(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】シートを固定するための機械的アセンブリおよび関連方法
(51)【国際特許分類】
B29C 65/56 20060101AFI20221004BHJP
【FI】
B29C65/56
(21)【出願番号】P 2021509719
(86)(22)【出願日】2018-04-27
(86)【国際出願番号】 US2018029861
(87)【国際公開番号】W WO2019209324
(87)【国際公開日】2019-10-31
【審査請求日】2020-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】520417263
【氏名又は名称】ブレントウッド・インダストリーズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BRENTWOOD INDUSTRIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【氏名又は名称】岡部 博史
(74)【代理人】
【識別番号】100113170
【氏名又は名称】稲葉 和久
(72)【発明者】
【氏名】フランク・エム・キューリック・ザ・サード
(72)【発明者】
【氏名】ブライアン・エドワーズ
(72)【発明者】
【氏名】ルーク・リングル
【審査官】▲高▼橋 理絵
(56)【参考文献】
【文献】特表2003-517556(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0033708(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第1387618(CN,A)
【文献】特表2013-544667(JP,A)
【文献】米国特許第04496052(US,A)
【文献】独国特許出願公開第04005176(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 65/00-65/82
B29C 59/00-59/18
B21D 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シートを第2シートに固定するための機械的アセンブリであって、
第1側壁、第1内部空間および第1上壁を有する第1突起であって、前記第1側壁が前記第1上壁から第1鋭角をなして前記第1内部空間から離れるように延びており、前記第1側壁が第1上端、第1下端および第1不連続部を含み、前記第1不連続部が前記第1上端と前記第1下端との間の前記第1側壁に定義されており、少なくとも1つの先細部において、前記第1側壁が、前記第1内部空間から離れるように延びており、前記第1不連続部が、前記第1上端と前記第1下端との間において前記第1上壁に対し
て垂直に延びている、前記第1突起と、
前記第1下端から前記第1上壁と略平行に延びている第1底壁と、
を含む、機械的アセンブリ。
【請求項2】
前記第1鋭角は約70度から87度である、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項3】
第2側壁、第2内部空間および第2上壁を有する第2突起であって、前記第2側壁が前記第2上壁から第3鋭角をなして前記第2内部空間から離れるように延びており、前記第2側壁が第2上端、第2下端および第2不連続部を含み、前記第2不連続部が前記第2上端と前記第2下端との間の前記第2側壁に定義されており、少なくとも1つの先細部において、前記第2側壁が
、前記第2内部空間から離れるように
延びており、前記第2不連続部が、前記第2上端と前記第2下端との間
において前記第2上壁に対し
て垂直に延びている、第2突起と、
前記第2下端から前記第2上壁と略平行に延びている第2底壁であって、積み重ね構成(nested configuration)において、前記第2上壁が前記第1上壁に近接して配置されていて前記第2側壁が前記第1側壁に近接して配置されていうように、前記第2突起が前記第1突起の内部に積み重ね可能(nestable)である、前記第2底壁と、
をさらに含む、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項4】
前記積み重ね構成において、前記第1上壁は前記第2上壁に面して係合しており、前記第1側壁は前記第2側壁に面して係合している、請求項3に記載の機械的アセンブリ。
【請求項5】
前記積み重ね構成において、前記第1不連続部は前記第2不連続部に近接して配置されている、請求項3に記載の機械的アセンブリ。
【請求項6】
前記積み重ね構成において、前記第1底壁は前記第2底壁に面して係合している、請求項3に記載の機械的アセンブリ。
【請求項7】
前記第1上壁は前記第1底壁に対して平行である、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項8】
前記第1不連続部は、前記上壁に対し
て垂直である第1中脚部(middle leg)を含む、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項9】
前記第1不連続部は、前記第1側壁の第1中点に近接して配置されている第1くぼみおよび第2くぼみを含み、前記第1くぼみは前記第1側壁において前記第2くぼみに対向して配置されている、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項10】
前記第1不連続部は、前記第1側壁における第1変曲点および前記第1側壁における第2変曲点によって形成され、前記第1変曲点は前記上壁に近接して配置されており、前記第2変曲点は前記第1底壁に近接して配置されている、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項11】
前記第1突起は高分子材料によって形成される、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項12】
前記高分子材料は、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アセタール、ナイロン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン、スチレン-アクリロニトリル、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエチレン、ポリスチレン、テレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリシリコン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイオノマー、ポリエポキシド、 ポリビニリデンハライド(polyvinylidene halide)、および、高分子材料の複合材料のうちの1つから形成される、請求項11に記載の機械的アセンブリ。
【請求項13】
前記第1突起は略円錐台の形状を有する、請求項1に記載の機械的アセンブリ。
【請求項14】
第1シートを第2シートに固定するための機械的アセンブリであって、
前記第1シートの第1底壁から延びている第1突起であって、第1側壁、第1内部空間および第1上壁を含み、前記第1側壁が前記第1底壁から第2鋭角をなして延びており、第1不連続部が前記第1上壁と前記第1底壁との間の前記第1側壁に定義されており、前記第1側壁が、前記第1上壁と前記第1底壁との間において前記第1内部空間から離れるように延びており、前記第1不連続部が、前記第1上壁に対し
て垂直に延びている、前記第1突起と、
前記第2シートの第2底壁から延びている第2突起であって、第2側壁および第2上壁を含み、前記第2側壁が前記第2底壁から第4鋭角をなして延びており、第2不連続部が前記第1上壁と前記第2底壁との間の前記第2側壁に定義されており、前記第2不連続部が前記第2上壁に対し
て垂直に延びており、積み重ね構成において、前記第1不連続部が前記第2不連続部に近接して配置されているように、前記第2突起が前記第1突起の内部に積み重ね可能である、前記第2突起と、
を含む、機械的アセンブリ。
【請求項15】
前記第1シートは第3突起を含み、前記第2シートは第4突起を含み、前記第4突起が前記第3突起の内部に積み重ね可能である、請求項14に記載の機械的アセンブリ。
【請求項16】
前記第1突起および前記第2突起は円錐台の形状に形成されている、請求項14に記載の機械的アセンブリ。
【請求項17】
第1シートを第2シートに固定するための機械的アセンブリであって、
前記第1シートの第1底壁から延びている第1突起であって、第1側壁および第1上壁を含み、前記第1側壁が前記第1底壁から第2鋭角をなして延びており、第1不連続部が前記第1上壁と前記第1底壁との間の前記第1側壁に定義されている、前記第1突起と、
