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特許7152547水中ポンプの保守性を向上させる水中ポンプモータハウジング
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】水中ポンプの保守性を向上させる水中ポンプモータハウジング
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20221004BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20221004BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K11/30
【請求項の数】 8
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021031500
(22)【出願日】2021-03-01
(62)【分割の表示】P 2018511597の分割
【原出願日】2016-09-06
(65)【公開番号】P2021097597
(43)【公開日】2021-06-24
【審査請求日】2021-03-25
(31)【優先権主張番号】62/213,736
(32)【優先日】2015-09-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516039413
【氏名又は名称】フルイド ハンドリング リミティド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】ポール ジェイ.ルジカ
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-242922(JP,A)
【文献】特開平11-234948(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/22
H02K 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングであって、
モータハウジング部分、及び運転用及び始動用コンデンサハウジング部分、及び前記モータハウジング部分と前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分とを分離するハウジング壁であってシール可能ポートが自身内に形成されたハウジング壁を備えた第1ハウジング部材であって、前記モータハウジング部分は、オイル充填レベル線まで充填されたオイルと共にモータを受容かつ収容して自身内に配置するモータハウジング室を備えて構成され、前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分は、運転用及び始動用コンデンサハウジング室を備えて構成されており、該第1ハウジング部材は円筒形に形成された一体的な成形品構造物である第1ハウジング部材と、
前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分に対して着脱可能に結合されるべく前記オイル充填レベル線の上方に形成された取外し可能部材である第2ハウジング部材と、
を有するハウジングと、
前記第2ハウジング部材が前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分から取り外されたときに前記運転用及び始動用コンデンサハウジング室内に受容され且つ配置されるべく構成された容量性カップであって、該容量性カップは、側壁部分及び底壁部分により形成されて少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を受容かつ収容して自身内に配置する容量性カップ室を備えて構成され、前記底壁部分は、自身内に形成された対応ポートであって、前記容量性カップ室内に配置されるべき前記少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物の少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサコネクタに結合された電気接続体を、前記運転用及び始動用コンデンサハウジング室を通し、且つ、前記ハウジング壁の前記シール可能ポートを貫通させて、前記モータハウジング部分の前記モータハウジング室内に配置された前記モータの少なくとも一つのモータコネクタに接続すべく構成された対応ポートを有する容量性カップと、
を具備する、水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項2】
前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物は、運転用コンデンサ及び始動用コンデンサを具備する、請求項1に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項3】
