(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
B60N 2/68 20060101AFI20221005BHJP
B60N 2/56 20060101ALI20221005BHJP
B60N 2/90 20180101ALI20221005BHJP
A47C 7/02 20060101ALI20221005BHJP
A47C 7/74 20060101ALI20221005BHJP
A47C 7/62 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B60N2/68
B60N2/56
B60N2/90
A47C7/02 A
A47C7/74 C
A47C7/62 Z
(21)【出願番号】P 2019520213
(86)(22)【出願日】2018-05-18
(86)【国際出願番号】 JP2018019279
(87)【国際公開番号】W WO2018216610
(87)【国際公開日】2018-11-29
【審査請求日】2021-05-11
(31)【優先権主張番号】P 2017101871
(32)【優先日】2017-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088580
【氏名又は名称】秋山 敦
(74)【代理人】
【識別番号】100195453
【氏名又は名称】福士 智恵子
(74)【代理人】
【識別番号】100205501
【氏名又は名称】角渕 由英
(72)【発明者】
【氏名】菊地 健太
(72)【発明者】
【氏名】卜部 洋平
【審査官】望月 寛
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/156218(WO,A1)
【文献】特開2006-102329(JP,A)
【文献】特開2013-177027(JP,A)
【文献】国際公開第2017/002764(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0088064(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/68
B60N 2/56
B60N 2/90
A47C 7/02
A47C 7/74
A47C 7/62
B60H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートクッションと、
該シートクッションに設けられた送風機と、を備える乗物用シートであって、
前記シートクッションは、板状のパンフレームを備え、
前記送風機は、前記パンフレームの下方に設けられており、
前記送風機には、ダクトが接続されており、
前記パンフレームには、
前記パンフレームの厚み方向に前記ダクトが通された開口部が形成されて
おり、
前記ダクトは、前記パンフレームの厚み方向に連続して形成された凹部と凸部とから成る蛇腹形状を有し、
前記蛇腹形状の前記凹部が、前記パンフレームの厚み方向において前記パンフレームの前記開口部と重なる位置に配置され、
前記パンフレームの前記開口部の縁が、前記蛇腹形状の前記凹部に入り込むように設けられていることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
シートクッションと、
該シートクッションに設けられた送風機と、を備える乗物用シートであって、
前記シートクッションは、板状のパンフレーム
と、クッション材と、を備え、
前記送風機は、前記パンフレームの下方に設けられており、
前記送風機には、ダクトが接続されており、
前記パンフレームには、
前記パンフレームの厚み方向に前記ダクトが通された開口部が形成されて
おり、
前記ダクトは、前記パンフレームの厚み方向に連続して形成された凹部と凸部とから成る蛇腹形状を有し、
前記ダクトの吹き出し側の端部には、前記ダクトの吹き出し側の端部と、前記クッション材に形成された孔とを連通させる連結部材が取り付けられており、
前記蛇腹形状の前記凸部の内面側において窪んだ部分には、前記連結部材の下端部が係合している
ことを特徴とする乗物用シート。
【請求項3】
前記シートクッション内に前記送風機を配設するためのブラケットを更に備え、
該ブラケットは、前記パンフレームに取り付けられた状態において、前記パンフレームから離れた位置に形成された本体部と、前記パンフレームに取り付けられる取付部と、を備え、
前記送風機は、前記ブラケットの前記本体部に取り付けられていることを特徴とする請求項1
又は2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記ブラケットには、前記ダクトが通された開口部が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記送風機には、ハーネスが接続されており、
