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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】OAタップ格納ボックス
(51)【国際特許分類】
   H02G 3/18 20060101AFI20221005BHJP
   H02G 3/38 20060101ALI20221005BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20221005BHJP
   H01R 13/46 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H02G3/18 050
H02G3/38 030
H02G11/00
H01R13/46 303D
H01R13/46 E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020016711
(22)【出願日】2020-02-04
(65)【公開番号】P2021125931
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2021-09-28
(73)【特許権者】
【識別番号】591198320
【氏名又は名称】株式会社TERADA
(73)【特許権者】
【識別番号】390014395
【氏名又は名称】株式会社三協リール
(74)【代理人】
【識別番号】100121496
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 重雄
(72)【発明者】
【氏名】大竹 宏和
(72)【発明者】
【氏名】高島 葵
(72)【発明者】
【氏名】平沢 隆之
【審査官】木村 励
(56)【参考文献】
【文献】特開昭62-44013(JP,A)
【文献】実開昭57-113624(JP,U)
【文献】特開平6-296316(JP,A)
【文献】特開2009-41336(JP,A)
【文献】特開平9-154212(JP,A)
【文献】特開2000-102145(JP,A)
【文献】特開昭52-10586(JP,A)
【文献】実開昭61-11280(JP,U)
【文献】特開2012-19937(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/18
H02G 3/38
H02G 11/00
H01R 13/46
E04H 15/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タップ本体にコードが接続されたOAタップを格納するOAタップ格納ボックスであって、
床面に設置され、ガイドレールが設けられた格納ボックス本体と、
前記格納ボックス本体内に設けられ、前記ガイドレールに従って走行する車輪を有すると共に、前記OAタップのコードが半周回されるコード引張移動ユニットと、
前記コード引張移動ユニットに連結され、前記OAタップのタップ本体を掴んでいない場合にはそのコードが前記格納ボックス本体内に格納されるように前記コード引張移動ユニットを付勢する付勢手段とを備えることを特徴とするOAタップ格納ボックス。
【請求項2】
請求項1記載のOAタップ格納ボックスにおいて、
前記付勢手段は、前記格納ボックス本体におけるOAタップのタップ本体が入出する前側板部から遠い後側板部側に設けられ、前記コード引張移動ユニットを前記格納ボックス本体の後側板部に向かって引っ張る定荷重バネであることを特徴とするOAタップ格納ボックス。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のOAタップ格納ボックスにおいて、
前記ガイドレールには、前記コード引張移動ユニットの車輪を上方から押える車輪上方押さえ部が設けられていることを特徴とするOAタップ格納ボックス。
【請求項4】
請求項1~請求項3のいずれか一の請求項に記載のOAタップ格納ボックスにおいて、
さらに、
前記格納ボックス本体には、前記コード引張移動ユニットの車輪と前記ガイドレールの間の接触部分の外側に回転可能に設けられ、その接触部分の外側をOAタップのコードが通るようOAタップのコードに接触し回転して案内するコード案内ローラーが設けられていることを特徴とするOAタップ格納ボックス。
【請求項5】
請求項1~請求項4のいずれか一の請求項に記載のOAタップ格納ボックスにおいて、
さらに、
前記格納ボックス本体の底板部上面には、前記ガイドレールと平行であって前記コード引張移動ユニットが通る頭上に複数の所定間隔で複数のロック爪が設けられ前記コード引張移動ユニットを複数のロック位置でロックするロック部と、ロック部が設けられず前記コード引張移動ユニットを素通りさせる所定長さのロック解除部とが直線状に交互に設けられたラチェット用ラック歯車が設けられている一方、
