(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】デンタル加工機の操作装置および操作システム
(51)【国際特許分類】
G05B 19/4093 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
G05B19/4093 Z
(21)【出願番号】P 2019028898
(22)【出願日】2019-02-20
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】317009525
【氏名又は名称】DGSHAPE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100189887
【氏名又は名称】古市 昭博
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 史朗
(72)【発明者】
【氏名】大▲高▼ 全
【審査官】増山 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開昭63-271608(JP,A)
【文献】特開平11-65634(JP,A)
【文献】特開平7-214351(JP,A)
【文献】特開2018-124862(JP,A)
【文献】特開2018-124861(JP,A)
【文献】特開2004-042155(JP,A)
【文献】特開2004-021512(JP,A)
【文献】特開2005-149226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/4093
G05B 19/4097
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
デンタル加工機が実行する加工手順が定められた加工プログラムを含み、かつ、切削ファイルIDが紐付けられた切削ファイルを記憶した記憶部Aと、
前記切削ファイルIDが紐付けられた前記切削ファイルに含まれた前記加工プログラムを前記デンタル加工機に送る処理部Bと、
前記処理部Bによって、前記デンタル加工機に送られた加工プログラムを特定するため、前記切削ファイルIDとは別のジョブIDを用意し、当該ジョブIDを加工プログラムに紐付ける処理部Cと
を備えた、デンタル加工機の操作装置。
【請求項2】
前記加工プログラムについて、前記切削ファイルIDと、前記ジョブIDとを含むログデータを記録したログファイルを作成する処理部Dをさらに備えた、請求項1に記載されたデンタル加工機の操作装置。
【請求項3】
前記切削ファイルは、加工される材料についての予め定められた項目のデータをさらに含んでおり、
前記切削ファイルに含まれた前記加工プログラムが前記デンタル加工機に送られた際に付与されたジョブIDと、前記加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データを作成する処理部Eを、
さらに備えた、請求項1または2に記載されたデンタル加工機の操作装置。
【請求項4】
請求項2に記載された操作装置と、
前記操作装置とデータ通信可能に接続されたサーバと
を備え、
前記操作装置は、前記切削ファイルIDと、前記ジョブIDとを含むログデータをサーバに送るように構成された処理部Fを備え、
前記サーバは、前記ログデータを記録する記録部を備えた、デンタル加工機の操作システム。
【請求項5】
請求項3に記載された操作装置と、
前記操作装置とデータ通信可能に接続されたサーバと
を備え、
前記操作装置は、前記ジョブIDと、前記加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データをサーバに送るように構成された処理部Gを備え、
前記サーバは、前記加工情報データを記録する記録部を備えた、デンタル加工機の操作システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デンタル加工機の操作装置および操作システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特開2018-124862号公報には、加工プログラム(NCデータとも称される)に従って、動作し、被加工物を所望の形状に切削するデンタル加工機が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、デンタル加工機は、加工プログラムに基づいて動作する。加工プログラムは、適当なファイル名や識別子が付与されて管理されている。加工プログラムは、再利用可能であり、デンタル加工機には同じ加工プログラムが繰り返し送られる場合がある。この場合、加工プログラムを記録したファイルのファイル名や識別子などで、加工プログラムを特定する場合でも、加工プログラムを詳しく特定できない場合があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ここで提案されるデンタル加工機の操作装置は、記憶部Aと、処理部Bと、処理部Cとを備えている。
【0006】
記憶部Aは、デンタル加工機が実行する加工手順が定められた加工プログラムを含み、かつ、切削ファイルIDが紐付けられた切削ファイルを記憶している。
処理部Bは、切削ファイルIDが紐付けられた切削ファイルに含まれた加工プログラムをデンタル加工機に送るように構成されている。
処理部Cは、処理部Bによって、デンタル加工機に送られた加工プログラムを特定するため、前記切削ファイルIDとは別のジョブIDを用意し、当該ジョブIDを当該加工プログラムに紐付けるように構成されている。
【0007】
ここで提案される操作装置によれば、デンタル加工機に送られた加工プログラムを特定するためのジョブIDが、切削ファイルIDとは別に用意され、当該加工プログラムに紐付けられる。このため、デンタル加工機に送られた加工プログラム毎に、切削ファイルIDと、切削ファイルIDとは別に用意されたジョブIDとの両方で加工プログラムを特定できる。これにより、デンタル加工機で実行された加工プログラムをより詳しく特定できる。
【0008】
操作装置は、例えば、加工プログラムについて、切削ファイルIDと、ジョブIDとを含むログデータを記録したログファイルを作成する処理部Dをさらに備えていてもよい。
【0009】
また、切削ファイルは、加工される材料についての予め定められた項目のデータをさらに含んでいてもよい。この場合、操作装置は、切削ファイルに含まれた加工プログラムがデンタル加工機に送られた際に付与されたジョブIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データを作成する処理部Eをさらに備えていてもよい。
【0010】
また、ここで提案されるデンタル加工機の操作システムは、操作装置とデータ通信可能に接続されたサーバを備えている。ここで、操作装置は、例えば、切削ファイルIDと、ジョブIDとを含むログデータをサーバに送るように構成された処理部Fを備えていてもよい。サーバは、ログデータを記録する記録部を備えているとよい。
【0011】
また、操作装置は、ジョブIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データをサーバに送るように構成された処理部Gを備えていてもよい。この場合、サーバは、加工情報データを記録する記録部を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0012】
かかるデンタル加工機の操作装置および操作システムによれば、デンタル加工機に送られた加工プログラム毎に、加工プログラムを特定できる。これにより、デンタル加工機で実行された加工プログラムをより詳しく特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、ここで提案されるデンタル加工機の操作システムの構成例である。
【
図2】
図2は、デンタル加工機1の構成を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、この実施形態での切削ファイル21aに記載された加工プログラムCPのデータ列を示す図である。
【
図4】
図4は、ジョブリストJLの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、ログファイルLFの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、イベントIDに記録されるコード表の一例である。
【
図7】
