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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】水筒
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/18 20060101AFI20221005BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20221005BHJP
   A47J 41/02 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A45F3/18
A47J41/00 301A
A47J41/02 101A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2022066414
(22)【出願日】2022-04-13
【審査請求日】2022-04-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522095942
【氏名又は名称】宮川 泰洋
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(72)【発明者】
【氏名】宮川 泰洋
【審査官】荒井 隆一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-153916(JP,U)
【文献】特開2016-023954(JP,A)
【文献】登録実用新案第3136740(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45F 3/16- 3/20
A47J 41/00-41/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の小水筒と、前記小水筒同士を接続する接続部品を備える水筒であって、
前記小水筒の少なくとも一つは、前記接続部品の一部が貫入する底部を有し、
前記接続部品は、前記小水筒同士が接続された状態において露出するリング部と、一端を開口部とし、内部に液体を貯める接続貯留空間を有する水筒。
【請求項2】
前記接続部品には、前記小水筒の底部に貫入する接続部本体が一対設けられている請求項1に記載の水筒。
【請求項3】
前記接続部本体には、それぞれ前記小水筒と接続するらせん状の突起又は溝が設けられ、前記らせん状の突起又は溝の回転方向は、いずれの前記接続部本体においても同一となる請求項2に記載の水筒。
【請求項4】
前記小水筒は、それぞれ蓋を有し、
前記蓋は、前記底部に対向する面が平面状となる請求項1に記載の水筒。
【請求項5】
前記小水筒は、内部の温度を測定する温度測定部を有する請求項1~4の何れかに記載の水筒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲み口を二つ有し、分割して使用することができる水筒に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の水筒は、保温・保冷性能の発展がめざましく、水筒内部に入れた液体を高温状態や低温状態に長時間維持することができるものが多い。しかしながら、日較差が大きい日などには、温かい飲み物と冷たい飲み物を時間によって飲み分けることが望まれる。また、気分によって温かい飲み物と冷たい飲み物を飲み分けることができれば生活がより豊かになる。
さらに、一度口を付けた水筒は口内の雑菌が水筒の内部に入りこむため衛生性が悪く、腹を下す原因にもなるため、一度に飲み切ることができるような容量の水筒を作ることが望ましい。
このような要望に応じて、水筒を分割できるようにして飲み口を2つ設けた水筒が、例えば特許文献1、2に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実公昭64-32625号公報
【文献】実公平1-139735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1及び特許文献2に記載の水筒は内側に雌ねじを設けたリング体によって二つに分割した水筒をねじ機構によって固定できるようにしてあるところ、各個の水筒の底部分にはリング体に嵌め込むための雄ネジが設けられている。
