(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-12
(54)【発明の名称】プレート熱交換器用の伝熱プレートとカセット
(51)【国際特許分類】
F28F 3/08 20060101AFI20221004BHJP
F28D 9/02 20060101ALI20221004BHJP
F28F 3/04 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
F28F3/08 311
F28D9/02
F28F3/04 B
(21)【出願番号】P 2021532516
(86)(22)【出願日】2019-07-19
(86)【国際出願番号】 EP2019069509
(87)【国際公開番号】W WO2020038668
(87)【国際公開日】2020-02-27
【審査請求日】2021-02-17
(32)【優先日】2018-08-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】509005513
【氏名又は名称】アルファ-ラヴァル・コーポレート・アーベー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】マティアス・ノーレン
(72)【発明者】
【氏名】ヨハン・ニルソン
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2009/082336(WO,A1)
【文献】特表2012-510606(JP,A)
【文献】特開平03-244992(JP,A)
【文献】特表2000-502786(JP,A)
【文献】特表2001-526765(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第00450822(EP,A1)
【文献】中国実用新案第201463670(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F 3/08
F28D 9/02
F28F 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレート熱交換器(2)用の
伝熱プレートであって、厚さtを有し、第1および第2の対向するサイド(22、24)と、第1のサイド(22)に沿った第1のバー係合部(62)と、第2のサイド(24)に沿った第2のバー係合部(64)と、互いに平行でその間の距離がxである、第1および第2の平面(54、56)の間でその中に延在する波状部(50)を含むアウターエッジ部(48)と、を備え、前記第1のバー係合部(62)が、前記プレート熱交換器(2)の第1のバー(14)を受容するための第1の凹部(66)と前記第1の凹部(66)を取り囲む第1のエッジ部(68)とを含み、前記第2のバー係合部(64)が、前記プレート熱交換器(2)の第2のバー(16)を受容するための第2の凹部(72)と前記第2の凹部(72)を取り囲む第2のエッジ部(74)とを含み、前記第1のエッジ部(68)の少なくとも一部が、前記第1の平面(54)から前記第1の平面(54)に平行な第3の平面(78)に延在し、前記第2のエッジ部(74)の少なくとも一部が、前記第1の平面(54)から前記第1の平面(54)に平行な第4の平面(80)に延在している、プレート熱交換器(2)用の
伝熱プレートにおいて、
前記第2および第3の平面(56、
78)が、前記第1の平面(54)の同じ側に配置され、前記第3の平面(78)は
、前記第1のエッジ部(68)の少なくとも一部が前記
伝熱プレートの表面(30)から突出するように、
前記第1の平面(54)からの距離d1に配置され、前記第4の平面(80)は、前記第1の平面(54)からの距離d2が、d2≧0に配置され、前記第1のエッジ部(68)のエッジ(70)が第1の領域(84)を画定し、前記第2のエッジ部(74)のエッジ(76)が第2の領域(88)を画定し、
前記伝熱プレートの前記第1の領域(84)
は、前記伝熱プレートに対して横方向中心軸(28)を中心に180度回転された隣接する伝熱プレートの前記第2の領域(88)の内部に嵌合
可能に構成されていることを特徴とする、プレート熱交換器(2)用の
伝熱プレート。
【請求項2】
前記第1の凹部および第2の凹部(66、72)がそれぞれ前記第1および第2のサイド(22、24)から延在していることを特徴とする、請求項1に記載の
伝熱プレート。
【請求項3】
d2=d1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の
伝熱プレート。
【請求項4】
d2<d1であることを特徴とする、請求項1または2に記載の
伝熱プレート。
【請求項5】
前記第1および第3の平面(54、78)が前記第2の平面(56)の
両側に配置されていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項6】
d1>(x+0.5t)であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項7】
前記第1および第4の平面(54、80)が前記第2の平面(56)の
両側に配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項8】
