(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】幅木継ぎ目カバー、幅木構造体、幅木継ぎ目カバー装着方法、および、幅木構造体の施工方法
(51)【国際特許分類】
E04F 19/04 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
E04F19/04 101D
E04F19/04 101A
(21)【出願番号】P 2019211893
(22)【出願日】2019-11-24
【審査請求日】2020-11-19
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000204985
【氏名又は名称】大建工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】592048176
【氏名又は名称】ケージーパルテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119389
【氏名又は名称】門脇 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】川岸 克誠
(72)【発明者】
【氏名】後藤 正
【審査官】清水 督史
(56)【参考文献】
【文献】意匠登録第1517949(JP,S)
【文献】特開2016-084685(JP,A)
【文献】特開2000-087545(JP,A)
【文献】特開平11-081614(JP,A)
【文献】特開2014-070360(JP,A)
【文献】特開2016-191225(JP,A)
【文献】特開2017-179732(JP,A)
【文献】特開2013-019255(JP,A)
【文献】特開2001-065170(JP,A)
【文献】実開平06-001592(JP,U)
【文献】独国特許出願公開第102014116193(DE,A1)
【文献】意匠登録第1621524(JP,S)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 19/04
日本意匠分類 L6-50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側の幅木裏面、および互いに向き合う一対の幅木端面をそれぞれ有して直線上に位置する一対の幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーであって、
前記継ぎ目を覆って外側に露出するカバー表面および前記幅木表面に接するカバー裏面を有する被覆本体部と、前記カバー裏面から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記幅木裏面が有する裏溝へ伸びた平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記裏溝に挿入される平板状の裏平板部と、を備え、
前記カバー裏面は、前記幅木表面に接する平面部と、前記カバー表面の側へ凹んだ凹部と、を備え、
前記凹部は、前記平板突出部が突き出る連結部と、前記平面部から前記連結部にかけて傾斜した裏傾斜面と、を備え、
前記平板突出部は、前記幅木端面に沿う少なくとも一面の前記連結部の側で前記連結部を画定する画定傾斜面を備え、
前記平板突出部の板厚方向で規定される前記連結部の連結板厚は、前記平板突出部の突出板厚に比べて、半分以下であ
り、
前記平板突出部が前記連結部から除去されたとき、前記連結部のバリは前記カバー裏面の平面部より低い
、
ことを特徴とする幅木継ぎ目カバー。
【請求項2】
請求項1に記載の幅木継ぎ目カバーであって、
前記裏平板部は、一対の前記幅木の両方の側に位置するように前記平板突出部から左右両方に伸びている、
ことを特徴とする幅木継ぎ目カバー。
【請求項3】
露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側の幅木裏面、および互いに向き合う一対の幅木端面をそれぞれ有して直線上に位置する一対の幅木と、一対の前記幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーと、を備える幅木構造体であって、
前記幅木継ぎ目カバーは、請求項1または請求項2に記載の幅木継ぎ目カバーである、
ことを特徴とする幅木構造体。
【請求項4】
幅木表面、幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して前記幅木端面を向かい合わせて連結される第1幅木および第2幅木の継ぎ目に幅木継ぎ目カバーを装着する幅木継ぎ目カバー装着方法であって、
前記幅木継ぎ目カバーは、前記継ぎ目を覆う被覆本体部と、前記被覆本体部から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記継ぎ目に位置する平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記第2幅木の前記幅木裏面が有する裏溝に挿入される平板状の裏平板部と、を備えてあり、
前記第1幅木を取り付けて固定する工程と、
前記第2幅木の前記幅木表面と前記裏溝との間を前記被覆本体部と前記裏平板部とで挟んで前記平板突出部を前記幅木端面に沿わせて前記幅木継ぎ目カバーを前記第2幅木に取り付ける工程と、
前記幅木継ぎ目カバーを取り付けた前記第2幅木を前記第1幅木に互いの前記幅木端面を介して位置決めし、前記継ぎ目に前記幅木継ぎ目カバーを装着する工程と、を備えてあり、
前記幅木継ぎ目カバーは、請求項1または請求項2に記載の幅木継ぎ目カバーである、
ことを特徴とする幅木継ぎ目カバー装着方法。
【請求項5】
