(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】せん断壁性能改善型留め具
(51)【国際特許分類】
F16B 15/00 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
F16B15/00 B
F16B15/00 D
(21)【出願番号】P 2018554363
(86)(22)【出願日】2017-04-12
(86)【国際出願番号】 US2017027245
(87)【国際公開番号】W WO2017180767
(87)【国際公開日】2017-10-19
【審査請求日】2020-04-08
(32)【優先日】2016-04-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506244375
【氏名又は名称】シンプソン ストロング タイ カンパニー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エドワード ジー. サット ジュニア
【審査官】鵜飼 博人
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-154659(JP,U)
【文献】登録実用新案第3038180(JP,U)
【文献】国際公開第2007/081963(WO,A2)
【文献】特開平06-241215(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 15/00- 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端を有する第1の端部と、
頭部を有する第2の端部と、
前記第1の端部に隣接する第1の領域であって、前記第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径(D1)を備える連続する円筒状の断面を形成する表面を有する、第1の領域と、
前記第1の領域と前記頭部の間に延在し、前記第1の直径より大きく、かつ、頭部の直径より小さい第2の直径(D2)を備える断面を有し、長さを有すると共に前記頭部に当接する、第2の領域と、を備える軸部を備え、
前記第1の領域は、前記表面から離れるように延在すると共に前記先端に隣接し、前記第1の領域の
前記先端の近くの前記軸部を変形させた歪み部(102a、102b)を備え、
前記歪み部は、当該歪み部の表面の2点間の直線的測定値(D1+)を有し、前記直線的測定値(D1+)は、前記軸部の軸線に対して軸直方向となる前記2点間の距離であって、前記2点間の直線的距離が最大となるときに測定される距離であり、前記直線的測定値(D1+)は、前記第1の直径より大きく、かつ、前記第2の直径以下である、留め具。
【請求項2】
前記軸部は、前記第1の領域に複数の溝をさらに備え、
前記溝は、前記第2の直径以下の第4の直径を有する、請求項1に記載の留め具。
【請求項3】
前記第2の直径(D2)は、前記第1の直径(D1)の1.05~1.10倍である、請求項1又は2に記載の留め具。
【請求項4】
前記第2の直径(D2)は、前記直線的測定値(D1+)より5~10パーセント大きい、請求項1~3のいずれか一項に記載の留め具。
【請求項5】
前記第2の領域は、連続する円筒状の直径を規定する表面を備え、
丸みを帯びた縁は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の接合部に配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の留め具。
【請求項6】
前記第2の領域は、前記第2の直径を規定する複数のリッジを備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の留め具。
【請求項7】
各リッジは、深さ(D5)を有するトレンチによって、隣接するリッジから分離されている、請求項6に記載の留め具。
【請求項8】
締結される木製部材と、前記木製部材に埋め込まれるように構成される留め具と、を備える締結構造体であって、
前記留め具は、
尖端を備える先端を有する第1の端部と、
頭部を有する第2の端部と、
前記第1の端部に隣接する第1の領域であって、前記第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径(D1)を備える円筒状の断面を形成する表面を有し、第1の領域長さを有する、第1の領域と、
前記第1の領域と前記頭部の間に延在し、前記第1の直径より大きく、かつ、頭部の直径より小さい第2の直径(D2)を備える断面を有し、前記締結される木製部材の厚さの50パーセント~120パーセントの範囲に延在するように構成される第2の領域長さを有する第2の領域と、を備える軸部を備え、
前記第1の領域は、前記先端の一端で前記先端と前記表面から離れるように延在し、前記第1の領域の
前記先端の近くの前記軸部を変形させた歪み部(102a、102b)を備え、