前記容量性カップ室は、モータ用の始動スイッチ受容かつ収容する様に成される、請求項2に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項4】
前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分は、前記容量性カップを挿入し且つ取出すための頂部開口を形成する上側フランジを具備し、且つ、
前記第2ハウジング部材は、前記容量性カップが前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分内に挿入された後に前記上側フランジに締結されて前記頂部開口を覆い且つシールすべく構成された取外し可能なハウジングカバーを具備する、請求項1に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項5】
前記容量性カップは、該容量性カップが前記運転用及び始動用コンデンサハウジング部分内に配置されたときに前記上側フランジ上に着座すべく構成されたフランジ部分を具備する、請求項4に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項6】
該水中ポンプモータハウジング組立体は、前記モータハウジング部分内に配置された前記モータを具備し、該モータは少なくとも一つのモータコネクタを有する、請求項1に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項7】
該水中ポンプモータハウジング組立体は、前記シール可能ポートをシールするシール用物質を具備する、請求項1に記載の水中ポンプモータハウジング組立体。
【請求項8】
水中ポンプモータ組立体であって、
モータと
前記モータに接続されるように構成された電気接続体を有する運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物と、
ハウジングと、を具備しており、
前記ハウジングは、
モータハウジング部分、及びポンプモータ構成要素ハウジング部分、及び前記モータハウジング部分と前記ポンプモータ構成要素ハウジング部分とを分離するハウジング壁であってシール可能ポートが自身内に形成されたハウジング壁を備えた第1ハウジング部材であって、前記モータハウジング部分は、オイル充填レベル線まで充填されたオイルと共にモータを受容かつ収容して自身内に配置するモータハウジング室を備えて構成され、前記ポンプモータ構成要素ハウジング部分は、運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を受容かつ収容して自身内に配置するポンプモータ構成要素ハウジング室を備えて構成され、前記シール可能ポートは、前記電気接続体が、前記ハウジング壁を貫通通過して前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を前記モータハウジング部分の前記モータハウジング室内に配置された前記モータに接続するように構成されており、該第1ハウジング部材は円筒形に形成された一体的な成形品構造物である第1ハウジング部材と、
取外し可能な第2のハウジング部材であって、前記モータハウジング部分から前記オイルを排出せずに前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を前記ポンプモータ構成要素ハウジング室内に挿入するために、前記ポンプモータ構成要素ハウジング部分から取り外されるべく、且つ、前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物が前記ポンプモータ構成要素ハウジング室内に一旦挿入されたなら、前記ポンプモータ構成要素ハウジング室を閉じるために、前記ポンプモータ構成要素ハウジング部分に対して取付けられるべく構成される取外し可能な第2のハウジング部材と、を有しており、
該水中ポンプモータ組立体は、
前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を受容かつ収容するように構成された容量性カップを更に具備しており、
前記容量性カップは、側壁部分及び底壁部分により形成されて前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を受容かつ収容する容量性カップ室を備えて構成され、
前記運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を前記モータに接続するために、前記電気接続体を前記容量性カップ室から前記ポンプモータ構成要素ハウジング室へ通し、且つ、前記ハウジング壁の前記シール可能ポートを貫通させて前記モータハウジング室内へ通すために、前記底壁部分は、自身内に形成された対応ポートを備えて構成される、
水中ポンプモータ組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願に関する相互参照
