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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】FGF21分泌促進用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/745 20150101AFI20221004BHJP
   A61K 31/715 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221004BHJP
   A23L 33/135 20160101ALI20221004BHJP
【FI】
A61K35/745 ZNA
A61K31/715
A61P9/00
A61P43/00 111
A23L33/135
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020507284
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2018011917
(87)【国際公開番号】W WO2019180964
(87)【国際公開日】2019-09-26
【審査請求日】2020-06-12
【微生物の受託番号】NPMD  NITE BP-02622
(73)【特許権者】
【識別番号】000006127
【氏名又は名称】森永乳業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】特許業務法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江原 達弥
(72)【発明者】
【氏名】和泉 裕久
(72)【発明者】
【氏名】清水 隆司
【審査官】横田 倫子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/145415(WO,A1)
【文献】特開2017-203030(JP,A)
【文献】特開平10-130160(JP,A)
【文献】特表2013-505283(JP,A)
【文献】国際公開第2017/009187(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/071421(WO,A1)
【文献】国際公開第2008/120712(WO,A1)
【文献】特開平10-175867(JP,A)
【文献】日本乳酸菌学会誌, 2011, Vol.22 No.2, p.138 日本乳酸菌学会誌, 2011, Vol.22 No.2, p.138(一般講演37)
【文献】Nutrients, 2017, Vol.9 Iss.8, p.859
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 35/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V(NITE BP-02622)を有効成分とする、FGF21分泌促進用組成物(ただし、2,3-ジヒドロ-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-4H-ピラン-4-オンを含有するもの、及び、血管保護の用途を除く。)。
【請求項2】
嗜好性の抑制のために用いられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記嗜好性が、甘味成分に対する嗜好性である、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
体温維持のために用いられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
偏食、冷え症、若しくは低体温症の予防又は治療に用いられる、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
プレバイオティクスを含む、請求項1~のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記プレバイオティクスが、ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖である、請求項に記載の組成物。
【請求項8】
飲食品組成物である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項9】
医薬組成物である、請求項1~7のいずれか1項に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、線維芽細胞成長因子21(FGF21)分泌促進用組成物に関する。詳細には、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、線維芽細胞成長因子21(FGF21)分泌促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
FGF21は、FGF19、FGF21、およびFGF23を含む線維芽細胞成長因子(Fibroblast Growth Factor, FGF)のサブファミリーに属する分泌型ポリペプチドである(非特許文献1)。
【0003】
FGF21は、ヘパリン非依存性であり、また、グルコース代謝、脂質代謝、およびエネルギー代謝の調節におけるホルモンとして機能する。
FGF21の分泌が促進されることにより、全身レベルでの脂質利用能の亢進、エネルギー消費の亢進、肝臓におけるトリグリセリド蓄積の抑制や脂肪酸酸化の誘導などが起こることが報告されている(非特許文献2、3)。
また、対象がショ糖を摂取すると血清中のFGF21濃度が急激に上昇し、FGF21が対象のショ糖への嗜好性を減弱させることが報告されている(非特許文献4)。
また、新生児期では、血清中のFGF21濃度や肝臓のFGF21遺伝子発現の増加により体温が上昇するように、低体温症になりやすい新生児期においてFGF21は体温の維持に重要であることが報告されている(非特許文献5)。
また、FGF21は、例えば、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症等にある対象の心機能の保護に重要であることが報告されている(非特許文献6)。
また、FGF21は、アテローム性動脈硬化において、血管内皮機能を改善することによりプラーク形成から血管を保護することが報告されている(非特許文献7、8)。
【0004】
一方で、これまでに2,3-ジヒドロ-3,5-ジヒドロキシ-6-メチル-4H-ピラン-4-オンの生産能を有する乳酸菌を投与することにより、体内でのエネルギー代謝促進効果が発揮されることが知られている(特許文献1)。
しかし、ビフィドバクテリウム属細菌を投与することにより体内でFGF21の分泌が促進されることは知られていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】国際公開第2008/120712号
【非特許文献】
【0006】
【文献】Itoh et al., Trends Genet., 20(11): 563-69 (2004)
【文献】Ryden, M., et al., Cell. Mol. Life Sci., 66: 2067-2073 (2009)
【文献】Kharitonenkov, A., et al., Endocrinology, 148: 774-781 (2007)