このような構成は、常に各水筒を繋ぎ合わせて使用する場合は特に問題にならないが、水筒を各個で使用することを想定した場合には突起部分となる雄ネジが水筒を持ちにくくさせるほか、使用時に露出する雄ネジの一部が破損する恐れもあり、また、各水筒底面の径がその直上の径よりも小さくなるため安定性にかけ、実際に使用するにあたっては不都合な点が多い。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑み、2つの小水筒を結合可能な水筒であって、小水筒が結合した状態においても、分割した状態においても取り扱いに優れる水筒の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する本願発明は、複数の小水筒と、前記小水筒同士を接続する接続部品を備える水筒であって、前記小水筒の少なくとも一つは、前記接続部品の一部が貫入する底部を有する水筒である。
このような構成によって、小水筒を取り外したときでも外観・形状ともに変化させず取り扱いに優れる水筒を提供することができる。
【0007】
本発明の好ましい形態では、前記接続部品には、前記小水筒の底部に貫入する接続部本体が一対設けられている。
このように、貫入する接続部本体が一対設けられる構成によって、水筒が全体として対称となり取り回しに優れるようになる。
【0008】
本発明の好ましい形態では、前記接続部本体には、それぞれ前記小水筒と接続するらせん状の突起又は溝が設けられ、前記らせん状の突起又は溝の回転方向は、いずれの接続部本体においても同一となるように設けられる。
このような構成によって、前記小水筒に前記接続部品をねじのように回し入れることによって簡便に接続することができるようになる。また、前記小水筒を前記接続部品のどちらに取り付けるかを気にする必要がなくなり、取り扱い性能を向上できる。
【0009】
本発明の好ましい形態では、前記小水筒は、それぞれ蓋を有し、前記蓋は、前記底部に対向する面が平面状となる。
このような構成によって、前記小水筒が接続部品と接続された状態であっても水筒を立設させることができる。
【0010】
本発明の好ましい形態では、前記接続部品は、前記小水筒が接続された状態において、前記小水筒に被覆される。
このような構成によって、水筒の全体長さを短くし、水筒内部に貯留可能な液体の容量を増加できる。
【0011】
本発明の好ましい形態では、前記接続部品は一端を開口部とし、内部に液体を貯める接続貯留空間とする。
このような構成によって、前記接続部品をコップのように利用し、使用にあたっての利便性を向上させることができる。
【0012】
本発明の好ましい形態では、前記小水筒は、内部の温度を測定する温度測定部を有する。
このような構成によって、使用者は、どちらの小水筒にどのような液体が入っているのかを把握できるようになる。
【発明の効果】
【0013】
上記課題を解決する本発明は、2つの小水筒を結合可能な水筒であって、小水筒を結合した状態においても、分割した状態においても取り扱いに優れる水筒の提供ができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第一の実施形態に係る、水筒の斜視図を表す。
図2】本発明の第一の実施形態に係る、水筒の分解斜視図を表す。
図3】本発明の第一の実施形態に係る、水筒の径断面における断面図を表す。
図4】本発明の第二の実施形態に係る、水筒及び接続部品の斜視図を表す。
図5】本発明の第二の実施形態に係る、水筒の径断面における断面図を表す。
図6】本発明の第三の実施形態に係る、水筒及び接続部品の斜視図を表す。
図7】本発明の第三の実施形態に係る、水筒の径断面における断面図を表す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を用いて、本発明の各実施形態に係る水筒Xについて説明する。説明は、実施形態の構成、実施の方法、他の実施形態の順に詳述する。
なお、以下に示す各実施形態は本発明の一例であり、本発明を以下の各実施形態に限定するものではなく、また各実施形態の各部分を組み合わせた構成としてもよい。
【0016】
≪第一の実施形態≫
水筒Xは、図1に示すように、第一水筒1と、第二水筒2とが、接続部品3によって接続されることによって構成される。なお、以下において第一水筒1及び第二水筒2をまとめて小水筒X1と呼称する。
小水筒X1は、接続された状態において互いの底部同士が突き合わさるようにして結合している。
【0017】
第一水筒1は、内部に液体を格納する第一水筒本体11と、第一水筒本体11の底面から突出して設けられる第一底部12と、第一水筒本体11の上面に設けられ第一水筒本体11の内部を水密にする第一蓋13と、によって構成されている。
【0018】