本出願は、2015年9月3日に出願された仮特許出願第62/213,736号の特典を主張するものであり、該出願は言及したことによりその全体が本明細書中に援用される。
本発明は、ポンプモータハウジングに関するものであり、更に詳細には、水中ポンプの一部を形成する水中ポンプモータハウジングに関する。
【背景技術】
【0002】
先行技術においては、コンデンサ始動コンデンサ運転型モータを有するポンプ組立体が知られており、各モータは、名称が示唆するように、コンデンサにより制御されてモータ始動トルクを増大してから、電気モータが運転されている間は二次巻線の励起により磁界を維持している。これらの運転用及び始動用のコンデンサは、油浴環境において電気モータもしくはデバイスのハウジング内に取り込まれ得る。欠陥のある始動用/運転用コンデンサによれば、モータの始動もしくは運転維持が妨げられて過剰なモータ熱が生じ、モータ故障に帰着することがある。
【0003】
典型的に、保守作業の間に点検もしくは保守され得る斯かるポンプ組立体の部品としては、始動用もしくは運転用コンデンサ、並びに始動スイッチ、モータ取付け構造体、シール用ガスケット、及び上述の各構成要素を電気モータに接続するための配線ハーネスが挙げられる。構成要素のこの組み合わせは、保守作業の間において、全体的にまたは部分的に離され及び/又は交換されることがある。現行の設計では、上述の構成要素の全てではないとしても少なくとも幾つかが、点検のためにアクセスされてから、不具合に関してアクセスされ、取り外され、修理され、及び/又は交換され得る様に、それらの構成要素を収容するモータハウジングからオイルが排出されねばならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
当業界においては、斯かるコンデンサ始動コンデンサ運転型モータを保守する更に良好な手法であって、例えば、公知のコンデンサ始動コンデンサ運転型モータの前記欠点の少なくとも幾つかを解決する手法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
要約すると、本発明は、水中ポンプ組立体と組み合わせて使用される水中ポンプモータハウジング組立体を提供し、その場合に水中ポンプモータハウジング組立体は、始動用/運転用コンデンサを乾式のオイルなし環境に収容することを特徴とする。モータオイルの除去なしで、電気的及び視覚的な点検が実施され得ると共に、もし破裂したコンデンサが見出されたとしても、一切の漏出するコンデンサオイルは収容され、モータオイルの汚染が阻止される。
【0006】
実際、本発明の基本的着想は、後で再組み付けされ得る締結具を使用することにより、水中ポンプモータハウジングの頂部部分または幾つかの側部部分を取外し可能とすることである。この取外し可能部分は、構成要素に対するアクセスを可能にすることで、点検もしくは保守のための評価を可能にする。この取外し可能部分は、行われるべき点検、保守評価、又は単一もしくは複数の構成要素の交換のためにオイルの排出またはレベル低下が必要とならない様に、水中ポンプモータハウジングの内側のオイル充填レベルの上方に形成され得る。
【0007】
例えば、上記の構成要素は、それらをオイルから分離するそれら自体のシールされた区画室もしくはチャンバ内に取付けられ得る。構成要素の区画室は、オイル充填レベル線の上方に取付けられることで、オイルを排出もしくはレベル低下させることなく、コンデンサ、スタータ、及び配線ハーネスの点検及び保守のための評価を可能にし得る。これは、取外し可能部分に対するガスケットを含んでも含まなくてもよい。それらが、それら自身の区画室を、まさにモータハウジング内のオイルから離間された位置に有することは必要でない。モータに関するこれらの構成要素の上側、下側、側方、又は下方取付けは全て、この基本的着想に収まるものである。この区画室または領域は、電力コードアセンブリ接続体を含み得る。
【0008】
モータハウジングの取外し可能部分の形状は、一種の取外し可能なキャップ組立体に類似し得るか、又は各構成要素に対するアクセスを可能にする取り外し可能なポートカバーであり得る。取手、又は揚動用開口のようなポンプの他の特徴部は、キャップもしくはポートの設計物に対して取付けられるか、又は一体的であり得る。
【0009】
上述された接続は、永続的又は簡易接続式の設計であり得る。分離された区画室は、モータハウジングに対する油密シールを可能にする一体的なシールリングを有し得る。分離された区画室または領域は、構成要素の全てを統合するか、又は構成要素が個別的に点検及び/又は交換されることを可能にし得る。分離された区画室はまた、全体的組立体として、それ自体においてそれ自体が点検可能かつ交換可能な構成要素であり得る。これは、区画室、すなわち、今や構成要素が、工具の使用あり又はなしで迅速に交換されることを可能にするべく使用される接続のタイプに起因し得る。
【0010】
この区画室の構成においては、プラスチック、ゴム及び金属のような材料の組み合わせが使用され得るが、これらの材料の全てが含まれるのではない。
