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特許7152615垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニット
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-03
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニット
(51)【国際特許分類】
   B25J 9/06 20060101AFI20221004BHJP
   B25J 17/00 20060101ALI20221004BHJP
   H02K 7/10 20060101ALI20221004BHJP
【FI】
B25J9/06 B
B25J17/00 E
H02K7/10 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021548051
(86)(22)【出願日】2019-09-25
(86)【国際出願番号】 JP2019037653
(87)【国際公開番号】W WO2021059403
(87)【国際公開日】2021-04-01
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】馬目 俊文
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】実開昭63-086454(JP,U)
【文献】特開2012-192497(JP,A)
【文献】実開平04-061460(JP,U)
【文献】特開2011-245586(JP,A)
【文献】国際公開第2018/055752(WO,A1)
【文献】実開昭63-017790(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
H02K 7/00 - 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアーム部と、
前記複数のアーム部を回転駆動する複数の関節軸部と、を備え、
前記複数の関節軸部は、狭幅関節軸部を含み、
前記狭幅関節軸部は、
筐体とモータシャフトを含むモータと、
前記モータシャフトに直結された減速機と、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータを保持するためのブレーキと、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータシャフトに装着されたオイルシールと、を含み、
前記狭幅関節軸部の前記減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、
前記狭幅関節軸部では前記筐体外において、前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、前記凹部の内側に配置されている、垂直多関節ロボット。
【請求項2】
前記狭幅関節軸部は、アーム部の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、前記アーム部を回転駆動する関節軸部を含む、請求項1に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項3】
前記狭幅関節軸部は、先端側に設けられた手首構造関節軸部を含む、請求項2に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項4】
前記減速機は、波動歯車減速機を含み、
前記波動歯車減速機は、前記軸入力部としてのウェーブジェネレータと、サーキュラスプラインと、フレクススプラインとを含み、
前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、少なくとも前記ウェーブジェネレータと、前記サーキュラスプラインと、前記フレクススプラインと、前記軸受部とにより形成される前記凹部の内側に配置されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項5】
前記凹部は、前記モータ側に形成されており、
前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、前記凹部の内側に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項6】
前記凹部は、前記モータ側とは反対側に形成されており、
前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、前記凹部の内側に配置されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項7】
前記狭幅関節軸部は、前記モータと、前記減速機と、前記ブレーキと、前記オイルシールとを一体的に含むモータユニットを含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項8】
前記複数の関節軸部は、ツールが取り付けられる先端関節軸部を含み、
前記狭幅関節軸部および前記先端関節軸部は、一体的に先端関節軸部ユニットを形成するように構成されている、請求項1~7のいずれか1項に記載の垂直多関節ロボット。
【請求項9】
アーム部を回転駆動する回転軸部を備え、
前記回転軸部は、
筐体とモータシャフトを含むモータと、
前記モータシャフトに直結された減速機と、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータを保持するためのブレーキと、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータシャフトに装着されたオイルシールと、を含み、
前記減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、
前記筐体外において、前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、前記凹部の内側に配置されている、単軸ロボット。
【請求項10】
筐体とモータシャフトを含むモータと、
前記モータシャフトに直結された減速機と、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータを保持するためのブレーキと、
前記筐体外に配置されるとともに、前記モータシャフトに装着されたオイルシールと、を備え、
前記減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、
前記筐体外において、前記ブレーキの少なくとも一部および前記オイルシールは、前記凹部の内側に配置されている、モータユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニットに関し、特に、モータと減速機とを備える垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、モータと減速機とを備える垂直多関節ロボットが知られている。このような垂直多関節ロボットは、たとえば、特開2001-113488号公報に開示されている。
【0003】
上記特開2001-113488号公報には、5軸の垂直多関節ロボットである産業用ロボットが開示されている。この産業用ロボットの第2軸および第3軸では、モータと減速機ユニットとがタイミングベルトを介して接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-113488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特開2001-113488号公報に記載された産業用ロボットでは、モータと減速機ユニットとがタイミングベルトを介して接続されているため、タイミングベルトが伸びた場合、タイミングベルトの伸びに起因して位置決め精度が低下するという不都合がある。また、タイミングベルトの伸びを防止するために、モータと減速機ユニットとをタイミングベルトを介さずに直接接続する構造にすることが考えられるが、モータと減速機ユニットとを直接接続する構造にした場合、モータと減速機ユニットとを含む関節軸部が軸方向に大型化するため、関節軸部を軸方向に小型化することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、モータと減速機とを直結構造にした場合にも、軸方向に小型化することが可能な垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の局面による垂直多関節ロボットは、複数のアーム部と、複数のアーム部を回転駆動する複数の関節軸部と、を備え、複数の関節軸部は、狭幅関節軸部を含み、狭幅関節軸部は、筐体とモータシャフトを含むモータと、モータシャフトに直結された減速機と、筐体外に配置されるとともに、モータを保持するためのブレーキと、筐体外に配置されるとともに、モータシャフトに装着されたオイルシールと、を含み、狭幅関節軸部の減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、狭幅関節軸部では、筐体外において、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、凹部の内側に配置されている。
【0008】
この発明の第1の局面による垂直多関節ロボットでは、上記のように、狭幅関節軸部を、減速機が回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールが凹部の内側に配置されているように構成する。これにより、減速機の凹部の内側の空間を利用して、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールを配置することができるので、モータと減速機とを直結構造にした場合にも、関節軸部を軸方向に小型化することが可能な垂直多関節ロボットを提供することができる。
【0009】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、狭幅関節軸部は、アーム部の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部を回転駆動する関節軸部を含む。このように構成すれば、関節軸部を軸方向に小型化した分だけ、アーム部をアーム部の延びる方向と直交する幅方向(軸方向)に小型化することができる。これにより、アーム部をアーム部の延びる方向と直交する幅方向に小型化した分だけ、垂直多関節ロボットをより狭い空間に進入させることができる。その結果、垂直多関節ロボットの作業の自由度を向上させることができる。
【0010】
この場合、好ましくは、狭幅関節軸部は、先端側に設けられた手首構造関節軸部を含む。このように構成すれば、手首構造関節軸部を軸方向に小型化した分だけ、手首構造に対応するアーム部をアーム部の延びる方向と直交する幅方向(軸方向)に小型化することができる。これにより、手首構造に対応するアーム部をアーム部の延びる方向と直交する幅方向に小型化した分だけ、垂直多関節ロボットをより狭い空間により容易に進入させることができる。その結果、垂直多関節ロボットの作業の自由度をより向上させることができる。
【0011】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、減速機は、波動歯車減速機を含み、波動歯車減速機は、軸入力部としてのウェーブジェネレータと、サーキュラスプラインと、フレクススプラインとを含み、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、少なくともウェーブジェネレータと、サーキュラスプラインと、フレクススプラインと、軸受部とにより形成される凹部の内側に配置されている。このように構成すれば、波動歯車減速機のウェーブジェネレータと、サーキュラスプラインと、フレクススプラインと、軸受部とにより形成される凹部の内側の空間を利用して、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールを配置することができるので、関節軸部を軸方向に容易に小型化することができる。
【0012】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、凹部は、モータ側に形成されており、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、凹部の内側に配置されている。このように構成すれば、ブレーキおよびオイルシールをモータ側に配置しつつ、関節軸部を軸方向に小型化することができる。
【0013】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、凹部は、モータ側とは反対側に形成されており、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、凹部の内側に配置されている。このように構成すれば、ブレーキおよびオイルシールをモータ側とは反対側に配置しつつ、関節軸部を軸方向に小型化することができる。
