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特許7152481二重放出カプセル剤形、ならびにそれを製造する方法、装置およびシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】二重放出カプセル剤形、ならびにそれを製造する方法、装置およびシステム
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/07 20060101AFI20221004BHJP
   A61K 35/741 20150101ALI20221004BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/192 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/167 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 29/02 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 36/45 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 13/02 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/201 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 33/06 20060101ALI20221004BHJP
   A61K 31/59 20060101ALI20221004BHJP
   A61P 3/02 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
A61J3/07 E
A61K35/741
A61K9/48
A61K31/192
A61K31/167
A61P29/02
A61P25/04
A61K36/45
A61P13/02
A61K31/201
A61P9/00
A61K33/06
A61K31/59
A61P3/02
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020523680
(86)(22)【出願日】2018-07-10
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 US2018041516
(87)【国際公開番号】W WO2019014273
(87)【国際公開日】2019-01-17
【審査請求日】2021-07-08
(31)【優先権主張番号】62/530,658
(32)【優先日】2017-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520009312
【氏名又は名称】ジェル キャップ テクノロジーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】パケット,ジョン
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-133960(JP,A)
【文献】特表2011-500185(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61J 3/07
A61K 35/741
A61K 9/48
A61K 31/192
A61K 31/167
A61P 29/02
A61P 25/04
A61K 36/45
A61P 13/02
A61K 31/201
A61P 9/00
A61K 33/06
A61K 31/59
A61P 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重カプセル剤形であって、
第1の充填材料を含み、かつ閉鎖端部を有し、かつ第1のキャップにより封止される開口端部を有する第1のカプセル部材と、
第2の充填材料を含み、かつ閉鎖端部を有し、かつ第2のキャップにより封止される開口端部を有する第2のカプセル部材と、
前記第1のキャップをもって前記第1の充填材料を前記第1のカプセル部材に封止して含有するように前記第1のカプセル部材の開口端部に接合された第1の端部を有し、かつ前記第2のキャップをもって前記第2の充填材料を前記第2のカプセル部材に封止して含有するように前記第2のカプセル部材の開口端部に接合された対向する第2の端部を有する環状帯であって、それにより前記環状帯内で前記第1のキャップと前記第2のキャップとの間に内部室が画定される、環状帯と、
を含む、二重カプセル剤形であり、
前記環状帯が、前記カプセルの長手方向軸に対して半径方向に配向された、前記環状帯を貫通する1つ以上の開口部を含み、前記内部室が空であり、それにより前記内部室、前記第1のキャップ、および前記第2のキャップが前記カプセルの外部環境と流体連通し、
前記第1のカプセル部材の開口端部が、前記環状帯の第1の端部に収容されて、前記第1のキャップにより封止され、前記第2のカプセル部材の開口端部が、前記環状帯の第2の端部に収容されて、前記第2のキャップにより封止されるか、または前記環状帯の第1の端部が、前記第1のキャップにより封止される、前記第1のカプセル部材の開口端部に収容され、前記環状帯の第2の端部が、前記第2のキャップにより封止される、前記第2のカプセル部材の開口端部に収容され、
前記環状帯が、これと一体の前記第1のキャップを有する第1の環状帯部分、およびこれと一体の前記第2のキャップを有する第2の環状帯部分を含み、前記第1の環状帯部分および前記第2の環状帯部分が各々、それぞれのキャップに対向する開口端部をそこに有し、前記開口端部が互いに接合可能であって前記環状帯および前記内部室を形成する、二重カプセル剤形。
【請求項2】
前記第1のカプセル部材の開口端部が、前記環状帯の第1の端部に収容され、前記第1のキャップが、前記環状帯内に固定されて、前記第1のカプセル部材の開口端部を封止する、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項3】
前記第2のカプセル部材の開口端部が、前記環状帯の第2の端部に収容され、前記第2のキャップが、前記環状帯内に固定されて、前記第2のカプセル部材の開口端部を封止する、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項4】
前記環状帯が、前記第2のカプセル部材の開口端部を封止して閉鎖するための第2のキャップを含む、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項5】
前記第1の環状帯部分および/または前記第2の環状帯部分が、前記カプセルの長手方向軸に対して半径方向に配向された、前記環状帯を貫通する複数の開口部を含み、それにより前記内部室が前記カプセルの外部環境と流体連通する、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項6】
前記環状帯が、前記第1のキャップおよび前記第2のキャップをそこに含み、これらの間に前記内部室が画定される、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項7】
前記第1の充填材料および前記第2の充填材料が同じであるか、または異なる、請求項1に記載の二重カプセル剤形。
【請求項8】
前記第1の充填材料および/または前記第2の充填材料が活性成分を含む、請求項に記載の二重カプセル剤形。
【請求項9】
前記第1のキャップが、米国薬局方(USP)装置1を100rpmでまたは装置2を50rpmで用いて、体積500mL以下で、(1)0.1N HClまたは酵素のない擬似胃液USP、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または酵素のない擬似腸液USPのそれぞれの中で、前記第1のキャップの標示量の平均85%以上が30分以内に溶解することを特徴とする迅速に溶解する組成物を含む、請求項1に記載の二重カプセル剤形。
【請求項10】
前記第1のキャップが、米国薬局方(USP)装置1を100rpmでまたは装置2を50rpmで用いて、体積500mL以下で、(1)0.1N HClまたは酵素のない擬似胃液USP、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または酵素のない擬似腸液USPのそれぞれの中で、薬物物質の標示量の平均85%以上が15分以内に溶解することを特徴とする非常に迅速に溶解する組成物を含む、請求項1に記載の二重カプセル剤形。
【請求項11】
前記第1のキャップおよび/または第1のカプセル部材が、腸内にある間に溶解する、請求項1に記載の二重カプセル剤形。
【請求項12】
前記第1のカプセル部材が、米国薬局方(USP)装置1を100rpmでまたは装置2を50rpmで用いて、体積500mL以下で、(1)0.1N HClまたは酵素のない擬似胃液USP、(2)pH4.5の緩衝剤、および(3)pH6.8の緩衝剤または酵素のない擬似腸液USPのそれぞれの中で、前記第1のキャップの標示量の平均85%以上が30分以内に溶解することを特徴とする迅速に溶解する組成物を含み、前記第2のカプセル部材が、前記第1のカプセル部材よりも遅く溶解する組成物を含む、請求項1に記載の二重カプセル剤形。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全般的にはカプセル、特に二重放出カプセル剤形の分野に関する。本開示は、二重放出カプセル剤形を製造する方法、装置およびシステムにも関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤または他の粉末、顆粒もしくは液体物質のための従来のカプセルは、テレスコーピング体を有する2ピースカプセルである。例えば、本体は、一般に閉鎖端部および開口端部を有する管型である。一方の本体は一般に他方の本体の直径より大きく、したがって大きい本体の開口端部は、少なくとも部分的には、小さい直径の本体上に被せられ得る。例えば、本体は、カプセル内の充填材料が漏出しないように、密嵌され得る。いくつかのカプセルにおいて、2つの本体を互いに固定するために帯が用いられ得る。
【0003】
このような2ピースカプセルが公知であるが、従来の2ピースカプセルの設計にはいくつかの制約および欠点がある。例えば、液体充填カプセルにおいて、カプセル内の空洞は単一の混合物のみ含むことができる。したがって、例えば、互いに相互作用する異なる活性成分を同じカプセル内に含むことはできない。言い換えれば、カプセルは、内部相溶性成分のみの送達に限定される。さらに、従来のカプセルの内容物は、カプセルが溶解すると直ちに放出される。したがって、同じまたは異なる薬物の放出時間を変更または修正する方法はない。非相溶性成分を混合する方法も限られている。
【0004】
これらの問題に対処するために、大きなカプセル内(内部)に貯蔵された少なくとも1つの小さなカプセルを有するカプセル剤形が開発された。一般に、このようなカプセルには、剤形の外殻を形成する大きな2ピースカプセル、および異なる媒体をそこに貯蔵する1つ以上の小さなカプセルが必要である。この構成の欠点としては、カプセルのサイズの制約が挙げられる。例えば、内部カプセルは、外部カプセルより小さい体積を有する。さらに、外部カプセルは、その体積が大きすぎる場合、嚥下するのが困難であり得る。カプセル内カプセル設計を製造することも困難であり得る。従来の2ピースカプセルの制約に対処するための他の試みとしては、液体のカプセル充填物内に分散した固体粒子の使用が挙げられる。例えば、粒子は、これらを液体成分から保護するか、および/またはこれらの放出速度を変更するために1つ以上の物質でコーティングされ得る。しかし、他の制約の中でも、このような固体/液体充填物は、本質的に製造費用が高い。さらに、すべての薬物が固体形態で入手できるわけではなく、かつ/またはコーティングに適しているわけでもない。
【0005】
したがって、従来のカプセルの問題を克服するカプセルが依然として必要とされている。さらに詳細には、同じおよび/または異なる時間で同じまたは異なる充填材料の二重放出を提供するカプセル剤形が依然として必要とされている。さらに、通常であれば非相溶性の充填材料および活性成分の送達を可能にするカプセル剤形が依然として必要とされている。カプセルの組立および充填方法を簡便化する二重放出カプセル剤形も依然として必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本明細書に記載のすべての態様において、二重放出カプセルであり得る二重カプセル剤形が提供される。二重カプセル剤形は、第1の端部、または第1の充填材料が充填されたカプセル部材、および第2の端部、または第2の充填材料が充填されたカプセル部材を有し、充填材料は同じまたは異なる材料であり得る。帯の第1の端部は、第1の充填材料をそこに封止して含有するように第1のカプセル部材に接合され、対向する第2の端部は、第2の充填材料をそこに封止して含有するように第2のカプセル部材に接合される。この構成により、帯内の第1のカプセル部材と第2のカプセル部材との間に内部室が画定される。帯は、カプセルの長手方向軸に対して半径方向に配向された、帯を貫通する1つ以上の開口部を含み、それにより、内部室はカプセルの外部環境と流体連通する。
【0007】
複数の実施形態において、環状帯の第1の端部は開口し、第1のカプセル部材の端部がそこに収容され、環状帯の第2の端部は開口し、第2のカプセル部材の端部がそこに収容される。環状帯に収容される第1のカプセル部材の端部は、第1のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するキャップを有し、キャップは帯内に固定され、環状帯に収容される第2のカプセル部材の端部は、第2のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するキャップを有し、キャップは帯内に固定される。
【0008】
別の実施形態において、環状帯の第1の端部は開口し、第1のカプセル部材の端部がそこに収容され、環状帯の第2の端部は開口し、第2のカプセル部材の端部がそこに収容される。ここで、環状帯は、第2のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するためのカバー、およびキャップにより封止して閉鎖される第1のカプセル部材の端部を収容する対向する開口端部を含む。あるいは、帯は、これと一体の第1のカプセル部材のためのカバーを有する第1の環状帯部分、およびこれと一体の第2のカプセル部材のためのカバーを有する第2の環状帯部分の2部構成であり得る。第1の環状帯部分および第2の環状帯部分は各々、カバーに対向する開口端部をそこに有し、開口端部は互いに接合可能であって、帯を形成し、いずれかまたは両方が、帯を貫通する複数の開口部を有する。さらに別の実施形態において、環状帯は、第2のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するため、および第1のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するためのカバーをそこに含む。
【0009】
他の実施形態において、環状帯の第1の端部は、第1のカプセル部材の開口端部に収容され、環状帯の第2の端部は、第2のカプセル部材の開口端部に収容される。ここで、環状帯は、第2のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するための、および第1のカプセル部材の端部を封止して閉鎖するためのカバーをそこに含む。あるいは、帯は、これと一体の第1のカプセル部材のためのカバーを有する第1の環状帯部分、およびこれと一体の第2のカプセル部材のためのカバーを有する第2の環状帯部分の2部構成であり得る。第1の環状帯部分および第2の環状帯部分は各々、カバーに対向する開口端部をそこに有し、開口端部は互いに接合可能であって帯を形成し、いずれかまたは両方が、帯を貫通する複数の開口部を有する。
【0010】
