(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】床下点検口及び玄関土間廻り部の構造
(51)【国際特許分類】
E04F 19/08 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
E04F19/08 101B
E04F19/08 101C
(21)【出願番号】P 2018120653
(22)【出願日】2018-06-26
【審査請求日】2021-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】390004145
【氏名又は名称】城東テクノ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】中谷 哲也
(72)【発明者】
【氏名】近江戸 征介
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-181276(JP,A)
【文献】特開2013-170383(JP,A)
【文献】特開2002-294999(JP,A)
【文献】特開2006-316576(JP,A)
【文献】特開2014-047486(JP,A)
【文献】特開2006-070655(JP,A)
【文献】特開2006-112195(JP,A)
【文献】特開2010-150804(JP,A)
【文献】特開2003-253856(JP,A)
【文献】登録実用新案第3166393(JP,U)
【文献】特開2008-190280(JP,A)
【文献】特開2000-192648(JP,A)
【文献】特開平07-119319(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/08
E04F 15/00
E04H 1/02-1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
玄関出入口から連なるように設けられた玄関土間部と、前記玄関土間部から段上がり状に設けられた玄関床部と、前記玄関床部の前記玄関出入口側の端部に設けられた上がり框と、前記上がり框と前記玄関土間部との間に設けられた壁部とで構成された玄関土間廻り部に設けられる床下点検口において、
前記玄関土間部及び前記壁部の少なくともいずれか一方に設けられた、建物の床下空間と連通する開口部に嵌め込んで固定する外枠と、
前記外枠の内部に嵌め込まれる蓋体とを備えて
おり、
前記開口部が、前記玄関土間部から前記壁部に亘って形成され、縦断面においてL字形状を有しており、
前記蓋体は、前記玄関土間部に沿った水平部と、前記壁部に沿った垂直部とを有し、縦断面においてL字形状に形成されていることを特徴とする床下点検口。
【請求項2】
前記水平部の厚みが、前記垂直部の厚み以上であることを特徴とする請求項
1に記載の床下点検口。
【請求項3】
前記水平部と前記垂直部とが分割可能に形成されていることを特徴とする請求項
1又は
2に記載の床下点検口。
【請求項4】
玄関出入口から連なるように設けられた玄関土間部と、前記玄関土間部から段上がり状に設けられた玄関床部と、前記玄関床部の前記玄関出入口側の端部に設けられた上がり框と、前記上がり框と前記玄関土間部との間に設けられた壁部とで構成された玄関土間廻り部の構造において、
前記玄関土間部及び前記壁部の少なくともいずれか一方に設けられた、建物の床下空間と連通する開口部に嵌め込んで固定する外枠と、前記外枠の内部に嵌め込まれる蓋体とで構成された床下点検口を備えていることを特徴とする玄関土間廻り部の構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物の床下点検をするための作業者の侵入口となる床下点検口、及び、それを有する玄関土間廻り部の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