該ハーネスには、クリップが取り付けられており、
前記ブラケットには、前記クリップを固定するための固定部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗物用シートに係り、特に、送風機を備える乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
車両用シート等を含む乗物用シートのシートクッションは、板状のパンフレームを有するものもある。
例えば、特許文献1には、車両用シートを構成するシートクッションに設けられたパンフレームに係る発明であって、強度を高めるためビードをパンフレームに形成したことを特徴とする発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、高級車向けの車両用シートには、着座者に快適さを付与するため、着座者に向けて風を送るブロア等の送風機を内部に備えるものがある。
しかしながら、特許文献1に開示されたパンフレームを備えるシートクッションには、着座者に向けて送風するため、パンフレーム上に送風機を配設する必要があった。このため、送風機を配設する領域を確保するためにシートクッションの高さを高くする必要があった。
また、このように送風機をパンフレームよりも着座者側に配設した場合には、送風機の動作に伴う振動が着座者に伝わりやすく、その振動により着座者に不快感を与えることがあった。
【0005】
また、送風機に電力を供給するためのハーネスをシートクッションに取り付ける作業に手間がかかることで、送風機及びハーネスの組付工数がかかることが問題となっていた。
【0006】
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、送風機に接続されたダクトをコンパクトに配置することができ、パンフレームタイプのシートクッションに送風機を備える乗物用シートを提供することにある。
また、本発明の他の目的は、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制することにある。
また、本発明の他の目的は、ブラケットにハーネスを容易に固定することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、シートクッションと、該シートクッションに設けられた送風機と、を備える乗物用シートであって、前記シートクッションは、板状のパンフレームを備え、前記送風機は、前記パンフレームの下方に設けられており、前記送風機には、ダクトが接続されており、前記パンフレームには、前記パンフレームの厚み方向に前記ダクトが通された開口部が形成されており、前記ダクトは、前記パンフレームの厚み方向に連続して形成された凹部と凸部とから成る蛇腹形状を有し、前記蛇腹形状の前記凹部が、前記パンフレームの厚み方向において前記パンフレームの前記開口部と重なる位置に配置され、前記パンフレームの前記開口部の縁が、前記蛇腹形状の前記凹部に入り込むように設けられていることにより解決される。
上記構成においては、乗物用シートが備えるパンフレームに、ダクトが通された開口部が形成されている。このため、送風機に接続されたダクトをコンパクトに配置することができ、パンフレームタイプのシートクッションに送風機を備える乗物用シートを提供することが可能となる。
また上記構成によれば、蛇腹形状を有するダクトの凹部がパンフレームの開口部と重なる位置にあることで、ダクトがパンフレームから外れることを抑制できる。
【0008】
また前記課題は、本発明の乗物用シートによれば、シートクッションと、該シートクッションに設けられた送風機と、を備える乗物用シートであって、前記シートクッションは、板状のパンフレームと、クッション材と、を備え、前記送風機は、前記パンフレームの下方に設けられており、前記送風機には、ダクトが接続されており、前記パンフレームには、前記パンフレームの厚み方向に前記ダクトが通された開口部が形成されており、前記ダクトは、前記パンフレームの厚み方向に連続して形成された凹部と凸部とから成る蛇腹形状を有し、前記ダクトの吹き出し側の端部には、前記ダクトの吹き出し側の端部と、前記クッション材に形成された孔とを連通させる連結部材が取り付けられており、前記蛇腹形状の前記凸部の内面側において窪んだ部分には、前記連結部材の下端部が係合していることにより解決される。
【0009】
また、前記シートクッション内に前記送風機を配設するためのブラケットを更に備え、該ブラケットは、前記パンフレームに取り付けられた状態において、前記パンフレームから離れた位置に形成された本体部と、前記パンフレームに取り付けられる取付部と、を備え、前記送風機は、前記ブラケットの前記本体部に取り付けられていると好ましい。
