(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ウェアラブル血圧測定装置
(51)【国際特許分類】
A61B 5/022 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
A61B5/022 100B
A61B5/022 300F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018198997
(22)【出願日】2018-10-23
【審査請求日】2021-04-12
(32)【優先日】2017-11-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】508252837
【氏名又は名称】研能科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Microjet Technology Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1F, No.28, R&D 2nd Road, Science-Based Industrial Park, Hsin-Chu, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】莫皓然
(72)【発明者】
【氏名】陳世昌
(72)【発明者】
【氏名】廖家▲ユ▼
(72)【発明者】
【氏名】韓永隆
(72)【発明者】
【氏名】黄啓峰
(72)【発明者】
【氏名】李偉銘
【審査官】▲高▼原 悠佑
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0287103(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0177187(US,A1)
【文献】特開2017-133506(JP,A)
【文献】特開2017-026155(JP,A)
【文献】特開2017-121276(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106974632(CN,A)
【文献】特許第6172351(JP,B1)
【文献】特開2011-239840(JP,A)
【文献】実開昭63-197509(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/02-5/03
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕時計ベルト、バルブシート、集気座体、気体輸送装置、弾性媒体及び圧力センサを含むウェアラブル血圧測定装置であって、
前記腕時計ベルトは、嵌設領域を有し、前記嵌設領域に第1収容溝、第2収容溝、集気貫通孔及び圧力解放貫通孔が設けられ、前記集気貫通孔が前記第1収容溝と前記第2収容溝とを連通し、前記圧力解放貫通孔が前記第1収容溝と前記腕時計ベルトの外部とを連通し、
前記バルブシートは、前記第1収容溝内に重ねて設けられ、前記集気貫通孔に対応するバルブ孔を有し、
前記集気座体は、前記第1収容溝内に設けられ、且つ前記バルブシート上に重ねられ、複数の貫通孔を有し、
前記気体輸送装置は、前記集気座体をカバーするように配置され、気体を前記集気座体の前記複数の貫通孔から導入し、前記バルブシートを押し付けて前記バルブ孔を前記集気貫通孔に連通することによって気体を前記第2収容溝に導入して収集し、
前記弾性媒体は、前記第2収容溝内に密封され、気体充填により弾性変位し、
前記圧力センサは、前記弾性媒体に重ねて設けられ、
前記気体輸送装置が作動することにより、気体を前記弾性媒体に輸送し、前記弾性媒体が気体充填により膨脹し、前記圧力センサを使用者の測定部位に当接するように押し付けることによって、プレススキャンにより目標動脈に対して血圧を測定することを特徴とするウェアラブル血圧測定装置。
【請求項2】
前記圧力センサは、アレイ型の圧力センサであることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項3】
