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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】覆工用セントル
(51)【国際特許分類】
   E21D 11/10 20060101AFI20221005BHJP
   E21D 11/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
E21D11/10 A
E21D11/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019103006
(22)【出願日】2019-05-31
(65)【公開番号】P2020197038
(43)【公開日】2020-12-10
【審査請求日】2021-12-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000206211
【氏名又は名称】大成建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000158725
【氏名又は名称】岐阜工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】八木 直人
(72)【発明者】
【氏名】奥野 大造
(72)【発明者】
【氏名】本田 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】大久保 常秀
(72)【発明者】
【氏名】青木 忠司
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-211244(JP,A)
【文献】特開2015-169017(JP,A)
【文献】特開2007-262674(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/00-19/06
E21D 23/00-23/16
E21F 1/00-17/18
E04G 9/00-19/00
E04G 25/00-25/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トンネルの覆工コンクリートを打設する際に適用される覆工用セントルであって、
前記覆工用セントルは、ガントリーと、該ガントリーに支持されるセントルフォームと、を有し、
前記セントルフォームは点検口を備え、該点検口の近傍にはスライドフレームが設けられ、該スライドフレームには検査窓がスライド自在に取り付けられており、
少なくともアンカーを有する埋め込み金具が前記検査窓に固定され、前記スライドフレームに沿った該検査窓の移動により、前記点検口に対して該埋め込み金具が設置されることを特徴とする、覆工用セントル。
【請求項2】
前記埋め込み金具は、プレートと、該プレートに取り付けられているアンカーと、を有し、
前記検査窓には取り付け用開口が開設されており、
前記検査窓に前記埋め込み金具が載置され、該検査窓のトンネル側の背面に配設されている固定治具により、前記取り付け用開口を介して前記埋め込み金具が該検査窓に固定されることを特徴とする、請求項1に記載の覆工用セントル。
【請求項3】
前記埋め込み金具には第一ボルト孔を有する引き込みブラケットが取り付けられており、
前記固定治具は、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の上下位置を調整する上下位置調整金具と、該上下位置調整金具が収容される枠状の座金金具と、架け渡し片と、を少なくとも備えており、
前記上下位置調整金具は、固定ボルトが螺合するとともに第二ボルト孔を備えた被引き込み片と、該被引き込み片に対して交差した状態で固定されている螺子棒と、該螺子棒に螺合しているナットと、を備えており、
前記架け渡し片は、前記座金金具の有する対向する一対の側面に開設されている差し込み開口に差し込まれて該一対の側面間に架け渡されるようになっており、
枠状の前記座金金具に前記上下位置調整金具が収容され、その際に、前記被引き込み片の一部が前記座金金具から前記引き込みブラケット側に張り出すとともに、前記螺子棒が前記座金金具の頂面に開設されている収容溝に嵌るようになっており、
前記第一ボルト孔と前記第二ボルト孔が位置合わせされ、ボルトが挿通されてボルト接合されるとともに、前記上下位置調整金具の有する前記固定ボルトが捻じ込まれて前記架け渡し片が押し込まれることにより、前記検査窓に対して前記埋め込み金具が固定されることを特徴とする、請求項2に記載の覆工用セントル。
【請求項4】
前記埋め込み金具の有する前記プレートのトンネル側の背面には、位置調整用マーキングが施され、
前記検査窓には、位置調整用開口が開設され、
前記埋め込み金具が前記検査窓に載置された際に、前記位置調整用開口を介して前記位置調整用マーキングがトンネルの内側から視認されるようになっており、