前記コード引張移動ユニットの上部にはスプリングによって前記ラチェット用ラック歯車のロック部に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪が設けられており、
前記OAタップのタップ本体を前記格納ボックス本体から任意の長さだけ引き出すことにより前記コード引張移動ユニットを前記ラチェット用ラック歯車のロック部の任意のロック位置でロックすることができる一方、前記コード引張移動ユニットを前記ラチェット用ラック歯車のロック解除部に位置させた後、前記OAタップのタップ本体から手を離すことにより前記OAタップを前記格納ボックス本体内に収容できるように構成されていることを特徴とするOAタップ格納ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、OAタップのコード等を格納するOAタップ格納ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、使用しない場合はタップ本体にコードが接続されたOAタップを床に設けたコンセントボックスに格納しておき、使用する場合にはコンセントボックスからOAタップのタップ本体を引き出すようにしたOAタップ格納ボックスが提案されている(例えば、特許文献1~4参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平4-35365号公報
【文献】実開平3-1624号公報
【文献】実開昭52-10586号公報
【文献】実開昭48-79294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしなら、上述の特許文献1~4に記載されたOAタップ格納ボックスでは、いずれも回転軸を中心に回転するコードリールでOAタップのコードを巻き取るように構成しているため、コードリールにおけるコードの巻き付け量が多い状態でOAタップにコンセントを接続して使用した場合、OAタップに接続した電気機器の電流値によってはコードリールに巻き付けた重なったコードが高熱を持つおそれがあるという問題がある。
【0005】
また、OAタップを使用しない場合は、OAタップのコードはコンセントボックス内でコードリールに巻き取られているため、コードに巻きグセが付き易く、コンセントボックスから引き出して使用した際、巻きグセの付いたコードが床に置かれることになり、足や物が引っ掛かったり、美観を損なうという問題もある。
【0006】
さらに、コードリールの回転軸が水平であるため、コードリールにコードを巻き付けていくと上下方向にコードが幾重にも重なり、OAタップ格納ボックスの高さによってはコードの巻き取り量すなわち長さが制限されるという問題もある。
【0007】
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、コードの引出し量が少ない状態でOAタップにコンセントを接続して使用した場合でも重なったコードが高熱を持つおそれがなく、かつ、コードに巻きグセが付き難く、さらにはOAタップ格納ボックスの高さによってコードの長さが制限されないOAタップ格納ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るOAタップ格納ボックスは、タップ本体にコードが接続されたOAタップを格納するOAタップ格納ボックスであって、床面に設置され、ガイドレールが設けられた格納ボックス本体と、前記格納ボックス本体内に設けられ、前記ガイドレールに従って走行する車輪を有すると共に、前記OAタップのコードが半周回されるコード引張移動ユニットと、前記コード引張移動ユニットに連結され、前記OAタップのタップ本体を掴んでいない場合にはそのコードが前記格納ボックス本体内に格納されるように前記コード引張移動ユニットを付勢する付勢手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係るOAタップ格納ボックスでは、前記付勢手段は、前記格納ボックス本体におけるOAタップのタップ本体が入出する前側板部から遠い後側板部側に設けられ、前記コード引張移動ユニットを前記格納ボックス本体の後側板部に向かって引っ張る定荷重バネであることも特徴とする。
また、本発明に係るOAタップ格納ボックスでは、前記ガイドレールには、前記コード引張移動ユニットの車輪を上方から押える車輪上方押さえ部が設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係るOAタップ格納ボックスでは、さらに、前記格納ボックス本体には、前記コード引張移動ユニットの車輪と前記ガイドレールの間の接触部分の外側に回転可能に設けられ、その接触部分の外側をOAタップのコードが通るようOAタップのコードに接触し回転して案内するコード案内ローラーが設けられていることも特徴とする。