駆動制御モジュール及び送信モジュールをさらに含み、前記駆動制御モジュールは、前記腕時計ベルトに設けられ、前記気体輸送装置を制御し、前記送信モジュールは、前記駆動制御モジュールに設けられ、測定した装着使用者の血圧の数値情報を外部
装置に送信することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項4】
前記駆動制御モジュールは、前記圧力センサの測定した血圧の数値情報を表示するスクリーンをさらに含むことを特徴とする請求項3に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項5】
前記送信モジュールは、USB、mini-USB、micro-USBの少なくとも1つの有線送信モジュールであることを特徴とする請求項3に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項6】
前記送信モジュールは、Wi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、無線周波数識別モジュール及び近接通信モジュールの少なくとも1つの無線送信モジュールであることを特徴とする請求項3に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項7】
前記外部装置は、クラウドシステム、ポータブルデバイス及びコンピュータシステムの少なくとも1つであることを特徴とする請求項3に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項8】
前記第1収容溝に、第1集気室及び第1圧力解放室が凹設され、前記第1集気室と前記第1圧力解放室の間に連通流路が設けられ、前記集気貫通孔が前記第1集気室に連通し、前記圧力解放貫通孔が前記第1圧力解放室に連通し、前記第1圧力解放室に第1突出構造を有し、前記第1突出構造が前記圧力解放貫通孔の周縁に沿って設けられていることを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項9】
前記集気座体は、第2集気室、第2圧力解放室を有し、前記第2集気室が前記第1収容溝の前記第1集気室に対応し、前記第2圧力解放室が前記第1収容溝の前記第1圧力解放室に対応し、且つ前記複数の貫通孔は、第1貫通孔及び第2貫通孔を含み、前記第1貫通孔が前記第2集気室に連通し、前記第2貫通孔が前記第2圧力解放室に連通し、前記第2集気室に第2突出構造を有し、前記第2突出構造が前記バルブシートの前記バルブ孔の位置に当接して付勢力作用を形成し、前記バルブ孔を密封し、前記気体輸送装置が作動して気体を前記第1貫通孔、前記第2貫通孔から導入するときに、導入された気体が前記バルブシートを押して変位させることで、前記バルブシートが前記第1突出構造に当接して前記圧力解放貫通孔を密封し、且つ前記バルブ孔が前記第2突出構造の付勢力作用から脱離することにより、気体が前記バルブ孔から導入され、前記集気貫通孔を経て前記第2収容溝に進入して収集され、前記弾性媒体が気体充填により膨脹し、前記圧力センサを押し上げることによって、前記圧力センサが使用者の皮膚に当接するように変位し、血圧を測定することを特徴とする請求項8に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項10】
前記気体輸送装置が気体輸送動作を停止すると、前記第2収容溝に収集された気体の圧力が前記第1貫通孔、前記第2貫通孔での気圧よりも大きいため、前記収集された気体が前記バルブシートを押して変位させることで、前記第2貫通孔を密封し、前記圧力解放貫通孔を開放するとともに、前記バルブ孔を前記第2突出構造に当接させ、該当接による付勢力作用により前記第1貫通孔を密封し、この場合、前記収集された気体が前記連通流路から前記圧力解放貫通孔に導出され、前記腕時計ベルトの外部に排出されることによって、前記弾性媒体の圧力解放が実行され、且つ前記圧力センサが前記第2収容溝内に戻ることを特徴とする請求項
9に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項11】
