(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】ミクロフィブリル化セルロースを含む培地
(51)【国際特許分類】
A01G 24/15 20180101AFI20221004BHJP
D21H 15/02 20060101ALI20221004BHJP
D21H 11/20 20060101ALI20221004BHJP
A01G 24/10 20180101ALI20221004BHJP
A01G 24/18 20180101ALI20221004BHJP
A01G 24/25 20180101ALI20221004BHJP
A01G 24/23 20180101ALI20221004BHJP
A01G 24/20 20180101ALI20221004BHJP
A01G 24/44 20180101ALI20221004BHJP
C08L 1/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A01G24/15
D21H15/02
D21H11/20
A01G24/10
A01G24/18
A01G24/25
A01G24/23
A01G24/20
A01G24/44
C08L1/02
(21)【出願番号】P 2019546308
(86)(22)【出願日】2018-02-27
(86)【国際出願番号】 IB2018051217
(87)【国際公開番号】W WO2018158677
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2021-01-27
(32)【優先日】2017-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】501239516
【氏名又は名称】ストラ エンソ オーワイジェイ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バックフォルク、カイ
(72)【発明者】
【氏名】ヘイスカネン、イスト
(72)【発明者】
【氏名】サウッコネン、エサ
(72)【発明者】
【氏名】スケルフェ、エリナ
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開平6-209646(JP,A)
【文献】国際公開第2015/145442(WO,A2)
【文献】国際公開第2011/151523(WO,A1)
【文献】特開2003-180155(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 24/00 - 24/60
A01G 20/00 - 22/67
A01G 31/00 - 31/06
C09K 17/00 - 17/52
C08K 3/00 - 13/08
C08L 1/00 - 101/14
D21B 1/00 - 1/38
D21C 1/00 - 11/14
D21D 1/00 - 99/00
D21F 1/00 - 13/12
D21G 1/00 - 9/00
D21H 11/00 - 27/42
D21J 1/00 - 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
非土壌基質、ミクロフィブリル化セルロース及び少なくとも1種の親水性又は両親媒性ポリマーを含む無土壌培養のための培地であって、乾燥時の密度が5~750kg/m
3の範囲である培地
、
ただし、前記ミクロフィブリル化セルロースは、その親水性を高めるために変性又は誘導体化されている。
【請求項2】
非土壌基質がミネラルウール、グラスウール、エキスパンド粘土、グロウストーン、コイアピートもしくはココピート、籾殻、パーライト、バーミキュライト、パミス、羊毛、ロックウール、レンガの破片、任意に化学的に及び/又は熱的に変性され得る木削りくず、木質繊維もしくは他の天然繊維又はポリスチレンである、請求項1に記載の培地。
【請求項3】
非土壌基質が合成物である請求項1又は2に記載の培地。
【請求項4】
非土壌基質がミネラルウール又はグラスウールである請求項3に記載の培地。
【請求項5】
ポリマーが両親媒性である請求項1~4のいずれかに記載の培地。