特定の例示的な実施形態において、二重放出カプセル剤形は、第1の充填材料を有する第1のカプセル部材および第2の充填材料を有する第2のカプセル部材を含む。帯は、第1のカプセル部材と第2のカプセル部材とを結合し、帯の内面およびカプセル部材のキャップにより画定される第3の室を形成する。帯の開口部により、第3の室はカプセルの外部環境と流体連通する。例えば、カプセルが嚥下されると、消化液は開口部を通って第3の室に入り得、それによりカプセル部材は消化液に露出する。特定の態様において、流体が第3の室に移動することにより、帯が少なくとも部分的に溶解し、したがってカプセル部材のキャップが露出する。
【0011】
すべての態様において、第1の充填材料および第2の充填材料はカプセルから異なる時間で放出され得、したがって充填材料の二重時限放出が可能になるか、または第1の充填材料および第2の充填材料はカプセルから実質的に同時に放出され得るので、第1および第2の充填材料はカプセルから放出されたとき初めて相互作用できる。
【0012】
本明細書に記載の特定の例示的な態様において、本明細書に記載の二重放出カプセル剤形を製造する装置およびシステムを含む、二重放出カプセル剤形を製造する方法が提供される。二重放出カプセル剤形を製造する方法は、充填材料を殻体に充填および封止して、封止されたカプセル部材を形成するように構成されたカプセル体充填装置に材料を供給することを含む。別の態様において、二重放出カプセル剤形を製造する方法は、封止されたカプセル部材および/またはカプセル部材と殻体との組み合わせをカプセル形成装置に供給することを含む。カプセル形成装置は、帯で2つのカプセル部材を互いに結合してカプセルを形成するようにサイズ調整および構成され得る。
【0013】
カプセル形成装置は、回転軸周りに各々回転可能である重畳された上部および下部プレートを有する。上部および下部プレートは各々、カプセルの殻体またはカプセル部材を収容するための複数の空隙を画定し、複数の空隙は、複数のステーションを画定するように配置される。第1の分配装置は、上部および下部プレート各々の複数のステーションのうち1つに動作可能に配置される。アクチュエータは、上部または下部プレートのいずれかに動作可能に接合され、上部もしくは下部プレートを他方のプレートに対して昇降させるか、および/または上部もしくは下部プレートを回転軸と直交する他方のプレートに対して枢動させて、所定の時間でそのカプセル組立ステーションを他方のプレートに向かって、次いで他方のプレートから離れるように移動させる。第1の分配装置は殻体またはカプセル部材を第1のステーションに分配する。すべての態様において、第1の分配装置が殻体を分配する場合、第2の分配装置は充填材料を分配し、または第1の分配装置が充填材料をそこに封止して封入するキャップを有するカプセル部材を分配する場合、第2の分配装置は帯を分配する。1つの実施形態において、下部プレートの第1の分配装置は、第1の充填材料をそこに封止して封入する第1の帯部分を有する第1のカプセル部材を分配し、上部プレートの第1の分配装置は、第2の充填材料をそこに封止して封入する第2の帯部分を有する第2のカプセル部材を分配し、カプセル組立ステーションで、第1の帯部分および第2の帯部分は、互いに嵌合されてカプセルを形成する。装置は、カプセル組立ステーションまたはカプセル組立ステーションの後続のステーションのいずれかに動作可能に配置される封止装置も備える。
【0014】
1種以上の活性成分の二重放出を提供する方法が提供される。該方法は、本明細書に記載の二重放出カプセル剤形を流体に露出させることを含む。流体に露出すると、二重放出カプセル剤形からの第1の充填材料の少なくとも一部の第1の放出が、第2の充填材料の少なくとも一部の第2の放出前に起こる。同様に、本明細書に記載されるように、対象における1種以上の活性成分の二重放出を提供する方法が提供される。例えば、該方法は、本明細書に記載の二重放出カプセル剤形を対象に、例えば、経口消費により投与することを含む。二重放出カプセル剤形のこのような投与により、二重放出カプセル剤形からの第1の充填材料の少なくとも一部の第1の放出が、第2の充填材料の少なくとも1部の第2の放出前に起こる。第2の放出は、第1の放出の少なくとも1時間後に起こる。
【0015】
実施例および実施形態のこれらのおよび他の態様、目的、特徴および利点は、例示された例示的な実施形態の以下の詳細な説明を考察すると、当業者に明らかになるであろう。関連する動作の方法も提供される。二重放出カプセル剤形の他の装置、方法、システム、特徴および利点、ならびにカプセルを製造する方法は、以下の図面および詳細な説明を検討することにより当業者に明らかであるか、または明らかとなるであろう。すべてのこのようなさらなる装置、方法、システム、特徴および利点が、本説明に含まれ、二重放出カプセル剤形の範囲内であり、カプセルを製造する方法が、添付の特許請求の範囲により保護されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】特定の例示的な実施形態による、二重放出カプセル剤形の側面図である。
図2】特定の例示的な実施形態による、帯に複数の開口部を有する二重放出カプセル剤形の側面図である。
図3】特定の例示的な実施形態による、図2のカプセルの分解立体図である。
図4】特定の例示的な実施形態による、図2に示す線4-4を介して得られたプロファイルを例示する、例示的なカプセルの断面図である。
図5A】キャップまたはキャップとカプセル部材を収容し得る帯の1つの実施形態の断面図である。
図5B】キャップを収容した、ならびに第1および第2のカプセル部材を収容しようとしている図5Aの帯の断面立体分解図である。
図6図5Bの組み立てられたカプセルの断面図である。
図7図5Aの帯と同様の帯の端部の内側嵌合の組立断面図である。
図8】互いに嵌合可能であって帯を形成する環状帯部分と一体の蓋を有するカプセルの部分組立断面図である。
図9】二重放出カプセル剤形を製造するためのカプセル体充填装置の略図である。
図10】二重放出カプセル剤形を製造するためのカプセル形成装置の略図である。
図11】カプセル形成装置のカプセル組立ステーションの縦断面の拡大部分図である。
図12】特定の例示的な実施形態による、図10のカプセル形成装置の第1および第2の回転プレートの略図である。
図13図10のカプセル形成装置の別の実施形態の第1および第2の回転プレートの略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
二重放出カプセル剤形を製造する方法と共に、二重放出カプセル剤形が本明細書において提供される。二重カプセル剤形は、2つのカプセル半部を含み、これらは各々、一端が覆蓋されて、カプセル部材を形成する。例えば、各カプセル部材には、異なる充填材料が充填され得る。帯は、2つのカプセル部材を互いに結合するために用いられ、それにより二重カプセル剤形が形成される。帯をカプセル部材に付けることにより、カプセル部材の間に室が形成され、室は、カプセル部材キャップの外面および帯の内面と隣接している。帯は1つ以上の開口部を含み、したがって第3の室は環境に露出する。例えば、開口部は、カプセル部材の間の室への流体の移動を可能にし、それにより、所定の方式での充填材料の放出が促進される。
【0018】
より詳細には、特定の例において、各カプセル部材のキャップは、異なる材料、例えば、異なる速度で溶解する材料で製造され得る。さらにまたはあるいは、キャップは異なる方法で構成され得、したがって、キャップは異なる速度で溶解し、それにより充填材料は異なる速度で放出される。例えば、あるキャップは、他方のカプセル部材のキャップより厚く、したがってより厚いキャップの溶解時間が増加し、したがってより厚いキャップで覆われた活性成分の放出が遅延される。キャップの厚さは0.25mm~1.5mmの範囲、より好ましくは0.5mm~1mmの範囲であり得る。
【0019】
すべての実施形態において、二重カプセル剤形が嚥下され、消化液に露出すると、帯も溶解するように、帯も溶解可能な材料で製造される。特に、開口部は帯における貫通部として作用して、消化液がカプセルを半部に分割するように作用する脆弱地点を提供するか、および/または消化液のキャップへのアクセスを可能にする。
【0020】
二重放出カプセル剤形のこれらおよび他の特徴は、有利には、単一剤形からの活性成分の時限放出を可能にする。すなわち、本明細書に記載の二重放出カプセルは二重時限放出を可能にし、したがってカプセルのある部分に配置された第1の充填材料は、カプセルの第2の部分に配置された第2の充填材料と異なる時間で放出され得る。例えば、第1の薬剤、例えば、イブプロフェンは、カプセルに配置され、第1の時間に放出され得、第2の薬剤、例えば、アセトアミノフェンは、カプセルに配置され、第1の時間と異なる第2の時間に放出され得る。カプセルが摂取されると、イブプロフェンおよびアセトアミノフェンは、このように異なる時間で放出される。したがって、この例において、イブプロフェンまたはアセトアミノフェンが別個の剤形で単独で摂取されるのと比較して、単一剤形から、持続時間のより長い疼痛管理が達成され得る。例えば、剤形は、改変放出剤形、持続放出剤形、制御放出剤形、または延長放出剤形であり得る。
【0021】
特定の例において、本明細書に記載の二重放出カプセルは少なくとも2つの充填材料の実質的に同時放出を可能にし、充填材料は、通常であれば、互いに混合された場合一般に非相溶性である。例えば、2つの薬剤が不適切に相互作用し、それにより貯蔵寿命が短縮される場合、第1の薬剤は、二重放出剤形の第1の部分に配置され得、第2の薬剤は、剤形の別の第2の部分に配置され得る。この例において、第1および第2の薬剤は、例えば、摂取されると、実質的に同時にカプセルから放出され得るが、通常であれば摂取前は別個に維持され得る。したがって、特定の例において、本明細書に記載の二重剤形は、有利には、貯蔵寿命を増大させる。
【0022】
二重放出カプセル剤形は、様々な方法で製造され得る。特定の例において、カプセル部材は、別個に形成されて、次いで帯と互いに結合され得る。例えば、カプセル体充填装置は、カプセル半部に充填し、各カプセル半部にキャップを付けることにより2つのカプセル部材を形成するために用いられ得る。次いで、カプセル形成装置は、帯でカプセル部材を互いに結合し、それにより、本明細書に記載の二重放出カプセル剤形を形成するために用いられ得る。帯は、例えば、1つ以上の開口部を含む予め形成された帯であってよい。
【0023】
本発明は以下の定義および例を使用して参照によってのみ詳細に記載される。本明細書で言及されるすべての特許および刊行物はその全体が参照により明示的に組み込まれる。本明細書に記載される様々な実施形態の特性の一つ、いくつかまたはすべてが、本発明の他の実施形態を形成するために組み合わせられ得ることを理解されるべきである。さらに、本明細書で使用する節の見出しは、単に組織化の目的のためだけのものであり、記載される主題を限定するものとして解釈されるべきではない。
【0024】
本明細書で使用する用語は全般的に当技術分野で、開示の文脈において、および各用語が用いられる具体的な文脈において通常の意味を有する。本開示を記載するために用いられる特定の用語は、本開示の説明に関して実務者に追加の指針を提供するために、以下または本明細書の他の部分で考察される。便宜上、特定の用語は、引用符で強調される。このような強調の使用は、用語の範囲および意味に影響を及ぼさない。むしろ、用語の範囲および意味は、同じ文脈において、強調されているかどうかにかかわらず、同じである。
【0025】
同一のことを1つ超の方法で表現できることが理解されるであろう。したがって、代替の言語および同義語が、本明細書で考察される用語のいずれか1つ以上に用いられ得る。用語が本明細書において詳細に述べられているか、または考察されているかどうかについては特に重要な意味はない。特定の用語の同義語も本明細書において提供され得る。1つ以上の同義語の列挙は、例えば、他の同義語の使用を排除しない。本明細書で考察される任意の用語の例を含む本明細書の任意の箇所での例の使用は、単なる例示に過ぎず、開示または任意の例示された用語の範囲および意味をさらに限定することは意図されない。同様に、本開示は、本明細書に提供される様々な実施形態を限定するものではない。
【0026】
本明細書で使用する単数形「1つの(a)、(an)」および「その(the)」は、文脈上別段の明確な指示がない限り、複数の指示対象を含む。したがって、例えば、「カプセル」への言及は、文脈上別段の明確な指示がない限り、2つ以上のカプセルを有する態様を含む。
【0027】
範囲は、本明細書において、「約」ある特定値から、および/または「約」別の特定値までとして表現され得る。本明細書で使用する「約」は、数値のプラスまたはマイナス5%を意味する。このような範囲が表現される場合、別の態様は、ある特定値から、および/または他の特定値までを含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用により近似値として表される場合、特定値が別の態様を形成することが理解されるであろう。各範囲の終点は、他の終点と関連して、および他の終点とは独立して重要であることがさらに理解されるであろう。
【0028】
本明細書で使用する用語「任意の」または「任意で」は、その後に記載される事象または状況が起こる場合、または起こらない場合があり、説明が、前述の事象または状況が起こる場合の事例、および起こらない場合の事例を含むことを意味する。
【0029】
本明細書で使用する「カプセル」は、互いに結合されて、剤形の少なくとも1つの室を画定し得る少なくとも1つの本体および少なくとも1つのキャップを有する医薬器具を指す。特定の例示的な実施形態において、カプセルは、液体充填物、例えば、懸濁液もしくは半固体、粉末充填物および/または顆粒充填物を含み、これは室に配置されて、単一の気密封止された剤形を形成する。当業者により理解されるように、カプセルのいずれかの部分がゼラチン、可塑剤および水からなり得、また所望される剤形の効果を得るために他の成分、例えば、保存剤、着色剤、香味剤、不透明化剤、甘味剤、酸、塩、薬剤または他の剤を含み得る。
【0030】
本明細書で使用する「対象」は脊椎動物を指す。脊椎動物は、哺乳動物、例えば、ヒトであり得る。対象はヒト患者であり得る。対象は、疾患もしくは状態に罹患しているか、または罹患が疑われる患者であり得、治療もしくは診断の必要があり得るか、または疾患もしくは状態の進行を監視する必要があり得る。患者はまた、有効性について監視する必要がある処置療法中であり得る。
【0031】
本明細書で使用する「薬学的に許容される塩」は、治療化合物が、これらの酸塩または塩基塩を製造することにより修飾される、活性成分などの所与の化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩としては、例えば、非毒性の無機または有機酸からの従来の非毒性塩が挙げられる。例えば、このような従来の非毒性塩としては、無機酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルホン酸、スルファミン酸、リン酸、硝酸などから得られる塩;ならびに有機酸、例えば、アミノ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、ステアリン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、アスコルビン酸、パモ酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フェニル酢酸、グルタミン酸、安息香酸、サリチル酸、スルファニル酸、2-アセトキシ安息香酸、フマル酸、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンジスルホン酸、シュウ酸、イセチオン酸、ならびに当業者に公知の他のものから調製される塩が挙げられる。酸性化合物については、塩は、アミン系(第1級、第2級、第3級または第4級アミン)対イオン、アルカリ金属カチオンまたは金属カチオンを含み得る。好適な塩の一覧は、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第18版(Alfonso R.Gennaro編;Mack Publishing Company、Easton, Pa.、1990);Remington:the Science and Practice of Pharmacy第19版(Lippincott、Williams & Wilkins、1995);Handbook of Pharmaceutical Excipients、第3版(Arthur H.Kibbe編;Amer.Pharmaceutical Assoc.、1999);the Pharmaceutical Codex:Principles and Practice of Pharmaceutics、第12版(Walter Lund編;Pharmaceutical Press、London、1994);The United States Pharmacopeia:The National Formulary(United States Pharmacopeial Convention);およびGoodman and Gilman’s:the Pharmacological Basis of Therapeutics(Louis S.Goodman and Lee E.Limbird編;McGraw Hill、1992)などの文献中に見出され、これらの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で使用する活性成分は、活性成分の薬学的に許容される塩を含み得る。
