情報を含む電波を発信する。
【0029】
ICタグ12には、コネクタ10ごとの接続先を識別するための接続先情報が含まれる。
図3は、接続先情報120の一例を示す概念図である。例えば、接続先情報120には、コネクタ10の接続先が設置された情報処理装置30の筐体番号と、その接続先のコネクタ番号とが含まれる。
【0030】
〔作業手袋〕
図4は、作業手袋20の構成の一例を示す概念図である。
図4のように、作業手袋20は、手袋21と、アンテナ22と、電線23と、電波増幅器25とを有する。
【0031】
手袋21には、アンテナ22と、電線23の一部とが内蔵される。例えば、手袋21は、一般的な作業用の手袋によって構成できる。手袋21の形状や材質には特に限定を加えない。
【0032】
アンテナ22は、ICタグ12に近接した際にICタグ12から発信される電波を受信する。また、アンテナ22は、電波増幅器25によって増幅された電波を送出する。アンテナ22の種類や形状は、ICタグ12との組み合わせによって選択され、特に限定は加えない。
【0033】
電線23は、アンテナ22と電波増幅器25とを電気的に接続させる。電線23は、アンテナ22によって受信された電波を電波増幅器25に伝播させる。また、電線23は、電波増幅器25によって増幅された電波をアンテナ22に伝播させる。電線の材質や形状には特に限定を加えない。
【0034】
電波増幅器25は、アンテナ22が受信した電波を電線23経由で取得し、取得した電波を増幅してアンテナ22に出力する。
【0035】
図5は、作業手袋20を装着した作業者がコネクタ10を摘んでいる様子を図示したものである。
図5のように、コネクタ10とアンテナ22とが近接すると、コネクタ10のICタグ12から電波が発信される。ICタグ12から発信された電波は、アンテナ22によって受信され、電波増幅器25で増幅されてアンテナ22から送出される。
【0036】
〔情報処理装置〕
図6は、コネクタ10の接続先側から見た情報処理装置30の外観の一例を示す概念図である。
図7は、情報処理装置30の構成の一例を示す概念図である。
【0037】
図6および
図7に示すように、情報処理装置30は、複数の接続先31と、タグリーダ32と、記憶部33と、制御部34とを有する。
【0038】
接続先31は、コネクタ10の接続部11が挿入される挿入口311を含む。また、接続先31は、接続対象のコネクタ10が近接した際に点灯される発光部315を含む。接続先31の発光部315は、制御部34の点灯指示に応じて点灯する発光素子を含む。
【0039】
タグリーダ32は、送信範囲が限られた特定の周波数領域の電波を発信する。タグリーダ32は、自身から発信された電波に応じてICタグ12から発信される電波を受信する。タグリーダ32は、受信した電波から論理情報を抽出し、抽出した論理情報を制御部34に出力する。
【0040】
記憶部33(第1記憶部とも呼ぶ)には、情報処理装置30の筐体番号と、その情報処理装置30に含まれる接続先31のコネクタ番号とを含むコネクタ情報が格納される。
図8は、記憶部33に格納されるコネクタ情報331の一例を示す概念図である。記憶部33には、情報処理装置30の筐体番号と、その情報処理装置30に含まれる接続先31のコネクタ番号とを含むコネクタ情報331が格納される。例えば、情報処理装置30にN個の接続先31に設置されている場合、コネクタ情報331には、その情報処理装置30の筐体番号と、N個の接続先31に対応付けられたN個のコネクタ番号とが含まれる(Nは自然数)。
【0041】
制御部34は、タグリーダ32から論理情報を取得する。制御部34は、取得した論理情報に含まれるコネクタ10の接続先情報を解析する。また、制御部34は、タグリーダ32が受信した電波の出力に対して閾値判定を行う。制御部34は、タグリーダ32が受信した電波の出力が閾値を超える場合、記憶部33に格納されたコネクタ情報を参照し、タグリーダ32によって読み出された接続先の接続先31が自装置に含まれるか否かを判定する。制御部34は、タグリーダ32によって読み出された接続先の接続先31が自装置に含まれると判定した場合、その接続先31に対して点灯指示を出力する。
【0042】
以上が、本実施形態の接続支援システム1の構成についての説明である。
【0043】
〔適用例〕
ここで、本実施形態の接続支援システム1の適用例について図面を参照しながら説明する。
図9および
