(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】チェッカーれんが及び一体化ブロック
(51)【国際特許分類】
C21B 9/06 20060101AFI20221004BHJP
F27D 1/00 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
C21B9/06
F27D1/00 D
(21)【出願番号】P 2019048892
(22)【出願日】2019-03-15
【審査請求日】2022-01-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000170716
【氏名又は名称】黒崎播磨株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】日本製鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小出石 吉隆
(72)【発明者】
【氏名】中村 倫
【審査官】瀧口 博史
(56)【参考文献】
【文献】特許第5993297(JP,B2)
【文献】中国実用新案第202041085(CN,U)
【文献】中国実用新案第201634703(CN,U)
【文献】中国実用新案第201614383(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C21B 9/02
F27D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外形が正六角柱形状をしており、上面と下面を貫通する複数のガス流路を有するチェッカーれんがであって、
上面又は下面のいずれか一方に3個の凸ダボを有するとともに、上面又は下面のいずれか他方に3個の第1凹ダボと3個の第2凹ダボとを有しており、
上面又は下面のいずれか一方において、六角形の中心と3個の凸ダボの中心とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しく、
上面又は下面のいずれか他方において、六角形の中心と3個の第1凹ダボの中心とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しく、
上面又は下面のいずれか一方の前記3本の線分と上面又は下面のいずれか他方の前記3本の線分とは長さが異なっており、かつ、上面から見た透視図において、上面又は下面のいずれか一方の前記3本の線分と上面又は下面のいずれか他方の前記3本の線分とのうち隣接する線分どうしのなす角度が60度であり、
六角形の頂点と3個の凸ダボの中心とを結ぶ3本の線分と、六角形の中心と3個の第1凹ダボの中心とを結ぶ3本の線分とは長さが等しく、
3個の第2凹ダボは、上面から見た透視図において、六角形の中心から延びて3個の第1凹ダボの中心を通る3本の直線と、六角形の中心を中心として3個の凸ダボの中心を通る円との3個の交点をそれぞれ中心として設けられている、チェッカーれんが。
【請求項2】
請求項1に記載のチェッカーれんがをストレート積みにより複数個接合してなる一体化ブロック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱風炉の蓄熱室内に組み込まれるチェッカーれんが、及びそのチェッカーれんがを使用した一体化ブロックに関する。
【背景技術】
【0002】
製銑用の高炉への熱風供給を行うために、熱風炉が用いられている。熱風炉の蓄熱室内には、蓄熱材として、外形が正六角柱形状をした耐火れんが製のチェッカーれんが(ギッターれんがとも称する)が多数配列され、複数層に重ねて築造されている。
【0003】
チェッカーれんがは、耐火れんが材で形成された正六角柱形状の本体を有し、本体の上面及び下面は平行とされている。本体には、断面形状が丸形又は六角形のガス流路が複数、鉛直方向に貫通形成されており、各々は本体の上下面に開口されている。また、チェッカーれんがは空目地で築炉されるため、れんがどうしのずれを防止するために上面又は下面のいずれか一方に凸ダボ(凸状のダボ)、上面又は下面のいずれか他方に凹ダボ(凹状のダボ)を有している。
【0004】
このようなチェッカーれんがを熱風炉内に築造する際には、ストレート積み(煙突積み)又はラップ積みが採用されるが、いずれの場合にも、上下のれんがはダボどうしが嵌合するように配置されている。
【0005】
ストレート積みは、下層のチェッカーれんがの真上に上層のチェッカーれんがを重ねてゆくものである。これに対してラップ積みは、複数のチェッカーれんがにまたがるようにチェッカーれんがを積み重ねてゆくもので、下層の3個のチェッカーれんがにまたがって上層のチェッカーれんがを積み重ねてゆく積み方が多用されている。
一方、ラップ積には2種類ある。すなわち、Aパターンの第1層とBパターンの第2層とを繰り返して積層するAB積みと、更にCパターンの第3層を加えて繰り返して積層するABC積みである。ABC積みは、れんがの六角形の頂点が3段に亘って一致しない(六角形の中心も3段に亘って一致しない)ように積み重ね、より均一な荷重分散を図ることができるとともに、全てのガス流路が、いずれかの階層でチェッカーれんがの中心位置を通るため、チェッカーれんが間の開きの発生を防止することができるとされている。