前記気体輸送装置は、気体導入板、共振シート、圧電駆動素子、導電シート、第1絶縁シート、及び第2絶縁シートを含み、
前記気体導入板は、少なくとも1つの気体導入孔、少なくとも1つの合流ガイド孔及び合流室を有し、前記少なくとも1つの気体導入孔が気流を導入するために用いられ、前記合流ガイド孔が前記気体導入孔に対応し、前記気体導入孔の気流を前記合流室に合流するようにガイドし、
前記共振シートは、前記合流室に対応する中空孔を有し、且つ前記中空孔の周囲が可動部であり、
前記圧電駆動素子は、前記共振シートに対応して設けられ、
前記気体導入板、前記共振シート、前記圧電駆動素子、前記第1絶縁シート、前記導電シート及び前記第2絶縁シートは、順次に重ねて設けられ、且つ前記共振シートと前記圧電駆動素子との間に
間隙を有することで、前記圧電駆動素子が駆動されるときに、気流が前記気体導入板の前記少なくとも1つの気体導入孔から導入され、前記少なくとも1つの合流ガイド孔を経て前記合流室に合流し、前記共振シートの前記中空孔を通過して前記間隙内に入り、前記圧電駆動素子と前記共振シートの前記可動部が共振を発生して気流を輸送することを特徴とする請求項1に記載のウェアラブル血圧測定装置。
【請求項12】
少なくとも1つの腕時計ベルト、少なくとも1つのバルブシート、少なくとも1つの集気座体、少なくとも1つの気体輸送装置、少なくとも1つの弾性媒体、及び少なくとも1つの圧力センサを含むウェアラブル血圧測定装置であって、
前記少なくとも1つの腕時計ベルトは、少なくとも1つの嵌設領域を有し、前記嵌設領域に少なくとも1つの第1収容溝、少なくとも1つの第2収容溝、少なくとも1つの集気貫通孔及び少なくとも1つの圧力解放貫通孔が設けられ、前記集気貫通孔が前記第1収容溝と前記第2収容溝とを連通し、前記圧力解放貫通孔が前記第1収容溝と前記腕時計ベルトの外部とを連通し、
前記少なくとも1つのバルブシートは、前記第1収容溝内に重ねて設けられ、前記集気貫通孔に対応する少なくとも1つのバルブ孔を有し、
前記少なくとも1つの集気座体は、前記第1収容溝内に設けられ、且つ前記バルブシート上に重ねられ、複数の貫通孔を有し、
前記少なくとも1つの気体輸送装置は、前記集気座体をカバーするように配置され、気体を前記集気座体の前記複数の貫通孔から導入し、前記バルブシートを押し付けて前記バルブ孔を前記集気貫通孔に連通することによって気体を前記第2収容溝に導入して収集し、
前記少なくとも1つの弾性媒体は、前記第2収容溝内に密封され、気体充填により弾性変位し、
前記少なくとも1つの圧力センサは、前記弾性媒体に重ねて設けられ、
前記気体輸送装置が作動することにより、気体を前記弾性媒体に輸送し、前記弾性媒体が気体充填により膨脹し、前記圧力センサを使用者の測定部位に当接するように押し付けることによって、プレススキャンにより目標動脈に対して血圧を測定することを特徴とするウェアラブル血圧測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェアラブル装置に関し、特に気体輸送装置、弾性媒体、圧力センサを有するウェアラブル血圧測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースの速く、人々のストレスが高まっている現代社会では、健康を追求する意識は徐々に高まっており、健康を定期的に測定または検査する人が多くなっている。一般的には、従来において人体生理健康情報データの測定は、主に固定の血圧計又は体積が大きな検出装置により行っており、これらの検出装置には、通常モータ型カスポンプ、エアバッグ、センサ、リリースバルブ、電池等の部品が含まれる。モータ型カスポンプは、摩擦により損耗されやすく、且つこれらの部品を組み立てた後の体積が大きいことから、頻繁な使用には適していない。体積が小さいモータ型カスポンプを使用すると、摩擦による損耗が速くなり、より多くのエネルギーが消費されることになる。
【0003】