前記第2シートの第2底壁から延びている第2突起であって、第2側壁および第2上壁を含み、前記第2側壁が前記第2底壁から第4鋭角をなして延びており、第2不連続部が前記第2上壁と前記第2底壁との間の前記第2側壁に定義されており、積み重ね構成において、前記第1不連続部が前記第2不連続部に近接して配置されているように、前記第2突起が前記第1突起の内部に積み重ね可能である、前記第2突起と、
を含み、
前記第1突起および前記第2突起は、平坦な連動リベット(flattened interlocking rivets)の形で前記第1シートと前記第2シートとの間にポジティブロックを形成するように構成されており、機械的に変形されるときに前記第1突起および前記第2突起は前記第1不連続部および前記第2不連続部においてねじられる、機械的アセンブリ。
【請求項18】
前記第1不連続部は、前記第1側壁の対向する両側に第1くぼみおよび第2くぼみによって形成される、請求項14に記載の機械的アセンブリ。
【請求項19】
前記第1不連続部は、前記第1上壁と前記第1底壁との間の前記第1側壁の勾配の変化によって形成される、請求項14に記載の機械的アセンブリ。
【請求項20】
前記第1シートおよび前記第2シートは、金属、ステンレス鋼、繊維複合材料、熱可塑性材料、亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アセタール、ナイロン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエチレン、ポリスチレン、テレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリシリコン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイオノマー、ポリエポキシド、 ポリビニリデンハライド(polyvinylidene halide)、および、これらの誘導体および/または混合物からなる群から選択された材料によって形成される、請求項14に記載の機械的アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一般的に、機械的アセンブリ(mechanical assembly、MA)またはポジティブロックは、構造を機械的機構に接合する方法および構造を指す。本明細書で説明するMAは、2つの高分子シートまたは高分子フィルムをペアに機械的に接合して、ペアのパック(pack)または接触体(contact body)にし、例えば、2002年10月24日に出願して名称が「Apparatus for Making Contact Bodies」である特許文献1、2000年9月13日に出願して名称が「Contact Bodies and Method and Apparatus of Making Same」である特許文献2、2002年10月24日に出願して名称が「Method of Making Contact Bodies」である特許文献3に記載されたように、機構および方法を用いて材料を接触体または接触シートに機械的変形させる。これらの特許文献の内容は、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
図1を参照すると、先行技術の特許文献1のMA特徴または円錐台1の形状は、
図1において破線で示しているように、変形されていない状態または積み重ね構成(nested configuration、入れ子構成)においては、直線状の側壁を有する対称的な円錐台である。円錐台または突起1の側壁2は、押しつぶされてリベット系の機械的アセンブリを形成する前には、錐または突起1の底部3と上部4との間に直線状で連続しており、円錐台1の全周において直線状である。円錐台1は、円錐台は特に、熱成形されたシートまたはフィルム5の山部および谷部から上へ突出した直線状の縦壁2を特に有する。円錐台または突起1を変形させる、押しつぶす、またはねじることによって2つのシートを互いに結合させ、ペアの接合されたシート5を形成し、十分な数のペアを接合してシートのパックを形成することによって、接合体が定義される。MA円錐台1は一般的には、突起または円錐台1を積み重ねる(nest、入れ子にする)ことによって、積層されたシートの山部(peak)および谷部の交差または交差点を介して、シートの間に整列している。シートは組み立て可能にするようにシートの間に整列している特定な特徴を含み得て、例えば、偏差(offset)または突起という特定の非接触シートアセンブリが利用される。1枚のシート上のMA円錐台または突起1は、近接したシートにおける他のMA円錐台1と積み重ねられ、押しつぶされて、近接したシート同士の間を結合するMAアタッチメント(MA attachment)、ポジティブロック、または突起-くぼみを形成する。
【0003】
MA円錐台1の側壁2が直線状で垂直から内向きに形成されていても、側壁2は柱状のような強度を有する。すなわち、錐体1の壁2をねじれてMAアタッチメントまたはポジティブロックを形成するには、積み重ねられたMA円錐台1に大きな力を加える必要がある。側壁2は、錐体1の上部の近くを形成した小さい断面厚さ(cross-sectional thickness)を除いて、上部と壁と底部との間に略一致した断面厚さを有する。一般的には、材料が荷重されて圧縮されていくとき、錐体1の上部の近くに小さい断面厚さを有する箇所から押しつぶされ始める。荷重の増加につれて、側壁がねじられる前に、錐体の上部に近くのひずみ(strain)または順応(orientation)の材料は、上部を安定化するように硬化する。シート原材料のカレンダー処理および熱成形プロセスにおける製造品質の軽微な変化によって、破損位置は変化し得て、MAの形成中に錐体1の高さ方向に不一致の破損位置が生じる。
図1は押しつぶされるときのMAの理想的な構成を示しているが、不一致の破損によって、MAの不一致の形状を生じる。不一致の破損によって、接合されたペアのシートにおいて様々な形状のMAが生じ得て、突起の破損モード(failure mode)、力の適用方法、または他の要素に応じて、例えば、矩形、二重折り形状(duofold)、一重折り形状(unifold)または他の形状が生じ得る。突起または円錐台1のポジティブロックにおける、一貫していないねじりおよび変化は、このような不一致が接合強度、および係合されたシートの間のMA接合の一貫性(consistency)に影響を与えるため、シートを一緒に固定することには望ましくない。シートを接合するために、積み重ねられて押しつぶされるときに、好ましくは、従来技術のMA円錐台1に比べて減少された力の下で、一貫して再現可能にねじられるMA特徴を設計、開発、形成、および実施することが望ましい。好ましい本発明は、本明細書で説明するように、従来技術のMA円錐台1の欠点に対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第6640427号明細書
【文献】米国特許第6544628号明細書
【文献】米国特許第6877205号明細書
【発明の概要】
【0005】
本明細書に説明される機械的アセンブリ(mechanical assembly、MA)特徴は、側壁に不一貫部またはキズ(defect)を含み、改善された突起-くぼみ(projection-depression)の結合を提供する。当該結合によれば、接合に求める力が低減されながら、接合強度が増加され、特許文献1に説明されたMAなどの既知のMA特徴にある、接合の強度上の変動または標準偏差が低減される。
【0006】
本発明の好ましい実施例は、MAにおいて積み重ね可能な特徴または突起の設計に関し、当該MAはMAポジティブロック、アタッチメント、またはリベットを形成するように押しつぶされる。基本的概念は、ソーダ缶は人の体重などの大きな重量を支えることができるものの、缶の側壁が外部の影響によって、例えば、指で缶の側壁を内向きに押すことによって変形されるとき、人の体重などの重量で急に崩される、という事実から得た。好ましくは、シートの組み立て中に積み重ねられたMA特徴において予測可能な破損を起こすように、意図的なキズ、不連続部または破損エリアがMA特徴の側壁に設計されている。好ましい発明は、近隣のシートを接合するために、2つの錐体または突起を押しつぶすときの錐体または突起の破損モードを利用して、改善された突起-くぼみ結合またはポジティブロックを形成する。好ましい発明は、破損モードを制御するために積み重ねられたMA錐体のそれぞれに側壁に名義上のキズを設け、当該キズによれば、高強度で再現可能な突起-くぼみ結合、および、より一貫した接合、ポジティブロック、または結合が可能となる。
【0007】