d2>(x+0.5t)であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項9】
前記第1の平面と第3の平面(54、78)との間の距離d1が、d1≦(2x+1.5t)であることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項10】
前記第1の平面と第4の平面(54、80)との間の距離d2が、d2≦(2x+0.5t)であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項11】
当該伝熱プレートの裏面(32)に延在するガスケット溝(34)をさらに含み、該ガスケット溝(34)の底面が前記第2の平面(56)に延在していることを特徴とする、請求項1~10のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項12】
前記第1および第2の領域(84、88)が実質的に
同じ形状を有することを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項13】
前記第1の凹部および第2の凹部(66、72)のそれぞれの中心(C1、C2)が、
当該伝熱プレートの長手方向中心軸(26)に平行に延びる、仮想凹部中心直線(77)上に配置されていることを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の
伝熱プレート。
【請求項14】
プレート熱交換器(2)用のカセット(57)であって、結合された第1および第2の伝熱プレート(8a、8b)である、請求項1~13のいずれか一項に記載された伝熱プレート(8a、8b)を含む、プレート熱交換器(2)用のカセット(57)において、
第2の伝熱プレート(8b)は、第1の伝熱プレート(8a)に対して横方向中心軸(28)を中心に180度回転し、前記第1の伝熱プレート(8a)の表面(30)が前記第2の伝熱プレート(8b)の表面(30)に当接し、前記第1の伝熱プレート(8a)の第1の領域(84)が、前記第2の伝熱プレート(8b)の第2の領域(88)内に配置され、前記第2の伝熱プレート(8b)の第1の領域(84)が、前記第1の伝熱プレート(8a)の第2の領域(88)内に配置されていることを特徴とする、プレート熱交換器(2)用のカセット(57)。
【請求項15】
プレート熱交換器(2)用のカセット(57)であって、結合された第1および第2の伝熱プレート(8a、8b)である、請求項1~12のいずれか一項に記載された伝熱プレート(8a、8b)を含む、プレート熱交換器(2)用のカセット(57)において、
第2の伝熱プレート(8b)は、第1の伝熱プレート(8a)に対して横方向中心軸(28)を中心に180度回転し、前記第1の伝熱プレート(8a)の裏面(32)が前記第2の伝熱プレート(8b)の裏面(32)に当接し、前記第1の伝熱プレート(8a)の第1の領域(84)が、前記第2の伝熱プレート(8b)の第2の領域(88)内に配置され、前記第2の伝熱プレート(8b)の第1の領域(84)が、前記第1の伝熱プレート(8a)の第2の領域(88)内に配置されていることを特徴とする、プレート熱交換器(2)用のカセット(57)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレート熱交換器の第1および第2のバーをそれぞれ受け入れるように配置された対向する第1の凹部および第2の凹部を備えた、プレート熱交換器用の伝熱プレートに関する。第1の凹部および第2の凹部は、少なくとも部分的に、第1および第2のエッジ部によってそれぞれ囲まれている。本発明はまた、共に結合されたそのような2つの伝熱プレートを含む、プレート熱交換器用のカセットに関する。
【背景技術】
【0002】
プレート熱交換器(PHE)は、通常、2つのエンドプレートを備え、その間に多数の伝熱プレートが、積み重ねまたはパックにされて配置される。PHEの伝熱プレートは、同じタイプまたは異なるタイプのものであり、それらは、異なる方法で積み重ねられ得る。一部のPHEでは、伝熱プレートは、1つの伝熱プレートの表側と裏側とが、他の伝熱プレートの裏側と表側とにそれぞれ面するように積み重ねられ、1つおきの伝熱プレートが、他の伝熱プレートに対して上下逆になっている。通常、これは、相互に「回転」している伝熱プレートと呼ばれる。他のPHEでは、伝熱プレートは、1つの伝熱プレートの表側と裏側とが他の伝熱プレートの表側と裏側とにそれぞれ面するように積み重ねられ、1つおきの伝熱プレートが、他の伝熱プレートに対して上下逆になっている。通常、これは、相互に「反転」している伝熱プレートと呼ばれる。
【0003】
よく知られているPHEの1つのタイプ、いわゆる半溶接PHEでは、伝熱プレートは、通常、互いに「反転」され、対に溶接されてタイトなカセットを形成し、ガスケットがカセットの間に配置される。エンドプレート、つまりカセットは、ガスケットがカセット間をシールするある種の締め付け手段によって互いに向かって押し付けられる。平行なフローチャネルが伝熱プレート間に形成され、隣接する伝熱プレートの各ペア間に1つのチャネルが形成される。入口/出口を介してPHEに/から供給される、最初は異なる温度の2つの流体は、1つの流体から別の流体に熱を伝達するために、2つおきのチャネルを交互に流れ、流体は、PHEの入口/出口と連通している伝熱プレート内の入口/出口ポートの穴からチャネルに出入りする。
【0004】