【0014】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、狭幅関節軸部は、モータと、減速機と、ブレーキと、オイルシールとを一体的に含むモータユニットを含む。このように構成すれば、モータと、減速機と、ブレーキと、オイルシールとを一体的に扱うことができるので、モータと、減速機と、ブレーキと、オイルシールとを一体的に扱うことができない場合に比べて、モータと、減速機と、ブレーキと、オイルシールとの組立および交換を容易に行うことができる。
【0015】
上記第1の局面による垂直多関節ロボットにおいて、好ましくは、複数の関節軸部は、ツールが取り付けられる先端関節軸部を含み、狭幅関節軸部および先端関節軸部は、一体的に先端関節軸部ユニットを形成するように構成されている。このように構成すれば、狭幅関節軸部と先端関節軸部とを一体的に扱うことができるので、狭幅関節軸部と先端関節軸部とを一体的に扱うことができない場合に比べて、狭幅関節軸部と先端関節軸部との組立および交換を容易に行うことができる。
【0016】
この発明の第2の局面による単軸ロボットは、アーム部を回転駆動する回転軸部を備え、回転軸部は、筐体とモータシャフトを含むモータと、モータシャフトに直結された減速機と、筐体外に配置されるとともに、モータを保持するためのブレーキと、筐体外に配置されるとともに、モータシャフトに装着されたオイルシールと、を含み、減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、筐体外において、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、凹部の内側に配置されている。
【0017】
この発明の第2の局面による単軸ロボットでは、上記のように構成する。これにより、上記第1の局面による垂直多関節ロボットと同様に、モータと減速機とを直結構造にした場合にも、回転軸部を軸方向に小型化することが可能な単軸ロボットを提供することができる。
【0018】
この発明の第3の局面によるモータユニットは、筐体とモータシャフトを含むモータと、モータシャフトに直結された減速機と、筐体外に配置されるとともに、モータを保持するためのブレーキと、筐体外に配置されるとともに、モータシャフトに装着されたオイルシールと、を備え、減速機は、少なくとも軸入力部と軸受部とにより形成される回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有し、筐体外において、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールは、凹部の内側に配置されている。
【0019】
この発明の第3の局面によるモータユニットでは、上記のように構成する。これにより、上記第1の局面による垂直多関節ロボットと同様に、モータと減速機とを直結構造にした場合にも、軸方向に小型化することが可能なモータユニットを提供することができる
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、上記のように、モータと減速機とを直結構造にした場合にも、軸方向に小型化することが可能な垂直多関節ロボット、単軸ロボットおよびモータユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】第1~第4実施形態による垂直多関節ロボットの全体構成を示した斜視図である。
図2】第1実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部を示した断面図である。
図3】第1実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部を示した断面図である。
図4】第1実施形態による垂直多関節ロボットの第5関節軸部を示した断面図である。
図5】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部のモータユニットを示した斜視図である。
図6】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部を示した断面図である。
図7】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部のモータユニットを示した斜視図である。
図8】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部を示した断面図である。
図9】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第5、6関節軸部ユニットを示した斜視図である。
図10】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第5、6関節軸部を示した断面図である。
図11】第2実施形態による垂直多関節ロボットの第5、6関節軸部を示した断面図である。
図12】第3実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部を示した断面図である。
図13】第3実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部を示した断面図である。
図14】第4実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部のモータユニットを示した斜視図である。
図15】第4実施形態による垂直多関節ロボットの第2関節軸部を示した断面図である。
図16】第4実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部のモータユニットを示した斜視図である。
図17】第4実施形態による垂直多関節ロボットの第3関節軸部を示した断面図である。
図18】第5実施形態による単軸ロボットの全体構成を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態]
(垂直多関節ロボットの構成)
図1図4を参照して、本発明の第1実施形態による垂直多関節ロボット100の構成について説明する。
【0024】
垂直多関節ロボット100は、図1に示すように、6の自由度を有する6軸ロボットである。垂直多関節ロボット100は、ベース部100aを介して、床などの設置面に設置されるように構成されている。
【0025】
垂直多関節ロボット100は、複数(6つ)のアーム部1~6と、複数のアーム部1~6を回転駆動する複数(6つ)の関節軸部10~60とを備えている。複数のアーム部1~6は、第1アーム部1、第2アーム部2、第3アーム部3、第4アーム部4、第5アーム部5および第6アーム部6を含んでいる。また、複数の関節軸部10~60は、第1関節軸部10、第2関節軸部20、第3関節軸部30、第4関節軸部40、第5関節軸部50および第6関節軸部60を含んでいる。なお、第2関節軸部20、第3関節軸部30および第5関節軸部50は、請求の範囲の「狭幅関節軸部」の一例である。また、第5関節軸部50は、請求の範囲の「手首構造関節部」の一例である。
【0026】
第1関節軸部10は、鉛直方向(Z方向)に沿った方向に延びる回転軸線A1周りに、第1アーム部1を回転駆動するように構成されている。第1アーム部1は、第1関節軸部10と第2関節軸部20とを連結するように構成されている。第2関節軸部20は、第2アーム部2が延びる方向と直交する幅方向(X方向、水平方向)に沿った方向に延びる回転軸線A2周りに、第2アーム部2を回転駆動するように構成されている。第2アーム部2は、第2関節軸部20と第3関節軸部30とを連結するように構成されている。第3関節軸部30は、第3アーム部3が延びる方向と直交する幅方向(X方向、水平方向)に沿った方向に延びる回転軸線A3周りに、第3アーム部3を回転駆動するように構成されている。第3アーム部3は、第3関節軸部30と第4関節軸部40とを連結するように構成されている。
【0027】
第4関節軸部40は、第4アーム部4が延びる方向(Y方向)に沿った方向に延びる回転軸線A4周りに、第4アーム部4を回転駆動するように構成されている。第4アーム部4は、第4関節軸部40と第5関節軸部50とを連結するように構成されている。第5関節軸部50は、水平方向(X方向)に沿った方向に延びる回転軸線A5周りに、第5アーム部5を回転駆動するように構成されている。第5アーム部5は、第5関節軸部50と第6関節軸部60とを連結するように構成されている。第6関節軸部60は、回転軸線A5に直交する方向(Y方向)に沿った方向に延びる回転軸線A6周りに、第6アーム部6を回転駆動するように構成されている。第6アーム部6は、ツールフランジであり、ツール6a(エンドエフェクタ)が取り付けられるように構成されている。第5関節軸部50、第5アーム部5、第6関節軸部60および第6アーム部6は、先端側に設けられた手首構造に対応する。
【0028】
(第2関節軸部の構成)
図2に示すように、第2関節軸部20は、モータ21と、減速機22と、ブレーキ23と、オイルシール24とを含んでいる。
【0029】
モータ21は、第2アーム部2を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ21は、図示しないねじなどの固定具により、第1アーム部1に取り付けられている。モータ21は、筺体21aと、モータシャフト21bとを含んでいる。筺体21aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体21aは、ブレーキおよびオイルシールを収容しないように構成されている。すなわち、モータ21は、ブレーキおよびオイルシールを筺体21a内に含まない、ブレーキ、オイルシールなしモータである。このため、モータ21の筺体21aは、ブレーキ、オイルシールを筺体内に含む、ブレーキ、オイルシール付モータの筺体に比べて、軸方向(X方向)の長さが小さい。モータシャフト21bは、モータ21の出力軸であり、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト21bは、減速機22に直結されている。
【0030】
減速機22は、モータ21と同軸に配置されているとともに、モータ21のモータシャフト21bに直結されている。減速機22は、ウェーブジェネレータ22aと、フレクススプライン22bと、サーキュラスプライン22cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ22aは、減速機22の入力部であり、モータシャフト21bが連結用の貫通孔122aに挿入されることにより、モータシャフト21bに連結されている。フレクススプライン22bは、減速機22の固定部であり、サーキュラスプライン22cに取り付けられている。サーキュラスプライン22cは、減速機22の出力部であり、第2アーム部2に連結されている。また、減速機22は、軸受部22dを含んでいる。軸受部22dは、サーキュラスプライン22cを回転可能に保持している。軸受部22dは、クロスローラベアリングである。なお、ウェーブジェネレータ22aは、請求の範囲の「軸入力部」の一例である。
【0031】
また、ウェーブジェネレータ22aは、回転中心にモータシャフト21bの挿入用の貫通孔122aを有する楕円型の円盤形状を有している。ウェーブジェネレータ22aは、フレクススプライン22bの後述する円筒部122bに圧入されることにより、フレクススプライン22bに取り付けられている。フレクススプライン22bは、円筒部122bと、フランジ部122cとを有している。円筒部122bは、中空形状を有し、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部122bは、サーキュラスプライン22cの内歯と噛み合う外歯を有している。フランジ部122cは、円環形状を有し、円筒部122bのモータ21側(X2方向側)の端部から、外側(回転中心から離れる側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン22cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン22bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0032】
減速機22の固定部であるフレクススプライン22bは、フランジ部122cにおいて、ねじなどの固定具7aにより、第1アーム部1に取り付けられている。また、減速機22の出力部であるサーキュラスプライン22cは、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2に取り付けられている。
【0033】