図10は、接続支援システム1の適用例について説明するための概念図である。
【0044】
まず、
図9のように、作業手袋20を装着した作業者がコネクタ10を摘むと、アンテナ22とICタグ12とが近接し、ICタグ12から電波が送出される。作業手袋20のアンテナ22は、ICタグ12から送出される電波を受信し、受信した電波を電波増幅器25で増幅してから送出する。
【0045】
作業手袋20のアンテナ22から送出された電波を受信した情報処理装置30は、受信した電波から抽出される接続先情報に自装置の接続先31が含まれるか否かを判定する。本適用例においては、情報処理装置30A、情報処理装置30Bおよび情報処理装置30Cの三つの情報処理装置30の中で、コネクタ10の接続先31が情報処理装置30Aに設置されているものとする。
【0046】
情報処理装置30Aは、判定結果に基づいて点灯装置40に点灯指示を出す。コネクタ10を摘んでいる作業者は、点灯している点灯装置が設置された情報処理装置30に接続先31があることを認識できる。接続先31が設置された情報処理装置30Aを認識した作業者は、その情報処理装置30Aにコネクタ10を持って行けばよい。
【0047】
図10のように、情報処理装置30Aのタグリーダ32が発信する電波の受信範囲内に作業手袋20が進入すると、情報処理装置30Aは、作業者が摘んでいるコネクタ10の接続先情報を読み出す。本実施形態において、情報処理装置30Aは、接続先31A、接続先31B、接続先31C、・・・、接続先31Nを有し、接続先31Bにコネクタ10が接続されるものとする(Nは自然数)。
【0048】
情報処理装置30Aは、読み出した接続先情報に基づいて、接続先31Bの発光部315を点灯させる。
【0049】
コネクタ10を持っている作業者は、発光部315が点灯した接続先31Bの挿入口311がそのコネクタ10の接続先であることを認識できる。
【0050】
(動作)
次に、本実施形態の接続支援システムの動作について図面を参照しながら説明する。
図11は、情報処理装置30が電波を受信し、受信した電波に基づいて点灯装置40を点灯する動作(第1の点灯処理)に関するフローチャートである。
図12は、点灯装置40が点灯している情報処理装置30に作業者が近づいた際に、作業者が摘んでいるコネクタ10の接続先31の発光部315が点灯する動作(第2の点灯処理)に関するフローチャートである。
図11および
図12のフローチャートに沿った説明においては、情報処理装置30を動作の主体として説明する。
【0051】
〔第1の点灯処理〕
まず、
図11のフローチャートに沿って、第1の点灯処理について説明する。
【0052】
図11において、まず、情報処理装置30は、作業手袋20のアンテナ22から送信された電波を受信する(ステップS11)。
【0053】
次に、情報処理装置30は、受信した電波から論理情報を抽出する(ステップS12)。
【0054】
次に、情報処理装置30は、抽出した電波に含まれる接続先情報と、自装置が格納するコネクタ情報331とを比較する(ステップS13)。
【0055】
情報処理装置30は、接続先情報の筐体番号と、自装置の筐体番号とが一致する場合(ステップS13でYes)、点灯装置を点灯させる(ステップS14)。
【0056】
一方、情報処理装置30は、接続先情報の筐体番号と、自装置の筐体番号とが一致しない場合(ステップS13でNo)、
図11のフローチャートに沿った処理を終了とする。
【0057】
以上が、
図11のフローチャートに沿った第1の点灯処理についての説明である。
【0058】
〔第2の点灯処理〕
次に、
図12のフローチャートに沿って、第2の点灯処理について説明する。
図12のフローチャートに沿った説明においては、タグリーダ32が受信した電波の電波強度の閾値に基づいて、電波から論理情報を抽出するか否かを判定する例について説明する。
【0059】
図12において、まず、情報処理装置30は、タグリーダ32が電波を受信したか否かを判定する(ステップS21)。
【0060】
タグリーダ32が電波を受信した場合(ステップS21でYes)、情報処理装置30は、電波強度が閾値以上であるか否かを判定する(ステップS22)。一方、タグリーダ32が電波を受信していない場合(ステップS21でNo)、ステップS21の処理を繰り返す。
【0061】
タグリーダ32が受信した電波の電波強度が閾値を下回る場合(ステップS22でNo)、情報処理装置30は、受信した電波を破棄する(ステップS23)。