好ましい発明の1つの利点は、キズが組み込まれていない先行技術より、突起-くぼみ結合が改善された強度を有することにある。これによって、接触体、ルーバー(louver)、ドリフトエリミネータ(drift eliminator)、チューブセトラ(tube settler)、水中固定フィルム媒体(submerged fixed film media)、散水濾床媒体(trickling filter media)などの製品の全体的強度が増加され、これらの製品は、好ましいMAアタッチメント特徴を用いて、一般的には複数の好ましいMAアタッチメント特徴を用いて形成される。好ましい発明のもう1つの利点は、キズがない先行技術のMA特徴または突起と比べると、先行技術と同様な寸法を有する特徴を押しつぶすにはより少ない力が求められることにある。求める力がより小さいことによって、積み重ねられたMA特徴または突起を押しつぶすために利用される組み立て装置の設計強度を低減する。よって、MAを形成するために求める力をより小さいことを原因とする、組み立て装置に対してより低い構造的要求、または組み立て装置に対して低減された摩損および破損を介して、組み立て装置のコストが低減される。好ましい発明によれば、先行技術の押しつぶす力のために設計された標準のまたは現有のMA組み立て装置で、2つより多い積み重ねられたシートを有する製品を組み立てることが可能となる。好ましい発明のもう1つの利点は、キズのある好ましいMA錐体または突起のためのテストデータの標準偏差が、キズのない先行技術のMA錐体の標準偏差より著しく小さいことにある。また、弱いまたは一貫していない突起-くぼみ結合によって、製造後の修理が必要となる場合がある。積み重ねられた錐体が同様に破損されていない場合、先行技術の押しつぶされた錐体または突起の最終的な接合幾何形状における膨大な変化は、シート間の接合の欠如または処理時の失敗をもたらし得る。修理は一般的には、構造を接合する先行技術のMA方法の代わりにしようとする溶剤系の接着剤を用いて行われる。好ましいMA接合からのテストデータは、様々なキズの設計について、接合の平均強度が増加する、または少なくとも同水準にとどまる一方、サンプルプール(sample pool)の標準偏差が先行技術のMA錐体のパフォーマンスより著しく低いことを示している。平均強度の増加と標準偏差の低減との効果の単体または組み合わせによって、製品はより高いパフォーマンスおよびより少ない修理必要性を有する。
【0008】
組み合わせた構成において、積み重ねられた円錐台は、完全な接触した積み重ね構造を得るために、互いにわずかな寸法変化を有する必要がある。オスとメスと呼ばれる、寸法上の2つの変化形がある。組み立てのために積み重ねられるとき、メスの円錐台の内面または内壁は近隣のシートからオスの円錐台の外面または外壁に近接になる。メス円錐台の内面の大きさとオス円錐台の外面の大きさがすべての表面にわたって直接的に整列する必要があるため、熱成形された円錐台の規格を考慮して、熱成形オス円錐台の大きさはメス円錐台の大きさより小さい。均一の錐体では適切に積み重ねられず、組み立てれば強度が低下する。
【0009】
これらのシート搬送および保存の性質によって、積層されたシート整列はオス円錐台またはメス円錐台からなる均一の積み重ね構造を形成する。好ましい発明の不連続部の寸法および形状に基づいて、結果物である積み重ねられた錐体によれば、保存および搬送に対して全体的な積層高さに劇的な変化をもたらすことができる。好ましい発明構成または実施例の設計に対する変化によって、強度を少し改善できる、適度で均一な積層高さが可能となる。したがって、不連続部の異なる構成は、シートがすぐ組み立てられるかまたは搬送のために保存するかに基づいて、異なる応用に対して利用され得る。例えば、シートがすでに保存されたまたは搬送された場合、搬送のための積層をサポートしない不連続部の設計は利用され得る。一方、原材料から直接的に製造されて成形が完成して最終の組み立て充填構成(finished assembled fill configuration)に組み立てられる製品に対しては、選択的な設計であってもよい。
【0010】
簡略に言うと、好ましい本発明は、第1シートを第2シートに固定してパックアセンブリを形成するための機械的アセンブリに関し、パックアセンブリは一般的には第3シート、第4シート、第5シートなどの追加的なシートを有する。機械的アセンブリは、第1側壁および第1上壁を有する第1突起を含む。第1側壁は第1上壁から第1鋭角をなして延びている(
図3および
図4を参照)。第1側壁は第1上端および第1下端を含む。第1不連続部は第1上端と第1下端との間の第1側壁に定義されている。第1底壁は第1下端から延びている。第1底壁は第1上壁と略平行である。
【0011】
もう1つの実施態様において、好ましい発明は、第1シートを第2シートに固定する機械的アセンブリに関するが、これに限られず、シートにおける複数の機械的アセンブリを係合することによって、複数のシートをともに固定してパックアセンブリを形成してもよい。機械的アセンブリは、第1シートの第1側壁から延びている第1突起と、第2シートの第2側壁から延びている第2突起とを含む。第1突起は第1側壁および第1上壁を含む。第1側壁は第1底壁から第1鋭角をなして延びている。第1不連続部は、第1上壁と第1底壁との間の第1側壁に定義されている。第2突起は第2側壁および第2上壁を含む。第2側壁は第2底壁から第2鋭角をなして延びている。第2不連続部は、第1上壁と第2底壁との間の第2側壁に定義されている。積み重ね構成において、第2突起は、第1不連続部が第2不連続部の近隣に配置されているように、第1突起の内部に積み重ね可能である。
【0012】
前述した概要、および後述する発明についての詳細説明は、添付図面に合わせて読むことによってよりよく理解される。発明の例示という目的のために、現に好ましい実施例は図面に示されている。しかしながら、本発明は示された配置及び手段そのものに限られないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実線で表れた理想的なロック構成および破線で表れた積み重ね構成における先行技術の機械的アセンブリの側面図
【
図1A】本発明の好ましい実施例に関連する機械的アセンブリのための第1の複数突起および第2の複数突起を有する、分解された構成における第1シートおよび第2シートの側面図
【
図2】本発明の第1好ましい実施例に関連する機械的アセンブリの第1シートの第1突起の側面図
【
図3】
図2における線3-3に沿った、
図2の第1突起および第1底壁の断面図
【
図4】第1好ましい実施例の第2シートの第2突起および第2底壁を有する積み重ね構成において、
図2の第1突起および第1底壁の断面図
【
図5】本発明の第2好ましい実施例に関連する機械的アセンブリの第1シートの第1突起の側面図
【
図6】
図5における線6-6に沿った、
図5の第1突起および第1底壁の断面図
【
図7】第2好ましい実施例の第2シートの第2突起および第2底壁を有する積み重ね構成において、
図6の第1突起および第1底壁の断面図
【
図8】本発明の第3好ましい実施例に関連する機械的アセンブリの第1シートの第1突起の側面図
【
図9】
図8における線9-9に沿った、
図8の第1突起および第1底壁の断面図
【
図10】第3好ましい実施例の第2シートの第2突起および第2底壁を有する積み重ね構成において、
図9の第1突起および第1底壁の断面図
【
図11】本発明の第4好ましい実施例に関連する機械的アセンブリの第1シートの第1突起の側面図
【
図13】第4好ましい実施例の第2シートの第2突起および第2底壁を有する積み重ね構成において、
図11の第1突起および第1底壁の断面図
【
図14】本発明の第5好ましい実施例に関連する機械的アセンブリの第1突起および第1底壁の断面図
【
図15】第5好ましい実施例の第2シートの第2突起および第2底壁を有する積み重ね構成において、
図14の第1突起および第1底壁の断面図
【
図16】部分的に押しつぶされた構成において、
図15の第1突起および第2突起ならびに第1底壁および第2底壁の断面図
【
図17】完全にロックされた構成において、
図15の第1突起および第2突起ならびに第1底壁および第2底壁の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明において特定の用語は、便宜上のためにだけ使われ、制限のために使われることはない。特に明言する場合を除いて、「一」、「1つ」、「前記」は、1つの要素に制限されず、代わりに「少なくとも1つ」を意味するものとして読まれるべきである。「右」、「左」、「下」、および「上」という用語は、参照される図面内の方向を示す。 「内向き」または「遠位」、および「外向き」または「近接」という用語は、機械的アセンブリ、シートおよびそれらの関連部品の、幾何学的中心または方向に向く方向、当該および当該幾何学的中心または方向から離れる方向を、それぞれに指す。用語は、上述した単語、その派生語、および同様の意味の単語を含む。