【文献】Soberg S., et al., Cell Metab., 25(5): 1045-1053 (2017)
【文献】Hondares E., et al., Cell Metab., 11(3): 206-12 (2010)
【文献】Pongpan Tanajak, et al., J. Endocrinol., 227: R13-R30 (2015)
【文献】Domouzoglou EM., Am. J. Physiol. Heart Circ. Physiol., 309(6): H1029-38 (2015)
【文献】Lin Z., Circulation, 131(21): 1861-71 (2015)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、FGF21の分泌を促進する新規組成物の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、ビフィドバクテリウム属細菌が、それを摂取した(「投与された」場合を含む。)哺乳動物においてFGF21分泌促進作用を発揮することを見出して、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分とする、FGF21分泌促進用組成物である。
前記FGF21分泌促進用組成物は、嗜好性調節、体温維持又は血管保護のために用いられることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化又は血管プラーク形成の予防又は治療に用いられることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、プレバイオティクスを含むことを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、前記プレバイオティクスが、ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖であることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、前記ビフィドバクテリウム属細菌がビフィドバクテリウム・ブレーベであることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、前記ビフィドバクテリウム・ブレーベが、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V(NITE BP-02622)であることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、飲食品組成物であることを好ましい態様としている。
前記FGF21分泌促進用組成物は、医薬組成物であることを好ましい態様としている。
また、本発明の他の態様は、FGF21産生不全及び/又は分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害の予防用組成物又は改善用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、FGF21産生不全及び/又は分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害の予防又は改善のために用いられる、ビフィドバクテリウム属細菌である。
また、本発明の他の態様は、FGF21産生不全及び/又は分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害の予防又は改善のための、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、ビフィドバクテリウム属細菌を、FGF産生不全及び/又は分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害の予防又は改善が必要な対象に投与する段階を含む、FGF21産生不全及び/又は分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害を予防又は改善する方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、FGF21の分泌を促進する新規組成物が提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のFGF21分泌促進用組成物は、ビフィドバクテリウム属細菌を有効成分として含む。以下、同細菌を「本細菌」と記載することがある。
尚、本発明のFGF21分泌促進用組成物は、混合物を含む概念であり、FGF21分泌促進用組成物の成分が均一であるか不均一であるかを問わない。
【0012】
本発明のFGF21分泌促進用組成物の有効成分である、本細菌は、FGF21分泌促進作用を有する。
本発明におけるFGF21分泌促進作用とは、哺乳動物が本細菌を摂取した(本明細書では、「投与された」場合を含む。)ときに、摂取しない(本明細書では、「投与しない」場合を含む。)ときよりも、FGF21の分泌量が大きいことを意味する。
このとき、FGF21の分泌量が大きいことは、FGF21遺伝子の発現がオフからオンになったことに起因してもよいし、FGF21遺伝子の発現が促進されたことに起因してもよいし、FGF21遺伝子がそもそも発現していたものの分泌がされていなかった状態が分泌される状態になったことに起因してもよい。該FGF21遺伝子は、好ましくは肝臓のFGF21遺伝子である。また、FGF21の分泌量が大きいことは、例えば、血清中のFGF21濃度を測定することで判断できる。
【0013】
哺乳動物としては、ヒト、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、イヌ、ネコ、ウマ等が挙げられる。好ましくはヒトである。また、本明細書では、哺乳動物を「対象」と記載することがある。
【0014】
本発明におけるビフィドバクテリウム属細菌は、グラム陽性の偏性嫌気性桿菌である。
ビフィドバクテリウム属細菌は、その細菌を哺乳動物に摂取させたときにFGF21の分泌を促進し得るものであれば特に制限されない。例えば、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム(Bifidobacterium longum subsp. longum)、ビフィドバクテリウム・ラクティス(Bifidobacterium lactis)、ビフィドバクテリウム・アニマリス(Bifidobacterium animalis)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobcterium breve)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティス(Bifidobacterium longum subsp. infantis)、ビフィドバクテリウム・アドレセンティス(Bifidobacterium adolescentis)等を使用することが出来る。尚、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムは、単にビフィドバクテリウム・ロンガム(Bifidobacterium longum)と略される場合がある。また、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスは、単にビフィドバクテリウム・インファンティス(Bifidobacterium infantis)と略される場合がある。
