(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造
(51)【国際特許分類】
E06B 7/36 20060101AFI20221004BHJP
E04B 2/74 20060101ALI20221004BHJP
E05D 15/00 20060101ALI20221004BHJP
E06B 3/88 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
E06B7/36 Z
E04B2/74 501J
E04B2/74 561E
E05D15/00 A
E06B3/88
(21)【出願番号】P 2018163427
(22)【出願日】2018-08-31
【審査請求日】2021-06-28
(73)【特許権者】
【識別番号】307038540
【氏名又は名称】三和シヤッター工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(74)【代理人】
【識別番号】100206106
【氏名又は名称】廣瀬 郁夫
(72)【発明者】
【氏名】村山 思保
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-302475(JP,A)
【文献】特開2000-248818(JP,A)
【文献】実開昭56-157224(JP,U)
【文献】特開平07-324408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00- 7/36
E06B 3/88
E04B 2/72- 2/82
E05D 15/00-15/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内空間を前後に仕切るため設けられる複数のパネル体のうちの少なくとも一枚を移動自在に構成し、
該移動自在なパネル体に設けられる表面板の端縁部に、該パネル体に隣接する隣接部材に対して前後方向からオーバーラップするよう延長される延長面部が設けられ、該延長面部の先端部に、隣接部材のオーバーラップ部位側に向けてL字形に折曲されていてオーバーラップ部位側に向けて起立する折曲片部が形成され、該延長面部と折曲片部とのあいだの折曲コーナー部の内側に補助部材が取付けられた間仕切りにおいて、
前記補助部材は、折曲片部の先端縁よりも隣接部材オーバーラップ部位側に向けて高くなるよう延出した延出部を備え、該延出部に、折曲片部の先端縁を覆う覆い部が設けられている
とともに、該補助部材は、折曲片部の起立方向において延長面部側が不透明、覆い部側が透明の素材で形成されていることを特徴とする間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造。
【請求項2】
延出部は、補助部材のオーバーラップ部位に対向する面部全体が延出することで形成され、覆い部は、延出部から折曲片部の先端縁を覆うように突出形成されていることを特徴とする請求項1記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造。
【請求項3】
補助部材は、不透明素材と透明素材との境界が折曲片部の先端縁を越えない延長面部側の位置に設定されていることを特徴とする請求項
1または2記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造。
【請求項4】
間仕切りは、前後方向に開閉移動自在な開き戸用パネル体と、左右方向にスライド移動自在なスライドパネル体との少なくとも一方を備えて構成され、補助部材は、これら移動自在なパネル体の戸先側端縁部に設けられることを特徴とする請求項1乃至
3の何れか1記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建造物に設けられる室内空間を仕切るため建て付けられる間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ビル等の建造物に設けられる室内空間を、間仕切りを用いて前後(若しくは左右)に仕切る(区画する)ことがあり、このような間仕切りのなかには、間仕切りの構成部材である複数のパネル体の一部または全部を前後方向または左右方向に開閉自在にする等した可動式のものがある。そしてパネル体を、このように可動式にした場合、パネル体の左右方向端縁部は、隣接するパネル体の対向する端縁部(または躯体に設けた縦枠)に対して前後方向からオーバーラップする状態で設け、これによって隣接するパネル体間の対向間隙を通して向こう側が視認されないように対処している。このためこのようなパネル体の端縁部は、パネル体表面板がオーバーラップ部位まで長く延出した構造になっている。この場合に、表面板のオーバーラップ部位を、パネル体の本体部分から平板状のまま延長し、その延長端縁を単に切断しただけの状態であると、切断端がパネル体表面位置に位置することになって外部から直接露出し、視認される状態になって外観上好ましくないだけでなく、切断端に指等が引っ掛かってしまう等の惧れがある。