図7は、加工情報データPDの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、コメント行S1から取得されるデータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係るデンタル加工機の操作装置および操作システムを説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。
【0015】
図1は、ここで提案されるデンタル加工機の操作システムの構成例である。なお、操作システムの全体像が理解できるように、
図1には、操作システムに含まれない装置が含まれている。
図2は、デンタル加工機1の構成を示すブロック図である。
【0016】
〈デンタル加工機の操作システム〉
ここで、デンタル加工機の操作システム10は、
図1に示されているように、操作装置11と、サーバ12と、外部装置13とを備えている。操作装置11と、サーバ12と、外部装置13は、例えば、予め定められたプログラムに沿って駆動するコンピュータによって具現化されうる。具体的には、操作装置11と、サーバ12と、外部装置13は、各コンピュータの演算装置(プロセッサ、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-processing unit)とも称される)や記憶装置(メモリーやハードディスクなど)を備えており、ソフトウェアとの協働によって処理される。例えば、操作装置11と、サーバ12と、外部装置13の各構成および処理は、コンピュータによって具現化されるデータを予め定められた形式で記憶するデータベース、データ構造、予め定められたプログラムに従って所定の演算処理を行う処理モジュールなどとして、または、それらの一部として具現化されうる。
【0017】
〈操作装置11〉
操作装置11は、デンタル加工機1を操作する装置である。
図2に示されているように、操作装置11は、複数のデンタル加工機1とデータ通信可能に接続されており、複数のデンタル加工機1を操作しうるように構成されている。操作装置11は、各デンタル加工機1に組み込まれたファームウェア1a3と協働してデンタル加工機1を制御するように構成されている。この場合、各デンタル加工機1には、それぞれを識別するための識別番号が付与されており、当該識別番号によってデンタル加工機1が識別されるように構成されている。また、操作装置11は、予め定められた時間毎にデンタル加工機1と通信し、ファームウェア1a3を通じてデンタル加工機1の状態に関するデータを得て、デンタル加工機1の状態を監視している。
【0018】
〈加工プログラムCP〉
操作装置11は、加工プログラムCPをデンタル加工機1に送る。デンタル加工機1では、ファームウェア1a3を通じて加工プログラムCPが実行される。加工プログラムCPは、CAMソフトが組み込まれた装置21において作成される。加工プログラムCPは、CADソフトが組み込まれた装置22で作成された3Dモデルファイル22aを基に作成されうる。3Dモデルファイル22aは、例えば、いわゆるSTLフォーマットで作成されたSTLファイルである。3Dモデルファイル22aは、デンタル加工機1で形成しようとする加工品の形状を記録している。加工プログラムCPは、デンタル加工機1を制御するためのデータ群であり、加工プログラムCPを記録した切削ファイル21aは、いわゆるNCプログラムでありうる。加工プログラムCPを記録した切削ファイル21aは、NCデータが記載されたNCファイルなどでありうる。加工プログラムCPは、CAMソフトが組み込まれた装置21から操作装置11に転送される。
【0019】
例えば、CAMソフトは、加工に関する様々な設定、たとえば、補綴物の選択、材料の種類の選択、材料の形状(Disc or Block, Disc の厚み等)の選択等を行い、かつ、ツールパスを生成するようにプログラムされている。CAMソフトが組み込まれた装置21は、加工に関する様々な設定において、加工で必要となる補綴物の選択、材料の種類の選択、材料の形状(Disc or Block, Disc の厚み等)の選択等を行うためのデータを、予め保持している。このようなデータには、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが含まれる。加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含む加工情報PIは、
図1に示されているように、CAMソフトが組み込まれた装置21において、予め定め用意されているとよい。また、これらの情報は、例えば、CAMソフトが組み込まれた装置21を扱うオペレータによって、予め用意されてもよい。
【0020】
CAMソフトが組み込まれた装置21において、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが保持されているとよい。加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータは、CAMソフトが組み込まれた装置21の記憶領域に記憶されていてもよいし、USBメモリや、ハードディスクドライブ(HDD)などの外部記憶装置から読み取られるものでもよい。
【0021】
図3は、この実施形態での切削ファイル21aに記載された加工プログラムCPのデータ列を示す図である。
図3に示された加工プログラムCPは、先頭行に括弧で囲まれたコメント行S1が設けられている。コメント行には、加工プログラムCPが記録された切削ファイルのファイル名(Milling File Name)、切削ファイルID(Milling File ID)および加工情報PIが記載されている。切削ファイルID(Milling File ID)は、適宜に「ファイルID」と称される。
図3に示された加工プログラムCPでは、コメント行S1の後に、加工プログラムCPによる加工手順が記されたコマンドが順に記載されている。
【0022】
ここで、「コメント行」は、加工プログラム中に所定の方式で入力された行であり、コンパイラにおいてプログラムとして読み込まれない部分である。「コメント行」の設定方法は、加工プログラムに使用されるプログラミング言語により予め定められている。「コメント行」には、例えば、コンピュータの文字セットの文字を任意に組み合わせて、コメントを書くことができる。ここでは、CAMソフトによって、このような「コメント行」に、切削ファイルのファイル名(Milling File Name)、切削ファイルID(Milling File ID)および加工情報PIが記載される。
【0023】
この実施形態では、加工プログラムCPによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが、加工プログラムCPのコメント行に記載されている。かかるコメント行に記載された加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータは、加工プログラムCPがデンタル加工機1で実行される場合には、単なるコメントとして無視される。
【0024】
また、かかるコメント行に記載されたデータやファイルIDは、キー「Key」とバリューとをペアとしたデータで作成されうる。この場合、コメント行は、そのデータの種類と値が特定できる、予め定められたフォーマットで記載されていればよい。
【0025】
例えば、加工される材料または加工物についての予め定められた項目については、加工される材料または加工物についての予め定められた項目を「Key」とし、そのデータを「Value」とするとよい。また、ファイルID、ファイル名については、ファイルID、ファイル名などの項目を「Key」とし、ファイルID、ファイル名を「Value」とするとよい。かかるキー「Key」とバリューとをペアとしたデータのフォーマットには、例えば、JSONフォーマットが利用されているとよい。ここで、JSONフォーマットは、項目の名前と、値を、コロン「:」を介在させて、一対にしたフォーマットである。なお、キー「Key」とバリューとをペアとしたデータは、JSONフォーマットに限定されない。コメント行には、そのデータの種類と値が特定できるフォーマットが広く採用されうる。例えば、コメント行は、XMLのようなフォーマットで記載されていてもよい。
【0026】
〈加工情報PI〉
ここで、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータは、適宜に加工情報PIと称する。加工情報PIは、例えば、加工される材料の情報が少なくとも含まれているとよく、他の情報が適宜に含まれていてもよい。
【0027】
〈加工情報PIの項目〉
加工情報PIに含められるデータの項目には、例えば、以下の項目が挙げられる。
・材料ID
・加工される材料の種類
・加工される材料の製品名
・加工される材料のサイズ
・加工される材料の形状(Disc / Block / etc...)