【0032】
本明細書で使用する「プロバイオティクス」は、有効量が哺乳動物の腸管に導入されると、有益な効果を与える生菌(微生物叢または微生物とも称される)を一般に意味する。
【0033】
「プレバイオティクス」は、関連のプロバイオティクスにより消費され得るか、またはそれ以外は関連のプロバイオティクスを生きた状態で保持するか、もしくはその増殖を刺激するのに役立つ任意の物質を意味し、ムコ多糖、オリゴ糖、多糖、アミノ酸、ビタミン、栄養素の前駆体およびタンパク質を含む。プレバイオティクスに関して「相補」または「相補的」は、プレバイオティクスが、関連のプロバイティックにより消費されるか、またはそれ以外は生きた状態で保持するか、もしくは増殖を刺激するのに役立つことを意味する。
【0034】
例示的な実施形態
以下の説明および図面は例示的なものであり、限定的なものとして解釈されるべきではない。開示を完全に理解できるように、多数の具体的な詳細が記載される。しかし、特定の事例では、周知または従来の詳細は、説明の不明瞭化を避けるために記載されない。本開示における1つの実施形態の言及は、同じ実施形態を必ずしも参照するものではなく、このような言及は、実施形態の少なくとも1つを意味する。
【0035】
さらに、「実施形態」または「例示的な実施形態」についての言及は、実施形態に関して記載される特定の特徴、構造または特性が、本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。同様に、本明細書中の様々な箇所において、語句「特定の実施形態」の出現は、必ずしも、すべてが同じ実施形態を指すわけではなく、または他の実施形態と相互に排他的な別個もしくは代替の実施形態でもない。さらに、いくつかの実施形態には示されるが、他の実施形態には示されない場合がある、様々な特徴が記載される。同様に、いくつかの実施形態に対する要件であるが、他の実施形態に対する要件ではない場合がある、様々な要件が記載される。
【0036】
二重放出剤形
図面を参照すると、図1~3は、帯3に複数の開口部を有するまたは有さない、特定の例示的な実施形態による、例示的な二重カプセル剤形10を示す図である。図示のように、カプセルは第1の殻体1および対向する第2の殻体2を含み得る。第1のキャップ7は、第1の殻体の第1の開口端部11を封入するようにサイズ調整および構成され、第2のキャップ8は、第2の殻体の第2の開口端部21を封入するようにサイズ調整および構成され得る。帯3は、第1の殻体1および第2の殻体2に結合されて、二重カプセル剤形10を形成し得る。
【0037】
第1の殻体1は、第1の開口端部11、第1の閉鎖端部12、およびこれらの間に延びる第1の側壁13を含む。第1の側壁および第1の閉鎖端部は協働して第1の室5を画定し、第1の室は第1の開口端部を介して雰囲気と流体連通する。すなわち、第1の殻体の第1の室5は、第1の開口端部11を介してアクセス可能であり得る。別の例示的な実施形態において、第1の閉鎖端部12および/または第1の側壁13の少なくとも諸部分は弧状であり得る。例えば、第1の開口端部11が、第1の端部の直径を有する実質的に断面円形であるように、第1の側壁の少なくとも一部は、実質的に円筒状であり得る。当然ながら、第1の開口端部、第1の閉鎖端部および第1の側壁の他の形状が企図される。
【0038】
図3および4を参照すると、第1のキャップ7は、第1の殻体1の第1の開口端部11を閉鎖するようにサイズ調整および構成される。特定の例示的な実施形態において、第1のキャップ7は、第1の開口端部と同様のサイズおよび形状を有する第1のカバー14を含み得る。任意で、第1のカバー14は、第1の開口端部11よりわずかに大きいサイズおよび/または形状を有し得る。例えば、第1の開口端部が第1の端部の直径を有する実質的に円形である場合、第1のキャップ7は、第1の端部の直径以上の第1のカバーの直径を有する実質的に円形であり得る。別の例示的な実施形態において、第1のカバー14は、組み立てられたときに第1の室5に面するように構成された内面18、および組み立てられたときに第1の室に背を向けるように構成された対向する外面19を有し得る。
【0039】
第1のリップ15は、第1のカバー14の遠位縁部16から延びる。1つの例示的な実施形態において、第1のリップ15の少なくとも一部は、第1のカバー14の遠位縁部16から第1のカバーに対して実質的に直角に延び得る。任意で、第1のリップ15の少なくとも一部は、第1のカバー14の遠位縁部16から第1のカバーに対して鋭角に延び得る。使用時には、以下により詳細に記載されるように、第1のカバー14および/または第1のリップの少なくとも一部は第1の側壁13の遠位縁部17を係合して、第1の充填材料36(図4)を第1の室5に封止し、第1のカプセル部材20を形成し得る。例えば、第1のカバー14および/または第1のリップの少なくとも一部は第1の側壁13の遠位縁部17を摩擦嵌合して、第1の室を封止し、第1のカプセル部材を形成し得る。別の例示的な実施形態において、レーザーまたは他の熱源が、第1のカバー14および/または第1のリップの少なくとも一部に向けられて、第1の室5を封止し、第1のカプセル部材20を形成し得る。
【0040】
第2の殻体2は第2の開口端部21、第2の閉鎖端部22、およびこれらの間に延びる第2の側壁23を含む。第2の側壁および第2の閉鎖端部は協働して、第2の室6を画定し得、第2の室は第2の開口端部を介して雰囲気と流体連通する。すなわち、第2の殻体の第2の室は、第2の開口端部21を介してアクセス可能であり得る。特定の例示的な実施形態において、第2の閉鎖端部22および第2の側壁23の少なくとも諸部分は、弧状であり得る。例えば、第2の開口端部21が、第2の端部の直径を有する実質的に断面円形であるように、第2の側壁の少なくとも一部は、実質的に円筒状であり得る。当然ながら、第2の開口端部、第2の閉鎖端部および第2の側壁の他の形状が企図される。さらなる実施形態において、第2の端部の直径は、第1の端部の直径を下回り得るか、実質的に同等であり得るか、またはこれを上回り得る。
【0041】
第2のキャップ8は、第2の殻体2の第2の開口端部21を封入するようにサイズ調整および構成され得る。1つの例示的な実施形態において、第2のキャップ8は、第2の開口端部21と同様のサイズおよび形状を有する第2のカバー24を含み得る。任意で、第2のカバー24は、第2の開口端部21よりわずかに大きいサイズおよび/または形状を有し得る。例えば、第2の開口端部21が第2の端部の直径を有する実質的に円形である場合、第2のキャップ8は、第2の端部の直径以上の第2のカバーの直径を有する実質的に円形であり得る。別の例示的な実施形態において、第2のカバーの直径は、第1のカバーの直径を下回り得るか、実質的に同等であり得るか、またはこれを上回り得る。さらなる例示的な実施形態において、第2のカバー24は、組み立てられたときに第2の室6に面するように構成された内面28、および組み立てられたとき第2の室に背を向けるように構成された対向する外面29を有し得る。
【0042】
第2のリップ25は、第2のカバー24の遠位縁部26から延びる。例えば、第2のリップの少なくとも一部は、第2のカバー24の遠位縁部から第2のカバーに対して実質的に直角に延び得る。任意で、第2のリップ25の少なくとも一部は、第2のカバー24の遠位縁部から第2のカバーに対して鋭角に延び得る。使用時には、以下により詳細に記載されるように、第2のカバーおよび/または第2のリップの少なくとも一部は、第2の側壁23の遠位縁部27を係合して、第2の充填材料37を第2の室6に封止し、第2のカプセル部材30を形成し得る。例えば、第2のカバー24および/または第2のリップ25の少なくとも一部は、第2の側壁23の遠位縁部27を摩擦嵌合して、室を封止し、第2のカプセル部材を形成し得る。別の例示的な実施形態において、レーザーまたは他の熱源が、第2のカバー24および/または第2のリップの少なくとも一部に向けられて、第2の室6を封止し、第2のカプセル部材30を形成し得る。
【0043】
図1~4に示すように、帯3は、外径を有する外面31および内径を有する内面32(図4に表示される)を含む無端環状帯である。したがって、第1の入口ポート34および対向する第2の入口ポート35を有する通路33は環状帯に画定され得、環状帯を通って延び得る。すべての態様において、図1~6および8に示す外側嵌合、または図7に示す内側嵌合に備えて、帯3の内径は、第1の殻体1の第1の端部の直径、第1のキャップ7の第1のカバーの直径、第2の殻体2の第2の端部の直径、および第2のキャップ8の第2のカバーの直径の少なくとも1つと実質的に同等であり得るか、これを若干上回り得るか、またはこれを若干下回り得る。
【0044】
これらの実施形態のいずれかおよび/またはすべてにおいて、帯は、帯を第1の殻体1および第2の殻体2に接合するためのスナップ嵌合またはクリック嵌合機構を含むが、この機構を有する必要はない。図4において、帯3は、第1の殻体1に向かって半径方向内向きに延び、キャップ7の第1のリップ15の端部上にスナップまたはクリックするフランジ38を第1の端部ポート34の周辺に有する。同様に、帯3は、第2の殻体2に向かって半径方向内向きに延び、キャップ8の第1のリップ25の端部上にスナップまたはクリックするフランジ39を第2の端部ポート35の周辺に有する。図5A~6において、第1の殻体および第2の殻体1、2は各々、その開口端部に外側リッジ61、62を有し、その上に帯43のフランジ58、59がスナップ嵌合またはクリック嵌合する。図7において、第1の殻体および第2の殻体1、2は各々その開口端部に内側リッジ63、64を有し、その上に帯43’のフランジ58’、59’がスナップ嵌合またはクリック嵌合する。
【0045】
任意のおよびすべての実施形態において、少なくとも1つの開口部9、しかし好ましくは複数の開口部9は、帯の外面31から内面32へ延びる帯の一部に画定され得、したがって帯3の外面31を取り囲む環境と帯3の通路33内の環境との間の連通を可能にする。1つの実施形態において、複数の開口部9が存在する場合、開口部は、図2の線4-4に沿った長手方向軸と直交する平面の帯の周りに等距離で離間され、それにより、帯に貫通した輪が形成される。別の実施形態において、複数の開口部は、図8に示すように長手方向軸と直交する2つの異なる平面において開口部の2つの別個の群として配置される。図8の図は、互いに整合した開口部を2つの平面に有し、開口部は互いに対してオフセットされ得る。
【0046】
次に図5A~7を参照すると、帯の代替実施形態が例示されており、ここで、第1または第2の殻体1、2のカバーのうち1つは帯に組み込まれる、すなわち、カバーは、組立工程の部品点数を削減するために帯と一体である。ここで、帯43は、外径を有する外面51、および内径を有する内面52(図5Aに表示される)を有する無端環状帯である。第1または第2の殻体1、2のうち1つを封止して閉鎖するための、内径にわたるカバー47は、その第2の端部45よりその第1の端部44に近接する位置で、帯43と一体である。図5A~6の実施形態において、第1の端部44は、第1の入口ポート54を画定し、第2の端部45は対向する第2の入口ポート55を画定して、最終的に第1および第2の殻体1、2各々の開口端部を収容する。帯43の内面52は、キャップ8を収容するためのシートを画定するために、リブ48または環状肩(図示せず)などの機構を含む。キャップ8は、単独で帯43に収容され得、図5Bに示すように、公知の任意の好適な方法または以下で展開する任意の好適な方法によりそこにしっかり封止して接合され得るか、またはキャップ8は、第2の殻体2に封止して接合され得、次いで、図5Aに点線で例示するようにユニットとして帯43に収容される。
【0047】
上記のように、複数の開口部9は、カバー47とキャップ8との間の位置で帯43に存在する。さらに、図5Bおよび6の組み立てられた状態において、内部室53はカバー47とキャップ8との間に画定され、複数の開口部9を介して外部環境と流体連通する。
【0048】
次に図7を参照すると、帯が内側嵌合用のものである場合、43’と称され、カバー47は帯内に配置され得るか、またはカバーは、図において点線で示される帯の第1の端部44にあり、これを閉鎖する47’の位置に配置され得る。同様に、キャップ8は、帯内に配置され得るか、または図において点線で示される帯の第2の端部45にあり、これを閉鎖する8’に配置され得る。帯43’の内面52は、キャップ8を収容するためのシートを画定するために、リブ48または環状肩(図示せず)などの機構を含む。ここで、上記したように、複数の開口部9は、カバー47とキャップ8との間またはカバー47’とキャップ8’との間の位置で帯43’に存在する。さらに、内部室53はカバー47とキャップ8との間またはカバー47’とキャップ8’との間に画定され、複数の開口部9を介して外部環境と流体連通する。
【0049】
次に図8を参照すると、帯は、2部構造70を有し得、各環状帯部分71、72は、これと一体の殻体を封止して閉鎖するためのカバー74、75を各々有する。第1の環状帯部分71および第2の環状帯部分72は各々、カバー74、75に対向する開口端部76、77をそこに有し、開口端部76、77は互いに接合可能であって、2つの半部のカプセルを完全なカプセルユニットに接合する帯を形成する。第1と第2の環状帯部分71、72間の接合は、殻体1の内側にあり、開口端部76を画定する環状リッジ78、および環状リッジ78を第2の環状帯72の外面に収容するための環状溝79として示されるスナップ嵌合またはクリック嵌合機構として例示される。逆の構成も可能である。ここで、第1の環状帯部分71および/または第2の環状帯部分72は、カプセルの長手方向軸に対して半径方向に配向された、帯部分を貫通する複数の開口部9を含み、それにより、組み立てられた状態でカバー74、75の間に形成される内部室はカプセルの外部環境と流体連通する。
【0050】
図3に戻って参照すると、第1および第2のカプセル部材20、30を形成するために、第1の所定量の第1の充填材料36が、第1の殻体1の第1の開口端部11を通って第1の室5に挿入され得る。第1のキャップ7は、第1の開口端部上に配置され得、第1のキャップ7の少なくとも一部は、第1の殻体に結合されて、第1の室内に封止された第1の充填材料36を有する第1のカプセル部材20を形成し得る。例えば、第1のキャップ7は、第1の開口端部11上に配置され得、第1のキャップ7の少なくとも一部は、第1の殻体1に熱封止されて、第1の室5内に封止された第1の充填材料36を有する第1のカプセル部材20を形成し得る。同様に、第2の所定量の第2の充填材料37が、第2の殻体2の第2の開口端部21を通って第2の室6に挿入され得る。第2のキャップ8は、第2の開口端部上に配置され得、第2のキャップの少なくとも一部は、第2の殻体に結合されて、第2の室内に封止された第2の充填材料を有する第2のカプセル部材30を形成し得る。例えば、第2のキャップ8は、第2の開口端部21上に配置され得、第2のキャップの少なくとも一部は、第2の殻体2に熱封止されて、第2の室6内に封止された第2の充填材料37を有する第2のカプセル部材30を形成し得る。