ブレーキ23は、モータ21を保持するように構成されている。ブレーキ23は、非通電時にモータ21を保持するとともに、通電時にモータ21の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ23のブレーキハブ23aは、モータシャフト21bに圧入されることにより、モータシャフト21bの根元部に取り付けられている。ブレーキ23の本体部23bは、ねじなどの固定具7bにより、第1アーム部1のブレーキ保持部1aに取り付けられている。オイルシール24は、減速機22のグリスをシールするように構成されている。オイルシール24は、モータシャフト21bに装着されている。また、オイルシール24は、第1アーム部1のオイルシール保持部1bに保持されている。
【0034】
ブレーキ23およびオイルシール24は、モータ21とは別個に、モータ21の筺体21a外に設けられている。ブレーキ23およびオイルシール24は、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向において、モータ21の筺体21aと、減速機22のウェーブジェネレータ22aとの間に配置されている。ブレーキ23およびオイルシール24は、モータ21側(X2方向側)から減速機22側(X1方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0035】
ここで、第1実施形態では、減速機22は、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に凹む凹部22eを有している。凹部22eは、少なくともウェーブジェネレータ22aと、フレクススプライン22bと、サーキュラスプライン22cと、軸受部22dとにより形成されている。具体的には、凹部22eの底部は、ウェーブジェネレータ22aにより形成されている。また、凹部22eの側部は、フレクススプライン22bと、サーキュラスプライン22cと、軸受部22dとにより形成されている。減速機22は、モータ21側(X2方向側)に凹部22eを有している。すなわち、凹部22eは、モータ21側(X2方向側)から減速機22側(X1方向側)に向かって凹むように形成されている。
【0036】
また、ブレーキ23の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール24は、凹部22eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ23の少なくとも一部およびオイルシール24は、凹部22eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ23の少なくとも一部およびオイルシール24は、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部22e(フレクススプライン22bの円筒部122bおよび軸受部22d)にオーバーラップするように配置されている。
【0037】
同様に、ブレーキ保持部1aおよびオイルシール保持部1bも、凹部22eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部1aおよびオイルシール保持部1bも、凹部22eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部1aおよびオイルシール保持部1bも、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部22e(フレクススプライン22bの円筒部122bおよび軸受部22d)にオーバーラップするように配置されている。
【0038】
(第3関節軸部の構成)
図3に示すように、第3関節軸部30は、モータ31と、減速機32と、ブレーキ33と、オイルシール34とを含んでいる。
【0039】
モータ31は、第3アーム部3を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ31は、ねじなどの固定具7cにより、第3アーム部3に取り付けられている。モータ31は、筺体31aと、モータシャフト31bとを含んでいる。筺体31aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体31aは、ブレーキおよびオイルシールを収容しないように構成されている。すなわち、モータ31は、ブレーキおよびオイルシールを筺体31a内に含まない、ブレーキ、オイルシールなしモータである。このため、モータ31の筺体31aは、ブレーキ、オイルシールを筺体内に含む、ブレーキ、オイルシール付モータの筺体に比べて、軸方向(X方向)の長さが小さい。モータシャフト31bは、モータ31の出力軸であり、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト31bは、減速機32に直結されている。
【0040】
減速機32は、モータ31と同軸に配置されているとともに、モータ31のモータシャフト31bに直結されている。減速機32は、ウェーブジェネレータ32aと、フレクススプライン32bと、サーキュラスプライン32cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ32aは、減速機32の入力部であり、モータシャフト31bが連結用の貫通孔132aに挿入されることにより、モータシャフト31bに連結されている。フレクススプライン32bは、減速機32の出力部であり、第3アーム部3に連結されている。サーキュラスプライン32cは、減速機32の固定部であり、フレクススプライン32bに取り付けられている。また、減速機32は、軸受部32dを含んでいる。軸受部32dは、フレクススプライン32bを回転可能に保持している。軸受部32dは、クロスローラベアリングである。なお、ウェーブジェネレータ32aは、請求の範囲の「軸入力部」の一例である。
【0041】
また、ウェーブジェネレータ32aは、回転中心にモータシャフト31bの挿入用の貫通孔132aを有する楕円型の円盤形状を有している。ウェーブジェネレータ32aは、フレクススプライン32bの後述する円筒部132bに圧入されることにより、フレクススプライン32bに取り付けられている。フレクススプライン32bは、円筒部132bと、フランジ部132cとを有している。円筒部132bは、中空形状を有し、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部132bは、サーキュラスプライン32cの内歯と噛み合う外歯を有している。フランジ部132cは、円環形状を有し、円筒部132bのモータ21側(X2方向側)の端部から、外側(回転中心から離れる側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン32cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン32bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0042】
減速機32の出力部であるフレクススプライン32bは、フランジ部132cにおいて、ねじなどの固定具7dにより、第3アーム部3に取り付けられている。また、減速機32の固定部であるサーキュラスプライン32cは、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2に取り付けられている。
【0043】
ブレーキ33は、モータ31を保持するように構成されている。ブレーキ33は、非通電時にモータ31を保持するとともに、通電時にモータ31の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ33のブレーキハブ33aは、セットスクリュにより、モータシャフト31bの根元部に取り付けられている。ブレーキ33の本体部33bは、図示しないねじなどの固定具により、第3アーム部3のブレーキ保持部3aに取り付けられている。オイルシール34は、減速機32のグリスをシールするように構成されている。オイルシール34は、モータシャフト31bに装着されている。また、オイルシール34は、第3アーム部3のオイルシール保持部3bに保持されている。
【0044】
ブレーキ33およびオイルシール34は、モータ31とは別個に、モータ31の筺体31a外に設けられている。ブレーキ33およびオイルシール34は、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向において、モータ31の筺体31aと、減速機32のウェーブジェネレータ32aとの間に配置されている。ブレーキ33およびオイルシール34は、モータ31側(X2方向側)から減速機32側(X1方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0045】
ここで、第1実施形態では、減速機32は、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に凹む凹部32eを有している。凹部32eは、少なくともウェーブジェネレータ32aと、フレクススプライン32bと、サーキュラスプライン32cと、軸受部32dとにより形成されている。具体的には、凹部32eの底部は、ウェーブジェネレータ32aにより形成されている。また、凹部32eの側部は、フレクススプライン32bと、サーキュラスプライン32cと、軸受部32dとにより形成されている。減速機32は、モータ31側(X2方向側)に凹部32eを有している。すなわち、凹部32eは、モータ31側(X2方向側)から減速機32側(X1方向側)に向かって凹むように形成されている。
【0046】
また、ブレーキ33の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール34は、凹部32eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ33の少なくとも一部およびオイルシール34は、凹部32eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ33の少なくとも一部およびオイルシール34は、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部32e(フレクススプライン32bの円筒部132bおよび軸受部32d)にオーバーラップするように配置されている。
【0047】
同様に、ブレーキ保持部3aおよびオイルシール保持部3bも、凹部32eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部3aおよびオイルシール保持部3bも、凹部32eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部3aおよびオイルシール保持部3bも、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部32e(フレクススプライン32bの円筒部132bおよび軸受部32d)にオーバーラップするように配置されている。
【0048】
(第5関節軸部の構成)
図4に示すように、第5関節軸部50は、モータ51と、減速機52と、ブレーキ53と、オイルシール54とを含んでいる。
【0049】
モータ51は、第5アーム部5を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ51は、図示しないねじなどの固定具により、第5アーム部5に取り付けられている。モータ51は、筺体51aと、モータシャフト51bとを含んでいる。筺体51aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体51aは、ブレーキおよびオイルシールを収容しないように構成されている。すなわち、モータ51は、ブレーキおよびオイルシールを筺体51a内に含まない、ブレーキ、オイルシールなしモータである。このため、モータ51の筺体51aは、ブレーキ、オイルシールを筺体内に含む、ブレーキ、オイルシール付モータの筺体に比べて、軸方向(X方向)の長さが小さい。モータシャフト51bは、モータ51の出力軸であり、回転軸線A5の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト51bは、減速機52に直結されている。
【0050】
減速機52は、モータ51と同軸に配置されているとともに、モータ51のモータシャフト51bに直結されている。減速機52は、ウェーブジェネレータ52aと、フレクススプライン52bと、サーキュラスプライン52cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ52aは、減速機52の入力部であり、モータシャフト51bが連結用の貫通孔152aに挿入されることにより、モータシャフト51bに連結されている。フレクススプライン52bは、減速機52の出力部であり、第5アーム部5に連結されている。サーキュラスプライン52cは、減速機52の固定部であり、フレクススプライン52bに取り付けられている。また、減速機52は、軸受部52dを含んでいる。軸受部52dは、フレクススプライン52bを回転可能に保持している。軸受部52dは、クロスローラベアリングである。なお、ウェーブジェネレータ52aは、請求の範囲の「軸入力部」の一例である。
【0051】