【0006】
近年、熱効率の向上を狙って、チェッカーれんが単位面積当たりのガス流路数(孔数)が増加する傾向にあり、れんが1個当たりの流路数は7孔から19孔、更に最近では37孔のチェッカーれんがも使用されるようになってきている。このように流路数が増えてくると従来のダボの大きさや位置では、ダボがガス流路にまたがることになり、ダボの大きさ及び位置の設計が難しくなってくる問題がある。
【0007】
特許文献1には19孔のチェッカーれんがが開示されている。このチェッカーれんがにおいて、凸ダボと凹ダボは中心からの距離が等しくしかも60度ずつずれた位置に交互に配置されているため、ストレート積み、AB積み、及びABC積みの全てが可能である。しかし、このチェッカーれんがでは、上下面のダボがそれぞれ4つのガス流路の開口にまたがって形成され、かつ上下面の六角形の頂点近傍に設置したガス流路の外側(頂点に近い側)までダボの一部が拡がっており、肉厚の薄い部分が生じる。これらの肉厚の薄い部分では、製造時及び操業時に本体の耐火れんが材が割れやすいという問題がある。
【0008】
この特許文献1に対して強度を向上したチェッカーれんがが、特許文献2に開示されている。この特許文献2のチェッカーれんがでは、凸ダボと凹ダボとをガス流路の間の中実部に形成することで薄肉部が形成されず、薄肉化に起因するれんがの破損を防止することができる。しかし、特許文献2のチェッカーれんがでは、ラップ積(AB積み及びABC積み)はできるものの、ストレート積みはできない。
【0009】
熱風炉の築炉作業は、炉内で人がチェッカーれんがを1個ずつ積み上げて行うが、チェッカーれんがを100段以上を積み上げなければならず、今後、熱風炉の築炉作業時間短縮をしようとする際のネックとなっている。
そこで、あらかじめ数十個単位でチェッカーれんがを接合し一体化ブロックとしておき、炉内に一体化ブロックを搬入し施工することで築炉作業時間を短縮することが考えられる。このとき、特許文献2に開示されたチェッカーれんがを使用して、例えば直径が1m程度で高さが5段の一体化ブロックを製作しようとした場合、ラップ積みしかできないため、一体化ブロックの側面が凹凸となり、一体化ブロックどうしの接合が困難になる。
すなわち、一体化ブロックを製作する場合、ストレート積とラップ積み(AB積み及びABC積み)とを組み合わせて積むことができれば炉内での築炉作業が容易になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】中国実用新案公告第201809372号明細書
【文献】特許第5993297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明が解決しようとする課題は、ストレート積みとABC積みの両方が可能なチェッカーれんが、及びそのチェッカーれんがを使用した一体化ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、特許文献2に開示されたチェッカーれんがにおいて、ABC積み用の凹ダボに隣接して、ストレート積み専用の凹ダボを設けることでストレート積みとABC積みの両方が可能なチェッカーれんがとなることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明の一観点によれば次のチェッカーれんがが提供される。
外形が正六角柱形状をしており、上面と下面を貫通する複数のガス流路を有するチェッカーれんがであって、
上面又は下面のいずれか一方に3個の凸ダボを有するとともに、上面又は下面のいずれか他方に3個の第1凹ダボと3個の第2凹ダボ
とを有しており、
上面又は下面のいずれか一方において、六角形の中心と3個の凸ダボの中心とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しく、
上面又は下面のいずれか他方において、六角形の中心と3個の第1凹ダボの中心とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しく、
上面又は下面のいずれか一方の前記3本の線分と上面又は下面のいずれか他方の前記3本の線分とは長さが異なっており、かつ、上面から見た透視図において、上面又は下面のいずれか一方の前記3本の線分と上面又は下面のいずれか他方の前記3本の線分とのうち隣接する線分どうしのなす角度が60度であり、
六角形の頂点と3個の凸ダボの中心とを結ぶ3本の線分と、六角形の中心と3個の第1凹ダボの中心とを結ぶ3本の線分とは長さが等しく、
3個の第2凹ダボは、上面から見た透視図において、六角形の中心から延びて3個の第1凹ダボの中心を通る3本の直線と、六角形の中心を中心として3個の凸ダボの中心を通る円との3個の交点をそれぞれ中心として設けられている、チェッカーれんが。
【0014】
また、本発明の他の観点によれば、本発明のチェッカーれんがをストレート積みにより複数個接合してなる一体化ブロックが提供される。
