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  • 特許-半導体パッケージ構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】半導体パッケージ構造
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/29 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
H01L23/36 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2021026628
(22)【出願日】2021-02-22
(65)【公開番号】P2022100191
(43)【公開日】2022-07-05
【審査請求日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】109145666
(32)【優先日】2020-12-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】311005208
【氏名又は名称】▲き▼邦科技股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】李 東昇
(72)【発明者】
【氏名】▲ほう▼ 規浩
(72)【発明者】
【氏名】魏 兆▲けい▼
(72)【発明者】
【氏名】郭 晉村
(72)【発明者】
【氏名】李 佩螢
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0019379(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0262444(US,A1)
【文献】特開2001-244362(JP,A)
【文献】特開2001-007262(JP,A)
【文献】特開平07-226457(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0168952(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第114520197(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/29
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路層を有している可撓性基板と、
前記可撓性基板に設置し、前記回路層に電気的に接続し、露出面を露出しているチップと、
前記チップの前記露出面に設置し、キャリアと、放熱層と、接着層とを含み、前記放熱層は前記キャリアと前記接着層との間に位置し、前記接着層は第一接着面により前記チップの前記露出面に貼り付け、前記放熱層と前記チップとの間に前記接着層を包囲している空間を形成している放熱シートと、を備え
前記接着層は前記チップの前記露出面に投影し、前記露出面に第一投影領域を形成し、
前記チップの前記露出面は第一端部を有し、前記放熱層の表面は第二端部を有し、前記第一投影領域は第三端部を有し、前記第一端部、前記第二端部、及び前記第三端部により前記空間を定義し、
前記キャリアは前記チップの前記露出面に投影し、前記露出面に第三投影領域を形成し、前記第三投影領域は第五端部を有し、前記第五端部は前記露出面の前記第一端部と前記第一投影領域の前記第三端部との間に位置していることを特徴とする半導体パッケージ構造。
【請求項2】
記第一投影領域の領域面積は前記露出面の表面積未満であり、前記第一投影領域は前記露出面中に位置し、前記接着層は第二接着面により前記放熱層の前記表面に貼り付け、前記接着層は前記放熱層の前記表面に投影し、前記表面には第二投影領域を形成し、前記第二投影領域の領域面積は前記表面の表面積未満であり、前記第二投影領域は前記表面中に位置していることを特徴とする請求項1に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項3】
記第二投影領域は第四端部を有し、前記第一端部、前記第二端部、前記第三端部、及び前記第四端部により前記空間を定義していることを特徴とする請求項2に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項4】
記第二端部と前記第四端部との間には20μm以上である間隔を有していることを特徴とする請求項3に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項5】
前記第一端部と前記第三端部との間には20μm以上である間隔を有していることを特徴とする請求項に記載の半導体パッケージ構造。
【請求項6】
前記第五端部と前記露出面の前記第一端部とは重畳していることを特徴とする請求項に記載の半導体パッケージ構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻き取り可能であり、放熱シートを貼り付けている可撓性の半導体パッケージ構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
薄膜フリップチップパッケージ(COF)は薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(Thin film transistor liquid crystal display、TFT LCD)のドライバICのパッケージ方式の1つであり、高解像度及び高性能が求められる。この種の薄膜フリップチップパッケージは、高熱が発生することによりドライバICが損壊することがあった。
【0003】
薄膜フリップチップパッケージ構造として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。第一放熱部材の接着層によりチップ及び薄膜基板に貼り付け、チップに対する放熱を行っている。特許文献1には接着層の端部が基材、熱伝導層、第一金属層、及び第二金属層の端部に平たく揃えていると記載されているため、薄膜フリップチップパッケージ構造が押圧された場合、外力(例えば、巻き取る際の圧力等)により基材、熱伝導層、第一金属層、及び第二金属層の端部に接着層が溢れ出すか突出し、薄膜フリップチップパッケージ構造が汚染された。