また、ウェーブジェネレータ52aは、回転中心にモータシャフト51bの挿入用の貫通孔152aを有する楕円型の円盤形状を有している。ウェーブジェネレータ52aは、フレクススプライン52b52bの後述する円筒部152bに圧入されることにより、フレクススプライン52bに取り付けられている。フレクススプライン52bは、円筒部152bと、フランジ部152cとを有している。円筒部152bは、中空形状を有し、回転軸線A5の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部152bは、サーキュラスプライン52cの内歯と噛み合う外歯を有している。フランジ部152cは、円環形状を有し、円筒部152bのモータ51側(X2方向側)の端部から、外側(回転中心から離れる側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン52cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン52bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0052】
減速機52の出力部であるフレクススプライン52bは、フランジ部152cにおいて、図示しないねじなどの固定具により、第5アーム部5に取り付けられている。また、減速機52の固定部であるサーキュラスプライン52cは、ねじなどの固定具7eにより、第4アーム部4に取り付けられている。
【0053】
ブレーキ53は、モータ51を保持するように構成されている。ブレーキ53は、非通電時にモータ51を保持するとともに、通電時にモータ51の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ53のブレーキハブ53aは、セットスクリュにより、モータシャフト51bの中央部に取り付けられている。ブレーキ53の本体部53bは、図示しないねじなどの固定具により、第5アーム部5のブレーキ保持部5aに取り付けられている。オイルシール54は、減速機52のグリスをシールするように構成されている。オイルシール54は、モータシャフト51bに装着されている。また、オイルシール54は、第4アーム部4および第5アーム部5とは別個に設けられたオイルシール保持部8に保持されている。
【0054】
ブレーキ53およびオイルシール54は、モータ51とは別個に、モータ51の筺体51a外に設けられている。ブレーキ53およびオイルシール54は、回転軸線A5の延びる方向(X方向)に沿った方向において、モータ51の筺体51aと、減速機52のウェーブジェネレータ52aとの間に配置されている。ブレーキ53およびオイルシール54は、モータ51側(X2方向側)から減速機52側(X1方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0055】
ここで、第1実施形態では、減速機52は、回転軸線A5の延びる方向(X方向)に沿った方向に凹む凹部52eを有している。凹部52eは、少なくともウェーブジェネレータ52aと、フレクススプライン52bと、サーキュラスプライン52cと、軸受部52dとにより形成されている。具体的には、凹部52eの底部は、ウェーブジェネレータ52aにより形成されている。また、凹部52eの側部は、フレクススプライン52bと、サーキュラスプライン52cと、軸受部52dとにより形成されている。減速機52は、モータ51側(X2方向側)に凹部52eを有している。すなわち、凹部52eは、モータ51側(X2方向側)から減速機52側(X1方向側)に向かって凹むように形成されている。
【0056】
また、ブレーキ53の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール54は、凹部52eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ53の少なくとも一部およびオイルシール54は、凹部52eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ53の少なくとも一部およびオイルシール54は、回転軸線A5の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部52e(フレクススプライン52bの円筒部152b、サーキュラスプライン52cおよび軸受部52d)にオーバーラップするように配置されている。
【0057】
同様に、オイルシール保持部8も、凹部52eの内側に配置されている。すなわち、オイルシール保持部8も、凹部52eの内側に収まるように配置されている。オイルシール保持部8も、回転軸線A5の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部52e(フレクススプライン52bの円筒部152b、サーキュラスプライン52cおよび軸受部52d)にオーバーラップするように配置されている。
【0058】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
第1実施形態では、上記のように、関節軸部20(30、50)を、モータシャフト21b(31b、51b)を含むモータ21(31、51)と、モータシャフト21b(31b、51b)に直結された減速機22(32、52)とを含むように構成する。これにより、モータ21(31、51)と減速機22(32、52)とをタイミングベルトを介さずに直接接続する直結構造にすることができるので、モータ21(31、51)と減速機22(32、52)とをタイミングベルトを介して接続する場合と異なり、タイミングベルトの伸びに起因して位置決め精度が低下することを防止することができる。また、上記のように、関節軸部20(30、50)を、減速機22(32、52)が回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部22e(32e、52e)を有し、ブレーキ23(33、53)の少なくとも一部およびオイルシール24(34、54)が凹部22e(32e、52e)の内側に配置されているように構成する。これにより、減速機22(32、52)の凹部22e(32e、52e)の内側の空間を利用して、ブレーキ23(33、53)の少なくとも一部およびオイルシール24(34、54)を配置することができるので、モータ21(31、51)と減速機22(32、52)とを直結構造にした場合にも、関節軸部20(30、50)を軸方向に小型化することができる。これらの結果、タイミングベルトの伸びに起因した位置決め精度の低下を防止しつつ、関節軸部20(30、50)を軸方向に小型化することができる。
【0060】
また、第1実施形態では、上記のように、アーム部2(3、5)の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部2(3、5)を回転駆動する関節軸部20(30、50)を、狭幅関節軸部として構成する。これにより、関節軸部20(30、50)をアーム部2(3、5)の延びる方向と直交する軸方向に小型化した分だけ、アーム部2(3、5)を幅方向(軸方向)に小型化することができる。これにより、アーム部2(3、5)をアーム部2(3、5)の延びる方向と直交する幅方向に小型化した分だけ、垂直多関節ロボット100をより狭い空間に進入させることができる。その結果、垂直多関節ロボット100の作業の自由度を向上させることができる。
【0061】
また、第1実施形態では、上記のように、先端側に設けられた手首構造関節部である関節軸部50を、狭幅関節軸部として構成する。これにより、関節軸部50を軸方向に小型化した分だけ、手首構造に対応するアーム部5をアーム部5の延びる方向と直交する幅方向(軸方向)に小型化することができる。これにより、手首構造に対応するアーム部5をアーム部5の延びる方向と直交する幅方向に小型化した分だけ、垂直多関節ロボット100をより狭い空間により容易に進入させることができる。その結果、垂直多関節ロボット100の作業の自由度をより向上させることができる。
【0062】
また、第1実施形態では、上記のように、減速機22(32、52)を、波動歯車減速機を含むように構成する。また、波動歯車減速機を、ウェーブジェネレータ22a(32a、52a)と、サーキュラスプライン22c(32c、52c)と、フレクススプライン22b(32b、52b)とを含むように構成する。また、ブレーキ23(33、53)の少なくとも一部およびオイルシール24(34、54)を、少なくともウェーブジェネレータ22a(32a、52a)と、サーキュラスプライン22c(32c、52c)と、フレクススプライン22b(32b、52b)と、軸受部22d(32d、52d)とにより形成される凹部22e(32e、52e)の内側に配置する。これにより、波動歯車減速機である減速機22(32、52)のウェーブジェネレータ22a(32a、52a)と、サーキュラスプライン22c(32c、52c)と、フレクススプライン22b(32b、52b)と、軸受部22d(32d、52d)とにより形成される凹部22e(32e、52e)の内側の空間を利用して、ブレーキ23(33、53)の少なくとも一部およびオイルシール24(34、54)を配置することができるので、関節軸部20(30、50)を軸方向に容易に小型化することができる。
【0063】
また、第1実施形態では、上記のように、凹部22e(32e、52e)を、モータ21(31、51)側に形成する。また、ブレーキ23(33、53)の少なくとも一部およびオイルシール24(34、54)を、凹部22e(32e、52e)の内側に配置する。これにより、ブレーキ23(33、53)およびオイルシール24(34、54)をモータ21(31、51)側に配置しつつ、関節軸部20(30、50)を軸方向に小型化することができる。また、ブレーキ23(33、53)をモータ21(31、51)側に配置することができるので、ブレーキ23(33、53)を極力モータ21(31、51)に近い位置に配置することができる。その結果、ブレーキ23(33、53)によるモータ21(31、51)の保持を安定して行うことができる。
【0064】
[第2実施形態]
次に、図1および図5図11を参照して、第2実施形態について説明する。この第2実施形態では、上記第1実施形態とは異なり、関節軸部がモータユニットを含んでいる例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0065】
(垂直多関節ロボットの構成)
第2実施形態による垂直多関節ロボット200は、図1に示すように、第2関節軸部220、第3関節軸部230、第5関節軸部250および第6関節軸部260を備える点で、上記第1実施形態の垂直多関節ロボット100と相違する。なお、第2関節軸部220、第3関節軸部230および第5関節軸部250は、請求の範囲の「狭幅関節軸部」の一例である。また、第5関節軸部250は、請求の範囲の「手首構造関節部」の一例である。また、第6関節軸部260は、請求の範囲の「先端関節軸部」の一例である。
【0066】
(第2関節軸部の構成)
第2実施形態では、図5および図6に示すように、第2関節軸部220は、モータ221と、減速機222と、ブレーキ223と、オイルシール224と、保持部材225とを一体的に含むモータユニット220aを含んでいる。モータユニット220aは、モータ221と、減速機222と、ブレーキ223と、オイルシール224と保持部材225とを一体的に含む状態で、取り付けおよび取り外しが可能なように構成されている。
【0067】
なお、モータ221、減速機222、ブレーキ223およびオイルシール224は、それぞれ、上記第1実施形態のモータ21、減速機22、ブレーキ23およびオイルシール24と同様の構成を有している。このため、上記第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略して、上記第1実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0068】
モータ221は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材225に取り付けられている。また、減速機222は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材225に取り付けられている。より具体的には、減速機222のフレクススプライン22bは、図示しないねじなどの固定具により、保持部材225に取り付けられている。保持部材225は、ねじなどの固定具207bにより第1アーム部1に取り付けられている。また、減速機222のサーキュラスプライン22cには、グリス漏れを防止するための保持部材226が設けられている。減速機222のサーキュラスプライン22cは、保持部材226を介して第2アーム部2に取り付けられている。また、ブレーキ223は、ねじなどの固定具207aにより、保持部材225のブレーキ保持部225aに取り付けられている。また、オイルシール224は、保持部材225のオイルシール保持部225bに保持されている。保持部材225は、モータ221、減速機222、ブレーキ223およびオイルシール224を一体的に保持するように構成されている。モータユニット220aは、モータ221と、減速機222と、ブレーキ223と、オイルシール224と保持部材225とを一体的に含む状態で、ねじなどの固定具207bにより、保持部材225を介して、第1アーム部1に取り付けられるとともに、保持部材226を介して、第2アーム部2に取り付けられるように構成されている。