自分の健康状態を定期的に測定するのを容易にすると共に、測定装置の携帯を容易にするために、市販されているウェアラブル健康測定装置は多くなっている。しかし、市販されている一般的なウェアラブル健康測定装置は、通常、光学的検出方法により測定する。しかし、このような光学的検出方法は、精度が高くないため、誤差が発生する場合が多く、信頼性が高いデータを効果的に得ることができないので、使用者は、自分の健康に関する正確なデータを得ることができず、判断に誤りが生じやすい。
【0004】
受検者の生理情報を測定しようとする場合、通常、頭部、心臓部位、手首又は足首等の部位を選んで測定する。これらの部位は、脈拍、血圧及び心拍数等の情報を最も測定しやすい部位であり、これらの部位で測定することにより、受検者の生理健康情報を迅速かつ効果的に把握することができる。しかし、上記のように、光学的検出方法を用いたウェアラブル健康測定装置では、精度が高くないため、測定したデータ資料の信頼性が低い一方、市販されている信頼性が高い血圧計又は他の測定装置では、装置の体積が大き過ぎるため、小型化、軽量化、携帯可能という目的を達成できない。
【0005】
そのため、上記の従来技術の欠陥を改善できる、小型化、軽量化、携帯可能、省エネ、高精度のウェアラブル血圧測定装置を如何に達成するかは、解決が必要な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主目的は、気体輸送装置、弾性媒体、圧力センサを有するウェアラブル血圧測定装置を提供することである。圧電駆動型の気体輸送装置により気体を弾性媒体に輸送し、弾性媒体を気体充填により膨脹させ、次いでその対向する位置に設けられた圧力センサにより装着使用者の血圧情報を測定する。これにより、従来技術において測定装置の体積が大きく、小型化、軽量化、携帯可能という目的を達成しにくく、電力消費が大きい問題を解決するとともに、従来技術における光学的検出方法を用いた健康測定装置の精度が高くない問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態は、腕時計ベルト、バルブシート、集気座体、気体輸送装置、弾性媒体及び圧力センサを含むウェアラブル血圧測定装置であって、前記腕時計ベルトは、嵌設領域を有し、前記嵌設領域に第1収容溝、第2収容溝、集気貫通孔及び圧力解放貫通孔が設けられ、前記集気貫通孔は、前記第1収容溝と前記第2収容溝とを連通し、前記圧力解放貫通孔は、前記第1収容溝と前記腕時計ベルトの外部とを連通し、前記バルブシートは、前記第1収容溝内に重ねて設けられ、前記集気貫通孔に対応するバルブ孔を有し、前記集気座体は、前記第1収容溝内に設けられ、且つ前記バルブシート上に重ねられ、複数の貫通孔を有し、前記気体輸送装置は、前記集気座体をカバーするように配置され、気体を前記集気座体の前記複数の貫通孔から導入し、前記バルブシートを押し付けて前記バルブ孔を前記集気貫通孔に連通することによって気体を前記第2収容溝に導入して収集し、前記弾性媒体は、前記第2収容溝内に密封され、気体充填により弾性変位し、前記圧力センサは、前記弾性媒体に重ねて設けられ、 前記気体輸送装置が作動することにより、気体を前記弾性媒体に輸送し、前記弾性媒体が気体充填により膨脹し、前記圧力センサを使用者の測定部位に当接するように押し付けることによって、プレススキャンにより目標動脈に対して血圧を測定するウェアラブル血圧測定装置を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、本発明のウェアラブル血圧測定装置の全体構造の模式図である。
【
図2】
図2は、本発明のウェアラブル血圧測定装置の局所拡大模式図である。
【
図3A】
図3Aは、本発明のウェアラブル血圧測定装置の気体輸送装置の構造模式図である。
【
図5】
図5は、本発明のウェアラブル血圧測定装置を使用者の手首に装着した様子の模式図である。
【
図6】
図6は、本発明のウェアラブル血圧測定装置の測定作動の模式図である。
【
図7】
図7は、本発明の気体輸送装置の圧力解放の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の特徴及び利点を示す典型的な実施例を詳しく説明する。理解されるべきであることは、本発明の異なる態様には様々な変化があり、何れも本発明の範囲に含まれ、それについての説明及び図面は本質的に説明するためのものであり、本発明を制限するものではない。