・加工される材料の使用領域(全体の何%が使用されているかなど)
・加工ファイルに含まれる加工品の情報のリスト
【0028】
ここで、「材料ID」は、被加工物を材料が予め特定されるように、材料毎に設定されている。また、被加工物には、使用途中の材料、いわゆる中古材料もあり、その場合、「中古材料ID」とも称される場合もある。
「加工される材料の種類」は、例えば、セラミック材料(例えば、ジルコニアセラミック材料)、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、ワックス材などが記されている。
「加工される材料の製品名」は、被加工物が市販された製品である場合などにおいて、その製品名が記されている。
「加工される材料のサイズ」には、被加工物のサイズが記されている。
「加工される材料の形状」には、Disc / Block / などとして、被加工物の形状が記されている。
「加工される材料の使用領域」には、例えば、その加工データで加工されるものによって材料全体の何%が使用されるかを示すデータである。かかるデータによってその加工によって1つの材料の内、どの程度使用されるかが把握されうる。また、かかるデータから加工に要する材料コストなどが計算されうる。
「加工ファイルに含まれる加工物の情報のリスト」には、加工プログラムCPにおいて、加工される加工品の情報が含まれる。かかるリストに含まれる情報には、例えば、加工品の3次元データを記録したSTLファイルのファイル名、加工品の種類(Crown, Bridge, etc...)、加工プログラムCPによって形成される加工品の数、加工品としての歯の詰め物が装着される歯の番号などである。このように、デンタル加工機1の加工物は、「インレー」「クラウン」といった歯科補綴物でありうる。加工物についての予め定められた項目には、例えば、「インレー」「クラウン」といった歯科補綴物の情報が含まれうる。
【0029】
CAMソフトは、さらに、切削ファイルのファイル名(Milling File Name)や切削ファイルID(Milling File ID)が記載されたコメント行が、加工プログラムCPに挿入されるようにプログラムされていてもよい。
【0030】
〈切削ファイルのファイル名〉
ここで、切削ファイルのファイル名は、CAMソフトが組み込まれた装置21において、切削ファイル21aに付けられたファイル名である。CAMソフトが組み込まれた装置21では、かかるファイル名によって切削ファイル21aが管理されている。
【0031】
〈切削ファイルID〉
切削ファイルIDは、切削ファイル21a毎に、切削ファイルIDが割り当てられている。このため、ファイル名が同じ切削ファイル21aであっても、切削ファイルIDによって異なる切削ファイル21aとして区別される。
【0032】
CAMソフトは、当該加工プログラムを特定するための切削ファイルIDを用意し、当該切削ファイルIDが記載されたコメント行を、加工プログラムCPに挿入するようにプログラムされているとよい。この際、CAMソフトは、切削ファイルIDに加えて、ファイル名が記載されたコメント行を、加工プログラムCPに挿入するようにプログラムされていてもよい。
図3は、コメント行S1が挿入された加工プログラムCPの一例を示す図である。例えば、
図3に示されているように、切削ファイルのファイル名、切削ファイルIDおよび加工情報PIが記載されたコメント行を、加工プログラムCPに挿入するようにプログラムされている。なお、CAMソフトは、切削ファイルのファイル名や切削ファイルIDは、加工情報PIが記載されたコメント行とは、別のコメント行に記載して加工プログラムCPに挿入するようにプログラムされていてもよい。
【0033】
かかるコメント行の挿入処理は、例えば、CAMソフトが、加工プログラムCPが予め定められた記憶領域に出力される際に実行されるように構成されているとよい。この場合、CAMから出力された加工プログラムCPには、必ず、切削ファイルのファイル名、切削ファイルIDおよび加工情報PIが記載されたコメント行が含まれる。そして、加工プログラムCPに対して、ユニークな切削ファイルIDが付与される。このため、切削ファイルIDから1つの加工プログラムCPが特定される。加工プログラムCPが出力される記憶領域は、CAMソフトが組み込まれた装置21の予め定められた記憶領域でもよいし、操作装置11の予め定められた記憶領域でもよい。予め定められた記憶領域は、操作装置11に取り付けられたUSBメモリや、ハードディスクドライブ(HDD)などの外部記憶装置の予め定められた記憶領域でもよい。また、クラウドコンピューティングを利用して外部サーバの予め定められた記憶領域でもよい。
【0034】
例えば、切削ファイル21aは、デンタル加工機1が実行する加工手順が定められた加工プログラムCPを含む。CAMソフトが組み込まれた装置21において、切削ファイル21aのファイル名が同じであるまま、加工プログラムCPが編集され、更新される場合がある。この場合でも、CAMソフトが、加工プログラムCPが予め定められた記憶領域に出力される際に、切削ファイルIDが付与され、切削ファイルIDが記載されたコメント行が加工プログラムCPに挿入される。このため、切削ファイルIDによって、どのタイミングで操作装置11に送られた切削ファイルであるかが特定される。
【0035】
そして、当該、切削ファイルIDで特定される切削ファイルの加工プログラムCPについても特定される。また、加工プログラムCPには、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが記載されたコメント行も挿入される。
【0036】
この場合、同じ加工プログラムCPを利用して異なる材料を加工する場合がある。このような場合には、CAMソフトが組み込まれた装置21において、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目について、異なるデータが用意されているとよい。例えば、コメント行を加工プログラムに挿入する処理では、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータと、加工プログラムCPとが関連付けて記憶されているとよい。CAMソフトは、加工プログラムによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが記載されたコメント行を、関連付けられた加工プログラムCPに挿入するようにプログラムされているとよい。
【0037】
また、この実施形態では、操作装置11に記憶された加工プログラムCPのコメント行に、切削ファイルのファイル名、切削ファイルIDが付与されている。切削ファイルのファイル名および切削ファイルIDは、例えば、CAMソフトが組み込まれた装置21において、加工プログラムCPのコメント行に付与されるように構成されている。この場合、加工プログラムCPの中に、切削ファイルIDが書き込まれるので、加工プログラムCPと切削ファイルIDとが確実に紐付けられる。また、加工プログラムCPを受け取った操作装置11は、予め定められた方法で、加工プログラムCPを解析することによって、加工プログラムCPの切削ファイルIDを特定することができる。
【0038】
このように、この実施形態では、CAMソフトが組み込まれた装置21から操作装置11に加工プログラムCPを含む切削ファイル21aが送られる。この際には、切削ファイル21aに記載された加工プログラムCPは、
図3に示されているように、ファイルIDと加工情報PIが記載されたコメント行S1を有している。この場合、加工プログラムCPは、ファイルIDと加工情報PIが記載されたコメント行S1を有しているので、ファイルIDや加工情報PIを、加工プログラムCPに別途紐付ける処理が不要になる。また、加工プログラムCPは、操作装置11からデンタル加工機1に送られる。操作装置11やデンタル加工機1は、加工プログラムCPのコメント行から、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータや、切削ファイルIDを得るように構成された処理部を備えているとよい。これにより、操作装置11やデンタル加工機1では、加工プログラムCPのコメント行から、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータや、切削ファイルIDが得られる。
【0039】