【0062】
一方、タグリーダ32が受信した電波の電波強度が閾値以上の場合(ステップS22でNo)、情報処理装置30は、受信した電波から論理情報を抽出する(ステップS24)。
【0063】
次に、情報処理装置30は、抽出した論理情報に含まれる接続先情報に基づいて接続先31を特定する(ステップS25)。
【0064】
そして、情報処理装置30は、特定した接続先31に設けられた発光部315を点灯させる(ステップS26)。
【0065】
以上が、
図12のフローチャートに沿った第2の点灯処理についての説明である。なお、タグリーダ32が受信した電波の電波強度を判定しない場合は、ステップS22およびステップS23を省略してもよい。
【0066】
以上のように、本実施形態の情報処理装置は、作業者が摘んでいるコネクタの接続先を2段階で通知する。第1の点灯処理では、接続先が設置された情報処理装置の点灯装置を点灯させることによって、その情報処理装置の位置を作業者に通知する。第2の点灯処理では、第1の点灯処理によって点灯された点灯装置に導かれるように近づいて来た作業者に対して、コネクタの接続先を点灯させることによって、そのコネクタの接続先を通知する。
【0067】
例えば、データセンター内にある多数の情報処理装置が、タグリーダを介して、作業者が装着する作業手袋から送信された電波を受信する。電波を受信した情報処理装置は、受信した電波から論理情報を抽出し、抽出した接続先情報に自装置が含まれる場合、自装置に設置された点灯装置を点灯させる。作業者は、点灯装置が点灯したことを視認することによって、手に持っているケーブルをどの情報処理装置に接続すればよいかを認識できる。
【0068】
例えば、接続対象の情報処理装置を認識した作業者は、接続対象の情報処理装置にコネクタを持って近づき、そのコネクタを接続対象の情報処理装置の接続先に順番に近づける。接続先の近傍に配置されたタグリーダは、コネクタのICタグが近接すると、そのコネクタから発信される電波を受信し、受信した電波から抽出される論理情報に含まれる接続先情報を解析する。情報処理装置は、接続先情報の解析結果に基づいて、そのコネクタの接続先の発光部を点灯させる。
【0069】
以上のように、本実施形態の接続支援システムによれば、作業者は、発光部が点灯している接続先の挿入口にコネクタを差し込むことによって、正しくケーブルを接続することが可能となる。すなわち、本実施形態の接続支援システムによれば、正確かつ効率的なケーブルの接続支援を実現できる。
【0070】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係る接続支援システムについて図面を参照しながら説明する。本実施形態は、情報処理装置ではなく、情報処理装置が搭載されるラック装置に点灯装置が設置される点で第1の実施形態とは異なる。なお、本実施形態の接続支援システムの構成は、第1の実施形態の接続支援システムの構成と同様であるため、同様の構成については同じ符号を付す。
【0071】
図13は、本実施形態の接続支援システムが設置されるデータセンター100の一例を示す概念図である。データセンター100の内部には、複数のラック装置50が配置される。ラック装置50には、第1の実施形態の接続支援システム1と同様の点灯装置40が設置される。
【0072】
図14は、ラック装置50に複数の情報処理装置30が搭載された構成を示す概念図である。ラック装置50に搭載される情報処理装置30は、第1の実施形態の接続支援システム1に含まれる構成と同様である。本実施形態においては、情報処理装置30ではなく、ラック装置50ごとに点灯装置40を設置する。なお、点灯装置40は、ラック装置50によって点灯制御されてもよいし、ラック装置50に搭載されるいずれかの情報処理装置30によって点灯制御されてもよい。本実施形態においては、ラック装置50が点灯制御するものとして説明する。
【0073】
図15は、ラック装置50の構成の一例を示すブロック図である。
図15のように、ラック装置50は、アンテナ51と、受信部52と、記憶部53と、点灯制御部54とを有する。
【0074】
アンテナ51は、作業手袋20のアンテナ22から送出された電波を受信する。アンテナ51は、受信した電波を受信部52に出力する。
【0075】
受信部52は、アンテナ51が受信した電波から論理情報を抽出し、抽出した論理情報に含まれる接続先情報を点灯制御部54に出力する。