【0015】
理解されるべきなのは、発明の要素の寸法または特性を参照するときに本明細書で使用される「約」、「略」、「ほぼ」、「実質的に」および類似な用語は、説明された寸法/特性について厳密な限界またはパラメータを指すことではなく、当業者に理解されるように、当該寸法/特性からなる機能的に同一または類似な小さな変化を排除するものではない。最低限には、数値パラメータを含むこのような参照は、本技術分野において容認されている数理および産業的原則(例えば、丸め(rounding)、測定誤差または他の系統誤差、製造公差)を用いて、最下位桁(least significant digit)を変化させない変化を含む。
【0016】
図1A~
図14を参照すると、好ましい発明は、第1シート12を第2シート14に固定するための、一般的には参照番号10で示す、機械的アセンブリを指す。第1シート12は、好ましくは上面12bから延びている第1の複数突起12aを含み、第2シート14は、好ましくは上面14bから延びている第2の複数突起14aを含む。第1シート12は、好ましくは一連の山部12cと一連の谷部14dを含み、第2シート14は、好ましくは一連の山部14cと一連の谷部14dを含む。第1の複数突起12aは好ましくは山部12cおよび谷部12dの上面12bから延びており、第2の複数突起14aは好ましくは山部14cおよび谷部14dの上面12bから延びている。第1シート12および第2シート14は
図1Aに示されてここで説明されるこれら特定の構成に限られない。ただ、第1シート12および第2シート14は、このましくはこのように形成され、よって、組み立てされた構成において流路は第1シート12と第2シート14との間に定義される。パックアセンブリまたは組み立てられたシートを定義するために、第1シート12と第2シート14とは追加的なシートとともに固定可能である。
【0017】
好ましい実施例において、第1シート12および第2シート14は高分子材料によって形成され、好ましくは熱成形で熱可塑性の材料によって形成されるが、これらに限られない。第1シート12および第2シート14は様々な変形可能な材料によって形成され得る。当該材料は好ましくは、機械的変形が可能であり、例えば、圧着、押しつぶし、または他の種類の機械的変形が可能であり、変形された材料はその変形された形状を維持する。第1シート12および第2シート14の好ましい材料は、エラストマー材料、高分子材料または金属材料によって形成され得て、当該材料によって、本明細書で説明するように、第1シート12および第2シート14がその通常の動作条件に耐えながら、第1シート12および第2シート14の一般的な寸法および形状を取ることができ、第1シート12および第2シート14の機能を発揮することができる。第1シート12および第2シート14のための好ましい材料は、板金、熱可塑材、および、本発明で利用されるシートを形成するために利用可能な熱可塑性材料が含浸された繊維によって形成された複合材料、によって形成され得る。第1シート12および第2シート14のための板金の材料は亜鉛メッキ鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、および銅を含んでもよい。第1シート12および第2シート14の形成に利用され得る熱可塑性材料は、(可塑化または非可塑化)ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アセタール、ナイロン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン(ABS)、スチレン-アクリロニトリル(SAN)、ポリフェニレンオキシド、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホン、ポリエチレン、ポリスチレン、テレフタレート、ポリエーテルケトン、ポリプロピレン、ポリシリコン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイオノマー、ポリエポキシド、 ポリビニリデンハライド(polyvinylidene halide)、および、これらの誘導体および/または混合物を含む。第1シート12および第2シート14の形成に好ましい材料は、望ましい最終用途、シート12、14の寸法および形状、ならびにシート12、14の用途に関連する応用条件に基づくものであってもよい。例えば、比較的低温の冷却塔の応用において、可塑剤を僅かに含むまたは含まないポリ塩化ビニル樹脂はシート12、14の形成に利用され得る。他の応用において、ポリ塩化ビニル、ポリプロピレン、ABS、またはポリスチレンなどの合成ポリマはシート12、14の形成に利用され得る。本明細書で説明するように、第1シート12および第2シート14がその通常の動作条件に耐えながら、かつ、第1シート12および第2シート14の機能を発揮しながら、第1シート12および第2シート14の一般的な寸法および形状を取ることができる、ほぼ任意の材料によって、第1シート12および第2シート14が形成され得る。
【0018】
図1A~
図4を参照すると、第1好ましい実施例において、第1シート12は、第1側壁20aおよび第1上壁20bを有する第1突起20を含む。第1側壁20aは第1上壁20bから第1鋭角Δ
1をなして延びている。第1好ましい実施例において、第1鋭角Δ
1は約70度から87度(70°~87°)であり、第1突起20は、平坦な底部または上壁20bを有する、略円錐台またはひっくり返ったカップの形状を有する。第1突起20は、第1上壁20bから第1鋭角Δ
1をなして延びている形態、または略円錐台の形状を有する形態に限られず、さらに広い範囲の第1鋭角Δ
1をなしてもよい。例えば、第1鋭角Δ
1は約55度から89度(55°~89°)の範囲にあってもよく、第1側壁20aは、弧状の上壁20bまたは平坦な上壁20bに遷移する略弧状を有してもよい。ただし、第1突起20は好ましくは、以下に詳細に説明されるように、対向する突起と積み重ねられる寸法および形状に形成される。
【0019】
第1側壁20aは好ましくは第1底壁28から第2鋭角Δ2をなして延びており、よって、第1下端23は第1不連続部24において第1上端22にあたる。第1好ましい実施例において、第2鋭角Δ2は約50度から70度(50°~70°)であり、好ましい構成において、約60度(60°)であってもよい。第1好ましい実施例において、第1鋭角Δ1は好ましくは第2鋭角Δ2より大きく、よって、第1突起20の底部は、積み重ねられるために、第2突起30を受け入れるように、第1底壁28に近接した比較的に広い開口を有する。第1突起20は、第1底壁28から第2鋭角Δ2をなして延びていること、または、第1底壁28に近接した比較的に広い開口を有する形態に限られず、さらに広い範囲の第2鋭角Δ2をなしてもよい。例えば、第2鋭角Δ2は約40度から87度(40°~87°)の範囲にあってもよく、第1側壁20aは、第1底壁28に遷移する略弧状を有してもよい。
【0020】
第1好ましい実施例の第1側壁20aは、第1上端22、第1下端23、および、第1上端22と第1下端23との間の第1側壁20aに定義された第1不連続部24と含む。第1好ましい実施例において、第1不連続部24は第1上端22と第1下端23の間におけるへこみまたは勾配の変化によって形成され、当該へこみまたは勾配の変化は、第1上端23から第1下端23を分離させる第1側壁20a全体において周方向に延びている。第1不連続部24は、第1上端22と第1下端23との間の第1側壁20aの勾配の変化によって実質的に定義されている。第1不連続部24は、以下により詳細に説明するように、組み立てにわたって第1突起20が押しつぶされるときに一貫して落とされるまたはねじられるように設計される。第1不連続部24は、先行技術の突起1と比べると、組み立てにわたる再現可能性を提供するため、組み立てされた第1シート12および第2シート14、またはパックアセンブリの強度を増加する。また、第1突起20を押しつぶすにより小さい力を求めるため、第1突起20を押しつぶすように設計されたツールおよび機構に対する構造的要求、摩損、および破損が低減される。好ましい第1不連続部24の一貫性のあるまたは再現可能な破損モードは、既知かつ再現可能な方法で、不連続部24において材料の弾性限歪(elastic strain limit)を局部的に超える応力集中を介して、突起12a、14aを破損させることによって、押しつぶしまたは組み立てにわたって既知の破損モードを提供する。第1不連続部24は、後述するように、第1上端22と第1下端23との間における勾配の変化に具体的に特定されること、または、実質的に第1突起20全体の周りにおいて周方向に延びている形態に限られない。ただし、第1不連続部24は好ましくは、以下により詳細に説明するように、ペアとなる第1突起20が積層可能または積み重ね可能(
