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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】管理システム、エッジ装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20221005BHJP
   G06Q 50/06 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
H02J13/00 301A
G06Q50/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021187284
(22)【出願日】2021-11-17
(65)【公開番号】P2022087818
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2021-11-17
(31)【優先権主張番号】P 2020199576
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】中塚 剛
(72)【発明者】
【氏名】野原 健太
【審査官】田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-093098(JP,A)
【文献】特開2018-165859(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047721(WO,A1)
【文献】特開2016-184823(JP,A)
【文献】特開2003-084018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
G06Q 50/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジ装置とサーバ装置とを有し、消費電力を管理する管理システムであって、
前記エッジ装置は、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに記憶する第1記憶部と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に記憶する第2記憶部と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合、前記対象区間が開始されてから所定時間ごとに前記第1記憶部に記憶された複数の前記第1電力情報全てを送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する第1制御部と
を有する管理システム。
【請求項2】
前記サーバ装置は、
前記第1電力情報を表示するための表示指示があった場合に、前記要求を送信する第2制御部を有する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項3】
前記第2制御部が送信する前記要求には、前記第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報が含まれる、請求項2に記載の管理システム。
【請求項4】
前記第2制御部は、
前記対象区間の前記第1電力情報を表示する第1表示画面と、過去一定期間の前記第2電力情報を表示する第2表示画面とを提供する、請求項2に記載の管理システム。
【請求項5】
前記第1記憶部は、
前記対象区間が終了するごとに前記第1電力情報を削除する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項6】
前記サーバ装置からの要求を受信して以降は、所定時間ごとに新たに記憶される前記第1電力情報が所定数に到達するごとに、前記第1記憶部に記憶されている複数の前記第1電力情報全てを前記サーバ装置に送信する、請求項に記載の管理システム。
【請求項7】
前記第1制御部は、
前記対象区間の終了時に、前記第2電力情報を送信する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項8】
前記サーバ装置は、
前記所定数の第1電力情報が前記第1記憶部に新たに記憶されるごとに前記第1制御部より送信される複数前記第1電力情報全てを、上書きして記憶する第3記憶部を更に有する、請求項6に記載の管理システム。
【請求項9】
前記第1制御部が前記第2電力情報を送信できなかった場合、前記第2記憶部は、前記第2電力情報を所定期間記憶し、前記第2電力情報の送信が完了した場合、前記第2記憶部は、前記第2電力情報を削除する、請求項1に記載の管理システム。
【請求項10】
消費電力を管理する管理システムにおいてサーバ装置と通信可能に接続されるエッジ装置であって、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに記憶する第1記憶部と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に記憶する第2記憶部と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合、前記対象区間が開始されてから所定時間ごとに前記第1記憶部に記憶された複数の前記第1電力情報全てを送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する制御部と
を有するエッジ装置。
【請求項11】
エッジ装置とサーバ装置とを有し、消費電力を管理する管理システムにおける管理方法であって、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに第1記憶部に記憶する第1記憶工程と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に第2記憶部に記憶する第2記憶工程と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合、前記対象区間が開始されてから所定時間ごとに前記第1記憶部に記憶された複数の前記第1電力情報全てを送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する制御工程と
を有する管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理システム、エッジ装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、デマンド制御システム等の、消費電力を管理する管理システムにおいては、エッジ装置とサーバ装置との間で消費電力を示す情報が送受信され、消費電力の変動状況をユーザが閲覧できるように構成されている。具体的には、当該管理システムにおいては、例えば、10秒程度の短い間隔での消費電力の変動状況から、30分程度の比較的長い間隔での消費電力の変動状況まで、ユーザのニーズに応じた情報をユーザが閲覧できるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2015/128907号