【0076】
記憶部53(記憶装置とも呼ぶ)には、ラック装置50に搭載された少なくとも一つの情報処理装置30の筐体番号と、それらの情報処理装置30に含まれる接続先31のコネクタ番号とを含むコネクタ情報が格納される。
【0077】
図16は、記憶部53に格納されるコネクタ情報332の一例を示す概念図である。ラック装置50には、ラック装置50に搭載される複数の情報処理装置30の筐体番号と、それらの情報処理装置30に含まれる接続先31のコネクタ番号とを含む情報処理装置30ごとのコネクタ情報332-1~Mが格納される(Mは自然数)。例えば、ラック装置50にM台の情報処理装置30が搭載され、それらの情報処理装置30がN個の接続先31を含むものとする(M、Nは自然数)。このとき、情報処理装置30ごとのコネクタ情報332-1~Mには、その情報処理装置30の筐体番号と、N個の接続先31に対応付けられたN個のコネクタ番号とが含まれる。
【0078】
点灯制御部54は、受信部52から接続先情報を取得する。点灯制御部54は、記憶部53に格納された筐体番号およびコネクタ番号の少なくともいずれかと、接続先情報に含まれるコネクタ情報とを比較し、自装置に搭載された情報処理装置30が接続先情報に含まれるか否かを判定する。点灯制御部54は、自装置に搭載された情報処理装置30が接続先情報に含まれると判定した場合、点灯装置40に点灯指示を出力する。
【0079】
ここで、本実施形態の接続支援システムの動作例について図面を参照しながら説明する。
図17および
図18は、本実施形態の接続支援システムの動作例について説明するための概念図である。ただし、
図17および
図18を用いた説明においては、ラック装置50が第1の点灯処理を実行し、情報処理装置30が第2の点灯処理を実行するものとして説明する。
【0080】
図17のように、作業手袋20を装着した作業者がコネクタ10を摘むと、アンテナ22とICタグ12とが近接し、ICタグ12から電波が送出される。作業手袋20のアンテナ22は、ICタグ12から送出される電波を受信し、受信した電波を電波増幅器25で増幅してから送出する。
【0081】
作業手袋20のアンテナ22から送出された電波を受信したラック装置50は、受信した電波から抽出される接続先情報に、自装置に搭載されたいずれかの情報処理装置30の接続先31が含まれるか否かを判定する。本動作例においては、ラック装置50Xに搭載された五つの情報処理装置30A~Eのうち情報処理装置30Cにコネクタ10の接続先31Xが設置されているものとする。
【0082】
ラック装置50Xは、判定結果に基づいて点灯装置40に点灯指示を出す。コネクタ10を摘んでいる作業者は、点灯している点灯装置が設置されたラック装置50Xに接続先31Xが含まれることを認識できる。接続先31Xが設置されたラック装置50Xを認識した作業者は、そのラック装置50Xにコネクタ10を持って行けばよい。
【0083】
図18のように、情報処理装置30A~Eのタグリーダ32が発信する電波の受信範囲内に作業手袋20が進入すると、情報処理装置30A~Eは、作業者が摘んでいるコネクタ10の接続先情報を読み出す。本実施形態においては、情報処理装置30Cの接続先31Xであるものとする(Nは自然数)。
【0084】
ラック装置50Xは、読み出した接続先情報に基づいて、接続先31Xの発光部315を点灯させる。
【0085】
コネクタ10を持っている作業者は、発光部315が点灯した接続先31Xの挿入口311がそのコネクタ10の接続先であることを認識できる。
【0086】
以上のように、本実施形態では、データセンターの室内に設置されたラック装置に点灯装置を設置する。ラック装置の筐体の上方に点灯装置を設置すれば、より遠方からコネクタの接続先を視認できるようになる。
【0087】
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係る点灯装置について図面を参照しながら説明する。本実施形態の点灯装置は、情報処理装置やラック装置に内蔵されるのではなく、外付けの装置として構成する点で第1および第2の実施形態とは異なる。本実施形態の点灯装置は、第1の点灯処理を実行する。第2の点灯処理は、情報処理装置によって実行すればよい。
【0088】
図19は、点灯装置400の構成の一例を示すブロック図である。