また、本発明に係るOAタップ格納ボックスでは、さらに、前記格納ボックス本体の底板部上面には、前記ガイドレールと平行であって前記コード引張移動ユニットが通る頭上に複数の所定間隔で複数のロック爪が設けられ前記コード引張移動ユニットを複数のロック位置でロックするロック部と、ロック部が設けられず前記コード引張移動ユニットを素通りさせる所定長さのロック解除部とが直線状に交互に設けられたラチェット用ラック歯車が設けられている一方、前記コード引張移動ユニットの上部にはスプリングによって前記ラチェット用ラック歯車のロック部に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪が設けられており、前記OAタップのタップ本体を前記格納ボックス本体から任意の長さだけ引き出すことにより前記コード引張移動ユニットを前記ラチェット用ラック歯車のロック部の任意のロック位置でロックすることができる一方、前記コード引張移動ユニットを前記ラチェット用ラック歯車のロック解除部に位置させた後、前記OAタップのタップ本体から手を離すことにより前記OAタップを前記格納ボックス本体内に収容できるように構成されていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係るOAタップ格納ボックスでは、格納ボックス本体内に設けられ、ガイドレールに従って走行する車輪を有すると共に、OAタップのコードが半周回されるコード引張移動ユニットと、コード引張移動ユニットに連結され、OAタップが格納ボックス本体内に格納されるようにコード引張移動ユニットを付勢する付勢手段とを備える。
そのため、本発明に係るOAタップ格納ボックスによれば、コードリールのようにOAタップのコードを巻き取ってコードが弛まないようにするのではなく、OAタップのコードが半周回されたコード引張移動ユニットが付勢手段の付勢力に対向してガイドレールに従って走行してコードが弛まないようにする(コードの引出し量を調整する)ため、コードの引出し量が少ない状態でOAタップにコンセントを接続して使用した場合でも重なったコードが高熱を持つことを防止することができる。また、OAタップのコードをコードリールに幾重にも巻き付けないため、コードに巻きグセが付くことも防止することができる。さらに、本発明では、OAタップのコードを何重にも巻き付けるコードリールを備えないため、OAタップ格納ボックスの高さによってコードの長さが制限されることも防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの設置状況をOAフロアパネルと共に示す平面図である。
図2】(a),(b)それぞれOAタップ不使用時(待機時または収容時)の本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの上蓋板を外した状態を示す斜視図、上蓋板を取り付けた状態を示す斜視図である。
図3】(a),(b)それぞれOAタップのタップ本体引出し時の本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの上蓋板を外した状態を示す斜視図、OAタップ交換時の本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの上蓋板を外した状態を示す斜視図である。
図4】(a),(b)それぞれ本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの上蓋板を外した状態である内部構造を示す平面図、図4(a)におけるA-A線断面図である。
図5】本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスの上蓋板を外した状態の前側及び後側の要部拡大平面図である。
図6】(a),(b)それぞれ図5におけるB-B線断面図、C-C線断面図である。
図7】(a),(b)それぞれ図6(a)におけるD部分の拡大断面図、図6(b)におけるE部分の拡大断面図である。
図8】(a)~(c)それぞれ図5におけるF-F線断面図、図8(a)におけるG部分の拡大断面図、図8(a)におけるH部分の拡大断面図である。
図9】本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスにおけるOAタップ格納状態を示す要部断面図である。
図10】本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックスからOAタップのタップ本体を引き出した状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、本発明に係るOAタップ格納ボックスの実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。尚、以下に説明する実施の形態はあくまで本発明の一例であり、本発明が下記に説明する実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で適宜変更可能である。
【0012】