【請求項6】
ポリマーが親水性である請求項1~4のいずれかに記載の培地。
【請求項7】
親水性ポリマーがデキストラン、オリゴ糖、多糖、デンプン又はヘミセルロースから選択される、請求項6に記載の培地。
【請求項8】
ミクロフィブリル化セルロースが、カルボキシル化、リン酸化、スルホン化、メチル化、カルボキシメチル化又はTEMPO酸化されている、請求項
1~7のいずれかに記載の培地。
【請求項9】
ミクロフィブリル化セルロースの量が乾燥培地の1重量%~75重量%の範囲である、請求項1~
8のいずれかに記載の培地。
【請求項10】
ポリマーの量が乾燥培地の1重量%~75重量%の範囲である、請求項1~
9のいずれかに記載の培地。
【請求項11】
非土壌基質を提供する工程、及び基質をミクロフィブリル化セルロース及び親水性又は両親媒性ポリマーと混合する工程を含む、無土壌培養のための培地の水保持力を高める方法
、
ただし、前記ミクロフィブリル化セルロースは、その親水性を高めるために変性又は誘導体化されている。
【請求項12】
ミクロフィブリル化セルロースが水溶液又は分散液として培地に提供される、請求項
11に記載の方法。
【請求項13】
ミクロフィブリル化セルロースが無土壌培養中に水を提供するために使用される水溶液又は分散液に溶解又は分散されている、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
以下を含む、培地を製造する方法:
a)液体培地(medium)中にミクロフィブリル化セルロース及び少なくとも1種の親水性又は両親媒性ポリマーを含む懸濁液を提供する工程、
ただし、前記ミクロフィブリル化セルロースは、その親水性を高めるために変性又は誘導体化されている、
b)工程a)の懸濁液を培地での使用に適した非土壌基質上に適用するか、又は工程a)の懸濁液を培地での使用に適した非土壌基質と混合する工程、及び
c)任意に工程b)における生成物を乾燥させる工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無土壌基質(soilless substrate)、ミクロフィブリル化セルロース及び親水性又は両親媒性ポリマーを含む培地(culture medium)に関する。本発明は、ミネラルウール又はグラスウールなどの無土壌基質をベースとする園芸/農業用途などの無土壌農業においてとくに有用である。これらの種類の培地は、温室でしばしば使用されるが、屋外の園芸や農業にも使用することができる。
【背景技術】
【0002】
ミネラルウール、グラスウール又はその他の材料などの無土壌基質を含む培地は、温室などの無土壌培養でしばしば使用されるが、屋外でも使用される。無土壌培養の1つの利点は、土壌伝染病の回避に役立つことである。
【0003】
培地は通常、ミネラルウール、グラスウール、エキスパンド粘土、グロウストーン、コイアピートもしくはココピート、籾殻、パーライト、バーミキュライト、パミス、羊毛、ロックウール、レンガの破片、木削りくず(化学的に及び/又は熱的に変性され得る)、木質繊維もしくは他の天然繊維又はポリスチレンなどの基質を含む。
【0004】
これらの種類の培地の問題は、それらは通常、水保持力が低いので、制御された速度又は条件で植物に水を送達する必要があることである。添加される水は通常、培地から急速に蒸発する。各基質成分を一緒に結合させるためにバインダーを使用する場合、バインダーは通常、合成物であり、疎水性である場合があるので、それによって、培地の水保持力はさらに低下する。
【0005】
1つの解決策は、基質の濡れ性と親水性を改善するアニオン性界面活性剤を使用することであった。しかしながら、これらの化学物質はまた、コストがかかること、又は特定の栄養素を培地に添加する際の時間の関数としての効率の低下などの欠点も有し得る。
【0006】
既存の培地の1つの問題は、それらが経時的に劣化することである。通常、培地は、1シーズン又は2シーズンのみ使用されるので、その後は、交換する必要がある。
【0007】
WO2004098270は、水耕培地、とくにセルロース繊維又はポリエステル繊維の多層培地に関する。
【0008】