【発明の効果】
【0015】
本発明のチェッカーれんがは、凸ダボ、第1凹ダボ及び第2凹ダボを3個ずつ所定の位置に有することから、ストレート積みとABC積みの両方が可能となる。これにより、一体化ブロックをストレート積みで製作することができるようになり、一体化ブロックを使用して築炉作業を行うときに隣接する一体化ブロックどうしの接合を容易に行うことができる。そして、上下方向の一体化ブロックの接合は、一体化ブロックの層毎でABC積みが可能となるので、一体化ブロックの六角形の頂点が一致しないように積み重ね、より均一な荷重分散を図ることができるとともに、全てのガス流路が、いずれかの階層で一体化ブロックの中心位置を通るため、一体化ブロック間の開きの発生を防止することができる。
また、一体化ブロックを使用しない従来の築炉作業においても、部分的にストレート積みを使用しており、ストレート積みとABC積みの両方が可能であることで作業能率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明のチェッカーれんがを利用する熱風炉の模式図。
【
図2】本発明の一実施形態であるチェッカーれんがの上面側を示す斜視図。
【
図3】前記チェッカーれんがの下面側を示す斜視図。
【
図5】前記チェッカーれんがの縦断面を示す断面図。
【
図7】前記チェッカーれんがを上面から見た透視図。
【
図8】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1階層を示す平面図。
【
図9】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1階層を示す斜視図。
【
図10】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1~第2階層を示す平面図。
【
図11】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1~第2階層を示す斜視図。
【
図12】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1~第3階層を示す平面図。
【
図13】前記チェッカーれんがの積み重ねの際の第1~第3階層を示す斜視図。
【
図14】本発明の一実施形態であるチェッカーれんがを使用した一体化ブロックの斜視図。
【
図15】
図14の一体化ブロックを使用した築炉方法を説明するための斜視図。
【
図16】
図14の一体化ブロックを使用した築炉方法を説明するための斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1に、本発明のチェッカーれんがを利用する熱風炉1を模式的に示している。
図1において、熱風炉1は、図示しない高炉に例えば1200~1400℃の熱風を供給するための設備である。熱風炉1は、基礎2上に設置された蓄熱室3、燃焼室4及び煙突5を有する。
【0018】
燃焼室4は、蓄熱室3の側方に並設された円筒状の燃焼設備であり、その下部には加熱用のバーナー8が設置されている。バーナー8にはガス管6及び空気管7が接続され、これらから供給される燃料ガス及び空気を混合させて燃焼させて高温の燃焼ガスを生成することができる。燃焼室4の中間部には図示しない高炉に至る熱風出口13が接続されているとともに、燃焼室4の上部は連絡管9により蓄熱室3の上部と連通されている。
【0019】
蓄熱室3は、円筒状の蓄熱設備であり、その内部には、耐火れんが材製のチェッカーれんが20が多層にわたって積み重ねられ、これにより高さが約30~40mに及ぶ蓄熱領域10が築造されている。蓄熱室3の下部は排ガス出口11を介して煙突5の下部に連通されている。また、蓄熱室3の下部は開閉可能な冷風入口12を介して大気に開放可能である。
【0020】
チェッカーれんが20は、詳細は後述するが、燃焼室4から蓄熱室3に供給される排ガスの熱(燃焼熱)を蓄熱し、その熱で冷風を加熱して熱風を生成する熱交換機能を有する。このチェッカーれんが20の内部には、上下方向に多数のガス流路22が貫通形成されている(
図2ないし
図6参照)。
【0021】
なお、
図1の熱風炉1は、燃焼室4と蓄熱室3が分離構成された外燃式であるが、本発明のチェッカーれんがが適用される熱風炉は、このような外燃式の熱風炉1に限定されず、燃焼室と蓄熱室が一体構成された内燃式熱風炉、燃焼室が蓄熱室の頂上部に設けられた頂頭式熱風炉など、任意の形式の熱風炉であってよい。
【0022】
図2ないし
図6に、本発明の一実施形態であるチェッカーれんが20を示している。
図2はチェッカーれんが20の上面側を斜めに見た状態、
図3はチェッカーれんが20の下面側を斜めに見た状態である。
図4はチェッカーれんが20の上面を示し、
図5はチェッカーれんが20の縦断面を示し、
図6はチェッカーれんが20の下面を示す。
【0023】
各図に示すように、チェッカーれんが20は、上面25、下面26、6つの側面27及び側面27が互いに交わる6つの角部30を有する正六角柱状のれんが本体21を有する。