幅木表面、幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して前記幅木端面を向かい合わせて連結される第1幅木および第2幅木の継ぎ目に幅木継ぎ目カバーを装着する幅木継ぎ目カバー装着方法であって、
前記幅木継ぎ目カバーは、前記継ぎ目を覆う被覆本体部と、前記被覆本体部から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記継ぎ目に位置する平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記第2幅木の前記幅木裏面に沿って平板状に位置する裏平板部と、を備えてあり、
前記第1幅木および前記第2幅木をそれぞれ取り付けて固定する工程と、
前記幅木継ぎ目カバーの前記被覆本体部から前記平板突出部を除去する工程と、
前記被覆本体部のカバー裏面に接着部を形成する工程と、
前記接着部を有する前記被覆本体部が前記継ぎ目を覆うように第1幅木および前記第2幅木に前記被覆本体部を装着する工程と、を備えてあり、
前記幅木継ぎ目カバーは、請求項1または請求項2に記載の幅木継ぎ目カバーである、
ことを特徴とする幅木継ぎ目カバー装着方法。
【請求項6】
露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側に配置されて壁面に固定される幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して互いに連結される一対の第1幅木および第2幅木を備える幅木構造体における前記第1幅木と前記第2幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーを取り付ける幅木構造体の施工方法であって、
前記第1幅木を前記壁面に固定する工程と、
前記第1幅木の前記幅木端面に前記幅木継ぎ目カバーを取り付ける工程と、
前記幅木継ぎ目カバーを介して前記第2幅木を前記第1幅木に連結する工程と、
前記第2幅木を前記壁面に固定する工程と、を備えてあり、
前記幅木継ぎ目カバーは、請求項1または請求項2に記載の幅木継ぎ目カバーである、
ことを特徴とする幅木構造体の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直線上に位置する一対の幅木端面の間の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバー、本発明に係る幅木継ぎ目カバーを直線上に位置する一対の幅木端面の間の継ぎ目に適用した幅木構造体、本発明に係る幅木継ぎ目カバーを直線上に位置する一対の幅木に装着する幅木継ぎ目カバー装着方法、および、幅木構造体の施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、幅木継ぎ目カバーとして、一対の幅木が互いに交差するコーナーに対する幅木継ぎ目カバーが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。特許文献1(幅木コーナーカバー)、特許文献2(幅木コーナーカバー)のいずれも、本件出願人が出願したものである。
これらの先行特許における技術は、一対の幅木が交差することで生じたコーナーの継ぎ目を覆うことができる。したがって、幅木が形成するコーナーに対する化粧材としての美観と強度を確保している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-15146号公報
【文献】特開2019-19459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術は、直線上に位置する一対の幅木の間に生じる継ぎ目を覆うことはできないという課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、幅木表面、幅木表面の反対側の幅木裏面、および互いに向き合う一対の幅木端面をそれぞれ有する一対の幅木の継ぎ目を覆う汎用性のある幅木継ぎ目カバーを提供することを目的とする。
また、本発明は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを備えるので、構造の異なる多様な幅木構造体を確保しやすく、美観と強度を維持しやすい種々の幅木構造体を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを装着する幅木継ぎ目カバー装着方法を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成する幅木構造体の施工方法を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る幅木継ぎ目カバーは、露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側の幅木裏面、および互いに向き合う一対の幅木端面をそれぞれ有して直線上に位置する一対の幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーであって、前記継ぎ目を覆って外側に露出するカバー表面および前記幅木表面に接するカバー裏面を有する被覆本体部と、前記カバー裏面から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記幅木裏面が有する裏溝へ伸びた平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記裏溝に挿入される平板状の裏平板部と、を備え、前記カバー裏面は、前記幅木表面に接する平面部と、前記カバー表面の側へ凹んだ凹部と、を備え、前記凹部は、前記平板突出部が突き出る連結部と、前記平面部から前記連結部にかけて傾斜した裏傾斜面と、を備え、前記平板突出部は、前記幅木端面に沿う少なくとも一面の前記連結部の側で前記連結部を画定する画定傾斜面を備え、前記平板突出部の板厚方向で規定される前記連結部の連結板厚は、前記平板突出部の突出板厚に比べて、半分以下であり、前記平板突出部が前記連結部から除去されたとき、前記連結部のバリは前記カバー裏面の平面部より低い、ことを特徴とする。