【0010】
図1及び
図2を参照されたい。本発明のウェアラブル血圧測定装置100は、少なくとも1つの腕時計ベルト2、少なくとも1つの嵌設領域21、少なくとも1つの第1収容溝211、少なくとも1つの第2収容溝212、少なくとも1つの集気貫通孔213、少なくとも1つの圧力解放貫通孔214、少なくとも1つのバルブシート22、少なくとも1つのバルブ孔221、少なくとも1つの集気座体23、少なくとも1つの気体輸送装置24、少なくとも1つの弾性媒体25、少なくとも1つの圧力センサ26を含む。以下の実施例において、腕時計ベルト2、嵌設領域21、第1収容溝211、第2収容溝212、集気貫通孔213、圧力解放貫通孔214、バルブシート22、バルブ孔221、集気座体23、気体輸送装置24、弾性媒体25、圧力センサ26について、それぞれの数を1個にして説明するが、この限りではない。腕時計ベルト2、嵌設領域21、第1収容溝211、第2収容溝212、集気貫通孔213、圧力解放貫通孔214、バルブシート22、バルブ孔221、集気座体23、気体輸送装置24、弾性媒体25、圧力センサ26は、複数の組合せであってもよい。
【0011】
図1及び
図2を参照されたい。
図1は、本発明のウェアラブル血圧測定装置の模式図であり、
図2は、
図1のウェアラブル血圧測定装置の局所拡大模式図である。本発明のウェアラブル血圧測定装置100は、使用者の手首部位に装着され得るが、この限りではない。本実施例において、ウェアラブル血圧測定装置100は、駆動制御モジュール1及び腕時計ベルト2を含む。本実施例において、ウェアラブル血圧測定装置100の腕時計ベルト2は、軟質又は硬質材料で作製された環状ベルト構造である。例えば、シリコーン材料、プラスチック材料、金属材料又は他の材料であり得るが、この限りではない。腕時計ベルト2は、主に装着使用者の特定部位、例えば、手首又は足首に取り巻いて設けられるが、この限りではない。腕時計ベルト2は、両端がベルクロ、凹凸による締結、又は腕時計ベルトに常用されるバックルリングにより接続されてもよいか、又は、一体に形成された環状構造等であってもよい。腕時計ベルト2の両端の接続方式は、必要に応じて変更されることができ、この限りではない。
【0012】
ウェアラブル血圧測定装置100の腕時計ベルト2は、装着使用者の特定部位に取り巻いて設けられるために用いられるだけではなく、駆動制御モジュール1の搭載のためにも用いられる。その接続方式は、一体成形であってもよいか、又は別途に腕時計ベルト2に穿設されてもよいが、この限りではない。本実施において、駆動制御モジュール1は、スクリーン11をさらに含む。スクリーン11は、駆動制御モジュール1に対応して設けられ、血圧情報を表示するために用いられるが、この限りではない。本実施例において、スクリーン11は、タッチスクリーンであり得る。装着使用者は、スクリーン11をタッチして所望の情報を選択することができる。上記情報は、装着使用者の血圧情報、時間情報、発信者番号情報等の少なくとも1つを含み得る。
【0013】
本実施例において、ウェアラブル血圧測定装置100は、送信モジュール12をさらに含んでもよい。送信モジュール12は、駆動制御モジュール1に設けられることができ、測定した血圧情報を外部裝置(図示せず)に送信し、さらなる分析統計を行うことで、装着使用者の健康状態を把握する。しかし、送信モジュール12の位置は、この限りではなく、必要に応じて変化することができる。いくつかの実施例において、送信モジュール12は、有線送信モジュール、例えば、USB、mini-USB又はmicro-USBであり得るが、これらに限定されない。別の実施例において、送信モジュールは、無線送信モジュール、例えば、Wi-Fiモジュール、ブルートゥースモジュール、無線周波数識別モジュール(Radio Frequency Identification,RFID)又は近接通信モジュール(Near Field Communication,NFC)であり得るが、これらに限定されない。また、送信モジュール12は、有線送信モジュール及び無線送信モジュールを同時に含んでもよい。その資料伝送態様は、実際の必要に応じて変更することができる。駆動制御モジュール1に記憶された装着使用者の生理情報を外部装置に送信できる実施形態であれば、本発明の保護範囲に含まれるため、ここで、詳細な説明を省略する。また、本実施例において、外部装置は、クラウドシステム、ポータブルデバイス、コンピュータシステム等であり得るが、これらに限定されない。これらの外部装置は、主に本発明のウェアラブル血圧測定装置100が送信してきた装着使用者の生理情報を受信し、プログラムによりこれらの情報をさらに分析して比較することにより、装着使用者の生理健康状況をより把握する。