【0069】
第2実施形態でも、ブレーキ223の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール224は、凹部22eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ223の少なくとも一部およびオイルシール224は、凹部22eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ223の少なくとも一部およびオイルシール224は、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部22e(フレクススプライン22bの円筒部122bおよび軸受部22d)にオーバーラップするように配置されている。
【0070】
また、第2実施形態では、保持部材225のブレーキ保持部225aおよびオイルシール保持部225bが、凹部22eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部225aおよびオイルシール保持部225bが、凹部22eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部225aおよびオイルシール保持部225bが、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部22e(フレクススプライン22bの円筒部122bおよび軸受部22d)にオーバーラップするように配置されている。
【0071】
(第3関節軸部の構成)
第2実施形態では、図7および図8に示すように、第3関節軸部230は、モータ231と、減速機232と、ブレーキ233と、オイルシール234と保持部材235とを一体的に含むモータユニット230aを含んでいる。モータユニット230aは、モータ231と、減速機232と、ブレーキ233と、オイルシール234と保持部材235とを一体的に含む状態で、取り付けおよび取り外しが可能なように構成されている。
【0072】
なお、モータ231、減速機232、ブレーキ233およびオイルシール234は、それぞれ、上記第1実施形態のモータ31、減速機32、ブレーキ33およびオイルシール34と同様の構成を有している。このため、上記第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略して、上記第1実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0073】
モータ231は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材236に取り付けられている。また、モータ231は、保持部材236を介して、ねじなどの固定具207cにより、保持部材235に取り付けられている。保持部材235は、図示しないねじなどの固定具により、第3アーム部3に取り付けられている。また、減速機232は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材235に取り付けられている。より具体的には、減速機232のフレクススプライン32bは、保持部材235を介して、第2アーム部2に取り付けられている。また、減速機232のサーキュラスプライン32cには、グリス漏れを防止するための保持部材227が設けられている。減速機232のサーキュラスプライン32cは、保持部材227を介して第2アーム部2に取り付けられている。また、ブレーキ233は、ねじなどの固定具207dにより、保持部材235のブレーキ保持部235aに取り付けられている。また、オイルシール234は、保持部材235のオイルシール保持部235bに保持されている。保持部材235は、モータ231、減速機232、ブレーキ233およびオイルシール234を一体的に保持するように構成されている。モータユニット230aは、モータ231と、減速機232と、ブレーキ233と、オイルシール234と保持部材235とを一体的に含む状態で、ねじなどの固定具207eにより、保持部材235を介して、第3アーム部3に取り付けられるとともに、保持部材237を介して、第2アーム部2に取り付けられるように構成されている。
【0074】
第2実施形態でも、ブレーキ233の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール234は、凹部32eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ233の少なくとも一部およびオイルシール234は、凹部32eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ233の少なくとも一部およびオイルシール234は、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部32e(フレクススプライン32bの円筒部132bおよび軸受部32d)にオーバーラップするように配置されている。
【0075】
また、第2実施形態では、保持部材235のブレーキ保持部235aおよびオイルシール保持部235bが、凹部32eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部235aおよびオイルシール保持部235bが、凹部32eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部235aおよびオイルシール保持部235bが、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部32e(サーキュラスプライン32bの円筒部132bおよび軸受部32d)にオーバーラップするように配置されている。
【0076】
(第5、6関節軸部の構成)
図9図11に示すように、第5関節軸部250および第6関節軸部260は、第5関節軸部250と、第6関節軸部260と、第5アーム部5と、第6アーム部6とを一体的に含む第5、6関節軸部ユニット250aを形成するように構成されている。第5、6関節軸部ユニット250aは、第5関節軸部250と、第6関節軸部260と、第5アーム部5と、第6アーム部6とを一体的に含む状態で、取り付けおよび取り外しが可能なように構成されている。なお、第5、6関節軸部ユニット250aは、請求の範囲の「先端関節軸部ユニット」の一例である。
【0077】
第5関節軸部250は、モータ251と、減速機252と、ブレーキ253と、オイルシール254とを含んでいる。なお、モータ251、減速機252、ブレーキ253およびオイルシール254は、それぞれ、上記第1実施形態のモータ51、減速機52、ブレーキ53およびオイルシール54と同様の構成を有している。このため、上記第1実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略して、上記第1実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0078】
また、第2実施形態でも、ブレーキ253の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール254は、凹部52eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ253の少なくとも一部およびオイルシール254は、凹部52eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ253の少なくとも一部およびオイルシール254は、回転軸線A5の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部52e(フレクススプライン52bの円筒部152b、サーキュラスプライン52cおよび軸受部52d)にオーバーラップするように配置されている。
【0079】
第6関節軸部260は、モータ261と、減速機262と、ブレーキ263と、ベルト機構264とを含んでいる。
【0080】
モータ261は、ツールフランジである第6アーム部6を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ261は、図示しないねじなどの固定具により、第5アーム部5に取り付けられている。モータ261は、筺体261aと、モータシャフト261bとを含んでいる。筺体261aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体261aは、ブレーキを収容しないように構成されている。すなわち、モータ261は、ブレーキを筺体261a内に含まない、ブレーキなしモータである。このため、モータ261の筺体261aは、ブレーキを筺体内に含む、ブレーキ付モータの筺体に比べて、軸方向(Y方向)の長さが小さい。モータシャフト261bは、モータ261の出力軸であり、回転軸線A6の延びる方向(Y方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト261bは、ベルト機構264を介して減速機262に接続されている。
【0081】
減速機262は、モータ261と軸が重ならないように配置されているとともに、モータ261のモータシャフト261bにベルト機構264を介して接続されている。減速機262は、ウェーブジェネレータ262aと、フレクススプライン262bと、サーキュラスプライン262cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ262aは、減速機262の入力部であり、入力軸362aがベルト機構264の後述するプーリ264bに連結されることにより、ベルト機構264を介してモータシャフト261bに連結されている。フレクススプライン262bは、減速機262の出力部であり、第6アーム部6に連結されている。サーキュラスプライン262cは、減速機262の固定部であり、フレクススプライン262bに取り付けられている。また、減速機262は、軸受部262dを含んでいる。軸受部262dは、フレクススプライン262bを回転可能に保持している。軸受部262dは、クロスローラベアリングである。
【0082】
また、ウェーブジェネレータ262aは、入力軸362aと、円盤部362bとを有している。ウェーブジェネレータ262aは、円盤部362bがフレクススプライン262bの後述する円筒部362cに圧入されることにより、フレクススプライン262bに取り付けられている。フレクススプライン262bは、カップ形状を有し、カップの側部である円筒部362cと、カップの底部362dとを有している。円筒部362cは、中空形状を有し、回転軸線A6の延びる方向(Y方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部362cは、サーキュラスプライン262cの内歯と噛み合う外歯を有している。底部362dは、円筒部362cのモータ261側とは反対側(Y1方向側)の端部から、内側(回転中心に近づく側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン262cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン262bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0083】
減速機262の出力部であるフレクススプライン262bは、底部362dにおいて、ねじなどの固定具207gにより、第6アーム部6に取り付けられている。また、減速機262の固定部であるサーキュラスプライン262cは、図示しないねじなどの固定具により、第5アーム部5に取り付けられている。
【0084】
ブレーキ263は、モータ261を保持するように構成されている。ブレーキ263は、非通電時にモータ261を保持するとともに、通電時にモータ261の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ263は、モータ261とは別個に、モータ261の筺体261a外に設けられている。ブレーキ263は、回転軸線A5の延びる方向と直交する方向(Z方向)に沿った方向において、モータ251を挟んで、モータ261と対向するように配置されている。
【0085】
ベルト機構264は、モータ261による駆動力を減速機262に伝達するように構成されている。また、ベルト機構264は、ブレーキ263による保持力をモータ261に伝達するように構成されている。ベルト機構264は、複数(3つ)のプーリ264a~264cと、複数(2つ)のベルト264dおよび264eとを含んでいる。プーリ264aは、ねじなどの固定具207hにより、モータシャフト261bに取り付けられている。プーリ264bは、ねじなどの固定具207iにより、ウェーブジェネレータ262aの入力軸362aに取り付けられている。プーリ264cは、ねじなどの固定具207jにより、ブレーキ263の入力軸263aに取り付けられている。ベルト264dは、プーリ264aとプーリ264bとの間に掛け渡されている。ベルト264eは、プーリ264bとプーリ264cとの間に掛け渡されている。