本発明に係る幅木継ぎ目カバーは、平板突出部の有無に応じて異なる種類の継ぎ目に適用できる汎用性を有する。
【0006】
また、本発明の一実施の形態に係る幅木継ぎ目カバーでは、前記裏平板部は、一対の前記幅木の両方の側に位置するように前記平板突出部から左右両方に伸びている、ことを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係る幅木構造体は、露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側の幅木裏面、および互いに向き合う一対の幅木端面をそれぞれ有して直線上に位置する一対の幅木と、一対の前記幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーと、を備える幅木構造体であって、前記幅木継ぎ目カバーは、本発明に係る幅木継ぎ目カバーである、ことを特徴とする。
本発明に係る幅木構造体は、一対の幅木の継ぎ目をカバーする幅木継ぎ目カバーとして本発明に係る幅木継ぎ目カバーを備えるので、構造の異なる多様な幅木構造体を確保しやすく、美観と強度を維持しやすい種々の幅木構造体となる。
【0008】
また、本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、幅木表面、幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して前記幅木端面を向かい合わせて連結される第1幅木および第2幅木の継ぎ目に幅木継ぎ目カバーを装着する幅木継ぎ目カバー装着方法であって、前記幅木継ぎ目カバーは、前記継ぎ目を覆う被覆本体部と、前記被覆本体部から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記継ぎ目に位置する平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記第2幅木の前記幅木裏面が有する裏溝に挿入される平板状の裏平板部と、を備えてあり、前記第1幅木を取り付けて固定する工程と、前記第2幅木の前記幅木表面と前記裏溝との間を前記被覆本体部と前記裏平板部とで挟んで前記平板突出部を前記幅木端面に沿わせて前記幅木継ぎ目カバーを前記第2幅木に取り付ける工程と、前記幅木継ぎ目カバーを取り付けた前記第2幅木を前記第1幅木に互いの前記幅木端面を介して位置決めし、前記継ぎ目に前記幅木継ぎ目カバーを装着する工程と、を備えてあり、前記幅木継ぎ目カバーは、本発明に係る幅木継ぎ目カバーである、ことを特徴とする。
本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成するので、異なる構造の多様な幅木構造体を形成しやすい。
また、本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、幅木表面、幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して前記幅木端面を向かい合わせて連結される第1幅木および第2幅木の継ぎ目に幅木継ぎ目カバーを装着する幅木継ぎ目カバー装着方法であって、前記幅木継ぎ目カバーは、前記継ぎ目を覆う被覆本体部と、前記被覆本体部から前記幅木端面に沿う平板状に突き出て前記継ぎ目に位置する平板突出部と、前記平板突出部から続いて前記第2幅木の前記幅木裏面に沿って平板状に位置する裏平板部と、を備えてあり、前記第1幅木および前記第2幅木をそれぞれ取り付けて固定する工程と、前記幅木継ぎ目カバーの前記被覆本体部から前記平板突出部を除去する工程と、前記被覆本体部のカバー裏面に接着部を形成する工程と、前記接着部を有する前記被覆本体部が前記継ぎ目を覆うように第1幅木および前記第2幅木に前記被覆本体部を装着する工程と、を備えてあり、前記幅木継ぎ目カバーは、本発明に係る幅木継ぎ目カバーである、ことを特徴とする。
本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成するので、異なる構造の多様な幅木構造体を形成しやすい。
【0009】
また、本発明に係る幅木構造体の施工方法は、露出した幅木表面、前記幅木表面の反対側に配置されて壁面に固定される幅木裏面、および長さ方向の幅木端面をそれぞれ有し、直線上に位置して互いに連結される一対の第1幅木および第2幅木を備える幅木構造体における前記第1幅木と前記第2幅木の継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバーを取り付ける幅木構造体の施工方法であって、前記第1幅木を前記壁面に固定する工程と、前記第1幅木の前記幅木端面に前記幅木継ぎ目カバーを取り付ける工程と、前記幅木継ぎ目カバーを介して前記第2幅木を前記第1幅木に連結する工程と、前記第2幅木を前記壁面に固定する工程と、を備えてあり、前記幅木継ぎ目カバーは、本発明に係る幅木継ぎ目カバーである、ことを特徴とする。
本発明に係る幅木構造体の施工方法は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成するので、異なる内部構造を有する多様な幅木構造体を形成しやすい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る幅木継ぎ目カバーは、平板突出部を維持した状態と除去した状態との2つの状態を確保できるので、幅木の間の継ぎ目の状態に応じて対処できる汎用性のある幅木継ぎ目カバーとなる。