れんが本体21は、その上面25から下面26へと上下方向に貫通する複数のガス流路22と、れんが本体21の上面25にその六角形の中心から見て120度間隔で設けられる3個の凸ダボ23と、れんが本体21の下面26にその六角形の中心から見て120度間隔で設けられる3個の第1凹ダボ24と、3個の第1凹ダボ24それぞれの近傍に設けられる3個の第2凹ダボ31と、れんが本体21の6つの側面27それぞれに形成される3つの側面平部271及び上下方向に形成された3本の第1流路溝28と、6つの角部30それぞれに形成される1本の第2流路溝29とを備えている。
【0024】
れんが本体21は、耐火れんが材を型枠成型により正六角柱状に形成したものであり、前述した熱風炉1の蓄熱領域10に設置される際に、多数のチェッカーれんが20を上下に積み重ねた場合でも破壊されない十分な圧縮強度を有する。
【0025】
ガス流路22は、れんが本体21を上下方向(正六角柱状の軸心方向)に貫通する貫通孔とされている。また、この貫通孔は、チェッカーれんが20を上下に積み重ねた際に流路断面を塞がないように上下方向にテーパ状となっていることが好ましい。
ガス流路22は、れんが本体21の6つの側面27のうち、平行に相対する2つの側面27間に、それぞれ4個、5個、6個、7個、6個、5個、4個となるように7列に配置され、合計で37個形成されている。
ガス流路22は、れんが本体21の上面25に形成された開口221と、れんが本体21の下面26に形成された開口222とを有する。ガス流路22は、好ましくは上向きに拡径したテーパ状の貫通孔とされ、下面26の開口222に対して上面25の開口221がやや大きく形成されている。
ガス流路22の断面形状は正六角形とされ、したがって開口221,222も正六角形である。ただし、これらの六角形は頂点が丸められている。
ガス流路22は、六角形の互いの辺が対向するように配置され、ガス流路22間に形成される中実部210は略一定厚みでリブ状に連続するように形成されている。
このような形状により、ガス流路22に臨む表面からの中実部210の厚さが一定となり、中実部210を構成する耐火れんが材を蓄熱材として無駄なく機能させることができる。したがって、このような正六角形のガス流路22を用いることで、チェッカーれんが20としての蓄熱効率を最大にすることができる。
【0026】
第1流路溝28は、れんが本体21の6つの側面27の中間部分(上面25及び下面26の六角形の辺にあたる部分の中間)において、それぞれ上面25から下面26まで連続して形成されている。
第1流路溝28の断面形状は、ガス流路22の断面形状である正六角形を、対向する辺の中点を結ぶ線(外接円の直径となる線分)で半分つまり1/2に切断した形状とされている。したがって、チェッカーれんが20を隣り合わせに配置した際には、他のチェッカーれんが20の第1流路溝28と互いに向かい合わせに配置され、これら2本の向かい合う第1流路溝28によりガス流路22に相当する空間が形成されるようになっている。
第1流路溝28は、1つの側面27あたり3個、れんが本体21では合計18個形成されている。
【0027】
第2流路溝29は、れんが本体21の6つの側面27が互いに交わる角部30(上面25及び下面26の六角形の頂点にあたる部分)において、それぞれ上面25から下面26まで連続して形成されている。
第2流路溝29の断面形状は、ガス流路22の断面形状である正六角形を、一つの辺を挟む一対の辺の中点と六角形の中心とを結ぶ線で1/3に切断した形状とされている。したがって、3個のチェッカーれんが20を隣り合わせに配置した際には、他の2個のチェッカーれんが20の第2流路溝29と互いに向かい合わせに配置され、これら計3本の向かい合う第2流路溝29によりガス流路22に相当する空間が形成されるようになっている。
第2流路溝29は、れんが本体21の各角部分に1個、れんが本体21全体では合計6個形成されている。
【0028】
なお、れんが本体21において、ガス流路22の数を過度に多くしたり、ガス流路22の断面積を過度に大きくしたりすると、チェッカーれんが20の製造時のプレス能力が不足し、高さ方向に均質なれんが材質が得られず、チェッカーれんが20の強度が不足することがある。一般に、チェッカーれんが20に類するチェッカーれんがとしては、幅が180~320mm、高さが120~180mmのものが使用されているが、蓄熱室3内におけるチェッカーれんが20の積み上げ高さは、約30~40mにも達するため、チェッカーれんが20にかかる荷重と熱膨張時の応力を考慮すると、経験的に圧縮強さは40MPa以上であることが好ましい。
【0029】
例えば、前記サイズのチェッカーれんが20の1個あたりのガス流路22の設置数が37個を超える場合には、れんが本体21の十分な圧縮強度が得られない。したがって、れんが本体21においては、その材質及びサイズに応じて、ガス流路22の設置数及び各々の流路間距離を適切に決定することが好ましい。