図4)なように形成されている。
【0021】
各第1シート12の機械的アセンブリは好ましくは、第1側壁20aの第1下端23から延びている第1底壁28を含む。第1底壁28は好ましくは、第1上壁20bと略平行に延びており、第1下端23全体の周囲に定義される。第1下端23は好ましくは、第1底壁28から第2鋭角Δ2をなして延びており、第1上壁20bから第1鋭角Δ1をなして延びているが、これに限られず、他には、第1底壁28または第1上壁20bに延びていてもよく、または、第1底壁28または第1上壁20bと部分的に不連続であってもよい。第1底壁28は好ましくは、第1シート12において谷部12dの異なる部分から延びている、第1突起12aの複数の谷部突起とともに、第1シート12の谷部12dの1つに配置されており、好ましくは、すべて同じ方向に山部12cに向いて延びており、かつ、ほぼ同じ形状および構成を有する。第1シート12における第1突起12aの複数の谷部突起は好ましくは、第1の複数突起12aの約半分を含み、第1突起12aの複数の山部突起は第1の複数突起12aの他の約半分を含む。第1好ましい実施例において、第1底壁28は第1上壁20bに対して略平行に配置されている。第1側壁20aの第1上端22は好ましくは第1上壁20bから第1鋭角Δ1をなして延びている。第1鋭角Δ1は好ましくは第2鋭角Δ2より大きく、よって、第1突起20の比較的に低い開口は、利用されるときに他の第1突起20または他の突起の導入または積み重ねを行うように比較的に広い。第1好ましい実施例において、第1上端22と第1下端23との間に勾配の違いによって第1不連続部24が定義される。
【0022】
第2シート14は、第2側壁30aおよび第2上壁30bを有する第2突起30を含む。第2側壁30bは第2上端32、第2下端33、および、第2上端32と第2下端33との間に定義された第2不連続部34を含む。第2下端33は第2底壁38から第4鋭角θ
4をなして延びており、第2上端32は第2上壁30bから第3鋭角θ
3をなして延びている。第1好ましい実施例において、第1鋭角Δ
1および第3鋭角θ
3は実質的に等しく、第2鋭角Δ
2および第4鋭角θ
4は実質的に等しい。第2不連続部34は、第2上端32と第2下端33との間の第2側壁30aに定義されている。第1好ましい実施例の第2不連続部34は第2側壁30aの周りにおいて実質的に周方向に延びている。第2突起30は、第1突起20と類似または実質的に同様な設計および構成を有し、よって、積み重ね構成(
図4)において、第2突起30は第1突起20の内部に配置され得るまたは積み重ね可能である。第2不連続部34も実質的に第1不連続部24と同様又は類似な形式に設計されて構成され、よって、第1側壁20aおよび第2側壁30aを崩す(collapse)ために、および、一般的にはリベットの形式であって押しつぶされる機械的アセンブリを形成するために、力が第1上端22および第2上端32または第1上壁20bに加えられるときに、第1不連続部24および第2不連続部34において第1突起20と第2突起30ともになじられる、圧倒される(crumple)、または破損される。
【0023】
第2シート14は、第2突起30の第2下端33から延びている第2底壁38を含む。第2底壁38は第2上壁30bと略平行に延びており、第2側壁30aまたは第2下端33は第2底壁38から第4鋭角θΔ4をなして延びている。第2突起30は第1突起20の内部に積み重ね可能であるため、積み重ね構成において、第2上壁30bは第1上壁20bの近隣に配置されており、第2側壁30aは第1側壁20aの近隣に配置されている。第1不連続部24および第2不連続部34は好ましくは、互いの近隣に配置されており、または、積み重ね構成において略整列している。第1上壁20bおよび第2上壁30bならびに第1側壁20aおよび第2側壁30aは好ましくは、積み重ね構成において対面して係合しているように配置されているが、これに限られず、積み重ね構成においてわずかに分離してもまたは距離を空いていてもよい。第1突起20および第2突起30は、第1シート12を第2シート14に固定するために押しつぶされた後、一般的にはリベットの形式であって押しつぶされた構成において係合し合っているように配置されればよい。
【0024】
第2底壁38は、第2突起30の第2下端33の周囲に配置された略平面状の壁であり、好ましくは第2シート14の山部14cの1つに位置している。第2突起30は好ましくは、第2シート14上の第2の複数突起14aの約2分の1を含む、第2シート14上の第2の複数突起14aのうちの1つであり、なお、第2の複数突起14aの他の2分の1が谷部14dに位置している。
【0025】
組み立てされた構成において、第2シート14の山部14cの上面14bが谷部12dの比較的に低い表面と接触してくるため、積み重ね構成において、第2突起30は第1突起20の内部に積み重ねられまたは位置しており、第2の複数突起14aの山部14c上の突起は、第1の複数突起12aの谷部12d上の突起の内部に位置しており、よって、第2シート12の谷部12dと第1シートの山部12cとの間における流路が形成される。積み重ね構成において、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aのそれぞれによって、組み立てされた構成において第1シート12と第2シート14とともに横方向に固定されている。積み重ね構成において、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aの第1突起20および第2突起30を含むこれらの突起は、第1側壁20aおよび第2側壁30a、ならびに他の積み重ねられた突起の側壁をねじるに十分な力を、第1上壁20bおよび第2上壁30bに対して下向きに適用することによって、力適用後に押しつぶされる。第1不連続部24および第2不連続部34によって、第1側壁20aおよび第2側壁30aにおける一貫した破損、ならびに、押しつぶされたときの第1突起20および第2突起30のねじりまたは変形が提供され、よって、比較的に一貫して押しつぶされた突起12a、14a、20、30が形成され、横方向と縦方向とともに、または、第1底壁28および第2底壁38に対して面外方向に、第1シート12が第2シート14に固定される。第1不連続部24および第2不連続部34によって、先行技術の突起1と比べてより小さい力で突起12a、14a、20、30が押しつぶされて破損されるため、突起12a、14a、20、30を押しつぶすために利用されるツールにより小さい反力が適用され、ツールに対する設定要求がより軽くなる。
【0026】
積み重ね構成において、第1底壁28は第2底壁38の近隣に配置されており、好ましくは、互いに対面して係合しているように配置されており、第1上壁20bおよび第2上壁30bに対して力が適用されるときに第1底壁28および第2底壁38が支持される。十分な力が提供されるとき、第1側壁20aおよび第2側壁30a、ならびに、積み重ね構成におけるかつ力が適用される、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aのそれぞれの側壁は、第1不連続部24および第2不連続部34ならびに関連の不連続部においてねじられ、リベット系の接合を形成する。組み立てされた構成において、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aの積み重ねた突起のそれぞれは、第1シート12と第2シート14とともに固定するように押しつぶされなくてもよく、例えば、第1シート12および第2シート14の縁部にある突起のみが押しつぶされてもよく、または、積み重ねた第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aのうちの一部のみが押しつぶされてもよい。
【0027】
第1好ましい実施例において、第1不連続部24および第2不連続部34は、第1側壁20aおよび第2側壁30aのそれぞれの周りにおいて周方向に形成された、かつ、積み重ね構成において整列している、単一の不連続部によって構成されている。第1不連続部24および第2不連続部34は、
図2~