前記位置調整用開口に対する前記位置調整用マーキングの相対位置に基づいて、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の設置位置が特定されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の覆工用セントル。
【請求項5】
前記検査窓に対する前記埋め込み金具の位置調整の際に、前記ナットの締付けが調整されて前記螺子棒に対する該ナットの相対位置が変更されることにより、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の上下位置が調整されることを特徴とする、請求項4に記載の覆工用セントル。
【請求項6】
前記取り付け用開口に対して前記座金金具が設置された際に、該取り付け用開口の一部は前記プレートにて閉塞されない余開口が形成され、
前記固定治具は、前記余開口を閉塞する穴埋め金具をさらに備えており、
前記座金金具の前記側面から側方に張り出す張り出し片に対して前記穴埋め金具が固定されることを特徴とする、請求項3乃至5のいずれか一項に記載の覆工用セントル。
【請求項7】
前記埋め込み金具の有する前記プレートは平坦なプレートであり、
前記セントルフォームのうち、前記点検口は平坦面の中に形成されており、
前記点検口に対して前記プレートの一部が面接触することを特徴とする、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の覆工用セントル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、覆工用セントルに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の走行するトンネルにおいては、トンネルの天井や肩部において、ジェットファン等の換気装置、警報表示板や標識、照明設備、ケーブル類、吸音板や天井板といった様々な機器や部材が吊り下げられている。また、他の用途に適用されるトンネルにおいても、様々な機器や部材が吊り下げられている。
このような機器等の吊り下げにおいては、トンネルの内周面に取付けられている吊り治具を備えた埋め込み金具を介して、機器等を吊り下げることにより行わる。埋め込み金具には様々な形態があり、例えば、フック等の吊り治具とアンカーのみからなる形態や、鋼製のプレートの一方面に複数のアンカーが取り付けられ、プレートの他方面に吊り治具が取り付けられている形態などが挙げられる。
トンネルの新設時には、埋め込み金具を構成するアンカーを覆工用の鉄筋内に埋設して仮固定した状態で、例えばセントル等の型枠とトンネル掘削孔との間の打設空間にコンクリートを打設することにより、コンクリート内にアンカーが定着されて埋め込み金具がトンネルの内周面に取り付けられる。一方、既設トンネルの内周面に埋め込み金具を取り付ける場合は、埋め込み金具を形成する後施工アンカーをコンクリート内に打設することにより、埋め込み金具がトンネルの内周面に取り付けられる。
【0003】
従来の吊りアンカー構造として、覆工コンクリートに肌落ち等の破損が生じた場合でも抜け落ちることがない、安全性に優れた吊りアンカー構造が提案されている。具体的には、覆工コンクリートの表面において開口するように埋め込まれたインサートと、インサートの背面側の端部に一体に形成された定着部と、覆工内に配筋された補強筋とを備え、補強筋は定着部よりも表面側において格子状に配筋され、定着部は補強筋同士の間隔以上の幅寸法を有している吊りアンカー構造である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-169017号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、効率的なトンネル覆工の施工を実現するべく、覆工用セントルを用いて覆工を施工するに当たり、上記する埋め込み金具をトンネルの所定位置に取り付ける場合には、覆工用の鉄筋を施工した後、セントルをトンネル内に進入させる前に、覆工用の鉄筋に対して埋め込み金具が取り付けられる。しかしながら、トンネルの長手方向と周方向に三次元的に広がる覆工用の鉄筋に対して、埋め込み金具の設置位置を特定することや、埋め込み金具を精度よく設置することは容易でなく、埋め込み金具の精度のよい設置に手間と時間を要する。
【0006】
本発明は、セントルを用いて覆工を施工するに当たり、埋め込み金具を精度よく、効率的に設置することのできる覆工用セントルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成すべく、本発明による覆工用セントルの一態様は、
トンネルの覆工コンクリートを打設する際に適用される覆工用セントルであって、
前記覆工用セントルは、ガントリーと、該ガントリーに支持されるセントルフォームと、を有し、
前記セントルフォームは点検口を備え、該点検口の近傍にはスライドフレームが設けられ、該スライドフレームには検査窓がスライド自在に取り付けられており、