【0086】
第5、6関節軸部ユニット250aは、第5関節軸部250のモータ251、減速機252、ブレーキ253およびオイルシール254と、第6関節軸部260のモータ261、減速機262、ブレーキ263およびベルト機構264と、オイルシール保持部8と、第5アーム部5と、第6アーム部6とを一体的に含むように構成されている。
【0087】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0088】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0089】
第2実施形態では、上記のように、上記第1実施形態と同様に関節軸部220(230、250)を構成する。これにより、上記第1実施形態と同様に、モータ21(31、51)と減速機22(32、52)とを直結構造にした場合にも、関節軸部220(230、250)を軸方向に小型化することができる。
【0090】
また、第2実施形態では、上記のように、関節軸部220(230)を、モータ221(231)と、減速機222(232)と、ブレーキ223(233)と、オイルシール224(234)とを一体的に含むモータユニット220a(230a)を含むように構成する。これにより、モータ221(231)と、減速機222(232)と、ブレーキ223(233)と、オイルシール224(234)とを一体的に扱うことができるので、モータ221(231)と、減速機222(232)と、ブレーキ223(233)と、オイルシール224(234)とを一体的に扱うことができない場合に比べて、モータ221(231)と、減速機222(232)と、ブレーキ223(233)と、オイルシール224(234)との組立および交換を容易に行うことができる。
【0091】
また、第2実施形態では、上記のように、第5関節軸部250および第6関節軸部260を、一体的に第5、6関節軸部ユニット250aを形成するように構成する。これにより、第5関節軸部250と第6関節軸部260とを一体的に扱うことができるので、第5関節軸部250と第6関節軸部260とを一体的に扱うことができない場合に比べて、第5関節軸部250と第6関節軸部260との組立および交換を容易に行うことができる。また、手首構造に対応する部分である第5関節軸部250と第6関節軸部260とを第5、6関節軸部ユニット250aとして形成することができるので、第5関節軸部250と第6関節軸部260とをユニットとして形成しない場合に比べて、手首構造を小型化することができる。その結果、手首構造を小型化した分だけ、垂直多関節ロボット200をより狭い空間により容易に進入させることができる。これにより、垂直多関節ロボット200の作業の自由度をより向上させることができる。
【0092】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0093】
[第3実施形態]
次に、図1図12および図13を参照して、第3実施形態について説明する。この第3実施形態では、上記第1および第2実施形態とは異なり、減速機がモータ側とは反対側に凹部を有している例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0094】
(垂直多関節ロボットの構成)
第3実施形態による垂直多関節ロボット300は、図1に示すように、第2関節軸部320および第3関節軸部330を備える点で、上記第1実施形態の垂直多関節ロボット100と相違する。なお、第2関節軸部320および第3関節軸部330は、請求の範囲の「狭幅関節軸部」の一例である。
【0095】
(第2関節軸部の構成)
図12に示すように、第2関節軸部320は、モータ321と、減速機322と、ブレーキ323と、オイルシール324とを含んでいる。
【0096】
モータ321は、第2アーム部2を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ321は、図示しないねじなどの固定具により、第1アーム部1に取り付けられている。モータ321は、筺体321aと、モータシャフト321bとを含んでいる。筺体321aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体321aは、ブレーキおよびオイルシールを収容しないように構成されている。すなわち、モータ321は、ブレーキおよびオイルシールを筺体321a内に含まない、ブレーキ、オイルシールなしモータである。このため、モータ321の筺体321aは、ブレーキ、オイルシールを筺体内に含む、ブレーキ、オイルシール付モータの筺体に比べて、軸方向(X方向)の長さが小さい。モータシャフト321bは、モータ321の出力軸であり、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト321bは、減速機322に直結されている。
【0097】
減速機322は、モータ321と同軸に配置されているとともに、モータ321のモータシャフト321bに直結されている。減速機322は、ウェーブジェネレータ322aと、フレクススプライン322bと、サーキュラスプライン322cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ322aは、減速機322の入力部であり、モータシャフト321bが連結用の貫通孔422aに挿入されることにより、モータシャフト321bに連結されている。フレクススプライン322bは、減速機322の出力部であり、第2アーム部2に連結されている。サーキュラスプライン322cは、減速機322の固定部であり、フレクススプライン322bに取り付けられている。また、減速機322は、軸受部322dを含んでいる。軸受部322dは、フレクススプライン322bを回転可能に保持している。軸受部322dは、クロスローラベアリングである。なお、ウェーブジェネレータ322aは、請求の範囲の「軸入力部」の一例である。
【0098】
また、ウェーブジェネレータ322aは、回転中心にモータシャフト321bの挿入用の貫通孔422aを有する楕円型の円盤形状を有している。ウェーブジェネレータ322aは、フレクススプライン322bの後述する円筒部422bに圧入されることにより、フレクススプライン322bに取り付けられている。フレクススプライン322bは、円筒部422bと、フランジ部422cとを有している。円筒部422bは、中空形状を有し、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部422bは、サーキュラスプライン322cの内歯と噛み合う外歯を有している。フランジ部422cは、円環形状を有し、円筒部422bのモータ321側とは反対側(X1方向側)の端部から、外側(回転中心から離れる側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン322cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン322bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0099】
減速機322の出力部であるフレクススプライン322bは、フランジ部422cにおいて、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2に取り付けられている。また、減速機322の固定部であるサーキュラスプライン322cは、ねじなどの固定具307aにより、第1アーム部1に取り付けられている。
【0100】
ブレーキ323は、モータ321を保持するように構成されている。ブレーキ323は、非通電時にモータ321を保持するとともに、通電時にモータ321の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ323のブレーキハブ323aは、モータシャフト321bに圧入されることにより、モータシャフト321bの先端部に取り付けられている。ブレーキ323の本体部323bは、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2のブレーキ保持部2aに取り付けられている。オイルシール324は、減速機322のグリスをシールするように構成されている。オイルシール324は、モータシャフト321bに装着されている。また、オイルシール324は、第2アーム部2のオイルシール保持部2bに保持されている。
【0101】
ブレーキ323およびオイルシール324は、モータ321とは別個に、モータ321の筺体321a外に設けられている。ブレーキ323およびオイルシール324は、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向において、モータ321の筺体321aと、減速機322のウェーブジェネレータ322aとの外側に配置されている。オイルシール324およびブレーキ323は、モータ321側(X2方向側)から減速機322側(X1方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0102】
第3実施形態では、減速機322は、回転軸線A2の延びる方向(X方向)に沿った方向に凹む凹部322eを有している。凹部322eは、少なくともウェーブジェネレータ322aと、フレクススプライン322bと、サーキュラスプライン322cと、軸受部322dとにより形成されている。具体的には、凹部322eの底部は、ウェーブジェネレータ322aにより形成されている。また、凹部322eの側部は、フレクススプライン322bと、サーキュラスプライン322cと、軸受部322dとにより形成されている。減速機322は、モータ321側とは反対側(X1方向側)に凹部322eを有している。すなわち、凹部322eは、減速機322側(X1方向側)からモータ321側(X2方向側)に向かって凹むように形成されている。
【0103】
また、ブレーキ323の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール324は、凹部322eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ323の少なくとも一部およびオイルシール324は、凹部322eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ323の少なくとも一部およびオイルシール324は、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部322e(フレクススプライン322bの円筒部422bおよび軸受部322d)にオーバーラップするように配置されている。
【0104】
同様に、ブレーキ保持部2aおよびオイルシール保持部2bも、凹部322eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部2aおよびオイルシール保持部2bも、凹部322eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部2aおよびオイルシール保持部2bも、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部322e(フレクススプライン322bの円筒部422bおよび軸受部322d)にオーバーラップするように配置されている。
【0105】
また、第3実施形態では、ブレーキ323は、第2アーム部2のブレーキ整備用蓋部2cに対向するように配置されている。ブレーキ整備用蓋部2cは、第2アーム部2の本体に対して着脱可能に構成されている。ブレーキ整備用蓋部2cは、第2アーム部2の本体から取り外された場合、ブレーキ323をブレーキ323の固定具などと共に外部に露出させるように構成されている。これにより、ブレーキ323の交換などのブレーキ323の整備を容易に行うことができる。また、ブレーキ整備用蓋部2cは、第2アーム部2の本体に取り付けられた場合、ブレーキ323を覆うように構成されている。ブレーキ323は、第2アーム部2の外表面の近傍に配置されている。
【0106】
(第3関節軸部の構成)
図13に示すように、第3関節軸部330は、モータ331と、減速機332と、ブレーキ333と、オイルシール334とを含んでいる。
【0107】
モータ331は、第3アーム部3を回転駆動するための駆動力を発生するように構成されている。モータ331は、図示しないねじなどの固定具により、第3アーム部3に取り付けられている。モータ331は、筺体331aと、モータシャフト331bとを含んでいる。筺体331aは、固定子、回転子などを収容するように構成されている。一方、筺体331aは、ブレーキおよびオイルシールを収容しないように構成されている。すなわち、モータ331は、ブレーキおよびオイルシールを筺体331a内に含まない、ブレーキ、オイルシールなしモータである。このため、モータ331の筺体331aは、ブレーキ、オイルシールを筺体内に含む、ブレーキ、オイルシール付モータの筺体に比べて、軸方向(X方向)の長さが小さい。モータシャフト331bは、モータ331の出力軸であり、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。モータシャフト331bは、減速機332に直結されている。