従って、操作装置11やデンタル加工機1では、加工プログラムCPのコメント行から得られた、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータや、切削ファイルIDを利用して、切削ファイルIDを含むログデータが作成することができる。また、加工プログラムCPによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを記録することができる。
【0040】
〈ジョブID〉
この実施形態では、加工プログラムCPには、さらにジョブIDが付与される。ここで、ジョブIDは、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCPが送られる際に付与されるIDである。ここで、ジョブIDは、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCPを特定するため、切削ファイルIDとは別のジョブIDが用意される。ジョブIDを作成するのは、操作装置11でもよいし、デンタル加工機1でもよい。
【0041】
つまり、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCPが送られる度に、異なるジョブIDが加工プログラムCPに付与される。かかるジョブIDは、切削ファイルIDとは異なる。このため、切削ファイルIDが同じ加工プログラムCPであっても、例えば、操作装置11からデンタル加工機1に同じ加工プログラムCPが再送される場合には、異なるジョブIDが付与される。この場合、この実施形態では、加工プログラムCPのコメント行には、ファイルIDと、加工情報PIが含まれている。同じファイルIDと加工情報PIが含まれた加工プログラムCPでも、再送された場合には、ジョブIDが異なっている。このように、操作装置11からデンタル加工機1に同じ加工プログラムCPが再送される場合には、ジョブIDによって、当該再送された加工プログラムCPを区別できる。このように、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCP毎に、切削ファイルIDと、切削ファイルIDとは別に用意されたジョブIDとの両方が付与される。このため、切削ファイルIDとジョブIDの両方で、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCPを特定できる。これにより、デンタル加工機1で実行された加工プログラムCPをより詳しく特定できる。
【0042】
この実施形態では、加工プログラムCPのコメント行S1(
図3参照)が解析されることによって、ファイル名とファイルIDと加工情報PIを取得することができる。このため、デンタル加工機1において、ファイル名とファイルIDと加工情報PIを取得することができる。また、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCPが送られた際にジョブIDが付与される。また、操作装置11は、加工プログラムCPをジョブIDで区別したジョブリストJLを作成することができる。デンタル加工機1でも、同様に、加工プログラムCPをジョブIDで区別したジョブリストJLが作成されうる。そして、デンタル加工機1が加工プログラムCPを実行した際には、ジョブIDを含むログデータを操作装置11に送るように構成されうる。なお、ジョブIDを含むログデータは、デンタル加工機1から操作装置11に送られたデータに基づいて、操作装置11によって作成されてもよい。その結果、操作装置11は、ジョブIDを基に、ログデータを管理してジョブIDを含むログファイルLFを作成することができる。
【0043】
〈ジョブリストJL〉
図4は、ジョブリストJLの一例を示す図である。
操作装置11は、デンタル加工機1に加工プログラムCPを送る。操作装置11では、デンタル加工機1に送った加工プログラムCPについて、ジョブリストJLが作成される。ジョブリストJLは、
図4に示されているように、操作装置11からデンタル加工機1に送られた加工プログラムCPと、デンタル加工機1で加工プログラムCPが実行される順番とが紐付けられたリストであるとよい。
図4に示されたジョブリストJLでは、実行される順番、加工プログラムCP、切削ファイルID、ジョブID、ステータスが記録される欄201~205が順に設けられている。
【0044】
例えば、この実施形態では、操作装置11からデンタル加工機1に送られた順番に、デンタル加工機1において加工プログラムCPが実行される。この場合、実行される順番が記録される欄201、加工プログラムCPが記録される欄202には、操作装置11が、デンタル加工機1に送った順番に加工プログラムCPを並べたジョブリストJLが作成されるとよい。ファイルID、ジョブIDが記録される欄203および204には、それぞれ切削ファイルIDとジョブIDが記録される。ステータスが記録される欄205には、デンタル加工機1とのデータ通信に応じて、加工プログラムCPの実行についてステータスが記録されるとよい。なお、ステータスは、予め定められたコード番号で記録されてもよい。また、この実施形態では、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCPが送られる際に、加工プログラムCPを特定するためのジョブIDが付与される。なお、ジョブIDが付与されるタイミングは、ジョブリストJLが作成されるタイミングでもよい。
【0045】
〈ログファイルLF〉
この実施形態では、デンタル加工機1によって加工プログラムCPのログデータが記録されたログファイルLFが、操作装置11において作成される。ログデータは、加工プログラムCPによって実行されたこと、あるいは、実行できなかったことを記録したデータである。ログファイルLFには、ログデータとして、例えば、実行の開始、停止、中断、再開、中止、および終了や、その時刻が記録される。また、加工プログラムCPが実行されている間にエラーが生じた場合には、予め定められたエラーコードが記録される。操作装置11は、デンタル加工機1との通信によって得られるデータに基づいて、ログファイルLFが作成されるように構成されていてもよい。
【0046】
図5は、ログファイルLFの一例を示す図である。この実施形態では、ログファイルLF1には、
図5に示されているように、ログデータに関し、時刻、モデル名、シリアル番号、デバイス名、ファイルID、ジョブID、イベントID、パラメータ1、パラメータ2が記録される欄301~309が設けられている。
【0047】
このうち、時刻が記録されている欄301には、ログデータが取得された時間が記録されている。欄302~304に記録されたモデル名、シリアル番号、デバイス名は、デンタル加工機1を特定するための情報である。これらは、例えば、デンタル加工機1のファームウェア1a3によってログデータに付与される。ファイルID、ジョブIDが記録されている欄305,306には、それぞれファイルID、ジョブIDが記録されている。
【0048】
〈イベントID〉
イベントIDが記録されている欄307には、実行の開始、停止、中断、再開、中止、終了、エラーなどのイベントに、予め定められたコードを記録されている。パラメータ1,2が記録されている欄308,309には、それぞれイベントに付随する情報が記録されている。なお、
図5では、ログデータを区別するために便宜上、ログデータの左側に番号が振られている。
【0049】
図6は、イベントIDに記録されるコード表の一例である。このうち、JobStart(開始), JobEnd(終了), JobPause(休止), JobResume(再開), JobCancel(中止), DiscGet(ディスクゲット), DiscRelease(ディスクリリース), ToolGet(ツールゲット), ToolRelease(ツールリリース), ToolReplace(ツール取り替え), FatalError(致命的なエラー), RecoverableError(回復可能なエラー), ResumableError(再開可能なエラー)を意味する。パラメータ1,2は、各イベントに付随してログデータに記録される情報が示されている。ログデータには、パラメータ1,2に対応したデータが他のデータから参照されて記録される。
【0050】
従って、
図5のログファイルLFでは、一連の加工プログラムCPによる加工(ジョブ)が実行されたログデータが、2番から9番のログデータにおいて記録されている。ここでは、デンタル加工機1において、開始、ディスクゲット、ツールゲット、再開可能なエラーの発生、ツールリリース、中止、ディスクリリース、終了の各時刻が順に記録されている。10番から21番のログデータにおいて、さらに22番からのログデータにおいて、それぞれ他のジョブが実行されたログデータが記録されている。ジョブは、それぞれジョブIDで特定される。加工プログラムCPは、ファイルIDで特定される。