少なくともアンカーを有する埋め込み金具が前記検査窓に固定され、前記スライドフレームに沿った該検査窓の移動により、前記点検口に対して該埋め込み金具が設置されることを特徴とする。
【0008】
本態様によれば、セントルフォームの有する点検口の近傍に設けられたスライドフレームに検査窓がスライド自在に取り付けられ、スライドフレームに沿う検査窓の移動により検査窓に固定された埋め込み金具が移動して点検口に設置されることにより、所望位置にある点検口に対して埋め込み金具を精度よく、効率的に設置することができる。
ここで、トンネル内に敷設されたレールに沿ってトンネルの長手方向に移動するガントリー(門型の移動式架台)に対して、例えば、鉛直方向や水平方向、斜め上方や斜め下方に延設する支保部材を介してセントルフォームが支持される。セントルフォームには、その長手方向と周方向にそれぞれ間隔を置いて、複数の点検口が開設されている。各点検口には検査窓が着脱自在に設けられている。セントルフォームとトンネル掘削孔(もしくはトンネル掘削孔の表面の吹付けコンクリート層)との間の打設空間には、覆工用の鉄筋が配筋された後、コンクリートが打設されることになるが、トンネル内を延設する打設用ホースの筒先が点検口を介して打設空間に臨み、打設空間にコンクリートを打設することができる。また、別途の点検口を介してバイブレータを打設空間に挿入することができる。さらに、点検口を介してコンクリートの打設状況を確認することができる。
【0009】
本態様の覆工用セントルでは、セントルフォームに開設されている複数の点検口のうち、所望位置にある複数の点検口に対してそれぞれ埋め込み金具を設置するものである。セントルフォームの周方向に間隔を置いて開設されている複数の点検口のうち、例えば左右の肩部等にある点検口を介して埋め込み金具を設置する場合は、ガントリーにおいて対応する位置に複数のスライドフレームが取り付けられ、各スライドフレームに対して検査窓がスライド自在に取り付けられる。このように、埋め込み金具が設置される点検口に対応するスライドフレームがガントリーに取り付けられて、覆工用セントルが形成される。
尚、スライドフレームの近傍において、トンネルの長手方向に延設する吊りレールが設けられ、吊りレールにチェーンブロック等がスライド自在に吊り下げられているのが好ましい。チェーンブロックを用いて埋め込み金具を吊り下げ、検査窓に対して埋め込み金具を吊り下ろしながら設置することにより、埋め込み金具が重量物である場合においても、負荷なく、効率的に埋め込み金具を検査窓に設置することができる。
【0010】
検査窓に埋め込み金具が固定され、スライドフレームを移動して点検口に検査窓が位置決めされることにより、検査窓に固定されている埋め込み金具が点検口を介してコンクリートの打設空間に臨む。点検口に設置される埋め込み金具には様々な形態があるが、少なくともアンカーを有している。例えば、直線状のアンカーのみの形態(その一部もしくは全部が覆工コンクリートに埋設される形態)や、アンカーと吊り治具が一体とされている形態、鋼製のプレートの一方面にアンカーが取り付けられている形態などが挙げられる。後者の形態の埋め込み金具を覆工コンクリートに固定する場合は、鋼製のプレートが点検口に位置決めされ、プレートから突設する例えば複数のアンカーが、打設空間に配筋されている覆工用の鉄筋内に位置決めされる。ここで、埋め込み金具が固定された検査窓をスライドフレームに沿ってスライドさせる際には、検査窓の一部に取り付けたチェーンをレバーホイストやチェーンブロック等にて操作することにより、負荷なく検査窓のスライドを実現することができる。
【0011】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様において、前記埋め込み金具は、プレートと、該プレートに取り付けられているアンカーと、を有し、
前記検査窓には取り付け用開口が開設されており、
前記検査窓に前記埋め込み金具が載置され、該検査窓のトンネル側の背面に配設されている固定治具により、前記取り付け用開口を介して前記埋め込み金具が該検査窓に固定されることを特徴とする。
本態様によれば、検査窓に対して埋め込み金具が固定治具にて固定されていることにより、検査窓に対して埋め込み金具を効率的かつ強固に固定することができ、例えば、打設空間に充填されたコンクリートからの側圧に起因する埋め込み金具のずれ等の問題は生じない。
【0012】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様において、前記埋め込み金具には第一ボルト孔を有する引き込みブラケットが取り付けられており、
前記固定治具は、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の上下位置を調整する上下位置調整金具と、該上下位置調整金具が収容される枠状の座金金具と、架け渡し片と、を少なくとも備えており、