本発明に係る幅木構造体は、本発明に係る幅木継ぎ目カバーを適用されるので、異なる構造の多様な幅木構造体を確保しやすく、美観と強度を維持しやすい。
本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、本発明に係る幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成するので、異なる構造の多様な幅木構造体を形成しやすい。
本発明に係る幅木構造体の施工方法は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバーを適用した幅木構造体を形成するので、異なる内部構造を有する多様な幅木構造体を形成しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】本発明の実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバーを表面側上方から見た状態で示す斜視図である。
【
図1B】
図1Aに示した幅木継ぎ目カバーの正面を示す正面図である。
【
図1C】
図1Bに示した幅木継ぎ目カバーの右側面を示す右側面図である。
【
図1D】
図1Aに示した幅木継ぎ目カバーの平面を示す平面図である。
【
図2A】
図1Bの矢符号S2A-S2Aにおける幅木継ぎ目カバーの断面状態を示す断面図である。
【
図2B】
図2Aに示した幅木継ぎ目カバーの平板突出部を折って除去する断面状態を模式的に示す模式断面図である。
【
図2C】
図2Aに示した幅木継ぎ目カバーの変形例の断面状態を示す断面図である。
【
図2D】
図2Cに示した幅木継ぎ目カバーの平板突出部を折って除去する断面状態を模式的に示す模式断面図である。
【
図3A】本発明の実施の形態2に係る幅木構造体および幅木継ぎ目カバー装着方法における初めに固定された幅木(第1幅木)を斜め上方からみた状態で示す斜視図である。
【
図3B】
図3Aに示した幅木(第1幅木)に向かい合わせる第2幅木と幅木継ぎ目カバーとの準備工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【
図3C】
図3Bに示した第1幅木と幅木継ぎ目カバーが取り付けられた第2幅木との準備工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【
図3D】
図3Cに示した第1幅木と第2幅木との位置決め工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【
図3E】
図3Dに示した第1幅木に対する第2幅木が位置決めされて固定され、幅木構造体を形成する工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【
図4A】本発明の実施の形態3に係る幅木構造体および幅木継ぎ目カバー装着方法における予め固定された幅木(第1幅木および第2幅木)と、幅木に装着される幅木継ぎ目カバーの準備工程を斜め上方からみた状態で示す工程斜視図である。
【
図4B】
図4Aに示した第1幅木および第2幅木に幅木継ぎ目カバーが固定されて幅木構造体を形成した工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態1~実施の形態3について図面(
図1Aないし
図4B)を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1Aないし
図2Dを参照して、本実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1、幅木継ぎ目カバー1c、更には、被覆本体部10、被覆本体部10cについて説明する。
図1Aは、本発明の実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1を表面側上方から見た状態で示す斜視図である。
図1Bは、
図1Aに示した幅木継ぎ目カバー1の正面を示す正面図である。
図1Cは、
図1Bに示した幅木継ぎ目カバー1の右側面を示す右側面図である。
図1Dは、
図1Aに示した幅木継ぎ目カバー1の平面を示す平面図である。
図2Aは、
図1Bの矢符号S2A-S2Aにおける幅木継ぎ目カバー1の断面状態を示す断面図である。連結部14に続く画定傾斜面15sが平板突出部15の両面に形成された実施例を示す。
図2Bは、
図2Aに示した幅木継ぎ目カバー1の平板突出部15を折って除去する断面状態を模式的に示す模式断面図である。結果として、幅木継ぎ目カバー1c、被覆本体部10cが得られる。
図2Cは、
図2Aに示した幅木継ぎ目カバー1の変形例の断面状態を示す断面図である。連結部14に続く画定傾斜面15sが平板突出部15の一面のみに形成された実施例を示す。
図2Dは、
図2Cに示した幅木継ぎ目カバー1の平板突出部15を折って除去する断面状態を模式的に示す模式断面図である。結果として、幅木継ぎ目カバー1c、被覆本体部10cが得られる。
なお、説明の都合上、上記以外に実施の形態2の
図3A~
図3E、実施の形態3の
図4A、
図4Bを参照する。
【0013】
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー1は、露出した幅木表面51、幅木表面51の反対側の幅木裏面52、および互いに向き合う一対の幅木端面53をそれぞれ有する一対の幅木5の継ぎ目50を覆う(
図2A、
図2B、
図3A)。