本実施形態のチェッカーれんが20では、前述したとおり、れんが本体21にガス流路22が37個形成されているほか、1/2断面の第1流路溝28が18個、1/3断面の第2流路溝29が6個設けられている。これらの断面積及び流路間距離は、前述のような圧縮強さを考慮して、れんが本体21の材質及びサイズに応じて適切に設定されている。
【0030】
凸ダボ23は、
図2及び
図4に示すように、れんが本体21の上面25から凸状に隆起して形成されており、全体として円錐台状(テーパ状)とされ、その上面は上面25と同様に水平であるが、側面は上面25に対して所定角度の円錐面とされている。
【0031】
凸ダボ23は、
図4に示すように、その中心C1が、上面25の六角形の頂点P1(2つの側面27が交差する位置)から上面25の中心C2に至る線分S上に配置されている。線分S上には、中心C2と同心のものを除いて3個のガス流路22がある。3個の各ガス流路22の中心は、それぞれ中心C2から線分Sの2/8位置、4/8位置、6/8位置にあり、これらは頂点P1から見ても線分Sの2/8位置、4/8位置、6/8位置にあたる。3個の各ガス流路22の間には2つの中実部210があるが、これらの位置は、中心C2から線分Sの3/8位置及び5/8位置にあり、これらは頂点P1から見ても線分Sの3/8位置及び5/8位置にあたる。
【0032】
凸ダボ23は、前述した線分S上であって、前述した3個のガス流路22のうち、頂点P1に近い側にある2個のガス流路22(中心C2から見て線分Sの4/8位置及び6/8位置、頂点P1から見て線分Sの2/8位置及び4/8位置)の開口221の間にまたがって配置されている。凸ダボ23の大部分は、2個のガス流路22の間の中実部210(中心C2から見て線分Sの5/8位置、頂点P1から見て線分Sの3/8位置)に形成されており、凸ダボ23の側面の一部が同2個のガス流路22の開口221によって削り取られた形状となっている。
【0033】
凸ダボ23の側面は、2個のガス流路22の開口221のうち上面25の頂点P1に近い側(頂点P1から2/8位置)の開口221において、線分Sから最も離れた一対の頂点P2よりも上面25の中心C2寄りの領域で開口221の辺縁と交差している。これにより、凸ダボ23の側面の一部が同2個のガス流路22の開口221によって削り取られても薄肉部が発生しないようになっている。また、凸ダボ23は、チェッカーれんが20を上下に積み重ねる際、第1凹ダボ24又は第2凹ダボ31に嵌め込む操作が円滑に行えるように、上下方向(高さ方向)にテーパが形成され、具体的には上面側(先端側)が小径で上面25に接続する部分では大径とされている。
【0034】
第1凹ダボ24は、
図3及び
図6に示すように、れんが本体21の下面26から凹状に窪んだ形状とされている。第1凹ダボ24の内側形状は、全体として円錐台状(テーパ状)とされ、その底面は下面26と同様に水平であるが、側面は下面26に対して所定角度の円錐面とされている。
【0035】
第1凹ダボ24は、
図6に示すように、その中心C1が、下面26の六角形の頂点P1(2つの側面27が交差する位置)から下面26の中心C2に至る線分S上に配置されている。前述したように、線分S上には、中心C2と同心のものを除いて3個のガス流路22(中心C2あるいは頂点P1から線分Sの2/8位置、4/8位置、6/8位置)があり、これらの間には2つの中実部210(中心C2あるいは頂点P1から線分Sの3/8位置、5/8位置)がある。第1凹ダボ24は、前述した線分S上であって、前述した3個のガス流路22のうち、中心C2に近い側にある2個のガス流路22(中心C2から見て線分Sの2/8位置及び4/8位置、頂点P1から見て線分Sの4/8位置及び6/8位置)の開口222の間にまたがって配置されている。第1凹ダボ24の大部分は、2個のガス流路22の間の中実部210(中心C2から見て線分Sの3/8位置、頂点P1から見て線分Sの5/8位置)に形成されており、第1凹ダボ24の側面の一部が同2個のガス流路22の開口222によって削り取られた形状となっている。
【0036】
第1凹ダボ24の側面は、2個のガス流路22の開口222のうち下面26の頂点P1に近い側(頂点P1から4/8位置)の開口222において、線分Sから最も離れた一対の頂点P2よりも下面26の中心C2寄りの領域で開口222の辺縁と交差している。これにより、第1凹ダボ24の側面の一部が同2個のガス流路22の開口222によって削り取られても薄肉部が発生しないようになっている。また、第1凹ダボ24は、チェッカーれんが20を上下に積み重ねる際、凸ダボ23に嵌め込む操作が円滑に行えるように、上下方向(高さ方向)にテーパが形成され、具体的には上面側(凹状の底面側)が小径で下面26に開口する部分では大径とされている。
【0037】
第2凹ダボ31は、
図3及び
図6に示すように、れんが本体21の下面26から凹状に窪んだ形状とされている。第2凹ダボ31の内側形状は、全体として円錐台状(テーパ状)とされ、その底面は下面26と同様に水平であるが、側面は下面26に対して所定角度の円錐面とされている。
【0038】
第2凹ダボ31は、