【0015】
本発明においては、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガム、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスが好ましい。
また、その中でも、ビフィドバクテリウム・ブレーベFERM BP-11175、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V(NITE BP-02622)、ビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・ロンガムBB536(NITE BP-02621)、及びビフィドバクテリウム・ロンガム・サブスピーシーズ・インファンティスM-63(NITE BP-02623)がより好ましい。
【0016】
FERM BP-11175の受託番号が付与された細菌は、2009年8月25日付で、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(現 独立行政法人製品評価技術基盤機構特許生物寄託センター、〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 120号室)にブダペスト条約に基づく国際寄託がなされている。
NITE BP-02622の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP-02622の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。
NITE BP-02621の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP-02621の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。
NITE BP-02623の受託番号が付与された細菌は、2018年1月26日付で、独立行政法人製品評価技術基盤機構特許微生物寄託センター(〒292-0818 千葉県木更津市かずさ鎌足2-5-8 122号室)に、NITE BP-02623の受託番号で、ブダペスト条約に基づく国際寄託がなされたものである。
【0017】
本発明のビフィドバクテリウム属細菌は、前記寄託菌に制限されず、前記寄託菌と実質的に同等の細菌であってもよい。前記寄託菌と実質的に同等の細菌とは、前記寄託菌と同属又は同種の細菌であって、その細菌を哺乳動物に摂取させたときに、該哺乳動物のFGF21の分泌を促進でき、その16SrRNA遺伝子の塩基配列が、前記寄託菌の16SrRNA遺伝子の塩基配列と98%以上、好ましくは99%以上、より好ましくは100%の相同性を有し、かつ、好ましくは、前記相同性に加えて、前記寄託菌と同一の菌学的性質を有する細菌である。また、本発明のビフィドバクテリウム属細菌は、本発明の効果が損なわれない限り、前記寄託菌、又はそれと実質的に同等の細菌から、変異処理、遺伝子組換え、自然変異株の選択等によって育種された細菌であってもよい。
【0018】
本細菌は、細菌の菌体であってもよく、菌体を含む培養物であってもよい。また、細菌は、生菌であっても死菌であってもよく、生菌及び死菌の両方であってもよいが、生菌であることが好ましい。また、本発明の効果を損なわない限り、培養後に凍結乾燥等の種々の追加操作を行うことができる。追加の操作は、生菌の生残性が高いものであることが好ましい。
【0019】
本細菌は、例えば、同細菌を培養することにより容易に取得することができる。培養する方法は、本細菌が増殖できる限り特に限定されず、ビフィドバクテリウム属細菌(ビフィズス菌)の培養に通常用いられる方法を必要により適宜修正して用いることができる。例えば、培養温度は25~50℃でよく、35~40℃であることが好ましい。また培養は好気条件下、及び嫌気条件下のいずれで行ってもよいが、嫌気条件下で行うことが好ましく、例えば、炭酸ガス等の嫌気ガスを通気しながら培養することができる。また、液体静置培養等の微好気条件下で培養してもよい。
【0020】
本細菌を培養する培地は特に限定されず、ビフィドバクテリウム属細菌の培養に通常用いられる培地を必要により適宜修正して用いることができる。すなわち、炭素源としては、例えば、ガラクトース、グルコース、フルクトース、マンノース、セロビオース、マルトース、ラクトース、スクロース、トレハロース、デンプン、デンプン加水分解物、廃糖蜜等の糖類を資化性に応じて使用できる。窒素源としては、例えば、アンモニア、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのアンモニウム塩類や硝酸塩類を使用できる。また、無機塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、リン酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マンガン、硫酸第一鉄等を用いることができる。また、ペプトン、大豆粉、脱脂大豆粕、肉エキス、酵母エキス等の有機成分を用いてもよい。また、調製済みの培地としては、例えばMRS培地を好適に用いることができる。
【0021】
本発明のFGF21分泌促進用組成物は、プレバイオティクスを含むことが好ましい。プレバイオティクスとは、大腸内の特定の細菌の増殖および活性を選択的に変化させることより、宿主に有利な影響を与え、宿主の健康を改善する難消化性食品成分である。
プレバイオティクスは、本細菌とともに哺乳動物に摂取させたときにFGF21の分泌を促進し得るものであれば特に制限されないが、例えば、ラクチュロース、ラフィノース、ガラクトオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、乳果オリゴ糖、キシロオリゴ糖、イソマルオリゴ糖、コーヒー豆マンノオリゴ糖、グルコン酸、ポリデキストロース、イヌリン等が好ましく、ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖がより好ましい。
【0022】
ラクチュロースは、フルクトースとガラクトースからなる二糖(4-O-β-D-ガラクトピラノシル-D-フルクトース、Gal β1-4 Fru)であり、公知の方法、例えば、特開平3-169888号公報及び特開平6-228179号公報に記載の方法により、製造することができる。また、ラクチュロースは、市販品(例えば、森永乳業社製等)を使用することもできる。
【0023】
ラフィノースは、フルクトース、ガラクトース、及びグルコースが1つずつ結合した三糖(β-D-フルクトフラノシル-α-D-ガラクトピラノシル-(1-6)-α-D-グルコピラノシド、Gal α1-6 Glc α1-2β Fru)であり、公知の方法、例えば、「食品新素材有効利用技術シリーズNo.6、「ラフィノース」、第2ページ、社団法人菓子総合技術センター、1996年」に記載の方法により、製造することができる。ラフィノースは、市販品(例えば、日本甜菜製糖社製等)を使用することもできる。
【0024】
ガラクトオリゴ糖(GOS)は、Gal-(Gal)n-Glc(nは1~3,β-1,4結合またはβ-1,6結合)で表される構造を持つオリゴ糖又はその混合物である。ガラクトオリゴ糖は、工業的には乳糖を原料としてβ-ガラクトシダーゼによる転移反応により製造され、主成分は乳糖の非還元末端にガラクトースが1つ結合した3糖の4'-ガラクトシルラクトース(4'-GL)である。ガラクトオリゴ糖は、市販品(例えば、ヤクルト薬品工業社製等)を使用することもできる。ガラクトオリゴ糖は、1種でもよく、2種以上の混合物であってもよい。