【0051】
デンタル加工機1のファームウェア1a3において同様のログファイルLF1が作成される場合もある。このような場合には、操作装置11は、デンタル加工機1のファームウェア1a3が作成したログファイルLF1を取得するように構成されていてもよい。本明細書では、説明の便宜上、適宜に、デンタル加工機1で作成されるログファイルを、「ログファイルLF1」とする。操作装置11で記録されるログファイルを「ログファイルLF」とする。これにより、両者が区別されている。
【0052】
〈加工情報データPD〉
図7は、加工情報データPDの一例を示す図である。加工情報データPDは、ジョブIDと、加工プログラムCPのコメント行S1(
図3参照)から取得される。加工情報データPDは、ファイルIDと、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含むデータ群とを含んだデータファイルである。
【0053】
図7に示された加工情報データPDでは、ユーザID、ジョブID、加工情報、加工結果を順に記録する記録欄501~504が含まれている。ここで、ユーザIDは、デンタル加工機1を管理するユーザに割り当てられたIDである。ユーザIDは、例えば、デンタル加工機1から送られるログデータの一部に含まれうる。また、ジョブIDを記録する記録欄502には、ジョブIDが記録される。加工情報を記録する記録欄503には、加工プログラムCPのコメント行S1を解析されることによって取得されたデータが記録される。
【0054】
この実施形態では、加工情報を記録する記録欄503には、ファイル名、切削ファイルID、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含むデータ群が記載されている。これらのデータ群は、例えば、JSONフォーマットで記載されているとよい。加工結果を記録する記録欄504には、ジョブIDに基づいて特定されるログデータから、加工プログラムCPが実行された結果が記録されるとよい。
図7に示された例では、例えば、予め定められたコード番号で、加工プログラムCPが実行された結果が記録されている。
【0055】
かかる加工情報データPDからは、ジョブIDによって、デンタル加工機1の加工(ジョブ)が特定できるとともに、当該ジョブにおいて実行された加工プログラムCPのコメント行S1(
図3参照)に記録されたデータ群を取得することができる。
図8は、コメント行S1から取得されるデータの一例を示す図である。コメント行S1からは、
図8に示されているように、切削ファイル21aのファイル名、ファイルID、および、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含む加工情報PIが取得される。かかるデータが、デンタル加工機1が加工プログラムCPを実行すること毎に、換言すれば、ジョブIDで特定されるジョブ毎に取得される。
【0056】
これによりデンタル加工機1が加工プログラムCPを実行する毎に、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが記録として残される。このため、デンタル加工機1が加工プログラムCPを実行すること毎に、換言すれば、ジョブIDで特定されるジョブ毎に、より詳細なデータ分析ができる。また、ジョブIDで特定されるジョブ毎に、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが含まれているので、例えば、デンタル加工機1の加工毎に、加工される材料についてのコストを計算できる。デンタル加工機1では、歯の詰め物が切削加工される。この際、歯の詰め物は、小さい物であり、デンタル加工機1のディスク1i1(
図2参照)に保持された1つの被加工物から、複数の加工品(歯の詰め物)が加工される場合がある。また、歯の詰め物は、形状が複雑であり、加工された加工品において、どの程度、被加工物が使用されたかも割り出しにくい。ここで提案される方法および装置によれば、デンタル加工機1の加工毎に、加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータが含まれている。このため、加工される材料について、より詳細なデータ分析ができる。かかるデータ群は、加工プログラムCPのコメント行S1に記載されたデータから取得されるので、CAMソフトから出力された後では、変更されない。このため、ジョブIDで特定されるジョブ毎のデータを間違えにくくなり、データ管理がしやすくなる。
【0057】
この操作システム10では、操作装置11は、サーバ12にデータ通信可能に接続されている。操作装置11は、ジョブリストJLやログファイルLFや加工情報データPDなどをサーバ12に送る。サーバ12は、操作装置11から送られたジョブリストJLやログファイルLFや加工情報データPDなどデータベース12aに記録する。また、サーバ12は、加工プログラムCPを含む切削ファイル21aを記録していてもよい。この場合、サーバ12は、切削ファイル21aとファイルIDを紐付けて記録しているとよい。切削ファイル21aとファイルIDとが紐付けて記録されていることによって、ログファイルLFや加工情報データPDなどから、切削ファイル21aおよび加工プログラムCPを割り出すことができる。
【0058】
外部装置13は、さらにサーバ12からジョブリストJLやログファイルLFや加工情報データPDなどを得ることができる。ジョブリストJLやログファイルLFや加工情報データPDなどに基づいたデータ解析が、外部装置13において行える。また、サーバ12を通じて、操作装置11にアクセスし、操作装置11およびデンタル加工機1を遠隔操作できるように構成されていてもよい。
【0059】
サーバ12には、これに限らず、操作装置11がデンタル加工機1に送った情報や、ファームウェア1a3を通じて操作装置11が得たデンタル加工機1の状態に関するデータなどが適宜に送られるように構成されてもよい。サーバ12は、データベース12aを備えており、操作装置11から送られたデンタル加工機1の状態に関するデータなどを記憶していてもよい。サーバ12は、さらに外部装置13にデータ通信可能に接続される。外部装置13は、サーバ12に蓄積されたデータを適宜に取得することができるように構成されていてもよい。
【0060】
〈デンタル加工機1〉
ここでは、デンタル加工機1について、具体的な図示は省略する。なお、ここでは、デンタル加工機1について、一例を示す。デンタル加工機1は、ここで言及される形態に限定されない。デンタル加工機1は、
図2に示されているように、制御装置1a、通信装置1b、スピンドル1c、クランプ1d、回転支持機構1e、3軸移動機構1f、ツールマガジン1g、ツールチェンジャー1h、ディスクラック1iおよびディスクチェンジャー1jなどを備えている。この実施形態では、被加工物は、ディスク1i1に保持されている。
【0061】
制御装置1aは、デンタル加工機1を制御する装置である。通信装置1bは、操作装置11などの他の装置との間でデータを通信する装置である。スピンドル1cは、工具を把持して回転させる装置である。クランプ1dは、被加工物が保持されたディスクを保持する保持具である。回転支持機構1eは、スピンドル1cに対して所定の角度でクランプを支持する機構である。回転支持機構1eは、例えば、予め定められたX軸周り、および、Y軸周りにクランプを回転させる機構でありうる。3軸移動機構1fは、回転支持機構1eを左右(X軸)、前後(Y軸)、上下(Z軸)の3軸に沿って移動させる機構である。ツールマガジン1gは、スピンドル1cに取り付けられる複数の工具1g1を収容した収容部である。ツールマガジン1gは、工具1g1毎に収容する場所が決められており、工具1g1を収容する場所には、工具1g1を特定するためのコード番号が付与されている。ツールチェンジャー1hは、ツールマガジン1gに収容された工具と、スピンドル1cに取り付けられる工具を取り替える機構である。ディスクラック1iは、被加工物が保持された複数のディスク1i1(ホルダとも称される)を収容する収容部である。ディスクラック1iは、ディスク1i1毎に収容する場所が決められており、ディスク1i1を収容する場所には、ディスク1i1を特定するためのコード番号が付与されている。ディスクチェンジャーは、ディスクラックにおいて、クランプに取り付けられるディスクを交換する機構である。
【0062】
〈ディスク1i1〉