第一水筒本体11は、ステンレス等金属製の略円柱型部材であって、一端を液体の出し入れが可能な第一注ぎ口111とし、内部の空間を第一貯留空間1Aとして液体を貯留できるようにしてある。
好ましくは、第一水筒本体11は二重の金属筒が溶接されることによって構成されており、内部の管と外部の管の間を真空にすることによって、断熱性を高めてある。
第一水筒本体11の高さは、8~16cm、好ましくは10~14cm、さらに好ましくは11~13cm程度になるように構成されている。このように、水筒の高さを一般的な人間の手のひらの高さよりも少し短くなるように構成することによって、使用時に手から落としにくくすることができる。
第一水筒本体11の外径は、4~10cm、好ましくは5~8cm、さらに好ましくは6~7cm程度になるように構成されている。このように、水筒の円周の半分の長さを一般的な人間の手のひらの高さよりも短くすることによって使用時に手から落としにくくすることができる。
【0019】
第一底部12は、第一水筒本体11の下面に設けられる筒状部材である。第一底部12は、第一水筒本体11の下面から突出する中空の第一突出部121と、第一突出部121に設けられ接続部品3と接続するための第一接続部122と、を有する。
【0020】
第一突出部121は、第一底部12から突出して設けられる部分であって、外径を第一水筒本体11の外径と略同一とし、その厚みを1~5mmとした筒状の部材である。好ましくは、第一水筒本体11と一体に構成されているか、取り外しできるように構成されている。
【0021】
第一接続部122は、第一突出部121の内周面にらせん状に設けられる突起部分あるいは溝部分であって、接続部品3と噛み合い篏合できるように構成されている。突起あるいは溝の幅や高さは2~5mm程度が想定される。
【0022】
第一蓋13は、第一水筒本体11の上面に取り付けられて第一貯留空間1Aを水密にする部分である。第一蓋13は、底面を有する円筒形状である第一蓋本体131と、第一蓋本体131と第一水筒本体11とを接続する第一蓋接続部132と、第一水筒本体11の第一注ぎ口111を閉鎖する第一蓋栓133と、によって構成される。
【0023】
第一蓋本体131は、凹み部を有する円柱部材であって、その外径が第一水筒本体11と略同一になるように構成されている。
また、第一蓋本体131の上面は平板状に設けられており、第一蓋13が第一水筒本体11に取り付けられた状態において、第一水筒本体11の軸に対して垂直になるように設けられている。
【0024】
第一蓋接続部132は、第一蓋本体131の内周面にらせん状に設けられる突起部分あるいは溝部分であって、第一注ぎ口111の外周に設けられる突起部分あるいは溝部分に回し込んで篏合できるように構成されている。突起あるいは溝の幅や高さは2~5mm程度が想定される。
【0025】
第一蓋栓133は、第一注ぎ口111に篏合するように設けられる部材であって、好ましくは接続された状態において第一注ぎ口111に向かって狭まるテーパ形状となるように構成されている。第一蓋栓133は、ゴムやシリコン等の弾性部材で形成されており、第一注ぎ口111の外径よりも小さくした略剛性の部材にパッキンを取り付けて構成したものであってもよい。これによって第一水筒本体11と第一蓋13と密着篏合させ、第一貯留空間1Aを水密にする。
【0026】
第二水筒2は、第一水筒1と対応する部材であって、その形状や構成要素は、第一水筒1と略同一になるように設けられている。すなわち、第一水筒本体11が第二水筒本体21と対応し、第一底部12が第二底部22と対応し、第一蓋13が、第二蓋23と対応するように設けられている。以下においては、異なる部分を詳述する。
【0027】
第二水筒本体21は、第一水筒本体11と同様にして、ステンレス製の円筒部材であって、片側を開口部である第二注ぎ口211とし、内部の空間を第一貯留空間1Aとして液体を格納できるようにしてある。
第二水筒本体21の側面外周の色彩は、第一水筒本体11の側面外周の色彩とは異なるようにしており、これによって第一水筒1と第二水筒2を識別できるようにしてある。
第二水筒本体21の飲み口の形状は、第一水筒本体11と同様に単なる開口部であってもよいが、液体の流動を制限する邪魔板や制動部品を設けていても良い。
【0028】
第二底部22は、第一底部12と同様に、第二水筒本体21の下面から突出する中空形状の第一突出部121と、第二突出部221に設けられ接続部品3と接続する第二接続部222と、を有する。
第二接続部222は、第一接続部122とらせんの回転方向が同一となるように設けられた突起部分あるいは溝部分である。すなわち、2つの小水筒X1が接続部品3に接続された状態において一方の小水筒X1を取り外す方向に回転させると、他方で把持した小水筒X1も取り外す方向に回転するように設けられている。