【0051】
図1または図2のカプセル10を形成するために、帯3は第1のカプセル部材20と第2のカプセル部材30とを結合する。以下により詳細に示すように、第1の殻体1の(第1のキャップ14で封止された)第1の開口端部11の少なくとも一部は、第1の入口ポート34を通って帯の通路33に挿入される。1つの例示的な実施形態において、第1の殻体は、第1の入口ポートを通過するが、第2の入口ポート35へ延びないように配置され得る。すなわち、第1の殻体1の少なくとも一部は、第1の入口ポート34から第2の入口ポート35までの通路全体に延びないように通路33に配置され得る。同様に、第2の殻体2の(第2のキャップ24で封止された)第2の開口端部21の少なくとも一部は、第2の入口ポート35を通って帯の通路33に挿入され得る。特定の例示的な実施形態において、第2の殻体は、第2の入口ポート35を通過するが、第1の入口ポート34へ延びないように配置され得る。すなわち、第2の殻体2の少なくとも一部は、第2の入口ポート35から第1の入口ポート34までの通路全体に延びないように通路33に配置され得る。
【0052】
帯3の通路33において、第1のカプセル部材20は、所定の距離で、第2のカプセル部材30から離間され得る。所定の距離は、第3の室4または33(図4)が第1のカプセル部材20、第2のカプセル部材30および帯3の内面32により画定されるように0超の距離である。このような例示的な実施形態において、帯に画定された開口部9により、第3の室4はカプセル10の外部の雰囲気/環境と封止流体連通し得る。
【0053】
図6のカプセル10’または図7のカプセル10’’を形成するために、帯は、様々なステップで殻体1および2に結合され得る。1つの変形形態において、図5Aによれば、帯43は、充填材料が充填された後、外側嵌合(図6)として第1の殻体1の開口端部に嵌合される。キャップ8は、充填材料が充填された後、第2の殻体2の開口端部に封止して接合されて、第2のカプセル部材30を形成する。この第2のカプセル部材30は、帯43の開口端部55に収容されて、カプセル10’を形成する。別の変形形態において、図5Aおよび5Bによれば、キャップ8は、帯43内に確実に固定される。第1の殻体1には充填材料が充填され、その開口端部は帯43内に封止して収容されて、第1のカプセルユニットを形成する。第2の殻体2には充填材料が充填され、帯43により形成された第1のカプセルユニットの開口端部は、第2の殻体2の開口端部上に固定されて、第2の殻体2を封止して閉鎖し、カプセル10’を形成する。別の変形形態において、図7によれば、キャップ8または8’は、帯43’に確実に固定される。次いで、第1の殻体1には充填材料が充填され、その開口端部は、帯43’の第1の端部をそこに封止して収容して第1のカプセルユニットを形成する。第2の殻体2には充填材料が充填され、その開口端部は帯43’の第2の端部をそこに封止して収容してカプセル10’’を形成する。
【0054】
図8の第1のカプセル部材20’’および第2のカプセル部材30’’からカプセルを形成するために、第1の殻体1には充填材料が充填され、これは、図示のように外側嵌合または図7に例示するように内側嵌合のいずれかで第1の環状帯部分71に封止して嵌合される。第2の殻体2には充填材料が充填され、これは、図示のように外側嵌合または図7に例示するように内側嵌合のいずれかで第2の環状帯部分72に封止して嵌合される。次いで、第1および第2のカプセル部材20’’および30’’は、第1および第2の環状帯部分71、72の開口端部76、77を用いて互いに嵌合され、それにより完全なカプセルが形成される。
【0055】
すべての態様において、殻体、キャップ、帯、カプセル部材などが、カプセルを形成するのに所望される位置に配置されたら、帯は、公知のまたは以下に展開する技術を用いて各部分/部材に封止され得る。例えば、帯は、熱、例えば、レーザーまたはオーブンで、接着剤で封止され得る。別の例において、帯は殻体に摩擦嵌合され得るか、および/または上記のスナップ嵌合またはクリック嵌合機構を有し得る。
【0056】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、第1の殻体1、キャップ7、帯43、帯43’および第1の環状帯部分71は、第2の殻体2、キャップ8、キャップ8’および第2の環状帯部分72と異なる材料から形成され得、したがってこれらの各構成要素は異なる速度で溶解する。例示的な例として、キャップ7および8が以下でさらに考察される。これらの例は各殻体、帯およびキャップならびに環状帯部分の任意の他の組み合わせに等しく適用できる。キャップが異なる速度で溶解するように、第1のカプセル部材20の第1のキャップ7は、第2のカプセル部材30の第2のキャップ8と異なる材料から形成され得、したがって、カプセルが摂取されると、各第1および第2の室5、6の内容物は異なる時間で放出され得る。そのため、第1および第2の室5、6の充填材料は順次に放出され得る。例えば、第1の充填材料36は摂取時間付近で放出され得、第2の充填材料37は、第1の充填材料36の放出の数分または数時間後、例えば、1、2、3、4、5、または6時間後に放出され得る。第1のカプセル部材20および第2のカプセル部材30の諸部分を異なる速度で溶解させることにより、二重時限放出が可能となり、したがって第1の室5に配置された第1の充填材料36は、第2の室6に配置された第2の充填材料37と異なる時間で第1の室から放出され得る。
【0057】
本明細書に開示される実施形態のいずれかにおいて、第1の殻体1、キャップ7、帯43、帯43’および第1の環状帯部分71は、第2の殻体2、キャップ8、キャップ8’および第2の環状帯部分72と同じまたは異なる材料から形成され得、したがってカプセル部材はほぼ同じ速度で溶解する。例示的な例として、キャップ7および8が以下でさらに考察される。これらの例は各殻体、帯およびキャップ、ならびに環状帯部分の任意の他の組み合わせに等しく適用できる。例えば、キャップが実質的に同じ速度で溶解するように、第1のカプセル部材20の第1のキャップ7は、第2のカプセル部材30の第2のキャップ8と同じ材料から形成され得、したがって、各第1および第2の室5、6の内容物は実質的に同じ時間で放出され得る。第1のカプセル部材20および第2のカプセル部材30の諸部分を実質的に同じ速度で溶解させることにより、少なくとも2つの充填材料の実質的に同時放出が可能となる。例えば、2つの薬剤が、貯蔵期間中、混合されたときなどに、不適切に相互作用する場合、ある薬剤は第1のカプセル部材20の第1の室5に挿入され得、第2の薬剤は、第2のカプセル部材の第2の室6に挿入され得る。このような例示的な実施形態において、第1および第2の薬剤は、実質的に同時放出されるまで互いに相互作用しない。他の例示的な実施形態において、第1および第2の材料36、37は、充填材料間での任意の不適切な相互作用を防止し、本明細書に記載されるように第1および第2の充填材料の順次放出を可能にするように、本明細書に記載されるように分離され得る。
【0058】
使用時には、二重放出カプセル剤形が嚥下され、消化管に入ると、帯3の少なくとも1つの開口部9は、消化液などの流体が第3の室4、33に入ることを可能にし得る。次いで、消化液はキャップ7、8と接触し得、それにより本明細書に記載されるようにキャップが溶解する。特定の例示的な実施形態において、キャップが少なくとも部分的に消化されたら、少なくとも部分的に溶解したキャップと結合したカプセル部材内の充填材料は、第3の室4に入り、次いで1つ以上の開口部9を通って剤形の外(したがって、二重放出剤形を取り囲む環境)に排出され得る。さらにまたはあるいは、使用時には、第3の室4に入る流体は、帯3からカプセル部材20、30を完全にまたは部分的に脱落させ得、したがって第1のカプセル部材の第1のカバー14および第2のカプセル部材の第2のカバー24は完全にまたは部分的に露出する。このような例示的な実施形態において、次いで、キャップは、消化液などの流体に露出すると溶解し得る。次いで、カプセル部材は、その充填材料を実質的に同時方式でまたは本明細書に記載されるように二重時限方式で放出し得る。
【0059】
さらにまたはあるいは、使用時には、第3の室4、33に入る流体により、帯が少なくとも部分的に溶解し、したがって第1のカプセル部材20の第1のカバーおよび第2のカプセル部材30の第2のカバーは少なくとも部分的に露出する。次いで、カプセル部材の露出したカバーは、例えば、消化液により溶解し得る。キャップが異なる速度で溶解するように、第1のキャップ7が第2のキャップ8と異なる材料から形成される場合、各第1および第2の室5、6の内容物は異なる時間で放出され得る。キャップが実質的に同じ速度で溶解するように、第1のキャップ7が第2のキャップ8と同じ部材から形成される場合、各第1および第2の室5、6の内容物は、実質的に同じ時間で放出され得る。
【0060】
二重放出カプセル剤形の迅速に溶解する部分、例えば、迅速に溶解する帯および/またはキャップ(7または8)が所望される場合、迅速に溶解する部分は、使用環境において少なくとも部分的に、好ましくは実質的に完全に可溶性および/または浸食性である不活性かつ非毒性の組成物から製造され得る。例えば、迅速に溶解する部分は水性環境、例えば、口腔および/または上部消化管、例えば、胃、十二指腸、空腸もしくは上部小腸などに可溶性および/または浸食性である。例示的な材料は、米国特許第4,576,604号および第4,673,405号、ならびに文献Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets、第1巻、第2版(A.Lieberman.編、1989、Marcel Dekker,Inc.)に開示されており、この関連の開示はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。特定の例示的な実施形態において、二重放出カプセル剤形10の迅速に溶解する部分は、唾液、胃液または酸性流体に実質的に可溶性(または浸食性)である。
【0061】
アメリカ合衆国保健福祉省、食品医薬品局、医薬品評価研究センター(CDER)によれば、米国薬局方(USP)装置1を100rpmでまたは装置2を50rpmで(または適切に正当化された場合75rpmで(III、C項参照))用いて、体積500mL以下(または適切に正当化された場合900mL)の以下の各媒体(1)0.1N HClまたは擬似胃液USP、酵素なし;(2)pH4.5の緩衝剤;および(3)pH6.8の緩衝剤または擬似腸液USP、酵素なしに、標示量の平均85%以上の薬物物質が30分以内に溶解した場合、即時放出製剤は迅速に溶解すると判断される。さらに、上記の条件を用いて、標示量の平均85%以上の薬物物質が15分以内に溶解した場合、即時放出製剤は非常に迅速に溶解すると判断される。
【0062】
二重放出カプセル剤形の徐々に溶解する部分、例えば、徐々に溶解するキャップ(7または8)が所望される場合、徐々に溶解する部分は、腸溶コーティングに従来用いられるものを含む、いくつかの公知の難消化性ポリマー組成物から製造され得る。例えば、このようなキャップ製剤は、充填材料の遅延および持続放出を可能にし、腸液、実質的にpH中性または塩基性の流体に可溶性または浸食性であるが、胃液または酸性流体に大部分は不溶性である材料を含み得る。広範なポリマー材料が、これらの様々な溶解度特性を有することが知られている。このようなポリマー材料としては、例えば、セルロースアセテートフタレート(CAP)、セルロースアセテートトリメリテート(CAT)、ポリビニルアセテートフタレート(PVAP)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HP)、ポリ(メタクリレートエチルアクリレート(1:1)コポリマー(MA-EA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:1)コポリマー(MA-MMA)、ポリ(メタクリレートメチルメタクリレート)(1:2)コポリマー、Eudragit L-30-D(商標)(MA-EA、1:1)、Eudragit L-100-55(商標)(MA-EA、1:1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート(HPMCAS)、Coateric(商標)(PVAP)、Aquateric(商標)(CAP)、AQUACOAT(商標)(HPMCAS)およびこれらの組み合わせが挙げられる。例えば、徐放性キャップはまた、溶解助剤、安定性改良剤および生体吸収促進剤を含み得る。
【0063】
特定の例示的な実施形態において、二重放出カプセル剤形の徐々に溶解する部分、例えば、徐々に溶解するキャップは、ヒドロキシプロピルセルロース、微結晶性セルロース(MCC、Avicel(商標)、FMC Corp.製)、ポリ(エチレン-ビニルアセテート)(60:40)コポリマー(EVAC、Aldrich Chemical Co.製)、2-ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、MMA、N,N’-ビス(メタクリロイルオキシエチルオキシカルボニルアミノ)アゾベンゼンの存在下で合成されたHEMA:MMA:MAのターポリマー、アゾポリマー、腸溶性コーティング時限放出系成分(Time Clock(登録商標)、Pharmaceutical Profiles, Ltd.、UK製)および/またはペクチン酸カルシウムを含む。特定の例示的な実施形態において、ステアリン酸マグネシウムおよび他の類似の賦形剤と混合されるポリ(ビニルピロリドン)ビニルアセテートコポリマー(例えば、Kollidon VA64(商標)としてBASFから供給される材料)が用いられ得る。そのKollidon K30(商標)としてBASFから供給されるポビドン、およびMethocel E-15(商標)としてDowから供給されるヒドロキシプロピルメチルセルロースも特定の例示的な実施形態において用いられ得る。
【0064】
特定の例示的な実施形態において、二重放出カプセル剤形の徐々に溶解する部分、例えば、徐々に溶解するキャップは、胃においておよびカプセルが胃に滞留する期間中崩壊しない(またはその構造的完全性を変更しない)1種以上の剤を含み得る。胃においてその完全性を保持する代表的材料としては、(a)ケラチン、ケラチンサンダラック-トルー、サロール(サリチル酸フェニル)、サロールβナフチレベンゾエートおよびアセトタンニン、ペルーバルサム含有サロール、トルー含有サロール、マスチックガム含有サロール、サロールおよびステアリン酸、ならびにサロールおよびシェラック;(b)一定の形のタンパク質、一定の形のゼラチン、ならびに一定の形の架橋ゼラチンおよび交換用樹脂(c)ミリスチン酸-水添ヒマシ油-コレステロール、ステアリン酸-マトン獣脂、ステアリン酸-トルーバルサムおよびステアリン酸-ヒマシ油;(d)シェラック、アンモニア化シェラック、アンモニア化シェラック-サロール、シェラック-羊毛脂、シェラック-アセチルアルコール、シェラック-ステアリン酸-トルーバルサム、およびシェラック-n-ステアリン酸ブチル;(e)アビエチン酸、アビエチン酸メチル、ベンゾイン、トルーバルサム、サンダラック、トルー含有マスチック、ならびにトルー含有マスチックおよびアセチルアルコール含有マスチック;(f)メタクリレート酸およびメタクリル酸メチルエステルから合成されるアニオン性ポリマーに代表されるアクリル樹脂、メタクリル酸およびメタクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルのコポリマーアクリル樹脂、アルクアクリル酸およびアルクアクリル酸アルキルエステルのコポリマー、アクリル樹脂、例えば、150,000分子量のジメチルアミノエチルメタクリレート-ブチルメタクリレート-メチルメタクリレートコポリマー、135,000分子量のメタクリル酸-メチルメタクリレート50:50コポリマー、135,000分子量のメタクリル酸-メチルメタクリレート-30:70コポリマー、750,000分子量のメタクリル酸-ジメチルアミノエチル-メタクリレート-エチルアクリレート、1,000,000分子量のメタクリル酸-メチルメタクリレート-エチルアクリレート、および550,000分子量のエチルアクリレート-メチルメタクリレート-エチルアクリレート;(g)セルロースアセチルフタレート、セルロースジアセチルフタレート、セルローストリアセチルフタレート、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ナトリウムセルロースアセテートフタレート、セルロースエステルフタレート、セルロースエーテルフタレート、メチルセルロースフタレート、セルロースエステル-エーテルフタレート、ヒドロキシプロピルセルロースフタレート、セルロースアセテートフタレートのアルカリ塩、セルロースアセテートフタレートのアルカリ土類塩、セルロースアセテートフタレートのカルシウム塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートのアンモニウム塩、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート、ポリビニルアセテートフタレートジエチルフタレート、ジブチルフタレート、ジアルキルフタレート(ここで、アルキルは、1~7個の直鎖および分岐鎖のアルキル基を含む)、アリールフタレートを含む腸溶性組成物、ならびに当業者に公知の他の材料を挙げることができる。