【0025】
本発明のFGF21分泌促進用組成物は、それを摂取した哺乳動物におけるFGF21の分泌促進により、該哺乳動物におけるFGF21が介する機能(活性)が増強される。したがって、本発明のFGF21分泌促進用組成物は、FGF21が介する機能(活性)の増強に用いることができる。
該機能(活性)としては、例えば、嗜好性調節、体温維持、血管保護等を挙げることができる。したがって、本発明のFGF21分泌促進用組成物は、嗜好性調節、体温維持、血管保護等のために用いられることが好ましい。
尚、本発明のFGF21分泌促進用組成物の使用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。なお、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
【0026】
FGF21は、食餌やその味覚の嗜好性調節に関与することが知られている(特許文献4)。本発明のFGF21分泌促進用組成物の摂取により、食餌の嗜好性や味覚の嗜好性等の調節が期待される。食餌には、例えば、食物やアルコール等の飲料が含まれる。また、味覚には、甘味、塩味、酸味、苦味、うま味が含まれる。
嗜好性の調節は、嗜好性の増強及び抑制を含む。嗜好性の増強とは、哺乳動物が本細菌を摂取したときに、摂取しないときよりも、食餌の嗜好性や味覚の嗜好性等が増強されることである。一方、嗜好性の抑制とは、哺乳動物が本細菌を摂取したときに、摂取しないときよりも、食餌の嗜好性や味覚の嗜好性等が抑制されることである。
嗜好性の調節により、例えば、哺乳動物の摂取する食餌の種類の偏りを減少させ、好き嫌いなく満遍なく広い種類の食餌が摂取できるようになり、また、味覚が調整される。本明細書における嗜好性の調節には、例えば、1)食餌の偏りによる好き嫌いが少なくなる、2)甘味偏重の嗜好性が抑制される、3)糖、人工甘味料の摂取が抑制される、4)苦味の強いもの、酸味の強いものが食べられるようになる、5)塩味の嗜好性が抑制され、低塩分の食事を好むようになる、6)アルコール嗜好性が抑制される等が含まれる。
【0027】
本発明における、哺乳動物の摂取する食餌とは、飲食物であってもよいが、特定の成分であってもよい。したがって、哺乳動物の摂取する食餌の種類の偏りとは、特定の飲食物や特定の成分の摂取が多いことである。
前記飲食物としては特に制限されない。また、前記特定の成分としては、例えば、甘味成分が挙げられる。甘味成分は、糖質系甘味成分と非糖質系甘味成分とを含む。
【0028】
糖質系甘味成分としては、糖類、糖アルコールが挙げられる。
糖類は、単糖類、二糖類、三糖以上の糖類であってよく、例えば、グルコース、マルトース、フルクトース、トレハロース、ラクトース、フラクトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、キシロオリゴ糖、乳果オリゴ糖(登録商標)、大豆オリゴ糖、イソマルトオリゴ糖等が挙げられ、また、単糖類の混合物である水飴や異性化糖等であってもよい。
糖アルコールとしては、例えば、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、キシリトール、エリスリトール、還元パラチノース等が挙げられ、また、単糖類の混合物である水飴を還元した還元水飴であってもよい。
【0029】
非糖質系甘味成分は、非糖質系天然甘味成分と非糖質系人工甘味成分とを含む。
非糖質系天然甘味成分としては、例えば、ステビア、グリチルリチン等が挙げられる。
非糖質系人工甘味成分としては、例えば、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムK、スクラロース等が挙げられる。
【0030】
体温維持とは、本明細書では、低体温状態に向かう状態を体温上昇により防ぐ体温維持を指すものとする。
低体温状態に向かう状態を体温上昇により防ぐ体温維持とは、具体的には、哺乳動物が本細菌を摂取しない場合には低体温状態に向かう状態において、本細菌を摂取することにより体温低下を防ぎ、低体温状態になることを防ぐことを意味する。低体温状態とは、脇の下の体温が、好ましくは36.5℃以下、より好ましくは36.0℃以下、さらに好ましくは35.5℃以下、よりさらに好ましくは35.0℃以下の状態、又は、深部体温が35.0℃以下の状態を言うものとする。
【0031】
本発明のFGF21分泌促進用組成物が体温維持のために用いられる場合の哺乳動物の年齢は特に制限されないが、好ましくは乳児である。本発明において「乳児」とは、哺乳動物がヒトである場合には、生後から満1才程度までをいう。尚、ヒトの乳児とは、マウスにおいては、おおよそ生後から満4週齢(第4週最終日)程度に相当する。
【0032】
血管保護とは、例えば、血管におけるプラーク形成の抑制等が挙げられる。プラークとしては、動脈硬化におけるプラーク等が挙げられる。動脈硬化としては、アテローム性動脈硬化等が挙げられる。血管としては、心血管等が挙げられる。
【0033】
また、本発明のFGF21分泌促進用組成物は、哺乳動物において、FGF21の分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等の予防又は治療に使用することができる。「治療」には、改善も含まれる。
また、前述の通り、本発明におけるFGF21分泌促進作用は、FGF21遺伝子の発現がオフからオンになったことに起因してもよいし、FGF21遺伝子の発現が促進されたことに起因してもよいし、FGF21遺伝子がそもそも発現していたものの分泌がされていなかった状態が分泌される状態になったことに起因してもよいことから、前記FGF21の分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等には、FGF21産生不全及び/又はFGF21分泌不全に起因する疾患、症候、症状又は障害等も含まれる。分泌不全には分泌低下も含まれる。
このような疾患、症候、症状又は障害としては、例えば、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成等が挙げられる。
【0034】
本発明のFGF21分泌促進用組成物は、飲食品組成物、医薬組成物、又は飼料組成物として利用できる。例えば、FGF21分泌促進用飲食品組成物、FGF21分泌促進用医薬組成物、FGF21分泌促進用飼料組成物を提供することができる。
【0035】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、本細菌を含有する限り特に制限されない。飲食品組成物としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、飲食品であってもよく、錠菓、流動食等のほか、例えば、パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、グミ、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶漬けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;特別用途食品、保健機能食品(特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品);栄養補助食品等が挙げられる。