【文献】特開2010-71505号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような管理システムの場合、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量が増大するため、通信コストがかかる。
【0005】
本開示は、消費電力を管理する管理システムにおいて、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様における管理システムは、
エッジ装置とサーバ装置とを有し、消費電力を管理する管理システムであって、
前記エッジ装置は、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに記憶する第1記憶部と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に記憶する第2記憶部と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合に前記第1電力情報を送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する第1制御部とを有する。
【0007】
本開示の第1の態様によれば、第1電力情報の送信頻度を下げることが可能となり、消費電力を管理する管理システムにおいて、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【0008】
また、本開示の第2の態様は、第1の態様に記載の管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記第1電力情報を表示するための表示指示があった場合に、前記要求を送信する第2制御部を有する。
【0009】
また、本開示の第3の態様は、第2の態様に記載の管理システムであって、
前記第2制御部が送信する前記要求には、前記第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報が含まれる。
【0010】
また、本開示の第4の態様は、第2の態様に記載の管理システムであって、
前記第2制御部は、
前記対象区間の前記第1電力情報を表示する第1表示画面と、過去一定期間の前記第2電力情報を表示する第2表示画面とを提供する。
【0011】
また、本開示の第5の態様は、第1の態様に記載の管理システムであって、
前記第1記憶部は、
前記対象区間が終了するごとに前記第1電力情報を削除する。
【0012】
また、本開示の第6の態様は、第5の態様に記載の管理システムであって、
前記第1制御部は、
前記要求を受信した場合、前記第1記憶部に記憶されている全ての第1電力情報を前記サーバ装置に送信し、
前記要求を受信して以降は、所定数の第1電力情報が新たに記憶されるごとに、前記第1記憶部に記憶されている全ての第1電力情報を前記サーバ装置に送信する。
【0013】
また、本開示の第7の態様は、第1の態様に記載の管理システムであって、
前記第1制御部は、
前記対象区間の終了時に、前記第2電力情報を送信する。
【0014】
また、本開示の第8の態様は、第6の態様に記載の管理システムであって、
前記サーバ装置は、
前記所定数の第1電力情報が前記第1記憶部に新たに記憶されるごとに前記第1制御部より送信される前記全ての第1電力情報を、上書きして記憶する第3記憶部を更に有する。
【0015】
また、本開示の第9の態様は、第1の態様に記載の管理システムであって、
前記第1制御部が前記第2電力情報を送信できなかった場合、前記第2記憶部は、前記第2電力情報を所定期間記憶し、前記第2電力情報の送信が完了した場合、前記第2記憶部は、前記第2電力情報を削除する。
【0016】
また、本開示の第10の態様におけるエッジ装置は、
消費電力を管理する管理システムにおいてサーバ装置と通信可能に接続されるエッジ装置であって、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに記憶する第1記憶部と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に記憶する第2記憶部と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合に前記第1電力情報を送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する制御部とを有する。
【0017】
本開示の第10の態様によれば、第1電力情報の送信頻度を下げることが可能となり、消費電力を管理する管理システムにおいて、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【0018】
また、本開示の第11の態様における管理方法は、
エッジ装置とサーバ装置とを有し、消費電力を管理する管理システムにおける管理方法であって、
対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに第1記憶部に記憶する第1記憶工程と、
対象区間が開始されてから終了するまでの消費電力量に基づく第2電力情報を、前記対象区間の終了時に第2記憶部に記憶する第2記憶工程と、
前記サーバ装置からの要求を受信した場合に前記第1電力情報を送信し、所定のタイミングで前記第2電力情報を送信する制御工程とを有する。
【0019】
本開示の第11の態様によれば、第1電力情報の送信頻度を下げることが可能となり、消費電力を管理する管理システムにおいて、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
図2】エッジ装置及びサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理の流れを示すシーケンス図の一例である。
図4】第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理を実行する各部の動作例を示す図である。
図5】デマンドグラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れを示すシーケンス図の一例及びデマンドグラフの表示例を示す図である。
図6】第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理及び現状グラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れを示すシーケンス図、並びに、現状グラフの表示例を示す図である。
図7】第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理の各部の動作例を示す図である。