実施形態のOAタップ格納ボックス1は、図1図10に示すように床面Fより例えば100mm程度の所定の高さだけ嵩上げする周知のOAフロアパネル2の下の床面Fに設置して使用するもので、図9等に示すようにOAタップ3を使用しない場合にはOAタップ3全体をOAフロアパネル2下に設置したOAタップ格納ボックス1に格納(尚、タップ本体31はOAタップ格納ボックス1内に格納されず、後述するタップ本体傾斜待機板11e上に置かれる。)しておく一方、OAタップ3を使用する場合には図10等に示すように床面Fに固定されたOAタップ格納ボックス1からタップ本体31を引き出して使用するもので、格納ボックス本体11と、コード引張移動ユニット12と、付勢手段である公知の定荷重バネ13等を備えて構成される。
【0013】
そのため、タップ本体31およびコード32が引き出せるようにOAタップ3収納時にタップ本体31の頭上となるOAフロアパネル2’には開閉可能な開閉扉21’が設けられている。尚、OAフロアパネル2,2’およびOAタップ3は周知のもので、OAタップ3のタップ本体31の反対側、すなわちコード32の先端側にはコンセント33が設けられている。
【0014】
(格納ボックス本体11)
格納ボックス本体11は、床面Fに設置されてネジやアンカーボルト等により床面Fに固定されるもので、図2図4等に示すように長方形状の長尺の底板部11aと、底板部11aの左右両側それぞれを90度折り曲げ起こして設けた長尺側板部11b,11bと、底板部11aの後側を90度折り曲げ起こして設けた短尺の後側板部11cと、底板部11aの前側を90度折り曲げ起こして設けたU字形状の前側板部11dと、前側板部11dの凹部に連続して設けられ格納状態のタップ本体31が傾斜した状態で待機するタップ本体傾斜待機板11eと、ネジにより長尺側板部11b,11bに着脱自在で、タップ本体31が待機状態でも露出してタップ本体31をユーザが掴めるようにタップ本体傾斜待機板11e上方が切り欠かれた上蓋板11f等を備えている。
【0015】
底板部11aには、長尺側板部11b,11bに沿って(と平行に)一対のガイドレール11g,11gが設けられていると共に、ラチェット用ラック歯車11hが設けられている。
【0016】
ガイドレール11g,11gは、それぞれ、図7(a),(b)等に示すように格納ボックス本体11の底板部11aに固定される固定部11g1,11g1と、固定部11g1,11g1からほぼ90度の角度で折れ曲がり、コード引張移動ユニット12の後述する車輪12a1,12a1の高さよりやや高い高さまで起立した起立部11g2,11g2と、コード引張移動ユニット12の後述する車輪12a1,12a1を上方から押える車輪上方押さえ部11g3,11g3とを備えている。
【0017】
ラチェット用ラック歯車11hは、格納ボックス本体11の底板部11a上に設けられるもので、図4図5図8(a),(c)等に示すようにガイドレール11g,11gと平行であってコード引張移動ユニット12が通る頭上にコード引張移動ユニット12のラチェット用係合爪12eが係合する複数の所定間隔で複数のロック爪11h11が設けられ、コード引張移動ユニット12を複数のロック位置でロックするロック部11h1と、ロック部11h1が設けられずコード引張移動ユニット12を素通りさせる所定長さのロック解除部11h2が直線状に交互に設けられて構成されている。尚、コード引張移動ユニット12の移動ユニット本体12a下部には、後述するようにスプリング12dによって付勢されラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪12eが設けられている。
【0018】
そのため、ラチェット用ラック歯車11hは、OAタップ3のタップ本体31を格納ボックス本体11から任意の長さだけ引き出し、移動ユニット本体12aのラチェット用係合爪12eがロック部11h1に係合している場合は、コード引張移動ユニット12をラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1の任意のロック位置でロックすることができる一方、コード引張移動ユニット12をラチェット用ラック歯車11hのロック解除部11h2に位置させた後、OAタップ3のタップ本体31から手を離すと、定荷重バネ13の引張力がラチェット用係合爪12eに連結されているスプリング12dの引張力に打ち勝ってコード引張移動ユニット12を格納ボックス本体11の後側板部11c側に向かって引っ張り、OAタップ3のコード32等を格納ボックス本体11内に引き戻すことができる。
【0019】
また、底板部11aの後端側である後側板部11c側には、図4図5等に示すように、定荷重バネ13が巻き付けられたドラム13cのドラム軸13bを回転可能に支持する一対の定荷重バネ支持部11i,11iが設けられていると共に、底板部11aの先端側である前側板部11dには、タップ本体傾斜待機板11eの隣りにOAタップ3のコード32先端のコンセント33が連結される電源用ジョイントボックス11jが設けられている。尚、電源用ジョイントボックス11jの電源端子は、図4図5等に示すように前側板部11dに埋め込まれて外部に露出しており、電源コード11kによって床面F上を通って電源(図示せず。)に連結される。