【0011】
特定実施例:
幾つかの実施例に依れば、本発明は、例えば、以下の組み合わせを特徴とする水中ポンプの優れた保守性を提供する水中ポンプモータハウジング組立体を特徴とするか、又はその形態を取り得る:
二部材式のハウジングであって、
シール可能ポートが自身内に形成されたハウジング壁により分離されたモータハウジング部分及びポンプモータ構成要素ハウジング部分を備えた第1ハウジング部材であって、モータハウジング部分は、オイルをオイル充填レベル線まで充填してモータを受容かつ収容して自身内に配置するモータハウジング室を備えて構成され、ポンプモータ構成要素ハウジング部分は、少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を受容かつ収容して自身内に配置すべく構成されたポンプモータ構成要素ハウジング室を備えて構成され、シール可能ポートは、少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素から結合されるべき電気接続体が、ハウジング壁を貫通通過し、モータハウジング部分のモータハウジング室内に配置されるべきモータに接続されるべく構成される第1ハウジング部材と、
第2の取外し可能なハウジング部材であって、モータハウジング部分からオイルを排出せずに少なくとも一つのポンプモータ構成要素をポンプモータ構成要素ハウジング室内に挿入するために、例えば、モータハウジング室がオイルで充填されたときにオイル充填レベル線の上方に配置されることを含め、ポンプモータ構成要素ハウジング部分から取り外されるべく構成され、且つ、少なくとも一つのポンプモータ構成要素がポンプモータ構成要素ハウジング室内に一旦挿入されたなら、それを閉じるために、ポンプモータ構成要素ハウジング部分に対して取付けられる様にも構成される第2の取外し可能なハウジング部材と、
を有する二部材式のハウジング。
【0012】
本発明の幾つかの実施例に依れば、水中ポンプモータハウジング組立体は、以下の特徴の一つ以上も含み得る:
【0013】
少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素は、保守中に取出されて交換される必要があり得る少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を含み得る。
【0014】
少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素は、少なくとも一つの始動スイッチ、モータ取付け構造体、シール用ガスケット、及びポンプモータハウジング構成要素の幾つかをモータハウジング部分内の電気モータに接続する配線ハーネスのうちの一つ以上も含み得る。
【0015】
ポンプモータ構成要素ハウジング部分は、少なくとも一つのポンプモータ構成要素を挿入し且つ取出すための頂部開口を形成する上側フランジを含み得ると共に、第2の取外し可能なハウジング部材は、少なくとも一つのポンプモータ構成要素がポンプモータ構成要素ハウジング室内に挿入された後に上側フランジに締結されて頂部開口を覆い且つシールすべく構成された取外し可能なハウジングカバーを含み得る。
【0016】
水中ポンプモータハウジング組立体は、ポンプを有する渦流ポンプ組立体を含むポンプ組立体の一部を形成し得ると共に、ポンプは、モータに対してモータシャフトを介して結合され得る。
【0017】
水中ポンプモータハウジング組立体は、例えば、少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物、並びに本明細書中に示された他の構成要素の一つ以上を含む、少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を含み得る。
【0018】
水中ポンプモータハウジング組立体は、モータハウジング部分内に配置されたモータを含み得る。
【0019】
水中ポンプモータハウジング組立体は、モータを油浴中に浸漬するためにモータハウジング室内に受容かつ収容されるべきオイルを含み得る。
【0020】
水中ポンプモータハウジング組立体は、ハウジング壁のシール可能ポートをシールするシール用物質を含み得るが、これは例えば、電気接続体、ケーブルまたは管路が貫通することを可能にしつつ、自身内に収容されたオイルを有するモータハウジング室を、自身内に収容された少なくとも一つのポンプモータ構成要素を有するポンプモータ構成要素ハウジング室からシールするために、シール用物質が、シールポート内に固着されたシール締結具、連結器、又は索環状の部材である場合を含む。
【0021】
第1ハウジング部材は、一体的な成形品構造として作成され得る。
【0022】
幾つかの実施例に依ると、水中ポンプモータハウジング組立体は、少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を受容かつ収容すべく構成された容量性カップも含み得ると共に、ポンプモータ構成要素ハウジング室は、第2の取外し可能なハウジング部材がポンプモータ構成要素ハウジング部分から取り外されたときに、容量性カップを受容すべく構成され得る。