図8】エッジ装置による電力情報送信制御処理の流れを示すフローチャートの一例である。
図9】サーバ装置による電力情報表示制御処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
【0022】
[第1の実施形態]
<管理システムのシステム構成>
はじめに、管理システムのシステム構成について説明する。図1は、管理システムのシステム構成の一例を示す図である。
【0023】
管理システム100は、デマンド制御システム等の、消費電力を管理するシステムであり、「デマンド制御処理」、「電力情報送信制御処理」及び「電力情報表示制御処理」を実行する。ただし、以下では、主に、電力情報送信制御処理及び電力情報表示制御処理について説明し、デマンド制御処理に関する説明は省略する。
【0024】
図1に示すように、管理システム100は、空調機等110、電力量計120、エッジ装置130、サーバ装置140、ユーザ端末150を有する。管理システム100において、エッジ装置130とサーバ装置140、及び、サーバ装置140とユーザ端末150は、それぞれ、ネットワーク160を介して通信可能に接続される。
【0025】
空調機等110は、電力を消費する装置全般を指し、空調機や照明等が含まれる。空調機等110の動作は、エッジ装置130により制御される。
【0026】
電力量計120は、空調機等110が消費する電力を積算し、計量する電気機器であり、計量した電力量をエッジ装置130に出力する。
【0027】
エッジ装置130には、送信制御プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、エッジ装置130は、送信制御部131(第1制御部の一例)として機能する。送信制御部131は、電力量計120の出力を取得し消費電力を算出、記憶、送信する。
【0028】
具体的には、送信制御部131は、電力量計120を用いて計量された電力量を取得する。
【0029】
また、送信制御部131は、所定時間(例えば、10秒)ごとに、デマンド制御の対象区間が開始されてからの消費電力量を算出し、30分間当たりの平均消費電力(第1電力情報)に換算したうえで、第1電力情報記憶部132(第1記憶部の一例)に記憶する。
【0030】
また、送信制御部131は、デマンド制御の対象区間(例えば、30分間)の開始から終了までの消費電力量を算出し、30分間当たりの平均消費電力(第2電力情報)に換算したうえで、第2電力情報記憶部133に記憶する(第2記憶部の一例)。
【0031】
また、送信制御部131は、ネットワーク160を介してサーバ装置140から送信要求を受信した場合に、その時点で第1電力情報記憶部132に記憶されている全ての第1電力情報を、ネットワーク160を介してサーバ装置140に送信する。
【0032】
なお、送信要求には、第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報が含まれるものとする。このため、送信制御部131は、サーバ装置140から送信要求を受信して以降は、一定時間が継続する間、所定数(例えば、6個)の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されるごとに、全ての第1電力情報をサーバ装置140に送信する。
【0033】
また、送信制御部131は、デマンド制御の対象区間の終了時に、第2電力情報記憶部133に記憶されている第2電力情報を、ネットワーク160を介してサーバ装置140に送信する。
【0034】
サーバ装置140は、ネットワーク160を介してエッジ装置130から送信される第1電力情報及び第2電力情報をユーザ端末150に提供する装置である。
【0035】
サーバ装置140には、表示制御プログラムがインストールされており、当該プログラムが実行されることで、サーバ装置140は、表示制御部141(第2制御部の一例)として機能する。
【0036】
表示制御部141は、対象区間が終了するごとにエッジ装置130から送信される第2電力情報を取得し、第2電力情報記憶部143に記憶する。
【0037】
また、表示制御部141は、ユーザ端末150からのログインを受け付け、ユーザ端末150から消費電力の変動状況についての表示指示があった場合に、ユーザ端末150に、消費電力の変動状況を示すグラフを含む表示画面を提供する。なお、表示制御部141では、下記の2種類のグラフをそれぞれに含む表示画面を表示することができる。
【0038】
一つ目のグラフとして、現在の対象区間における消費電力の変動状況を、短い時間間隔で表示するグラフ(第1電力情報に基づくグラフ。以下、"現状グラフ"と称す)と、二つ目のグラフとして、過去一定期間における、対象区間ごとの消費電力の変動状況を表示するグラフ(第2電力情報に基づくグラフ。以下、"デマンドグラフ"と称す)とを表示画面に表示することができる。
【0039】
表示制御部141では、現状グラフの表示指示があった場合に、ネットワーク160を介してエッジ装置130に、第1電力情報の送信要求を送信する。これにより、表示制御部141では、エッジ装置130から送信される第1電力情報の受信を開始し、第1電力情報記憶部142に記憶するとともに、現状グラフをユーザ端末150に提供する。
【0040】
また、表示制御部141では、デマンドグラフの表示指示があった場合には、第2電力情報記憶部143より、過去一定期間に記憶された第2電力情報を読み出し、デマンドグラフをユーザ端末150に提供する。
【0041】
ユーザ端末150は、サーバ装置140が提供するグラフを含む表示画面を表示する端末である。ユーザ端末150のユーザは、サーバ装置140にログインして表示指示を入力することで、現状グラフまたはデマンドグラフを閲覧することができる。
【0042】
このように、本実施形態に係る管理システム100では、エッジ装置130とサーバ装置140との間で第1電力情報と第2電力情報とを送受信する。このうち、第2電力情報については、ユーザ端末150からの表示指示の有無に関わらず、対象区間が終了するごとにエッジ装置130からサーバ装置140に送信する。一方、第1電力情報については、ユーザ端末150からの現状グラフの表示指示に伴って、サーバ装置140が第1電力情報の送信要求をエッジ装置130に送信した場合に、エッジ装置130からサーバ装置140に送信する。
【0043】
これにより、本実施形態に係る管理システム100によれば、現状グラフの表示指示の有無に関わらず、エッジ装置とサーバ装置との間で、第1電力情報を送受信していた従来の管理方法と比較して、第1電力情報の送信頻度を下げることが可能になる。この結果、本実施形態に係る管理システム100によれば、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【0044】
<エッジ装置及びサーバ装置のハードウェア構成>