図4に示されて本明細書で説明された、側壁20a、30aの周りにおいて周方向に形成された不連続部によって形成される形態に限られず、他には、積み重ね構成において整列していないように設計されて構成された不連続部によって形成されてもよい。第1不連続部24および第2不連続部34は、第1側壁20aおよび第2側壁30aに関連し得るほぼ任意の寸法および形状を取ってもよく、第1上壁20bおよび第2上壁30bに力が適用されるときに第1突起20および第2突起30を一貫して破損させる。例えば、第1不連続部24および第2不連続部34は、第1側壁20aおよび第2側壁30aに埋め込まれたまたは形成された穴または応力集中部によって形成されてもよく、よって、積み重ね構成において押しつぶす力が適用されるときに第1突起20および第2突起30は一貫して押しつぶされる、ねじられる、または崩される。第1シート12および第2シート14の第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14のそれぞれは、第1好ましい実施例における第1突起20および第2突起30と同様または実質的に同様のように設計されて構成されているが、これに限られない。他には、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14の一部は、設計者および利用者の好みに基づいて設計されて構成されてもよく、例えば、組み立てされた第1シート12および第2シート14において強度または剛性の特徴を特に提供するように設計されて構成されてもよく、または、他の設計上の考慮のために設計されて構成されてもよい。
【0028】
第1シート12および第2シート14は限定的ではなく、代替的なアセンブリは、シートの比較的に大きなアセンブリを定義するために、第1シート12および/または第2シート14と積層され得るまたは組み立てられ得る追加的なシート(図示せず)を含んでもよく、当該追加的なシートは、それから延びている、かつ、積み重ね構成に配置され得る、同様な複数の突起を有する。本開示を読んだ当業者にとって、複数のシート12、14のアセンブリは、最終的に接触体を定義するパックとして説明され得ることが明らかである。アセンブリは代替的にルーバー(louver)、ドリフトエリミネータ(drift eliminator)、チューブセトラ(tube settler)、水中固定フィルム媒体(submerged fixed film media)、散水濾床媒体(trickling filter media)、または、ともに組み立てられた複数のシート12、14によって形成された関連アセンブリとして説明され得る。
【0029】
図5~
図7を参照すると、第2好ましい実施例の第1突起120および第2突起130は、第1好ましい実施例の第1突起20および第2突起30と類似点を有し、類似な参照番号は類似な特徴を特定するに利用され、第1好ましい第1突起20および第2突起30から、第2好ましい第1突起120および第2突起130を差別化するために、「1」番台の参照番号が利用される。第2好ましい第1突起120および第2突起130は第1上壁120bおよび第2上壁130b、第1側壁120aおよび第2側壁130a、ならびに、第1底壁128および第2底壁138をそれぞれに含む。第1側壁120aおよび第2側壁130aは第1上端122および第2上端132、ならびに第1下端123および第2下端133をそれぞれに含む。本発明の好ましい実施形態のそれぞれの場合のように、第2好ましい実施例の第1突起120および第2突起130は、ルーバー、ドリフトエリミネータ、チューブセトラ、水中固定フィルム媒体、散水濾床媒体、または関連するアセンブリなどのシートアセンブリを定義するように第1シート12および第2シート14に組み込まれている。
【0030】
第2好ましい実施例の第1側壁120aは、第1上端22と第1下端23との間の第1側壁20aの限られた周面部(circumferential portion)に定義された第1不連続部124を含む。第2好ましい実施例において、第1不連続部124は、第1側壁20aにおけるへこみによって形成されており、当該へこみは、第1側壁20aの中点の近くで比較的に急となって第1底壁128に向かって先細くなる。第2好ましい実施例の第1不連続部124は中脚部(middle leg)を含み、当該中脚部は、上壁20bに対して実質的に垂直に延びており、そして先細りまたは角度の付いた第1下端123に遷移する。中脚部126は、実質的に垂直に延びている、または、先細く上端120bへ延びている。第1不連続部124は、第1上端122と第1下端123との間の第1側壁120aの勾配の変化によって実質的に定義される。第1不連続部124は、組み立てにわたって第1突起20が押しつぶされるときに一貫して破損するまたはねじられるように設計される。第2好ましい実施例の第1不連続部124は、先行技術の突起1と比べると、組み立てにわたる再現可能性を提供するため、組み立てられた第1シート12および第2シート14、またはパックアセンブリの強度を増加する。また、第1突起120を押しつぶされるにはより小さい力を求めるため、第1突起120を押しつぶすように設計されたツールおよび機構に対する構造的要求、摩損、および破損が低減される。好ましい第1不連続部124の一貫性のあるまたは再現可能な破損モードは、既知かつ再現可能な方法で、不連続部124において材料の弾性限歪を局部的に超える応力集中を介して、突起12a、14aを破損させることによって、押しつぶしまたは組み立てにわたって既知の破損モードを提供する。第1中脚部126は、上壁120bに対してわずかに先細く伸びている形態に限られず、他の角度をなして延びてもよく、好ましくは、垂直にまたは第1突起120の内部空間からわずかに離れるように延びており、よって、ペアの第1突起120は積層可能または積み重ね可能となる(
図7)。
【0031】
第2好ましい実施例の第1側壁120aは第1上壁120bから第1鋭角Δ1をなして延びている。第2好ましい実施例において、第1鋭角Δ1は約70度から87度(70°~87°)であり、第1突起20は、平坦な底部または上壁20bを有する、略円錐台またはひっくり返ったカップの形状を有する。第1突起20は、第1上壁20bから第1鋭角Δ1をなして延びている形態、または略円錐台の形状を有する形態に限られず、さらに広い範囲の第1鋭角Δ1をなしてもよい。例えば、第1鋭角Δ1は約45度から87度(45°~87°)の範囲にあってもよく、第1側壁20aは、弧状の上壁20bまたは平坦な上壁20bに遷移する略弧状を有してもよい。第1側壁120aは好ましくは第1底壁128から第2鋭角Δ2をなして延びており、当該第2鋭角Δ2は第1不連続部124においてまたは第1不連続部124の近くにおいて測定される。第2鋭角Δ2は好ましくは、第1鋭角Δ1と実質的に同様であり、または、第2鋭角Δ2よりわずかに小さく、そして、第1不連続部124から離間している部分において、第1側壁120aは第1底壁128から第1鋭角Δ1をなして延びている。第1突起20は好ましくは、以下に詳細に説明されるように、対向する突起と積み重ねられる寸法および形状に形成される。
【0032】
第2好ましい実施例において、第1不連続部124は、第1側壁120aにおけるへこみによって形成されており、当該へこみは、第1側壁120aの中点の近くで比較的に急となって第1下端123に向かって先細くなる。第2好ましい実施例の第1不連続部124は中脚部126を含み、当該中脚部は、上壁120bに対して実質的に垂直に延びており、そして先細りまたは角度の付いた第1下端123に遷移する。第1不連続部124は、第1側壁120aの一部において、第1上端122と第1下端123との間の第1側壁120aの勾配の変化によって実質的に定義される。第1不連続部124は、組み立てにわたって第1突起120が押しつぶされるまたはねじられるときに一貫して破損するまたはねじられるように設計される。第1不連続部124は、先行技術の突起1と比べると、組み立てにわたる再現可能性を提供するため、組み立てられた第1シート12および第2シート14、またはパックアセンブリの強度を増加する。また、第1突起120を押しつぶされるにはより小さい力を求めるため、第1突起120を押しつぶすように設計されたツールおよび機構に対する構造的要求、摩損、および破損が低減される。好ましい第1不連続部124の一貫性のあるまたは再現可能な破損モードは、既知かつ再現可能な方法で、不連続部124において材料の弾性限歪を局部的に超える応力集中を介して、突起12a、14aを破損させることによって、押しつぶしまたは組み立てにわたって既知の破損モードを提供する。第1中脚部126は、上壁120bに対して実質的に垂直に延びている形態に限られず、他の角度をなして延びてもよく、好ましくは、垂直にまたは第1突起120の内部空間からわずかに離れるように延びており、よって、ペアの第1突起120は積層可能または積み重ね可能となる(
図7)。
【0033】
第2好ましい実施例の第2シート14は、第2側壁130aおよび第2上壁130bを有する第2突起を含み、第2側壁130aは第2上壁130bから第3鋭角1θ
3をなして延びている。第2側壁130aは好ましくは第2底壁138から第4鋭角1θ