上記構成によれば、送風機が、ブラケットの本体部に取り付けられて、ブラケットを介してパンフレームに取り付けられていることで、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制できる。
【0010】
また、前記ブラケットには、前記ダクトが通された開口部が形成されていると好ましい。
上記構成によれば、ダクトが通された開口部がブラケットに形成されていることで、ブラケットによってダクトの配置が制限されることを抑制できる。
【0011】
また、前記送風機には、ハーネスが接続されており、該ハーネスには、クリップが取り付けられており、前記ブラケットには、前記クリップを固定するための固定部が設けられていると好ましい。
上記構成によれば、ハーネスのクリップを固定するための固定部がブラケットに設けられていることで、容易、かつ安定的にハーネスをブラケットに固定することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、送風機に接続されたダクトをコンパクトに配置することができ、パンフレームタイプのシートクッションに送風機を備える乗物用シートを提供することが可能となる。
また、本発明によれば、ダクトがパンフレームから外れることを抑制できる。
また、本発明によれば、送風機の振動が着座者に伝わることを抑制できる。
また、本発明によれば、ブラケットによってダクトの配置が制限されることを抑制できる。
また、本発明によれば、容易、かつ安定的にハーネスをブラケットに固定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係る車両用シートの斜視図である。
【
図2A】車両用シートの骨格を成すフレームの斜視図である。
【
図2B】シートクッションの骨格をなすフレームの斜視図である。
【
図3】
図1のIII-III断面を示す、シートクッション内におけるブロア、ブラケット及びダクトの配置を示す断面図である。
【
図4】ブラケットにブロア及びダクトを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図5】ブラケットにダクトを取り付けた状態を示す斜視図である。
【
図7】ブロア及びブラケットにハーネスを取り付けた状態を示す平面図である。
【
図8】第1変形例に係る車両用シートのシートクッションフレームの斜視図である。
【
図9】第1変形例に係る車両用シートのシートクッションフレームの平面図である。
【
図10】第2変形例に係る車両用シートのシートクッションフレームの平面図である。
【
図11】第3変形例に係る車両用シートのシートクッションフレームの平面図である。
【
図12】第4変形例に係る車両用シートのシートバックフレームの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態(本実施形態)に係る車両用シートSについて図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、以下に説明する部材の形状、寸法、配置等については、本発明の趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることは勿論である。
【0015】
また、以下では、車両用シートSを例に挙げて説明することとするが、車両用シートSは本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明に係るブロア48を備えるシートは、車両以外の乗り物にも適用可能であり、例えば、船舶や航空機、シート付きの機械等にも適用可能である。
また、以下において、前後、左右、上下の各方向は、車両用シートSの着座者から見た各方向と一致することとする。
【0016】
<全体構成について>
まず、本発明の乗物用シートである本実施形態に係る車両用シートSの全体構成について、
図1を主に参照して概説する。
図1は、本実施形態に係る車両用シートSの斜視図である。
【0017】
車両用シートSは、シートバックS1と、シートバックS1に連結されたシートクッションS2と、から主に構成されている。また、車両用シートSは、骨格部分を成すフレームFの上にクッション材S1z,S2zを載置した上で、表皮材S1x,S2xにより被覆することにより構成されている。
【0018】
シートバックS1は、骨格部分を成す後述のシートバックフレーム1を有する。
シートクッションS2は、着座者の臀部を支持する座部を構成し、骨格部分を成すシートクッションフレーム2を有する。シートクッションS2の表皮材S2xには、左右4つずつの通気孔S2yが形成されている。シートクッションS2の内部に後述するブロア48が配設されており、このブロア48から生じる風は、通気孔S2yを通って、着座者の大腿部近傍に送り出される。
【0019】
<フレームについて>
次に、車両用シートSの骨格を成すフレームFについて
図2A及び
図2Bを参照して説明する。
