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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0007 20190101AFI20221004BHJP
   F24F 1/0025 20190101ALI20221004BHJP
【FI】
F24F1/0007 321
F24F1/0025
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019549813
(86)(22)【出願日】2018-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2018005731
(87)【国際公開番号】W WO2019082406
(87)【国際公開日】2019-05-02
【審査請求日】2020-09-17
(31)【優先権主張番号】P 2017208199
(32)【優先日】2017-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148275
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100142745
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 世子
(72)【発明者】
【氏名】堀川 祐己
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】実開昭57-180221(JP,U)
【文献】特開平07-332291(JP,A)
【文献】特開平10-281095(JP,A)
【文献】特開2002-186218(JP,A)
【文献】実開昭61-044121(JP,U)
【文献】特開2004-281331(JP,A)
【文献】国際公開第2015/005088(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0007
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内において左右方向に延びる送風機と、
前記送風機を駆動するモータと、
前記モータを収容し、前記筐体に対して取り外し可能に取り付けられているモータケースと、
前記送風機と前記モータケースとの間に位置し、前記モータケースが取り付けられるモータ受け部と
を備えている空気調和機であって、
前記モータ受け部は、複数の部品で構成され、
前記モータケースは、前記モータ受け部との間でシール部を形成しており、
前記モータケース側の前記シール部は、前記送風機側へ向かって先細となるテーパ形状を有しており、
前記モータ受け部側の前記シール部は、前記テーパ形状に対応する逆テーパ形状を有し、
前記モータ受け部において、
前記複数の部品のうち隣り合う部品の境界には、
前記隣り合う部品のうち何れか一方と前記隣り合う部品のうちの他方とが前記モータの軸方向で重なって形成される重なり部が設けられている、
空気調和機。
【請求項2】
前記重なり部における前記送風機の側に、前記隣り合う部品のうちのより強度の高い部品を設けている、請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記複数の部品は、
前記送風機の左右方向の端部に隣接して配置される側板と、
前記送風機の下方に配置されるドレンパンと
を含み、
前記モータ受け部側の前記シール部は、
前記側板と、
前記筐体および前記ドレンパンの少なくとも何れか一方と
で構成され、
前記重なり部は、前記モータの側に設けられた前記側板と、前記送風機の側に設けられた前記筐体または前記ドレンパンとで形成される、
請求項1または2に記載の空気調和機。
【請求項4】
筐体と、
前記筐体内において左右方向に延びる送風機と、
前記送風機を駆動するモータと、
前記モータを収容し、前記筐体に対して取り外し可能に取り付けられているモータケースと、
前記送風機と前記モータケースとの間に位置し、前記モータケースが取り付けられるモータ受け部と
を備えている空気調和機であって、
前記モータ受け部は、複数の部品で構成され、
前記モータケースは、前記モータ受け部との間でシール部を形成しており、
前記モータケース側の前記シール部は、前記送風機側へ向かって先細となるテーパ形状を有しており、
前記モータ受け部側の前記シール部は、前記テーパ形状に対応する逆テーパ形状を有し、
前記モータ受け部において、
前記複数の部品のうち隣り合う部品の境界には、
前記隣り合う部品のうち何れか一方で形成される重なり部が設けられており、
前記複数の部品は、
前記送風機の左右方向の端部に隣接して配置される側板と、
前記送風機の下方に配置されるドレンパンと
を含み、
前記モータ受け部側の前記シール部は、
前記側板と、
前記筐体および前記ドレンパンの少なくとも何れか一方と
で構成され、
前記重なり部は、前記側板と、前記筐体または前記ドレンパンとで形成され、
前記側板と前記ドレンパンとで形成される前記重なり部は、前記シール部から前方へ向かって、所定値以上の長さを有する、空気調和機。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体内において左右方向に延びる送風機と、
前記送風機を駆動するモータと、
前記モータを収容し、前記筐体に対して取り外し可能に取り付けられているモータケースと、
前記送風機と前記モータケースとの間に位置し、前記モータケースが取り付けられるモータ受け部と
を備えている空気調和機であって、
前記モータ受け部は、複数の部品で構成され、
前記モータケースは、前記モータ受け部との間でシール部を形成しており、
前記モータケース側の前記シール部は、前記送風機側へ向かって先細となるテーパ形状を有しており、
前記モータ受け部側の前記シール部は、前記テーパ形状に対応する逆テーパ形状を有し、
前記モータ受け部において、