4をなして延びている。第2側壁130aは第2上端132および第2下端133を含む。第2不連続部134は、第2上端132と第2下端133との間の第2側壁130aに定義されている。第2好ましい実施例の第2不連続部34は第2中脚部136を含み、当該第2中脚部136は、第2上端132と第2下端133との間の第2側壁130aの一部に沿って延びており、かつ、第2上壁130bと略垂直に延びている。第2突起130は、第1突起120と類似または実質的に同様な設計および構成を有し、よって、積み重ね構成(
図7)において、第2突起130は第1突起120の内部に配置され得るまたは積み重ね可能である。第2不連続部134も実質的に第1不連続部124と同様又は類似な形式に設計されて構成され、よって、第1側壁120aおよび第2側壁130aを崩すために、および、一般的にはリベットの形式であって押しつぶされる機械的アセンブリを形成するために、力が第1上端122および第2上端132または第1上壁120bに加えられるときに、第1不連続部124および第2不連続部134において第1突起120と第2突起130ともになじられる、圧倒される、または破損される。
【0034】
組み立てされた構成または積み重ね構成において、第2突起130は第1突起120の内部に配置されておりまたは積み重ねられており、第2の複数突起14aの山部14cにおける突起は、第1の複数突起12aの谷部12dにおける突起の内部に配置されており、よって、第2シート12の谷部14dと第1シート12の山部14cとの間に流路が形成される。積み重ねられた第1突起120および第2突起130は、第1側壁120aおよび第2側壁130aをねじるに十分な力を、第1上壁120bおよび第2上壁130bに対して下向きに適用することによって、実質的に押しつぶされる。第1不連続部124および第2不連続部134によって、第1側壁120aおよび第2側壁130aにおける一貫した破損、ならびに、押しつぶされたときの第1突起120および第2突起130のねじり、崩し、または変形が提供され、よって、比較的に一貫して押しつぶされた突起120、130が形成され、横方向と縦方向とともに、または、第1底壁128および第2底壁138に対して面外方向に、第1シート12が第2シート14に固定される。第1不連続部124および第2不連続部134によって、先行技術の突起1と比べてより小さい力で突起20、30が押しつぶされて破損されるため、突起120、130を押しつぶすために利用されるツールにより小さい反力が適用される。
【0035】
第2好ましい実施例において、第1不連続部124および第2不連続部134は、第1不連続部24および第2不連続部34は、第1側壁120aおよび第2側壁130aのそれぞれの一側に形成された、かつ、積み重ね構成において整列している、単一の不連続部によって構成されている。第1不連続部124および第2不連続部134は、
図5~
図7に示されて本明細書で説明された、第1中脚部126および第2中脚部136をそれぞれに有する側壁120a、130aの一側に形成された不連続部によって形成される形態に限られず、他には、積み重ね構成において整列していないように設計されて構成された不連続部によって形成されてもよい。第1不連続部124および第2不連続部134は、第1側壁120aおよび第2側壁130aに関連し得るほぼ任意の寸法および形状を取ってもよく、第1上壁120bおよび第2上壁130bに力が適用されるときに第1突起120および第2突起130を一貫して破損させる。第1シート12および第2シート14の第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14のそれぞれは、第2好ましい実施例における第1突起120および第2突起130と同様または実質的に同様のように設計されて構成されているが、これに限られない。他には、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14の一部は、設計者および利用者の好みに基づいて設計されて構成されてもよい。
【0036】
図8~
図10を参照すると、第3好ましい実施例の第1突起220および第2突起230は、第1好ましい実施例および第2好ましい実施例の第1突起20、120および第2突起30、130と類似点を有し、類似な参照番号は類似な特徴を特定するに利用され、第1好ましいおよび第2好ましい第1突起20、120および第2突起30、130から、第3好ましい第1突起220および第2突起230を差別化するために、「2」番台の参照番号が利用される。第3好ましい第1突起220および第2突起230は第1上壁220bおよび第2上壁230b、第1側壁220aおよび第2側壁230a、ならびに、第1底壁228および第2底壁238をそれぞれに含む。第1側壁220aおよび第2側壁230aは第1上端222および第2上端232、ならびに第1下端223および第2下端233をそれぞれに含む。
【0037】
第2好ましい実施例の第1不連続部224および第2不連続部234は、第1突起220および第2突起230における、ペアとなる(すなわち、一対の)対向する不連続部またはくぼみ224、234をそれぞれに含む。対向する不連続部またはくぼみ224、234は好ましくは、第1側壁220aおよび第2側壁230aの中点にそれぞれに配置されており、かつ、第1上端222および第2上端232と第1下端223および第2下端233との間に配置されている。不連続部224、234は実質的には第1側壁220aおよび第2側壁230aの勾配の変化によって形成されている。対向する第1不連続部224および第2不連続部234のそれぞれは中脚部226、236を含む。突起220、230は、対向する第1不連続部224および第2不連続部234をそれぞれに含む形態に限られず、突起220、230の周囲から離間している、2つより多くの不連続部224、234を含んでもよく、または、第1側壁220aおよび第2側壁230aの周囲において、第1側壁220aおよび第2側壁230aに沿った様々な位置に配置された複数の突起220、230を含んでもよい。好ましくは、第2好ましい実施例の第1不連続部224および第2不連続部234によって、突起220、230を押しつぶされたポジティブロックまたはリベット系のポジティブロックに押しつぶすための、一貫した比較的に小さい力が可能となる。
【0038】
第3好ましい実施例において、第1側壁220aおよび第2側壁230aは第1上壁220および第2上壁230bから第1鋭角2Δ1および第3鋭角2θ3をなして延びており、これらの鋭角は好ましくは実質的に等しい。第1側壁220aおよび第2側壁230aは好ましくは第1上壁228、第2上壁238から第2鋭角2Δ2および第4鋭角2θ4をなして延びており、これらの鋭角は好ましくは実質的に等しい。ただし、鋭角2Δ1、2θ3、2Δ2、2θ4は、前述したほど制限されておらず、設計者の好みまたは実施の目的に基づいて、寸法が決定され得て構成され得る。
【0039】
図11~
図13を参照すると、第4好ましい実施例の第1突起320および第2突起330は、第1好ましい実施例、第2好ましい実施例および第3好ましい実施例の第1突起20、120、220および第2突起30、130、230と類似点を有し、類似な参照番号は類似な特徴を特定するに利用され、第1好ましい、第2好ましいおよび第3好ましい第1突起20、120、220および第2突起30、130、230から、第4好ましい第1突起320および第2突起330を差別化するために、「3」番台の参照番号が利用される。第4好ましい第1突起320および第2突起330は第1上壁320bおよび第2上壁330b、第1側壁320aおよび第2側壁330a、ならびに、第1底壁328および第2底壁338をそれぞれに含む。第4好ましい実施例の第1不連続部324および第2不連続部334は、第1上端322および第2上端332と第1下端323および第2下端333との間の中脚部326、336を含む。当該中脚部326、336は、上弧状部326a、336aおよび下弧状部326b、336bによって、第1上端322および第2上端332ならびに第1下端323および第2下端333からそれぞれに分離している。第1側壁320aおよび第2側壁330aの第1上端322および第2上端332は、第1上壁320bおよび第2上壁330bから、上弧状部326a、336aに、第1中脚部326および第2中脚部336に、下弧状部326b、336bに、第1下端323、333に、そして第1底壁328および第2底壁338に、それぞれに延びている。第1不連続部326および第2不連続部336は実質的には、第1側壁320aおよび第2側壁330aの勾配の変化によって定義されており、または、第1上端322および第2上端332と第1中脚部326および第2中脚部336との間、かつ、第1下端323および第2下端333と第1中脚部326および第2中脚部336との間にある変曲点によって定義されている。
【0040】