図2Aは、フレームFの斜視図、
図2Bは、フレームF中、シートクッションS2を構成する部分を示す斜視図である。
フレームFは、
図2Aに示すように、シートバックフレーム1と、シートクッションフレーム2と、から主に構成されている。
【0020】
シートクッションフレーム2は、
図2Aに示すように、車体フロアに対して固定されたスライドレール3上に取り付けられており、スライドレール3によって前後に移動可能である。
また、シートクッションフレーム2は、
図2Bに示すように、中央よりも後側に配設された後側連結部40と、中央よりも前側に配設された前側連結部41と、シート幅方向中央側に配設されたパンフレーム42と、から構成されている。
【0021】
後側連結部40は、直線的に形成されており、シートクッションフレーム2の後端部で左右に延在している。
前側連結部41は、直線的に形成されており、シートクッションフレーム2の前端部で左右に延在している。
パンフレーム42は、板状に形成されており、略水平向きに後側連結部40と前側連結部41とに架け渡された状態で溶接によりそれぞれに接合されている。パンフレーム42には、後述するダクト49の吹き出し側の端部が通される開口部42aが形成されている。
【0022】
<ブロア及びブロアの周辺部材について>
次に、
図1、
図2A及び
図2Bに加え、
図3~
図7を参照してブロア48及びブロア48の周辺部材について説明する。
図3は、
図1のIII-III断面を示す、シートクッションS2内におけるブロア48、ブラケット50及びダクト49の配置を示す断面図、
図4は、ブラケット50にブロア48及びダクト49を取り付けた状態を示す斜視図、
図5は、ブラケット50にダクト49を取り付けた状態を示す斜視図である。また、
図6は、ブラケット50を示す斜視図、
図7は、ブロア48及びブラケット50にハーネス51を取り付けた状態を示す平面図である。
【0023】
(ブロアについて)
シートクッションS2の内部には、着座者の臀部に送る風を生じさせるための送風機としてのブロア48が設けられている。ブロア48は、本発明に係る送風機に相当し、パンフレーム42の下方に設けられている。
ブロア48は、
図4に示すように、中央にあるブロア本体48aと、後方に突出する吸気部48aaと、中央下側に設けられた図示せぬ吹出部と、から主に構成されている。
【0024】
ブロア本体48aの周面のうち、所定の距離を空けた3箇所には、ブロア本体48aの径方向外側に突出する突出片48bが形成されている。ブロア48は、突出片48bが後述するブラケット50の取付用突起50h上に重ね合わせられるようにして、ブラケット50上に配置される。そして、突出片48bの上下方向に形成された図示せぬ貫通孔をタッピング53が通り、取付用突起50hにタッピング53がねじ込まれることによって、ブロア48とブラケット50とが固定されることとなる。
また、ブロア48の下側にある図示せぬ吹出口には、後述するダクト49が接続されており、ブロア48から生じた風が、ダクト49、クッション材S2z及び通気孔S2yを介して着座者の大腿部に流れるように形成されている。
【0025】
(ブラケットについて)
シートクッションS2内において、ブロア48を配設するためのブラケット50が、パンフレーム42に取り付けられている。
ブラケット50は、
図6に示すように、パンフレーム42から下方に離れた位置に形成された平板状の本体部50aと、パンフレーム42に取り付けられる取付部としての取付脚50b,50cと、ハーネス51を固定するための固定脚50eと、を主に備える。
【0026】
本体部50aの中央部には、後述するダクト49が通される、厚さ方向に貫通する開口部50gが形成されている。このため、ブラケット50の開口部50gを通ってダクト49が配設されるため、ダクト49の配置がブラケット50によって制限されることがない。
また、本体部50aの上面側には、上方に突出する3本の取付用突起50hが形成されている。取付用突起50hは、ブロア48に形成された図示せぬ取付用の孔に一部を通してブロア48を支持するため、及びタッピング53を受け入れてブロア48とブラケット50とを螺合するためのものである。取付用突起50hは、その周面にリブが形成されており、円筒状を成している。
【0027】
このように、ブロア48は、パンフレーム42に直接固定されておらず、ブラケット50の本体部50aに設けられた取付用突起50hに、タッピング53によって取り付けられている。つまり、ブロア48が、ブラケット50を介してパンフレーム42に取り付けられていることで、ブロア48の駆動によって生じる振動が着座者に伝わることを抑制できる。
【0028】
取付脚50b,50cは、ブラケット50のうち、パンフレーム42に取り付けられる部位であり、本体部50aの外縁から連続し、上方に延在している。
固定脚50eは、