また、薄膜フリップチップパッケージ構造が巻き取られた場合、基材、熱伝導層、第一金属層、及び第二金属層の端部に溢れ出すか突出する接着層により薄膜フリップチップパッケージ構造が相互に接着してしまい、薄膜フリップチップパッケージ構造の品質及び歩留まりに影響を与えた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】台湾登録実用新案第M602725号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、チップに貼り付けた放熱シートの接着層が放熱シートに溢れ出すか突出し汚染される事象を回避する半導体パッケージ構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の半導体パッケージ構造は、回路層を有している可撓性基板と、前記可撓性基板に設置し、前記回路層に電気的に接続し、露出面を露出しているチップと、前記チップの前記露出面に設置し、キャリアと、放熱層と、接着層とを含み、前記放熱層は前記キャリアと前記接着層との間に位置し、前記接着層は第一接着面により前記チップの前記露出面に貼り付け、前記放熱層と前記チップとの間に前記接着層を包囲している空間を形成している放熱シートと、を備え、前記接着層は前記チップの前記露出面に投影し、前記露出面に第一投影領域を形成し、前記チップの前記露出面は第一端部を有し、前記放熱層の表面は第二端部を有し、前記第一投影領域は第三端部を有し、前記第一端部、前記第二端部、及び前記第三端部により前記空間を定義し、前記キャリアは前記チップの前記露出面に投影し、前記露出面に第三投影領域を形成し、前記第三投影領域は第五端部を有し、前記第五端部は前記露出面の前記第一端部と前記第一投影領域の前記第三端部との間に位置している。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、接着層が押圧された場合、絞り出された接着層を空間に収容することで接着層が放熱シートに溢れ出す或いは突出する事象を回避する。また、複数の可撓性の半導体パッケージ構造を巻き取る際に、これら可撓性の半導体パッケージ構造が相互に接着する事象も回避する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一実施形態に係る半導体パッケージ構造の回路基板の平面図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る半導体パッケージ構造の回路基板の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明による実施形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態について図1から図2に基づいて説明する。
【0011】
本発明に係る半導体パッケージ構造100(例えば、薄膜フリップチップパッケージ、COF等)は、可撓性基板110と、チップ120と、放熱シート130と、を備えている。可撓性基板110は回路層111及び保護層112を有している。
図1及び図2に示すように、本実施形態では、回路層111は可撓性基板110の表面に設置し、保護層112は回路層111を被覆し、保護層112は回路層111の複数のインナーリード111aを露出している。
【0012】
図1及び図2に示すように、チップ120は可撓性基板110に設置し、チップ120は複数のバンプ121により回路層111のこれらインナーリード111aに電気的に接続し、チップ120は露出面120aを露出している。
本実施形態では、可撓性基板110とチップ120との間にアンダーフィル140を充填し、アンダーフィル140はこれらバンプ121を被覆している。
【0013】
放熱シート130はチップ120の露出面120aに設置し、放熱シート130はキャリア131と、放熱層132と、接着層133と、を備えている。放熱層132はキャリア131と接着層133との間に位置し、接着層133は第一接着面133a及び第二接着面133bを有している。接着層133は第一接着面133aによりチップ120の露出面120aに貼り付け、接着層133は第二接着面133bにより放熱層132の表面132aに貼り付け、放熱層132とチップ120との間に接着層133を包囲する空間Rを形成している。
【0014】
接着層133はチップ120の露出面120aに投影し、露出面120aに第一投影領域A1を形成している。接着層133は放熱層132の表面132aに投影し、表面132aに第二投影領域A2を形成している。キャリア131はチップ120の露出面120aに投影し、露出面120aに第三投影領域A3を形成している。
【0015】
また、第一投影領域A1は露出面120a中に位置し、第一投影領域A1の領域面積は露出面120aの表面積未満である。第二投影領域A2は表面132a中に位置し、第二投影領域A2の領域面積は表面132aの表面積未満である。
本実施形態では、チップ120の露出面120aは第一端部120bを有し、放熱層132の表面132aは第二端部132bを有し、第一投影領域A1は第三端部A11を有し、第二投影領域A2は第四端部A21を有し、第三投影領域A3は第五端部A31を有している。第五端部A31は露出面120aの第一端部120bと第一投影領域A1の第三端部A11との間に位置し、第五端部A31と露出面120aの第一端部120bとが重畳している。
【0016】
図1及び図2に示すように、本実施形態では、第一端部120bと第三端部A11との間に20μm以上である間隔を有し、第二端部132bと第四端部A21との間に20μm以上である間隔を有し、第一端部120b、第二端部132b、及び第三端部A11により空間Rを定義している。
本実施形態では、第一端部120b、第二端部132b、第三端部A11、及び第四端部A21により空間Rを定義している。空間Rは保留空間であり、接着層133が押圧された場合、保留された空間Rに押圧された接着層133を収容することにより、接着層133が放熱シート130に溢れ出す或いは突出する事象を回避し、半導体パッケージ構造100が汚染されないようにしている。また、複数の半導体パッケージ構造100を巻き取る際に、これら半導体パッケージ構造100が相互に接着する事象も回避している。
【0017】
(その他の実施形態)
その他の実施形態では、第一端部、第二端部、及び第三端部ではなく、第二端部、第三端部、及び第四端部により空間Rを定義している。
【0018】
その実施形態の他の基本的構成は、第一実施形態と同様である。
【0019】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0020】
100 半導体パッケージ構造、
110 可撓性基板、
111 回路層、
111a インナーリード、
112 保護層、
120 チップ、
120a 露出面、
120b 第一端部、
121 バンプ、
130 放熱シート、
131 キャリア、
132 放熱層、
132a 表面、
132b 第二端部、
133 接着層、
133a 第一接着面、
133b 第二接着面、
140 アンダーフィル、
A1 第一投影領域、
A11 第三端部、
A2 第二投影領域、
A21 第四端部、
A3 第三投影領域、
A31 第五端部、
R 空間。
図1
図2