第1上端322および第2上端332は好ましくは第1上壁320bおよび第2上壁330bから第1鋭角3Δ
1、第3鋭角3θ
3をなして延びており、第4好ましい実施例においてこれらの鋭角は約50度から60度(50°~60°)である。また、第4好ましい実施例の中脚部326、336は好ましくは、水平方向または上壁320b、330bの平面に対して中脚部角度3Ωをなして延びており、当該中脚部角度3Ωは約70度から87度(70°~87°)である。第1下端323および第2下端333は好ましくは第1底壁328および第2底壁338から第2鋭角3Δ
2、第4鋭角3θ
4をなして延びており、第4好ましい実施例においてこれらの鋭角は約50度から60度(50°~60°)である。第1鋭角3Δ
1、第2鋭角3Δ
2、第3鋭角3θ
3、第4鋭角3θ
4、および中脚部角度3Ωはこれらの特定の角度に限られないが、これらの角度によれば、ペアの第1突起320および第2突起330の積層、ならびに、第1突起320および第2突起330を積み重ね構成(
図13)からポジティブロックに押しつぶすことが促進されるため、第4好ましい実施例では好ましい。
【0041】
図14~
図16を参照すると、第5好ましい実施例の第1突起420および第2突起430は、第1好ましい実施例、第2好ましい実施例、第3好ましい実施例および第4好ましい実施例の第1突起20、120、220、320および第2突起30、130、230、330と類似点を有し、類似な参照番号は類似な特徴を特定するに利用され、第1好ましい、第2好ましい、第3好ましいおよび第4好ましい第1突起20、120、220、320および第2突起30、130、230、330から、第5好ましい第1突起420および第2突起430を差別化するために、「4」番台の参照番号が利用される。第5好ましい第1突起420および第2突起430は第1側壁420aおよび第2側壁430a、第1上壁420bおよび第2上壁430b、ならびに、第1底壁428および第2底壁438をそれぞれに含む。第4好ましい実施例の第1不連続部424および第2不連続部434は、第1側壁420aおよび第2側壁430a全体の周りに周方向に延びている中脚部426、436をそれぞれに含む。中脚部426、436は、押しつぶされていない構成において、実質的に垂直に延びており、または、第1上壁420bおよび第2上壁430bならびに第1底壁428および第2底壁438に対して実質的に垂直である。中脚部426、436によって第1側壁420aおよび第2側壁430の勾配の変化が生じる。当該勾配の変化によって、第1不連続部424および第2不連続部434は定義されている。中脚部426、436は、略垂直に延びており、または、第1上壁420bおよび第2上壁430bならびに第1底壁428および第2底壁438に対して実質的に垂直である。第5好ましい実施例の第1不連続部424および第2不連続部434は、第1好ましい実施例、第2好ましい実施例、第3好ましい実施例および第4好ましい実施例と実質的の同様または類似な機能を発揮し、第1突起420および第2突起430の積み重ねを促進し、押しつぶす力が第1側壁420aおよび第2側壁430に適用されてポジティブロックを形成するときの、第1突起420および第2突起430の一貫したねじりまたは破損も促進する。
【0042】
第5好ましい実施例の第1上端422および第2上端432は上壁420b、430bから第1鋭角4Δ
1、第3鋭角4θ
3をなして延びており、第5好ましい実施例においてこれらの鋭角は約70度から87度(70°~87°)である。第3好ましい実施例の中脚部426、436は好ましくは第1上壁420bおよび第2上壁430bに対して実質的に垂直に延びている。第1下端423および第2下端433は好ましくは第1底壁428および第2底壁438から第2鋭角4Δ
2、第4鋭角4θ
4をなして延びており、第5好ましい実施例においてこれらの鋭角は約60度から80度(60°~80°)である。第1鋭角4Δ
1、第2鋭角4Δ
2、第3鋭角4θ
3、および第4鋭角4θ
4はこれらの特定の角度に限られないが、これらの角度によれば、ペアの第1突起420および第2突起430の積層、ならびに、第1突起420および第2突起430を積み重ね構成(
図15)からポジティブロックに押しつぶすことが促進されるため、第5好ましい実施例では好ましい。
【0043】
図1Aおよび
図15~
図17を参照すると、好ましい機械的アセンブリの動作は第5好ましい実施例を中心に説明されるが、第1好ましい実施例、第2好ましい実施例、第3好ましい実施例および第4好ましい実施例は実質的に同様な形式で機能する。利用時、第1シート12および第2シート14は相対的に配置されており、よって、谷部12dにおける第1の複数突起12aは、第2シート14の山部14cにおける第2の複数突起14aの真上に整列している。その後、第1シート12と第2シート14とともに押され、第1突起20および第2突起30を含む特定の突起12a、14aは積み重ね構成(
図4、
図7、
図10、
図13および
図15)になる。その後、積み重ねられた、第1上壁20bおよび第2上壁30bを含む、突起12a、14aの上壁に力が適用される。当該力は好ましくはツールによって機械的に適用される。当該力は好ましくは、側壁20a、30aをねじらせて、第1突起20および第2突起30を含む特定の突起12a、14aを変形させて、第1底壁28、128、228、328、428および第2底壁38、138、238、338、438に向いて崩すに十分である。
【0044】
図15~
図17を特に参照すると、第5好ましい実施例の積み重ねられた第1突起420および第2突起430の押しつぶしロック(crush locking)または機械的な組み立てにわたって、好ましくは力によって側壁420a、430aは不連続部424、434からねじれるまたは圧倒される。側壁420a、430aは好ましくは、第1突起420および第2突起430が互いに積み重ねられているときに自身の上に折り畳まれる。このような折り畳みによって、第1シート12および第2シート14は、崩されて結合された突起420、430において固定されるまたは係合される。押しつぶされた構成またはポジティブロック構成において、第1突起420および第2突起430は、第1側壁420a(
図17)が第1底壁428に面して係合してこないように押しつぶされ得て、または、側壁420a、430aは、第1側壁420aが第1底壁428に面して係合するように押しつぶされ得る。追加的なシート(図示せず)は、まだ押しつぶされていない第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14aを有する追加的なシートにおける追加的な突起を整列させて押しつぶすことによって、係合されたまたは接合された第1シート12および第2シート14に続いて追加され得る。
【0045】
好ましい突起20、30、120、130、220、230、320、330、420、430は好ましくは、十分な力が突起20、30、120、130、220、230、320、330、420、430に適用されるときに、不連続部24、34、124、134、224、234、324、334、424、434が突起20、30、120、130、220、230、320、330、420、430の材料の弾性限歪を局部的に超える応力集中をもたらすように構成されている。不連続部24、34、124、134、224、234、324、334、424、434における突起20、30、120、130、220、230、320、330、420、430の一貫した破損によって、第1シート12を第2シート14および追加的なシートに固定するためのポジティブロックまたは押しつぶされた接合箇所(joint)に関する再現可能な強度パフォーマンスが得られる。
【0046】
図1~
図17を参照すると、好ましい実施例において、第1の複数突起12aは、第1突起20、120、220、320、420、第3突起40、およびいくつかの追加的な突起を含む。第2の複数突起14aは、第1突起30、130、230、330、430、第3突起42、およびいくつかの追加的な突起を含む。第3突起40は、積み重ね構成において第4突起42の内部に積み重ねられ、ポジティブロックまたはリベット系の接合を形成するように押しつぶされ得る。好ましい実施例において、第1の複数突起12aおよび第2の複数突起14のそれぞれは一般的には、積み重ね構成において互いに内部に積み重ね可能のように円錐台の形状を有する。
【0047】
広い発明概念から逸脱することなく、上述した実施例に変更を加えることができることは当業者に理解されたい。よって、本発明は、記載された特定の実施例に限定されず、本開示および添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神および範囲内の修正を含もうとすることが理解される。