US2016/0219810は、培地系ミズゴケ及びその製造のためのフォームレイド(foam-laid)法の使用に関する。ミズゴケは通常、強酸性であり、コケの正確な内容物は様々である。繊維を使用する場合、それらは発泡分散体の形態で提供されて、少なくとも2層を含む製品が得られる。ミズゴケは通常、生きている植物、小枝、根、枝などを含む。
【0009】
改良された培地、とくに既存のミネラル又はグラス系基質よりも改良された培地に対する必要性がある。
【発明の概要】
【0010】
驚くべきことに、ミクロフィブリル化セルロース(MFC)及び少なくとも1種の親水性又は両親媒性ポリマーを無土壌培養に適した基質に添加することにより、水保持能力を向上させるとともに、培地用のバインダーとして要求される石油系化学物質の必要性を低下させることができることがわかった。ミクロフィブリル化セルロース及びポリマーはまた、培地で使用される基質の繊維間の接着などの培地の要素間の接着も促進し得る。
【0011】
したがって、本発明は、非土壌基質、ミクロフィブリル化セルロース及び少なくとも1種の疎水性ポリマーを含む無土壌培養のための培地に関する。
【0012】
本発明において使用される基質は、無土壌培養に適した任意の基質である。基質は有機物又は無機物であり得る。基質は天然物又は合成物であり得る。そのような基質の例は、ミネラルウール、グラスウール、エキスパンド粘土、グロウストーン、コイアピートもしくはココピート、籾殻、木削りくず(天然物であり得るか又は化学的に及び/又は熱的に変性され得る)、木質繊維もしくは他の天然繊維、パーライト、バーミキュライト、パミス、羊毛、ロックウール、レンガの破片又はポリスチレンである。一態様では、基質は、ミネラルウール又はグラスウールなどの合成基質である。
【0013】
本発明において有用なミクロフィブリル化セルロースは、その親水性又は両親媒性の特性をさらに高めるために、当該技術分野で知られている方法を使用して、任意選択的に、変性又は誘導体化される。そのような変性又は誘導体化の例には、ミクロフィブリル化セルロースのカルボキシル化及びTEMPO酸化が含まれる。ミクロフィブリル化セルロースのそのような変性又は誘導体化のさらなる例には、リン酸化、スルホン化、メチル化、カルボキシメチル化、アセチル化が含まれる。ミクロフィブリル化セルロースはまた、架橋されていてもよい。
【0014】
本発明において使用される親水性又は両親媒性ポリマーは、天然のポリマー又は合成ポリマーであり得る。ポリマーはまた、架橋されていてもよい。
【0015】
本発明において使用される親水性ポリマーは、無土壌培養での使用に適した任意の親水性ポリマーである。親水性ポリマーの例は、デキストラン、オリゴ糖類、多糖類、デンプン、タンパク質、カルボキシメチルセルロースナトリウム、セルロース誘導体、リグニン、リグニン誘導体、リグノスルホン酸塩、ペクチン及びヘミセルロース、例えば、キシラン又はガラクトグルコマンナンである。
【0016】
本発明において使用される両親媒性ポリマーは、無土壌培養での使用に適した任意の両親媒性ポリマーである。
【0017】
本発明の一態様では、培地は、基質をミクロフィブリル化セルロース及びポリマーと混合することにより製造される。混合は、本質的に、液体培地(medium)で行うことができ、その後、乾燥させて、本発明に従う培地が得られる。あるいは、ミクロフィブリル化セルロース及びポリマーを基質上に噴霧することができる。
【0018】
本発明の一態様では、本発明に従う培地を製造する場合、無土壌培養に適した栄養素、塩、ミネラル、界面活性剤及び他の添加剤が添加される。そのような態様では、添加剤は通常、乾燥前に、基質、ミクロフィブリル化セルロース及びポリマーと混合される。添加剤の例には、パルプ及び抄紙工程からの糖蜜及び残留溶解成分ならびに架橋セルロース繊維が含まれる。得られた培地は、乾燥形態で容易に輸送及び保存することができる。本発明に従う乾燥培地に水を加えることにより、培地は水を吸収して膨潤する。これで、培地は、無土壌培養での使用の準備ができる。
【0019】
微生物の活性を抑制するために、培地を、滅菌などの処理にかけて、培地中に存在する微生物の量を減少させることができる。そのような処理は通常、最終製品について実施されるが、培地の製造前に、例えば、基質とMFCとを別々に滅菌することにより、成分の各々について実施してもよい。微生物の活性をさらに抑制するために、抗菌剤を培地に添加してもよい。