幅木継ぎ目カバー1は、継ぎ目50を覆って外側に露出するカバー表面11および幅木表面51に接するカバー裏面12を有する被覆本体部10と、カバー裏面12から幅木端面53(
図3A)に沿う平板状に突き出て幅木裏面52が有する裏溝55(
図3A)へ伸びた平板突出部15と、平板突出部15から続いて裏溝55に挿入される平板状の裏平板部17と、を備え、カバー裏面12は、幅木表面51に接する平面部12sと、カバー表面11の側へ凹んだ凹部13とを備え、凹部13は、平板突出部15が突き出る連結部14を備える。
【0014】
(平板突出部15が除去された場合:幅木継ぎ目カバー1c、被覆本体部10c)
平板突出部15がカバー裏面12に対して折られて連結部14から分離除去されるとき、連結部14は、バリ14r(折れ残り屑)を生じやすい(
図2B、
図2D)。このとき、連結部14は、予め形成された凹部13に位置することから、カバー裏面12の平面部12sに対してバリ14rの高さを抑制しやすい。つまり、幅木継ぎ目カバー1c(平板突出部15が除去された状態の幅木継ぎ目カバー1を幅木継ぎ目カバー1cとすることがある。特に区別する必要が無いときは、幅木継ぎ目カバー1とする。)は、カバー裏面12におけるバリ14rの発生による影響を抑制しやすい。
また、幅木継ぎ目カバー1cは、カバー裏面12が有する平面部12sに対するバリ14rの影響を抑制するので、接着部20(
図4A)を介してカバー裏面12(被覆本体部10c(
図2B、
図2D))を幅木5に接着する場合の接着強度を確保しやすい。被覆本体部10から平板突出部15を除去した場合、被覆本体部10cとすることがある。
このため、カバー表面11の側から見たとき、バリ14rによるカバー表面11への目視上の影響および物理的な影響を抑制しやすく、幅木継ぎ目カバー1cは、化粧材としての美観と強度を維持しやすい。
【0015】
(平板突出部15が除去されない場合:幅木継ぎ目カバー1、被覆本体部10)
平板突出部15が除去されない状態では、被覆本体部10と裏平板部17との間に、幅木5が挿入される(
図2A、
図2B)ので、被覆本体部10は、幅木表面51を覆い、裏平板部17は、幅木裏面52の裏溝55に押し当てられる。つまり、被覆本体部10と裏平板部17とは、共同して幅木5を挟む。これにより、幅木継ぎ目カバー1は、継ぎ目50を覆い隠すことができ、安定性と美観とを確保しやすくなる。
【0016】
(平板突出部15の除去の有無による汎用性の確保)
上記のとおり、幅木継ぎ目カバー1は、平板突出部15の有無(平板突出部15を維持した状態での幅木継ぎ目カバー1、平板突出部15を除去した状態での幅木継ぎ目カバー1c)に応じて異なる種類の継ぎ目に適用できる汎用性を有する。
【0017】
凹部13(
図2B、
図2D)が有する連結部14(
図2A、
図2C)は、連結部14から離れた位置の平面部12sに対して凹んだ位置にある。このため、平板突出部15が折られて除去されたとき、連結部14に生じるバリ14rは、カバー裏面12の平面部12sに比べて飛び出さないようになる。つまり、バリ14rによる影響を抑制しやすい。
被覆本体部10の平面視での寸法(被覆高さH10(
図1C)および被覆幅W10(
図1B))は、対象とする幅木5の寸法に従って設定される。被覆高さH10は、幅木幅W5(幅木5の長さ方向と交差する縦方向の寸法。
図3A)に応じて例えば50mm程度、被覆幅W10(幅木5の長さ方向で継ぎ目50を覆う寸法)は、例えば10mm程度とされる。
被覆本体部10が有する板厚(被覆厚T10(
図2A、
図2C))は、約1mmであり、0.2mm程度の凹み深さD13(
図2B、
図2D)を有する凹部13は、被覆本体部10cの強度および視認性について影響を生じにくい。
幅木裏面52が有する裏溝55に挿入される裏平板部17は、裏溝55に収容される裏板幅W17(
図1C)と裏板厚T17(
図2B、
図2D)を有する。また、平板突出部15は、裏平板部17へ続くので、裏板幅W17と同一寸法の突出幅W15(
図1C)であることが好ましい。このため、突出幅W15および裏板幅W17は、例えば5mm程度とされる。
平板突出部15が2平面の間で有する突出板厚T15(
図2A、
図2C)は、例えば1.2mm程度、裏平板部17が有する裏板厚T17(
図2B、
図2D)は、例えば1mm程度である。このときの裏溝深さD55(
図3A)は、裏板厚T17に整合させた1mm程度であれば良い。つまり、裏溝深さD55は、裏板厚T17を収容しうる深さであれば良い。なお、裏溝55は、幅木裏面52の長さ方向に予め形成されて位置する。
【0018】
凹部13は、平面部12sに対して0.1mm~0.3mm程度の凹み深さD13を備える。
平板突出部15がカバー裏面12から除去された場合、連結部14に生じるバリ14rの高さは、例えばABS樹脂において、通常凹部13から0.1mm~0.3mm程度(更には0.2mm程度)まであり、凹み深さD13は、0.1mm~0.3mm程度であるから、カバー表面11の側から見た目視上の影響および物理的な影響を確実に抑制しやすい。凹み深さD13は、平面部12sを基準に連結部14において予め設定される。
凹部13は、平面部12sから連結部14にかけて傾斜した裏傾斜面13s(
図2B、
図2D)を備える。つまり、凹部13は、平面部12sから連結部14にかけて位置する裏傾斜面13sを備えるので、平板突出部15は、カバー裏面12(連結部14)に対して折れやすくなり、分離除去作業が容易になりやすい。なお、裏傾斜面13sは、平板突出部15の幅(突出幅W15)の範囲に整合して傾斜していれば良い。
【0019】
平板突出部15は、幅木端面53に沿う少なくとも一面の連結部14の側で連結部14を画定する画定傾斜面15sを備え、
平板突出部15の板厚方向で規定される連結部14の連結板厚T14(
図2A、