前記複数の部品のうち隣り合う部品の境界には、
前記隣り合う部品のうち何れか一方で形成される重なり部が設けられており、
前記複数の部品は、
前記送風機の左右方向の端部に隣接して配置される側板と、
前記送風機の下方に配置されるドレンパンと
を含み、
前記モータ受け部側の前記シール部は、
前記側板と、
前記筐体および前記ドレンパンの少なくとも何れか一方と
で構成され、
前記重なり部は、前記側板と、前記筐体または前記ドレンパンとで形成され、
前記モータケース側の前記シール部および前記側板側の前記シール部のうちの何れか一方に突起が設けられており、他方に前記突起が嵌まり込む切り欠きが設けられており、
前記側板に設けられた前記突起または前記切り欠きは、前記重なり部の近傍に位置している、空気調和機。
【請求項6】
筐体と、
前記筐体内において左右方向に延びる送風機と、
前記送風機を駆動するモータと、
前記モータを収容し、前記筐体に対して取り外し可能に取り付けられているモータケースと、
前記送風機と前記モータケースとの間に位置し、前記モータケースが取り付けられるモータ受け部と
を備えている空気調和機であって、
前記モータ受け部は、複数の部品で構成され、
前記モータケースは、前記モータ受け部との間でシール部を形成しており、
前記モータ受け部において、
前記複数の部品のうち隣り合う部品の境界には、
前記隣り合う部品のうち何れか一方と前記隣り合う部品のうちの他方とが前記モータの軸方向で重なって形成される重なり部が設けられている、
空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和機に関し、より具体的には空気調和機に備えられた送風機のモータ周辺の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和機の室内機には、室内へ空調された風を送り出すための送風機が備えられている。室内機の送風機としては、例えば、クロスフローファンが用いられる。
【0003】
送風機は、一般に、室内機の左右方向に延びる略円筒状の形状を有している。そして、送風機の左右方向の一端部には、送風機を駆動するためのモータが配置されている。
【0004】
例えば、特許文献1には、空気調和機の室内機が開示されている。室内機は、熱交換器1およびファン2を内装しているキャビネット3を有する。熱交換器1およびファン2は、キャビネット3内の左右方向に沿って配されている。ファン2を駆動するモータ22は、ファン2の軸方向の一端側(具体的には、キャビネット3を正面から見て右側)に設けられている。モータ22は、モータケース24に収納されている。
【0005】
モータケース24は、キャビネット3を構成する背面板10に着脱可能に装着されている。具体的には、モータケース24は、キャビネット3に対して軸方向に移動可能となっている。また、キャビネット3には、モータケース24を支えながら軸方向の移動を案内するガイド部が設けられている。モータケース24がファン2から離れた出入スペースSまで移動したとき、モータケース24は、ガイド部から離間可能あるいはガイド部に係合可能となる。なお、出入スペースSの一部には、電装ボックス20が収納されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特許第5940813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示された空気調和機は、上記のような構成を有することで、電装ボックス20を取り外した後、モータケース24を軸方向にスライドさせて出入スペースSへ移動させ、キャビネット3から取り外すことができる。このように、特許文献1に開示された空気調和機では、熱交換器1の本体部分を取り外すことなく、モータケース24の着脱を行うことができる。このような構成のモータケースでは、室内機からの取り外し作業をより容易に行うことができるように、さらなる改良の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一局面にかかる空気調和機は、筐体と、前記筐体内において左右方向に延びる送風機と、前記送風機を駆動するモータと、前記モータを収容し、前記筐体に対して取り外し可能に取り付けられているモータケースと、前記送風機と前記モータケースとの間に位置し、前記モータケースが取り付けられるモータ受け部とを備えている。この空気調和機において、前記モータケースは、前記モータ受け部との間でシール部を形成している。そして、前記モータケース側の前記シール部は、前記送風機側へ向かって先細となるテーパ形状を有しており、前記モータ受け部側の前記シール部は、前記テーパ形状に対応する逆テーパ形状を有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一局面にかかる空気調和機によれば、送風機を駆動するためのモータが着脱可能な空気調和機において、モータの取付け動作の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかる空気調和機の室内機の外観を示す斜視図である。
図2】第1の実施形態にかかる室内機の内部構成を示す斜視図である。この図では、室内機を下面側から見た状態を示す。なお、この図では、ドレンパンから各風向板を取り外した状態を示す。
図3】第1の実施形態にかかる室内機の内部構成を示す斜視図である。この図では、図2に示す室内機からドレンパンを取り外した状態を示す。
図4】第1の実施形態にかかる室内機の内部構成を示す斜視図である。この図では、図3に示す室内機からクロスフローファンおよびモータ部を取り外す様子を示す。
図5図2に示す室内機からモータ部を取り外した状態を示す斜視図である。
図6図2に示す室内機の構成部品を示す分解斜視図である。
図7図2に示す室内機に備えられたモータ受け部を構成する各部材を示す分解斜視図である。
図8図2に示す室内機からモータ部を取り外した状態を示す側面図である。