前記歪み部は、当該歪み部の表面の2点間の直線的測定値(D1+)を有し、前記直線的測定値(D1+)は、前記軸部の軸線に対して軸直方向となる前記2点間の距離であって、前記2点間の直線的距離が最大となるときに測定される距離であり、前記直線的測定値(D1+)は、前記第1の直径より大きく、かつ、前記第2の直径以下である、締結構造体。
【請求項9】
前記締結される木製部材は、木部および断熱部を備え、
前記厚さは、前記木部と前記断熱部とを組み合わせた厚さを備える、請求項8に記載の締結構造体。
【請求項10】
前記軸部は、前記第1の領域に複数の溝をさらに備え、
前記溝は、前記第2の直径以下の第4の直径を有し、
前記溝は、前記軸部の軸に対して平行に見たときに円筒状の断面を有し、前記軸部の前記軸に対して垂直に見たときに台形の断面を有する、請求項8又は9に記載の締結構造体。
【請求項11】
前記第2の直径(D2)は、前記第1の直径(D1)の1.05~1.10倍である、請求項8~10のいずれか一項に記載の締結構造体。
【請求項12】
前記第2の直径(D2)は、前記直線的測定値(D1+)より5~10パーセント大きい、請求項8~11のいずれか一項に記載の締結構造体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
留め具の様々な設計が、被締結材料にしっかりと入れられたままにする留め具の能力を改善するために使用されてきた。釘のダイアモンドポイント(diamond point)が形成されるときに、軸部と先端部との交差部に拡張された領域も形成され得ることに留意されてきた。この拡張された領域は、合板や配向性ストランドボードなどのシージングパネル(sheathing panels)を木製フレーム部材に取り付ける場合など、締結している材料中に留め具を保持することに悪影響を及ぼし得る。そのような場合、先端部は、打ち込まれるときに、釘の軸部自体よりも大きい孔を締結している材料に形成し得るため、側面の部材と釘の軸部との間の嵌め合いの緊密度が低減する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
本明細書では、改良型の釘などの留め具を提供する技術が開示される。留め具は、先端を有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備えていてもよい。軸部は、第1の端部を起点とする第1の領域であって、第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径を備える円筒状の断面を有する、第1の領域と、第1の領域から頭部まで延在し、第1の直径より大きい第2の直径を備える断面を有する第2の領域と、を備える。第1の領域は、尖端に隣接し、第1の領域の表面の少なくとも一部を囲む歪み部(distortion)を備えていてもよく、歪み部は、第1の直径より大きく、かつ、第2の直径以下の第3の直径を有していてもよい。
【0003】
代替的な実施形態では、軸部は、第1の領域に複数の溝をさらに備え、溝は、第2の直径以下の第4の直径を有する。
【0004】
留め具の別の実施形態は、ダイアモンドポイントを有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備える。軸部は、第1の領域であって、第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径を備える円筒状の断面を有する、第1の領域を備えていてもよい。留め具はまた、先端から第1の領域まで延在し、第1の直径より大きい第2の直径を有する複数の溝を有する第2の領域を備えていてもよい。留め具は、第1の領域から頭部まで延在し、第1の直径より大きい第3の直径を備える断面を有する第3の領域を備えていてもよい。第3の領域は、頭部に当接し、第2の直径は、第3の直径以下である。
【0005】
技術の別の実施形態は、締結される材料に埋め込まれるように構成される留め具を備える。留め具は、先端を有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備える。軸部は、第1の端部を起点とする第1の領域であって、第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径を備える円筒状の断面を有し、第1の領域長さを有する、第1の領域を備える。軸部は、第1の領域から頭部まで延在し、第1の直径より大きい第2の直径を備える断面を有し、締結される材料の厚さの50パーセント~120パーセントの範囲に延在するように構成される第2の領域長さを有する第2の領域をさらに備える。
【0006】
本概要は、以下の詳細な説明でさらに記述される概念のうちのいくつかを選択し、単純な形態で紹介するものである。本概要は、発明特定事項の主たる特徴または不可欠な特徴を特定することを意図したものではなく、発明特定事項の範囲を決定することを目的として使用されることも意図していない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】ダイアモンド形状の釘の先端部の拡大図を示す。