また、飲食品組成物は、サプリメントであってもよく、例えばタブレット状のサプリメントであってもよい。サプリメントである場合には、一日当りの食事量及び摂取カロリーについて他の食品に影響されることなく、本細菌を摂取できる。
【0036】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、通常の飲食品の原料に本細菌を添加することにより製造することができ、本細菌を添加すること以外は、通常の飲食品と同様にして製造することができる。本細菌の添加は、飲食品組成物の製造工程のいずれの段階で行ってもよい。また、添加した本細菌による発酵工程を経て、飲食品組成物が製造されてもよい。そのような飲食品組成物としては、乳酸菌飲料、及び発酵乳等が挙げられる。
飲食品組成物の原料としては、通常の飲食品に用いられる原料を使用することができる。製造された飲食品組成物は、経口的に摂取することが可能である。
【0037】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物には、飲食品組成物製造のための原料、及び食品添加物等、飲食品組成物の製造工程又は製造後に飲食品組成物に添加されるものも含まれる。例えば、本細菌は、発酵乳製造用スターターとして使用することができる。また、本細菌を、製造された発酵乳に後から添加することもできる。
【0038】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物における本細菌の含有量は、飲食品組成物の態様によって適宜設定されるが、飲食品組成物中に、総量で、通常、1×104~1×1013cfu/gまたは1×104~1×1013cfu/mlの範囲内であることが好ましく、1×105~1×1012cfu/gまたは1×105~1×1012cfu/mlの範囲内であることがより好ましく、1×106~1×1011cfu/gまたは1×106~1×1011cfu/mlの範囲内であることがさらに好ましい。「cfu」は、colony forming unit(コロニー形成単位)を表す。本細菌が死菌の場合、cfu/gまたはcfu/mlは、個細胞/gまたは個細胞/mlと置き換えることができる。
【0039】
また、本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物がプレバイオティクスを含む場合には、本細菌の総量は、プレバイオティクスの総量1gに対して1×106~1×1012cfu、好ましくは1×107~1×1012cfu、より好ましくは1×108~1×1012cfuであることが好ましい。
また、プレバイオティクスがラクチュロース、ラフィノース、及びガラクトオリゴ糖である場合、それらの重量比は、1~9:1~9:1~9、好ましくは2~8:2~8:2~8、より好ましくは3~7:3~7:3~7であることが好ましい。
【0040】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、単独で摂取してもよいし、他の飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬と共に摂取してもよい。例えば、他のFGF21分泌促進用飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬;哺乳動物におけるFGF21の分泌促進による、嗜好性調節、体温維持又は血管保護のための飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬;FGF21の分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等の予防又は治療のための飲食品組成物若しくは飲食品又は医薬組成物若しくは医薬等と共に摂取してもよい。
【0041】
本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、FGF21分泌促進用との用途が表示された飲食品組成物又は飲食品として販売することができる。また、本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、哺乳動物におけるFGF21の分泌促進による嗜好性調節用、体温維持用又は血管保護用との用途が表示された飲食品組成物又は飲食品として販売することができる。また、本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、FGF21分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等の予防用又は治療用との用途が表示された飲食品組成物又は飲食品として販売することができる。また、これ以外でも、FGF21の分泌促進によって二次的に生じる効果を表す文言であれば、使用できることはいうまでもない。
【0042】
また、本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物は、プロバイオティクス等の用途(保健用途を含む。)が表示された飲食品組成物又は飲食品として提供・販売されることが可能である。また、飲食品組成物又は飲食品の摂取対象として、「ビフィズス菌と暮らす生活を望む方」、「腸内環境を改善したい方」、「お腹の調子を整えたい方」、「良好な腸内環境を形成したい方」、「体を温めたい方」、「好き嫌いを直したい方」、「血管機能を改善したい方」「血流をよくしたい方」等と表示して提供・販売されることが可能である。
【0043】
前記「表示」とは、需要者に対して上記用途を知らしめるための全ての行為を意味し、上記用途を想起・類推させうるような表示であれば、表示の目的、表示の内容、表示する対象物及び媒体等の如何に拘わらず、すべて本発明の「表示」に該当する。しかしながら、需要者が上記用途を直接的に認識できるような表現により表示することが好ましい。
具体的には、本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物又はFGF21分泌促進用飲食品に係る商品又は商品の包装に上記用途を記載する行為、商品又は商品の包装に上記用途を記載したものを譲渡し、引渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸入する行為、商品に関する広告、価格表若しくは取引書類に上記用途を記載して展示し、若しくは頒布し、又はこれらを内容とする情報に上記用途を記載して電磁気的(インターネット等)方法により提供する行為等が例示でき、特に包装、容器、カタログ、パンフレット、POP等の販売現場における宣伝材、その他の書類等への表示が好ましい。
【0044】
また、表示としては、行政等によって許可された表示(例えば、行政が定める各種制度に基づいて認可を受け、そのような認可に基づいた態様で行う表示)であることが好ましい。例えば、保健機能食品など、より具体的には保健機能食品、健康食品、機能性食品、経腸栄養食品、特別用途食品、栄養機能食品、医薬用部外品等としての表示を例示することができ、その他消費者庁によって認可される表示、例えば、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品、これに類似する制度にて認可される表示を例示できる。後者の例としては、特定保健用食品としての表示、条件付き特定保健用食品としての表示、身体の構造や機能に影響を与える旨の表示、疾病リスク低減表示、科学的根拠に基づいた機能性の表示等を例示することができる。さらに詳細には、健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する内閣府令(平成二十一年八月三十一日内閣府令第五十七号)に定められた特定保健用食品としての表示(特に保健の用途の表示)、及びこれに類する表示等を例示することができる。