半溶接PHEのエンドプレートは、フレームプレートおよび圧力プレートとたびたび呼ばれ得る。フレームプレートは床などの支持面に固定されることが多く、一方、圧力プレートはフレームプレートに対して移動可能である。多くの場合、伝熱プレート、場合によっては圧力プレートを担持または支持し、位置合わせするための上部バーは、フレームプレートに固定され、その上部から圧力プレートを越えて支柱まで延在する。同様に、伝熱プレート、場合によっては圧力プレートをガイドまたは支持し、位置合わせするための下部バーは、フレームプレートに固定され、その下部から地面から離れて圧力プレートを越えて支柱まで延在する。この目的のために、伝熱プレートは、典型的には、上部バーおよび下部バーをそれぞれ受け入れるための上部凹部および下部凹部を含む、上部バー係合部および下部バー係合部を備えている。
【0005】
半溶接PHE用の伝熱プレート(以下、単に「プレート」とも呼ぶ)は、プレートに上記の入口/出口ポートホールと上部凹部および下部凹部とを設けるように切断された、異なる厚さの金属シートから製造される。その後、プレートは、特定の波状パターンと、場合によっては上部凹部および下部凹部を囲むカラーとを設けるようにプレスされる。これらのカラーは、上部凹部および下部凹部を補強し、上部バーおよび下部のバーとの係合に起因する変形に対する耐性を高める。あるプレートのカラーが半溶接PHEの別のプレートのカラーと干渉しないようにするために、カラーはプレートの波状部を超えて延在してはならない。したがって、プレス深さが比較的小さいプレートでは、カラーは比較的小さいか浅く、つまり僅かであり得る。また、同じプレスツールを使用して2つの異なるプレートをプレスした場合でも、2つの異なる厚さの2つの異なるプレートのカラーは異なり得る。特に、カラーの傾きは、プレートのそれぞれの中央延在面に対する関係であり、プレート間で異なり得る。より厚いプレートの場合、プレートは比較的鋭く曲げられてカラーを形成することができ、一方、より薄いプレートの場合、プレートはあまり鋭く曲げられない。したがって、カラーの深さが、プレートの中央延在面に対する、カラーの垂直延在と言われる場合、厚いプレートのカラーの深さは、薄いプレートのカラーの深さよりも大きくなる。深さが浅いカラーは、一般的にカラー深さが大きいカラーよりも弱い。したがって、異なる厚さのプレートに対して十分に強いカラーを得ることを可能にするためには、異なるプレート厚さに対して異なる切削工具を使用する必要があり、それは面倒で費用がかかる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、上記の問題を少なくとも部分的に解決する伝熱プレートおよびカセットを提供することである。本発明の基本的な概念は、伝熱プレートの上部バーおよび下部のバー係合部に異なる設計を与えて、これらがプレートパックに適切に配置されている場合、多数の伝熱プレートのカラー間の干渉のリスクなしに、任意のカラーが波状部を超えて延在することを可能にすることである。これにより、カラーはプレートの波状部を超えて延在し得るので、プレートは、プレートの厚さに関係なく、プレス後に十分なカラーの深さが達成されるように切断され得る。これにより、異なる厚さのプレートに1つの切削工具を使用できるようになり得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によるプレート熱交換器用の伝熱プレートは、厚さtを有し、第1および第2の対向するサイドと、第1のサイドに沿った第1のバー係合部と、第2のサイドに沿った第2のバー係合部と、第1および第2の平面の間およびその中に延在する波状部を含むアウターエッジ部(48)と、を備えている。第1および第2の平面は互いに平行で、第1および第2の平面は、距離xだけ離れている。第1のバー係合部は、プレート熱交換器の第1のバーを受容するための第1の凹部と第1の凹部を取り囲む第1のエッジ部とを含む。第2のバー係合部は、プレート熱交換器の第2のバーを受容するための第2の凹部と第2の凹部を取り囲む第2のエッジ部とを含む。第1のエッジ部の少なくとも一部が、第1の平面から第1の平面に平行な第3の平面に延在し、第2のエッジ部の少なくとも一部が、第1の平面から第1の平面に平行な第4の平面に延在する。伝熱プレートは、第2および第3の平面が、第1の平面の同じ側に配置され、第3の平面は、第1の平面からの距離d1が、第1のエッジ部の少なくとも一部がプレート熱交換器の表面から突出するように、d1>0に配置される。さらに、第4の平面は、第1の平面(54)からの距離d2が、d2≧0に配置される。また、第1のエッジ部のエッジが第1の領域を画定し、第2のエッジ部のエッジが第2の領域を画定し、第1の領域が第2の領域の内部に嵌合する。
【0008】
上記のように、プレート、またはより具体的には、プレートが製造される金属シートは、厚さtを有する。ここで、特定の平面を参照すると、この平面は、金属シートの中心に、t/2で延在する。
【0009】
例えば、本発明による伝熱プレートは、長方形または円形であり得る。長方形、または実質的に長方形の伝熱プレートとは、2つの対向する長辺および2つの対向する短辺、ならびに、トリミングされたまたはトリミングされていないコーナーを有する伝熱プレートを意味する。実質的に長方形の伝熱プレートの場合、上で言及した第1および第2のサイドは、2つの対向する短辺であり得る。
【0010】