次に、エッジ装置130及びサーバ装置140のハードウェア構成について説明する。図2は、エッジ装置及びサーバ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。このうち、図2(a)は、エッジ装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【0045】
図2(a)に示すように、エッジ装置130は、プロセッサ201、メモリ202、補助記憶装置203、I/F(Interface)装置204、通信装置205、ドライブ装置206を有する。なお、エッジ装置130の各ハードウェアは、バス207を介して相互に接続されている。
【0046】
プロセッサ201は、CPU(Central Processing Unit)等の各種演算デバイスを有する。プロセッサ201は、各種プログラム(例えば、送信制御プログラム等)をメモリ202上に読み出して実行する。
【0047】
メモリ202は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の主記憶デバイスを有する。プロセッサ201とメモリ202とは、いわゆるコンピュータを形成し、プロセッサ201が、メモリ202上に読み出した各種プログラムを実行することで、当該コンピュータは上記送信制御部131を実現する。
【0048】
補助記憶装置203は、各種プログラムや、各種プログラムがプロセッサ201によって実行される際に用いられる各種データを格納する。補助記憶装置203は、例えば、第1電力情報記憶部132及び第2電力情報記憶部133を実現する。
【0049】
I/F装置204は、外部装置の一例である空調機等110、電力量計120と、エッジ装置130とを接続する接続デバイスである。
【0050】
通信装置205は、ネットワーク160を介してサーバ装置140と通信するための通信デバイスである。
【0051】
ドライブ装置206は記録媒体210をセットするためのデバイスである。ここでいう記録媒体210には、CD-ROM、フレキシブルディスク、光磁気ディスク等のように情報を光学的、電気的あるいは磁気的に記録する媒体が含まれる。また、記録媒体210には、ROM、フラッシュメモリ等のように情報を電気的に記録する半導体メモリ等が含まれていてもよい。
【0052】
なお、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、例えば、配布された記録媒体210がドライブ装置206にセットされ、該記録媒体210に記録された各種プログラムがドライブ装置206により読み出されることでインストールされる。あるいは、補助記憶装置203にインストールされる各種プログラムは、通信装置205を介してネットワーク160からダウンロードされることで、インストールされてもよい。
【0053】
一方、図2(b)は、サーバ装置140のハードウェア構成の一例を示す図である。なお、サーバ装置140のハードウェア構成は、エッジ装置130のハードウェア構成と概ね同じであるため、ここでは、エッジ装置130のハードウェア構成との相違点を中心に説明する。
【0054】
プロセッサ221は、各種プログラム(例えば、表示制御プログラム等)をメモリ222上に読み出して実行する。
【0055】
補助記憶装置223は、例えば、第1電力情報記憶部142及び第2電力情報記憶部143を実現する。
【0056】
I/F装置224は、外部装置の一例である表示装置230、操作装置240と、サーバ装置140とを接続する接続デバイスである。表示装置230は、サーバ装置140の内部状態を表示する。操作装置240は、サーバ装置140の管理者がサーバ装置140に対して各種指示を入力する際に用いられる。
【0057】
通信装置225は、ネットワーク160を介してエッジ装置130及びユーザ端末150と通信するための通信デバイスである。
【0058】
<電力情報送信制御処理の流れ>
次に、第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理の流れについて説明する。図3は、第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理の流れを示すシーケンス図の一例である。
【0059】
図3において、矢印310は、デマンド制御の対象区間を示している。図3の場合、電力量計120は、デマンド制御の対象区間の開始から終了まで、10[sec]ごとに電力量計の出力をエッジ装置130に送信する。なお、デマンド制御の対象区間は、前の対象区間の終了と同時に開始されるものとし、図3の例は、そのうちの1対象区間を示している。
【0060】
図3に示すように、デマンド制御の対象区間の開始時の電力量計120の出力を、0番目の出力として、本実施形態では、"電力量計出力(0)"と表す。また、デマンド制御の対象区間の開始から10[sec]経過後の電力量計120の出力を、1番目の出力として、本実施形態では、"電力量計の出力(1)"と表す。なお、本実施形態では、デマンド制御の対象区間が30分間であるとする。このため、デマンド制御の対象区間の終了時の電力量計120の出力は、180番目の出力となり、"電力量計出力(180)"と表されることになる。
【0061】
また、図3に示すように、エッジ装置130は、10[sec]ごとに電力量計120から送信される電力量計出力を受信する。また、エッジ装置130は、受信した電力量計出力に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量([kWh])を算出し、30分間当たりの平均消費電力([kW])に換算することで、第1電力情報を算出する。また、エッジ装置130は、算出した第1電力情報を、第1電力情報記憶部132に記憶する。
【0062】
図3に示すように、本実施形態では、電力量計出力(0)に基づいて算出した第1電力情報を、"電力(0)"と表す。また、電力量計出力(1)に基づいて算出した第1電力情報を、"電力(1)"と表す。以下、同様に表し、電力量計出力(180)に基づいて算出した第1電力情報は、"電力(180)"と表されることになる。
【0063】
また、図3に示すように、デマンド制御の対象区間が終了し、電力(180)が第1電力情報記憶部132に記憶されると、上述したように、次の対象区間が開始される。
【0064】
このとき、並行してエッジ装置130では、対象区間の開始から終了までの消費電力量([kWh])を算出し、30分間当たりの平均消費電力([kW])に換算することで、第2電力情報を算出する。また、エッジ装置130は、算出した第2電力情報を、第2電力情報記憶部133に記憶する。なお、第2電力情報は、電力(180)と同じ値となる。
【0065】
また、図3に示すように、エッジ装置130では、第1電力情報記憶部132に記憶されている全ての第1電力情報(電力(0)~電力(180))を削除する。また、図3に示すように、エッジ装置130では、第2電力情報記憶部133に記憶されている第2電力情報を、ネットワーク160を介してサーバ装置140に送信する。また、図3に示すように、サーバ装置140は、エッジ装置130から送信された第2電力情報を、第2電力情報記憶部143に記憶する。