そこで表面板の切断端縁部をL字形に折曲し、これにより表面板の切断端縁をパネル体表面位置に対して前後方向(パネル体の厚さ方向)内側に位置させる構成にして、切断端縁を視認しづらくすると共に、指等の引っ掛かりを回避する構成にすることが提唱されるが、このようにしたとして、パネル体を開放移動したときには、表面板の切断端縁が折曲端縁部位に位置して直接露出した構成になり、依然として前記問題が残ることになる。
これに対処するため、表面板の切断端縁部を凵字形(またはU字形)に折返し折曲する構成にし、これによって表面板の切断端縁が、パネル体が閉鎖した状態では外部に直接露出しないようにすることが提唱されている(例えば特許文献1参照。)。しかしながらこのものでは、表面板の切断端縁部を凵字形に折返し折曲するための加工が面倒かつ煩雑であるという問題がある。
これに対し、前記L字形に折曲した端縁部の折曲内側に中空状のゴム材を取り付けるようにし、これによって切断端に指等が引っ掛かったりすることを回避する構成にしたものが提唱されている(例えば特許文献2、3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-233577号公報
【文献】特開2000-248818号公報
【文献】特開2010-275804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが前記従来のゴム材を取り付けたものは、表面板の切断端の内側(左右方向内側)にゴム材が設けられるものであるため、表面板の切断端縁がゴム材に外側端面に対して当接する突出状態で設けられるものであるため、依然として直接露出する状態であることには変わりなく、外観性が損なわれるだけでなく、切断端縁にバリが出ていたような場合の問題も想定され、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、室内空間を前後に仕切るため設けられる複数のパネル体のうちの少なくとも一枚を移動自在に構成し、該移動自在なパネル体に設けられる表面板の端縁部に、該パネル体に隣接する隣接部材に対して前後方向からオーバーラップするよう延長される延長面部が設けられ、該延長面部の先端部に、隣接部材のオーバーラップ部位側に向けてL字形に折曲されていてオーバーラップ部位側に向けて起立する折曲片部が形成され、該延長面部と折曲片部とのあいだの折曲コーナー部の内側に補助部材が取付けられた間仕切りにおいて、前記補助部材は、折曲片部の先端縁よりも隣接部材オーバーラップ部位側に向けて高くなるよう延出した延出部を備え、該延出部に、折曲片部の先端縁を覆う覆い部が設けられているとともに、該補助部材は、折曲片部の起立方向において延長面部側が不透明、覆い部側が透明の素材で形成されていることを特徴とする間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造である。
請求項2の発明は、延出部は、補助部材のオーバーラップ部位に対向する面部全体が延出することで形成され、覆い部は、延出部から折曲片部の先端縁を覆うように突出形成されていることを特徴とする請求項1記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造である。
請求項3の発明は、補助部材は、不透明素材と透明素材との境界が折曲片部の先端縁を越えない延長面部側の位置に設定されていることを特徴とする請求項1または2記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造である。
請求項4の発明は、間仕切りは、前後方向に開閉移動自在な開き戸用パネル体と、左右方向にスライド移動自在なスライドパネル体との少なくとも一方を備えて構成され、補助部材は、これら移動自在なパネル体の戸先側端縁部に設けられることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1記載の間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明とすることにより、隣接するパネル体の表面板に延長面部を設けてオーバーラップするようにしたものにおいて、延長面部の先端部に折曲片部を形成し、該延長面部と折曲片部とのコーナー部に補助部材を設けたものでありながら、該補助部材に、折曲片部の先端縁を覆う覆い部が形成されていて、折曲片部の先端縁が覆い部によって覆った状態となり、このため外観性が損なわれることが回避されるだけでなく、切断端縁にバリが出ていたような場合において折曲片部の先端の直接的な露出を回避して指等が接触してしまうようなことを防止することができる。さらに、補助部材は、折曲片部の起立方向において延長面部側が不透明、覆い部側が透明の素材で形成されているため、補助部材を視認したときに、表面板の延長面部側は不透明素材によって目隠しされる一方で、折曲片部の先端縁部位は透明素材を通して視認できることになって、表面板の色に対して目立たないものにできる。