木造住宅等の建物の床下空間にはパイプ等の設備が設置されており、これら設備の点検を行うために、建物の室内の床には床下点検口が設置されている。例えば、特許文献1には、床の開口部に嵌め込まれて根太に固定される矩形状の外枠と、外枠の内部に嵌め込まれる蓋体とを備えており、蓋体を開放させることで室内から床下空間へ作業者が侵入可能な床下点検口について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の床下点検口は、室内の床に設けられるものであるため、床下点検を行う際は、作業者が室内に上がり込む必要がある。このため、床の養生、室内の清掃や片付けなど床下点検のための準備作業が必要となり、点検作業者のみならず建物の持ち主にも負担がかかる。また、室内の床に床下点検口を設置した場合、当該点検口上に動かしにくい家具などを置くことができず、家具のレイアウトが制限される。さらに、パイプなどの床下設備の交換などを行う場合、長尺物を玄関から室内に搬入したり、床下空間から搬出したりするのが、非常に煩わしいという問題がある。
【0005】
そこで、本発明の目的は、床下点検を行う際の準備作業が容易になるとともに、床下点検を行う作業者を玄関土間廻り部から床下空間に侵入させることが可能な床下点検口及び玄関土間廻り部の構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の床下点検口は、玄関出入口から連なるように設けられた玄関土間部と、前記玄関土間部から段上がり状に設けられた玄関床部と、前記玄関床部の前記玄関出入口側の端部に設けられた上がり框と、前記上がり框と前記玄関土間部との間に設けられた壁部とで構成された玄関土間廻り部に設けられる床下点検口において、前記玄関土間部及び前記壁部の少なくともいずれか一方に設けられた、建物の床下空間と連通する開口部に嵌め込んで固定する外枠と、前記外枠の内部に嵌め込まれる蓋体とを備えており、前記開口部が、前記玄関土間部から前記壁部に亘って形成され、縦断面においてL字形状を有しており、前記蓋体は、前記玄関土間部に沿った水平部と、前記壁部に沿った垂直部とを有し、縦断面においてL字形状に形成されている。
【0007】
これによると、建物の床下空間を点検するための床下点検口を、玄関土間廻り部に形成された開口部に設けることが可能となる。このため、床下点検口が、建物の室内の床に設けられるものと比して、床下点検を行う際の準備作業などが容易になるとともに、床下点検を行う作業者を玄関土間廻り部から床下空間に侵入させることが可能となる。また、床下点検口が玄関土間廻り部にあるため、床下点検時における、床下空間への資材などの搬入及び搬出を容易に行うことが可能となる。また、床下点検口が玄関土間部及び壁部のいずれかにだけ形成されているものよりも、床下空間に侵入しやすくなる。
【0009】
また、本発明において、前記水平部の厚みが、前記垂直部の厚み以上であることが好ましい。これにより、水平部の強度を高くすることが可能となる。
【0010】
また、本発明において、前記水平部と前記垂直部とが分割可能に形成されていることが好ましい。これにより、蓋体を外枠に嵌め込みやすくなる。
【0011】
本発明の玄関土間廻り部の構造は、玄関出入口から連なるように設けられた玄関土間部と、前記玄関土間部から段上がり状に設けられた玄関床部と、前記玄関床部の前記玄関出入口側の端部に設けられた上がり框と、前記上がり框と前記玄関土間部との間に設けられた壁部とで構成された玄関土間廻り部の構造において、前記玄関土間部及び前記壁部の少なくともいずれか一方に設けられた、建物の床下空間と連通する開口部に嵌め込んで固定する外枠と、前記外枠の内部に嵌め込まれる蓋体とで構成された床下点検口を備えている。
【0012】
これによると、建物の床下空間を点検するための床下点検口が、玄関土間廻り部に設けられた構造となる。このため、床下点検口が、建物の室内の床に設けられるものと比して、床下点検を行う際の準備作業などが容易になるとともに、床下点検を行う作業者を玄関土間廻り部から床下空間に侵入させることが可能となる。また、床下点検口が玄関土間廻り部にあるため、床下点検時における、床下空間への資材などの搬入及び搬出を容易に行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の床下点検口及び玄関土間廻り部の構造は、床下点検を行う際の準備作業などが容易になるとともに、床下点検を行う作業者を玄関土間廻り部から床下空間に侵入させることが可能となる。また、床下点検口が玄関土間廻り部にあるため、床下点検時における、床下空間への資材などの搬入及び搬出を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る玄関土間廻り部の構造を示す部分斜視図である。