【0065】
当業者により理解されるように、本開示に基づき、様々な充填材料が、本明細書に記載の二重放出剤形で使用でき、充填材料は様々な活性成分および非活性成分を含む。特定の例示的な実施形態において、第1の殻体1に配置された第1の充填材料36は、第2の殻体2に配置された第2の充填材料37と同じまたは実質的に同じ活性成分を含み得る。このような実施形態は所与の薬物の放出を延長するのに特に有用である。例えば、第1の充填材料36は急速に放出され得る薬剤を含み得るので、二重放出剤形が消化液などの流体に露出すると、該薬剤の初回用量が供給される。このような実施形態において、第2の充填材料37は同じ薬剤を含み得るが、カプセルの第2の半部は本明細書に記載されるように初回用量後に薬剤を放出するように構成される。したがって、同じ薬剤の全放出が延長される。例えば、薬剤の全放出は、薬剤の単回用量と比較して約30、40、50、60、70、80、90、100、110分以上延長され得る。特定の例示的な実施形態において、放出は約2、3、4、5、6、7、8、9または10時間延長される。
【0066】
あるいは、特定の例示的な実施形態において、第1の充填材料36の活性成分またはその薬学的に許容される塩は、第2の充填材料37の活性成分またはその薬学的に許容される塩と異なり得る。カプセルに配置された充填材料、例えば、第1の充填材料36、第2の充填材料37および任意の他の番号の充填材料は、当技術分野で公知の任意の材料、例えば、カプセルに一般に含まれる材料であり得る。例えば、第1の充填材料36は、活性成分としてイブプロフェンを含み得、第1のキャップ7はイブプロフェンを迅速に放出するように配合される。例えば、同じ二重放出カプセル剤形において、第2の充填材料37は、活性成分としてアセトアミノフェンを含み得、キャップ8は、本明細書に記載されるようにアセトアミノフェンを徐々に放出するように配合および/または構成される。したがって、このような剤形の摂取により、イブプロフェンが最初に放出され、次いでアセトアミノフェンがその後(遅れて)放出される。例えば、このような二重放出は、同じ剤形で2種の解熱剤および鎮痛剤を提供するので、一般に必要とされるイブプロフェンとアセトアミノフェンの異なる時間での別個の投与が不要となる。
【0067】
上記の例はイブプロフェンおよびアセトアミノフェンに関するが、充填材料36、37は、薬剤および/または栄養補助食品を含む、任意の活性成分または活性成分の組み合わせを含み得る。例えば、カプセルの所望される効果が尿路の健康を目指すものである場合、クランベリーの例示的な活性成分、例えば、クランベリー抽出物が、充填材料の活性成分として含まれ得る。所望される効果が心臓の健康である場合、活性成分は、乳化された脂肪酸、例えば、乳化されたオメガ-3またはオメガ-7脂肪酸を含み得る。特定の例示的な実施形態において、活性成分はパルミトレイン酸である。特定の例示的な実施形態において、活性成分はオメガ-9である。特定の例示的な実施形態において、活性成分はヒアルロン酸である。活性成分はまた、所望される効果を支持することが当業者に理解される、任意の薬剤、ビタミン、ミネラル、果物、薬草および/もしくは他の材料、またはこれらの組み合わせを含み得る。例えば、所望される効果がミネラル補給である場合、例示的な活性成分はカルシウム、マグネシウムおよびビタミンDであり得る。特定の例示的な実施形態において、活性成分としてはオキアミ油、サーモン油および/またはアマニ油、例えば、高純度のアマニ油が挙げられる。特定の例示的な実施形態において、活性成分の混合物は、所与の二重放出カプセル剤形が1、2、3、4、5、6または7種以上の活性成分を含み得るように、充填材料に含まれ得る。
【0068】
活性成分に加えて、本明細書に記載の充填材料は、様々な他の非活性成分、例えば、医薬製剤および/または栄養補助製剤に典型的に含まれる非活性成分を含み得る。例えば、充填材料は、液体担体および活性成分を含み得、活性成分は液体担体中に懸濁される。特定の例示的な実施形態において、液体担体としては水不混和性液体、例えば、植物および/または芳香油、芳香族、脂肪族および脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、エステル、高分子量有機酸および/もしくはアルコール、または低分子量ポリアルキレングリコールがある。他の実施形態は、同様に水混和性液体担体を含有し得る。特定の例示的な実施形態において、充填材料の活性成分は、薬学的に許容される塩として配合され得る。
【0069】
特定の例示的な実施形態において、および本明細書に記載の二重放出カプセル剤形の構造設計を介して得られる二重時限放出とは異なり、1つもしくは両方の充填材料36、37の活性成分(複数可)は、活性成分の放出速度を変更するように配合され得る。例えば、活性成分は、溶解活性成分がマトリックス中の穴から排出されねばならない(したがって、放出を遅らせる)ように1種以上の不溶性物質のマトリックスに包理され得る。特定の例示的な実施形態において、マトリックスは物理的に膨張して、ゲルを形成し得るので、活性成分をゲルの外面から排出させることができる。特定の例示的な実施形態において、活性成分は徐放性材料でコーティングまたは積層される。他の例示的な実施形態において、マイクロカプセル化は、活性成分の放出を変更し、さらに制御するために用いられ得る。特定の例示的な実施形態において、活性成分の徐放性製剤は、当技術分野で公知の持続放出および/または制御放出剤形を含む、延長放出剤形であり得る。
【0070】
当技術分野で一般に知られているこのような徐放性製剤は本明細書に記載の二重放出カプセルと組み合わせて用いられて、充填材料からの活性成分の放出をさらに遅延させ得る。例えば、第1の充填材料36は、胃液と接触すると、剤形を取り囲む環境に活性成分を急速に放出する即放性材料であり得る。キャップ8は、徐々に溶解するように配合され得、それにより、本明細書に記載されるように第1の充填材料36と比較して第2の充填材料37の放出が遅延される。さらに、第2の充填材料27は、例えば、第2の充填材料37の活性成分の溶解時間を遅延させるように機能する活性成分と結合した結合剤、賦形剤、マトリックスおよび/または他の成分を含み得る。したがって、第2の充填材料37からの活性成分の放出の遅延は、徐々に溶解するように配合されたキャップ8と、副次的に第2の充填材料37の活性成分の徐放性製剤の両方から得られ得る。特定の例示的な実施形態において、活性成分の徐放性製剤は、当技術分野で知られているように持続放出および/または制御放出剤形を含む延長放出剤形であり得る。
【0071】
当業者により理解されるように、多くの活性成分が一緒に消費されると有益である。例えば、2つ以上の活性成分が一緒に消費されると相乗的に作用し得る。しかし、特定の活性成分および/または充填材料は互いに非相溶性であり得るので、すべての活性成分または充填材料が同じ剤形内で互いに混合できるわけではない。例えば、混合した活性成分を不安定化するか、またはガス発生をもたらす化学反応が起こり得る。または、2つの活性成分を溶解または懸濁するのに必要なpHが異なる場合があり、したがって、2つの活性成分の同じ剤形内での混合が妨げられる。
【0072】
特定の例示的な実施形態において、充填材料が異なるpH値を有する二重カプセル剤形が提供される。例えば、第1の充填材料は約2、3、4、5または6のpHを有するが、第2の充填材料は約7、8、9または10のpHを有する。異なるpH値が、異なる活性成分を溶解、懸濁、安定化、またはそれ以外は混合するのに必要とされる場合、このような実施形態は特に有用である。例えば、第1の充填材料は、約6~7のpHに典型的には調整される、オリーブ葉抽出物、例えば、オレウロペインを含み得る。第2の充填材料は、約2~5のpHで、例えば、ビタミンCおよび/またはエルダーベリー液を含み得る。このような実施形態は、例えば、オレウロペインのpHが約3.5pHに低下した場合に起こり得るオレウロペインの不安定化を防止できる。
【0073】
特定の例示的な実施形態において、1種以上の抗酸化剤および脂肪酸を充填材料として含む二重カプセル剤形が提供される。例えば、第1の充填材料は、還元型グルタチオン(GSH)を含み得、第2の充填材料は、オメガ脂肪酸、例えば、オメガ-3、5、6、7、9を含み得る。当業者により理解されるように、GSHが解毒シナリオで用いられる金属キレートである。しかし、GSHは、金属カチオンが存在する溶液に長期貯蔵される場合、不安定である。グルタチオン上のチオール基は、分子状酸素またはFe+3もしくはCu+2などの特定の金属イオンの存在により触媒される反応であるジスルフィドへの段階的酸化を経る。反応が進行すると、還元型グルタチオン溶液の有効性は徐々に低下し、したがってその抗酸化能が低下する。例えば、魚油またはオキアミ油などの脂肪酸組成物は、Fe+3などのカチオンを含み、したがって、GSHの抗酸化活性が保存されるべき場合、脂肪酸組成物はGSHと混合できない。それにもかかわらず、このような油およびGSHは相乗的に作用して脳の健康を改善すると考えられるため、このような油をGSHと共に消費することは有益である。
【0074】
特定の例示的な実施形態において、脂肪酸にマイナスの影響を与える有益な成分は、本明細書に記載の二重カプセル剤形を用いて脂肪酸から分離できる。当業者により理解されるように、例えば、銅および鉄イオンは、魚油の酸化反応において強力な化学触媒であり、魚油の毒性をもたらす。このような金属カチオンはまた、ルテインおよびゼアキサンチンを酸化し得、したがってこれらの抗酸化剤の有効性が低下する。しかし、現在のAREDIおよびAREDII(加齢性眼疾患研究I&II)からの推奨は、魚油、ルテイン、ゼアキサンチン、銅、亜鉛およびビタミンCを組み合わせることで、相乗的に作用して、目の健康を支持し、眼性疾患、例えば、加齢黄斑変性を予防することを示している。したがって、複数の精錬プロセス、例えば、漂白、蒸気脱臭などが、これらの金属レベルを低下させるために用いられる。しかし、二重カプセル剤形は、第1の充填材料に銅、亜鉛および/またはビタミンCを含むように構成され得、魚油、ルテインおよび/またはゼアキサンチンは第2の充填材料に含まれ得るので、複数の有益な成分の送達が可能となる。
【0075】
特定の例示的な実施形態において、胃腸系の様々な領域を標的とする二重カプセル剤形が提供される。例えば、第1の充填材料は、胃および/または小腸を標的とする活性成分を含み得、第2の充填材料は、結腸を標的とする活性成分を含み得る。すなわち、第1のカプセル部材20、20’、20’’または殻体1は、その内容物が胃および/または小腸に放出されるように、本明細書に記載されるように構成され得る。第2のカプセル部材30、30’’または殻体2は、例えば、活性成分が結腸に放出されるように構成され得る。このようにして、1種以上の活性成分が、胃腸系の様々な領域を標的とし得る。
【0076】
特定の例示的な実施形態において、2つ以上の異なるプロバイオティクスを含む二重カプセル剤形が提供される。例えば、第1の充填材料は、胃を標的とするプロバイオティクスを含み得るが、第2の充填材料は小腸を標的とするプロバイオティクスを含み得る。本明細書に記載の二重カプセル剤形の実施形態のいずれかで用いられ得る例示的なプロバイオティクスとしては、ラクトバチルスアシドフィルス、ラクトバチルスラムノサス、ラクトバチルスヘルベティカス、ビフィドバクテリウムインファンティス、ビフィドバクテリウムラクティス、ラクトバチルスブルガリカス、ラクトバチルスサリバリウス、ラクトバチルスプランタラム、ラクトバチルスロイテリ、ラクトバチルスカゼイ、ビフィドバクテリウムビフィダム、サッカロマイセスブラウディ、ストレプトコッカスサーモフィラス、ビフィドバクテリウムブレーベ、バチルスコアグランス、ラクトバチルスブレビス、ラクトバチルスパラカゼイ、ビフィドバクテリウムロングム、ラクトバチルスジョンソニー、ラクトバチルスファーメンタムおよびペディオコッカスアシディラクティシが挙げられる。
【0077】
特定の例示的な実施形態において、第1の充填材料は抗酸化剤、例えば、アモキシシリン、クラリスロマイシンおよび/またはメトロニダゾールを含み得、第2の充填材料はプロバイオティクスを含む。特定の例示的な実施形態において、第1の充填材料および第2の充填材料は異なる抗酸化剤を含む。特定の例示的な実施形態において、第1の充填材料は抗酸化剤を含み、第2の充填材料はプロトンポンプ阻害薬、例えば、オメプラゾール、ランソプラゾール、デキスランソプラゾール、エソメプラゾール、パントプラゾール、ラベプラゾールまたはイラプラゾールを含む。
【0078】
特定の例示的な実施形態において、二重カプセル剤形は第1の充填材料にプロバイオティクスおよび第2の充填材料にプレバイオティクス(またはプレバイオティクスに富む食品)を含み得る。このような構成は、例えば、剤形が消費される前に、プレバイオティクスがプロバイオティクスを早期に活性化させるか、および/またはこれに影響を与えることを防止する。例示的なプレバイオティクスは、食物繊維、例えば、多糖およびオリゴ糖を含み、これは、プロバイオティクス微生物の数を増大させ得、プロバイオティクスにより与えられる利益をもたらす。プレバイオティクスは、例えば、オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、例えば、大豆フラクトオリゴ糖、イヌリンまたはバナナ繊維、ペクチンまたはペクチン多糖、マンナン、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、コンニャクまたはキサンタンガム、ペントサン、β-グルカン、アラビナンおよびガラクタン、例えば、カラマツアラビノガラクタン、ならびにこれらの混合物を含み得る。プロバイオティクスを支持し得る他の成分としては、例えば、初乳および酪酸が挙げられる。特定の例示的な実施形態において、プレバイオティクスはPreforPro(商標)である。特定の例示的な実施形態において、プロバイオティクスはガラクトオリゴ糖(GOS)である。
【0079】
ソフトゲルなどの特定の例示的な実施形態において、ソフトゲルの充填材料と共にプロバイオティクスを均一に分配するのに熱が必要とされる。しかし、当業者により理解されるように、熱はプロバイオティクスを死滅または不活性化させる場合がある。二重カプセル剤形では、例えば、プロバイオティクスはある殻体1に粉末などの異なる形態で存在でき、別の成分は第2の殻体2に存在できることで、このような問題が対処される。したがって、プロバイオティクスを分散させるのに熱は不要である。
【0080】