図9】第1の実施形態にかかる室内機に備えられたモータ部を示す斜視図である。
図10図8に示す室内機のA-A線部分の構成を示す断面図である。
図11図8に示す室内機のB-B線部分の構成を示す断面図である。
図12図8に示す室内機のC-C線部分の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0012】
〔第1の実施形態〕
<空気調和機の全体構成>
先ず、本実施の形態にかかる空気調和機の全体構成について説明する。本実施の形態にかかる空気調和機は、セパレート式の空気調和機であって、主として、室内機1と室外機(図示せず)とから構成されている。図1は、本実施の形態に係る空気調和機の室内機1の外観構成を示す。図2および図3には、室内機1の内部構成を示す。図2では、筐体10を構成する前面パネル11、本体パネル12、およびフラップ15を、室内機1から取り外した状態を示す。図3では、図2に示す状態からドレンパン23を取り外した状態を示す。また、図2では、ドレンパン23から各風向板(上下風向板24および左右風向板25)が取り外された状態を示す。
【0013】
室外機には、圧縮機、室外側熱交換器、四方弁、膨張弁などが備えられている。これらと室内機1側に備えられた室内側熱交換器22とによって冷凍サイクルが構成される。
【0014】
次に、室内機1の概略的な構成について、図1および図2を用いて説明する。図1に示すように、室内機1は、略直方体状の形状を有しており、通常、部屋の壁の上部に掛けられて使用される。図2に示すように、室内機1内には室内側熱交換器22が備えられている。室内側熱交換器22は、2本の補助パイプ(冷媒配管)を介して室外機側の圧縮機などと接続されている。なお、2本の補助パイプは、断熱材26により覆われている。これにより、この室内機1と室外機とは、冷凍サイクルを構成し、その結果、空気調和機として機能する。
【0015】
図1に示すように、室内機1は、筐体10で外形が形成される。筐体10は、略直方体状の樹脂成形品である。図1に示すように、筐体10は、主として、前面パネル11、本体パネル12、背面パネル13、およびフラップ15で構成されている。
【0016】
なお、説明の便宜上、前面パネル11が配置されている側を室内機1の前面側とし、背面パネル13が配置されている側を室内機1の背面側とする。そして、室内機1の前面側から背面側、または背面側から前面側へ向かう方向のことを、前後方向という。また、室内機1の通常の設置状態において、上方から下方または下方から上方へ向かう方向のことを、上下方向または鉛直方向という。
【0017】
また、室内機1の右側とは、室内機1を正面(前面側)から見たときの右側を意味し、室内機1の左側とは、室内機1を正面(前面側)から見たときの左側を意味する。そして、室内機1の上下方向と交差または直交し、室内機1の右側から左側、あるいは、室内機1の左側から右側へ向かう方向のことを、左右方向または水平方向という。
【0018】
前面パネル11は、筐体10の前面(正面)に位置する。前面パネル11は、本体パネル12に対して開閉可能に取り付けられている。通常、前面パネル11を開けると、フィルタ(図示せず)が前面部に現れる。フィルタ(図示せず)は、本体パネル12の上面に設けられた吸込み口14の下方に設けられている。フィルタは、吸込み口14から室内機1の内部に取り込まれる空気に含まれる埃や塵を捕捉する。フィルタの背面側には、室内側熱交換器22およびクロスフローファン(送風機)21などが配置されている。
【0019】
また、本体パネル12の下部には、吸込み口から吸い込んだ空気を送出する吹出口が設けられており、吹出口にフラップ15が開閉可能に設けられている。フラップ15には、駆動モータ(図示せず)が連結されている。駆動モータは、電気配線(図示せず)を介して電装基板(図示せず)に通信接続されており、空気調和機の運転中、電装基板に設けられた制御部からの制御信号に従ってフラップ15の回動角度を調節する。
【0020】
また、背面パネル13の右側面部の背面側の下方には、電源コードの最終出口13aが形成されている。先端にプラグを有する電源コードの下流側は、最終出口13aから室内機1の外へ出る。
【0021】
<室内機の内部構成>
続いて、室内機1の内部のより具体的な構成について、図2から図6を参照しながら説明する。
【0022】
図2および図3には、室内機1の内部を、室内機の下方側から見た状態を示す。図2に示すように、室内機1の内部には、クロスフローファン21、室内側熱交換器22、ドレンパン23、モータ部30、および電装ボックス(図示せず)などが備えられている。図2および図3は、電装ボックスが取り外された状態を示している。
【0023】
図4には、室内機1の内部に備えられたクロスフローファン21およびモータ部30を示す。図4には、室内機1からクロスフローファン21およびモータ部30が取り外される様子を示す。図5には、室内機1からモータ部30を取り外した状態を示す。図5では、室内機1のモータ受け部40側の側面の具体的な構成を示す。図6には、室内機1の内部に備えらえた各種部品を分解した状態で示す。
【0024】
クロスフローファン21は、室内側熱交換器22の下方側に配置され、室内機1の内部を左右方向に延びている。クロスフローファン21は、モータ部30内の駆動モータ(モータ)31に連結されている。そして、クロスフローファン21は、空気調和機の運転中、駆動モータ31によって回転駆動され、吸込み口14から室内の空気を筐体10に吸い込んで室内側熱交換器22に供給すると共に、室内側熱交換器22で熱交換された空気を吹出口から室内に送出する。なお、駆動モータ31は、電気配線を介して電装ボックス内に配置された電装基板(図示せず)に通信接続されており、電装基板に設けられた制御部から送信される制御信号に従って動作する。
【0025】