デンタル加工機1では、ディスク1i1に保持された被加工物には様々な材種が利用される。例えば、被加工物は、セラミック材料(例えば、ジルコニアセラミック材料)、樹脂材料、ガラス材料、金属材料、ワックス材などであり得る。また、被加工物は、ディスク状、ブロック状など、種々の形状であり得る。
【0063】
〈被加工物〉
被加工物は、例えば、クランプ1dに取り付けられるためにディスク1i1に装着されているとよい。また、被加工物は、ディスク1i1に対して着脱可能であるとよい。被加工物は、加工品に対して十分な大きさを有している。被加工物には、デンタル加工機1によって、いくつかの加工品が形成されうる。このため、未加工の被加工物は、例えば、ディスク1i1に装着された後は、ディスク1i1に装着された状態で、いくつかの加工プログラムCPが実行されて、いくつかの加工品が形成される。被加工物は、大凡使い切られるまで、そして、ディスク1i1に装着された状態で継続して加工が継続される。被加工物は、大凡使い切られたら、ディスク1i1から被加工物が外されて別の新たな被加工物がディスク1i1に装着される。
【0064】
このように、ディスク1i1に装着されている被加工物は、未加工品である場合もあるし、既に何度か加工品が形成された後の使用途中の状態でもありうる。
ディスク1i1に装着されている被加工物は、例えば、その3次元形状がCADデータとして記録されているとよい。また、加工された加工品の形状は、例えば、いわゆるSTL形式(Stereolithography)で記録されたSTLファイル(Stereolithography File)のような3次元データによって管理されうる。
【0065】
また、ディスク1i1には、例えば、識別子が記されているとよい。識別子(ディスクIDとも称される)は、二次元コード、一次元コード、マーク、数値、模様又は画像がディスク1i1に直接印刷又は刻印されているとよい。また、デンタル加工機1は、かかるディスク1i1の識別子を読み取るリーダー(Reader)を備えているとよい。かかるリーダーは、例えば、デンタル加工機1に設けられたカメラで撮影された識別子の画像を基にディスク1i1を識別するものでもよい。
【0066】
デンタル加工機1は、各部材の状態を検知するセンサ類1k1やカメラ1k2などの監視装置を備えている。センサ類1k1には、例えば、スピンドルを回転させるモータや、回転支持機構や、ツールチェンジャー、ディスクチェンジャーなどに取り付けられたエンコーダや電流計や電圧計などのセンサ類や、加工時の環境温度を取得するための温度センサや、筐体のカバーの開閉などを検知するセンサなどがある。カメラ1k2は、例えば、スピンドル1cに取り付けられた工具で、クランプ1dに支持されたディスク1i1および被加工物1i2の状態や、ツールマガジン1gやディスクラック1iなどの状態が映し出されるように、筐体に配置された複数のカメラで構成されているとよい。
【0067】
デンタル加工機1は、制御装置1aを備えている。制御装置1aは、このデンタル加工機1の種々の処理を行う装置である。制御装置1aは、例えば、予め定められたプログラムに沿って駆動するコンピュータによって具現化されうる。例えば、制御装置1aの各構成および処理は、コンピュータによって具現化されるデータを予め定められた形式で記憶するデータベース、データ構造、予め定められたプログラムに従って所定の演算処理を行う処理モジュールなどとして、または、それらの一部として具現化されうる。
【0068】
〈デンタル加工機1の加工〉
被加工物はディスク1i1に保持されている。ディスク1i1は、クランプ1dに装着されている。クランプ1dは、回転支持機構1eおよび3軸移動機構1fによって移動及び回転操作される。工具1g1はスピンドル1cに取り付けられている。スピンドル1c、回転支持機構1eおよび3軸移動機構1fは、制御装置1aによって制御される。回転支持機構1eおよび3軸移動機構1fが制御されることによって、ディスク1i1に装着された被加工物の任意の位置が任意の向きで、スピンドル1cに取り付けられた工具1g1に当てられる。スピンドル1c、回転支持機構1eおよび3軸移動機構1fが制御されることによって、ディスク1i1に保持された被加工物は、任意の形状に切削加工される。かかる切削加工は、デンタル加工機1のファームウェア1a3によって読み取られた加工プログラムCP1によって制御される。
【0069】
この実施形態では、デンタル加工機1の制御装置1aは、例えば、
図2に示されているように、記憶部1a1と、処理部1a2とを備えている。制御装置1aには、ファームウェア1a3がインストールされている。ファームウェア1a3は、デンタル加工機1が、予め定められた動作をするようにプログラムされている。
【0070】
記憶部1a1は、第1記憶部1a11と、第2記憶部1a12と、第3記憶部1a13と、第4記憶部1a14と、第5記憶部1a15と、第6記憶部1a16とを備えている。
【0071】
第1記憶部1a11は、デンタル加工機1が実行するべき複数の加工プログラムCP1を記憶している。ここで「加工プログラムCP1」は、デンタル加工機1の第1記憶部1a11に記憶された加工プログラムを意味している。
【0072】
第2記憶部1a12は、デンタル加工機1が実行すべき加工プログラムCP1の順番を記憶したジョブリストJL1を記憶する。
【0073】
第3記憶部1a13は、加工プログラムCP1のログデータを記録したログファイルLF1(ログファイルとも称される)を記憶する。
【0074】
第4記憶部1a14は、デンタル加工機1のエラー状態を判定するためのマスタファイルと、エラー状態を特定するためのエラーコードとを紐付けて記憶している。
【0075】
第5記憶部1a15は、デンタル加工機1のスピンドル1cや、クランプ1dや、回転支持機構1eや、3軸移動機構1fや、ツールチェンジャー1hや、ディスクチェンジャー1jなど、デンタル加工機1の初期状態(デフォルト状態)を記憶している。
【0076】
第6記憶部1a16は、ツールマガジン1gに収容された工具1g1と工具1g1が収容された場所や、ディスクラック1iに収容されたディスク1i1とディスク1i1に保持された被加工物についての情報を記憶している。
【0077】
処理部1a2は、ファームウェア1a3に従って所要の処理を実施する。処理部1a2は、例えば、第1処理部1a21と、第2処理部1a22と、第3処理部1a23と、第4処理部1a24と、第5処理部1a25と、第6処理部1a26と、第7処理部1a27とを備えている。以下、各処理部で実行される処理について説明する。なお、
図2では、デンタル加工機1の一部の処理が説明されており、デンタル加工機1の全ての処理が説明されている訳でない。
【0078】
第1処理部1a21は、操作装置11からの指示に従って、操作装置11から送られた加工プログラムCPを第1記憶部1a11に記憶するように構成されている。ここでは、第1記憶部1a11に記憶された加工プログラムCPは、「加工プログラムCP1」とする。
【0079】
第2処理部1a22は、操作装置11からの指示に従って、ジョブリストJL1を作成し、第2記憶部1a12に記憶するように構成されている。
【0080】
第3処理部1a23は、加工プログラムCP1に従ってデンタル加工機1を制御するように構成されている。
【0081】
第4処理部1a24は、デンタル加工機1のエラーを検出するように構成されている。デンタル加工機1のエラーは、例えば、センサ類1k1やカメラ1k2で取得されるデータと、第4記憶部1a14に記憶されたマスタファイルとを、マッチングするマッチング処理によって検出されうる。
【0082】
第5処理部1a25は、通信装置1bを通じて操作装置11など他の装置とのデータ通信を行なうように構成されている。デンタル加工機1は、例えば、加工プログラムCPを操作装置11から受信する。デンタル加工機1において、加工プログラムCP1が実行された記録や、デンタル加工機1の状態や、センサ類1k1やカメラ1k2で取得されるデータや、エラーコードなどが操作装置11に送るように構成されている。
【0083】
第6処理部1a26は、デンタル加工機1を初期状態に戻すように構成されている。デンタル加工機1の初期状態では、工具1g1は、ツールマガジン1gの予め定められた位置に戻される。ディスク1i1は、ディスクラック1iの予め定められた位置に戻される。かかる処理は、原点回帰処理とも称される。かかる処理によって、スピンドル1cやクランプ1dや回転支持機構1eや3軸移動機構1fなどは、予め定められた位置に状態に戻される。
【0084】