特定の例示的な実施形態において、ガス発生を低減または防止する二重カプセル剤形が提供される。当業者により理解されるように、酸性の活性成分を任意の炭酸塩溶液に添加すると、ガス発生が起こり得る。例えば、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムは、ビタミンCと反応して、二酸化炭素を発生させ得る。しかし、ナトリウムおよびカリウムはビタミンC(およびとりわけヒスタミンの減少においてケルセチン)の吸収を補助し、したがってビタミンCおよびケルセチンとともに有益に消費される。したがって、第1の充填材料に炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムなどの炭酸塩鉱物、ならびに第2の充填材料にビタミンCなどの酸性の活性成分を含む二重カプセル剤形が提供される。
【0081】
カプセルの製造
カプセルを製造するためのシステムおよび装置は、第1および第2のカプセル部材20、20’、20’’、30、30’’および上記の様々なカプセル半部に充填し、これを封止するようにサイズ調整および構成された少なくともカプセル体充填装置100(図9に例示)、ならびにカプセル部材と帯3、または殻体1、2もしくはカプセル部材と第1のカプセル部材20’、20’’、30’’とを結合してカプセルを形成するようにサイズ調整および構成されたカプセル形成装置200(図10に例示)を備える。カプセル体充填装置100およびカプセル形成装置200は、硬質材料、例えば、金属、木材、セラミックス、ポリマー材料などから形成され得る。
【0082】
図9を参照すると、カプセル体充填装置100は、殻体1、2を保持および配置するようにサイズ調整および構成された実質的に平面の回転ディスク102を備える。例えば、回転ディスクの上面108に画定された複数のポケット106は、回転ディスクの外周110に隣接して配置される。各ポケット106は、殻体1、2の少なくとも一部をそこに保持するようにサイズ調整および構成される。一例において、ポケット壁112の少なくとも一部は、殻体の弧状の閉鎖端部12、22に対応するように弧状であり得る(図11のポケット壁206参照)。例えば、殻体の開口端部11、21が回転ディスク102に背を向けた状態で、殻体の閉鎖端部がポケット106に配置されるように、ポケット壁の少なくとも一部は半球形であり得る。回転ディスク102は、ディスクの中心を通って延びる回転軸Aを有し得る。特定の例示的な実施形態において、回転ディスクの回転軸は、回転ディスクの上面108に実質的に垂直であり得る(すなわち、図9において頁を突出する)。
【0083】
カプセル体充填装置100は、複数の払出装置114をさらに備える。例えば、複数の払出装置は、少なくとも1つの殻体払出装置116、少なくとも1つの薬剤払出装置118およびキャップまたは帯払出装置120を備え得る。特定の例示的な実施形態において、複数の払出装置114は、回転ディスク102上に配置され得、したがって、ディスクが回転すると、ポケット106は、所望される払出装置の一部に隣接するように移動し得る。
【0084】
特定の例示的な実施形態において、殻体払出装置116は、殻体1、2を回転ディスク102の複数のポケット106の1つのポケットに配置するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、殻体払出装置は、殻体ホッパー122および殻体トラック124を備える。一例において、殻体ホッパーは、複数の殻体1、2を保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、殻体ホッパー122は複数の殻体のための貯蔵室126を有し得る。別の例において、殻体トラック124は、殻体1、2を殻体ホッパーから回転ディスク102に搬送するように構成され得る。例えば、殻体トラックは、殻体ホッパー122に結合された第1の端部130および回転ディスクのポケット106に隣接して配置された第2の端部132を有する殻体チューブ128を備え得る。使用時には、殻体ホッパー内の殻体は、チューブの内側ルーメンを通って回転ディスク102のポケット106に重力で供給され得る。任意で、殻体1、2は、殻体チューブ128の内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、チューブの第1の端部で正の空気圧および/またはチューブ128の第2の端部で負の空気圧(真空)により、殻体1、2がチューブの内側ルーメンを通って回転ディスク102のポケットに付勢され得る。
【0085】
特定の例示的な実施形態において、殻体トラック124は、殻体ホッパー122に隣接する第1の端部および回転ディスク102のポケット106に隣接する第2の端部を有する殻体コンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。この例において、殻体コンベヤーは、殻体1、2を殻体ホッパーから回転ディスクに搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0086】
さらに別の例示的な実施形態において、殻体トラック124および/または回転ディスク102は、殻体の閉鎖端部12、22が回転ディスク102の上面108に接触した状態、および殻体1、2の開口端部11、21が回転ディスクに背を向けた状態で、殻体1、2が回転ディスクのポケット106に配置され、したがって第1の側壁13または第2の側壁23の遠位縁部17、27が所定の距離で回転ディスクの上面から離間されるように構成され得る。
【0087】
さらに別の例示的な実施形態において、殻体トラック124および/または回転ディスク102は、殻体の閉鎖端部12、22が回転ディスク102の上面108に接触した状態、および殻体1、2の開口端部11、21が回転ディスクに背を向けた状態で、殻体1、2が回転ディスクのポケット106に配置され、したがって第1の側壁13または第2の側壁23の遠位縁部17、27が所定の距離で回転ディスクの上面から離間されるように構成され得る。
【0088】
薬剤払出装置118は、回転ディスク102の複数のポケット106の1つのポケットに配置された殻体1、2の各第1および第2の室5、6に充填材料36、37を挿入するようにサイズ調整および構成され得る。1つの例示的な実施形態において、薬剤払出装置は、薬剤ホッパー136および薬剤トラック138を備え得る。別の例示的な実施形態において、薬剤ホッパーは、充填材料36、37、例えば、薬剤などをそこに保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、薬剤ホッパー136は、所望される場合、液体充填材料、顆粒充填材料または粉末充填材料を保持するように構成された貯蔵室140を有し得る。薬剤トラック138は、充填材料を薬剤ホッパーから回転ディスク102に搬送するように構成され得る。例えば、薬剤トラックは、薬剤ホッパー136に結合された第1の端部144および回転ディスクのポケット106の殻体1、2に隣接して配置された第2の端部146を有する薬剤チューブ142を備え得る。使用時には、薬剤ホッパー内の充填材料36、37は、薬剤チューブの内側ルーメンを通って、および殻体の開口端部11、21を通って回転ディスク102のポケット106の殻体1、2の第1および第2の室5、6に重力で供給され得る。任意で、充填材料は薬剤チューブ142の内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、チューブの第1の端部で正の空気圧および/またはチューブ142の第2の端部で負の空気圧(真空)により、充填材料が、チューブの内側ルーメンを通って回転ディスク102の殻体1、2に付勢され得る。
【0089】
特定の例示的な実施形態において、薬剤トラック138は、薬剤ホッパー136に隣接する第1の端部および回転ディスク102のポケット106の殻体1、2に隣接する第2の端部を有する薬剤コンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。このような例において、薬剤コンベヤーは、充填材料を薬剤ホッパーから回転ディスク102に搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0090】
任意で、薬剤払出装置118は、複数の薬剤払出装置を備え得る。特定の例示的な実施形態において、第1の薬剤払出装置は、第1の充填材料36を回転ディスク102の殻体1、2に送達するように構成され得、第2の薬剤払出装置は、第2の充填材料37を回転ディスクの殻体に送達するように構成され得、そこで、第1の充填材料は、第2の充填材料と同じであるか、または異なる。例えば、第1の薬剤払出装置は、液体充填材料を殻体1、2に送達するように構成され得、第2の薬剤払出装置は、粉末充填材料を送達するように構成され得る。当然ながら、複数の薬剤払出装置は、3、4、5、6、7、8、9、10個または10個超の薬剤払出装置を備え得、各薬剤払出装置は、充填材料を回転ディスク102の殻体に送達するように構成されることが企図される。
【0091】
特定の例示的な実施形態において、キャップまたは帯払出装置120は、キャップ、例えば、第1のキャップ7および第2のキャップ8を回転ディスク102のポケット106に配置された殻体1、2上に、または帯43、43’、71もしくは72を殻体1、2上に配置するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、キャップまたは帯払出装置はホッパー148およびトラック150を備える。1つの例示的な実施形態において、ホッパー148は複数のキャップまたは帯を保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、ホッパー148は複数のキャップまたは複数の帯のための貯蔵室152を有し得る。さらなる例示的な実施形態において、トラック150は、キャップまたは帯をホッパーから回転ディスク102に搬送するように構成され得る。例えば、トラック150は、ホッパー148に結合された第1の端部156、および回転ディスクのポケット106に隣接して配置された第2の端部158を有するチューブ154を備え得る。別の例示的な実施形態において、ホッパー148および/またはトラック150は図9に例示するように複数のキャップまたは帯を積み重ねられた位置で保持するようにサイズ調整および構成され得る。使用時には、ホッパー148内のキャップまたは帯は、チューブ154の内側ルーメンを通って回転ディスク102の殻体1、2に重力で供給され得る。任意で、キャップまたは帯は、チューブの内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、チューブの第1の端部156で正の空気圧および/またはチューブ154の第2の端部158で負の空気圧(真空)により、キャップまたは帯が、チューブの内側ルーメンを通って回転ディスク102の殻体に付勢され得る。
【0092】
特定の例示的な実施形態において、トラック150は、ホッパー148に隣接する第1の端部および回転ディスク102の殻体1または2に隣接する第2の端部を有するコンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。このような例において、コンベヤーは、キャップまたは帯をホッパーから回転ディスクに搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0093】
カプセル体充填装置100は、キャップ7、8または帯43、43’、71もしくは72を殻体1、2に封止し、各カプセル部材20、20’、20’’、30、30’’を形成するように構成された封止装置160をさらに備える。1つの例示的な実施形態において、封止装置は少なくとも1つのレーザー162を備える。このような例において、レーザーは、キャップおよび/または殻体の少なくとも一部に向けられた集束レーザーであり得、したがってレーザー162は、キャップ7、8または帯43、43’、71もしくは72を殻体1または2に熱封止し得、それによりカプセル部材が形成される。別の例示的な実施形態において、レーザーはキャップまたは帯を殻体に約70°F~120°Fの温度で熱封止し得る。任意で、レーザー162はキャップまたは帯を殻体1、2に約80°F~110°Fの温度で熱封止し得る。さらなる例示的な実施形態において、レーザーは複数のレーザーを備え得る。したがって、以下にさらに詳細に記載されるように、回転ディスク102がそこに配置されたキャップおよび殻体と共に回転すると、複数のレーザーの各レーザー162は、所定の回転位置で、キャップもしくは帯および/または殻体1、2に向けられ得る。
【0094】
特定の例示的な実施形態において、封止装置160は少なくとも1つのヒーター164を備える。この例示的な実施形態において、ヒーターは、キャップ7、8または帯43、43’、71もしくは72、および/または殻体1、2に向けられた集束ヒーターであり得、したがってヒーター164は、キャップまたは帯を殻体に熱封止し、カプセル部材を形成し得る。特定の例示的な実施形態において、ヒーターはキャップまたは帯を殻体1、2に約70°F~120°Fの温度で熱封止し得る。任意で、ヒーター164はキャップまたは帯を殻体に約80°F~110°Fの温度で熱封止し得る。さらなる例示的な実施形態において、ヒーターは複数のヒーターを備え得る。したがって、以下にさらに詳細に記載されるように、回転ディスク102がそこに配置されたキャップまたは帯および殻体1、2と共に回転すると、複数のヒーターの各ヒーター164は、所定の回転位置で、キャップもしくは帯、および/または殻体に向けられ得る。
【0095】
カプセル体充填装置100は、充填され封止されたカプセル部材20、20’、20’’、30、30’’を冷却するように構成されたカプセル部材冷却装置166をさらに備える。例えば、カプセル部材冷却装置は、冷気または他の冷却された流体を回転ディスク102に配置されたカプセル部材に向けるように構成されたチラーを備え得る。特定の例示的な実施形態において、冷却装置166は、回転ディスク102の少なくとも一部が冷却装置の一部分間で回転するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、冷却装置166は、回転ディスクの少なくとも一部が冷却装置の一部分間で回転するようにサイズ調整および構成された「C」型冷却装置であり得る。特定の例示的な実施形態において、冷却装置166は、カプセル部材を約35°F~65°Fの温度で冷却し得る。任意で、冷却装置は、カプセル部材を約45°F~55°Fの温度で冷却し得る。
【0096】
次に、図10を参照すると、カプセル形成装置200は、(i)第1のカプセル部材20と第2のカプセル部材30とを帯3で、(ii)充填材料が充填される空の殻体1、2と、そこにすでに封止して接合された帯43、43’を有するカプセル部材20’とを、(iii)第1のカプセル部材20と、そこにすでに封止して接合された帯43、43’’を有するカプセル部材20’とを、または(iv)第1のカプセル部材20’’と第2のカプセル部材30’’とを結合してカプセル10を形成するようにサイズ調整および構成され得る。カプセル形成装置の少なくとも諸部分は、硬質材料、例えば、金属、木材、セラミックス、ポリマー材料などから形成され得る。
【0097】
回転プレート、充填機構および正圧または負圧システムの試料構成は米国特許第4,964,262号および第3,070,932号に記載されている。図10に代表的に例示するように、カプセル形成装置200は、対の重畳された回転プレートである下部プレート202および上部プレート203を備え、各回転プレートは、殻体1もしくは2および/またはカプセル部材20、20’、20’’、30もしくは30’’をそこに保持するようにサイズ調整および構成された複数の空隙206を有する。下部プレート202はプレート上面208を有し、上部プレート203はプレート下面210を有し、これらは向かい合っている。複数の空隙206は下部プレート202の上面208および上部プレート203のプレート下面210に画定される。このような例において、複数の空隙206は、各回転プレートの外周214に隣接して配置されるが、これに限定されない。
【0098】