伝熱プレートのアウターエッジ部の波状部は、交互に配置された隆起部と谷部とを含み、PHE内の隣接する伝熱プレートの隆起部と谷部に当接するように配置されている。伝熱プレートのアウターエッジ部は、その全体またはその延在部の1つまたは複数の部分のみに沿った波状部を含み得る。
【0011】
第1および第2のエッジ部は、第1の凹部および第2の凹部を完全に取り囲み、つまり環状であるか、或いは、不完全に取り囲み、つまり半環状であり得る。本明細書において、「環状」とは、第1の凹部および第2の凹部、つまり第1のエッジ部および第2のエッジ部が楕円形または多角形またはY字形などの多くの異なる形状を有し得るので、必ずしも「円形」を意味するわけではない。
【0012】
第3の平面が第1の平面から分離して配置され、第1のエッジ部の少なくとも一部が第1の平面から第3の平面まで延在するという点で、第1のエッジ部は、前述した従来技術におけるカラーに対応する第1のカラーを形成する。
【0013】
同様に、第4の平面が第1の平面から分離して配置される場合、第2のエッジ部は第1の平面から第4の平面まで延在するので、第2のエッジ部は、上記の先行技術プレートのカラーに対応する第2のカラーを形成する。しかしながら、第4の平面が第1の平面と一致する場合、すなわちd2=0の場合、第2のエッジ部は平坦であり、第2の凹部は、第1の平面に平行に配置された平面プレート部分によって少なくとも部分的に囲まれる。
【0014】
第3および第4の平面は一致する可能性があり、それにより、第1および第2のエッジ部は、同じカラー深さのカラーを形成する。
【0015】
例えば、プレートの厚さ、並びに、プレートを製造するために使用されるカットおよびプレスツールに応じて、第1および第2のエッジ部は、第1の平面に対して異なる傾斜で第1の平面から延在することができる。
【0016】
第1の平面は「ゼロ位置」を規定し、第1の平面から「正の」距離、つまり距離が0超に配置されたすべての平面が、第1の平面の同じ側に配置され、一方、第1の平面から「負の」距離、すなわち距離が0未満に配置されたすべての平面(もしあれば)は、第1の平面の反対側に配置されるであろうことを強調しておく必要がある。したがって、d2が0でない場合、第3と第4の平面は第1の平面の同じ側に配置されます。
【0017】
「表面(front)」および「裏面(back)」(後者は従属請求項で規定される)という表現は、伝熱プレートの反対側を区別するためにのみ使用され、プレートサイドに、例えばPHEの方向に関して特定の特性または要件を課すものではない。表面は裏面と呼ぶこともでき、その逆も可能である。
【0018】
第1および第2の凹部の設計に応じて、第1および第2の領域は開いている場合も閉じている場合もある。第1のエッジ部のエッジによって画定される第1の領域は、第2のエッジ部のエッジによって画定される第2の領域の内側に収まるので、第1の領域は、第2の領域よりも小さい。本明細書において、領域とは、プレートの正面を遠くから見たときに見られるように、エッジ部のエッジによって囲まれた領域を意味する。
【0019】
少なくとも第1のエッジ部が第1の凹部を少なくとも部分的に取り囲む第1のカラーを形成するという点で、本発明による2つの伝熱プレートを含むカセットは、以下でさらに説明するように、2つの対向するそれぞれに少なくとも1つのカラーを含み、そのカラーは、PHEのバーとカセットとの間の係合の結果としてカセットを変形に対してより耐性にする。さらに、第1のエッジ部のエッジによって画定される第1の領域は、第2のエッジ部のエッジによって画定される第2の領域よりも小さいので、カセットがPHEに取り付けられている場合、カセットのそれぞれの第1のカラーを形成する第1のエッジ部は、PHEのバーに最も近くに配置されてPHEのバーに接続する。さらに、第1のエッジ部のエッジによって画定される第1の領域は、第2のエッジ部のエッジによって画定される第2の領域よりも小さいので、カセットの第1のエッジ部によって形成されるカラーおよびカセットの第2のエッジ部によって形成される任意のカラーは、互いに干渉しない、或いは、互いに邪魔にならないようなものであり、それによって、それらのカラーの深さ、したがって強度が最適化され得る。
【0020】
第1の凹部および第2の凹部は、伝熱プレートを通るそれぞれの穴として形成することができ、この穴は、第1および第2のサイドのそれぞれの一方から距離を置いて配置され、第1および第2のエッジ部のそれぞれの一方によって完全に囲まれる。このような場合、第1および第2のエッジ部のエッジによって画定される第1および第2の領域は閉じられる。あるいは、第1の凹部および第2の凹部は、それぞれ、第1および第2のサイドから延在することができる。そのような第1の凹部および第2の凹部は、第1および第2のエッジ部によって部分的に囲まれ、第1および第2のエッジ部のエッジによって画定される第1および第2の領域は開いている。より具体的には、第1および第2の領域は、第1および第2のエッジ部のエッジと、第1の凹部および第2の凹部を「閉じる」仮想の最短線によって囲まれる。
【0021】
伝熱プレートは、第4の平面が第3の平面と同じ距離で第1の平面から配置されるように、すなわちd2=d1となるように配置され得る。そのような実施形態は、第1および第2のエッジ部、すなわち第1および第2のカラーによって形成されるカラーのカラー深さが同じであることを意味する。これは、伝熱プレートをプレスした後、傾斜しないパイルに配置できるという点で、伝熱プレートの製造に対して有益である。ただし、d1とd3が名目上同じであっても、製造公差によりd1とd2がわずかに異なる場合があり得る。