【0023】
容量性カップは、側壁部分及び底壁部分により形成されて少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を受容かつ収容する容量性カップ室を備えて構成され得ると共に、コンデンサカップ室からの電気接続体を、ポンプモータ構成要素ハウジング室に対し、且つ、モータに接続するために、ハウジング壁のシール可能ポートを貫通してモータハウジング室内へ通すために、底壁部分は、自身内に形成された対応ポートも備えて構成され得る。
【0024】
ポンプモータ構成要素ハウジング部分は、上側フランジを含み得ると共に、容量性カップは、該容量性カップがポンプモータ構成要素ハウジング部分内に配置されたときに上側フランジ上に着座すべく構成されたフランジ部分を含み得る。
【0025】
幾つかの実施例に依ると、本発明は、容量性カップと組み合わされた二部材式のハウジングを特徴とする水中ポンプモータハウジング組立体の形態も取り得る。
【0026】
二部材式のハウジングは、第1ハウジング部材及び第2ハウジング部材を含み得る。第1ハウジング部材は、自身内に形成されたシール可能ポートを備えるハウジング壁により分離されたモータハウジング部分及び運転用及び始動用コンデンサハウジング部分を含み得る。モータハウジング部分は、オイルをオイル充填レベル線まで充填してモータを受容かつ収容して自身内に配置するモータハウジング室を備えて構成され得る。運転用及び始動用コンデンサハウジング部分は、運転用及び始動用コンデンサハウジング室を備えて構成され得る。第2ハウジング部材は、運転用及び始動用コンデンサハウジング部分に対して着脱可能に結合されるべくオイル充填レベル線の上方に形成もしくは配置された取外し可能部材であり得る。
【0027】
容量性カップは、取外し可能部材が運転用及び始動用コンデンサハウジング部分から取り外されたときに運転用及び始動用コンデンサハウジング室内に受容され且つ着脱自在に配置されるべく構成され得る。容量性カップは、側壁部分及び底壁部分により形成されて少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物を受容かつ収容して自身内に配置する容量性カップ室を備えて構成され得る。底壁部分は、自身内に形成された対応ポートであって、容量性カップ室内に配置された少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサの組み合わせ物の少なくとも一つの運転用及び始動用コンデンサコネクタに結合された電気接続体を通すべく構成された対応ポートを含み得る。電気接続体は、モータハウジング部分のモータハウジング室内に配置されたモータの少なくとも一つのモータコネクタに対する接続のために、運転用及び始動用コンデンサハウジング室から、対応ポートを貫通し、且つ、ハウジング壁のシール可能ポートも貫通して通される。
【0028】
この水中ポンプモータハウジング組立体は、上に示された特徴の一つ以上も含み得る。
【0029】
必ずしも縮尺通りには描かれていない図面は、以下の各図を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1A】本発明の幾つかの実施例に係る水中ポンプモータハウジングの概略的断面図である。
図1B】本発明の幾つかの実施例に係る水中ポンプモータハウジングの概略的断面図である。
図2】本発明の幾つかの実施例に係る、図1A及び図1Bに示された水中ポンプモータハウジングの取手を備えた取外し可能カバーの概略図である。
図3A】本発明の幾つかの実施例に係る、図1A及び図1Bに示された水中ポンプモータハウジングのコンデンサカップの概略的斜視図である。
図3B】本発明の幾つかの実施例に係る、図1A及び図1Bに示された水中ポンプモータハウジングのコンデンサカップの概略的斜視図である。
図4】本発明の幾つかの実施例に係る、図1A及び図1Bに示された水中ポンプモータハウジングのハウジングの概略図である。
図5】本発明の幾つかの実施例に係る、図1A及び図1Bに示されたモータの運転用/始動用コンデンサの端子プラグもしくはコネクタと、正及び負の運転及び始動用接続部との間の電気接続がある部分を含むポンプ組立体の一部の概略図である。
【0031】
全体として各図における乱雑さを低減するために、図面の全ての図における全ての要素に対して引出線及び付随する参照符号が含まれてはいない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
一例として、図1A及び図1Bは、本発明の幾つかの実施例による、10として全体的に示される水中ポンプモータハウジング組立体を示しており、これは、例えばモータ12に対してシャフト7により接続されたポンプ5を有して図5に示された様に全体的に3で表されるポンプ組立体の一部を構成し得る。ポンプ組立体3は、例えば、本明細書中に示された他のポンプモータ構成要素と共に水中ポンプモータハウジング組立体10の一部分内に配置もしくは構成され得る運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16を含み得る。