上部プレート203において、図11で最もよく分かるように、空隙206は、プレート下面210からプレート上面211までの空洞としてプレートを貫通し、該空隙は、そこに封止して接合されたキャップまたは帯を有するカプセル部材が空隙を通って収容されるようなサイズを持つ。そのため、キャップまたは帯が下部プレート202に向かって配向された状態で、カプセル部材は、プレート上面211を通って上部プレート203に導入され得る(すなわち、最初にキャップまたは帯が空隙206に入る)。上部プレート203は各空隙206への複数の圧力流路213を備え、圧力源Pからの負圧を印加して、プレート下面210を越えて下部プレート202に向かって延びるキャップおよび/または帯と共に、各カプセル部材を所定の位置で保持する。殻体がキャップを収容し、カプセル部材が帯を収容する任意の実施形態において、殻体またはカプセル部材は、0.015インチ(0.38mm)~0.030インチ(0.76mm)の範囲の距離で、上部プレート203のプレート下面210または下部プレート202のプレート上面208から突出すべきである。
【0099】
図11に下部プレート202について示すように、空隙壁212の少なくとも一部は、カプセル部材の殻体1、2の閉鎖端部12、22に対応するように弧状であり得る。例えば、カプセル部材のキャップ7、8もしくは帯、または殻体1、2の開口端部が、これが配置される下部プレート202に背を向けた状態で、カプセル部材の閉鎖端部が空隙206に配置され得るように、空隙壁212の少なくとも一部は半球形であり得る。さらに別の例示的な実施形態において、カプセル部材の少なくとも一部を空隙内に確実に保持するために、上部および/または下部プレート202、203の各空隙に真空が印加され得る。あるいは、空隙206の壁212とカプセル部材または殻体との間の重力および/または摩擦嵌合により、それが下部プレート202に確実に保持され得る。
【0100】
下部プレート202は、第1のプレート204のプレート上面208に実質的に垂直である、その中心を通って延びる回転軸Ap1を有し、上部プレート203は、プレート下面210に実質的に垂直である、その中心を通って延びる回転軸Ap2を有する。下部プレート202の回転軸Ap1および上部プレート203の回転軸Ap2は同軸整合する。第1の位置において、下部プレート202は、プレートの外周の周り214と同じ距離である所定の距離で、上部プレート203から離間され得る。
【0101】
図12を参照すると、アクチュエータ280が、上部プレート203または下部プレート202を他方(図12の上部プレート203)に対して軸方向に枢動させて、一方のプレート位置218を他方のプレートに向かって、および対向するプレート位置220を他方のプレートから離れるように移動させる。アクチュエータ280は、さらなる参照のために図10にも示されている。プレート202または203のうち1つをこのように枢動させると、第1のプレート位置218ではプレートが距離Dで離間され、第2のプレート位置218では距離Dで離間され、DはDを上回る。プレート202または203のうち1つを枢動させると、各々下向きまたは上向きの力が得られ、カプセル部材(複数可)を帯内または帯上に押動して、スナップ嵌合、クリック嵌合、緩衝嵌合、摩擦嵌合またはテレスコーピング嵌合し得る。あるいはまたはさらに、正圧が気流を用いて印加されて、カプセル部材(複数可)を帯に向かって押動し得る。また、アクチュエータ280は、組み立てられたカプセルが上部プレート203から除去され、その後の封止および冷却ステーションまで下部プレート202内だけで回転し得るように、上部プレート203を他方のプレートに対して上昇させるか、または下部プレート202を他方のプレートに対して降下させる能力を有する。
【0102】
図13を参照すると、別の実施形態において、第1のプレートの上面208が、第2のプレートの下面210に対して鋭角であるように、下部プレート202の回転軸Ap1は上部プレート203の回転軸Ap2に対して鋭角θであり得る。この例示的な実施形態において、下部プレート202は、プレートの外周214の周りで変動する所定の距離で上部プレート203から離間され得る。例えば、第1のプレート位置218で、下部プレート202の上面208は、第1の所定の距離で、上部プレート203の下面210から離間され得、第2のプレート位置220で、下部プレート202の上面208は、第2の所定の距離で、上部プレート203の下面210から離間され得、これは第1のプレート位置を下回る。
【0103】
理解されるように、1つの例示的な実施形態において、下部プレート202の少なくとも1つが実質的に水平面で回転するように、下部プレート202の回転軸Ap1および/または上部プレート203の回転軸Ap2は、図11および12に例示するように実質的に垂直であり得る。別の例示的な実施形態において、図13に例示するように、下部プレート202の少なくとも1つが水平と垂直との間にある平面で回転するように、下部プレート202の回転軸Ap1および/または上部プレート203の回転軸Ap2は垂直と水平の間にあり得る。さらに別の例示的な実施形態において、下部プレート202の少なくとも1つが実質的に垂直面で回転するように、下部プレート202の回転軸Ap1および/または上部プレート203の回転軸Ap2は実質的に水平であり得る(例示せず)。
【0104】
特定のプレート位置において、下部プレート202の上面208の各空隙206は、上部プレート203の下面210の空隙と整合し得る。少なくとも1つのプレート位置について、または上部および下部プレート202、203の回転の一部については、下部プレート202の各空隙の長手方向軸Av1は、上部プレート203の各空隙の長手方向軸Av2と実質的に同軸整合し得る。したがって、以下により詳細に示すように、使用時には、下部プレート202の上面208の空隙206に配置された第1のカプセル部材は、上部プレート203の下面210の空隙に配置された第2のカプセル部材と整合し得る。
【0105】
例えば、下部プレート202の回転軸Ap1が、上部プレート203の回転軸Ap2に対して鋭角である場合、プレートの回転の少なくとも一部については、第1のプレートの空隙206の長手方向軸Av1は、第2のプレートの空隙の長手方向軸Av2と実質的に同軸整合し得る。別の例において、下部プレート202の回転軸Ap1が、上部プレート203の回転軸Ap2に対して鋭角である場合、第1のプレートおよび第2のプレートが、第1のプレート位置218および第2のプレート位置220に対しておよびこれらの間の任意の位置にある状態で、第1のプレートの空隙206の長手方向軸Av1は、第2のプレートの空隙の長手方向軸Av2と実質的に同軸整合し得る。
【0106】
カプセル形成装置200は、複数の分配装置222をさらに備える。例えば、複数の分配装置は、少なくとも1つの第1のカプセル部材または殻体分配装置224、第2のカプセル部材分配装置226および帯または充填物分配装置228を備え得る。1つの例示的な実施形態において、複数の分配装置222は複数の回転プレート202、203に隣接して配置され得、したがって、プレートが回転すると、プレートの空隙206は所望される分配装置に隣接するように移動し得る。
【0107】
第1のカプセル部材分配装置224は、第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2を第1の回転プレート204の複数の空隙の空隙206に配置するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、第1のカプセル部材分配装置は第1のホッパー230および第1のトラック232を備える。特定の例示的な実施形態において、第1のホッパーは、複数の第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2を保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、第1のホッパー230は、複数の第1のカプセル部材または殻体のための貯蔵室234を有し得る。別の例示的な実施形態において、第1のトラック232は第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2を第1のホッパーから下部プレート202に搬送するように構成され得る。例えば、第1のトラック232は、第1のカプセル部材ホッパー230に結合された第1の端部238、および第1の回転プレートの空隙(複数可)206に隣接して配置された第2の端部240を有する第1のチューブ236を備え得る。使用時には、第1のホッパー内の第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2は、第1のチューブの内側ルーメンを通って下部プレート202の上面208の空隙(複数可)206に重力で供給され得る。任意で、第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2は、第1のチューブ236の内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、第1のチューブの第1の端部で正の空気圧および/または第1のチューブ236の第2の端部で負の空気圧(真空)により、第1のカプセル部材20もしくは20’’または殻体1、2が、チューブの内側ルーメンを通って下部プレート202の空隙に付勢され得る。
【0108】
別の例示的な実施形態において、第1のトラック232は、例えば、第1のホッパー230に隣接する第1の端部および下部プレート202の空隙206に隣接する第2の端部を有する第1のコンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。この例示的な実施形態において、第1のコンベヤーは、第1のカプセル部材20、20’’または殻体1、2を第1のホッパーから下部プレート202に搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0109】
第2のカプセル部材分配装置226は、第2のカプセル部材20’、30または30’’を上部プレート203の空隙(複数可)206に配置するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、第2のカプセル部材分配装置226は第2のホッパー242および第2のトラック244を備える。1つの例示的な実施形態において、第2のホッパー242は、複数の第2のカプセル部材20’、30または30’’を保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、第2のホッパー242は複数の第2のカプセル部材20’、30または30’’のための貯蔵室246を有し得る。別の例示的な実施形態において、第2のトラック244は、第2のカプセル部材20’、30または30’’を第2のホッパーから上部プレート203に搬送するように構成され得る。例えば、第2のトラックは、第2のホッパー242に結合された第1の端部250、および上部プレート203の空隙206に隣接して配置された第2の端部252を有する第2のチューブ248を備え得る。使用時には、第2のホッパー内の第2のカプセル部材20’、30または30’’は、第2のチューブの内側ルーメンを通って上部プレート203の下面210の空隙(複数可)206に重力で供給され得る。任意で、第2のカプセル部材20’、30または30’’は、第2のチューブ248の内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、チューブの第1の端部で正の空気圧および/またはチューブ248の第2の端部で負の空気圧(真空)により、第2のカプセル部材20’、30または30’’が、チューブの内側ルーメンを通って上部プレート203の空隙(複数可)206に付勢され得る。
【0110】
別の例示的な実施形態において、第2のトラック244は、例えば、第2のホッパー242に隣接する第1の端部、および上部プレート203の空隙206に隣接する第2の端部を有する第2のカプセル部材コンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。この例示的な実施形態において、第2のコンベヤーは、第2のカプセル部材20’、30または30’’を第2のホッパーから上部プレート203に搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0111】
第3の分配装置222は、帯3、液体充填物または粉末充填物を分配するために存在し得るか、または空の場合もある。組み立てられるカプセル部材が第1および第2のカプセル部材20および30であるとき、第3の分配装置222は、第1および第2のカプセル部材20、30のいずれか下部プレート202にある方の周りに帯3を配置するようにサイズ調整および構成された帯分配装置228である。例えば、帯分配装置228は第3のホッパー254および第3のトラック256を備える。特定の例示的な実施形態において、第3のホッパー254は、複数の帯3を保持するようにサイズ調整および構成された容器であり得る。すなわち、第3のホッパー254は複数の帯のための貯蔵室258を有し得る。別の例示的な実施形態において、第3のトラック256は、帯3を第3のホッパーから第1および第2のカプセル部材20、30に搬送するように構成され得る。例えば、第3のトラックは、第3のホッパー254に結合された第1の端部262、および下部プレート202の第1のカプセル部材20および上部プレート203の第2のカプセル部材30に隣接して配置された第2の端部264を有する帯チューブ260を備え得る。使用時には、第3のホッパー内の帯3は、帯チューブ260の内側ルーメンを通って下部プレート202および上部プレート203の第1および第2のカプセル部材に重力で供給され得る。任意で、帯3は、帯チューブ260の内側ルーメンを通って空気圧で付勢され得る。例えば、チューブの第1の端部で正の空気圧および/またはチューブ260の第2の端部で負の空気圧(真空)により、帯3が、チューブの内側ルーメンを通って下部プレート202および上部プレート203の第1および第2のカプセル部材に付勢され得る。
【0112】
別の例示的な実施形態において、第3のトラック256は、例えば、ホッパー254に隣接する第1の端部、ならびに下部プレート202の第1のカプセル部材20および上部プレート203の第2のカプセル部材30に隣接する第2の端部を有する帯コンベヤー、例えば、無端コンベヤーベルトなどを備え得る。この例示的な実施形態において、帯コンベヤーは、帯3を、第3のホッパー254から第1および第2のカプセル部材20、30のいずれか下部プレート202にある方に搬送するようにサイズ調整および構成され得る。
【0113】
カプセル形成装置200は、帯3を第1および第2のカプセル部材に封止し、カプセルを形成するように構成されたカプセル封止装置266をさらに備える。カプセル封止装置266は、図10に例示するように、カプセルの両半部が嵌合されるステーション、またはカプセルの両半部が嵌合されるステーションの後続のステーションにあってよいが、両方のステーションにある必要はない。特定の例示的な実施形態において、カプセル封止装置266は少なくとも1つのカプセル封止レーザー268を備える。この例示的な実施形態において、カプセル封止レーザーは、帯および/またはカプセル部材に向けられた集束レーザーであり得、したがってカプセル封止レーザー268は、帯もしくは帯部分をカプセル部材に、ならびに/または帯部分を互いに熱封止し得、それによりカプセルが形成される。別の例示的な実施形態において、カプセル封止レーザーは帯または帯部分をカプセル部材に約70°F~120°Fの温度で熱封止し得る。任意で、カプセル封止レーザー268は帯または帯部分をカプセル部材に約80°F~110°Fの温度で熱封止し得る。さらなる例示的な実施形態において、少なくとも1つのカプセル封止レーザーは複数のカプセル封止レーザーを備え得る。したがって、以下にさらに詳細に記載されるように、下部プレート202がそこに配置された帯およびカプセル部材と共に回転すると、複数のレーザーの各カプセル封止レーザー268は、所定の回転位置で、帯および/またはカプセル部材に向けられ得る。
【0114】