図6に示すように、その中心C1が、下面26の六角形の頂点P1(2つの側面27が交差する位置)から下面26の中心C2に至る線分S上に配置されている。前述したように、線分S上には、中心C2と同心のものを除いて3個のガス流路22(中心C2あるいは頂点P1から線分Sの2/8位置、4/8位置、6/8位置)があり、これらの間には2つの中実部210(中心C2あるいは頂点P1から線分Sの3/8位置、5/8位置)がある。第2凹ダボ31は、前述した線分S上であって、前述した3個のガス流路22のうち、頂点P1に近い側にある2個のガス流路22(中心C2から見て線分Sの4/8位置及び6/8位置、頂点P1から見て線分Sの2/8位置及び4/8位置)の開口222の間にまたがって配置されている。第2凹ダボ31の大部分は、2個のガス流路22の間の中実部210(中心C2から見て線分Sの5/8位置、頂点P1から見て線分Sの3/8位置)に形成されており、第2凹ダボ31の側面の一部が同2個のガス流路22の開口222によって削り取られた形状となっている。
【0039】
第2凹ダボ31の側面は、2個のガス流路22の開口222のうち下面26の頂点P1に近い側(頂点P1から2/8位置)の開口222において、線分Sから最も離れた一対の頂点P2よりも下面26の中心C2寄りの領域で開口222の辺縁と交差している。これにより、第2凹ダボ31の側面の一部が同2個のガス流路22の開口222によって削り取られても薄肉部が発生しないようになっている。また、第2凹ダボ31は、チェッカーれんが20を上下に積み重ねる際、凸ダボ23に嵌め込む操作が円滑に行えるように、上下方向(高さ方向)にテーパが形成され、具体的には上面側(凹状の底面側)が小径で下面26に開口する部分では大径とされている。
【0040】
ここで、凸ダボ23はれんが本体21の上面25にその六角形の中心から見て120度間隔で3個配置され、第1凹ダボ24は下面26にその六角形の中心から見て120度間隔で3個配置されている。上面25に形成された3個の凸ダボ23は、頂点P1からの距離が線分Sの3/8とされ、中心C2からの距離が線分Sの5/8である。下面26に形成された3個の第1凹ダボ24は、中心C2からの距離が線分Sの3/8とされ、頂点P1からの距離が線分Sの5/8である。つまり、上面25の凸ダボ23の頂点P1からの距離と下面26の第1凹ダボ24の中心C2からの距離とが等しくされている。
これにより、
図10あるいは
図12に示すように、複数のチェッカーれんが20をラップ積みしたときに、上階層のチェッカーれんが20の下面26に形成された3個の第1凹ダボ24と、下段の3個のチェッカーれんが20の上面25にそれぞれ形成された計3個の凸ダボ23とを嵌合させることが可能となる。
【0041】
これらの第1凹ダボ24及び凸ダボ23は、互いに60度ずつずれた位置に配置され、第1凹ダボ24の真上には凸ダボ23はなく、凸ダボ23の直下には第1凹ダボ24はない。このような配置により、本実施形態のチェッカーれんが20は、ラップ積みのなかでも特にABC積みを適用することができ、第1凹ダボ24あるいは凸ダボ23に作用する外力をチェッカーれんが20において60度間隔となる各方向に分散させることができる。
【0042】
さらに、上面25の凸ダボ23の中心が頂点P1から線分Sの3/8位置(中心C2から5/8位置)であり、下面26の第1凹ダボ24の中心が頂点P1から線分Sの5/8位置(中心C2から3/8位置)となる。
このため、ABC積みにあたって、下段のチェッカーれんが20の中心C2位置のガス流路22上に上段のチェッカーれんが20の頂点P1が来るように積んだ際には、上段のチェッカーれんが20の下面26の中心C2に近い(例えば中心C2から3/8位置の)第1凹ダボ24と、下段のチェッカーれんが20の上面25の頂点P1に近い(例えば頂点P1から3/8位置の)凸ダボ23とが同じ位置になり、これらの凸ダボ23及び第1凹ダボ24を、2つのガス流路22の間(計4つのガス流路22に囲まれる状態)に設置しつつ、互いに嵌め込むことが確実にでき、適切なABC積みを行うことができる。
【0043】
なお、以上の凸ダボ23及び第1凹ダボ24の位置関係について、請求項の記載に沿って整理すると、上面25において、六角形の中心C2と3個の凸ダボ23の中心C1とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しい。また、下面26において、六角形の中心C2と3個の第1凹ダボ24の中心とを結ぶ3本の線分のうち隣接する線分どうしのなす角度が120度であり、前記3本の線分の長さは等しい。そして、上面25の前記3本の線分と下面26の前記3本の線分とは長さが異なっており、かつ、上面25から見た透視図(
図7参照)において、上面の前記3本の線分と下面の前記3本の線分とのうち隣接する線分どうしのなす角度θが60度である。更に、六角形の頂点P1と3個の凸ダボ23の中心C1とを結ぶ3本の線分と、六角形の中心C2と3個の第1凹ダボ24の中心C1とを結ぶ3本の線分とは長さが等しい。
【0044】
一方、3個の第2凹ダボ31は、上面25から見た透視図(