【0045】
本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物は、本細菌を含有する限り特に制限されない。本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物としては、本細菌をそのまま使用してもよく、生理的に許容される液体又は固体の製剤担体を配合し製剤化して使用してもよい。
【0046】
本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物の剤形は特に制限されず、具体的には、錠剤、丸剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、貼付剤、点眼剤、及び点鼻剤等を例示できる。また、製剤化にあたっては、製剤担体として通常使用される賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤、界面活性剤、又は注射剤用溶剤等の添加剤を使用することができる。
【0047】
また、前記製剤担体としては、剤形に応じて、各種有機又は無機の担体を用いることができる。固形製剤の場合の担体としては、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、安定剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
【0048】
賦形剤としては、例えば、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニット、ソルビット等の糖誘導体;トウモロコシデンプン、馬鈴薯デンプン、α‐デンプン、デキストリン、カルボキシメチルデンプン等のデンプン誘導体;結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム等のセルロース誘導体;アラビアゴム;デキストラン;プルラン;軽質無水珪酸、合成珪酸アルミニウム、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム等の珪酸塩誘導体;リン酸カルシウム等のリン酸塩誘導体;炭酸カルシウム等の炭酸塩誘導体;硫酸カルシウム等の硫酸塩誘導体等が挙げられる。
【0049】
結合剤としては、例えば、上記賦形剤の他、ゼラチン;ポリビニルピロリドン;マクロゴール等が挙げられる。
【0050】
崩壊剤としては、例えば、上記賦形剤の他、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、架橋ポリビニルピロリドン等の化学修飾されたデンプン又はセルロース誘導体等が挙げられる。
【0051】
滑沢剤としては、例えば、タルク;ステアリン酸;ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等のステアリン酸金属塩;コロイドシリカ;ピーガム、ゲイロウ等のワックス類;硼酸;グリコール;フマル酸、アジピン酸等のカルボン酸類;安息香酸ナトリウム等のカルボン酸ナトリウム塩;硫酸ナトリウム等の硫酸塩類;ロイシン;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム等のラウリル硫酸塩;無水珪酸、珪酸水和物等の珪酸類;デンプン誘導体等が挙げられる。
【0052】
安定剤としては、例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン等のパラオキシ安息香酸エステル類;クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等のアルコール類;塩化ベンザルコニウム;無水酢酸;ソルビン酸等が挙げられる。
【0053】
矯味矯臭剤としては、例えば、甘味料、酸味料、香料等が挙げられる。
なお、経口投与用の液剤の場合に使用する担体としては、水等の溶剤、矯味矯臭剤等が挙げられる。
【0054】
本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物における本細菌の含有量は、剤形、用法、対象の年齢、性別、疾患や症候、症状又は障害の種類、その程度、及びその他の条件等により適宜設定されるが、通常の範囲及び好ましい範囲は、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。また、本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物がプレバイオティクスを含む場合における、プレバイオティクスの総量1gに対する本細菌の総量についても、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。また、プレバイオティクスがラクチュロース、ラフィノース、及びガラクトオリゴ糖である場合、それらの重量比についても、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。
【0055】
本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物の投与時期は特に限定されず、対象となる疾患や症候、症状又は障害の予防方法又は治療方法に従って、適宜投与時期を選択することが可能である。また、予防的に投与してもよく、維持療法に用いてもよい。また、投与形態は製剤形態、患者の年齢、性別、その他の条件、患者の症状の程度等に応じて決定されることが好ましい。なお、本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物は、いずれの場合も1日1回又は複数回に分けて投与することができ、また、数日又は数週間に1回の投与としてもよい。
【0056】
本発明のFGF21分泌促進用医薬組成物は、単独で投与してもよいし、他の医薬組成物若しくは医薬又は飲食品組成物若しくは飲食品と共に投与してもよい。例えば、他のFGF21分泌促進用医薬組成物若しくは医薬又は飲食品組成物若しくは飲食品;哺乳動物におけるFGF21の分泌促進による嗜好性調節、体温維持又は血管保護のための医薬組成物若しくは医薬又は飲食品組成物若しくは飲食品;FGF21の分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等の予防又は治療のための医薬組成物若しくは医薬又は飲食品組成物若しくは飲食品等と共に摂取してもよい。
【0057】
本発明のFGF21分泌促進用飼料組成物としては、ペットフード、家畜飼料、及び養魚飼料等が例示される。本発明のFGF21分泌促進用飼料組成物は、一般的な飼料又はその原料、例えば、穀類、粕類、糠類、魚粉、骨粉、油脂類、脱脂粉乳、ホエー、鉱物質飼料、又は酵母類等に本細菌を混合することにより製造することができる。また、例えばサイレージの様に、添加した本細菌による発酵工程を経て、飼料組成物が製造されてもよい。製造された飼料組成物は、一般的な哺乳動物、家畜類、養魚類、及び愛玩動物等に経口的に投与することが可能である。
【0058】