室内側熱交換器22は、複数の熱交換器を、クロスフローファン21を覆う屋根(逆V字)のように組み合わせたものである。なお、各熱交換器は、左右両端で複数回折り返された伝熱管(図示せず)に多数の放熱フィン(図示せず)が取り付けられたものであって、冷房運転時には蒸発器として機能し、暖房運転時には凝縮器として機能する。室内側熱交換器22は、断熱材26に被覆された補助パイプ(冷媒配管)と接続されている(図6参照)。図示はしていないが、室内側熱交換器22は、冷媒配管を介して、室外機側の圧縮機、膨張弁などと接続されている。
【0026】
補助パイプは、柔軟性および断熱性を有する筒状の断熱材26で覆われている。断熱材26の内部には、2本の冷媒配管が含まれている。
【0027】
図3に示すように、クロスフローファン21は、室内側熱交換器22の下方において、室内側熱交換器22に付属するサイドパネル42などによって支持されている。より具体的には、クロスフローファン21は、逆V字状の室内側熱交換器22によってその上方部分が覆われるように配置されている。そして、クロスフローファン21は、室内側熱交換器22の左右両側の端部に隣接して設けられているサイドパネル(側板)42などによって、回転可能な状態で支持されている。本実施形態では、クロスフローファン21の左側の端部は、左側のサイドパネル42によって支持され、クロスフローファン21の右の端部は、右側のサイドパネル42、並びに、背面パネル13およびドレンパン23の構成部材によって支持されている。サイドパネル42は、筐体10(背面パネル13など)の側面と略平行に設けられている(図6参照)。
【0028】
サイドパネル42は、クロスフローファン21とモータ部30との間に配置されている。サイドパネル42は、クロスフローファン21が位置する送風路内の空気がモータ部30側へ流れることを抑制するとともに、室内側熱交換器22において生成されたドレン水が、モータ部30や電装ボックス側へ流入することを抑えるために設けられている。
【0029】
ドレンパン23は、室内側熱交換器22の下方に配置されており、室内側熱交換器22において生成されたドレン水を受ける。また、ドレンパン23は、その下方において、上下風向板24および左右風向板25(図5参照)などの風向変更板を動作可能に支持している。すなわち、ドレンパン23は、風向板取付機構としての機能も果たしている。
【0030】
モータ部30は、主として、駆動モータ31とモータケース32とで構成されている。駆動モータ31は、クロスフローファン21と接続されており、クロスフローファン21を回転駆動する。モータケース32は、駆動モータ31を収容する。モータケース32は、室内機1の本体部(本実施形態では、筐体10を構成する背面パネル13、室内側熱交換器22に備えられたサイドパネル(側板)42など)に対して取り外し可能に取り付けられている(図4参照)。モータ部30のより具体的な構成については、後述する。
【0031】
電装ボックスは、例えば、筐体10内の右側端部(すなわち、モータ部30の右隣)に配置される。なお、図2および図3では、電装ボックスの図示は省略している。電装ボックスは電装基板を備えている。電装基板には、中央処理演算部(制御部)、信号送受信部などが搭載されている。電装基板は、電気配線を介して、冷凍サイクルの各構成部材と接続されている。
【0032】
図4に示すように、クロスフローファン21は、室内機1の内部を左右方向に延びる略円筒形状の部品である。室内機1の左右方向に沿って配置されている円筒形状のクロスフローファン21の軸方向のことを、クロスフローファン21の長手方向と呼ぶ。クロスフローファン21の長手方向に隣接して、モータ部30が配置されている。
【0033】
本実施形態では、クロスフローファン21の右隣に、クロスフローファン21を軸回転させるモータ部30が配置されている。モータ部30を構成する駆動モータ31の軸部34(図9など参照)が、クロスフローファン21の回転軸21a(図5など参照)と連結されている。
【0034】
このように、本実施形態では、クロスフローファン21の右側端部において、クロスフローファン21の回転軸と駆動モータ31とが接続されている。しかし、本発明の他の実施態様では、クロスフローファン21の左側にモータ部30が配置されていてもよい。この場合には、モータ部は、本実施形態で説明するモータ部30とは左右対称の構成を有する。またこの場合、クロスフローファン21の左側のサイドパネル42などに、モータ受け部40が設けられている。
【0035】
本実施形態の室内機1は、室内側熱交換器22を取り外すことなく、モータ部30およびクロスフローファン21を取り外すことができる。これにより、モータ部30およびクロスフローファン21のメンテナンスや、各構成部品の交換を容易に行うことができる。モータ部30を取り外す際には、先ず、室内機1内の右側端部に配置されている電装ボックスを取り外す。その後、モータ部30を右方向へスライドさせる(図4の矢印A参照)。これにより、モータ部30を室内機1から取り外すことができる。図4にはドレンパン23が取り外された状態が示されているが、モータ部30は、ドレンパン23を本体部に取り付けた状態でも、取り外しが可能である。
【0036】
一方、クロスフローファン21は、ドレンパン23を取り外した後に、取り外しが可能となる。クロスフローファン21を取り外すときには、クロスフローファン21の右側部分を下方(図4では手前)へ引き出した後(図4の矢印B参照)、クロスフローファン21の左側部分を、室内機1の本体部(本実施形態では、左側のサイドパネル42)から取り外す。これにより、クロスフローファン21を室内機1から取り外すことができる。なお、吹出口をクロスフローファン21の直径より大きくすることにより、ドレンパン23を取り外すことなく、吹出口からクロスフローファン21を取り出せる構成であってもよい。
【0037】
以上のように、本実施形態にかかる空気調和機では、室内側熱交換器22の本体部分を取り外すことなく、モータ部30およびクロスフローファン21を取り外すことができる。
【0038】