【0066】
また、図3に示すように、エッジ装置130では、サーバ装置140への第2電力情報の送信が完了すると、第2電力情報記憶部133に記憶されている第2電力情報を削除する。なお、エッジ装置130では、通信障害などによりサーバ装置140への第2電力情報の送信に失敗した場合には、通信障害から回復し第2電力情報の送信が完了するまで、第2電力情報記憶部133に記憶されている第2電力情報を削除しない。そして、エッジ装置130では、第2電力情報の送信が完了した時点で第2電力情報記憶部133に記憶されている第2電力情報を削除する。
【0067】
ただし、第2電力情報を削除するタイミングはこれに限定されない。例えば、第2電力情報の送信が完了したか否かに関わらず、第2電力情報記憶部133に所定期間記憶しておき(例えば、半年間記憶しておき)、所定期間が経過してから第2電力情報を削除してもよい。
【0068】
<電力情報送信制御処理を実行する各部の動作例>
次に、第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理を実行する各部(電力量計120、送信制御部131、第1電力情報記憶部132、第2電力情報記憶部133)の動作例について説明する。図4は、第1電力情報の送信要求を受信しなかった場合の電力情報送信制御処理を実行する各部の動作例を示す図である。
【0069】
図4において、符号410は、電力量計120により計量され、出力された出力値の具体例を示している。図4の例は、電力量計出力(0)=200.0[kWh]、電力量計出力(1)=200.5[kWh]、電力量計出力(2)=200.7[kWh]、電力量計出力(3)=201.0[kWh]であったことを示している。また、図4の例は、電力量計出力(179)=229.0[kWh]であり、電力量計出力(180)=230.0[kWh]であったことを示している。
【0070】
また、図4において、符号420は、送信制御部131により算出された、デマンド制御の対象区間が開始されてからの消費電力量の算出例を示している。
【0071】
図4の例に示すように、電力量計出力(0)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=200.0-200.0=0[kWh]が算出される。また、図4の例に示すように、電力量計出力(1)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=200.5-200.0=0.5[kWh]が算出される。また、図4の例に示すように、電力量計出力(2)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=200.7-200.0=0.7[kWh]が算出される。また、図4の例に示すように、電力量計出力(3)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=201.0-200.0=1.0[kWh]が算出される。更に、図4の例に示すように、電力量計出力(179)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=229.0-200.0=29[kWh]が算出される。また、図4の例に示すように、電力量計出力(180)に基づいて、対象区間が開始されてからの消費電力量=230.0-200.0=30[kWh]が算出される。
【0072】
また、図4において、符号430は、第1電力情報記憶部132により記憶された、30分間当たりの平均消費電力(第1電力情報)の値の具体例を示している。図4の例に示すように、送信制御部131は、対象区間が開始されてからの消費電力量を2倍することで、30分間当たりの平均消費電力に換算する。これにより、第1電力情報記憶部132には、10[sec]ごとに、順次、電力(0)=0.0[kW]、電力(1)=1.0[kW]、電力(2)=1.4[kW]、電力(3)=2.0[kW]が記憶される。また、図4の例に示すように、第1電力情報記憶部132には、電力(179)=58.0[kW]、電力(180)=60.0[kW]が記憶される。
【0073】
また、図4において、符号421は、送信制御部131が、デマンド制御の対象区間の開始から終了までの消費電力量の算出例を示している。図4の例に示すように、対象区間の開始から終了までの消費電力量=230.0-200.0=30[kWh]が算出される。
【0074】
また、図4において、符号440は、第2電力情報記憶部133により記憶された、30分間当たりの平均消費電力(第2電力情報)の値の具体例を示している。図4の例に示すように、送信制御部131は、対象区間の開始から終了までの消費電力量を2倍することで、30分間当たりの平均消費電力に換算する。これにより、第2電力情報記憶部133には、対象区間の終了時に、第2電力情報=60.0[kW]が記憶される。
【0075】
また、図4において、符号422は、送信制御部131によりサーバ装置140に送信された第2電力情報の値の具体例を示している。図4の例に示すように、送信制御部131は、対象区間の終了時に、第2電力情報=60.0[kW]をサーバ装置140に送信する。
【0076】
<電力情報表示制御処理の流れ>
次に、デマンドグラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れについて説明する。図5は、デマンドグラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れを示すシーケンス図の一例及びデマンドグラフの表示例を示す図である。
【0077】
なお、図5においては省略しているが、管理システム100において電力情報表示制御処理は、上記電力情報送信制御処理(例えば、図4)と並行して実行される。
【0078】
図5に示すように、ユーザ端末150を介してユーザがサーバ装置140にログインすると、サーバ装置140では、ユーザ端末150に対してメニュー画面(不図示)を提供する。なお、サーバ装置140により提供されるメニュー画面には、少なくとも、デマンドグラフと現状グラフのいずれかを選択する選択肢が含まれるものとする。また、デマンドグラフが選択された場合には、あわせて、グラフ化期間が選択されるものとする。グラフ化期間とは、デマンドグラフを表示する期間であり、本実施形態では、過去1日分のデマンドグラフ、過去1か月分のデマンドグラフ、過去1年分のデマンドグラフのいずれかが選択されるものとする。
【0079】
ここで、ユーザ端末150のユーザが、デマンドグラフを選択し、グラフ化期間として過去1日分を選択したとする。この場合、ユーザ端末150は、サーバ装置140に対して、グラフ化期間=過去1日分のデマンドグラフの表示指示を送信する。
【0080】
グラフ化期間=過去1日分のデマンドグラフの表示指示を受信したサーバ装置140では、第2電力情報記憶部143から、過去1日分の第2電力情報を読み出し、デマンドグラフを作成する。