【0014】
図2を参照されたい。腕時計ベルト2は、嵌設領域21を有する。該嵌設領域21に第1収容溝211、第2収容溝212、集気貫通孔213及び圧力解放貫通孔214が設けられ、集気貫通孔213は、第1収容溝211と第2収容溝212との間に位置する。第1収容溝211と第2収容溝212は、集気貫通孔213により連通する。圧力解放貫通孔214は、第1収容溝211と腕時計ベルト2の外部とを連通させる。腕時計ベルト2の第1収容溝211に第1集気室215及び第1圧力解放室216が凹設される。第1集気室215と第1圧力解放室216との間に連通流路217が設けられることで、両者が連通される。第1集気室215は、集気貫通孔213に連通し、第1圧力解放室216は、圧力解放貫通孔214に連通する。さらに、第1圧力解放室216内に第1突出構造218が設けられる。第1突出構造218は、圧力解放貫通孔214の周縁に沿って設けられる。
【0015】
図2~
図3Cを参照されたい。本発明のウェアラブル血圧測定装置100は、バルブシート22、集気座体23、気体輸送装置24、弾性媒体25及び圧力センサ26をさらに含む。バルブシート22は、第1収容溝211内に重ねて設けられ、バルブ孔221を有する。バルブ孔221は、集気貫通孔213に対応する。集気座体23は、第1収容溝211内に設けられ、且つバルブシート22上に重ねて設けられており、第2集気室231、第2圧力解放室232、複数の貫通孔及び第2突出構造235を有する。複数の貫通孔は、第2貫通孔234を含む。第2貫通孔234は、圧力解放貫通孔214に対して垂直に位置合わせされる。複数の貫通孔は、第1貫通孔233を含む。第1貫通孔233は、バルブ孔221及び集気貫通孔213とずれるように設けられる。気体輸送装置24は、集気座体23に重ねて設けられており、気体を集気座体23に輸送し、バルブシート22をバルブ孔221と集気貫通孔213とが連通するように押すことによって、気体はバルブ孔221及び集気貫通孔213をスムーズに通過して第2収容溝212に導入され、集気を行う。
【0016】
図2を参照されたい。弾性媒体25は、第2収容溝212内に設けられ、集気貫通孔213に連通する。気体は集気貫通孔213を経て弾性媒体25内に入ることで、弾性媒体25を膨脹させることができる。圧力センサ26は、弾性媒体25に重ねて設けられ、弾性媒体25の膨張により圧力センサ26を使用者の皮膚に当接するまで使用者の手首方向に移動させ、そして、プレススキャンにより使用者の目標動脈に対して血圧を測定する。上記圧力センサ26は、アレイ型圧力センサであり得る。
【0017】
図2を参照されたい。集気座体23は、第2集気室231、第2圧力解放室232、第1貫通孔233、第2貫通孔234、第2突出構造235及び連通溝236を有する。第2集気室231は、集気座体23上に凹んで形成され、第1集気室215に対応して集気室を形成する。第2集気室231と第1集気室215は、バルブシート22によって隔離され、バルブシート22の変位によりバルブ孔221を開放することで第2集気室231と第1集気室215との連通を実現できる。第2圧力解放室232は、同様に集気座体23上に凹んで形成され、第1圧力解放室216に対応して圧力解放室を形成する。第2圧力解放室232と第1圧力解放室216とは、バルブシート22によって隔離され、連通溝236は、第1貫通孔233を介して第2集気室231に連通する。第1貫通孔233は、集気貫通孔213とずれて設けられる。連通溝236は、第2貫通孔234を介して第2圧力解放室232に連通する。第2貫通孔234は、圧力解放貫通孔214と垂直方向に対応して設けられる。第2突出構造235は、第1貫通孔233に近い位置に設けられ、バルブシート22のバルブ孔221と垂直方向に対応して設けられるが、この限りではない。気体が集気座体23に導入されていないときに、バルブシート22は、第2突出構造235に強く当接し、この場合、第2突出構造235はバルブシート22のバルブ孔221を密封する。