第7処理部1a27は、これらの制御基準位置が設定されるように構成されている。例えば、スピンドル1cやクランプ1dや回転支持機構1eや3軸移動機構1fが所定の位置に戻された後で、センサの検知に基づいて制御の基準位置が設定される。かかる処理は、ゼロトラッキング処理や、ゼロ点補正などと称される。
【0085】
なお、
図2のブロック図では、デンタル加工機1の構成要素が挙げられている。しかしながら、
図2のブロック図に挙げられた構成要素は、デンタル加工機1の一部であり、デンタル加工機1は、
図2のブロック図に挙げられた構成要素に限定されない。
【0086】
例えば、デンタル加工機1が実行すべき加工プログラムCP1の順番を記憶したジョブリストや、加工プログラムCP1のログデータを記録したログファイルや、デンタル加工機1のエラー状態を判定するためのマスタファイルや、エラー状態を特定するためのエラーコードなどは、操作装置11に記憶されていてもよい。このため、デンタル加工機1は、第2記憶部1a12、第3記憶部1a13、および、第4記憶部1a14を備えていなくてもよい。
【0087】
また、例えば、スピンドル1c、クランプ1d、回転支持機構1e、3軸移動機構1f、ツールマガジン1g、ツールチェンジャー1h、ディスクラック1iおよびディスクチェンジャー1jなどは、それぞれ筐体に収容されている。筐体は、適宜にカバーを開閉できるように構成されている。
【0088】
〈加工プログラムCP1〉
この実施形態では、加工プログラムCP1は、上述した加工プログラムCPと同じものであるが、上述したように操作装置11からデンタル加工機1に送られる際に、ジョブIDが付与されている。かかる観点で、本明細書では、デンタル加工機1の第1記憶部1a11(
図2参照)に記憶された加工プログラムCPは、適宜に「加工プログラムCP1」としている。
【0089】
〈ジョブリストJL1〉
ジョブリストJL1は、上述のようにデンタル加工機1が加工プログラムCP1を実行する順番が定められたリストである。ここで、加工プログラムCP1を実行する順番は、ジョブリストJL1によって定められる。なお、加工プログラムCP1を実行する順番は、操作装置11によって定められる。例えば、操作装置11がデンタル加工機1に加工プログラムCP1を送った順番に、デンタル加工機1が加工プログラムCP1を実行する順番が定められてもよい。この場合、操作装置11がデンタル加工機1に加工プログラムCP1を送った順番に、デンタル加工機1が加工プログラムCP1を実行する順番が定められたジョブリストJL1が作成される。
【0090】
〈ログファイルLF1〉
デンタル加工機1は、加工プログラムのログデータを記録したログファイルLF1を作成する。ここで、ログファイルLF1には、例えば、ジョブリストに記録された加工プログラムについて、実行の開始、停止、中断、再開、中止、および終了や、その時刻が記録される。また、ジョブリストに記録された加工プログラムについて、実行中にエラーが生じた場合には、予め定められたエラーコードが記録される。この実施形態では、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCP1には、ジョブIDが付与されているので、ジョブリストJL1や、ログファイルLF1のログデータには、ジョブIDが含まれうる。
【0091】
〈ファームウェア1a3〉
ファームウェア1a3は、デンタル加工機1を制御する。ファームウェア1a3は、上述した処理部1a2の各処理を実行するための処理モジュールを備えている。以下、デンタル加工機1のファームウェア1a3の機能を説明する。ファームウェア1a3は、以下のような機能が、コンピュータによる処理として実現されるようにプログラムされているとよい。
【0092】
ファームウェア1a3は、操作装置11と通信して、第1記憶部1a11に加工プログラムCP1を記憶する。
ファームウェア1a3は、ジョブリストJL1を作成する。
ファームウェア1a3は、第2記憶部1a12に記憶されたジョブリストJL1に従って、第1記憶部1a11に記憶された加工プログラムCP1を順に実行する。
ファームウェア1a3は、ログファイルLF1を作成する。
【0093】
例えば、ファームウェア1a3は、ログファイルLF1に加工プログラムCP1の実行の開始時刻と、終了時刻を記録される。さらに、スピンドル1cにツールが取り付けられたタイミングや、ツールがツールマガジン1gに戻されたタイミングや、クランプ1dにディスク1i1が把持されたタイミングや、ディスク1i1がディスクラック1iに戻されたタイミングなどを記録する。
【0094】
例えば、ファームウェア1a3は、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCP1が送られた順番に、加工プログラムCP1が実行されるようにジョブリストJL1を作成する。上述したように、ジョブリストJL1に記録欄が設けられている場合には、記録欄に、加工プログラムCP1のステータスを記録する。この場合、デンタル加工機1の処理部1a2は、ジョブリストJL1に従って、加工プログラムCP1を順番に実行するように構成されているとよい。なお、ジョブリストJL1に代えて、デンタル加工機1は、デンタル加工機1の第1記憶部1a11に、デンタル加工機1が実行する順番を紐付けて、複数の加工プログラムCP1を記憶してもよい。
【0095】
ファームウェア1a3は、デンタル加工機1のエラーを検知する。ファームウェア1a3は、エラーを検知した場合には、エラーに応じた処理を実行するように構成されている。例えば、ファームウェア1a3は、エラーを検知した場合、検知されたエラーのエラーコードに基づいて予め定められた処理を実行する。ファームウェア1a3は、検知されたエラーのエラーコードに基づいて加工プログラムCP1の実行を一時的に停止する。次に、エラーコードに基づいて、デンタル加工機1において自己修復可能なエラーか否かを判定する。そして、デンタル加工機1において自己修復可能なエラーであれば、エラーの修復が実行される。エラーが自己修復され、エラーが解消した場合には、デンタル加工機1は、加工プログラムCP1の実行を再開するように構成されている。また、検知されたエラーのエラーコードに基づいて、デンタル加工機1を停止させ、デンタル加工機1を予め定められた初期状態に戻す原点回帰処理を実行する。また、ファームウェア1a3は、デンタル加工機1の再開させる場合には、初期状態において、ゼロ点補正を実行した後で、デンタル加工機1による加工プログラムCP1の実行を再開する。
【0096】
ファームウェア1a3は、デンタル加工機1の状態に関するデータを操作装置11に通知する。デンタル加工機1の状態に関するデータには、例えば、加工プログラムCP1について、開始、停止、中断、再開、中止、および終了などの時刻や、デンタル加工機1に設けられたセンサ類1k1やカメラ1k2で取得されるデータや、エラーコードなどが含まれる。ファームウェア1a3は、予め定められたタイミングにおいて、これらのデータを操作装置11に送る。また、ファームウェア1a3は、操作装置11からの要求に応じて、これらのデータを操作装置11に送る。
【0097】
なお、デンタル加工機1では、搭載されている記憶容量に限りがある。このため、加工プログラムCP1や、ログファイルLF1や、ジョブリストJL1などは、予め定められたタイミングにおいて、適宜に削除される。例えば、ログファイルLF1は、加工プログラムCP1の実行が終了し、加工プログラムが実行された際のデータが操作装置11に送信された後などにおいて削除されてもよい。
【0098】
この実施形態では、加工プログラムCPには、ファイルIDや加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含むデータ群が記載されたコメント行S1が含まれている。このため、デンタル加工機1のファームウェア1a3は、加工プログラムCPのコメント行S1を解析して、ファイルIDや加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを含むデータ群を取得するように構成されうる。このため、デンタル加工機1で作成されるジョブリストJL1や、ログファイルLF1のログデータには、加工プログラムCPのコメント行S1から取得されたファイルIDが適宜に含められる。また、この実施形態では、操作装置11からデンタル加工機1に加工プログラムCPが送られる際に、ジョブIDが付与される。このため、ジョブリストJL1やログファイルLF1のログデータには、適宜にジョブIDが含められる。
【0099】
以上、ここで提案されるデンタル加工機1およびデンタル加工機1の操作システムについて説明した。以下、ここで提案されるデンタル加工機1の操作装置11および操作システム10をさらに説明する。