特定の例示的な実施形態において、カプセル封止装置266は少なくとも1つのカプセル封止ヒーター270を備える。この例示的な実施形態において、少なくとも1つの封止ヒーターは、帯および/またはカプセル部材に向けられた集束ヒーターであり得、したがってカプセル封止ヒーター270は、帯をカプセル部材に、または帯部分を互いに熱封止して、カプセルを形成し得る。別の例示的な実施形態において、カプセル封止ヒーターは、帯をカプセル部材に、または帯部分を、約70°F~120°Fの温度で熱封止し得る。任意で、カプセル封止ヒーター270は、帯をカプセル部材に、または帯部分を、約80°F~110°Fの温度で熱封止し得る。さらなる例示的な実施形態において、少なくとも1つのカプセル封止ヒーターは複数のカプセル封止ヒーターを備える。したがって、以下にさらに詳細に記載されるように、下部プレート202がそこに配置された帯およびカプセル部材と共に回転すると、複数のカプセル封止ヒーターの各カプセル封止ヒーターは、所定の回転位置で、帯および/またはカプセル部材に向けられ得る。
【0115】
カプセル形成装置200は、組み立てられ封止されたカプセルを冷却するように構成されたカプセル冷却装置272をさらに備える。例えば、カプセル冷却装置は、冷気または他の冷却された流体を少なくとも下部プレート202に配置されたカプセル(複数可)に向けるように構成されたカプセルチラー274を備え得る。特定の例示的な実施形態において、カプセル冷却装置272は、カプセルの少なくとも一部がカプセル冷却装置の一部分間で回転するようにサイズ調整および構成され得る。例えば、カプセル冷却装置272は、少なくとも下部プレートの少なくとも一部がカプセル冷却装置の一部分間で回転するようにサイズ調整および構成された「C」型カプセル冷却装置であり得る。特定の例示的な実施形態において、カプセル冷却装置は、カプセル(複数可)を約35°F~65°Fの温度で冷却し得る。任意で、カプセル冷却装置272は、カプセル(複数可)を約45°F~55°Fの温度で冷却し得る。
【0116】
図9に戻って参照すると、二重放出カプセル剤形10の第1のカプセル部材20を形成するために、第1の殻体1は、殻体ホッパー122に供給および装填され得、第1の充填材料36は、少なくとも1つの薬剤ホッパー136に供給および装填され得、第1のキャップ7は、キャップホッパー148に供給および装填され得る。第1の殻体の第1の開口端部11が回転ディスクに背を向けた状態で、第1の殻体は、殻体ホッパー122から回転ディスク102のポケット106へと殻体トラック124を下方に付勢され得る。例えば、第1の殻体は、殻体トラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。次いで、回転ディスク102は、第1の殻体1の開口端部11が薬剤トラック138の一部に隣接するように回転し得る。
【0117】
第1の充填材料36は、薬剤ホッパー136から薬剤トラック138を下方に付勢され、第1の殻体1の開口端部11を通って第1の殻体の第1の室5に入り得る。例えば、第1の充填材料は、薬剤トラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され、第1の殻体1の第1の室に入り得る。次いで、回転ディスク102は、第1の殻体1の開口端部11がキャップトラック150の一部に隣接するように回転し得る。
【0118】
第1のキャップ7は、キャップホッパー148からキャップトラック138を下方に付勢され、第1の殻体1の開口端部11上に配置され得る。例えば、第1のカバー14および/または第1のキャップ7の第1のリップの一部は、第1の殻体1の第1の側壁13の遠位縁部17を係合して、第1の充填材料36を第1の室5に封入し得る。すなわち、第1のキャップの少なくとも一部は、第1の殻体と接触して第1の充填材料を第1の室内に封入し得る。特定の例示的な実施形態において、第1のキャップ7は、キャップトラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。次いで、回転ディスク102は、第1の殻体1、第1の充填材料36および第1のキャップ7が封止装置160に隣接しておよび/またはこれと整合して配置されるように回転し得る。
【0119】
特定の例示的な実施形態において、封止装置160が少なくとも1つのレーザー162を備える場合、第1の殻体1および/または第1のキャップ7がレーザーと整合するまで、回転ディスク102は回転し得、したがって、レーザーにより第1のキャップが第1の殻体に封止され得、第1のカプセル部材20が形成される。別の例示的な実施形態において、封止装置が少なくとも1つのヒーター164を備える場合、第1の殻体1および/または第1のキャップ7がヒーター164からの熱を受けるように配置されるまで、ディスクは回転し得、したがって、熱により第1のキャップが第1の殻体に封止され得、第1のカプセル部材20が形成される。次いで、回転ディスク102は、第1のカプセル部材20がカプセル部材冷却装置166に隣接しておよび/またはこれと整合して配置されるように回転し得る。
【0120】
特定の例示的な実施形態において、カプセル部材冷却装置166がチラーを備える場合、第1のカプセル部材が、第1の部材20を所望の温度に冷却するためにチラーからの流体または空気で冷却されるように配置されるまで、回転ディスク102は回転し得る。所望の温度に到達したら、第1の部材は、回転ディスク102から重力で、空気圧でまたは機械的に排出され得る。
【0121】
理解されるように、複数の第1の殻体1、第1の充填材料36および第1のキャップ7が各ホッパーに供給され得るので、第1のカプセル部材を手動で形成する方法と比較して、カプセル体充填装置は複数の第1のカプセル部材20を迅速かつ安価に製造できる。
【0122】
二重放出カプセル剤形10の第2のカプセル部材30を形成するために、上の方法が繰り返される。第2の殻体2は、殻体ホッパー122に供給および装填され得、第2の充填材料37は、少なくとも1つの薬剤ホッパー136に供給および装填され得、第2のキャップ8は、キャップホッパー148に供給および装填され得る。第2の殻体の開口端部21が回転ディスクに背を向けた状態で、第2の殻体は、殻体ホッパー122から回転ディスク102のポケット106へと殻体トラック124を下方に付勢され得る。例えば、第2の殻体2は、殻体トラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。次いで、回転ディスク102は、第2の殻体の開口端部21が薬剤トラック138の一部に隣接するように回転し得る。
【0123】
第2の充填材料37は、薬剤ホッパー136から薬剤トラック138を下方に付勢され、第2の殻体2の開口端部21を通って第2の殻体の第2の室6へと入り得る。例えば、第2の充填材料は、薬剤トラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。次いで、回転ディスク102は、第2の殻体21の開口端部21がキャップトラック150の一部に隣接するように回転し得る。
【0124】
第2のキャップ8は、キャップホッパー148からキャップトラック138を下方に付勢され、第2の殻体2の開口端部21上に配置され得る。例えば、第2のキャップ8の第2のカバー24および/または第2のリップ25の一部は、第2の殻体2の第2の側壁23の遠位縁部27を係合して、第2の充填材料37を第2の室6に封入し得る。すなわち、第2のキャップの少なくとも一部は第2の殻体と接触して、第2の充填材料を第2の室内に封入し得る。特定の例示的な実施形態において、第2のキャップ8は、キャップトラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。次いで、回転ディスク102は、第2の殻体2、第2の充填材料37および第2のキャップ8が封止装置160に隣接しておよび/またはこれと整合して配置されるように回転し得る。
【0125】
特定の例示的な実施形態において、封止装置160が少なくとも1つのレーザー162を備える場合、第2の殻体2および/または第2のキャップ8がレーザーと整合するまで、回転ディスク102は回転し得、したがってレーザーにより第2のキャップが第2の殻体に封止され得、第2のカプセル部材30が形成される。別の例示的な実施形態において、封止装置が少なくとも1つのヒーター164を備える場合、第2の殻体2および/または第2のキャップ8がヒーター164からの熱を受けるように配置されるまで、ディスクは回転し得、したがって、熱により第2のキャップが第2の殻体に封止され得、第2のカプセル部材30が形成される。次いで、回転ディスク102は、第2のカプセル部材30がカプセル部材冷却装置166に隣接しておよび/またはこれと整合して配置されるように回転し得る。
【0126】
特定の例示的な実施形態において、カプセル部材冷却装置166がチラーを備える場合、第2のカプセル部材30が、第2のカプセル部材を所望の温度に冷却するためにチラーからの流体または空気で冷却されるように配置されるまで、回転ディスク102は回転し得る。所望の温度に到達したら、第2のカプセル部材30は、回転ディスク102から重力で、空気圧でまたは機械的に排出され得る。
【0127】
理解され得るように、複数の第2の殻体2、第2の充填材料37および第2のキャップ8が各ホッパーに供給され得るので、第2のカプセル部材を手動で形成する方法と比較して、カプセル体充填装置100は複数のカプセル部材30を迅速かつ安価に製造できる。
【0128】
図9をさらに参照すると、第1のカプセル部材20または第2のカプセル部材30のための上記の方法は、本明細書に開示される他のカプセル部材の1つを形成するために繰り返すことができ、帯43、43’、71または72がキャップまたは帯分配装置120に導入されて、カプセル部材20’、20’’または30’’が形成される。
【0129】
図2の二重放出カプセル剤形10の形成について例示する図10を参照すると、カプセル形成装置200は第1のカプセル部材20と第2のカプセル部材30とを帯3で結合する。第1のカプセル部材20は、第1のホッパー230に供給および装填され、第2のカプセル部材30は、第2のホッパー242に供給および装填され、帯3は、第3のホッパー254に供給および装填される。第1のカプセル部材の第1のキャップ7が第1の回転プレートに背を向けた状態で、第1のカプセル部材20は、第1のカプセル部材ホッパー230から下部プレート202の空隙206へと第1のトラック232を下方に付勢される。第1のカプセル部材20は、第1のトラック全体を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。
【0130】
第2のカプセル部材30の第2のキャップ8が上部プレートに背を向けた状態で、第2のカプセル部材30は、第2のホッパー242から上部プレート203の空隙206へと第2のトラック232を下方に付勢され得る。第2のカプセル部材30は、第2のトラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。
【0131】
帯3は、第3のホッパー254から各上部および下部プレート202、203に配置された第1および第2のカプセル部材20、30へと第3のトラック256を下方に付勢される。帯3は、帯トラック上を重力で、空気圧でまたは機械的に付勢され得る。特定の例示的な実施形態において、第1のカプセル部材20の一部は帯3の第1の入口ポート34を通って帯の通路33に挿入され得、第2のカプセル部材30の一部は、第2の入口ポート35を通って帯3の通路に挿入され得る。通路において、第1のカプセル部材は、所定の距離で第2のカプセル部材から離間されて、第3の室4を形成し得る。
【0132】
下部プレート202および上部プレート203は、同時に(すなわち、同じ速度および同じ時間で)回転して、第1のカプセル部材20、第2のカプセル部材30および帯3を、カプセル封止装置266に隣接および/または整合した位置に移動させ得るか、または下部プレート202だけがカプセルを保持して、カプセル封止装置266まで回転するようにアクチュエータ280を用いてプレート202、203を分離させてもよい。カプセル封止装置は、熱を帯3および/またはカプセル部材20、30に向けて、帯を第1および第2のカプセル部材20、30に封止し、カプセル10を形成し得る。例えば、カプセル封止装置266が少なくとも1つのカプセルレーザー268を備える場合、帯3および/またはカプセル部材20、30がカプセルレーザーと整合するまで、上部および下部プレート202、203は回転し得、したがって、カプセルレーザーにより帯が第1および第2のカプセル部材20、30に封止され得、カプセル10が形成される。別の例示的な実施形態において、カプセル封止装置が少なくとも1つのカプセルヒーター270を備える場合、帯3および/またはカプセル部材20、30が、カプセルヒーターからの熱を受けるように配置されるまで、上部および下部プレート202、203は回転し得、したがって、熱により帯3が第1および第2のカプセル部材20、30に封止され得、カプセル10が形成される。次いで、上部および下部プレート202、203は、カプセルがカプセル冷却装置272に隣接しておよび/またはこれと整合して配置されるように回転し得る。
【0133】
特定の例示的な実施形態において、カプセル冷却装置272がカプセルチラーである場合、カプセル10が、カプセルを所望の温度に冷却するためにカプセルチラーからの流体または空気で冷却されるように配置されるまで、上部および下部プレート202、203は回転し得る。所望の温度に到達したら、カプセル10は、上部および下部プレート202、203から重力で、空気圧でまたは機械的に排出され得る。
【0134】
理解されるように、複数の第1のカプセル部材20、第2のカプセル部材30および帯3が各ホッパーに供給され得るので、カプセル10を手動で形成する方法と比較して、カプセル形成装置200は複数のカプセルを迅速かつ安価に製造できる。
【0135】
本開示の実施形態の上記の詳細な説明は、排他的であるか、または上記で開示された正確な形態に教示を限定することを意図するものではない。本開示の特定の実施形態および例が、例示目的のために上に記載されたが、当業者により認識および理解されるように、様々な同等の修正が本開示の範囲内で可能である。例えば、方法が所与の順序で提供され得る一方で、代替の実施形態は、異なる順序のステップを有するルーチンを実施し得、いくつかのステップは、削除、移動、追加、細分、組み合わせおよび/または修正されて、代替物または副結合が提供される。これらの方法は各々、当業者により理解されるように様々な異なる方法で実施され得る。また、方法は連続して実行されるように示される場合もあるが、これらの方法は、並列に実行されてもよく、または異なる時間で実行されてもよい。さらに、本明細書に記載のあらゆる特定の数字は例にすぎず、代替の実行例では異なる値または範囲が用いられ得る。
【0136】
本明細書で提供される開示の教示は、必ずしも上に記載されたシステムに限らず他のシステムにも適用できる。上記の様々な実施形態の要素および動作を組み合わせ、さらなる実施形態が提供され得る。例えば、参照により本明細書に組み込まれる上に記載されたいずれかの特許は、必要な場合、修正されて、本明細書に提供される開示のさらにさらなる実施形態が提供され得る。さらに、上記の説明は、特定の実施形態について記載したが、教示は、上記が文献中でいかに詳細に記載されているかにかかわらず、当業者により理解される多くの方法で実施され得る。カプセル部材、カプセル、ならびに関連する方法および製品の詳細は、その実施の詳細において大幅に変動し得るが、それでもなお本明細書に開示される主題に包含される。したがって、本発明の例示的な実施形態について示し、記載してきたが、本明細書で使用するすべての用語が、限定より説明のためのものであり、多くの変更形態、修正形態および置換形態が、以下の特許請求の範囲の精神および範囲から逸脱せずに当業者によりなされ得ることを理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5A-5B】
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13