【0020】
本発明に従う培地のpHは通常、中性付近のpHであり、培地のpHは、培地の製造プロセス中に酸又は塩基の添加によって調整されないのが好ましい。
【0021】
本発明の一態様は、非土壌基質を提供する工程、ならびに該基質をミクロフィブリル化セルロース及び親水性又は両親媒性ポリマーと混合する工程を含む、無土壌培養のための培地の水保持力を高める方法である。一態様では、ミクロフィブリル化セルロースは、水溶液又は分散液として培地に提供される。一態様では、ミクロフィブリル化セルロースは、無土壌培養中に水を提供するために使用される水溶液又は分散液に溶解又は分散される。一態様では、無土壌培養中に水を提供するために使用される水溶液又は分散液はまた、ヘミセルロース及び/又は他の成分も含み得る。
【0022】
詳細な説明
本発明に従う培地で使用されるミクロフィブリル化セルロースの量は、培地の特定の望まれる特性によって異なるが、一般的に、培地の1重量%~75重量%の範囲である。
【0023】
本発明に従う培地で使用される親水性又は両親媒性ポリマーの量は、培地の特定の望まれる特性によって異なるが、一般的に、培地の1重量%~75重量%、例えば、培地の1重量%~50重量%又は1重量%~25重量%又は1重量%~10重量%の範囲である。
【0024】
本発明に従う乾燥培地の密度は、5~750kg/m3、例えば、10~500kg/m3又は20~250kg/m3又は40~200kg/m3又は50~150kg/m3の範囲である。培地は通常、高い多孔性を有する。
【0025】
本発明に従う培地に使用されるミクロフィブリル化セルロースは、当該技術分野で知られている方法を使用して調製することができる。
【0026】
培地に使用されるミクロフィブリル化セルロースの量は、好ましくは、培地の乾燥重量の1~50重量%の範囲であり、より好ましくは、培地の乾燥重量の5~30重量%、例えば、5~20重量%の範囲である。
【0027】
ミクロフィブリル化セルロース(MFC)は、本特許出願の内容においては、100nm未満の少なくとも1つの寸法を有するナノスケールセルロース粒子繊維又はフィブリルを意味するものとする。MFCは、部分的に又は完全にフィブリル化されたセルロース又はリグノセルロース繊維を含む。遊離した(liberated)フィブリルの直径は100nm未満であるが、実際のフィブリルの直径もしくは粒度分布及び/又はアスペクト比(長さ/幅)は、供給源及び製造方法によって異なる。
【0028】
最も小さいフィブリルは、エレメンタリーフィブリル(elementary fibril)と呼ばれ、約2~4nmの直径を有する(参照:例えば、Chinga-Carrasco,G.:Cellulose fibres,nanofibrils and microfibrils,:The morphological sequence of MFC components from a plant physiology and fibre technology point of view,Nanoscale research letters 2011,6:417)が、一方、ミクロフィブリルとしても定義されているエレメンタリーフィブリルの集合形態(Fengel,D.:Ultrastructural behavior of cell wall polysaccharides,Tappi J.,March 1970,Vol53,No.3.)は、例えば、拡張叩解工程又は圧力降下解繊工程を使用して、MFCを製造するときに得られる主生成物であることが一般的である。供給源及び製造プロセスに応じて、フィブリルの長さは、1マイクロメートル前後から10マイクロメートルを越える範囲に及び得る。粗いMFCグレードは、実質的な部分のフィブリル化繊維、即ち、仮導管から突き出ているフィブリル(セルロース繊維)と、特定量の仮導管から遊離したフィブリル(セルロース繊維)とを含有し得る。
【0029】