本発明のFGF21分泌促進用飼料組成物における本細菌の含有量は、飼料組成物の態様や投与対象によって適宜設定されるが、通常の範囲及び好ましい範囲は、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。また、本発明のFGF21分泌促進用飼料組成物がプレバイオティクスを含む場合における、プレバイオティクスの総量1gに対する本細菌の総量についても、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。また、プレバイオティクスがラクチュロース、ラフィノース、及びガラクトオリゴ糖である場合、それらの重量比についても、上記本発明のFGF21分泌促進用飲食品組成物の場合と同様である。
【0059】
本発明の他の態様は、FGF21分泌促進用組成物の製造における、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、FGF21分泌促進に用いられるビフィドバクテリウム属細菌である。
また、本発明の他の態様は、FGF21分泌促進のための、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、ビフィドバクテリウム属細菌を哺乳動物に投与する段階又は本発明のFGF21分泌促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、FGF21分泌を促進する方法である。
【0060】
また、本発明の他の態様は、ビフィドバクテリウム属細菌を哺乳動物に投与する段階又は本発明のFGF21分泌促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、FGF21の分泌促進によって予防又は治療され得る疾患、症候、症状又は障害等の予防方法又は治療方法である。
【0061】
また、本発明の他の態様は、嗜好性調節、体温維持又は血管保護のための、医薬組成物、飲食品組成物、又は飼料組成物の製造における、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、嗜好性調節、体温維持又は血管保護に用いられるビビフィドバクテリウム属細菌である。
また、本発明の他の態様は、嗜好性調節、体温維持又は血管保護のための、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、ビフィドバクテリウム属細菌を哺乳動物に投与する段階又は本発明のFGF21分泌促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、FGF21の分泌促進による、嗜好性調節方法、体温維持方法、血管保護方法である。
【0062】
また、本発明の他の態様は、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化又は血管プラーク形成の予防又は治療のための、医薬組成物、飲食品組成物、又は飼料組成物の製造における、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化又は血管プラーク形成の予防又は治療に用いられる、ビフィドバクテリウム属細菌である。
また、本発明の他の態様は、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化又は血管プラーク形成の予防又は治療のための、ビフィドバクテリウム属細菌の使用である。
また、本発明の他の態様は、ビフィドバクテリウム属細菌を哺乳動物に投与する段階又は本発明のFGF21分泌促進用組成物を哺乳動物に投与する段階を含む、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化又は血管プラーク形成の予防方法又は治療方法である。
【実施例
【0063】
以下に、実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0064】
〔実施例1〕ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)、並びにラクチュロース、ラフィノース、及びガラクトオリゴ糖の、肝臓のFGF21遺伝子発現量及び血清中のFGF21濃度に与える効果
でん粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)の菌体粉末(2.4×1011cfu/g)を生理食塩水に懸濁し、2.5×109cfu/mlのビフィズス菌液を調製した。
ラクチュロース(森永乳業社製)、ラフィノース(製品名ニッテンラフィノース、日本甜菜製糖株式会社製)、及びガラクトオリゴ糖を蒸留水に1:1:1の重量比で混合溶解し、合計終濃度250mg/mlのオリゴ糖原液を調製した。ガラクトオリゴ糖は、市販品(製品名オリゴメイト55N、ヤクルト薬品工業社製)から単糖及び二糖を除去したものであり、Galβ1-4Galβ1-4Glc(4'-ガラクトシルラクトース)を約65重量%、Galβ1-6Galβ1-4Glc(6'-ガラクトシルラクトース)を約15重量%程度含有する。
生理食塩水、上記ビフィズス菌液を生理食塩水で5倍希釈した希釈液(終濃度5×108cfu/mlビフィズス菌)、生理食塩水とオリゴ糖原液を1:4の容量比で混合したもの(終濃度200mg/mlオリゴ糖)、及び、ビフィズス菌液とオリゴ糖原液を1:4の容量比で混合したもの(終濃度5×108cfu/mlビフィズス菌、200mg/mlオリゴ糖)を、投与物とした。
【0065】
生後2日齢のC57BL/6J雄マウスを母獣とともに日本エスエルシーより購入した。乳仔マウスには母獣の母乳を自由摂餌させた。生後5日齢で体重に偏りが生じないように以下の4群に分けた。
A:Vehicle群(生理食塩水を投与)
B:ビフィズス菌群(ビフィズス菌液希釈液を投与)
C:オリゴ糖群(オリゴ糖液を投与)
D:オリゴ糖+ビフィズス菌群(オリゴ糖とビフィズス菌の混合液を投与)
【0066】
生後6日齢から20日齢までの間、各群の乳仔マウスに、各投与物を毎日一回100μl投与した。すなわち、一回の投与につき、B群には5×107cfuビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)が、C群には20mgオリゴ糖が、D群には20mgオリゴ糖と5×107cfuビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)が投与された。
21日齢で各々解剖を行い、血清、及び肝臓を採取し、血清中のFGF21濃度、及び肝臓のFGF21遺伝子の発現量を調べた。血清中のFGF21濃度は、ELISAキット(R&D Systems社製)を用いて測定した。肝臓のFGF21遺伝子の発現量はRT-PCRにより測定した。RT-PCRにおけるプライマーセットとして、配列番号1のプライマー(CCTCTAGGTTTCTTTGCCAACAG)及び配列番号2のプライマー(AAGCTGCAGGCCTCAGGAT)を用いた。結果を表1、2に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
表1に示されるように、生後21日時点において、A群及びC群に比べて、B群及びD群では、肝臓のFGF21の遺伝子発現量が顕著に大きかった。
また、表2に示されるように、A群、B群及びC群に比べてD群では、血清中のFGF21濃度が顕著に大きかった。
【0070】
〔製造例1〕