【0008】
【
図2】本発明による留め具の第1実施形態の平面図を示す。
【0009】
【
図3】
図2および
図9の3-3線に沿った留め具の頭部の頭部端面図を示す。
【0010】
【
図4】
図2および
図9の4-4線に沿った留め具の1の領域の断面図を示す。
【0011】
【
図5】
図2の5-5線に沿った軸部の別の部分の断面図を示す。
【0012】
【
図6】留め具の頭部の下側の拡張された直径領域の代替的な実施形態の側面図である。
【0013】
【0014】
【
図8】本発明による留め具の別の実施形態の平面図を示す。
【0015】
【0016】
【
図10】締結媒体に埋め込まれた留め具の第1実施形態の側面図である。
【0017】
【
図11】締結媒体に埋め込まれた留め具の別の実施形態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に開示される技術は、引抜抵抗が改善されると共に、せん断壁システムの撓み性能(deflection performance)を改善する特徴を有する留め具である。本技術は、釘のスリップを最小限にしながら、せん断壁システムを面せん断荷重に抵抗させるために、スリップを低減する特徴を備える留め具、特に釘としての留め具を提供する。
【0019】
留め具の技術の第1実施形態は、
図1~5において説明する。
【0020】
留め具10は、尖端102を備える第1の端部と、頭部104を有する第2の端部を有する軸部100を備える。軸部は、鋼または多数の様々な材料のいずれかで形成されていてもよい。留め具10は、尖端102に隣接する第1の部分または領域110と、第2の部分又は領域112を備える。軸部100および頭部104の各部分は、(
図2の3-3線に沿った)頭部104の上面図と、(
図2の4-4線に沿った)第2の領域112の拡張された円筒状領域114の断面と、
図2の5-5線に沿った第3の領域110の軸部100の断面を示している
図3~5に示されるように、X軸に沿った断面で見るとき、全体的に円筒状の断面を有する。
【0021】
尖端102は、一般的に、軸部ブランクの歪みを生じる切断プロセスによって形成される「ダイアモンド」ポイントと呼ばれる。ダイアモンドポイントは、四面のテーパである。木質繊維は釘を適所に保持するため、硬材に打ち込まれた釘は、軟材に打ち込まれた釘よりも引抜き(引張り)に対する抵抗が良好である傾向がある。長く鋭いダイアモンドポイントは、打ち込まれるときの木質繊維に対する損傷を減少させるが、硬材を割る傾向がある。鋭いダイアモンドポイントは、適切に乾燥された軟材において引張りを補助する。品質の重要な要素は、4つのテーパが等しくかつ「きれい(clean)」であることである。本明細書で開示する留め具は、「ダイアモンド」ポイントを用いて示されるが、留め具の代替的な実施形態において、のみ(chisel)もしくは他のタイプの先端部、または先端部なしを使用してもよい。
【0022】
形成時、ダイアモンド尖端102は、尖端102の近くの軸部の部分102a、102bに示されるように、軸部を変形させてもよい。軸部に対する歪み部102a、102bの2つの最大点間の直線的測定値D1+を決定してもよい。歪み部は、尖端形成プロセスで生じ、尖端102に隣接する軸部の表面の少なくとも一部分を囲む。最大歪み部102aおよび102bは、D1+がD1の1.01~1.10倍の範囲となるようにしてもよい。
【0023】
部分110は直径D1を有する一方で、部分112は直径D2を有し、拡張された円筒状領域114を提供する。頭部104は、直径D1の1.5倍~3倍の範囲にあってもよい直径D3を有する。
【0024】
留め具100は、頭部104の下側に拡張領域114を提供する。一実施形態では、直径D2は、1~50%の間のいずれかの割合だけD1よりも大きい。一実施形態では、D2は、5~25%の間のいずれかの割合だけD1よりも大きく、他の実施形態では、D2は、5~10%の間のいずれかの割合だけD1よりも大きい。一実施形態では、領域112内の領域114は、締結される材料の厚さに対して構成され得る長さL2で延在する円筒形状を有する。長さL2は、締結される材料の厚さの50~120パーセントの範囲にある。50パーセントの長さL2(締結される材料の厚さの長さの50パーセントの長さ)が、
図10に示されている。120パーセントの長さL2(締結される材料の厚さの長さの120パーセントの長さ)が、
図11に示されている。例えば、留め具が、直径0.1インチであり、かつ1/2インチのシース(sheathing)に取り付けるように構成されている場合、留め具は、頭部104の下側に拡張された円筒状領域114を有し、この拡張された円筒状領域は、直径0.105~0.110インチであり、頭部104の下側に0.25~0.6インチ延在する。この特徴を用いる典型的な釘は、直径(D1)が0.080~0.25インチの範囲にあり、全長(L1+L2)が0.5~8インチの長さの範囲である。