図7参照)において、六角形の中心C2から延びて3個の第1凹ダボ24の中心を通る3本の直線と、六角形の中心C2を中心として3個の凸ダボ23の中心C1を通る円との3個の交点をそれぞれ中心として設けられている。言い換えれば、六角形の中心C2から3個の第2凹ダボ31の中心C1までの距離は、六角形の中心C2から3個の凸ダボ23の中心C1までの距離と等しい。また、3個の第2凹ダボ31の中心C1は、六角形の中心C2と3個の第1凹ダボ24の中心C1と六角形の頂点P1とを結ぶ直線上で、しかも六角形の中心C2から凸ダボ23の中心C1までの距離と等しい位置に設けられている。
3個の第2凹ダボ31のこのような配置により、本実施形態のチェッカーれんが20は、ストレート積みも可能となる。すなわち、複数のチェッカーれんが20をストレート積みするときは、下段のチェッカーれんが20の上面25に形成された3個の凸ダボ23と、上段のチェッカーれんが20の下面26に形成された3個の第2凹ダボ31とを嵌合させる。
【0045】
以上のように、本実施形態のチェッカーれんが20は、ストレート積みとABC積みの両方が可能であるが、以下、ABC積みの具体的な方法について、
図8ないし
図13を参照しつつ説明する。なお、
図8ないし
図13において、ストレート積みの場合にのみ使用しABC積みの場合には使用しない第2凹ダボ31は図示を省略している。
【0046】
まず、
図8及び
図9に示すように、チェッカーれんが20を敷き詰めて第1階層を形成する。このとき、チェッカーれんが20は、互いに側面27どうしを向かい合わせ、各々の角部分(第2流路溝29が形成された部分)に3つのチェッカーれんが20が集まるように配置される。これにより、3つの第2流路溝29で一本のガス流路22相当の空間が形成され、各側面27間には対向する2つの第1流路溝28によりそれぞれ一本のガス流路22相当の空間が形成される。
【0047】
なお、これらのチェッカーれんが20の敷き詰め及び第1流路溝28及び第2流路溝29によるガス流路22相当の空間の形成は、後述する第2階層(
図10及び
図11参照)及び第3階層(
図12及び
図13参照)においても同様であるため、各階層の説明では重複する説明を省略する。
【0048】
次に、
図10及び
図11に示すように、第1階層の上にチェッカーれんが20を敷き詰めて第2階層を形成する。この第2階層のチェッカーれんが20は、各々の中心が第1階層のチェッカーれんが20の第2流路溝29の位置に来るように配置する。第2階層のチェッカーれんが20を第1階層のチェッカーれんが20の上に積み重ねるにあたっては、第2階層のチェッカーれんが20の下面26の第1凹ダボ24と第1階層のチェッカーれんが20の上面25の凸ダボ23とを嵌合させる。これらの第1凹ダボ24と凸ダボ23とが嵌合した状態では、第2階層のチェッカーれんが20のガス流路22と第1階層のチェッカーれんが20のガス流路22(第1流路溝28及び第2流路溝29で形成される空間を含む)とは、全て対応するものどうしが連通状態とされる。そして、これらの第1階層と第2階層との間では、チェッカーれんが20側面の通し目地は発生せず、目地を通じてのガス抜けが生じ難い構造となる。
【0049】
続いて、
図12及び
図13に示すように、第2階層の上にチェッカーれんが20を敷き詰めて第3階層を形成する。この第3階層のチェッカーれんが20は、各々の中心が第2階層のチェッカーれんが20の第2流路溝29の位置に来るように配置する。第3階層のチェッカーれんが20を第2階層のチェッカーれんが20の上に積み重ねる作業は、前述した第2階層のチェッカーれんが20を第1階層のチェッカーれんが20の上に積み重ねる作業と同様であるので重複する説明は省略する。第3階層のチェッカーれんが20の第1凹ダボ24と第2階層のチェッカーれんが20の凸ダボ23とが嵌合した状態では、第3階層のチェッカーれんが20のガス流路22と第2階層及び第1階層のチェッカーれんが20のガス流路22(第1流路溝28及び第2流路溝29で形成される空間を含む)とは、全て対応するものどうしが連通状態とされる。これらの第2階層と第3階層との間でも、チェッカーれんが20側面の通し目地は発生せず、前述の第1階層と第2階層との間と併せて、第1階層から第3階層までの全体にわたって目地を通じてのガス抜けが生じ難い構造となる。
【0050】
このように本実施形態のチェッカーれんが20をABC積みすると、第1階層から第3階層までのいずれにおいても、3段のうち1段はチェッカーれんが20の頂点(角部30)にチェッカーれんが20の中心部が重なる構造となり、荷重を分散することと合わせ、側面の通し目地だけでなく角部の通し目地も発生せず、これらの目地を通じてのガス抜けが非常に生じ難い構造となる。
【0051】
以上のようなチェッカーれんが20の積み重ねを繰り返すことにより、蓄熱室3内に例えば30~40m程度の高さまで、多数のチェッカーれんが20が多段に積み上げられた蓄熱領域10を形成することができる。
【0052】
以下、本発明の他の実施形態について説明する。