なお、作業者がモータ部30の矢印A方向への移動をより行い易くするために、モータ部30には、指掛け部33が設けられている。指掛け部33は、電装ボックスを取り外した状態で、室内機1の側面側に露出するモータ部30の側面に設けられている(図3参照)。例えば本実施形態では、指掛け部33は、モータケース32の右側端部に配置されている。指掛け部33には、モータ部30の取り外し作業時に、作業者の手指が接触する。そして、指掛け部33は、モータ部30をスライド移動させる際の把持部となる。
【0039】
<モータ部の構成>
続いて、モータ部30のより具体的な構成について、図4および図9を参照しながら説明する。図9には、モータ部30の外観を示す。図9は、駆動モータ31の軸部34側からモータ部30を見た場合の図である。以下の説明において、モータ部30および各構成部品の各部位の名称は、モータ部30を室内機1に取り付けた状態での位置を基準にして命名されている。例えば、モータケース32の左側の側面とは、モータ部30を室内機1に取り付けた状態で、室内機1を正面から見た場合に左側に位置する側面を意味する。
【0040】
上述したように、モータ部30は、主として、駆動モータ31とモータケース32とで構成されている。
【0041】
駆動モータ31は、略円筒形状の本体部を有している。また、駆動モータ31は、軸部34およびコネクタ部35などを有している。
【0042】
軸部34は、本体部の略円形状の一側面から突出するように形成されている。本実施形態では、軸部34は、駆動モータ31の本体部の左側の側面から突出している。軸部34は、クロスフローファン21の回転軸21aと接続される。
【0043】
コネクタ部35は、電装ボックスから延びる各種配線と接続される。これにより、コネクタ部35を介して、駆動モータ31に電源が供給される。また、コネクタ部35には、電装ボックス内の電装基板から延びる配線も接続される。これにより、電装基板の制御部からの制御信号が、コネクタ部35を介して駆動モータ31に送信される。駆動モータ31は、制御部から送信された制御信号に基づいて、運転の開始および停止、並びに、回転数などが制御される。本実施形態では、コネクタ部35は、室内機1の正面側に位置するように配置される。
【0044】
モータケース32は、内部に駆動モータ31を収容している。モータケース32は、駆動モータ31の形状に合わせて、略円筒形状の外形を有している。但し、モータケース32の背面部36(室内機1に設置したときに背面側に位置する部分)は、平坦な形状となっている。これは、モータケース32の背面部36が、室内機1の本体と(より具体的には、背面パネル13)と接続されるためである。
【0045】
図9に示すように、モータケース32は、2つに分割された前ケース32aと後ケース32bとで構成されている。モータ部30が室内機1に取り付けられた状態で、前ケース32aは前方側に位置し、後ケース32bは後方側に位置する。後ケース32bは、背面部36を有している。
【0046】
また、本実施形態にかかるモータケース32は、指掛け部33を有している。本実施形態では、図4に示すように、指掛け部33は、モータケース32の右側面(クロスフローファン21との隣接面とは反対側の側面)から突出した形状を有している。モータ部30を室内機1から取り外す際に、作業者は、この逆L字状の指掛け部33内に指を入れ、外方向(本実施形態では、右方向)へ指掛け部33を押し出すことで、取り外し作業を容易に行うことができる。
【0047】
また、モータケース32には、駆動モータ31の軸部34側の側面(本体部側のモータ受け部40と対向する側面)にテーパ部(モータケース側のシール部)37が設けられている。テーパ部37は、略円形状を有しており、駆動モータ31の軸受けの周囲に設けられている。
【0048】
テーパ部37は、クロスフローファン21側へ向かって先細となるテーパ形状を有している。テーパ部37は、後述するモータ受け部40側の逆テーパ部45(41a・42a・43a)と合致するように形成されている。逆テーパ部45は、テーパ部37の形状に対応して、モータ部30側へ向かって開口部の径が大きくなるような形状となっている。本体部に対してモータ部30が取り付けられると、テーパ部37と逆テーパ部45とが合致し、これらによってシール部が形成される。シール部が形成されることで、クロスフローファン21の回転によって生成された気流が、モータ部30とモータ受け部40との接続部分から側方部分へ漏れることを抑えることができる。
【0049】
本実施形態では、テーパ部37は、前ケース32aおよび後ケース32bにそれぞれ設けられている。前ケース32a側のテーパ部を37aとし、後ケース32b側のテーパ部を37bとする。
【0050】
図9に示すように、テーパ部37(本実施形態では、テーパ部37a)には、切り欠き38が形成されている。また、後述するように、モータ受け部40側の逆テーパ部45には、切り欠き38に対応する位置に突起51が形成されている(図5参照)。モータ部30が本体部に適切に取り付けられた状態では、突起51は切り欠き38に嵌まり込む。つまり、切り欠き38および突起51が設けられていることにより、モータ部30を本体部に取り付けたときに位置ずれが起こることを抑えることができる。
【0051】
<モータ受け部の構成>
続いて、モータ部30が取り付けられる本体部側の構成について、図5図7図8、および図10から図12などを参照しながら以下に説明する。図7は、モータ受け部40を構成する各部材(背面パネル13、室内側熱交換器22、およびドレンパン23)を分解した状態の図である。図8には、モータ受け部40側の側面を示す。図10は、図8に示す室内機1のA-A線部分の断面構成を示す。図11は、図8に示す室内機1のB-B線部分の断面構成を示す。図12は、図8に示す室内機1のC-C線部分の断面構成を示す。
【0052】
モータ部30は、本体部のモータ受け部40に取り付けられる。モータ受け部40は、クロスフローファン21と、モータケース32との間に位置する。本実施形態では、モータ受け部40は、背面パネル13の一部(具体的には、縦板部41)と、室内側熱交換器22に備えらえたサイドパネル42と、ドレンパン23の一部(具体的には、側方板部43)とを組み合わせて構成されている。