前記上下位置調整金具は、固定ボルトが螺合するとともに第二ボルト孔を備えた被引き込み片と、該被引き込み片に対して交差した状態で固定されている螺子棒と、該螺子棒に螺合しているナットと、を備えており、
前記架け渡し片は、前記座金金具の有する対向する一対の側面に開設されている差し込み開口に差し込まれて該一対の側面間に架け渡されるようになっており、
枠状の前記座金金具に前記上下位置調整金具が収容され、その際に、前記被引き込み片の一部が前記座金金具から前記引き込みブラケット側に張り出すとともに、前記螺子棒が前記座金金具の頂面に開設されている収容溝に嵌るようになっており、
前記第一ボルト孔と前記第二ボルト孔が位置合わせされ、ボルトが挿通されてボルト接合されるとともに、前記上下位置調整金具の有する前記固定ボルトが捻じ込まれて前記架け渡し片が押し込まれることにより、前記検査窓に対して前記埋め込み金具が固定されることを特徴とする。
本態様によれば、固定治具が、上下位置調整金具と、座金金具と、架け渡し片とを少なくとも備え、座金金具に収容された上下位置調整金具が埋め込み金具に固定され、座金金具に差し込まれた架け渡し片を上下位置調整金具の有する固定ボルトが押し込むことにより、固定治具にて検査窓に対して埋め込み金具を強固に固定することができる。
【0013】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様において、前記埋め込み金具の有する前記プレートのトンネル側の背面には、位置調整用マーキングが施され、
前記検査窓には、位置調整用開口が開設され、
前記埋め込み金具が前記検査窓に載置された際に、前記位置調整用開口を介して前記位置調整用マーキングがトンネルの内側から視認されるようになっており、
前記位置調整用開口に対する前記位置調整用マーキングの相対位置に基づいて、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の設置位置が特定されることを特徴とする。
本態様によれば、埋め込み金具の有するプレートの背面に設けられた位置調整用マーキングと、検査窓に開設された位置調整用開口との相対位置を視認することにより、検査窓に対する埋め込み金具の二次元的な位置ずれを特定することができる。
例えば、位置調整用マーキングの一例として、プレートの中心C1と、この中心C1を交点とする水平線と鉛直線を挙げることができる。一方、位置調整用開口の一例として、菱形の開口を挙げることができ、菱形の二つの対角線(水平対角線と鉛直対角線)の交点を検査窓の中心C2とすることができる。この例によれば、プレートの中心C1のずれ量、より具体的には、検査窓の中心C2からの高さ方向のずれ量と横方向のずれ量の双方を精度よく特定することができる。
【0014】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様は、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の位置調整の際に、前記ナットの締付けが調整されて前記螺子棒に対する該ナットの相対位置が変更されることにより、前記検査窓に対する前記埋め込み金具の上下位置が調整されることを特徴とする。
本態様によれば、上下位置調整金具を形成する螺子棒に対して、座金金具の頂面に当接しているナットを締め付けたり緩めたりすることにより、検査窓に対する埋め込み金具の上下位置の調整を容易に行うことができる。尚、検査窓に対する埋め込み金具の水平位置の調整は、例えば作業員が手動にて埋め込み金具を水平方向に移動させることにより、行うことができる。
【0015】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様において、前記取り付け用開口に対して前記座金金具が設置された際に、該取り付け用開口の一部は前記プレートにて閉塞されない余開口が形成され、
前記固定治具は、前記余開口を閉塞する穴埋め金具をさらに備えており、
前記座金金具の前記側面から側方に張り出し片が張り出しており、該張り出し片に対して前記穴埋め金具が固定されることを特徴とする。
本態様によれば、取り付け用開口に対して座金金具が設置された際に形成される、プレートにて閉塞されない余開口を閉塞する穴埋め金具を固定治具がさらに有することにより、打設空間に充填されたコンクリートが余開口からセントルフォームの内側に漏れることを防止できる。尚、例えば、検査窓に対する埋め込み金具のずれ量を調整できない場合は、ずれ量に応じて余開口の平面寸法は変化する。そのため、想定される複数の平面寸法の余開口を閉塞できる穴埋め金具を用意しておくのが好ましい。
【0016】
また、本発明による覆工用セントルの他の態様において、前記埋め込み金具の有する前記プレートは平坦なプレートであり、
前記セントルフォームのうち、前記点検口は平坦面の中に形成されており、
前記点検口に対して前記プレートの一部が面接触することを特徴とする。