【0022】
代わりに、伝熱プレートは、第4の平面が第3の平面よりも第1の平面の近くに配置されるように、すなわち、d2<d1となるように配置され得る。そのような実施形態は、第1のエッジ部、すなわち第1のカラーによって形成されるカラーのカラー深さが、第2のエッジ部、すなわち第2のカラーによって形成されるカラーのカラー深さよりも大きいことを意味し、これは、第1のカラーがPHEのバーと係合するのに有益であり得る。
【0023】
第1および第3の平面は、第2の平面の反対側に配置、すなわち、d1がxよりも大きくてもよい。さらに、d1は(x+0.5t)より大きくてもよく、これは、第1のアウターエッジによって形成されたカラーがプレートの波状部を超えて延在し、すなわち、比較的大きなカラー深さを有し、したがって比較的強度が高いことを意味する。
【0024】
第1および第4の平面は、第2の平面の反対側に配置することができ、すなわち、d2がxよりも大きくてもよい。さらに、d2は(x+0.5t)よりも大きくてもよく、これは、第2のアウターエッジによって形成されたカラーがプレートの波状部を超えて延在し、すなわち、比較的大きなカラー深さを有し、したがって比較的強度が高いことを意味する。
【0025】
伝熱プレートは、第1の平面と第3の平面との間の距離d1が、d1≦(2x+1,5t)であるように構成され得る。そのような実施形態は、以下でさらに議論されるように、第1のアウターエッジによって形成されるカラーが、本発明による2つの伝熱プレートを含むカセットの残りの部分を超えて延在しないことを意味する。それにより、第1のカラーがPHEの他のカセットのカラーと干渉するリスクを排除し得る。
【0026】
伝熱プレートは、第1の平面と第4の平面との間の距離d2が、d2≦(2x+0.5t)であるように構成され得る。そのような実施形態は、本発明によるカセットの伝熱プレートの第2のエッジ部と別の伝熱プレートとによって形成されるカラーが互いに干渉するリスクを排除し得る。
【0027】
伝熱プレートは、伝熱プレートの裏側に延びるガスケット溝と、第2の平面に延在するガスケット溝の底面とをさらに含み得る。このような伝熱プレートは、半溶接PHEでの使用に適している。
【0028】
伝熱プレートは、伝熱プレートの第1および第2のエッジ部のエッジによって画定される第1および第2の領域が実質的に均一である(すなわち、実質的に同じ形状を有する)が、上述されたように異なる寸法に設計され得る。この実施形態は、それらの延在部に沿った第1のエッジ部と第2のエッジ部との間の実質的に一定の距離を可能にし、これは、本発明によるカセットの強度に関して有益である。
【0029】
伝熱プレートの第1の凹部および第2の凹部のそれぞれの中心は、伝熱プレートの長手方向の中心軸に平行に延びる仮想の真っ直ぐな凹部中心線上に配置され得る。仮想の真っ直ぐな凹部中心線は、長手方向の中心軸と一致する場合と一致しない場合がある。このような実施形態は、伝熱プレートにおける比較的に機械的な単純設計を可能にする。
【0030】
本発明によるプレート熱交換器用のカセットは、本発明による結合された第1および第2の伝熱プレートを含む。第2の伝熱プレートは、第1の伝熱プレートに対して横方向中心軸を中心に180度回転されている。第1の伝熱プレートの表面が第2の伝熱プレートの表面に当接するか、或いは、第1の伝熱プレートの裏面が第2の伝熱プレートの裏面に当接するか。第1の伝熱プレートの第1の領域は、第2の伝熱プレートの第2の領域内に配置され、第2の伝熱プレートの第1の領域は、第1の伝熱プレートの第2の領域内に配置される。第1および第2の伝熱プレートは、互いに溶接、接着、またはろう付けされるなど、恒久的に結合され得る。
【0031】
これらの特徴がそのようなスムースな組み合わせを容易にするので、本発明に基づき、2つのこのような伝熱プレートがカセットに組み合わされるとき、本発明の伝熱プレートの上記の可能な特徴のすべてではないにしても多くの利点が明らかになる。
【0032】
本発明のさらなる、他の目的、特徴、態様および利点は、以下の詳細な説明および図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0033】
次に、添付した概略図を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
【0034】
【
図1】半溶接プレート熱交換器の概略正面図である。
【
図2】
図1のプレート熱交換器の概略側面図である。
【
図3】その表面を示す伝熱プレートの概略平面図である。
【
図4】伝熱プレートの裏面を示す概略平面図、およびカセットの概略平面図である。
【
図5】プレートパックの外側から見た、プレートパック内の隣接する伝熱プレートの当接するアウターエッジ部を示す。
【
図6】
図4のA-A線に沿ったカセットの概略断面図である。
【
図7】
図4のB-B線に沿ったカセットの概略断面図である。
【
図8】
図3の伝熱プレートの第1のバー係合部の拡大図である。
【
図9】
図3の伝熱プレートの第2のバー係合部の拡大図である。
【
図10】
図6の断面に対応する、別のカセットの概略断面図である。
【
図11】
図7の断面に対応する、前記別のカセットの概略断面図である。
【
図12】