【0020】
また、底板部11aの先端側である前側板部11dには、図4図6等に示すように、OAタップ3のタップ本体31から手を離した場合でも、タップ本体31が格納ボックス本体11内に引き込まれず、タップ本体傾斜待機板11eに待機できるようにコード32のみ通す幅で設けられた一対のタップ本体ストッパ11m,11mが設けられていると共に、コード引張移動ユニット12の車輪12a1,12a1とガイドレール11g,11gの車輪上方押さえ部11g3,11g3との間やラチェット用係合爪12eとラチェット用ラック歯車11hとの間にOAタップ3のコード32を挟まらず、かつ、OAタップ3のコード32の引出負荷を低減等するため、OAタップ3のコード32がコード引張移動ユニット12の車輪12aとガイドレール11g,11gの間の接触部分の外側に回転可能に設けられ、その接触部分の外側をOAタップ3のコード32が円滑に通るようOAタップ3のコード32に接触し回転して案内するコード案内ローラー11nも設けている。
【0021】
ここで、タップ本体ストッパ11m,11mおよびコード案内ローラー11nは、格納ボックス本体11の底板部11aに対し着脱可能に設けており、図3(b)に示すようにタップ本体ストッパ11m,11mおよびコード案内ローラー11nを格納ボックス本体11の底板部11aから取外して古くなったOAタップ3や故障したOAタップ3を取り出し、新しいOAタップ3に交換することができる。
【0022】
長尺側板部11b,11bには、それぞれ、図2図5等に示すように、その一部を切り欠いて底板部11aと面一で外側に突出して、格納ボックス本体11を床面Fに固定するためのアンカーネジが挿入されるアンカー孔が形成されたアンカー挿入片11b1,11b1が設けられていると共に、上端部から内側に突出して折り曲げられ上蓋板11fを固定するためのネジが挿入されるネジ孔が形成されたネジ挿入片11b2,11b2が設けられている。
【0023】
(コード引張移動ユニット12)
コード引張移動ユニット12は、格納ボックス本体11内に設けられ、ガイドレール11g,11gに従って走行する車輪12a1,12a1が設けられた移動ユニット本体12aと、移動ユニット本体12aに鉛直方向に延びる回転軸12bを介し床面Fと平行な面内で回転可能に設けられ、OAタップ3のコード32が半周回され、コード32を引っ張るコードプーリ12cが設けられている。
【0024】
そして、移動ユニット本体12aの下部には,後述するようにスプリング12dによって付勢されラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪12eが設けられている。また、移動ユニット本体12aは、図8(a),(b)等に示すように定荷重バネ固定ピン12fによって定荷重バネ13先端部が連結されており、格納ボックス本体11の後側板部11cの方向に一定の引張力で常時引っ張られるように構成されている。
【0025】
(定荷重バネ13)
定荷重バネ13は、公知のもので、ゼンマイバネ13a先端をコード引張移動ユニット12に連結して、OAタップ3のタップ本体31を掴んでいない場合には、タップ本体31がタップ本体傾斜待機板11e上に位置するようにコード引張移動ユニット12を引張力で格納ボックス本体11の後側板部11cの方向へ引っ張り付勢する付勢手段として設けるもので、図8(a),(b)等に示すように格納ボックス本体11におけるOAタップ3のタップ本体31が入出する前側板部11d側から遠い側の後側板部11cまたはその近傍に設けられた定荷重バネ支持部11i,11i間に回動可能に支持されたゼンマイシャフト13bを有し、ゼンマイシャフト13bの周りにゼンマイバネ13aが巻き付けられたゼンマイドラム13cから構成されており、OAタップ3のタップ本体31が入出する前側板部11d側から遠ざかる方向に定荷重でコード引張移動ユニット12を引っ張るように構成されている。尚、ゼンマイバネ13aは薄手であるため、ゼンマイシャフト13bの周りに巻き付けられても、従来のコードリールに巻き付けたコードのように厚くならない。
【0026】
<実施形態のOAタップ格納ボックス1の動作>
次に、以上のように構成された実施形態のOAタップ格納ボックス1の動作について説明する。
【0027】
(OAタップ3の不使用時)
OAタップ3の不使用時は、図2図9等に示すように、ユーザはOAタップ3のタップ本体31をOAタップ格納ボックス1から引き出していないため、コード引張移動ユニット12は定荷重バネ13によって格納ボックス本体11の後側板部11c近くまで引っ張られ、OAタップ3のコード32は格納ボックス本体11内に収容され、OAタップ3のタップ本体31は格納ボックス本体11のタップ本体傾斜待機板11e上に位置している。
【0028】
(OAタップ3の使用時)