図2C)は、平板突出部15の突出板厚T15に比べて、半分以下であることが好ましい。突出板厚T15が例えば1.2mm程度のとき、連結板厚T14(くびれの最小値)は、例えば0.5mm程度が好ましい。
連結部14が有する連結板厚T14は、平板突出部15が2平面の間で有する突出板厚T15の半分以下であるので、裏平板部17の側で平板突出部15に外力を加えた場合、平板突出部15は、突出板厚T15より小さい連結板厚T14の連結部14で折れやすくなり、平板突出部15を被覆本体部10から容易に除去しやすい。
なお、
図2Dにおいて、平板突出部15の折り曲げ除去は、画定傾斜面15sのある側から反対側へ外力を加えて折り曲げた後、手前に引いて除去する状態を示す。
平板突出部15および裏平板部17が除去された幅木継ぎ目カバー1c(
図2B、
図2D)は、継ぎ目50の両側にある幅木5に対してカバー裏面12(被覆本体部10c)を直接的に接着できるので、平板突出部15を利用したときの幅木継ぎ目カバー装着方法(実施の形態2)とは異なる別の幅木継ぎ目カバー装着方法(実施の形態3)を提供できる。
【0020】
裏平板部17は、平板突出部15に対して90度以下の交差角α(
図2A、
図2C)を有する。
裏平板部17と平板突出部15との間の交差角αは、90度以下、つまり、90度あるいは90度より小さいので、裏平板部17は、被覆本体部10と共同して、確実に幅木裏面52を挟持しやすい。このため、幅木継ぎ目カバー1の装着における作業性を向上し、装着後の幅木継ぎ目カバー1の安定性を維持しやすい。なお、
図2A、
図2Cでは、交差角αの存在を示すため、90度より小さい値で示している。
裏平板部17は、幅木裏面52の側の先端を薄くした先端部18(
図1B、
図2A、
図2C)を有することが好ましい。
裏平板部17の裏溝55に向き合う側の先端は、先端を薄くした先端部18を有するので、裏平板部17は、幅木裏面52に対する嵌めこみが容易になりやすい。つまり、裏平板部17とカバー裏面12との間への幅木5の挿入と嵌め込みがしやすくなり、平板突出部15の連結部14からの折れを抑制しやすい。
本実施の形態では、裏平板部17は、図面上左側のみに位置する状態を示した。しかしながら、裏平板部17は、右側のみに位置する状態でも良い。更には、裏平板部17は、左右両方に伸びた状態でも良い。
つまり、裏平板部17は、一対の幅木5のいずれか一方の側にのみ位置すること、または、一対の幅木5の両方の側に位置することのいずれかが選択される。これにより、裏平板部17による強度、精度の許容範囲を自由に設定しやすくなる。
【0021】
先端部18は、先端での板厚を裏平板部17の根元側(平板突出部15の側)の板厚に対して、半分程度とすることが好ましい。
先端部18は、カバー表面11の側から見たとき、被覆本体部10より外側へ突出していることが好ましい(
図1B、
図2A、
図2C)。
先端部18は、被覆本体部10に比べて外側へ突出しているので、裏平板部17と被覆本体部10の間に幅木5の幅木端面53を容易に嵌め込みやすくなる。つまり、幅木裏面52の裏溝55への裏平板部17の挿入による被覆本体部10の継ぎ目50への配置(位置決め)がしやすくなる。
先端部18は、カバー表面11の側から見た面形状が円弧状であることが好ましい。先端部18は、被覆本体部10との間に幅木5が挿入され、幅木裏面52に向き合うとき、先端の面形状が円弧状であるので、円滑に嵌め込みされやすい。先端部18における円弧状は、半円状であれば、円滑性を確保しやすいので更に好ましい。
【0022】
被覆本体部10、平板突出部15、および裏平板部17は、一体のABS樹脂であることが好ましい。
被覆本体部10および平板突出部15は、一体のABS樹脂で形成されたとき、バリ14rの高さが0.1mm~0.3mm程度の範囲に収まりやすく、バリ14rの影響を回避しやすい。したがって、凹部13の深さは、カバー裏面12に対して0.1~0.3mm程度(更には0.2mm程度)が好ましい。
【0023】
[実施の形態2]
図3Aないし
図3Eを参照して、本実施の形態2に係る幅木構造体3、幅木継ぎ目カバー装着方法、および、幅木構造体の施工方法について説明する。本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー1は、実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1と同一である。実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付して適宜説明を省略する。なお、幅木継ぎ目カバー1については、図の分かり易さを考慮して図上の符号を適宜省略する。また、幅木5、第1幅木5f、第2幅木5sについては、幅木継ぎ目カバー1の見やすさを考慮して想像線(2点鎖線)で記載している。
図3Aは、本発明の実施の形態2に係る幅木構造体3および幅木継ぎ目カバー装着方法における初めに固定された幅木5(第1幅木5f)を斜め上方からみた状態で示す斜視図である。
図3Bは、
図3Aに示した幅木5(第1幅木5f)に向かい合わせる第2幅木5sと幅木継ぎ目カバー1との準備工程を斜め上方から見た分離状態で示す工程斜視図である。
図3Cは、
図3Bに示した第1幅木5fと幅木継ぎ目カバー1が取り付けられた第2幅木5sとの準備工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
図3Dは、
図3Cに示した第1幅木5fと第2幅木5sとの位置決め工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
図3Eは、
図3Dに示した第1幅木5fに対する第2幅木5sが位置決めされて固定され、幅木構造体3を形成する工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【0024】