【0081】
また、サーバ装置140は、作成したデマンドグラフをユーザ端末150に送信する。これにより、ユーザ端末150では、デマンドグラフを含む第2表示画面510を表示する。図5において、第2表示画面510は、過去1日分の第2電力情報を示したデマンドグラフであり、横軸は時間を、縦軸は、第2電力情報をそれぞれ表している。
【0082】
<電力情報送信制御処理及び電力情報表示制御処理の流れ>
次に、第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理及び現状グラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れについて説明する。図6は、第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理及び現状グラフの表示指示があった場合の電力情報表示制御処理の流れを示すシーケンス図、並びに、現状グラフの表示例を示す図である。なお、図6においては、説明の便宜上、電力情報送信制御処理のうち、第2電力情報を送信する処理については省略し、第1電力情報を送信する処理についてのみ示している。
【0083】
図6に示すように、ユーザ端末150を介してユーザがサーバ装置140にログインすると、サーバ装置140では、ユーザ端末150に対してメニュー画面(不図示)を提供する。なお、サーバ装置140により提供されるメニュー画面には、少なくとも、デマンドグラフと現状グラフのいずれかを選択する選択肢が含まれるものとする。
【0084】
ここで、ユーザ端末150のユーザが、現状グラフを選択したとする。この場合、ユーザ端末150は、サーバ装置140に対して、現状グラフの表示指示を送信する。
【0085】
現状グラフの表示指示を受信したサーバ装置140では、エッジ装置130に対して、第1電力情報の送信要求を送信する。
【0086】
このとき、エッジ装置130は、電力量計120から電力量計出力(138)を受信し、電力量計出力(138)に基づいて算出した電力(138)を、第1電力情報記憶部132に記憶した直後であったとする。
【0087】
この場合、エッジ装置130では、この時点で第1電力情報記憶部132に記憶されている全ての第1電力情報(電力(0)~電力(138))を、第1電力情報(0~138)として、サーバ装置140に送信する。
【0088】
第1電力情報(0~138)を受信したサーバ装置140では、第1電力情報(0~138)を第1電力情報記憶部142(第3記憶部)に記憶するとともに、現状グラフを作成し、作成した現状グラフをユーザ端末150に送信する。これにより、ユーザ端末150では、第1表示画面610に現状グラフを表示する。
【0089】
図6において、第1表示画面610に表示された現状グラフは、対象区間の開始時の消費電力(30分間当たりの平均消費電力に換算した値)をゼロとして、対象区間の開始時から23分が経過した時点までの消費電力(30分間当たりの平均消費電力に換算した値)の変動状況を示している。
【0090】
なお、エッジ装置130では、第1電力情報(0~138)をサーバ装置140に送信するのと並行して、電力量計120からの電力量計出力の受信と、第1電力情報の算出と、第1電力情報記憶部132への記憶とを10[sec]ごとに繰り返す。
【0091】
そして、エッジ装置130では、第1電力情報(0~138)をサーバ装置140に送信してから、所定数の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されたと判定すると、その時点で第1電力情報記憶部132に記憶されている全ての第1電力情報を送信する。
【0092】
本実施形態では、所定数=6であるとする。このため、エッジ装置130では、電力量計120から電力量計出力(144)を受信し、電力量計出力(144)に基づいて算出した電力(144)を、第1電力情報記憶部132に記憶すると、第1電力情報(0~144)をサーバ装置140に送信する。
【0093】
第1電力情報(0~144)を受信したサーバ装置140では、第1電力情報(0~144)を第1電力情報記憶部142に上書きして記憶するとともに、現状グラフを作成し、作成した現状グラフをユーザ端末150に送信する。これにより、ユーザ端末150の第1表示画面610には、現状グラフが表示される。
【0094】
なお、サーバ装置140では、第1電力情報の送信要求を送信した場合にのみ、第1電力情報を受信して記憶するため、第1電力情報の送信要求を送信していない場合には、第1電力情報が記憶されない。つまり、第1電力情報の送信要求を送信したか否かに関わらず、第1電力情報を受信していた従来の管理方法と比較して、サーバ装置140に記憶する情報量を削減することができる。また、サーバ装置140では、所定数の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されるごとにエッジ装置130から送信される全ての第1電力情報を、上書きして記憶するため、記憶する情報量を最小化することができる。
【0095】
図6の説明に戻る。図6において、第1表示画面610に表示された現状グラフは、対象区間の開始時の消費電力(30分間当たりの平均消費電力に換算した値)をゼロとして、対象区間の開始時から24分が経過した時点までの消費電力(30分間当たりの平均消費電力に換算した値)の変動状況が示されようとしているグラフである。このように、ユーザ端末150の第1表示画面610には、10[sec]刻みの消費電力(30分間当たりの平均消費電力に換算した値)の変動状況が、1分おきに更新される現状グラフが表示されることになる。
【0096】
<電力情報送信制御処理時の各部の動作例>
次に、第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理の各部(電力量計120、送信制御部131、第1電力情報記憶部132)の動作について説明する。図7は、第1電力情報の送信要求を受信した場合の電力情報送信制御処理の各部の動作例を示す図である。ただし、ここでも電力情報送信制御処理のうち、第2電力情報を送信する処理については省略し、第1電力情報を送信する処理の各部の動作例についてのみを示すこととする。
【0097】
図7において、符号410は、電力量計120により計量され、出力された出力値の具体例を示している。符号410は、図4において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0098】
同様に、図7において、符号420は、送信制御部131により算出された、デマンド制御の対象区間が開始されてからの消費電力量の算出例を示している。符号420も、図4において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0099】
同様に、図7において、符号430は、第1電力情報記憶部132により記憶された、30分間当たりの平均消費電力(第1電力情報)の具体例を示している。符号430も、図4において説明済みであるため、ここでは説明を省略する。