本態様によれば、埋め込み金具の有するプレートが平坦なプレートである場合に、このプレートが設置されるセントルフォームの有する点検口を平坦面の中に形成しておくことにより、セントルフォーム(の点検口)に対して埋め込み金具を隙間なく精緻に設置することができる。尚、内空面が湾曲しているトンネルを施工する場合に、セントルフォーム(のスキンプレート)も、原則的にはその全面がトンネルの内空面に対応する湾曲面を有しているが、本態様では、湾曲したセントルフォームの点検口の箇所を平坦面としておくものである。
【発明の効果】
【0017】
以上の説明から理解できるように、本発明の覆工用セントルによれば、セントルを用いてトンネル覆工を施工するに当たり、埋め込み金具を精度よく、効率的に設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係る覆工用セントルの一例の一部を示す断面図である。
図2】固定治具の構成部材と検査窓と埋め込み金具を示す図である。
図3A】固定治具を構成する座金金具に上下位置調整金具が収容され、検査窓に載置されている状態を示す正面図である。
図3B】固定治具を構成する座金金具に上下位置調整金具が収容され、検査窓に載置されている状態を示す側面図である。
図4】検査窓と埋め込み金具の相対的位置関係を示す平面図である。
図5A図3Aに対応する図であって、固定治具を構成する穴埋め金具が取り付けられている状態を示す正面図である。
図5B図3Bに対応する図であって、固定治具を構成する穴埋め金具が取り付けられている状態を示す側面図である。
図6A図5Aに対応する図であって、固定治具を構成する架け渡し片が取り付けられ、固定ボルトが締め付けられて、固定治具により検査窓に対して埋め込み金具が固定されている状態を示す正面図である。
図6B】固定治具により検査窓に対して埋め込み金具が固定されている状態を示す上面図である。
図7】検査窓から埋め込み金具位置決めゲージを取り外している状況を示す模式図である。
図8】点検口に検査窓を設置し、検査窓が搭載されている移動台をスライドレールに固定している状況を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施形態に係る覆工用セントルについて、添付の図面を参照しながら説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成要素については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く場合がある。
【0020】
[実施形態に係る覆工用セントル]
図1乃至図8を参照して、実施形態に係る覆工用セントルの一例について説明する。ここで、図1は、実施形態に係る覆工用セントルの一例の一部を示す断面図であり、図2は、固定治具の構成部材と検査窓と埋め込み金具を示す図である。また、図3A図3Bはそれぞれ、固定治具を構成する座金金具に上下位置調整金具が収容され、検査窓に載置されている状態を示す正面図と側面図である。また、図4は、検査窓と埋め込み金具の相対的位置関係を示す平面図である。また、図5A図5Bはそれぞれ、固定治具を構成する穴埋め金具が取り付けられている状態を示す正面図と側面図である。さらに、図6A図6Bはそれぞれ、固定治具を構成する架け渡し片が取り付けられ、固定ボルトが締め付けられて、固定治具により検査窓に対して埋め込み金具が固定されている状態を示す正面図と上面図である。尚、図1は、覆工用セントルの右側の領域であって、インバートよりも上方の領域を抽出して示しており、図2において、上下位置調整金具71と座金金具72は二方向から見た状態を示している。
【0021】
覆工用セントル100は、門型のガントリー10と、ガントリー10から鉛直方向や水平方向、及び斜め方向に延びる支保部材25,26,27にて支持されるセントルフォーム20と、を有する。ガントリー10は、門型の移動式架台であり、図1はその右側上部を示している。ガントリー10を形成する脚11の下端には車輪があり(図示せず)、トンネルTの底面においてトンネルTの長手方向に敷設されているレール(図示せず)に沿ってガントリー10が移動できるようになっている。
【0022】
セントルフォーム20は、トンネルTの周方向及び長手方向に並ぶ複数のフォーム21からなるフォーム群により形成される。セントルフォーム20は例えばトンネルTの長手方向に10m程度の長さを有するが、セントルフォーム20におけるトンネルTの長手方向の端部には、妻型枠(図示せず)が設けられている。
【0023】
発破や機械掘削等により造成された例えば馬蹄形や円形の孔壁の内側には、覆工用セントル100が到達する前段階において、トンネルTの周方向と長手方向の双方に亘る覆工用の鉄筋Rが配筋される。そして、図1に示すように覆工用セントル100が到達した際に、セントルフォーム20と孔壁の間に覆工用コンクリートが打設される打設空間Sが形成される。尚、孔壁の内周面に吹付けコンクリートが施工されている場合は、セントルフォーム20と吹付けコンクリートの間に打設空間Sが形成される。