請求項2の発明とすることにより、補助部材のオーバーラップ部位に対向する面部全体が延出し、しかも覆い部は、延長面部から折曲片部の先端縁を覆うように突出形成されたことになる結果、覆い部は、折曲片部の先端縁全体を覆うことになって、折曲片部の先端の直接的な露出を回避して指等が接触してしまうようなことをより確実に防止することができる。
請求項3の発明の発明とすることにより、補助部材が、不透明素材と透明素材との境界が折曲片部の先端縁を越えない延長面部側の位置に設定したものとなって、補助部材を視認したときに、境界を折曲片部の先端縁を越えたものとした場合のように折曲片部の向こう側に不透明部材が異物のように視認されてしまうことが回避される。
請求項4の発明とすることにより、補助部材が、間仕切りとして用いられる前後方向に開閉移動自在、もしくは左右方向にスライド移動自在なパネル体の端縁部に設けられたものになるため、パネル体が移動して折曲片部が直接露出するようになったとしても、補助部材による覆い機能が発揮されることになって開放移動したときに露出する折曲片部の先端の直接的な露出を回避して指等が接触してしまうようなことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】(A)(B)は間仕切りの正面図、平面図である。
【
図3】縦枠と開き戸用パネル体との対向部位の横断面図である。
【
図4】開き戸用パネル体とスライドパネル体との対向部位の横断面図である。
【
図5】スライドパネル体同士の対向部位の横断面図である。
【
図6】(A)(B)(C)(D)は補助部材の正面図、平面図、背面図、補助部材の取付け部位の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は室内空間を前後に仕切るため設けられる間仕切りであって、該間仕切り1は、左右方向に都合四枚のパネル体2、3を一連状に連結することで一枚板状に構成されるものであるが、左右両端側の二枚のパネル体2は、躯体側に建て付けられる縦枠4に対して蝶番5を介して前後方向開閉自在に構成された開き戸タイプのものであって、本実施の形態ではこれを第一パネル体2と称し、左右中央側の二枚のパネル体3は、例えば天井吊り構造になっていて、前記第一パネル体2が開放した状態で左右方向に移動可能(左右方向に移動した過程で、さらに開放した第一パネル体2に積層するよう開き移動する構成にできるが、これらの構成は何れも公知であって、その詳細については省略する。)となった可動タイプのものであって、本実施の形態ではこれを第二パネル体3と称することにする。
尚、前後左右の方向は方向性を関連付けるためにした便宜上の記載であって、本発明はこれに限定されないものであることは勿論である。
【0009】
そして第一パネル体2は、戸先側端部の表面(前面、正面)側面部に錠体6が突出状に設けられるが、該錠体6は、図示しない操作冶具(例えばL字形に折曲した六角棒)を挿入した状態で回転(回動)操作およびパネル体2の引き操作(開放操作)できるようになっており、そして錠体6を回動操作をすることにより、錠体6に一体的に設けられた係止体7が回動することになって、該係止体7が第二パネル体3に設けた受け体8に当接して開放規制される位置と、当接回避されて開放操作できる位置とに移動することになり、これによってパネル体2の施錠、解錠ができるようになっている。
また第二パネル体3の戸尻側端部の背面(後面)側面部に操作具9が設けられているが、該操作具9を操作することで、操作具9に連動する移動規制体が床面(若しくは天井面、あるいは両面)に離接する等して干渉することになり、これによって第二パネル体3の開閉移動の規制、許容の切換えができるようになっている。
【0010】
前記第一パネル体2の構成部材である左右(戸尻側、戸先側)の縦框(縦フレーム材)10、11は、表面側(前面側)面部10a、11aが左右方向外側に延出した延長部10b、11bを有し、表面板(前面板)12は、該延長部10b、11bの端縁にまで至るよう延長面部12aが形成され、該延長面部12aの縦框表面側面部10a、11aの延長端縁にまで至ったたものが、後側(背面側)に向けてL字形に折曲される折曲片部12bが設けられたものとなっている。
一方、前記第一パネル体2の縦框10、11の背面側面部10c、11cは、表面側面部10a、11aのように延長部10b、11bがないものとなっており、背面板(後面板)13は、縦框10、11の背面側面部10c、11cの端縁コーナー部に至ったものが、前側(表面側)に向けてL字形に折曲される折曲片部13aが設けられたものとなっている。
そして蝶番5は、一半部5aが縦枠4に固定され、他半部5bが背面側面部10cに固定されるようになっており、錠体6は戸先側縦框11に設けられている。
【0011】