【0029】
第二蓋23は、第一蓋13と同様に、第二水筒本体21の上面に取り付けられて第二貯留空間2Aを水密にする部分である。第二蓋23は、底面を有する円筒形状である第二蓋本体231と、第二蓋本体231と第二水筒本体21とを接続する第二蓋接続部232と、第二水筒本体21の開口部を閉鎖する第二蓋栓233と、によって構成される。
【0030】
接続部品3は、上面及び下面において小水筒X1と接続する部品であって、第一水筒1又は第二水筒2と接続する第一接続部本体31又は第二接続部本体32と、第一接続部本体31と第二接続部本体32を接続するリング部33と、を有する。第一接続部本体31はリング部33の上下に連結されており、全体として円柱状あるいは筒状となるように形成される。
【0031】
第一接続部本体31は、リング部33の上面から突出し、第一突出部121の内径よりも外径が小さくなるように設けられる筒状の部材であって、これにより第一接続部122又は第二接続部222の内側に貫入することができるようにしてある。また、好ましくは貫入する方向に向けて先細り形状となるテーパが付けられていることによって取り付けやすくしてある。
さらに第一接続部本体31の外周面には、第一接続部122及び第二接続部222と対応するように突起部分あるいは溝部分が設けられており、第一接続部122あるいは第二接続部222と噛み合い、ネジのように接続できるようにしてある。
【0032】
第二接続部本体32は、前述した第一接続部本体31と略同一の構成・形状・大きさを有する部分であって、第一接続部本体31とリング部33を基準面として対称となるように突出して設けられている。
【0033】
リング部33は、その外径が第一水筒本体11及び第二水筒本体21の外径と等しくなるように構成される輪状の部分であって、その上端及び下端において第一接続部本体31及び第二接続部本体32が一体になって突出している。
また、リング部33の表面には、天地表示部331が設けられており、上下の小水筒X1の判別ができるようにしてある。
【0034】
以下、水筒Xの分解斜視図である図2を用いて、本発明の実施の方法について詳述する。本発明は、小水筒X1に液体を充填し、水筒Xから小水筒X1を分割して内部の液体を摂取した後に、小水筒X1を結合した状態に戻す使用者によって実施される。また、以下に示す実施の方法は一例であり、これに限られず順番は前後してもよい。
【0035】
使用者が第一貯留空間1Aに液体を封入する際には以下の操作をする。
使用者は、分割された第一水筒1から第一蓋13を取り外し、第一注ぎ口111から液体を充填し、その後、第一蓋13を取り付ける。なお、使用者は、第二水筒2に液体を充填する際も同様の操作を行う。
【0036】
使用者は、小水筒X1と接続部品3とを接続する際には、以下の操作を行う。
使用者は、第一水筒1の底部及び第二水筒2の底部を接続部品3の上面及び下面にそれぞれ当接させ、その状態から第一接続部本体31及び第二接続部本体32に回し入れることによって、接続部品3と第一水筒1及び第二水筒2を結合させる。
ここにおいて、各接続部に設けられるらせん状の突起又は溝の回転方向を第一水筒1と第二水筒2とで同一とする構成によって、使用者は両手で各水筒をそれぞれ持ち、ねじるように動作させるだけで簡単に水筒を接続することができるようになる。また、接続部品3と各小水筒X1の接続部が必ず対応することになるため、接続部品の上下を気にせずに水筒を接続することができる。
また、第一蓋13及び第二蓋23の上面がそれぞれ水平に設けられることによって、水筒Xは第一水筒1及び第二水筒2のどちらの面を下にしても立設させることができる。
【0037】
使用者は、接続部品3から小水筒X1を取り外して個別に使用する際には、以下の操作を行う。
使用者は、外部に露出するリング部33を把持した状態で、第一水筒1又は第二水筒2をひねり回すことによって、第一水筒1又は第二水筒2を片方ずつ取り外す。
【0038】
使用者は、第一水筒1または第二水筒2を接続部品3に個別に取り付ける際には、以下の操作を行う。
使用者は、外部に露出するリング部33又は接続部品3と既に接続されている小水筒X1を把持し、その状態で外れている小水筒X1を接続部品3の面に当接させ、ひねり回すことによって接続部品3に取り付ける。
【0039】
《第二の実施形態》
以下、図4及び図5を用いて、本発明の第二の実施形態に係る水筒の説明を行う。なお、第一の実施形態に記載と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。ここにおいて、図4(a)は水筒Xの斜視図を表し、図4(b)は接続部品3の斜視図を表している。また、図5には取り付けられた状態における水筒の断面図を表している。