【0033】
水中ポンプモータハウジング組立体10は、第2の取外し可能なハウジング部材(すなわちカバー)20と組み合わされた第1ハウジング部材18を有する二部材式ハウジングを特徴とし、これらは以下の如く協働する。
【0034】
第1ハウジング部材18は、シール可能な複数のポートが自身に形成されたハウジング壁18cにより分離されたモータハウジング部分18a及びポンプモータ構成要素ハウジング部分18bを備えて構成され得る。モータハウジング部分18aは、オイル充填レベル線(図1Aにおける“オイル充填レベル線”の表記を参照)に対して充填されたオイルと共に自身内に配置されたモータ12を受容かつ収容するモータハウジング室18a'を備えて構成され得る。ポンプモータ構成要素ハウジング部分18bは、例えば、図1A及び図1Bに示された運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16、並びに本明細書中に示された他のモータポンプ構成要素を含み得る少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を自身内に配置して受容かつ収容すべく構成されたポンプモータ構成要素ハウジング室18b'(図1B)を備えて構成され得る。
【0035】
第2の取外し可能なハウジング部材20は、モータハウジング部分18aからオイルを排出せずに、少なくとも一つのポンプモータ構成要素14、16をポンプモータ構成要素ハウジング室18b'内に挿入するために、ポンプモータ構成要素ハウジング部分18bから取り外されるべく構成され得る。第2の取外し可能なハウジング部材20はまた、少なくとも一つのポンプモータ構成要素14、16がポンプモータ構成要素ハウジング室18b'内に一旦挿入されたなら、それを閉じるために、ポンプモータ構成要素ハウジング部分18bに対して取付けられるべく構成され得る。
【0036】
幾つかの実施例に依ると、本明細書中に示されたものと一致して、取外し可能カバー20は、モータハウジング室18a'がオイルで充填されたときに、オイル充填レベル線の上方に形成もしくは配置され得る。但し、運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16は、自身の区画室を、まさにモータハウジング部分18a内のオイルから離間された位置に有することは必要ではない。例えば、モータ12に関し、“オイルレベル線”の上側、下側、側方、又は“下方”におけるこれらのポンプモータ構成要素14、16の取付け様式を使用する実施例が想起されると共に、本発明の有効範囲はそれらの取付け様式を包含することが意図され、その全てが基本発明の精神内に収まるものである。本発明の主眼は、オイル充填されたモータ区画室室と、運転用及び始動用コンデンサ及び他の構成要素を収容する他の区画室とを分離し、後者のポンプ及びモータ構成要素が、モータ区画室におけるオイルを排出もしくはレベル低下させずに保守され得る様にすることである。
【0037】
当業者であれば理解されるように、シール可能なポートは、ハウジング壁18cに形成されたオリフィス/開孔として構成され、前記ハウジング壁18cは、例えば本明細書中に示されたものと一致して、モータハウジング部分18aとポンプモータ構成要素ハウジング部分18bとの間の一つ以上の電気接続体のシールされた通路を可能にするように2つの区画室もしくはハウジング部分18a、18bを分離している。一例として、且つ、図5に示されたものと一致して、一つ以上の電気接続体14a'、14b'、16a'、16b'は、運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16から結合され、ハウジング壁18cの各シール可能ポートを貫通通過すべく構成され、且つ、モータハウジング部分18aのモータハウジング室18a'内に配置されたモータ12に接続され得る。図5は、運転用コンデンサコネクタ14a及び14bとモータ12のRCTp、RCTnとして示された正及び負の運転用接続端子との間の電気接続体14a'、14b'、及び始動用コンデンサコネクタ16a及び16bとモータ12のSCTp、SCTnとして示された正及び負の始動用接続端子との間の電気接続体16a'、16b'の結合を示している。(当業者も理解し得るように、図5における結合は例示的に示されており、モータ12の正の運転用及び始動用の接続端子RCTp、SCTpは、同一のモータ端子接続部に接続され得ること、及びモータ12の負の運転用及び始動用の接続端子RCTn、SCTnは、同一のモータ端子接続部に接続され得ることは理解される。)
【0038】