【
図2】
図1に示すII-II線に沿った断面図である。
【
図3】
図1に示す床下点検口の外枠の斜視図である。
【
図4】
図1に示す床下点検口の蓋体の斜視図である。
【
図5】床下点検口の蓋体の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態に係る玄関土間廻り部100の構造について、
図1~
図4を参照しつつ以下に説明する。玄関土間廻り部100は、玄関土間部20と、玄関床部30と、上がり框35と、壁部40と、床下点検口1とを含んで構成されている。玄関土間部20は、玄関出入口25から内側に連なるように設けられている。なお、
図1及び
図2においては、玄関出入口25に設けられる扉部材(例えば、ドアなど)を省略して描いている。また、玄関土間部20は、
図2に示すように、ベタ基礎50上に配置された土間コンクリート21と、土間コンクリート21上に配置された複数のタイル22とで構成されており、略矩形平面形状を有している。なお、
図1に示す一水平方向である内外方向A、内外方向Aと直交し玄関出入口25から見たときの左右方向B、及び、内外方向A及び左右方向Bに直交する上下方向Cを基準として、以下に説明する。また、他の図面においても、
図1に示す方向を基準として示す。
【0016】
また、玄関土間部20には、
図1に示すように、切り欠き部23が形成されている。切り欠き部23は、略矩形平面形状を有しており、玄関土間部20の内外方向Aの中央から内寄りに位置し玄関土間部20の左右方向Bの中央に位置している。また、切り欠き部23は、
図2に示すように、玄関土間部20を上下方向Cに貫通して形成されている。また、ベタ基礎50には、
図2に示すように、切り欠き部23と上下方向Cに対向する部分に凹部51が形成されている。この凹部51は、ベタ基礎50の切り欠き部23と上下方向Cに対向する位置から内側に延在し、ベタ基礎50の立ち上がり部52の一部を欠設するように形成されている。そして、凹部51は、玄関床部30の下方の床下空間60と連通している。つまり、凹部51は、切り欠き部23を含む後述の開口部70と床下空間60とを連通させている。また、凹部51のサイズは、少なくとも1人の作業者が通過可能な大きさに形成されている。なお、凹部51の立ち上がり部52に形成された部分は、壁部40に形成された分断部43(後述する)と内外方向Aに対向している。
【0017】
上がり框35は、
図2に示すように、ベタ基礎50の立ち上がり部52上に基礎パッキン53を介して配置された土台54に固定されている。上がり框35は、左右方向Bに長尺に延在した角材から構成されている。また、上がり框35の内側下角部には、土台54の外側上角部がちょうど嵌るような切り欠き部35aが形成されている。そして、上がり框35は、切り欠き部35aに土台54の外側上角部が嵌め込まれた状態で、土台54に固定される。また、上がり框35は、玄関床部30の外側(玄関出入口25側)の端部に設けられている。
【0018】
玄関床部30は、
図1及び
図2に示すように、土台54上に固定された複数の根太55と、これら根太55上に固定された平板31とで構成されており、玄関土間部20から段上がり状に設けられている。なお、
図2には、1つの根太55だけが示されているが、左右方向Bに複数の根太55が並べて配置されている。また、玄関床部30の下方であって、玄関床部30とベタ基礎50との間には、床下空間60が形成されている。床下空間60には、建物の配管(不図示)などが配置されている。
【0019】
壁部40は、
図1及び
図2に示すように、上がり框35と玄関土間部20との間に設けられている。また、壁部40は、
図1に示すように、右壁部40aと、左壁部40bと、分断部43と、連結部44とを有している。右壁部40a及び左壁部40bは、分断部43によって左右に分けられており、それぞれ、ベタ基礎50の立ち上がり部52の外側側面52aに形成されたモルタル41と、モルタル41上に配置されたタイル42とで構成されている。
【0020】
分断部43は、