【0040】
本実施形態における水筒Xは、第一水筒1と、第二水筒2と、接続部品3とによって構成されている。
ここにおいて、第一水筒1と、第二水筒2と、の構成は第一の実施形態と略同様であるが、第一接続部122と、第二接続部222と、はそれぞれ突出部の内周面に設けられるらせん状の突起部分あるいは溝の回転方向は、互いに逆向きになるように構成されている。
【0041】
接続部品3は、第一接続部122と接続する第一接続部本体31と、第二接続部222と接続する第二接続部本体32と、が直接接続されることによって円筒状の部材となるように形成されている。
【0042】
第一接続部本体31と第二接続部本体32の外周面には、それぞれらせん状の突起部分あるいは溝が設けられており、当該部分に第一接続部122又は第二接続部222が回転貫入され対応する部分が係合することによって、接続部品3と第一水筒1及び第二水筒2とが係合する。ここにおいて、第一接続部本体31及び第二接続部本体32が回転貫入される際の回転方向、すなわち、らせんの回転方向は図4(b)に示すように、それぞれ互いに逆向きになるように設けられている。
また、接続部品3は、第一水筒1と、第二水筒2とが取り付けられた状態において完全に被覆されて外部に露出しないように設けられている。このような構成によって、水筒Xの長さを短くしつつ容量を大きくとることができる。
好ましくは、第一接続部本体31と第二接続部本体32は、それぞれ取り付けられる第一水筒本体11、第二水筒本体21の側面に対応する色に着色し、それぞれに対応する取り付け個所が分かるようにすることが好ましい。
【0043】
以下、本実施形態における水筒の実施の方法について説明する。なお、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、その順番は前後してもよい。第一の実施形態において述べた使用方法については説明を省略する。
【0044】
使用者が接続部品3に分割された小水筒X1を取り付ける際には以下の操作を行う。
使用者は、接続部品3の一部を把持した状態で一方の小水筒を強く取り付ける。その後、一方の小水筒が回転しないように他方の小水筒を取り付けることによって、接続部品3の両端に小水筒を取り付ける。
【0045】
使用者が接続部品3に取り付けられた小水筒X1を分割する際には、小水筒X1の一方を持ちながら他方を回転させる。
ここで、一方の小水筒を接続部品3から取り外す方向に回転させると、他方の小水筒は接続部品3に取り付ける方向に回転するため、使用者は小水筒X1を片方ずつ取り外すことが容易になる。すなわち、回転の方向によって取り外す小水筒X1を容易に選択することができる。
【0046】
《第三の実施形態》
以下、図6及び図7を用いて、本発明の第二の実施形態に係る水筒について説明を行う。なお、第一の実施形態に記載と同様の構成については同じ符号を用いて説明を省略する。
ここにおいて、図6(a)は、本実施形態における水筒Xの斜視図を表し、図6(b)は、接続部品3の斜視図を表す。また。図7は取り付けられた状態における水筒Xの断面図を表している。
【0047】
本実施形態における水筒Xは、第一水筒1と、第二水筒2と、接続部品3とによって構成されている。
ここにおいて、第一水筒1と、第二水筒2と、は第一の実施形態と略同様であるが、第一水筒1は温かい液体を封入し、第二水筒2に冷たい液体を封入することを想定している。
【0048】
接続部品3は、第一水筒1と第二水筒2とを接続する柱状の部材であって、第一水筒1と接続する第一接続部本体31と、第二水筒2と接続する第二接続部本体32と、第一接続部本体31と第二接続部本体32を接続するリング部33と、を有する。
ここにおいて、接続部品3は、中空略円柱状の部材であるところ、第一接続部本体31の端部に開口部34が設けられ、第二接続部本体32の端部が閉鎖されていることによって、内部の接続貯留空間3Aに液体を溜めることができるようにしてある。
【0049】
また、開口部34は、小水筒X1を接続した状態における第一水筒1側に設ける。これによって使用者が第一水筒1を取り外したときに開口部34が露出し、第一水筒1内部の液体を接続部品3の中に注ぎ入れることができるようになる。
これに応じて、第一注ぎ口111に、内部からの液体の流出の方向や量を制限する制御部品を設けることが好ましく、これにより注ぎ入れの作業を容易かつ安全にする。この場合、第一接続部122と第一接続部本体31との取り付けにあたっての回転方向を第二接続部222と異なるようにして取り付け個所の関係を固定してもよい。