【0024】
セントルフォーム20には、複数の点検口22が開設されている。この点検口22は、トンネルT内を延設する打設用ホース(図示せず)の筒先が通過して打設空間Sに臨み、打設空間Sにコンクリートを打設するための開口であり、その他、バイブレータを打設空間Sに挿入するための開口であり、さらには、コンクリートの打設状況を確認する開口である。
【0025】
覆工用セントル100は、セントルフォーム20に開設されている複数の点検口22のうち、所望位置にある点検口22に対して埋め込み金具60を設置し、その後に打設空間Sにコンクリートが打設されることにより覆工コンクリートに埋め込み金具60を固定するためのセントルである。すなわち、埋め込み金具60を所望位置に固定した状態で、覆工コンクリート用の型枠となる。
【0026】
図1に示す覆工用セントル100は、セントルフォーム20のうち、トンネルTの中心Oを通る水平線HLよりも下方位置と、中心Oを通る鉛直線VLよりも側方位置にある点検口22に対して埋め込み金具60を設置できるように構成されている。具体的には、それぞれの点検口22の近傍にスライドフレーム40が設けられ、スライドフレーム40に検査窓50がスライド自在に取り付けられている。尚、埋め込み金具60が設置される点検口22は図示例に限定されるものでなく、埋め込み金具60が設置される点検口22ごとにその近傍に固有のスライドフレーム40が設けられる。
【0027】
スライドフレーム40は、スライドレール41と、スライドレール41に沿ってスライドする車輪を備えた移動台42とを有し、移動台42には検査窓50が固定されるようになっている。スライドレール41は、その一端がガントリー10に固定され、その他端がセントルフォーム20における点検口22の近傍に固定されている。検査窓50が固定されている移動台42がスライドレール41に沿ってX2方向(もしくはX4方向)に移動し、点検口22に位置決めされた際に、検査窓50が点検口22に正対するようにスライドレール41の設置角度が調整されている。
【0028】
セントルフォーム20のうち、それぞれの点検口22の近傍には、トンネルTの長手方向に延設する吊りレール30が取付けられている。吊りレール30は例えばH形鋼等の形鋼により形成され、吊りレール30にはチェーンブロック32がスライド自在に取り付けられている。
【0029】
図示例の埋め込み金具60は、鋼製で平坦(フラット)なプレート61と、プレート61の一方の側面に溶接等により接続されている複数のアンカー62とを有する。プレート61のトンネル内空側の側面(アンカーが取り付けられている側面と反対側の側面)には、吊り治具が固定されていてもよいし、何も固定されていなくてもよく、図示例は後者を示している。プレート61の側面に何も固定されていない場合は、例えばトンネルが完成した段階等において任意の機器や設備が溶接等により固定される。尚、埋め込み金具は図示例の形態に限定されるものでなく、少なくとも覆工コンクリート内に埋設されるアンカーを有していればよい。
【0030】
埋め込み金具60は固定治具70により検査窓50に対して固定され、例えば固定治具70の一部がチェーンブロック32から垂下するチェーンの先端のフックに係合されて吊り下げられる。そして、チェーンブロック32が吊りレール30に沿ってトンネルTの長手方向に移動し、埋め込み金具60が設置されるべき点検口22の近傍に位置決めされる。
【0031】
点検口22の近傍に位置決めされたチェーンブロック32から吊り下げられている、埋め込み金具60が固定治具70を介して固定されている検査窓50を、移動台42に対してX1方向(もしくはX3方向)に移載し、移動台42に検査窓50を固定する。
【0032】
ガントリー10にはレバーホイスト43が取り付けられており、レバーホイスト43から延びるチェーンが移動台42に固定されている。レバーホイスト43を操作することにより、検査窓50が固定された移動台42をスライドレール41に沿ってX2方向(もしくはX4方向)に移動させることができる。そして、点検口22に検査窓50を位置決めすることにより、検査窓50に固定されている埋め込み金具60を打設空間Sに臨ませることができる。
【0033】
スライドレール41にはピン孔44が開設されており、点検口22に検査窓50が設置された状態において、ピン孔44にボルト等のピン82を差し込むことにより、移動台42の位置固定を図ることができる。
【0034】
図2に示すように、固定治具70は、検査窓50に対する埋め込み金具60の上下位置を調整する上下位置調整金具71と、上下位置調整金具71が収容される枠状の座金金具72と、架け渡し片73と、穴埋め金具74とを有する。
【0035】
上下位置調整金具71は、固定ボルト71dが螺合するとともに第二ボルト孔71eを備えた被引き込み片71cと、被引き込み片71cに対して交差した状態(図示例は直交している)で固定されている螺子棒71aと、螺子棒71aに螺合しているナット71bとを備えている。被引き込み片71cは、例えば鋼製で細長のプレートが曲げ加工されたコの字状を呈しており、このコの字の内部に螺子棒71aの端部が配設され、溶接により被引き込み片71cに固定されている。