ポンプモータ構成要素ハウジング部分18bは、運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16を挿入し且つ取出すための頂部開口を形成する上側フランジ18dを含み得る。取外し可能なハウジングカバー20は、運転用コンデンサ14及び始動用コンデンサ16がポンプモータ構成要素ハウジング室18b'内へ戻し挿入された後、上側フランジ18dに締結されて頂部開口を覆い且つシールすべく構成され得る。一例として、締結は、取外し可能カバー20の開口20a1、20a2を貫通通過して、例えば図4に示された如く上側フランジ18dに形成されたねじ穴18d1、18d2、18d3、18d4に結合される21a、21b(図2)などの締結具を用いる形態を取り得る。現在において知られているか、将来において後で開発される他の形式もしくは種類の締結技術を使用する実施例が想起される。ハウジング18はまた、(不図示の)ポンプ取付け組立体に対する結合のために同様のねじ穴を備えて構成され得る下側フランジ18eも含んでいる。
【0039】
水中ポンプモータハウジング組立体10は、現在において知られているか、将来において後で開発されるものを含め、ハウジング壁のシール可能ポートをシールする(不図示の)シール用物質を含み得る。一例として、シール用物質は、高温エポキシ、接合剤など、並びにオリフィス/開孔内に構成される、現在において知られているか、将来において後で開発される他の形式もしくは種類のシール部材であって、該シール部材内における管路の通過を可能にするシール部材を含むか、それらの形態を取り得る。
【0040】
幾つかの実施例に依ると、図1A図1B図3A及び図3Bに示されたものと一致して、水中ポンプモータハウジング組立体10は、要素14、16などの少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素を受容かつ収容すべく構成された容量性カップ22を含み得る。ポンプモータ構成要素ハウジング室18b'は、第2の取外し可能なハウジング部材20がポンプモータ構成要素ハウジング部分18bから取り外されたときに、容量性カップ22を受容すべく構成され得る。容量性カップ22は、側壁部分22a及び底壁部分22bにより形成されて少なくとも一つのポンプモータハウジング構成要素14、16を受容かつ収容する容量性カップ室22cも備えて構成され得る。要素14a'、14b'、16a'、16b'などの電気接続体を、コンデンサカップ室22cから、ポンプモータ構成要素ハウジング室18b'に対し、且つ、ハウジング壁18cのシール可能ポートを貫通してモータハウジング室18a'内へ通すために、底壁部分22bは、自身内に形成された対応ポート22b1、22b2、22b3、22b4を備えて構成され得る。
【0041】
ポンプモータ構成要素ハウジング部分18bは上側フランジ18dを含み得ると共に、容量性カップ22は、該容量性カップ22がポンプモータ構成要素ハウジング部分18b内に配置されたときに上側フランジ18d上に着座すべく構成されたフランジ部分22dを含み得る。上側フランジ22dは、水中ポンプの保守の後で、コンデンサカップ22がポンプモータ構成要素ハウジング室18b'内に構成され且つ取外し可能カバー20がハウジング18に対して取付けられたときに、21a、21bなどの締結具を受容すべく自身に形成された22d1、22d2、22d3、22d4を備えて構成され得る。
【0042】
用途:
一例として、本発明の可能的な用途は、以下の一つ以上に関係する、その使用を含み得る:
ポンプ、
圧縮器、及び
モータに取付けられた接続または接合ボックス。
【0043】
発明の有効範囲:
そして更に、本明細書中にて示され且つ記述された実施例は、例示的にのみ提供されるものであり、発明の有効範囲は、本明細書中に含まれたこれらの部材または要素の特定の構成、次元性、及び/又は、設計の詳細に限定されることは意図されない。換言すると、当業者であれば、これらの実施例に対しては、結果的な実施例が、本明細書中に開示された実施例とは異なるが依然として本発明の全体的な精神内に収まる如く、設計の変更が為され得ることを理解するであろう。
【0044】
本明細書において別様に述べられるのでなければ、本明細書中で特定実施例に関して記述された特徴、特性、代替例または改変例はいずれも、本明細書中に記述された任意の他の実施例と共に適用されるか、使用されるか、又は取入れられ得ることを理解すべきである。同様に、本明細書における図面は、縮尺通りには描かれていない。
【0045】
本発明は、その好適実施例に関して記述かつ図示されてきたが、それらにおいて且つそれらに対しては、本発明の精神及び有効範囲から逸脱せずに、上述の且つ種々の他の付加及び省略がなされ得る。
【符号の説明】
【0046】
10 水中ポンプモータハウジング組立体
12 モータ
14 運転用コンデンサ
16 始動用コンデンサ
18 第1ハウジング部材
18a モータハウジング部分
18b ポンプモータ構成要素ハウジング部分
18c ハウジング壁
20 第2ハウジング部材
22 容量性カップ
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4
図5