【0100】
一方、図7において、符号710は、送信制御部131によりサーバ装置140に送信された第1電力情報の具体例を示している。図7の例に示すように、送信制御部131は、第1電力情報の送信要求を受信したことで、第1電力情報(0~138)をサーバ装置140に送信する。上述したように、送信要求には、第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報が含まれており、送信制御部131では、一定時間が継続する間、所定数(例えば、6個)の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されるごとに、全ての第1電力情報をサーバ装置140に送信する。
【0101】
具体的には、送信制御部131は、第1電力情報(0~138)を送信してから60[sec]経過後に、第1電力情報(0~144)を送信する。また、送信制御部131は、第1電力情報(0~144)を送信してから60[sec]経過後に、第1電力情報(0~150)を送信する。以下、一定時間が継続する間、同様の処理を繰り返し、送信制御部131は、対象区間の終了時に、第1電力情報(0~180)を送信する。なお、対象区間を終了しても、一定時間が継続している場合には、次の対象区間において、一定時間が継続している間、同様の処理を繰り返す。
【0102】
<エッジ装置による電力情報送信制御処理の流れ>
次に、エッジ装置130による電力情報送信制御処理の流れについて説明する。図8は、エッジ装置による電力情報送信制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0103】
ステップS801において、エッジ装置130の送信制御部131は、電力量計出力を受信する。
【0104】
ステップS802において、エッジ装置130の送信制御部131は、デマンド制御の対象区間が開始されてからの消費電力量を算出し、30分間当たりの平均消費電力に換算することで、第1電力情報を算出する。
【0105】
ステップS803において、エッジ装置130の送信制御部131は、算出した第1電力情報を、第1電力情報記憶部132に記憶する。
【0106】
ステップS804において、エッジ装置130の送信制御部131は、サーバ装置140より、第1電力情報の送信要求を受信したか否かを判定する。ステップS804において、第1電力情報の送信要求を受信していないと判定した場合には(ステップS804においてNOの場合には)、ステップS807に進む。
【0107】
一方、ステップS804において、第1電力情報の送信要求を受信したと判定した場合には(ステップS804においてYESの場合には)、ステップS805に進む。
【0108】
ステップS805において、エッジ装置130の送信制御部131は、サーバ装置140への前回の第1電力情報の送信以降に、所定数の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されたか否かを判定する。
【0109】
ステップS805において、所定数の第1電力情報が記憶されていないと判定した場合には(ステップS805においてNOの場合には)、ステップS807に進む。一方、ステップS805において、所定数の第1電力情報が記憶されたと判定した場合には(ステップS805においてYESの場合には)、ステップS806に進む。
【0110】
ステップS806において、エッジ装置130の送信制御部131は、第1電力情報記憶部132に記憶されている全ての第1電力情報を、サーバ装置140に送信する。
【0111】
ステップS807において、エッジ装置130の送信制御部131は、デマンド制御の対象区間が終了したか否かを判定する。
【0112】
ステップS807において、対象区間が終了していないと判定した場合には(ステップS807においてNOの場合には)、ステップS801に戻る。一方、ステップS807において、対象区間が終了したと判定した場合には(ステップS807においてYESの場合には)、ステップS808に進む。
【0113】
ステップS808において、エッジ装置130の送信制御部131は、デマンド制御の対象区間の開始から終了までの消費電力量を算出し、30分間当たりの平均消費電力に換算することで第2電力情報を算出する。また、エッジ装置130の送信制御部131は、算出した第2電力情報を、第2電力情報記憶部133に記憶する。
【0114】
ステップS809において、エッジ装置130の送信制御部131は、第1電力情報記憶部132に記憶されている第1電力情報を削除する。
【0115】
ステップS810において、エッジ装置130の送信制御部131は、第2電力情報記憶部133に格納されている第2電力情報を、サーバ装置140に送信する。
【0116】
ステップS811において、エッジ装置130の送信制御部131は、第2電力情報のサーバ装置140への送信が完了したか否かを判定する。ステップS811において、送信が完了していないと判定した場合には(ステップS811においてNOの場合には)、ステップS813に進む。一方、ステップS811において、送信が完了したと判定した場合には、第2電力情報記憶部133に格納されている第2電力情報を(所定期間経過後に)削除する。
【0117】
ステップS813において、エッジ装置130の送信制御部131は、電力情報送信制御処理を終了するか否かを判定する。ステップS813において、電力情報送信制御処理を終了しないと判定した場合には(ステップS813においてNOの場合には)、ステップS801に戻る。
【0118】
一方、ステップS813において、電力情報送信制御処理を終了すると判定した場合には(ステップS813においてYESの場合には)、電力情報送信制御処理を終了する。
【0119】
<サーバ装置による電力情報表示制御処理の流れ>
次に、サーバ装置140による電力情報表示制御処理の流れについて説明する。図9は、サーバ装置による電力情報表示制御処理の流れを示すフローチャートである。
【0120】
ステップS901において、サーバ装置140の表示制御部141は、ユーザ端末150からのログインを受け付けたか否かを判定する。ステップS901において、ログインを受け付けていないと判定した場合には(ステップS901においてNOの場合には)、ログインを受け付けたと判定するまで、待機する。
【0121】
一方、ステップS901において、ログインを受け付けたと判定した場合には、ステップS902に進む。
【0122】
ステップS902において、サーバ装置140の表示制御部141は、ユーザ端末150にメニュー画面を提供する。
【0123】
ステップS903において、サーバ装置140の表示制御部141は、デマンドグラフと現状グラフのいずれのグラフがユーザにより選択されたかを判定する。
【0124】
ステップS903において、デマンドグラフが選択されたと判定した場合には、ステップS904に進む。