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を、MRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。菌末と、ホエイタンパク質濃縮物(Whey protein concentrate; WPC)とを均一に混合して組成物を得る。当該組成物20 gを200 gの水に溶かし、FGF21分泌促進用組成物を得る。本組成物の投与により、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【0071】
〔製造例2〕
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を、MRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。菌末と、乳タンパク質濃縮物の乾燥粉末(MPC480、フォンテラ社製、タンパク質含量80質量%、カゼインタンパク質:ホエイタンパク質=約8:2)とを均一に混合して、組成物を得る。当該組成物20 gを200 gの水に溶かし、FGF21分泌促進用組成物を得る。本組成物の投与により、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【0072】
〔製造例3〕
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を、MRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養後、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。次に、結晶セルロースを撹拌造粒機に投入し混合する。その後、精製水を加え造粒、造粒物を乾燥し、細菌の抽出成分を含有し、賦形剤を含有してなる造粒物を得る。本組成物の投与により、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【0073】
〔製造例4〕
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)をMRS液体培地3 mLに添加し、37℃で16時間嫌気培養し、培養液を濃縮し、凍結乾燥を行い、該細菌の凍結乾燥粉末(菌末)を得る。菌末と、プレバイオティクス(ラクチュロース、ラフィノース及びガラクトオリゴ糖)とを均一に混合して組成物を得る。当該組成物を、高齢者用流動食として高齢者に提供する。ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)の摂取量が1×10~1×1010CFU/kg体重/日になるようにし、1週間毎日朝食で提供する。ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)が死菌の場合、CFU/kg体重/日は、個細胞/kg体重/日と置き換えることができる。なお、発酵乳等の飲食物と混合してもよい。当該組成物を経口投与することにより、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【0074】
[製造例5]
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を添加した発酵乳の製造法を下記に示す。
まず、乳原料、および必要に応じた水、その他の成分等を混合し、好ましくは均質化処理を行い、加熱殺菌処理する。均質化処理および加熱殺菌処理は常法により行うことができる。加熱殺菌された 殺菌調乳液に乳酸菌スターターを添加(接種)し、所定の発酵温度に保持して発酵させ、発酵物を得る。発酵によりカードが形成される。
乳酸菌スターターとしては、例えば、ラクトバチルス・ブルガリクス(Lactobacillus bulgaricus)、ラクトコッカス・ラクチス(Lactococcus lactis)、ストレプトコッカス・サーモフィラス(Streptococcus thermophilus)等のヨーグルト製造に通常用いられている乳酸菌を用いることができる。pHが目標の値に達したら、形成されたカードを撹拌により破砕し、10℃以下に冷却して発酵物を得る。10℃以下に冷却することにより、乳酸菌の活性を低下させて酸の生成を抑制することができる。
次いで、発酵工程で得られた発酵物を加熱処理して加熱後発酵物(加熱処理後の発酵物)を得る。発酵物を適度に加熱することにより、加熱後発酵物中の乳酸菌による酸の生成を抑えることができる。これによって、その後の製造工程中および/またはビフィズス菌入り濃縮発酵乳の保存中のpHの低下を抑えることができ、その結果、ビフィズス菌の生残性を向上させることができる。
次いで、加熱処理工程で得られた加熱後発酵物に、ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を添加する。ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)の添加量は、加熱後発酵物に対して1×10~1×1011CFU/mlが好ましく、1×10~1×1010CFU/mlがより好ましい。ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)が死菌の場合、CFU/mlは、個細胞/mlと置き換えることができる。
加熱後発酵物にビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を添加した後、濃縮を行う。濃縮工程は公知の濃縮方法を適宜用いて行うことができる。例えば遠心分離法または膜分離法を用いることができる。
遠心分離法では、被濃縮物(ビフィズス菌が添加された加熱後発酵物)中のホエーが除去されて、固形分濃度が高められたビフィズス菌入り濃縮発酵乳が得られる。
上述のようにして得られた発酵乳を摂取することにより、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【0075】
[製造例6]
ビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)を添加した調製粉乳の製造法を下記に示す。
脱塩牛乳乳清蛋白質粉末(ミライ社製)10kg、牛乳カゼイン粉末(フォンテラ社製)6kg、乳糖(ミライ社製)48kg、ミネラル混合物(富田製薬社製)920g、ビタミン混合物(田辺製薬社製)32g、ラクチュロース(森永乳業社製)500g、ラフィノース(日本甜菜製糖社製)500g、及びガラクトオリゴ糖液糖(ヤクルト薬品工業社製)900gを温水300kgに溶解し、さらに90℃で10分間加熱溶解し、調製脂肪(太陽油脂社製)28kgを添加して均質化する。その後、殺菌、濃縮の工程を行って噴霧乾燥し、調製粉乳約95kgを調製する。これに、でん粉に倍散したビフィドバクテリウム・ブレーベM-16V (NITE BP-02622)の菌体粉末(1.8×1011cfu/g、森永乳業社製)100gを加えてビフィズス菌・オリゴ糖配合調製粉乳約95kgを調製する。得られた調製粉乳を水に溶解して、標準調乳濃度である総固形分濃度14%(w/V)の調乳液としたとき、調乳液中のビフィズス菌数は2.7×109cfu/100mlとなる。上述のようにして得られた調整粉乳を摂取することにより、嗜好性調節、体温維持、血管保護が期待できる。さらに、偏食、冷え症、低体温症、心筋梗塞、虚血再灌流障害、心肥大、糖尿病性心筋症、動脈硬化、血管プラーク形成の予防又は治療に用いることが出来る。
【配列表】
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