図2に示すように、壁部40を内外方向Aに貫通している。また、分断部43は、立ち上がり部52部分に形成された凹部51と内外方向Aに対向している。連結部44は、立ち上がり部52に形成された凹部51部分に配置され且つ土台54の下面に固定された取り付け部材45に、固定されており、分断部43の上方部分を埋めている。連結部44は、下地材44aと、仕上げ材44bとを有する。下地材44aは、
図2に示すように、取り付け部材45及び土台54に固定されている。仕上げ材44bは、下地材44aの表面に形成されている。
【0021】
玄関土間部20及び壁部40には、
図1に示すように、分断部43と切り欠き部23とで構成された開口部70が形成されている。開口部70は、
図1に示すように、分断部43の下方部分と切り欠き部23の内側部分とが連続して繋がることで構成されている。開口部70は、
図2に示すように、玄関土間部20から壁部40に亘って形成され、縦断面において、L字形状を有している。
【0022】
床下点検口1は、開口部70に取り付けられ、開口部70を開閉可能に構成するものであり、外枠2と、外枠2内にちょうど嵌合可能であり且つ着脱可能な蓋体3とを有している。外枠2は、
図3に示すように、第1枠部2aと、第2枠部2bとを有する。第1枠部2aは、水平に配置され且つ内方に向かって開いたU字形状の部分枠2a1と、垂直に配置され且つ下方に向かって開いたU字形状の部分枠2a2とが互いに繋がって構成されている。第2枠部2bも、水平に配置され且つ内方に向かって開いたU字形状の部分枠2b1と、垂直に配置され且つ下方に向かって開いたU字形状の部分枠2b2とが互いに繋がって構成されている。第1枠部2aと第2枠部2bは、同様の外形形状を有している。第2枠部2bは、第1枠部2aよりも一回り小さいサイズに形成されている。そして、第1枠部2aと第2枠部2bは、第1枠部2aの内周縁と第2枠部2bの外周縁とが繋がるようにして、一体的に形成されている。また、外枠2は、左右方向Bから見たときに、略L字形状に形成されている。第1枠部2aは、開口部70にちょうど嵌るサイズに形成されており、第2枠部2bは凹部51にちょうど嵌るサイズに形成されている。なお、ベタ基礎50には、
図2に示すように、開口部70から凹部51にかけて段差58が形成されている。
【0023】
蓋体3は、
図4に示すように、水平部3aと、水平部3aに対して垂直に立設された垂直部3bとを有している。また、蓋体3は、
図2に示すように、縦断面において、L字形状を有している。蓋体3は、
図4に示すように、水平部3aと垂直部3bとを構成するための箱部4を有している。箱部4は、内部にモルタル5を充填可能な凹部4aを有している。この凹部4aにモルタル5が充填され、そのモルタル5上にタイル6,7が設置されることで、蓋体3が構成されている。水平部3aは、玄関土間部20に沿って水平に形成されており、矩形平面形状を有する。また、水平部3aは、部分枠2a1内であって部分枠2b1の上面上に配置可能な外形サイズを有している。垂直部3bは、壁部40に沿って形成されており、矩形平面形状を有する。また、垂直部3bは、部分枠2a2内であって部分枠2b2の外側面上に配置可能な外形サイズを有している。水平部3aの厚みは、
図2に示すように、垂直部3bよりも分厚く形成されている。これにより、水平部3aの強度を高くすることが可能となる。
【0024】
このような外枠2が開口部70に固定され、外枠2に蓋体3が嵌め込まれることで、玄関土間廻り部100の床下点検口1が構成される。このように玄関土間廻り部100に床下空間60を点検するための床下点検口1が形成されているため、作業者が蓋体3を外枠2から取り外すことで、作業者が床下空間60へと侵入可能となる。こうして、床下空間60を点検することが可能となる。なお、床下点検後は、取り外した蓋体3を外枠2に嵌合させて取り付ける。こうして、玄関土間廻り部100から床下空間60への入り口を閉じることができる。また、蓋体3は、玄関土間部20及び壁部40とほぼ同様に、モルタル5上にタイル6,7が配置されている。このため、蓋体3が外枠2に嵌め込まれている状態において、その外観が維持される。
【0025】