【0025】
留め具に組み込まれてもよい拡張領域214の第2実施形態は、
図6および
図7に示されている。領域214は、軸部100と平行な方向に形成される複数のリッジ(ridge)224-1~224-8を含む。リッジ224-1~224-8は、複数のトレンチ226-1~226-8によって分離されている。各トレンチは、深さD5を有する。直径D2は、2つの対向するリッジ、例えばリッジ224-1および224-5によって規定される。領域214は、(リッジ224-1~224-8の表面によって規定される)円形の外周を提供し、その円形の外周で、締結される材料が、完全に中実の円筒部よりも少ない面積で留め具を圧迫する。これは、頭部の下側で円筒部に使用される鋼が多くなるので、頭部を作製するために利用可能な鋼が少なくなることは、留め具の形成プロセスにおいて有益である。
【0026】
留め具の技術の別の実施形態は、
図8および
図9に示されている。
【0027】
留め具30は、尖端302を備える第1の端部と、頭部304を有する第2の端部を有する軸部300を備える。軸部は、鋼または多数の様々な材料のいずれかで形成されていてもよい。留め具30は、鋭い端部302を備える第1の部分または領域310と、軸部300の本体によって形成される第2の部分または領域312と、円筒状領域314によって形成される第3の部分または領域315を含む。
【0028】
第1部分310は、
図8においてX軸に垂直な線に沿って見ると、台形の断面を有する溝335を備えていてもよい。頭部304および軸部300は、それぞれ(3-3線に沿った)
図3および(9-9線に沿った)
図9で示すように、X軸に沿った断面で見ると、全体的に円筒状の断面を有する。
図9に示すように、各溝335も、全体的に円筒状の断面を有する。各溝335は、一実施形態では直径D2に等しい直径D4を有する。代替的な実施形態では、D4はD2より小さい。溝は、環状のリングバーブ(ring barbs)として示されるが、リングバーブ、螺旋ねじ山、または軸部に沿ったリッジもしくは溝を備える変形した軸部要素の任意の組み合わせを、溝335として用いてもよい。
【0029】
溝335は、被締結材料に領域314にある軸部300よりも大きい孔を生成する。しかしながら、せん断抵抗壁システムを備えるある適用例において、釘の引張りを減少させるために軸部を変形させる利点は、軸部の歪みによって生じるせん断抵抗におけるスリップを増加させることによって相殺されることが判明した。釘の留め具とシージング材料との間の嵌め合いの緊密度は、せん断壁システムの撓み性能に直接相関すると判断されている。撓み性能は、面内せん断荷重を受けるときにせん断壁の頂部が移動する量である。いくつかの建築基準法で容認された試験方法は、せん断壁が、所定の撓みで一定量の荷重に抵抗することを必要としている。最小限の撓みで多くの荷重に耐えることが望ましい。構造のエネルギー損失を減少させることは、壁システムの断熱性の増加をもたらすエネルギーコードを変更することによって推進される増加傾向である。使用される1つの方法は、木製フレーム部材とシースとの間の断熱量を増加させることである。シースが壁のフレーム部材に接触しないとき、偏心は、面内せん断荷重を受けるときに接続部のスリップを悪化させ、建築基準法で容認された試験方法によって要求される荷重を達成するのを困難にする。
【0030】
厚さ7/16インチの配向性ストランドボード(OSB)パネルに取り付けられた2インチの断熱発泡体層からなる厚さ2.4375インチの断熱パネルでの試験は、本技術を使用して初期剛性の改善を示した。単調荷重プロトコルおよび繰り返し荷重プロトコルの双方を使用するASTM D1761に従って実施された単一の留め具のせん断試験では、直径0.365インチの頭部を備える直径0.162インチ、長さ4インチの釘が、0.365の頭部と頭部の下側に拡張された円筒状領域(114、314)とを備える直径0.162インチ、長さ4インチの釘と直接比較して評価された。頭部の下側に拡張された円筒状領域を備える留め具は、単調せん断試験において、拡張された円筒状領域のない釘よりも19%高い初期剛性を有した。頭部の下側に拡張された円筒状領域を備える釘は、繰り返しせん断試験において、拡張された円筒状領域のない釘よりも8%高い初期剛性を有した。
【0031】
発明特定事項を、特に構造的な特徴及び/又は方法論的な行為について言語で説明したが、添付のクレームにおいて定義された発明特定事項は、上記の特定の特徴や行為に必ずしも限定されないことが理解される。むしろ、上記した特定の特徴や行為は、クレームを実施する例として開示されるものである。
以下の項目は、国際出願時の請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
先端を有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備え、
前記軸部は、