図6の断面に対応する、さらに別のカセットの概略断面図である。
【
図13】
図7の断面に対応する、前記さらに別のカセットの概略断面図である。
【
図14】
図6の断面に対応する、さらに別のカセットの概略断面図である。
【
図15】
図7の断面に対応する、前記さらに別のカセットの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1と
図2は、紹介として説明された半溶接されたガスケットプレート熱交換器2を示す。ガスケットプレート熱交換器2は、フレームプレート4、圧力プレート6、伝熱プレートのパック8、流体出入口10、締め付け手段12、上部バー14および下部バー16を含む。
【0036】
以下、単に「プレート」とも呼ばれる伝熱プレート8は、すべて類似している。8aおよび8bで示されるそれらのうちの2つは、それぞれ
図3および
図4にさらに詳細に示されている。プレート8a、8bは、ステンレス鋼の実質的に長方形をしたシートである。それらは、2つの対向する長辺18、20と2つの対向する短辺22、24とを含む。さらに、プレートはそれぞれ、長辺18、20に平行でその中間に延びる長手方向中心軸26と、短辺22、24に平行でその中間に延び、長手方向中心軸26に垂直である横方向中心軸28とを有する。プレート8a、8bのそれぞれは、表面30(
図3に示される)と、裏面32(
図4に示される)と、裏面32に延在するガスケット溝34と、4つのポートホール36、38、40、42とを有する。
【0037】
伝熱プレート8a、8bは、従来の方法で、プレスツールでプレスされ、伝熱プレートの異なる部分内における異なる波状パターン等の所望の構造が与えられる。波状パターンは、それぞれのプレート部分の特定の機能に合わせて最適化される。したがって、プレート8a、8bは、2つの分配領域44を含み、これらはそれぞれ、伝熱プレート全体にわたって最適化された流体分配に適合された分配パターンを備えている。さらに、プレート8a、8bは、分配領域44の間に配置され、伝熱プレートの反対側を流れる2つの流体間の最適化された伝熱に適合された伝熱パターンを備えた伝熱領域46を含む。さらに、プレート8a、8bは、プレートのアウターエッジ50に沿って延在するアウターエッジ部48を備える。アウターエッジ部48は、プレート熱交換器2のプレートパック内の隣接するプレートの波状部に当接するように配置された波状部52を備える。分配および伝熱パターンの設計に応じて、プレート8a、8bは、それぞれの分配領域および伝熱領域44、46内の隣接する伝熱プレートに当接してもしなくてもよい。ただし、これについてはここではこれ以上説明しない。
【0038】
プレート熱交換器2のプレートパックでは、プレートは、1つのプレート8の表面30および裏面32が、隣接する伝熱プレートの表面および裏面にそれぞれ面するように配置されている。さらに、1つおきのプレート8は、
図3に示される平面の法線方向の周りで、(
図3に示されている)基準方向に対して、(
図4に示されているように)180度回転している。
図5は、プレート8a、8bのアウターエッジ部48の波状部52と、プレート熱交換器2のプレートパック内の別のプレート8cとの間の接触を示している。プレート8aについて示されているように、波状部52は、第1の平面54および第2の平面56の間で第1の平面54および第2の平面56において、
図3の図形面に平行に延在する。第1および第2の平面54、56は、距離xだけ離れている。(
図4に示されている)プレートの裏面32上のガスケット溝34の底部が、第2の平面56に延在する。
図5に示されているように、プレートは、厚さtを有する。
【0039】
プレートパックのプレート8は、表面18と表面18とが対で溶接されて、カセット57を形成する。
図4は、
図3に示されるプレート8a(
図4では見えない)および
図4に示されるプレート8bを備えたカセット57の1つを示す。プレート8a、8bは、
図3に破線で示されている溶接ライン58に沿って共に溶接されている。溶接ライン58は不連続であり、プレート8aの裏面32上の(見えない)ガスケット溝34と部分的に位置合わせされている。
図3および4に見られるように、伝熱プレート8a、8bの左側では、溶接ライン58がガスケット溝34の外側に延びる。プレート熱交換器2のプレートパックにおいて、溶接されたカセット57はガスケット60によって分離される。これらのガスケット60はすべて類似しており、これらのガスケット60の1つが
図4に示されている。それぞれのガスケット60は、2つの隣接するカセット57に含まれる2つの隣接する伝熱プレート8の対向するガスケット溝34内に配置される。ここで、ガスケット60のそれぞれは、フィールド部60aおよび2つの別個のポートホール部60bを含むように不連続である。しかしながら、代替の実施形態では、ガスケットは、そのフィールド部およびポートホール部が一体的に形成されるように連続であり得る。
【0040】
次に、伝熱プレート8の詳細を、特にプレート8aと
図3および
図6~9とを参照して説明する。プレート8aは、短辺22に沿った第1のバー係合部62と、短辺24に沿った第2のバー係合部64とを備える。次に、第1のバー係合部62は、プレート熱交換器2の第1のバーまたは上部バー14(
図2)を受容するための第1の凹部66と、第1の凹部66(
図3、6、8)を取り囲むエッジ70を有する第1のエッジ部68と、を備えている。同様に、第2のバー係合部64は、プレート熱交換器2の第2のバーまたは下部バー16(