図7に示すように、上下方向に貫通する固定孔50fを有する。この固定孔50fは、ブロア48に接続されたハーネス51を固定する固定部として機能するものである。具体的には、ハーネス51にはクリップ51aが取り付けられており、このクリップ51aが固定孔50fに挿し込まれることにより、ハーネス51が固定脚50eに固定支持されることとなる。このように、ハーネス51のクリップ51aを固定するための固定孔50fがブラケット50に設けられていることで、ハーネス51がブラケット50に容易、かつ安定的に固定されることとなる。
【0029】
(ダクトについて)
ダクト49は、ブロア48によって生成される風を、パンフレーム42の上方にガイドする機能を有し、略J字状に形成された筒状の部材である。
ダクト49は、風を導入する側の端部に設けられたフランジ49cと、風を吹出する側の端部に設けられた蛇腹部49aと、を備える。
【0030】
フランジ49cは、ブロア48の下側にある吐出口とブラケット50の本体部50aの上面との間に挟持される部位である。フランジ49cは、
図5及び
図6から分かるように、ブラケット50の開口部50gの縁に当接した状態で、図示せぬタッピングによってブラケット50に固定される。
【0031】
蛇腹部49aは、略同じ厚みで形成された、外方に突出する凸部49aaと、凸部49aaにパンフレーム42に垂直な方向な一方向に連続して形成されて内方に窪んだ凹部49abと、から成る蛇腹形状を有するように構成されている。
蛇腹部49aのうち、外面側に凸部49aaが形成された内面側の部位、つまり、内面側において窪んだ部位には、連結部材52の末広がりに形成された環状の下端部が係合している。
また、ダクト49は、凹部49abがパンフレーム42の厚み方向においてパンフレーム42の開口部42aと重なる位置となるように配設されている。このようにダクト49が配設されていることで、開口部42aの縁がダクト49の凹部49ab側に入り込むこととなり、ダクト49がパンフレーム42から外れることを抑制できる。
【0032】
連結部材52は、クッション材S2zとダクト49とを連結する部材であり、通気孔S2yに繋がるクッション材S2zに形成された孔と、ダクト49の吹出側の端部とを連通させる機能を有する。上記のように、パンフレーム42には開口部42aが形成されており、ダクト49の吹き出し側の端部に取り付けられた連結部材52が、開口部42aを通って上方に突出して配置されている。
【0033】
このように、パンフレーム42に開口部42aが形成されていることにより、ブラケット50から生じた風をパンフレーム42の上方にダクト49を介して送ることができ、かつ、ダクト49をパンフレーム42に阻害されずにコンパクトに配置することができる。さらには、パンフレーム42を備えるシートクッションS2に、ブロア48をコンパクトに取り付けることが可能となる。
【0034】
なお、上記実施形態に係るパンフレーム42は、シートクッションフレーム2の全体を覆わず、前後に亘って配設されるものとして説明し、
図2Bに示すように、パンフレーム42の左右の一部に上下方向に貫通する空間を有するものであった。しかしながら、本発明は、このような構成に限定されず、パンフレームがシートクッションフレームの左右に亘って配設されるものであってよく、シートクッションフレームの水平方向の全面に亘って形成されていてもよい。
【0035】
<変形例に係るシートクッションフレーム>
上記の実施形態では、スライドレール3を介して車体フロアに固定されているシートクッションフレーム2を例に挙げて説明した。ただし、これに限定されるものではなく、スライドレール3とは異なる機構によって車体フロアに固定されているシートクッションフレームも考えられる。具体的に説明すると、
図8及び
図9に図示のシートクッションフレーム102であってもよい。
図8は、変形例に係るシートクッションフレーム102の斜視図であり、
図9は、変形例に係るシートクッションフレーム102を下方から見た図である。
【0036】
(第1変形例)
以下、
図8及び
図9を参照しながら、第1変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
第1変形例に係るシートクッションフレーム102は、
図8及び
図9に示すように、中央よりも後側に配設された後側連結部140と、中央よりも前側に配設された前側連結部141と、後側連結部140と前側連結部141との間に架け渡されたパンフレーム142と、を有する。後側連結部140に取り付けられているパンフレーム142の後端部は、
図9に示すように、前側連結部141に取り付けられているパンフレーム142の前端部よりも下方に位置している。
【0037】
また、シートクッションフレーム102の両側部の間には、
図8及び