【0036】
一方、枠状の座金金具72は、収容溝72eが開設されている頂面72aと、対向する一対の側面72bとを有し、その内部にスリット72cを有している。また、一対の側面72bにはいずれも差し込み開口72dが開設されており、双方の差し込み開口72dに架け渡し片73が差し込まれて一対の側面72bに架け渡されるようになっている。また、一対の側面72bの端辺にはそれぞれ、鍵状の係止溝72b'が間隔を置いて二つ設けられている。さらに、一方の側面72bには、側方に張り出す張り出し片72fが取り付けられており、張り出し片72fに開設されているボルト孔(図示せず)にはボルト72gが挿通されている。
【0037】
座金金具72のスリット72cに上下位置調整金具71が収容され、その際に、被引き込み片71cの一部が座金金具72のスリット72cから埋め込み金具60側に張り出すとともに、螺子棒71aが頂面72aに開設されている収容溝72eに嵌るようになっている。図3A及び図3Bに示すように、螺子棒71aが収容溝72eに嵌った状態において、ナット71bは頂面72aの上に位置しており、従って、ナット71bを左右に回して螺子棒71aに対するナット71bの相対位置を調整することにより、スリット72cの内部において被引き込み片71cの位置をX5方向に上下させることができる。
【0038】
検査窓50は、平面視矩形(正方形や長方形)でフラットなプレート51と、プレート51の外側輪郭に沿う枠52と、プレート51の内部に取り付けられている二条の係止桟53とを有する。図3Bに示すように、検査窓50の背面に座金金具72を取り付ける際に、二条の係止桟53に対して各側面72bの係止溝72b'が嵌るようになっている。
【0039】
また、図3Aに示すように、プレート51の左右には、平面視矩形の取り付け用開口54が開設され、この取り付け用開口54に跨るようにして座金金具72が配設されるようになっている。また、プレート51の中央位置には、平面視菱形の位置調整用開口55が開設されている。
【0040】
図2に戻り、埋め込み金具60は、フラットなプレート61と、プレート61の一方の側面に溶接等により接続されている複数のアンカー62と、プレート61の他方の側面にボルトを介して接続されている引き込みブラケット63とを有する。二つの引き込みブラケット63が、プレート61の他方の側面において、検査窓50の有するプレート51に開設されている左右の取り付け用開口54に対応する位置に設けられている。そして、取り付け用開口54を介して張り出す被引き込み片71cに開設されている第二ボルト孔71eと、引き込みブラケット63に開設されている第一ボルト孔63aが位置合わせされ、ボルト81が挿通されることにより、固定治具70と埋め込み金具60がボルト接合される。
【0041】
図4に示すように、埋め込み金具60が検査窓50に載置された際に、プレート61の中心C1とプレート51の中心C2がずれることがある。双方の中心C1,C2がずれているということは、点検口22に対する埋め込み金具60の設置位置がずれていることを意味する。そこで、埋め込み金具60と検査窓50には、このずれを特定する手段が備えられている。
【0042】
具体的には、埋め込み金具60の有するプレート61のトンネル側の背面に、位置調整用マーキング61a,61bが施されている。位置調整用マーキング61aはX軸線であり、位置調整用マーキング61bはY軸線であり、双方の交点がプレート61の中心C1となる。一方、検査窓50のプレート51に開設されている平面視菱形の位置調整用開口55は、水平方向の対角線55aと鉛直方向の対角線55bを有しており、それらの交点がプレート51の中心C2となる。
【0043】
そして、図4に示すように、埋め込み金具60が検査窓50に載置された際に、位置調整用開口55を介して位置調整用マーキング61a,61bがトンネルの内側から視認されるようになっている。
【0044】
プレート61の中心C1の対角線55aと対角線55bからのずれ量を計測することにより、検査窓50(もしくは点検口22)に対する埋め込み金具60の二次元的なずれ量を精度よく特定することが可能になる。図4では、一例として、横方向に+20mmずれ、高さ方向に+10mmずれている例を示している。
【0045】
このように、検査窓50に対して埋め込み金具60がずれている場合、まず、高さ方向のずれ量を解消する際は、ナット71bを左右に回して螺子棒71aに対するナット71bの相対位置を調整することにより、スリット72cの内部において被引き込み片71cの位置をX5方向に上下させる。この被引き込み片71cの上下移動により、被引き込み片71cを介して固定されている埋め込み金具60を上下させ、高さ方向のずれ量を解消することができる。
【0046】