図2)を受容するための第2の凹部72と、第2の凹部72(
図3、7、9)を取り囲むエッジ76を有する第2のエッジ部74と、を備えている。第1の凹部66および第2の凹部72は、それぞれの短辺22、24からそれぞれ延在する。
図8および
図9に示されるように、第1の凹部66および第2の凹部72のそれぞれの中心C1、C2は、伝熱プレート8aの長手方向中心軸26に平行に延びる仮想の真っ直ぐな凹部中心線77上に配置される。仮想の凹部中心直線77は、長手方向中心軸26の右側に変位して、伝熱プレート8aの左側のガスケット溝34の外側に延びる溶接ライン58のためのスペースを作る。
【0041】
図6から明らかなように、第1のエッジ部68は、第1の平面54から第1の平面54に平行な第3の平面78まで延在する。
図7から明らかなように、第2のエッジ部74は、第1の平面54から第1の平面54に平行である第4の平面80に延在する。第2の平面56および第3の平面78は、第1の平面54の同じ側に配置され、第3の平面78は、第1の平面54から距離d1がd1>0、より具体的には2x+1.5tに配置される。これは、第1のエッジ部68が、伝熱プレート8aの表面30から突出する第1のカラーを形成することを意味する。第2の平面56および第4の平面80は、第1の平面54の同じ側に配置され、第4の平面80は、第1の平面54から距離d2がd2> 0、より具体的にはx+0.5tに配置される。これは、第2のエッジ部74が、伝熱プレート8aの表面30から突出する第2のカラーを形成することを意味する。
【0042】
図8を参照すると、第1のエッジ部68のエッジ70は、第1の凹部66を閉じる第1の仮想直線82とともに、第1の領域84を画定する。同様に、
図9を参照すると、第2のエッジ部のエッジ76は、第2の凹部72を閉じる第2の仮想直線86とともに、第2の領域88を画定する。第1の領域84および第2の領域88は均一であり、すなわち同じ形状であるが、第1の領域84は第2の領域88より小さく、したがって、第2の領域88の内側に収まる。
【0043】
上記の説明は、プレート8bの第1のバー係合部62の第1の凹部66がプレート熱交換器2の下部バー16(
図2)を受容するように構成される一方、プレート8bの第2のバー係合部64の第2の凹部72は、プレート熱交換器2の上部バー14(
図2)を受容するように構成されていることを除いて、伝熱プレート8bにも有効である。
【0044】
図6および7を参照すると、伝熱プレート8a、8bを含むカセット57において、プレート8a、8bは、それぞれ
図3および4に示される向きを有し、すでに述べたように、それらは互いに表面30が表面30に当接している。さらに、プレート8aの第2のエッジ部74は、プレート8bの第1のエッジ部68のエッジ70によって画定される第1の領域84が、プレート8aの第2のエッジ部74のエッジ76によって画定される第2の領域88内になるように、プレート8bの第1のエッジ部68を取り囲む。同様に、プレート8bの第2のエッジ部74は、プレート8aの第1のエッジ部68のエッジ70によって画定される第1の領域84が、プレート8bの第2のエッジ部74のエッジ76によって画定される第2の領域88内になるように、プレート8aの第1のエッジ部68を取り囲む。
図6および7から明らかなように、プレート8a、8bは、異なる設計の第1および第2のバー係合部62、64を有するので、プレート8a、8bの第1および第2のエッジ部68、74は、それらがプレート8a、8bのそれぞれの第2の平面56を超えて延在して比較的強いカラーを形成する場合でも、カセット57内で互いに干渉しない。さらに、プレート8a、8bの第1および第2のエッジ部68、74は、カセット57を超えて延在しないので、それらは、第1の平面54に対するそれらの傾斜に関係なく、プレート熱交換器2のプレートパックの他のカセットと干渉しないであろう。
【0045】
カセット57がプレート熱交換器2内に配置されると、上部バー14は、プレート8aの第1の凹部66およびプレート8bの第2の凹部72を通って延在し、プレート8aの第1のエッジ部68が、上部バー14に最も近い、プレート8bの第2のエッジ部74よりも深く、したがってより強いカラーを形成する。同様に、下部バー16は、プレート8bの第1の凹部66およびプレート8aの第2の凹部72を通って延在し、プレート8bの第1のエッジ部68が、下部バー16に最も近い、プレート8aの第2のエッジ部74よりも深く、したがってより強いカラーを形成する。
【0046】
図10および11は、第2のバー係合部に関する点を除き、伝熱プレート8a、8bのように設計された伝熱プレート92を含むカセット90を示している。以下、プレート92とプレート8a、8bとにおける第2のバー係合部の違いのみを説明する。プレート92は、プレート熱交換器2の上部バー14または下部バー16(
図2)を受容するための第2の凹部96と、第2の凹部96を取り囲むエッジ100を有する第2のエッジ部98とを含む、それぞれの第2のバー係合部94を備える。第2のエッジ部98は、第1の平面54から第4の平面102まで延びる。第4の平面102は、第1の平面54から距離d2が、d2=0で配置される。すなわち、第4の平面102は、第1の平面54と一致する。これは、第2のエッジ部98は平面で、第1の平面54に平行に延在し、したがって、伝熱プレート90の表面30から突出するカラーを形成しないことを意味する。第2のエッジ部98のエッジ部100は、第2の凹部96を閉じる第2の仮想直線(図示せず)とともに、第2の領域を画定するが、第2の領域は、プレート92の第1のバー係合部によって画定される第1の領域と均一であるが、それよりも大きい。