図9に示すように、パイプ材を略U字状に屈曲させることで形成されたフット部143が設けられている。フット部143は、シートクッションフレーム102の両側部に対して回動自在に支持されている。フット部143は、車体フロアに対して近接した近接位置と、車体フロアから離間した離間位置との間を回動する。
【0038】
そして、フット部143が近接位置にあるとき、車体フロアに取り付けられた不図示のロック機構にフット部143の下端部がロックされることでシートクッションフレーム102が車体に対して固定される。上記のロック機構によるロックが解除されると、フット部143が近接位置から離間位置まで回動して、シートクッションフレーム102が車体フロアに対して移動可能な状態となる。
【0039】
パンフレーム142には、ダクト49の吹き出し側の端部が通される開口部142aが形成されている。そして、開口部142aに対して、左右の両側には、前後に延出する第1補強部144が形成されている。例えば第1補強部144は、パンフレーム142に形成されたビードである。
このように、開口部142aの両側に第1補強部144を設けることで、開口部142aの周囲の剛性低下を抑制できる。
また、第1補強部144を設けることで、開口部142aを大きくすることが可能であるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
【0040】
また、
図8及び
図9では特に図示していないが、第1変形例に係るシートクッションフレーム102においても、パンフレーム142の下方にブロア48が設置される。そして、ブロア48から延出するダクト49と、ダクト49に接続する連結部材52が開口部142aを通じて、パンフレーム142の上方に通される。こうして、ダクト49を通じて送られてくるブロア48からの風がパンフレーム142の開口部142aを通じて、シートクッションS2の通気孔S2yから排気される。
また、上記の例では、シートクッションS2の通気孔S2yから送風する例について説明したが、シートクッションS2の通気孔S2yからブロア48に向けて吸気するようにしてもよい。
【0041】
(第2変形例)
次に、
図10を参照しながら、第2変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
図10は、第2変形例に係るシートクッションフレーム102は、第1変形例に係るシートクッションフレーム102に対して、パンフレーム142に第2補強部145を更に設けた点で相違する。以下では、第1変形例からの相違点について説明する。
【0042】
図10に示されるように、第2変形例に係るパンフレーム142では、ブロア48から延出するダクト49及び連結部材52を通す開口部142aの周囲には、前後に延出する第1補強部144と、左右に延出する第2補強部145が形成される。
【0043】
第2補強部145は、パンフレーム142に形成されるビードとしてもよいし、パンフレーム142に取り付けられるワイヤー部材又はプレート部材としてもよい。
第2補強部145を金属製のワイヤー部材により形成する場合には、パンフレーム142が金属製であるときには、例えばパンフレーム142に金属製のワイヤー部材又はプレート部材を溶接することで、第1補強部144を形成してよい。また、パンフレーム142が樹脂製であるときには、例えばパンフレーム142に金属製のワイヤー部材又はプレート部材を埋設することで、第1補強部144を形成することとしてよい。
このように、連結部材52を通す開口部142aを、第1補強部144及び第2補強部145により取り囲むことにより、開口部142aの周囲の剛性低下をより一層抑制することができる。
また、第1補強部144及び第2補強部145を設けることで、開口部142aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
【0044】
また、ブロア48から延出するダクト49は、パンフレーム142の上方においては、第2補強部145に沿って左右方向に延出するように設ける。こうすることで、ダクト49と第2補強部145との干渉を抑制し、ダクト49を取り付けしやすくなる。
【0045】
(第3変形例)
次に、
図11を参照しながら、第3変形例に係る車両用シートSのシートクッションフレーム102の構造について説明する。
第3変形例に係るシートクッションフレーム102では、第1変形例に係るシートクッションフレーム102に対して、パンフレーム142の構成において相違する。以下、相違点について説明する。
【0046】
図11に示されるように、第3変形例に係るパンフレーム142に対しては、開口部142aが1つだけ形成されている。そして、開口部142aには、ブロア48から延出するダクト49と、ダクト49に接続する連結部材52が通される。
そして、開口部142aの左右の両側には、第3補強部146が形成される。第3補強部146は、第1直線部146a、湾曲部146b及び第2直線部146cからなる。