【0100】
ここで提案されるデンタル加工機の操作装置11は、
図1に示されているように、記憶部Aと、処理部Bと、処理部Cと、処理部Dと、処理部Eとを備えている。
【0101】
記憶部Aは、デンタル加工機1が実行する加工手順が定められた加工プログラムCPを含み、かつ、切削ファイルIDが紐付けられた切削ファイル21aを記憶している。
処理部Bは、切削ファイルIDが紐付けられた切削ファイル21aに含まれた加工プログラムCPをデンタル加工機1に送るように構成されている。
処理部Cは、処理部Bによって、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCPを特定するため、切削ファイルIDとは別のジョブIDを用意し、当該ジョブIDを当該デンタル加工機1に送られた加工プログラムCPに紐付けるように構成されている。
【0102】
ここで提案される操作装置11によれば、デンタル加工機1に送られた加工プログラムCPを特定するためのジョブIDが、切削ファイルIDとは別に用意され、当該加工プログラムCPに紐付けられる。このため、デンタル加工機に送られた加工プログラム毎に、切削ファイルIDと、切削ファイルIDとは別に用意されたジョブIDとの両方で、加工プログラムを特定できる。これにより、デンタル加工機で実行された加工プログラムをより詳しく特定できる。例えば、操作装置11からデンタル加工機1に、同じ加工プログラムCPが再送される場合でも、ジョブIDによって、加工プログラムCPが特定される。さらに、加工プログラムCPは、切削ファイルIDに紐付けられているので、加工プログラムCPを含む切削ファイル21aが特定される。これにより、デンタル加工機1で実行された加工プログラムCPをより詳しく特定できる。
【0103】
処理部Dは、加工プログラムについて、切削ファイルIDと、ジョブIDとを含むログデータを記録したログファイルを作成するように構成されている。このため、ログデータに切削ファイルIDと、ジョブIDとが含まれているので、ログデータからデンタル加工機1に送られた加工プログラムCPおよび切削ファイル21aを特定することができる。これにより、デンタル加工機1で実行された加工プログラムCPをより詳しく特定できる。
【0104】
また、切削ファイル21aは、加工される材料についての予め定められた項目のデータをさらに含んでいてもよい。操作装置11の処理部Eは、切削ファイル21aに含まれた前記加工プログラムが前記デンタル加工機に送られた際に付与されたジョブIDと、前記加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データPDを作成するように構成されているとよい。この場合、ジョブIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データPDが作成される。換言すると、ジョブIDに基づいて、デンタル加工機1が加工プログラムCPを実行する毎に、加工される材料についての予め定められた項目のデータが記録として残される。このため、デンタル加工機1が加工プログラムCPを実行すること毎に、換言すれば、ジョブIDで特定されるジョブ毎に、加工される材料についてのより詳細なデータ分析ができる。
【0105】
ここで提案されるデンタル加工機の操作システムは、操作装置11とデータ通信可能に接続されたサーバ12を備えている。
ここで、操作装置11は、例えば、切削ファイルIDと、ジョブIDとを含むログデータをサーバ12に送るように構成された処理部Fを備えていてもよい。この場合、ログデータは、複数のログデータを記録したログファイルLFとして送られてもよい。
サーバ12は、ログデータを記録する記録部12aを備えているとよい。
【0106】
また、操作装置11は、ジョブIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータとが紐付けられた加工情報データPDをサーバ12に送るように構成された処理部Gを備えていてもよい。この場合、サーバ12は、加工情報データPDを記録する記録部を備えていてもよい。
図1に示された操作システム10において、かかるサーバ12の記録部12aは、サーバ12のデータベース12aで構成されている。
【0107】
この実施形態では、CAMソフトが組み込まれた装置21は、
図1に示されているように、ここで提案される加工プログラム作成装置として機能する。ここで、CAMソフトが組み込まれた装置21は、加工プログラム記憶部101と、材料データ記憶部102と、コメント挿入処理部103と、出力処理部104とを備えている。
【0108】
加工プログラム記憶部101は、デンタル加工機1が実行する加工手順が定められた加工プログラムCPを記憶するように構成されている。
材料データ記憶部102は、加工プログラム記憶部101に記憶された加工プログラムCPによって加工される材料または加工物についての予め定められた項目のデータを記憶するように構成されている。
コメント挿入処理部103は、ファイルIDを用意し、当該ファイルIDと、材料データ記憶部102に記憶された予め定められた項目のデータとが記載されたコメント行S1を、加工プログラムCPに挿入するように構成されている。
【0109】
ここで、コメント挿入処理部103は、加工プログラム記憶部101に記憶された加工プログラムCPを特定するためのファイルIDを用意し、当該ファイルIDが記載されたコメント行S1を、加工プログラムCPに挿入するように構成されていてもよい。
また、コメント挿入処理部103は、材料データ記憶部102に記憶された予め定められた項目のデータが記載されたコメント行を、加工プログラムCPに挿入するように構成されていてもよい。
【0110】
出力処理部104は、加工プログラム記憶部101に記憶された加工プログラムCPを、予め定められた記憶領域に出力するように構成されている。この場合、コメント挿入処理部103は、出力処理部104によって加工プログラムCPが出力される際に、コメント行S1を加工プログラムCPに挿入するように構成されていてもよい。
【0111】
また、他の形態として、コメント挿入処理部103は、ファイルIDを用意し、ファイルIDが記載された第1コメント行と、材料データ記憶部102に記憶された予め定められた項目のデータが記載された第2コメント行とを、それぞれ加工プログラムCPに挿入するように構成されていてもよい。また、この場合、コメント挿入処理部103は、出力処理部104によって加工プログラムCPが出力される際に、第1コメント行と第2コメント行とを加工プログラムCPに挿入するように構成されていてもよい。
【0112】
このように、切削ファイル21aを特定するためのファイルID(切削ファイルID)や、加工される材料についての予め定められた項目のデータを含む加工情報PIが、加工プログラムCPのコメント行S1に記載される形態を例示している。なお、ファイルIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータと、加工プログラムCPや切削ファイル21aとの紐付けは、かかる形態に限定されない。例えば、ファイルIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータと、加工プログラムCPや切削ファイル21aとの紐付けを関連付けるための、参照データが別途作成されてもよい。さらに、ファイルIDと、加工される材料についての予め定められた項目のデータと、加工プログラムCPと、ジョブIDとを紐付けるための参照データが作成されてもよい。
【0113】
以上の通りに、ここで提案されるデンタル加工機の操作装置および操作システムの一実施形態を種々説明したが、ここで提案されるデンタル加工機の操作装置および操作システムは、上述した実施形態に限定されない。また、ここで提案されるデンタル加工機の操作装置および操作システムは、種々変更でき、特段の問題が生じない限りにおいて、各構成要素やここで言及された各処理は適宜に省略され、または、適宜に組み合わされうる。
【符号の説明】
【0114】
1 デンタル加工機
10 操作システム
11 操作装置
12 サーバ
12a データベース(記録部)
13 外部装置
21 CAMソフトが組み込まれた装置
21a 切削ファイル
22 CADソフトが組み込まれた装置
22a 3Dモデルファイル
101 加工プログラム記憶部
102 材料データ記憶部
103 コメント挿入処理部
104 出力処理部
A 操作装置11の記憶部
B~G 操作装置11の処理部