【0047】
伝熱プレート92を含むカセット90では、プレート92の一方が他方のプレートに対して上下逆さまになっており、プレートの表面30と表面30とが互いに溶接されている。さらに、プレート92のそれぞれの第2のエッジ部98は、他のプレート92の第1のエッジ部68を取り囲んでいる。プレート92は異なる設計の第1および第2のバー係合部を有するので、プレート8a、8bの第1および第2のエッジ部68、98は、比較的強いカラーを形成するように、プレートの第1のエッジ部68がそれぞれの第2のエッジ部56を超えて延びる場合でも、カセット90内で互いに干渉しない。
【0048】
本発明の上記実施形態は、あくまでも、例としてのみ見られるべきである。当業者は、本願で議論された実施形態が、本発明の概念から逸脱することなく、多くの方法で変更され得ることを理解している。
【0049】
一例として、第3の平面は、第1の平面から、記載された実施形態における距離よりも大きいおよび小さい両方の別の距離に配置することができる。同様に、第4の平面は、記載された実施形態における距離よりも第1の平面からの別の距離に配置することができる。例えば、
図12および13に示されるように、第3および第4の平面は、プレートの第1および第2のエッジ部によって形成されるカラーが同じカラー深さを有するように、第1の平面から同じ距離に、すなわち、d1=d2となるように配置することができる。
【0050】
上記の実施形態では、カセット間のプレートおよびガスケットはすべて類似しているが、これは必須ではない。一例として、プレートパックでは、異なるタイプのプレートを組み合わせることができる。
【0051】
プレートの第1および第2のエッジ部によって形成されるカラーは、一定である必要はないが、その延在部に沿って0以上のカラー深さを有するように変化し得る。
【0052】
上記の実施形態では、カセットの伝熱プレートは、プレートのカラーが互いに向き合うように配置されている。代替の実施形態では、
図14および15に示されているように、カセットのプレートは、代わりに、カラーが互いに離れるように配置され得る。次に、プレートが独立請求項で規定された特徴を有する場合、カセットのカラーは、プレートパック内の他のカセットのカラーと干渉しない。
【0053】
プレートを、上記の実施形態のように、互いに対して交互に「反転」させる代わりに、「回転」させることができる。
【0054】
本発明の伝熱プレートは、半溶接のもの以外の他のタイプのプレート熱交換器、例えばガスケット付きプレート熱交換器と関連して使用することができる。
【0055】
上記の第1の実施形態では、第1および第2のエッジ部は、伝熱プレートの同じ側に延在し、第1および第2のエッジ部のエッジは、プレートから離れる方向に向いている。代替の実施形態では、第1および第2のエッジ部は、依然として伝熱プレートの同じ側に延在し得るが、第1および第2のエッジ部のエッジの一方が、プレートから離れる方向を向き、(例えば、180度曲げることによって)他方がプレートの方向に向くことができる。
【0056】
本明細書では、第1、第2、第3などの属性は、同じ種類の類型を区別するためだけに使用され、類型間のいかなる種類の相互秩序も表現しないことを留意すべきである。
【0057】
本発明に関係のない詳細の説明は省略されており、図は単なる概略図であり、実際の縮尺にしたがって描かれていないことを留意すべきである。また、一部の図は他の図よりも簡略化されているとも言える。したがって、一部の構成要素は1つの図に示されていても、別の図には省略されている場合がある。
【符号の説明】
【0058】
2 半溶接ガスケットプレート熱交換器
4 フレームプレート
6 圧力プレート
8 伝熱プレート
8a (第1の)伝熱プレート
8b (第2の)伝熱プレート
10 流体入口と流体出口
12 締め付け手段
14 上部バー(第1のバー)
16 下部バー(第2のバー)
18、20 長辺
22、24 短辺(第1と第2のサイド)
26 長手方向中心軸
28 横方向中心軸
30 プレート表面
32 プレート裏面
34 ガスケット溝
36、38、40、42 ポートホール
44 分配領域
46 伝熱領域
48 アウターエッジ部
50 アウターエッジ部
52 波状部
54 第1の平面
56 第2の平面
57 カセット
58 溶接ライン
60 ガスケット
60a ガスケットフィールド部
60b ガスケットポートホール部
62 第1のバー係合部
64 第2のバー係合部
66 第1の凹部
68 第1のエッジ部
70 第1のエッジ部のエッジ
72 第2の凹部
74 第2のエッジ部
76 第2のエッジ部のエッジ
77 仮想凹部中心直線
78 第3の平面
80 第4の平面
82 第1の仮想直線
84 第1の領域
86 第2の仮想直線
88 第2の領域
90 カセット
92 伝熱プレート
94 第2のバー係合部
96 第2の凹部
98 第2のエッジ部
100 第2のエッジ部のエッジ
102 第4の平面
C1 第1の凹部の中心
C2 第2の凹部の中心
d1 第1と第3の平面間の距離
d2 第1と第4の平面間の距離
t プレートの厚さ
x 第1と第2の平面間の距離