一方、横方向のずれ量を解消する際は、例えば作業員が検査窓50と埋め込み金具60を横方向に移動させることにより、横方向のずれ量を解消することができ、高さ方向のずれ量の解消と相俟って、埋め込み金具60の二次元的なずれを解消することができる。
【0047】
図3Aに示すように、座金金具72の位置が多少ずれた場合でも被引き込み片71cを埋め込み金具60側に張り出させるべく、取り付け用開口54の幅は座金金具72の幅よりも余裕を持って広く加工されている。そのため、取り付け用開口54の背面に座金金具72が設置された状態において、座金金具72よりも内側(図3Aでは右側)と外側(図3Aでは左側)には、座金金具72にて閉塞されない余開口54a、54bが形成される。そのうち、内側の余開口54aは埋め込み金具60のプレート61にて閉塞されるが、外側の余開口54bはプレート61にて閉塞されないため、この余開口54bから打設空間Sに充填されたコンクリートが漏れる恐れがある。
【0048】
そこで、図5A及び図5Bに示すように、この余開口54bを閉塞するべく、穴埋め金具74を配設し、穴埋め金具74の背面を張り出し片72fで押さえ、双方に開設されているボルト孔(図示せず)にボルト72gを挿通してボルト固定する。尚、余開口54bの大きさは変化し得ることから、想定される複数種の寸法の穴埋め金具74を用意しておくのが好ましい。
【0049】
余開口54bが穴埋め金具74にて閉塞されたら、図6A及び図6Bに示すように、座金金具72の有する一対の側面72cに開設されている差し込み開口72dに対して、架け渡し片73を差し込んで一対の側面72c間に架け渡す。そして、上下位置調整金具71の有する固定ボルト71dを捻じ込んで架け渡し片73を押し込むことにより、固定治具70にて検査窓50に対して埋め込み金具60が固定される。
【0050】
固定治具70により検査窓50に対して埋め込み金具60を固定した後、図7に示すように、検査窓50から埋め込み金具位置決めゲージ56を取り外し、図8に示すように、スライドフレーム40に沿って検査窓50を点検口22にスライドさせる。そして、スライドレール41のピン孔44にピン82を差し込むことにより、移動台42の位置固定が図られて、所望位置に埋め込み金具60が設置される。
【0051】
ここで、図示例の埋め込み金具60の有するプレート61は、平坦なプレートである。点検口22に設置されるプレート61が平坦な場合、湾曲したスキンプレートを有するセントルフォーム20に設けられている点検口が同様に湾曲していると、平坦なプレート61を設置するのが難しく、また、設置した際に双方の間に隙間が生じる恐れがある。そこで、図示例では、湾曲したセントルフォーム20において、点検口22は平坦面の中に形成されている。この構成により、セントルフォーム20の点検口22に対して、埋め込み金具60の有する平坦なプレート61を、隙間なく精緻に設置することができる。
【0052】
所定数の埋め込み金具60が所定位置にある点検口22に設置された後、打設空間Sに対して、埋め込み金具60の存在しない他の点検口22を介してコンクリートが充填され、さらに他の点検口22を介してバイブレータ処理が行われることにより、覆工コンクリートが施工される。覆工用セントル100が移動すると、施工された覆工コンクリートの内周面の所定位置に設置されている埋め込み金具60を確認することができる。
【0053】
図示する覆工用セントル100によれば、セントルを用いてトンネル覆工を施工するに当たり、埋め込み金具60を所望位置に精度よく、効率的に設置することが可能になる。
【0054】
以上、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0055】
10:ガントリー、11:脚、20:セントルフォーム、21:フォーム、22:点検口、25:支保部材、30:吊りレール、32:チェーンブロック、40:スライドフレーム、41:スライドレール、42移動台、43:レバーホイスト、44:ピン孔、50:検査窓、51:プレート、52:枠、53:係止桟、54:取り付け用開口、54a,54b:余開口、55:位置調整用開口、56:埋め込み金具位置決めゲージ、60:埋め込み金具、61:プレート、61a:位置調整用マーキング(X軸線)、61b:位置調整用マーキング(Y軸線)、62:アンカー、63:引き込みブラケット、63a:第一ボルト孔、70:固定治具、71:上下位置調整金具、71a:螺子棒、71b:ナット、71c:被引き込み片、71d:固定ボルト、71e:第二ボルト孔、72:座金金具、72a:頂面、72b:側面、72c:スリット、72d:差し込み開口、72e:収容溝、72f:張り出し片、72g:ボルト、73:架け渡し片、74:穴埋め金具、81:ボルト、82:ピン、100:覆工用セントル、G:地盤、R:覆工用の鉄筋、S:打設空間、T:トンネル、C1、C2:中心
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6A
図6B
図7
図8