図19のように、点灯装置400は、アンテナ410と、受信部420と、記憶部430と、点灯制御部440と、点灯部450とを有する。
【0089】
アンテナ410は、作業手袋20のアンテナ22から送出された電波を受信する。アンテナ410は、受信した電波を受信部420に出力する。
【0090】
受信部420は、アンテナ410が受信した電波から論理情報を抽出し、抽出した論理情報に含まれる接続先情報を点灯制御部440に出力する。
【0091】
記憶部430(第2記憶部とも呼ぶ)には、点灯装置40が担当する情報処理装置30の筐体番号と、その情報処理装置30に含まれる接続先のコネクタ番号とを含むコネクタ情報が格納される。例えば、点灯装置40が担当する情報処理装置30にN個の接続先に設置されている場合、コネクタ情報には、その情報処理装置30の筐体番号とコネクタ番号とが含まれる(Nは自然数)。
【0092】
点灯制御部440は、受信部420から接続先情報を取得する。点灯制御部440は、記憶部430に格納された筐体番号およびコネクタ番号の少なくともいずれかと、取得した接続先情報とを比較し、自装置に接続先が含まれるか否かを判定する。点灯制御部440は、取得した接続先情報に自装置が含まれると判定した場合、点灯部450に点灯指示を出力する。
【0093】
点灯部450は、発光素子を含む。点灯部450は、点灯制御部440から点灯指示を受信すると自身の発光素子を発光させる。点灯部450の発光が、第1の実施形態の第1の点灯処理に相当する。第2の点灯処理は、第1の実施形態と同様に、情報処理装置30によって実行される。
【0094】
以上のように、本実施形態では、情報処理装置やラック装置とは独立した装置として点灯装置を構成する。点灯装置を外付け型とすれば、情報処理装置やラック装置以外の任意の装置に関して第1の点灯処理を実行できる。
【0095】
(ハードウェア)
ここで、本発明の各実施形態に係る接続支援システムによる処理を実行するハードウェア構成について、
図20の情報処理装置90を一例として挙げて説明する。なお、
図20の情報処理装置90は、各実施形態の接続支援システムによる処理を実行するための構成例であって、本発明の範囲を限定するものではない。
【0096】
図20のように、情報処理装置90は、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、タグリーダ94、入出力インターフェース95および通信インターフェース96を備える。
図20においては、インターフェースをI/F(Interface)と略して表記する。プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、タグリーダ94、入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、バス99を介して互いにデータ通信可能に接続される。また、プロセッサ91、主記憶装置92、補助記憶装置93、タグリーダ94および入出力インターフェース95は、通信インターフェース96を介して、インターネットやイントラネットなどのネットワークに接続される。
【0097】
プロセッサ91は、補助記憶装置93等に格納されたプログラムを主記憶装置92に展開し、展開されたプログラムを実行する。本実施形態においては、情報処理装置90にインストールされたソフトウェアプログラムを用いる構成とすればよい。プロセッサ91は、本実施形態に係る接続支援システムによる処理を実行する。
【0098】
主記憶装置92は、プログラムが展開される領域を有する。主記憶装置92は、例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などの揮発性メモリとすればよい。また、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)などの不揮発性メモリを主記憶装置92として構成・追加してもよい。
【0099】
補助記憶装置93は、種々のデータを記憶する。補助記憶装置93は、ハードディスクやフラッシュメモリなどのローカルディスクによって構成される。なお、種々のデータを主記憶装置92に記憶させる構成とし、補助記憶装置93を省略することも可能である。
【0100】