【0125】
ステップS904において、サーバ装置140の表示制御部141は、第2電力情報記憶部143に記憶されている第2電力情報を、ユーザにより選択されたグラフ化期間分読み出す。
【0126】
ステップS905において、サーバ装置140の表示制御部141は、読み出したグラフ化期間分の第2電力情報に基づいて、デマンドグラフを生成する。
【0127】
ステップS906において、サーバ装置140の表示制御部141は、生成したデマンドグラフをユーザ端末150に送信し、ユーザ端末150にデマンドグラフを表示する。
【0128】
ステップS907において、サーバ装置140の表示制御部141は、デマンドグラフ表示を終了するか否かを判定する。ステップS907において、デマンドグラフ表示を終了しないと判定した場合には(ステップS907においてNOの場合には)、ステップS904に戻る。
【0129】
一方、ステップS907において、デマンドグラフ表示を終了すると判定した場合には(ステップS907においてYESの場合には)、ステップS913に進む。
【0130】
一方、ステップS903において、現状グラフが選択されたと判定した場合には、ステップS908に進む。
【0131】
ステップS908において、サーバ装置140の表示制御部141は、エッジ装置130に第1電力情報の送信要求を送信する。
【0132】
ステップS909において、サーバ装置140の表示制御部141は、エッジ装置130より第1電力情報を受信したか否かを判定する。ステップS909において、第1電力情報を受信していないと判定した場合には(ステップS909においてNOの場合には)、ステップS912に進む。
【0133】
一方、ステップS909において、第1電力情報を受信したと判定した場合には(ステップS909においてYESの場合には)、ステップS910に進む。
【0134】
ステップS910において、サーバ装置140の表示制御部141は、エッジ装置130から受信した第1電力情報を第1電力情報記憶部142に記憶するとともに、現状グラフを生成する。
【0135】
ステップS911において、サーバ装置140の表示制御部141は、生成した現状グラフをユーザ端末150に送信し、ユーザ端末150に現状グラフを表示する。
【0136】
ステップS912において、サーバ装置140の表示制御部141は、現状グラフ表示を終了するか否かを判定する。ステップS912において、現状グラフ表示を終了しないと判定した場合には(ステップS912においてNOの場合には)、ステップS909に戻る。
【0137】
一方、ステップS912において、現状グラフ表示を終了すると判定した場合には(ステップS912においてYESの場合には)、ステップS913に進む。
【0138】
ステップS913において、サーバ装置140の表示制御部141は、電力情報表示制御処理を終了するか否かを判定する。ステップS913において、電力情報表示制御処理を終了しないと判定した場合には(ステップS913においてNOの場合には)、ステップS902に戻る。
【0139】
一方、ステップS913において、電力情報表示制御処理を終了すると判定した場合には(ステップS913においてYESの場合には)、電力情報表示制御処理を終了する。
【0140】
<まとめ>
以上のとおり、第1の実施形態に係る管理システム100において、エッジ装置130は、デマンド制御の対象区間が開始されてからの消費電力量に基づく第1電力情報を、所定時間ごとに第1電力情報記憶部132に記憶する。また、第1の実施形態に係る管理システム100において、エッジ装置130は、デマンド制御の対象区間の開始から終了までの消費電力量に基づく第2電力情報を、対象区間の終了時に第2電力情報記憶部133に記憶する。更に、第1の実施形態に係る管理システム100において、エッジ装置130は、サーバ装置140から第1電力情報の送信要求を受信した場合に第1電力情報を送信し、対象区間の終了時に第2電力情報を送信する。
【0141】
このように、第1の実施形態に係る管理システム100では、第1電力情報の送信要求を受信した場合に第1電力情報をサーバ装置に送信する。これにより、第1の実施形態に係る管理システム100によれば、第1電力情報の送信頻度を下げることが可能になる。この結果、第1の実施形態によれば、第1電力情報の送信要求の有無に関わらず第1電力情報を送信していた場合と比較して、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【0142】
つまり、第1の実施形態によれば、消費電力を管理する管理システムにおいて、エッジ装置とサーバ装置との間の通信量を削減することができる。
【0143】
[第2の実施形態]
上記第1の実施形態では、電力量計出力の送信間隔を10[sec]としたが、電力量計出力の送信間隔は10[sec]に限定されない。また、上記第1の実施形態では、所定数=6の第1電力情報が第1電力情報記憶部132に記憶されるごとに、第1電力情報をサーバ装置140に送信することとしたが、所定数は"6"に限定されない。更に、上記第1の実施形態では、デマンド制御の対象区間が30分間であるとしたが、対象区間は、例えば、30分間よりも長い1時間を設定してもよいし、30分間よりも短い15分間を設定してもよい。つまり、デマンド制御の対象区間は30分間に限定されない。
【0144】
また、上記第1の実施形態では、第1電力情報の送信要求に、第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報を含めるものとして説明した。しかしながら、現状グラフは、例えば、対象区間の終了時に自動的に表示を終了するように構成してもよい。この場合、第1電力情報の送信要求に、第1電力情報を一定時間継続して送信させる情報を含める必要はない。
【0145】
また、上記第1の実施形態において、送信制御部131は、デマンド制御の対象区間の終了時に、第2電力情報を、ネットワーク160を介してサーバ装置140に送信する場合について説明した。しかしながら、送信制御部131が第2電力情報を送信するタイミングは、デマンド制御の対象区間の終了時に限定されない。上記説明から明らかなように、第2電力情報をサーバ装置140に送信するタイミングは、サーバ装置140からの要求ではなく、エッジ装置130側で決定することができる。つまり、送信制御部131は、デマンド制御の対象区間の終了時以外の所定のタイミングで第2電力情報をサーバ装置140に送信してもよい。
【0146】
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0147】
100 :管理システム
110 :空調機等
120 :電力量計
130 :エッジ装置
131 :送信制御部
140 :サーバ装置
141 :表示制御部
150 :ユーザ端末
510 :第2表示画面
610 :第1表示画面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9