【0053】
図7に示すように、クロスフローファン21は、背面パネル13、室内側熱交換器22、およびドレンパン23によって、その周囲が覆われている。そして、モータ受け部40を構成する各部材(縦板部41、サイドパネル42、および側方板部43)は、クロスフローファン21の右側側面に対向するように配置されている。
【0054】
モータ受け部40には、略円形状の開口部が形成されている。開口部の中央にはクロスフローファン21の回転軸21aが位置している。この略円形状の開口部は、背面パネル13の縦板部41、室内側熱交換器22のサイドパネル42、およびドレンパン23の側方板部43で形成される。
【0055】
そして、この略円形状の開口部の外周には、逆テーパ部(モータ受け部側のシール部)45が形成されている。逆テーパ部45は、縦板部41の湾曲端部41aと、サイドパネル42の湾曲端部42aと、側方板部43の湾曲端部43aとで構成される。逆テーパ部45は、モータ部30側のテーパ部37と合致するように形成されている。モータ部30がモータ受け部40に取り付けられると、テーパ部37と逆テーパ部45とが接触した状態となる(図11参照)。そして、テーパ部37と逆テーパ部45との接触面が略密閉された状態となり、シール部が形成される。
【0056】
これにより、クロスフローファン21の回転で形成される気流が、側方のモータ部30側へ漏れることを抑えることができる。したがって、室内機1の吹き出し口から送出される風量の損失を抑えることができる。
【0057】
また、モータ受け部40において、サイドパネル42とドレンパン23との境界(連結部分)には、サイドパネル42の一端部(フック52)とドレンパン23の側方板部43の一端部(重複端部53)とで形成される重なり部が設けられている。
【0058】
図10には、この重なり部の断面構成を示す。ドレンパン23は、サイドパネル42よりも強度の高い素材で形成されている。そのため、ドレンパン23は、サイドパネル42よりも変形しにくい。そこで、本実施形態では、重なり部において、より強度の高いドレンパン23をクロスフローファン21側に配置し、より強度の低いサイドパネル42をモータ部30側に配置させている。
【0059】
室内機1を部屋の壁に取り付ける際に、作業者が断熱材26に覆われた補助パイプを動かすことによって、比較的強度の弱いサイドパネル42が上下方向に動き、サイドパネル42に変形や歪みが生じる可能性がある。このとき、上記のように、サイドパネル42とドレンパン23との境界の重なり部において、サイドパネル42のフック52の内側(クロスフローファン21側)に剛性の高いドレンパン23の重複端部53が配置されていることによって、サイドパネル42の変形をある程度抑えることができる。
【0060】
なお、重なり部を構成しているサイドパネル42のフック52およびドレンパン23の重複端部53は、室内機1の前後方向にある程度の長さを有していることが好ましい。この点については、図12を用いて説明する。
【0061】
図12では、図中、左側に室内機1の前方側が位置し、右側に室内機1の後方側が位置する。室内機1の前方側に、サイドパネル42のフック52とドレンパン23の重複端部53とで形成されている重なり部が位置する。図12に示すように、重なり部は、シール部を形成する逆テーパ部45から前方側へ所定値(例えば、逆テーパ部45からクロスフローファン21の外周までの長さ)以上の長さを有していることが好ましい。これにより、サイドパネル42とドレンパン23とを組み立てる際に、これら各部材同士の位置合わせをより容易に行うことができる。また、サイドパネル42とドレンパン23とを組み合わせて形成されるクロスフローファン21の密閉性をより高めることができる。
【0062】
なお、図12に示す例では、重なり部を構成するサイドパネル42のフック52は、前後方向に長さLを有している。そして、フック52の前方側の端部は、ドレンパン23において左右方向に延びる部材23aと交差する位置まで延びていることが好ましい。これにより、サイドパネル42とドレンパン23とを組み立てる際に、重なり部において位置ずれが発生し、誤ってサイドパネル42がクロスフローファン21側に入り込んでしまった場合には、ドレンパン23の部材23aが障害となって組み立てが実現できない構成となる。したがって、モータ受け部40の組み立て時に、作業者が位置ずれの発生に容易に気付くことができる。
【0063】
また、モータ受け部40において、サイドパネル42と背面パネル13との境界(連結部分)には、サイドパネル42の一端部(フック54)と背面パネル13の縦板部41の一端部(重複端部55)とで形成される重なり部が設けられている。
【0064】
背面パネル13は、サイドパネル42よりも強度の高い素材で形成されている。そのため、背面パネル13は、サイドパネル42よりも変形しにくい。そこで、本実施形態では、上記と同様の理由で、重なり部において、より強度の高い背面パネル13をクロスフローファン21側に配置し、より強度の低いサイドパネル42をモータ部30側に配置させている。
【0065】
また、図5などに示すように、モータ受け部40に形成された逆テーパ部45には、突起51が形成されている。本実施形態では、突起51は、サイドパネル42の湾曲端部42aの下端(より具体的には、サイドパネル42との連結部側の端部)に形成されている。また、突起51は、モータケース32のテーパ部37の切り欠き38と対応する位置に形成されている。これにより、モータ部30を本体部に取り付ける際の位置合わせを行い易くなる。
【0066】
なお、サイドパネル42に設けられた突起51は、ドレンパン23側の端部、例えば、ドレンパン23とサイドパネル42とで形成される重なり部の近傍に位置することが好ましい。これは、背面パネル13とサイドパネル42とドレンパン23とを組み合わせてモータ受け部40を形成するときに、サイドパネル42におけるドレンパン23との重なり部分に、最も変形または歪みによる位置ずれが発生しやすいためである。本実施形態では、突起51は、フック52および重複端部53で形成される重なり部の最も近くに位置するシール部に設けられている。