【0018】
さらに、気体が集気座体23の第1貫通孔233及び第2貫通孔234を通過した場合、気体は、バルブシート22を変位させるように押すことによって、バルブシート22のバルブ孔221を第2突出構造235から離させ、バルブ孔221と集気貫通孔213とを連通させ、それによって、気体は、バルブ孔221及び集気貫通孔213を通過して第2収容溝212の弾性媒体25内に流入し、気体がバルブシート22を変位させるように押すと同時に、バルブシート22は、第1突出構造218に当接して圧力解放貫通孔214をカバーし、圧力解放貫通孔214を密封することで、気体が圧力解放貫通孔214から外へ輸出されることを回避し、気体輸送装置24が輸送した気体を弾性媒体25に集中して輸送することができる。
【0019】
図2、
図3A、
図3B及び
図3Cを参照されたい。本実施例において、気体輸送装置24は、気体導入板241、共振シート242、圧電駆動素子243、第1絶縁シート244、導電シート245及び第2絶縁シート246を順次に積み重ねてなる。気体導入板241は、少なくとも1つの気体導入孔241a、少なくとも1つの合流ガイド孔241b及び合流室241cを含む。少なくとも1つの気体導入孔241aと少なくとも1つの合流ガイド孔241bの数は同じであり、本実施例において、いずれも4個である。気体導入孔241aの一端が気体輸送装置24外に連通し、他端が合流ガイド孔241bの一端に連通し、各合流ガイド孔241bの他端は、合流室241cに連通し、それによって、気体が気体導入孔241aから入った後、それと連通する合流ガイド孔241bを通過して合流室241cに合流する。
【0020】
さらに、共振シート242は、垂直方向に気体導入板241の合流室241cに対応する中空孔242aを有する。共振シート242の中空孔242aの周囲は、可動部242bである。圧電駆動素子243は、共振シート242に対応して設けられる。圧電駆動素子243は、懸吊板243a及び圧電シート243bを有する。圧電シート243bは、懸吊板243aの一面に貼り付けられる。圧電シート243bの外型は、懸吊板243aに対応する。圧電シート243bの辺長は、懸吊板243aの辺長以下である。圧電シート243bに電圧を印加すると、圧電シート243bは圧電効果により変形し、ひいては懸吊板243aを連動して上下に振動させるとともに、同期に共振原理により共振シート242を連動して共振を発生させる。
【0021】
図4A及び4Bを参照されたい。気体輸送装置24が作動すると、その圧電駆動素子243の圧電シート243bが圧電駆動され、圧電効果により変形し、ひいては懸吊板243aを連動して変位させる。圧電駆動素子243が作動し始めると、共振シート242の可動部242bは、その懸吊板243aの連動により懸吊板243aと共振し始め、この場合に、圧電シート243bが懸吊板243aを連動して変位させるときに、懸吊板243aと共振シート242との間の容積が変化し、外部から気体を吸引する。それによって、気体は、気体導入板241の気体導入孔241aから進入し、合流ガイド孔241bを経て合流室241cに導入され、共振シート242の中空孔242aから気体輸送装置24内に進入し、連通溝236を通過し、さらに第1貫通孔233及び第2貫通孔234を経て第2集気室231及び第2圧力解放室232に入る。
図4Bを参照されたい。気体が集気座体23に入った後、気体の圧力によりバルブシート22が押し上げられて変位し、バルブシート22でのバルブ孔221が第2突出構造235の付勢作用から脱離し、バルブ孔221が開放されて集気貫通孔213に連通するようになり、このとき、変位したバルブシート22が第1突出構造218に当接し、圧力解放貫通孔214を密封する。それによって、気体は、集気貫通孔213から弾性媒体25内に進入して気圧を蓄積し、弾性媒体25の容積を充填し、ひいてはその上方の圧力センサ26を押し上げ、圧電駆動素子243の繰り返しの上下変位動作に伴い、気体はバルブ孔221、集気貫通孔213を通過して弾性媒体25内に進入して気圧を蓄積し、弾性媒体25の容積を充填することにより、圧力センサ26が使用者の測定部位に強く当接できるように圧力センサ26を押し上げる。