また、第二パネル体3の構成部材である左右(戸尻側、戸先側)の縦框のうち、第一パネル体2に隣接する側(戸尻側)の縦框14については、第一パネル体2の戸先側縦框延長部11bに対して間隙Xを存する状態で左右方向に近接対向するよう表面側面部14aから延出された第一延長部14bが形成されている。また、該縦框14の背面側面部14cの先端縁から折曲状に続く見込み面部(該見込み面部については、本実施の形態では背面側面部14cとは別体のものとして設けられているが、一体であってもよい。)14dは、表面側面部14aに至る(当接する)前の離間した位置において隣接する第一パネル体2側に向けて折曲されており、これによって第二延長部14eが形成されるが、該第二延長部14eは、第一延長部14bおよび第一パネル体2側の縦框延長部11bに対して背面側に離間する状態(平行状態)で、第一パネル体側縦框延長部11bの左右方向中間部にまで至ったものが、さらに背面側に折曲されて延長見込み部14fが形成され、さらのこの延長見込み部14fの背面側端縁から第二パネル体3側に折曲されて背面側延長面部14gが形成されたものとなっている。そして隣接する第一、第二パネル体2、3同士が間仕切りとして何れも閉鎖している状態では、左右に幅広な第二延長部14eに対して、互いに対向する縦框11、14の延長部11b、14bが前後方向にオーバーラップ(積層)する所謂相决り構造となっていて、間仕切り1を介して前後方向の視認ができないようになっている。尚、延長見込み部14fに前記ラッチ受け8が取付けられた構成になっている。
【0012】
これに対し、第二パネル体3の戸先側端縁部は、隣接する第二パネル体3の端縁部同士が対向することになり、このため本実施の形態では、一方の第二パネル体3の戸先側縦框15については、前記戸尻側縦框14と同様、表面側面部15a、第一延長部15b、背面側面部15c、見込み面部(該見込み面部についても、本実施の形態では背面側面部15cとは別体のものとして設けられているが、一体であってもよい。)15d、第二延長部15e、延長見込み部15f、背面側延長面部15gを有したもので形成されるのに対し、他方の第二パネル体3の戸先側縦框16については、表面側面部16aに第一延長部16bが設けられただけのものとなっており、このようにして前記相决り構造が構成されている。尚、16cは戸先側縦框16の背面側面である。
【0013】
さらに第二パネル体3に設けられる表面板17は、左右縦框14、15または16の表面側面部14a、15aまたは16aに設けられる延長部14b、15bまたは16bの端縁にまで至るよう延長面部17aが形成され、該延長面部17aの縦框延長部14b、15bまたは16bの延長端縁にまで至ったものが、後側(背面側)に向けてL字形に折曲される折曲片部17bが設けられたものとなっている。
一方、第二パネル体3に設けられる背面板18は、同様にして縦框14、15または16の背面側面部14c、15cまたは16cの端縁コーナー部に至ったものが、前側(表面側)に向けてL字形に折曲される折曲片部18aが設けられたものとなっている。
【0014】
19は本発明を実施するための補助部材であって、該補助部材19は、前記縦框の相决り構造を構成する部位に何れも同様の状態で取付けられるものであり、前記オーバーラップ部位において、表面板12、17の延長面部12a、17aと折曲片部12b、17bとのコーナー部の内側(背面側、裏面側)に取付けられるものであって、該補助部材19は、延長面部12a、17aへ取付けるにあたり、本実施の形態では縦框延出部10b、11b、14b、15b、16bを介在する状態で取付けられることになる(本発明においては、縦框に延出部がないものにおいても実施でき、その場合には、延長面部12a、17aに直接取り付けることになる。)が、その取付け面への取付け手法として、両面粘着テープで構成される止着材(接着剤(接着材)を採用してもよい。さらに補助部材19を止着する(取付ける)手段としては、粘着や接着に限定されず、機械的に無理嵌め嵌合するもの、係脱自在に係合するもの等、適宜のものを採用することができる。)19aが設けられていて、前記延長面部12a、17aに止着する状態で取付けできるようになっているが、該取付けられた補助部材19は、折曲片部12b、17bに沿う(対向する)縦面部19bが設けられ、折曲片部12b、17bよりも高くなるようオーバーラップ部位側(背面側)に向けて延出した延出部19cを備えているが、該延出部19cには、折曲片部12b、17bの先端部を覆うべく左右方向に突出した覆い部19dが設けられている。
さらに本実施の補助部材19は、折曲片部12b、17bの起立方向において、表面板12、17の延長面部12a、17a側が不透明の素材19e、覆い部19d側が透明の素材19fで形成された所謂二色(二材)成形品となっているが、その不透明素材19e、透明素材19fの境界Yは、折曲片部12b、17bを越えない位置、つまり折曲片部12b、17bの先端縁よりも延長面部12a、17a側位置となっている。
因みに補助部材19は、パネル体2、3の全高さ方向に亘って長尺状のものとして設けられるが、例えば蝶番5のような部材が途中に設けられている場合には、該部材を避ける(部材部分が切欠かれる)ようにして設けられる構成にし、これによって折曲片部12b、17bの露出が無いように配慮されている。