タグリーダ94は、送信範囲が限られた特定の周波数領域の電波を発信する。タグリーダ94は、自身から発信された電波に応じてICタグ等から発信される電波を受信する。例えば、タグリーダ94は、HF帯(13.56MHz)やLF帯(125KHz~134KHz)、UHF帯(860MHz~960MHz)、433MHz、2.45GHzなどの周波数帯の電波を発信する。ただし、タグリーダ94が発信する電波の周波数帯はここで挙げた限りではない。
【0101】
入出力インターフェース95は、情報処理装置90と周辺機器とを接続するためのインターフェースである。通信インターフェース96は、規格や仕様に基づいて、インターネットやイントラネットなどのネットワークを通じて、外部のシステムや装置に接続するためのインターフェースである。入出力インターフェース95および通信インターフェース96は、外部機器と接続するインターフェースとして共通化してもよい。例えば、各実施形態の情報処理装置30に設置される接続先は、入出力インターフェース95および通信インターフェース96のうち少なくともいずれかのコネクタによって実現される。各実施形態の情報処理装置30に設置される発光部315は、入出力インターフェース95および通信インターフェース96のうち少なくともいずれかのコネクタに設置すればよい。
【0102】
情報処理装置90には、必要に応じて、キーボードやマウス、タッチパネルなどの入力機器を接続するように構成してもよい。それらの入力機器は、情報や設定の入力に使用される。なお、タッチパネルを入力機器として用いる場合は、表示機器の表示画面が入力機器のインターフェースを兼ねる構成とすればよい。プロセッサ91と入力機器との間のデータ通信は、入出力インターフェース95に仲介させればよい。
【0103】
また、情報処理装置90には、情報を表示するための表示機器を備え付けてもよい。表示機器を備え付ける場合、情報処理装置90には、表示機器の表示を制御するための表示制御装置(図示しない)が備えられていることが好ましい。表示機器は、入出力インターフェース95を介して情報処理装置90に接続すればよい。
【0104】
また、情報処理装置90には、必要に応じて、ディスクドライブを備え付けてもよい。ディスクドライブは、バス99に接続される。ディスクドライブは、プロセッサ91と図示しない記録媒体(プログラム記録媒体)との間で、記録媒体からのデータ・プログラムの読み出し、情報処理装置90の処理結果の記録媒体への書き込みなどを仲介する。記録媒体は、例えば、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)などの光学記録媒体で実現できる。また、記録媒体は、USB(Universal Serial Bus)メモリやSD(Secure Digital)カードなどの半導体記録媒体や、フレキシブルディスクなどの磁気記録媒体、その他の記録媒体によって実現してもよい。
【0105】
以上が、本発明の各実施形態に係る接続支援システムを可能とするためのハードウェア構成の一例である。なお、
図20のハードウェア構成は、各実施形態に係る接続支援システムによる演算処理を実行するためのハードウェア構成の一例であって、本発明の範囲を限定するものではない。また、各実施形態に係る接続支援システムによる処理をコンピュータに実行させるプログラムも本発明の範囲に含まれる。さらに、各実施形態に係るプログラムを記録したプログラム記録媒体も本発明の範囲に含まれる。
【0106】
各実施形態の接続支援システムの構成要素は、任意に組み合わせることができる。また、各実施形態の接続支援システムの構成要素は、ソフトウェアによって実現してもよいし、回路によって実現してもよい。
【0107】
以上、実施形態を参照して本発明を説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明の構成や
詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【符号の説明】
【0108】
1 接続支援システム
10 コネクタ
11 接続部
12 ICタグ
15 ケーブル
20 作業手袋
21 手袋
22 アンテナ
23 電線
25 電波増幅器
30 情報処理装置
31 接続先
32 タグリーダ
33 記憶部
34 制御部
40 点灯装置
50 ラック装置
51 アンテナ
52 受信部
53 記憶部
54 点灯制御部
311 挿入口
315 発光部
400 点灯装置
410 アンテナ
420 受信部
430 記憶部
440 点灯制御部
450 点灯部