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、幅木表面51、幅木裏面52、および長さ方向の幅木端面53をそれぞれ有し、幅木端面53を向かい合わせて連結される第1幅木5fおよび第2幅木5sの継ぎ目50に幅木継ぎ目カバー1を装着する。
幅木継ぎ目カバー1は、継ぎ目50を覆う被覆本体部10と、被覆本体部10から幅木端面53に沿う平板状に突き出て継ぎ目50に位置する平板突出部15と、平板突出部15から続いて第2幅木5sの幅木裏面52が有する裏溝55に挿入される平板状の裏平板部17と、を備えている(実施の形態1)。
【0025】
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、具体的に次の工程を備える。
まず、
図3Aに示されるとおり、第1幅木5fを壁面61(不図示)に取り付けて固定する工程が実施される。このとき、第1幅木5fの固定には、タッカー60が適用される。
次に、
図3Bおよび
図3Cに示されるとおり、第2幅木5sの幅木表面51と裏溝55との間を被覆本体部10と裏平板部17とで挟んで平板突出部15を幅木端面53に沿わせて幅木継ぎ目カバー1を第2幅木5sに取り付ける工程が実施される。
その後、
図3Dに示されるとおり、幅木継ぎ目カバー1を取り付けた第2幅木5sを第1幅木5fに互いの幅木端面53を介して位置決めし、継ぎ目50に幅木継ぎ目カバー1を装着する工程が実施される。なお、第2幅木5sの壁面61への固定は、タッカー60を適用して実施される。
【0026】
以上の工程により、
図3Eに示すとおり、幅木構造体3が完成する。なお、前記したとおり、幅木継ぎ目カバー1は、実施の形態1に記載の幅木継ぎ目カバー1である。
本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、第1幅木5fを第2幅木5sとは別に先行して位置決めするので自由度と精度の高い作業がしやすい。また、第2幅木5sの幅木端面53に幅木継ぎ目カバー1を取り付けるので、幅木継ぎ目カバー1は、第2幅木5sの幅木端面53から脱落しにくい。
この状況で、第1幅木5fに第2幅木5sを互いの幅木端面53を介して位置決めし、併せて、向かい合わせた幅木端面53の間の継ぎ目50に幅木継ぎ目カバー1を装着するので、幅木継ぎ目カバー装着方法は、作業性の向上と精度の向上を伴う幅木継ぎ目カバー1の装着がしやすい。
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法によれば、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバー1を適用した幅木構造体3を形成するので、異なる構造の多様な幅木構造体3を形成しやすい。また、対向する幅木端面53の間の継ぎ目幅W50(
図3E)が、平板突出部15の挿入ができる寸法(突出板厚T15)から被覆本体部10の被覆幅W10より小さい範囲までの間での幅木継ぎ目カバー1の装着方法として適用される。
【0027】
幅木構造体3は、露出した幅木表面51、幅木表面51の反対側の幅木裏面52、および互いに向き合う一対の幅木端面53をそれぞれ有する一対の幅木5と、一対の幅木5の継ぎ目50を覆う幅木継ぎ目カバー1と、を備える。
幅木継ぎ目カバー1は、実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1である。
幅木構造体3は、一対の幅木5の継ぎ目50をカバーする幅木継ぎ目カバー1として実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1を備えるので、構造の異なる多様な幅木構造体3を確保しやすく、美観と強度を維持しやすい種々の幅木構造体となる。
なお、本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法において、幅木構造体3については、幅木構造体3の施工方法としても抽出される。
すなわち、幅木構造体3の施工方法は、露出した幅木表面51、幅木表面51の反対側に配置されて壁面61に固定される幅木裏面52、および長さ方向の幅木端面53をそれぞれ有し、互いに連結される一対の第1幅木5fおよび第2幅木5sを備える幅木構造体3における第1幅木5fと第2幅木5sの継ぎ目を覆う幅木継ぎ目カバー1を取り付ける幅木構造体3の施工方法であって、次の工程を備える。なお、各工程については、
図3Aから
図3Eまでの記載を適宜援用し、具体的な別図面の記載は省略する。
つまり、第1幅木5fを壁面61に固定する工程と、第1幅木5fの幅木端面53に幅木継ぎ目カバー1(この工程では、
図3Bに示された幅木継ぎ目カバー1とは異なる。すなわち、図面上では少なくとも
図3Bの状態に対して逆方向に伸びた裏平板部17を有する形態の幅木継ぎ目カバー1が適用される)を取り付ける工程と、幅木継ぎ目カバー1(この工程では、前の工程で、第1幅木5fに予め装着された状態である)を介して第2幅木5sを第1幅木5fに連結する工程(幅木継ぎ目カバー1は、装着状態が
図3C、
図3Dの記載に対して逆の状態である)と、第2幅木5sを壁面61に固定する工程と、を備える。
また、本発明に係る幅木構造体3の施工方法は、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバー1を適用した幅木構造体3を形成するので、異なる内部構造(異なる幅木継ぎ目カバー1)を有する多様な幅木構造体3を形成しやすい。
【0028】
[実施の形態3]
図4Aおよび