【0015】
叙述の如く構成された本実施の形態において、室内空間を前後に仕切る間仕切り1において、該間仕切り1を構成するパネル体2、3が開閉移動自在である場合、該移動自在なパネル体2、3に設けられる表面板12、17の端縁部に、隣接するパネル体2、3の隣接部材である第二延長部14e、15eに対して前後方向からオーバーラップするよう延長される延長面部12a、17aが設けられ、そして該延長面部12a、17aの先端部には、前記第二延長部14e、15eのオーバーラップ部位側に向けてL字形に折曲されていて該オーバーラップ部位側に向けて起立する折曲片部12b、17bが形成され、該延長面部12a、17aと折曲片部12b、17bとのあいだのコーナー部の内側に、縦框延出部10b、11b、14b、15b、16bを介する状態ではあるが、補助部材19が取付けられている。そしてこの場合の補助部材19は、折曲片部12b、17bの先端縁よりもオーバーラップ部位側に向けて高くなるよう延出した延出部19cを備え、該延出部19cに、折曲片部12b、17bの先端縁を覆う覆い部19dが設けられている結果、隣接するパネル体2、3同士の表面板12、17または17、17に延長面部12a、17aを設けて隣接パネル体側にオーバーラップするようにしたものにおいて、延長面部12a、17aの先端部に折曲片部12b、17bを形成し、該延長面部12a、17aと折曲片部12b、17bとのコーナー部に補助部材19を設けたものでありながら、該補助部材19には折曲片部12b、17bの先端縁を覆う覆い部19dが形成され、該覆い部19dによって折曲片部12b、17bの先端縁を覆った状態となり、このため外観性が損なわれることが回避されるだけでなく、折曲片部12b、17bの切断端縁にバリが出ていたような場合においての保護を図ることができる。
【0016】
しかもこの場合に、延出部19cは、補助部材19のオーバーラップ部位に対向する面部全体が延出するようにして形成され、覆い部19dは、延出部19cから折曲片部12b、17bの先端縁を覆うように左右方向に突出形成されているため、覆い部19dにより、折曲片部12b、17bの先端縁全体を包むように覆うことになって、折曲片部12b、17bの先端部を確実に覆うことができて指等が触れてしまうことをより確実に回避することができる。
【0017】
そしてこのものにおいて、補助部材19は、折曲片部12b、17bの起立方向において延長面部12a、17a側が不透明素材19e、覆い部19d側が透明素材19fで形成されているため、補助部材19を視認したときに、表面板12、17の延長面部12a、17a側は不透明素材19eによって目隠しされることになって止着材19aが補助部材19を通して視認されるようなことが回避される一方で、折曲片部12b、17bの先端縁部位は透明素材19fを通して視認できることになって違和感のないものにできる。
またさらにこの場合に、補助部材19は、不透明素材19eと透明素材19fとの境界Yが折曲片部の先端縁を越えない延長面部側の位置に設定されているため、折曲片部12b、17b側から視認したときに、境界Yを折曲片部12b、17bの先端縁を越えたものとした場合のように折曲片部12b、17bの向こう側に不透明部材19eが異物のように視認されてしまうことが回避される。
【0018】
またこのものでは、間仕切り1として、前後方向に開閉自在な開き戸用パネル体2と、左右方向にスライド移動自在なスライドパネル体3とを備えたものとして構成し、前記補助部材19を、これらパネル体2、3の端縁部に設けられたものになるため、パネル体2、3が開放移動して折曲片部12b、17bが直接露出するようになったとしても、補助部材19による折曲片部12b、17bの覆い機能が発揮されることになって開放移動したときに露出する折曲片部12b、17bの保護が図れることになる。
【0019】
尚、本発明は前記実施の形態に限定されないものであることは勿論であって、補助部材としては、左右両側に延出部が形成されることで、左右に方向性がないものとして使用できるため都合が良いが、これに限定される必要はなく、一方側に形成されたものであってもよいことは勿論である。
さらに前記本実施の形態では、補助部材を、オーバーラップ部位と一体になっていて、移動しても離間することがない部位にも設けたものとしているが、該部位には必ずしも設ける必要はなく、必要において設けることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0020】
本発明は、建造物に設けられる室内空間を仕切るため建て付けられる間仕切りにおけるパネル体の端縁部構造として利用することができる。
【符号の説明】
【0021】
1 間仕切り
2 第一パネル体
3 第二パネル体
12 表面板
12a 延長面部
12b 折曲片部
17 表面板
17a 延長面部
17b 折曲片部
19 補助部材
19c 延出部
19d 覆い部
19e 不透明素材
19f 透明素材
Y 境界