【0108】
減速機332は、モータ331と同軸に配置されているとともに、モータ331のモータシャフト331bに直結されている。減速機332は、ウェーブジェネレータ332aと、フレクススプライン332bと、サーキュラスプライン332cとを含む波動歯車減速機である。ウェーブジェネレータ332aは、減速機332の入力部であり、モータシャフト331bが連結用の貫通孔432aに挿入されることにより、モータシャフト331bに連結されている。フレクススプライン332bは、減速機332の固定部であり、サーキュラスプライン332cに取り付けられている。サーキュラスプライン332cは、減速機332の出力部であり、第3アーム部3に連結されている。また、減速機332は、軸受部332dを含んでいる。軸受部332dは、サーキュラスプライン332cを回転可能に保持している。軸受部332dは、クロスローラベアリングである。なお、ウェーブジェネレータ332aは、請求の範囲の「軸入力部」の一例である。
【0109】
また、ウェーブジェネレータ332aは、回転中心にモータシャフト331bの挿入用の貫通孔432aを有する楕円型の円盤形状を有している。ウェーブジェネレータ332aは、フレクススプライン332bの後述する円筒部432bに圧入されることにより、フレクススプライン332bに取り付けられている。フレクススプライン332bは、円筒部432bと、フランジ部432cとを有している。円筒部432bは、中空形状を有し、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に延びるように構成されている。円筒部432bは、サーキュラスプライン332cの内歯と噛み合う外歯を有している。フランジ部432cは、円環形状を有し、円筒部432bのモータ331側とは反対側(X1方向側)の端部から、外側(回転中心から離れる側)に延びるように構成されている。サーキュラスプライン332cは、円環形状を有するとともに、フレクススプライン332bの外歯と噛み合う内歯を有している。
【0110】
減速機332の固定部であるフレクススプライン332bは、フランジ部432cにおいて、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2に取り付けられている。また、減速機322の出力部であるサーキュラスプライン332cは、ねじなどの固定具307bにより、第3アーム部3に取り付けられている。
【0111】
ブレーキ333は、モータ331を保持するように構成されている。ブレーキ333は、非通電時にモータ331を保持するとともに、通電時にモータ331の保持を解除する無励磁作動型の電磁ブレーキである。ブレーキ333のブレーキハブ333aは、モータシャフト331bにセットスクリュにより固定されることにより、モータシャフト331bの先端部に取り付けられている。ブレーキ333の本体部333bは、図示しないねじなどの固定具により、第2アーム部2のブレーキ保持部2dに取り付けられている。オイルシール334は、減速機332のグリスをシールするように構成されている。オイルシール334は、モータシャフト331bに装着されている。また、オイルシール334は、第2アーム部2のオイルシール保持部2eに保持されている。
【0112】
ブレーキ333およびオイルシール334は、モータ331とは別個に、モータ331の筺体331a外に設けられている。ブレーキ333およびオイルシール334は、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向において、モータ331の筺体331aと、減速機332のウェーブジェネレータ332aとの外側に配置されている。オイルシール334およびブレーキ333は、モータ331側(X2方向側)から減速機332側(X1方向側)に向かって、この順に配置されている。
【0113】
第3実施形態では、減速機332は、回転軸線A3の延びる方向(X方向)に沿った方向に凹む凹部332eを有している。凹部332eは、少なくともウェーブジェネレータ332aと、フレクススプライン332bと、サーキュラスプライン332cと、軸受部332dとにより形成されている。具体的には、凹部332eの底部は、ウェーブジェネレータ332aにより形成されている。また、凹部332eの側部は、フレクススプライン332bと、サーキュラスプライン332cと、軸受部332dとにより形成されている。減速機332は、モータ331側とは反対側(X1方向側)に凹部332eを有している。すなわち、凹部332eは、減速機332側(X1方向側)からモータ321側(X2方向側)に向かって凹むように形成されている。
【0114】
また、ブレーキ333の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール334は、凹部332eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ333の少なくとも一部およびオイルシール334は、凹部332eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ333の少なくとも一部およびオイルシール334は、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部332e(フレクススプライン332bの円筒部432bおよび軸受部332d)にオーバーラップするように配置されている。
【0115】
同様に、ブレーキ保持部2dおよびオイルシール保持部2eも、凹部332eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部2dおよびオイルシール保持部2eも、凹部332eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部2dおよびオイルシール保持部2eも、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部332e(フレクススプライン332bの円筒部432bおよび軸受部332d)にオーバーラップするように配置されている。
【0116】
また、第3実施形態では、ブレーキ333は、第2アーム部2のブレーキ整備用蓋部2fに対向するように配置されている。ブレーキ整備用蓋部2fは、第2アーム部2の本体に対して着脱可能に構成されている。ブレーキ整備用蓋部2fは、第2アーム部2の本体から取り外された場合、ブレーキ333をブレーキ333の固定具などと共に外部に露出させるように構成されている。これにより、ブレーキ333の交換などのブレーキ333の整備を容易に行うことができる。また、ブレーキ整備用蓋部2fは、第2アーム部2の本体に取り付けられた場合、ブレーキ333を覆うように構成されている。ブレーキ333は、第2アーム部2の外表面の近傍に配置されている。
【0117】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0118】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0119】
第3実施形態では、上記のように、関節軸部320(330)を、モータシャフト321b(331b)を含むモータ321(331)と、モータシャフト321b(331b)に直結された減速機322(332)とを含むように構成する。これにより、モータ321(331)と減速機322(332)とをタイミングベルトを介さずに直接接続する直結構造にすることができるので、モータ321(31)と減速機322(332)とをタイミングベルトを介して接続する場合と異なり、タイミングベルトの伸びに起因して位置決め精度が低下することを防止することができる。また、上記のように、関節軸部320(330)を、減速機322(332)が回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部322e(332e)を有し、ブレーキ323(333)の少なくとも一部およびオイルシール324(334)が凹部322e(332e)の内側に配置されているように構成する。これにより、減速機322(332)の凹部322e(332e)の内側の空間を利用して、ブレーキ323(333)の少なくとも一部およびオイルシール324(334)を配置することができるので、モータ321(331)と減速機322(332)とを直結構造にした場合にも、関節軸部320(330)を軸方向に小型化することができる。これらの結果、タイミングベルトの伸びに起因した位置決め精度の低下を防止しつつ、関節軸部320(330)を軸方向に小型化することができる。
【0120】
また、第3実施形態では、上記のように、凹部322e(332e)を、モータ321(331)側とは反対側に形成する。また、ブレーキ323(333)の少なくとも一部およびオイルシール324(334)を、凹部322e(332e)の内側に配置する。これにより、ブレーキ323(333)およびオイルシール324(334)をモータ321(331)側とは反対側に配置しつつ、関節軸部320(330)を軸方向に小型化することができる。また、ブレーキ323(333)をモータ321(331)側とは反対側に配置することができるので、ブレーキ323(333)を極力アーム部2の表面に近い位置に配置することができる。その結果、ブレーキ323(333)をブレーキ323(333)の交換などのブレーキ323(333)に対する整備作業を行いやすい位置に配置することができる。
【0121】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0122】
[第4実施形態]
次に、図1および図14図17を参照して、第4実施形態について説明する。この第4実施形態では、上記第3実施形態とは異なり、関節軸部がモータユニットを含んでいる例について説明する。なお、上記第1実施形態と同一の構成については、図中において同じ符号を付して図示し、その説明を省略する。
【0123】
(垂直多関節ロボットの構成)
第4実施形態による垂直多関節ロボット400は、図1に示すように、第2関節軸部520および第3関節軸部530を備える点で、上記第1実施形態の垂直多関節ロボット100と相違する。なお、第2関節軸部520および第3関節軸部530は、請求の範囲の「狭幅関節軸部」の一例である。
【0124】
(第2関節軸部の構成)
第4実施形態では、図14および図15に示すように、第2関節軸部520は、モータ521と、減速機522と、ブレーキ523と、オイルシール524と、保持部材525および526とを一体的に含むモータユニット520aを含んでいる。モータユニット520aは、モータ521と、減速機522と、ブレーキ523と、オイルシール524と保持部材525および526とを一体的に含む状態で、取り付けおよび取り外しが可能なように構成されている。
【0125】
なお、モータ521、減速機522、ブレーキ523およびオイルシール524は、それぞれ、上記第3実施形態のモータ321、減速機322、ブレーキ323およびオイルシール324と同様の構成を有している。このため、上記第3実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略して、上記第3実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0126】
モータ521は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材525に取り付けられている。また、減速機522は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材525に取り付けられている。また、ブレーキ523は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材526のブレーキ保持部526aに取り付けられている。また、オイルシール534は、保持部材526のオイルシール保持部526bに保持されている。保持部材525および526は、モータ521、減速機522、ブレーキ523およびオイルシール524を一体的に保持するように構成されている。モータユニット520aは、モータ521と、減速機522と、ブレーキ523と、オイルシール524と保持部材525および526とを一体的に含む状態で、ねじなどの固定具507aにより、保持部材525を介して、第1アーム部1に取り付けられるとともに、保持部材526を介して、第2アーム部2に取り付けられるように構成されている。
【0127】