セルロースミクロフィブリル、フィブリル化セルロース、ナノフィブリル化セルロース、フィブリル凝集体、ナノスケールセルロースフィブリル、セルロースナノファイバー、セルロースナノフィブリル、セルロースミクロファイバー、セルロースフィブリル、ミクロフィブリル状セルロース、ミクロフィブリル凝集体、及びセルロースミクロフィブリル凝集体などのMFCには、種々の頭字語が存在する。MFCはまた、大きな表面積、又は、水中に分散する際の、低い固形分(1~5重量%)でのゲル状物質形成能などの、種々の物理的特性又は物理化学的特性によっても特徴付けることができる。セルロース繊維は、BET法を用いて凍結乾燥物質について測定した場合、形成されたMFCの最終比表面積が約1~約300m2/g、例えば、1~200m2/g、又はより好ましくは50~200m2/gである程度にまでフィブリル化されることが好ましい。
【0030】
MFCを製造するには、例えば、単回又は複数回の叩解(single or multiple pass refining)、予備加水分解、続いて、叩解又は高剪断解繊又はフィブリルの遊離といった種々の方法が存在する。MFCの製造にエネルギー効率と持続可能性を共にもたらすには、通常、1つ以上の前処理工程が必要である。このため、供給されるパルプのセルロース繊維は、例えば、ヘミセルロース又はリグニンの量を減少させるように、酵素的又は化学的に前処理され得る。セルロース繊維は、フィブリル化前に化学的に修飾されてもよく、この場合、セルロース分子は、元のセルロースにみられる官能基以外の(又は元のセルロースにみられる官能基よりも多くの)官能基を含有する。このような基には、とりわけ、カルボキシメチル(CM)、アルデヒド及び/又はカルボキシル基(N-オキシル媒介酸化、例えば「TEMPO」によって得られるセルロース)、又は第四級アンモニウム(カチオン性セルロース)が含まれる。上記の方法のうちの1つにより修飾又は酸化された後、繊維は、MFC又はナノフィブリルサイズフィブリルに、より容易に解繊される。
【0031】
ナノフィブリル状セルロースは、多少のヘミセルロースを含有し得るが、その量は、植物源によって異なる。前処理された繊維の機械的解繊、例えば、セルロース原料の加水分解、予備膨潤又は酸化は、叩解機、粉砕機、ホモジナイザー、コロイダー、摩擦粉砕機、超音波処理機、ミクロ流動化装置、マクロ流動化装置又は流動化装置型ホモジナイザーなどの流動化装置などの適切な装置によって行われる。MFCの製造方法に応じて、製品は、微繊維若しくはナノ結晶セルロース、又は、例えば、木質繊維に若しくは抄紙工程に存在する他の化学物質もまた含有し得る。製品はまた、効果的にフィブリル化されていない種々の量のミクロンサイズの繊維粒子も含有し得る。
【0032】
MFCは、木質セルロース繊維から、硬材繊維又は軟材繊維の両方から生産される。MFCはまた、微生物源、麦わらパルプ、竹、バガス等の農業繊維、又は他の非木質繊維源から製造することもできる。MFCは、バージン繊維由来のパルプ、例えば、メカニカルパルプ、ケミカルパルプ及び/又はサーモメカニカルパルプを含むパルプから製造されることが好ましい。MFCはまた、破損した紙又は再生紙から製造することもできる。
【0033】
上記のMFCの定義には、非限定的に、結晶質領域と非晶質領域の両方を有し、複数のエレメンタリーフィブリルを含有するセルロースナノファイバー材料を定義する新しく提案された、セルロースナノフィブリル(CMF)に関するTAPPI標準W13021が含まれる。
【0034】
本発明の一態様では、使用されるMFCは、凍結乾燥されるか、又は他に、昇華により乾燥されてもよい。MFCは、培地中で超吸収剤として機能し、合成超吸収剤の使用を減少させるか、又はこれと完全に置き換わることができる。本発明の一態様では、凍結乾燥した又は昇華乾燥したMFCを、乾燥形態で培地に添加することができる。さらに、MFCは、MFCが溶媒交換され、培地への乾燥添加の前に乾燥されるような高い吸収性を維持できる溶媒を使用して添加され得る。
【0035】
培地に適した基質は周知であり、当該技術分野で知られている方法を使用して調製することができる。
【0036】
本発明の上記の詳細な説明に鑑みて、当業者には、他の改変及び変更が明らかになる。しかしながら、このような他の改変及び変更を、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく行い得ることは明らかである。