【0067】
この構成によれば、モータ受け部40に対してモータ部30を取り付けるときに、最も位置ずれの起こりやすい位置において突起51と切り欠き38との位置合わせが行われる。これにより、モータ部30取付け時の位置ずれの発生を抑えることができる。また、サイドパネル42に多少の変形などが生じた場合であっても、モータ部30の取付け作業が難航することを抑えることができる。
【0068】
<第1の実施形態のまとめ>
以上のように、本実施形態にかかる空気調和機の室内機1には、筐体10内を左右方向に延びるクロスフローファン(送風機)21と、クロスフローファン21を駆動する駆動モータ31とが備えらえている。駆動モータ31は、モータケース32に収容され、モータ部30を構成している。モータ部30は、クロスフローファン21の側方に、取り外し可能に取り付けられている。
【0069】
モータ部30は、モータ受け部40に対して取り付けられる。モータ受け部40は、クロスフローファン21とモータ部30との間に位置する板状の部材で構成されている。具体的には、モータ受け部40は、サイドパネル42と、背面パネル13の縦板部41と、ドレンパン23の側方板部43とを組み合わせて形成されている。モータ受け部40は、クロスフローファン21の軸受け部(回転軸21aの周囲)に略円形の開口部を有している。
【0070】
一方、モータ部30のモータケース32には、軸部34の周囲にテーパ部37を有している。モータ部30が、室内機1の本体に正しく取り付けられると、テーパ部37は、モータ受け部40側の上述の開口部に嵌まり込む。この開口部には、テーパ部37に形成されたテーパ形状に対応する逆テーパ形状を有する逆テーパ部45が設けられている。
【0071】
そして、モータ部30が、モータ受け部40に正しく取り付けられると、テーパ部37と逆テーパ部45とでシール部が形成される。これにより、クロスフローファン21によって生成された気流が、モータ部30とモータ受け部40との接続部分からモータ部30側へ漏れることを抑えることができる。したがって、風量の損失を低減させることができる。
【0072】
なお、モータ部30側に形成されたテーパ部37は、モータ受け部40側へ向かって(その取付け方向に向かって)先細の形状となっている。そして、モータ受け部40側の逆テーパ部45は、テーパ部37の形状に対応して、モータ部30側へ向かって開口部の径が大きくなるような形状となっている(図11参照)。
【0073】
この構成によれば、モータ部30のテーパ部37を、モータ受け部40の逆テーパ部45へより容易に嵌め込むことができる。したがって、モータ部30を取り外した後に、再度モータ部30を本体部へ取り付けるときの取り付け作業がより行い易くなる。
【0074】
なお、メンテナンス作業の効率化のためには、ドレンパン23および室内側熱交換器22などの大型の構成部材はできるだけ本体に取り付けられたままの状態で、モータ部30の着脱作業が行われることが望ましい。その場合、ドレンパン23などによって作業者の視野が制限され、モータ受け部40の周囲が見えない状態で、モータ部30の取付け作業が行われることになる。
【0075】
このとき、本実施形態の室内機1のように、モータ部30にテーパ部37が形成され、モータ受け部40に逆テーパ部45が形成されていることで、モータ受け部40の周囲が作業者に見えない状態であっても、モータ部30を正しい取り付け位置に導くことができる。
【0076】
したがって、本実施形態の構成によれば、モータ部30の取り外し動作の作業性の向上を図ることができる。
【0077】
また、室内機1に対してモータ部30を取り付ける時に、本体側のモータ受け部40との間で、位置ずれなどの取付け不良が起こると、空気調和機の運転時に異音やエア漏れなどが発生する可能性がある。
【0078】
上述した本実施形態の構成によれば、テーパ部37が逆テーパ部45に正しく嵌め込まれていない場合には、モータ部30に傾きやぐらつきなどの違和感を覚えることにより、モータ部30の取付け不良をより容易に感知することができる。そのため、モータ部の取付け不良の抑制を図ることができる。
【0079】
〔第2の実施形態〕
本発明の第2の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、背面パネル13の縦板部41、室内側熱交換器22のサイドパネル42、およびドレンパン23の側方板部43という3つの構成部材でモータ受け部40が形成される構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。そこで、第2の実施形態では、2つの構成部材でモータ受け部40が形成される例について説明する。
【0080】
第2の実施形態にかかる室内機1では、モータ受け部40が、室内側熱交換器22のサイドパネル42と背面パネル13の側方板部43とで形成されている。そして、モータ受け部40側のシール部(逆テーパ部)45は、サイドパネル42に設けられた湾曲端部42aと、ドレンパン23の側方板部43に設けられたおよび湾曲端部41aおよび湾曲端部43aとで形成される。このように、湾曲端部43aが、ドレンパン23ではなく、背面パネル13で形成されていてもよい。
【0081】
この構成では、ドレンパン23の側方板部43に2つの重複端部53および55が設けられていることが好ましい。一方の重複端部53は、サイドパネル42の前方側に位置するフック52と重なるように配置される。他方の重複端部55は、サイドパネル42の後方側に位置するフック54と重なるように配置される。
【0082】
モータ部30は、第1の実施形態と同様の構成を有している。すなわち、モータ部30を構成するモータケース32には、本体部側のモータ受け部40と対向する側面にテーパ部(モータケース側のシール部)37が設けられている。