前記第1の端部を起点とする第1の領域であって、前記第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径(D1)を備える円筒状の断面を有する、第1の領域と、
前記第1の領域から前記頭部まで延在し、前記第1の直径より大きく、かつ、頭部の直径より小さい第2の直径(D2)を備える断面を有し、長さを有すると共に前記頭部に当接する、第2の領域と、を備え、
前記第1の領域は、前記先端に隣接し、前記第1の領域の表面の少なくとも一部を囲む歪み部(102a、102b)を備え、
前記歪み部は、前記第1の直径より大きく、かつ、前記第2の直径以下の歪み部の最大値の間の直線的測定値(D1+)を有する、留め具。
(項目2)
前記軸部は、前記第1の領域に複数の溝をさらに備え、
前記溝は、前記第2の直径以下の第4の直径を有する、項目1に記載の留め具。
(項目3)
前記第2の直径(D2)は、前記第1の直径(D1)の1.05~1.10倍である、項目1に記載の留め具。
(項目4)
前記第2の直径(D2)は、前記直線的測定値(D1+)より5~10パーセント大きい、項目1に記載の留め具。
(項目5)
前記第2の領域は、連続する円筒状の直径を規定する表面を備え、
丸みを帯びた縁は、前記第1の領域と前記第2の領域との間の接合部に配置されている、項目1に記載の留め具。
(項目6)
前記第2の領域は、前記第2の直径を規定する複数のリッジを備える、項目1に記載の留め具。
(項目7)
各リッジは、深さ(D5)を有するトレンチによって、隣接するリッジから分離されている、項目6に記載の留め具。
(項目8)
尖端を有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備え、
前記軸部は、
第1の領域であって、前記第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径(D1)を備える円筒状の断面を有する、第1の領域と、
前記尖端から前記第1の領域まで延在し、前記第1の直径(D1)より大きい第2の直径(D4)を有する複数の溝を有する第2の領域と、
前記第1の領域から前記頭部まで延在し、前記第1の直径より大きく、かつ、頭部の直径より小さい第3の直径(D2)を備える断面を有し、前記頭部に当接する第3の領域と、を備え、
前記第2の直径(D4)は、前記第3の直径(D2)以下である、留め具。
(項目9)
前記複数の溝は、前記軸部の軸に対して平行に見たときに円筒状の断面を有し、前記軸部の前記軸に対して垂直に見たときに台形の断面を有する、項目8に記載の留め具。
(項目10)
前記複数の溝は、前記尖端から前記第1の領域まで延在し、
前記複数の溝のそれぞれは、隣接する溝から均等に離間している、項目9に記載の留め具。
(項目11)
前記第2の直径(D2)は、前記第4の直径(D1+)より5~10パーセント大きい、項目8に記載の留め具。
(項目12)
前記第3の領域は、連続する円筒状の直径を規定する表面を備える、項目8に記載の留め具。
(項目13)
前記第3の領域は、複数のリッジを備え、
前記リッジのそれぞれは、各リッジから180度離れた対向するリッジと共に前記第2の直径を規定する、項目8に記載の留め具。
(項目14)
各リッジは、深さを有するトレンチによって、隣接するリッジから分離されている、項目13に記載の留め具。
(項目15)
締結される材料に埋め込まれるように構成される留め具であって、
先端を有する第1の端部と、頭部を有する第2の端部と、を有する軸部を備え、
前記軸部は、
前記第1の端部を起点とする第1の領域であって、前記第1の領域の少なくとも一部に沿って第1の直径(D1)を備える円筒状の断面を有し、第1の領域長さを有する、第1の領域と、
前記第1の領域から前記頭部まで延在し、前記第1の直径より大きく、かつ、頭部の直径より小さい第2の直径(D2)を備える断面を有し、前記締結される材料の厚さの50パーセント~120パーセントの範囲に延在するように構成される第2の領域長さを有する第2の領域と、を備え、
前記第1の領域は、前記先端に隣接し、前記第1の領域の表面の少なくとも一部を囲む歪み部(102a、102b)を備え、
前記歪み部は、前記第1の直径より大きく、かつ、前記第2の直径以下である直線的測定値(D1+)を有する、留め具。
(項目16)
前記締結される材料は、木部および断熱部を備え、
前記厚さは、前記木部と前記断熱部とを組み合わせた厚さを備える、項目15に記載の留め具。
(項目17)
前記軸部は、前記第1の領域に複数の溝をさらに備え、
前記溝は、前記第2の直径以下の第4の直径を有し、
前記溝は、前記軸部の軸に対して平行に見たときに円筒状の断面を有し、前記軸部の前記軸に対して垂直に見たときに台形の断面を有する、項目16に記載の留め具。
(項目18)
前記第2の直径(D2)は、前記第1の直径(D1)の1.05~1.10倍である、項目17に記載の留め具。
(項目19)
前記第2の直径(D2)は、前記直線的測定値(D1+)より5~10パーセント大きい、項目18に記載の留め具。