【0022】
図1、
図5、及び
図6を参照されたい。使用者がスクリーン11により駆動制御モジュール1を操作するときに、駆動制御モジュール1は、気体輸送装置24の作動を制御し、気体輸送装置24は、外部から気体を弾性媒体25に吸引して気圧を蓄積し、弾性媒体25の容積を充填し、弾性媒体25を膨脹させ、その上の圧力センサ26を押し上げて、圧力センサ26を使用者の皮膚3に当接させ、使用者の血圧情報を測定する。
図6に示すように、気体輸送装置24が弾性媒体25に気体を絶えずに充填することにより、圧力センサ26は、使用者の皮膚3に強く当接して使用者の皮膚3と骨格4との間の動脈5をプレスすることができ、プレススキャンにより動脈に対して血圧を測定し、血圧情報を駆動制御モジュールに送信する。
【0023】
図7を参照されたい。血圧測定が終了した後、気体輸送装置24は動作を停止し、このとき、弾性媒体25内部の圧力が気体輸送装置24よりも高いことで、気体が弾性媒体25から集気貫通孔213を経由して第1集気室215に流入し、第1集気室215内の気体は、バルブシート22を押すことにより、バルブシート22が下に変位して集気座体23に当接し、この場合、バルブシート22のバルブ孔221は第2突出構造235に当接して密封されることで、第1貫通孔233は第1集気室215に連通することができず、バルブシート22も第2貫通孔234をカバーすることで、気体が第1貫通孔233及び第2貫通孔234を通過して気体輸送装置24に逆流することを防ぎ、同時に圧力解放貫通孔214を密封するバルブシート22を圧力解放貫通孔214から離させ、第1突出構造218との当接による付勢力作用を脱離させることによって、気体は、第1集気室215から連通流路217を経て第1圧力解放室216に導入され、最後に圧力解放貫通孔214から外へ流出し、圧力解放動作が実行される。
【0024】
以上より、本発明が提供するウェアラブル血圧測定装置は、主に腕時計ベルトに気体輸送装置が嵌め込まれることにより、圧電駆動型の気体輸送装置は、気体を弾性媒体に輸送し、圧力センサを使用者に強く当接できるように押し上げ、さらに圧力センサにより装着使用者の血圧情報を測定し、血圧情報を駆動制御モジュールに送信し、さらに送信モジュールによりこれらの血圧情報を外部装置に送信し、又はスクリーンにこれらの血圧情報を直接表示することによって、いつでもどこでも正確に測定することが可能であるとともに、ウェアラブル血圧測定装置の小型化、軽量化を達成でき、携帯されやすく、省エネを実現できる。従って、本発明の圧電駆動型の気体輸送装置を用いたウェアラブル血圧測定装置は、産業上の利用価値が極めて高い。
【0025】
当業者であれば、本発明の範囲内で変更や修正を加えることができ、いずれも特許請求の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0026】
100:ウェアラブル血圧測定装置
1:駆動制御モジュール
11:スクリーン
12:送信モジュール
2:腕時計ベルト
21:嵌設領域
211:第1収容溝
212:第2収容溝
213:集気貫通孔
214:圧力解放貫通孔
215:第1集気室
216:第1圧力解放室
217:連通流路
218:第1突出構造
22:バルブシート
221:バルブ孔
23:集気座体
231:第2集気室
232:第2圧力解放室
233:第1貫通孔
234:第2貫通孔
235:第2突出構造
24:気体輸送装置
241:気体導入板
241a:気体導入孔
241b:合流ガイド孔
241c:合流室
242:共振シート
242a:中空孔
242b:可動部
243:圧電駆動素子
243a:懸吊板
243b:圧電シート
244:第1絶縁シート
245:導電シート
246:第2絶縁シート
25:弾性媒体
26:圧力センサ
3:皮膚
4:骨格
5:動脈