【0083】
また、モータ受け部40側のシール部(逆テーパ部45)は、テーパ部37と合致するような逆テーパ形状となっている。そのため、本体部に対してモータ部30が取り付けられると、テーパ部37と逆テーパ部45とが合致し、これらによってシール部が形成される。
【0084】
以上の構成によれば、室内側熱交換器22のサイドパネル42と背面パネル13の側方板部43という2つの構成部材によって、モータ受け部40を形成することができる。また、モータ受け部40とモータ部30との間にシール部が形成されることで、クロスフローファン21の回転によって生成された気流が、モータ部30とモータ受け部40との接続部分から側方部分へ漏れることを抑えることができる。
【0085】
〔第3の実施形態〕
続いて、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第2の実施形態と同様に、2つの構成部材でモータ受け部40が形成される例について説明する。
【0086】
第3の実施形態にかかる室内機では、モータ受け部40が、サイドパネル42とドレンパン23とで形成されている。そして、モータ受け部40側のシール部(逆テーパ部45)は、サイドパネル42に設けられた湾曲端部41aおよび湾曲端部42aと、ドレンパン23に設けられた湾曲端部43aとで形成される。このように、湾曲端部41aが、背面パネル13ではなく、サイドパネル42で形成されていてもよい。
【0087】
〔第4の実施形態〕
続いて、本発明の第4の実施形態について説明する。上述の第1の実施形態では、モータケース32側のテーパ部37に切り欠き38が形成され、モータ受け部40側の逆テーパ部45に突起51が形成される構成について説明した。しかし、本発明はこれに限定されない。
【0088】
そこで、第4の実施形態として、モータケース32側のテーパ部37に突起が形成され、モータ受け部40側の逆テーパ部45に切り欠きが形成される構成を挙げることができる。
【0089】
(まとめ)
本発明の一局面にかかる空気調和機(例えば、室内機1)は、筐体10と、前記筐体10内において左右方向に延びるクロスフローファン(送風機)21と、前記クロスフローファン21を駆動するモータ31と、前記モータ31を収容し、前記筐体10に対して取り外し可能に取り付けられているモータケース32と、前記クロスフローファン21と前記モータケース32との間に位置し、前記モータケース32が取り付けられるモータ受け部40とを備えている。前記モータケース32は、その取り付け位置において前記モータ受け部40との間でシール部を形成している。前記モータケース32側の前記シール部(テーパ部37)は、前記クロスフローファン21側へ向かって先細となるテーパ形状を有しており、前記モータ受け部40側の前記シール部(逆テーパ部45)は、前記テーパ形状に対応する逆テーパ形状を有している。
【0090】
上述の本発明の一局面にかかる空気調和機(例えば、室内機1)は、前記クロスフローファン21の左右方向の端部に隣接して配置されているサイドパネル(側板)42と、前記クロスフローファン21の下方に配置されるドレンパン23とをさらに備えていてもよい。そして、前記モータ受け部40側の前記シール部(逆テーパ部45)は、前記サイドパネル42と、前記筐体10(具体的には、背面パネル13)および前記ドレンパン23の少なくとも何れか一方とで構成されていてもよい。
【0091】
また、上記構成の前記モータ受け部40において、前記サイドパネル42と、前記筐体10(具体的には、背面パネル13)および前記ドレンパン23の少なくとも何れか一方との境界には、前記サイドパネル42と、前記筐体10(具体的には、背面パネル13)または前記ドレンパン23とで形成される重なり部が設けられていることが好ましい。重なり部は、例えば、サイドパネル42のフック52とドレンパン23の側方板部43の重複端部53とで形成される。または、サイドパネル42のフック54と背面パネル13の縦板部41の重複端部55とで形成される。
【0092】
また、上記構成の前記モータ受け部40において、前記モータケース32側の前記シール部(テーパ部37)および前記サイドパネル42側の前記シール部(逆テーパ部45)のうちの何れか一方に突起51が設けられており、他方に前記突起51が嵌まり込む切り欠き38が設けられていてもよい。
【0093】
また、上記構成の前記モータ受け部40において、前記サイドパネル42と前記ドレンパン23とで形成される前記重なり部は、前記シール部から前方へ向かって、所定値以上の長さを有していてもよい。
【0094】
また、前記モータケース32側の前記シール部(テーパ部37)および前記サイドパネル42側の前記シール部(逆テーパ部45)のうちの何れか一方に突起51が設けられており、他方に前記突起51が嵌まり込む切り欠き38が設けられている構成において、前記サイドパネル42に設けられた前記突起または前記切り欠きは、前記重なり部の近傍に位置していてもよい。
【0095】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、本明細書で説明した異なる実施形態の構成を互いに組み合わせて得られる構成についても、本発明の範疇に含まれる。
【符号の説明】
【0096】
1 :(空気調和機の)室内機
10 :筐体
13 :背面パネル(筐体)
21 :クロスフローファン(送風機)
22 :室内側熱交換器
23 :ドレンパン
30 :モータ部
31 :駆動モータ(モータ)
32 :モータケース
34 :軸部
37 :テーパ部
38 :切り欠き
40 :モータ受け部
41 :(背面パネルの)縦板部
42 :サイドパネル(側板)
43 :(ドレンパンの)側方板部
45 :逆テーパ部
51 :突起
52 :フック(重なり部)
53 :重複端部(重なり部)
54 :フック(重なり部)
55 :重複端部(重なり部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12