図4Bを参照して、本実施の形態3に係る幅木構造体3c、および、幅木継ぎ目カバー装着方法について説明する。本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー1c(平板突出部15除去済み)は、実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1の平板突出部15を除去した点が異なるが、基本的な構造は実施の形態1の幅木継ぎ目カバー1cと同一である。実施の形態1と同一の部分については同一の符号を付して適宜説明を省略する。なお、幅木継ぎ目カバー1cについては、図の分かり易さを考慮して図上の符号を適宜省略する。また、幅木5、第1幅木5f、第2幅木5sについては、幅木継ぎ目カバー1cの見やすさを考慮して想像線(2点鎖線)で記載している。
図4Aは、本発明の実施の形態3に係る幅木構造体3cおよび幅木継ぎ目カバー装着方法における予め固定された幅木5(第1幅木5fおよび第2幅木5s)と、幅木5に装着される幅木継ぎ目カバー1cの準備工程を斜め上方からみた状態で示す工程斜視図である。
図4Bは、
図4Aに示した第1幅木5fおよび第2幅木5sに幅木継ぎ目カバー1cが固定されて幅木構造体3cを形成した工程を斜め上方から見た状態で示す工程斜視図である。
【0029】
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、幅木表面51、幅木裏面52、および長さ方向の幅木端面53をそれぞれ有し、幅木端面53を向かい合わせて連結される第1幅木5fおよび第2幅木5sの継ぎ目50に幅木継ぎ目カバー1cを装着する。
幅木継ぎ目カバー1cは、継ぎ目50を覆う被覆本体部10cと、被覆本体部10から幅木端面53に沿う平板状に突き出て継ぎ目50に位置する平板突出部15と、平板突出部15から続いて第2幅木5sの幅木裏面52に沿って平板状に位置する裏平板部17と、を備えている(実施の形態1)。本実施の形態では、工程の途中で、被覆本体部10が平板突出部15を除去された被覆本体部10cに加工して変更される。
【0030】
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、具体的に次の工程を備える。
まず、
図4Aに示されるとおり、第1幅木5fおよび第2幅木5sをそれぞれ取り付けて固定する工程が実施される。
図4Aでは、継ぎ目50(継ぎ目幅W50(
図3E))がほとんど無い状態を例示している。
本実施の形態は、第1幅木5fおよび第2幅木5sの間の継ぎ目幅W50が、平板突出部15の突出板厚T15より小さい場合に有効に適用できる。
次に、幅木継ぎ目カバー1の被覆本体部10から平板突出部15を除去する工程が実施される。この工程によって、幅木継ぎ目カバー1は幅木継ぎ目カバー1c、被覆本体部10は被覆本体部10cに加工される。
その後、被覆本体部10cのカバー裏面12に接着部20を形成する工程が実施される。接着部20としては、両面テープあるいは接着剤などが適用される。
更に、接着部20を有する被覆本体部10cが継ぎ目50を覆うように第1幅木5fおよび第2幅木5sに被覆本体部10cを装着する工程が実施される。
【0031】
以上の工程により、
図4Bに示すとおり、幅木構造体3cが完成する。なお、前記したとおり、幅木継ぎ目カバー1cは、実施の形態1に記載の幅木継ぎ目カバー1cである。
本発明に係る幅木継ぎ目カバー装着方法は、第1幅木5fおよび第2幅木5sを予め取り付けるので幅木継ぎ目カバー1の扱いを考慮せずに幅木5の固定作業ができる。第1幅木5fおよび第2幅木5sの間の継ぎ目50を被覆するように、接着部20を介して幅木継ぎ目カバー1cを装着するので、作業内容は簡略化されやすい。つまり、本幅木継ぎ目カバー装着方法は、作業性の向上と精度の向上を伴う幅木継ぎ目カバー1cの装着がしやすい。
本実施の形態に係る幅木継ぎ目カバー装着方法によれば、本発明に係る汎用性のある幅木継ぎ目カバー1c(幅木継ぎ目カバー1)を適用した幅木構造体3cを形成するので、異なる構造の多様な幅木構造体3、幅木構造体3cを形成しやすい。
幅木構造体3cは、露出した幅木表面51、幅木表面51の反対側の幅木裏面52、および互いに向き合う一対の幅木端面53をそれぞれ有する一対の幅木5と、一対の幅木5の継ぎ目50を覆う幅木継ぎ目カバー1cと、を備える。
幅木継ぎ目カバー1cは、実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1cである。
幅木構造体3cは、一対の幅木5の継ぎ目50をカバーする幅木継ぎ目カバーとして実施の形態1に係る幅木継ぎ目カバー1cを備えるので、構造の異なる多様な幅木構造体3cを確保しやすく、美観と強度を維持しやすい種々の幅木構造体となる。
【産業上の利用可能性】
【0032】
本発明は、幅木継ぎ目カバーが備える平板突出部の有無に応じて異なる継ぎ目幅を有する継ぎ目に適用できる汎用性を有するので、種々の形態の幅木構造体を実現できる。また、異なる態様の幅木継ぎ目カバー装着方法等を提供する。したがって、産業上の利用可能範囲を拡張できる。
【符号の説明】
【0033】
1、1c 幅木継ぎ目カバー
3、3c 幅木構造体
5 幅木
5f 第1幅木
5s 第2幅木
10、10c 被覆本体部
11 カバー表面
12 カバー裏面
12s 平面部
13 凹部
13s 裏傾斜面
14 連結部
14r バリ
15 平板突出部
15s 画定傾斜面
17 裏平板部
18 先端部
20 接着部
50 継ぎ目
51 幅木表面
52 幅木裏面
53 幅木端面
55 裏溝
60 タッカー
61 壁面(不図示)
D13 凹み深さ
D55 裏溝深さ
H10 被覆高さ
T10 被覆厚
T14 連結板厚
T15 突出板厚
T17裏板厚
W5 幅木幅
W10 被覆幅
W15 突出幅
W17 裏板幅
W50 継ぎ目幅
α 交差角