前述した実施形態では、上面25の凸ダボ23の中心を頂点P1から線分Sの3/8位置(中心C2から5/8位置)とし、下面26の第1凹ダボ24の中心を中心C2から線分Sの3/8位置(頂点P1から5/8位置)としたが、これらの位置は変更することができる。例えば、上面25の凸ダボ23の中心は、頂点P1から線分Sの3/8位置(中心C2から5/8位置)に限定されるものではなく、例えば頂点P1から線分Sの5/16位置から7/16位置までの間であれば、凸ダボ23の中心を中実部210上に配置することができる。同様に、下面26の第1凹ダボ24の中心は、中心C2から線分Sの3/8位置(頂点P1から5/8位置)に限定されるものではなく、例えば中心C2から線分Sの5/16位置から7/16位置までの間であれば、第1凹ダボ24の中心を中実部210上に配置することができる。これらの凸ダボ23と第1凹ダボ24は、凸ダボ23の頂点P1からの距離と第1凹ダボ24の中心C2からの距離とを一致させておけば、ABC積みの際に互いに嵌め込むことができる。
【0053】
前述した実施形態では、上面25の凸ダボ23を頂点P1に近く(頂点P1から線分Sの3/8位置)、下面26の第1凹ダボ24を中心C2に近く(中心C2から線分Sの3/8位置)としたが、これとは逆に、上面25の凸ダボ23を中心C2に近く、下面26の第1凹ダボ24を頂点P1に近くしてもよい。例えば、上面25の凸ダボ23を中心C2から線分Sの3/8位置(頂点P1から線分Sの5/8位置)とし、下面26の第1凹ダボ24を頂点P1から線分Sの3/8位置(中心C2から線分Sの5/8位置)としてもよい。この場合でも、凸ダボ23の頂点P1からの距離と第1凹ダボ24の中心C2からの距離とを一致させておけば、ABC積みの際に互いに嵌め込むことができる。
【0054】
なお、下面26の第2凹ダボ31の中心位置は、上面25の凸ダボ23及び下面26の第1凹ダボ24の各中心位置により決まるもので、これも前述した実施形態には限定されない。
【0055】
前述した実施形態では、チェッカーれんが20の上面25に凸ダボ23を設け、下面26に第1凹ダボ24及び第2凹ダボ31を設けたが、チェッカーれんが20の下面26に凸ダボ23を設け、上面25に第1凹ダボ24及び第2凹ダボ31を設けてもよい。
【0056】
前述した実施形態では、第1凹ダボ24、第2凹ダボ31及び凸ダボ23は円錐台状としたが、これらは正六角形の角錐台状としてもよい。角錐台状のダボを用いる場合、凹状のダボと凸状のダボとの間で面接触を形成することができ、破損の回避に有効である。特に正六角形の角錐台状とすれば、各頂点部分が120度コーナーとなって突起としても緩やかで、破損しにくくできる。
【0057】
図14に、本発明の一実施形態であるチェッカーれんが20を使用した一体化ブロック40を示している。
この一体化ブロック40は、下段にチェッカーれんが20を7個配置し、上段は下段のそれぞれのチェッカーれんが20の真上に重なるようにチェッカーれんが20を7個配置してストレート積みとしている。また、チェッカーれんが20どうしは接着剤で接合されているため吊り上げて移動することが可能である。
【0058】
図15及び
図16には、この一体化ブロック40を使用した築炉方法を示している。
図15において、1層目には一体化ブロック40を側面どうしが膨張代としての隙間を介して面するように複数個配置されている。そして、2層目には一体化ブロック40が1個配置されているが、2層目の一体化ブロック40は、1層目の複数個の一体化ブロック40に跨るように配置されている。つまり、1層目がAパターンで配置されて、2層目はBパターンで配置されている。
さらに、
図16では、Bパターンで配置された複数個の一体化ブロック40よりなる2層目の上に3層目としての一体化ブロック40が、1層目及び2層目とは異なるCパターンの配置となるように配置されている。
なお、
図15の1層目及び
図16の2層目においては、複数個の一体化ブロック40を任意の位置で切り取った状態で示している。
【0059】
ここで、一体化ブロック40の側面は、上下方向のチェッカーれんが20どうしに段差のない面となっているため、
図15の1層目のように一体化ブロック40の側面どうしを狭い隙間を介して面するように配置することが可能である。
【0060】
また、このような一体化ブロックは、チェッカーれんが20を同じパターン(ストレート積み)で上方向に3段目以上、横方向にも増やして、さらにチェッカーれんが20の多い一体化ブロックとすることも可能である。
【0061】
以上のように、一体化ブロック自体はチェッカーれんがをストレート積みとして配置することができ、一体化ブロックどうしはABC積みで配置することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 熱風炉
10 蓄熱領域
11 排ガス出口
12 冷風入口
13 熱風出口
20 チェッカーれんが
21 れんが本体
210 中実部
22 ガス流路
221 開口
222 開口
23 凸ダボ
24 第1凹ダボ
25 上面
26 下面
27 側面
271 側面平部
28 第1流路溝
29 第2流路溝
30 角部
31 第2凹ダボ
40 一体化ブロック
3 蓄熱室
4 燃焼室
5 煙突
6 ガス管
7 空気管
8 バーナー
9 連絡管
C1 中心
C2 中心
P1 頂点
P2 頂点
S 線分