以上に述べたように、本実施形態の玄関土間廻り部100の構造によると、建物の床下空間60を点検するための床下点検口1が、玄関土間廻り部100に設けられた構造となる。より詳細には、本実施形態の床下点検口1は、玄関土間部20及び壁部40に亘って形成された開口部70に設けられる。このため、床下点検口1が、建物の室内の床に設けられるものと比して、床下点検を行う際の準備作業などが容易になる。つまり、床下点検口1が室内の床にないため、床下点検口上に家具などを含む重量物の荷物を退ける必要がなくなり、準備作業が、靴などの軽量物の荷物を退ける程度の容易な作業となる。また、床下点検を行う作業者を玄関から床下空間60に侵入させることが可能となる。また、床下点検口1が玄関土間廻り部100にあるため、床下点検時において、資材などを一旦室内に搬入、又は、室内から搬出する必要もなくなり、床下空間60への資材などの搬入及び搬出を玄関先から容易に行うことが可能となる。
【0026】
また、開口部70が玄関土間部20から壁部40に亘って形成され、縦断面においてL字形状を有し、蓋体3が、水平部3a及び垂直部3bを有し、縦断面においてL字形状を有している。これにより、床下点検口1が玄関土間部20及び壁部40のいずれかにだけ形成されているものよりも、床下空間60に侵入しやすくなる。
【0027】
上述の実施形態においては、蓋体3の水平部3aと垂直部3bとが一体的に形成されているが、
図5に示すように、蓋体203は、分割可能な水平部203aと垂直部203bとで構成されていてもよい。水平部203aは、内外方向Aに長尺な矩形平面形状を有する箱部204aを有する。箱部204aには、上方に開口した凹部が形成されており、その凹部内にモルタル205aが充填され、モルタル205a上にタイル206が配置されている。こうして、水平部203aが構成されている。垂直部203bは、左右方向Bに長尺な矩形平面形状を有する箱部204bを有する。箱部204bには、内外方向Aの外に向かって開口した凹部が形成されており、その凹部内にモルタル205bが充填され、モルタル205b上にタイル207が配置されている。こうして、垂直部203bが構成されている。
【0028】
このような蓋体203においては、外枠2に取り付ける際は、まず、水平部203aを取り付け、その後、垂直部203bを取り付ける。なお、蓋体203を外枠2から取り外す際は、取り付けるときと逆動作で行われる。このように蓋体203が2つに分割されていることで、水平部203a及び垂直部203bの個別の重量が上述の蓋体3よりも軽量となるため、蓋体203を外枠2に嵌め込みやすくなる。
【0029】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、上述の実施形態においては、開口部70が玄関土間部20から壁部40に亘って形成されているが、開口部が切り欠き部23及び分断部43のいずれか一方のみで形成されていてもよい。この場合、切り欠き部23及び分断部43の一方に対応する開口部に、当該開口部の形状に合わせて形成された床下点検口が設けられておればよい。この場合、床下点検口の蓋体が、水平部、及び、垂直部のいずれかから構成されておればよい。なお、ベタ基礎50には、床下点検口の蓋体が取り外されている状態において、外部と床下空間60とをつなぎ、作業者が通過可能な連絡孔部(凹部51の少なくとも一部からなる部分)が形成されておればよい。
【0030】
また、上述の実施形態における蓋体3は、箱部4にモルタル5が充填され、その上にタイル6,7が設置されて構成されているが、必要な強度を有し、外枠2に嵌合可能であれば、どのような材質から構成されていてもよい。
【0031】
また、上述の実施形態における玄関土間部20のタイル22、壁部40のタイル42、及び、蓋体3,203のタイル6,7,206,207のサイズを小さくして、多数設けてもよい。要するに、タイルサイズはどのような大きさでもよく、適宜選定して採用すればよい。
【0032】
また、外枠2の蓋体3,203と対向する面部分(例えば、部分枠2b1の上面及び部分枠2b2の内外方向Aの外側面)、及び、蓋体3,203の外周面であって外枠2と対向する面部分(例えば、水平部3a,203aの下面の周縁部分、及び、垂直部3b,203bの内外方向Aの内側面の周縁部分)の少なくとも一方に、環状のシール材(例えば、パッキン)を設けていてもよい。こうすることで、床下点検口1の気密性が向上する。
【符号の説明】
【0033】
1 床下点検口
2 外枠
3 蓋体
3a 水平部
3b 垂直部
20 玄関土間部
25 玄関出入口
30 玄関床部
35 上がり框
40 壁部
60 床下空間
100 玄関土間廻り部