第4実施形態でも、ブレーキ523の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール524は、凹部322eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ523の少なくとも一部およびオイルシール524は、凹部322eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ523の少なくとも一部およびオイルシール524は、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部322e(フレクススプライン322bの円筒部422bおよび軸受部322d)にオーバーラップするように配置されている。
【0128】
また、第4実施形態では、保持部材526のブレーキ保持部526aおよびオイルシール保持部526bが、凹部322eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部526aおよびオイルシール保持部526bが、凹部322eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部526aおよびオイルシール保持部526bが、回転軸線A2の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部322e(フレクススプライン322bの円筒部422bおよび軸受部322d)にオーバーラップするように配置されている。
【0129】
(第3関節軸部の構成)
第4実施形態では、図16および図17に示すように、第3関節軸部530は、モータ531と、減速機532と、ブレーキ533と、オイルシール534と保持部材535および536とを一体的に含むモータユニット530aを含んでいる。モータユニット530aは、モータ531と、減速機532と、ブレーキ533と、オイルシール534と保持部材535および536とを一体的に含む状態で、取り付けおよび取り外しが可能なように構成されている。
【0130】
なお、モータ531、減速機532、ブレーキ533およびオイルシール534は、それぞれ、上記第3実施形態のモータ331、減速機332、ブレーキ333およびオイルシール334と同様の構成を有している。このため、上記第3実施形態と同様の構成については詳細な説明を省略して、上記第3実施形態と異なる構成について以下に説明する。
【0131】
モータ531は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材535に取り付けられている。また、減速機532は、図示しないねじなどの固定具により、保持部材535に取り付けられている。また、ブレーキ533は、ねじなどの固定具507bにより、保持部材536のブレーキ保持部536aに取り付けられている。また、オイルシール534は、保持部材536のオイルシール保持部536bに保持されている。保持部材535および536は、モータ531、減速機532、ブレーキ533およびオイルシール534を一体的に保持するように構成されている。モータユニット530aは、モータ531と、減速機532と、ブレーキ533と、オイルシール534と、保持部材535および536とを一体的に含む状態で、ねじなどの固定具507cにより、保持部材535を介して、第3アーム部3に取り付けられるとともに、保持部材536を介して、第2アーム部2に取り付けられるように構成されている。
【0132】
第4実施形態でも、ブレーキ533の少なくとも一部(X1方向側の部分)およびオイルシール534は、凹部332eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ533の少なくとも一部およびオイルシール534は、凹部332eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ533の少なくとも一部およびオイルシール534は、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部332e(フレクススプライン332bの円筒部432bおよび軸受部332d)にオーバーラップするように配置されている。
【0133】
また、第4実施形態では、保持部材536のブレーキ保持部536aおよびオイルシール保持部536bが、凹部332eの内側に配置されている。すなわち、ブレーキ保持部536aおよびオイルシール保持部536bが、凹部332eの内側に収まるように配置されている。ブレーキ保持部536aおよびオイルシール保持部536bが、回転軸線A3の延びる方向に直交する方向(Y方向、Z方向など)に沿った方向に見て、凹部332e(フレクススプライン332bの円筒部432bおよび軸受部332d)にオーバーラップするように配置されている。
【0134】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0135】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0136】
第4実施形態では、上記のように、上記第3実施形態と同様に関節軸部520(530)を構成する。これにより、上記第3実施形態と同様に、モータ321(331)と減速機322(332)とを直結構造にした場合にも、関節軸部520(530)を軸方向に小型化することができる。
【0137】
また、第4実施形態では、上記のように、関節軸部520(530)を、モータ521(531)と、減速機522(532)と、ブレーキ523(533)と、オイルシール524(534)とを一体的に含むモータユニット520a(530a)を含むように構成する。これにより、モータ521(531)と、減速機522(532)と、ブレーキ523(533)と、オイルシール524(534)とを一体的に扱うことができるので、モータ521(531)と、減速機522(532)と、ブレーキ523(533)と、オイルシール524(534)とを一体的に扱うことができない場合に比べて、モータ521(531)と、減速機522(532)と、ブレーキ523(533)と、オイルシール524(534)との組立および交換を容易に行うことができる。
【0138】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0139】
[第5実施形態]
次に、図18を参照して、第5実施形態について説明する。この第5実施形態では、垂直多関節ロボットの例について説明した上記第1~第4実施形態とは異なり、単軸ロボットの例について説明する。
【0140】
(単軸ロボットの構成)
第5実施形態による単軸ロボット500は、図18に示すように、1の自由度を有する射出成形品ディスク601bを射出成形機から取り出すロボットである。単軸ロボット500は、ベース部500aを介して、床などの設置面に設置されるように構成されている。
【0141】
単軸ロボット500は、アーム部601と、アーム部601を回転駆動する回転軸部602とを備えている。回転軸部602は、アーム部601が延びる方向と直交する幅方向(水平方向)に沿った方向に延びる回転軸線A7周りに、アーム部601を回転駆動するように構成されている。アーム部601の先端部には、吸着パッド601aが設けられている。アーム部601は、先端部の吸着パッド601により、射出成形品であるディスク601bを吸着するように構成されている。
【0142】
詳細な説明は省略するが、回転軸部602は、上記第2実施形態の第2関節軸部220のモータユニット220aと同様の構成を有している。すなわち、回転軸部602は、図5および図6に示す構造を有している。なお、回転軸部602は、上記第4実施形態の第2関節軸部520のモータユニット520aと同様の構成を有していてもよい。同様に、回転軸部602は、上記第2実施形態の第3関節軸部230のモータユニット230aと同様の構成を有していてもよいし、上記第4実施形態の第3関節軸部530のモータユニット530aと同様の構成を有していてもよい。
【0143】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0144】
(第5実施形態の効果)
第5実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0145】
第5実施形態では、上記のように、上記第2実施形態の第2関節軸部220のモータユニット220aと同様に回転軸部602を構成する。これにより、上記第2実施形態と同様に、タイミングベルトの伸びに起因した位置決め精度の低下を防止しつつ、回転軸部602を軸方向に小型化することができる。
【0146】
なお、第5実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0147】
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0148】
たとえば、上記第1~第4実施形態では、垂直多関節ロボットが、6の自由度を有する6軸ロボットである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、5以下の自由度を有するロボットであってもよいし、7以上の自由度を有するロボットであってもよい。
【0149】
また、上記第1~第4実施形態では、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールの両方が、凹部の内側に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ブレーキの少なくとも一部およびオイルシールののうちの一方のみが、凹部の内側に配置されていてもよい。
【0150】
また、上記第1~第4実施形態では、本発明の狭幅関節軸部が、アーム部の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部を回転駆動する第2関節軸部、第3関節軸部または第5関節軸部である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、狭幅関節軸部が、アーム部の延びる方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部を回転駆動する関節軸部(上記第1~第4実施形態の第4関節軸部など)であってもよい。
【0151】
また、上記第1~第4実施形態では、アーム部の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部を回転駆動する関節軸部(第2関節軸部、第3関節軸部および第5関節軸部)の全部が、本発明の狭幅関節軸部である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、アーム部の延びる方向と直交する幅方向に沿った方向に延びる回転軸線周りに、アーム部を回転駆動する関節軸部が複数ある場合に、この複数の関節軸部の一部のみが、本発明の狭幅関節軸部であってもよい。
【0152】
また、上記第1~第4実施形態では、減速機が波動歯車減速機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、減速機が回転軸線方向に沿った方向に凹む凹部を有していれば、減速機が波動歯車減速機以外の減速機であってもよい。
【0153】
また、上記第3および第4実施形態では、第2関節軸部および第3関節軸部の減速機がモータ側とは反対側に凹部を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、手首構造に対応する第5関節軸部の減速機がモータ側とは反対側に凹部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0154】
1~6 アーム部
6a ツール
10 第1関節軸部(関節軸部)
20、220、320、520 第2関節軸部(関節軸部、狭幅関節軸部)
30、230、330、530 第3関節軸部(関節軸部、狭幅関節軸部)
40、第4関節軸部(関節軸部)
50、250 第5関節軸部(関節軸部、狭幅関節軸部、手首構造関節部)
60、260 第6関節軸部(先端関節軸部)
21、31、51、221、231、251、321、331、521、531 モータ
21b、31b、51b、321b、331b モータシャフト
22、32、52、222、232、252、322、332、522、532 減速機(波動歯車減速機)
22a、32a、52a、322a、332a ウェーブジェネレータ(軸入力部)
22b、32b、52b、322b、332b サーキュラスプライン
22c、32c、52c、322c、332c フレクススプライン
22d、32d、52d、322d、332d 軸受部
22e、32e、52e、322e、332e 凹部
23、33、53、223、233、253、323、333、523、533 ブレーキ
24、34、54、224、234、254、324、334、524、534 オイルシール
100、200、300、400 垂直多関節ロボット
220a、230a、520a、530a モータユニット
250a 第5、6軸関節軸部ユニット(先端関節軸部ユニット)
500 単軸ロボット
601 アーム部
602 回転軸部
A1~A6 回転軸線
Y方向、Z方向(アーム部の延びる方向)
X方向(アーム部の延びる方向と直交する幅方向)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18