第3補強部146は、ビードとして形成されてもよいし、ワイヤー部材又はプレート部材により形成されてもよい。
【0047】
第1直線部146aは、開口部142aの前方に形成される直線状の補強部である。第1直線部146aは、前後に延出し、シート幅方向において開口部142aと少なくとも一部が重なる位置に形成される。
湾曲部146bは、第1直線部146aの後端に接続し、開口部142aに沿って湾曲した補強部である。
第2直線部146cは、湾曲部146bの後端に接続し、開口部142aの後方に形成される直線状の補強部である。第2直線部146cは、前後に延出し、シート幅方向において開口部142aと少なくとも一部が重なる位置に形成される。
【0048】
第3変形例に係るシートクッションフレーム102では、第3補強部146を開口部142aに近接して形成することができる。これにより、開口部142aの周辺の剛性低下を抑制することができる。
また、第3補強部146を設けることで、開口部142aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
【0049】
(第4変形例)
次に、
図12を参照しながら、第4変形例に係る車両用シートSのシートバックフレーム1の構造について説明する。
図12に示されるように、第4変形例に係るシートバックフレーム1においては、シートバックフレーム1にパンフレーム242を架設して、パンフレーム242に形成された開口部242aからブロア48から延出するダクト49と、ダクト49に接続する連結部材52を、パンフレーム242の前方側に通すようにしている。
具体的には、シートバックフレーム1は、上部フレーム1Aと、上部フレーム1Aの左右の端部に取り付けられたサイドフレーム1Bとを備える。
そして、パンフレーム242は、上部フレーム1Aの左右に架け渡されるように、上部フレーム1Aに対して取り付けられる。例えば、パンフレーム242は、上部フレーム1Aに対して溶接により取り付けられてもよいし、ボルト等の機械接合により取り付けられてもよい。
【0050】
パンフレーム242には、複数の開口部242aが形成される。開口部242aは、パンフレーム242の上下方向中央において、左右方向に並ぶように形成される。
そして、開口部242aの上下にはそれぞれ、左右方向に延出する第4補強部244が形成される。第4補強部244は、例えばビードとして形成されてもよいし、ワイヤー部材又はプレート部材により形成されてもよい。
【0051】
そして、開口部242aには、ブロア48から延出するダクト49と、ダクト49に接続する連結部材52が通されて、パンフレーム242の前方に通される。この連結部材52は、シートバックS1のクッション材S1zに連結している。
こうして、ダクト49を通じて送られてくるブロア48からの風がパンフレーム242の開口部242aを通じて、シートバックS1の通気孔S1yから排気される。
また、上記の例では、シートバックS1の通気孔S1yから送風する例について説明したが、シートバックS1の通気孔S1yからブロア48に向けて吸気するようにしてもよい。
【0052】
このように、パンフレーム242をシートバックS1に形成された通気孔S1yの位置に合わせて、シートバックフレーム1に対して取り付けることで、ブロア48から延出するダクト49を配置しやすくなる。
また、連結部材52を通す開口部242aの周辺に第4補強部244を形成したことにより、開口部242aの周辺の剛性低下を抑制することができる。
このように、第4補強部244を設けることで、開口部242aを大きくすることができるため、ブロア48からの風量を十分に確保できる。
【符号の説明】
【0053】
S 車両用シート(乗物用シート)
S1 シートバック
S1x 表皮材
S1y 通気孔
S1z クッション材
S2 シートクッション
S2x 表皮材
S2y 通気孔
S2z クッション材
F シートフレーム
1 シートバックフレーム
1A 上部フレーム
1B サイドフレーム
2 シートクッションフレーム
3 スライドレール
40 後側連結部
41 前側連結部
42 パンフレーム
42a 開口部
48 ブロア(送風機)
48a ブロア本体
48aa 吸気部
48b 突出片
49 ダクト
49a 蛇腹部
49aa 凸部
49ab 凹部
49c フランジ
50 ブラケット
50a 本体部
50b,50c 取付脚(取付部)
50d 固定孔
50e 固定脚
50f 固定孔(固定部)
50g 開口部
50h 取付用突起
51 ハーネス
51a クリップ
52 連結部材
53 タッピング
102 シートクッションフレーム
140 後側連結部
141 前側連結部
142 パンフレーム
142a 開口部
143 フット部
144 第1補強部
145 第2補強部
146 第3補強部
146a 第1直線部
146b 湾曲部
146c 第2直線部
150 ブラケット
242 パンフレーム
242a 開口部
244 第4補強部