また、第一底部12において開口部34が当接する部分には、パッキン123が設けられることによって、接続貯留空間3Aにも液体を格納して持ち運ぶことができる。
さらに、天地表示部331には、開口部34が設けられている方向を明確に表示することが好ましい。
【0050】
また、本実施形態においては、2つの小水筒X1のうち少なくともいずれか一方に、内部の液体の温度を測定する温度測定部4が設けられている。
温度測定部4は、温度を測定する温度センサー41と、温度センサー41で測定された温度を表示する温度表示部42と、によって構成されている。
【0051】
温度センサー41は、本実施形態においては、第一蓋栓133又は/及び第二蓋栓233の底面に取り付けられる赤外温度センサーとして防水機能を有する態様で設けられ、好ましくは水筒本体に適式に取り付けられた際に小水筒X1内部の底部の温度を測定するように取り付けられている。また、第一蓋13の内部には、取り外し可能な電池、IC等の温度測定部4を制御する部品が設けられ、第一蓋13の外部あるいは温度表示部42には、使用者の操作によって上述の部品を制御できるスイッチが設けられていることが好ましい。
【0052】
温度表示部42は、温度センサー41において検知した温度を表示する部分であって、本実施形態において第一蓋13又は/及び第二蓋23の上面に設けられており、好ましくは蓋の上面に埋め込まれることによって上面と水平あるいは上面から凹むように設けられている。
これにより、小水筒X1の表示部を有する面を底面にしたときにも立設することができる。また、各小水筒内部に入っている液体の温度を把握することができるようになり、使用にあたっての利便性がさらに高まる。
なお、温度測定部4の態様は上記に限られず、第一貯留空間1Aの温度を外部に表示できる態様であればどのようにしてもよい。例えば、液式温度計を第一貯留空間1Aに設け、外部から測定結果を視認できる構成等としてもよい。
【0053】
以下、本実施形態における水筒Xの実施の方法について説明する。なお、以下に示す実施の方法は一例であり、実施の方法はこれに限られず、順番は前後してもよい。また第一の実施形態において既に述べた使用の方法については説明を省略する。
【0054】
使用者が第一水筒1内部の液体を摂取するときには、第一水筒1を接続部品3に対して回転させることによって取り外し、接続部品3の開口部34を露出させる。その後、第一水筒本体11から第一蓋13を取り外し、第一貯留空間1A内部の液体を開口部34に注ぎ入れる。
これにより、使用者は接続部品3をコップのようにして液体を摂取することができるようになるため、熱い液体を摂取する場合であってもやけどしにくくなる。この際使用者は、接続部品3を第二水筒2からも取り外すことによって接続部品3の取り回しをよりよくすることができる。
【0055】
使用者が小水筒X1内部の温度を知りたい場合には以下の操作を行う。使用者は、温度測定部4のスイッチを入れることで、本体内部に封入される液体の温度を測定する。
また、使用者は蓋栓に設けられる温度センサー41を自らの身体に向けて温度測定部4のスイッチを押すことによって自身の体温を測ることもできるため、水筒Xを準備するときに健康状態を管理できるようになる。
【符号の説明】
【0056】
X 水筒
X1 小水筒
1 第一水筒
11 第一水筒本体
111 第一注ぎ口
12 第一底部
121 第一突出部
122 第一接続部
123 パッキン
13 第一蓋
131 第一蓋本体
132 第一蓋接続部
133 第一蓋栓
1A 第一貯留空間
2 第二水筒
21 第二水筒本体
211 第二注ぎ口
22 第二底部
221 第二突出部
222 第二接続部
23 第二蓋
2A 第二貯留空間
3 接続部品
31 第一接続部本体
32 第二接続部本体
33 リング部
331 天地表示部
34 開口部
3A 接続貯留空間
4 温度測定部
41 温度センサー
42 温度表示部

【要約】
【課題】2つの小水筒が結合してなる水筒を、小水筒が結合した状態においても、分割した状態においても取り扱いに優れる水筒の提供を目的とする。
【解決手段】上記課題を解決する本願発明は、複数の小水筒X1(第一水筒1,第二水筒2)と、第一水筒1及び第二水筒2と接続する接続部品3を備える水筒Xであって、小水筒X1のうち少なくとも一つは、接続部品3の一部が貫入する第一底部12、あるいは第二底部22を有する水筒である。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7