OAタップ3を使用する場合には、図10等に示すようにOAフロアパネル2’の開閉扉21’を開け、その下の床面Fに固定されたOAタップ格納ボックス1からタップ本体31を手で掴み、タップ本体31を引き出すと、タップ本体31に接続されたコード32はコード引張移動ユニット12のコードプーリ12cに半周回されていると共に、タップ本体31とは反対側に設けられたコンセント33は格納ボックス本体11の前側板部11d側に設けられている電源用ジョイントボックス11jに接続されているため、タップ本体31の引出しに伴ってコード32も引き出されてコードプーリ12cが回転し、コード引張移動ユニット12はガイドレール11g,11gに沿ってコード入出口側である格納ボックス本体11の前側板部11dの方へ近付いていく。
【0029】
その際、コード引張移動ユニット12は定荷重バネ13によって格納ボックス本体11の後側板部11cに向かって常に引っ張られているため、ユーザがOAタップ3のタップ本体31を引き出すと、OAタップ3のコード32が半周回されたコードプーリ12cを有するコード引張移動ユニット12が格納ボックス本体11の前側板部11dの方に向かってレール11g,11gに従って走行しながらコード32が弛まないようにテンションを付加しながらタップ本体31を引き出すことが可能となる。
【0030】
また、コード引張移動ユニット12の車輪12aとガイドレール11g,11gの間の接触部分の外側にコード案内ローラー11nを回転可能に設けており、コード案内ローラー11nによってOAタップ3のコード32が車輪12a1,12a1とガイドレール11g,11gの間やラチェット用係合爪12eとラチェット用ラック歯車11hとの間に挟まらないように案内するため、コード引張移動ユニット12を円滑に走行させ、コード32を小さい負荷で出し入れすることができる。
【0031】
さらに、格納ボックス本体11の底板部11a上にはロック部11h1とロック解除部11h2とを交互に有するラチェット用ラック歯車11hが設けられており、コード引張移動ユニット12の移動ユニット本体12a下部にはスプリング12dによって付勢されラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪12eが設けられているため、OAタップ3のタップ本体31を格納ボックス本体11から任意の長さだけ引き出し、移動ユニット本体12aのラチェット用係合爪12eがロック部11h1に係合させると、コード引張移動ユニット12をラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1の任意のロック位置でロックするので、コード32が格納ボックス本体11内に戻らないようにした状態でタップ本体31を使用することができる。
【0032】
(OAタップ3の使用が終了した場合)
そしてOAタップ3の使用が終了した場合、ユーザはOAタップ3のタップ本体31を掴んで少し引き出してコード引張移動ユニット12のラチェット用係合爪12eをラチェット用ラック歯車11hのロック解除部11h2に位置させ、OAタップ3のタップ本体31から手を離すと、定荷重バネ13の引張力によってコード引張移動ユニット12が格納ボックス本体11の後側板部11c側に向かって引っ張られ、OAタップ3のコード32等を格納ボックス本体11内に引き戻すことができる。尚、OAタップ3のタップ本体31は、初期位置であるタップ本体傾斜待機板11e上に戻ることになる。
【0033】
(OAタップ3の交換)
OAタップ格納ボックス1内に収納していたいOAタップ3のタップ本体31が故障したりコード32が断線する等して新しいOAタップ3に交換する場合は、OAタップ格納ボックス1上方のOAフロアパネル2’やOAフロアパネル2を取り外した後、OAタップ格納ボックス1の上蓋板11fを取り外し、図3(b)に示すように底板部11aに着脱可能に設けられているタップ本体ストッパ11m,11mおよびコード案内ローラー11nを取り外して、古いOAタップ3を取り外して新しいOAタップ3に交換し、再度、OAタップ格納ボックス1の底板部11aにタップ本体ストッパ11m,11mおよびコード案内ローラー11nを取付け、図2(a)や図3(a)、図4(a)、図5等に示すように一対のタップ本体ストッパ11m,11mでコード32のみを通すと共に、コード案内ローラー11nによりコード引張移動ユニット12の車輪12a1,12a1とガイドレール11g,11gの車輪上方押さえ部11g3,11g3との間やラチェット用係合爪12eとラチェット用ラック歯車11hとの間にOAタップ3のコード32を挟まないようにそれらの接触部分の外側を回す。その後は、OAタップ格納ボックス1の上蓋板11fを取り付ければOAタップ3の交換が完了する。
【0034】
<実施形態のOAタップ格納ボックス1のまとめ>
従って、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、格納ボックス本体11内に設けられ、ガイドレール11g,11gに従って走行する車輪12a1,12a1を有すると共に、OAタップ3のコード32が半周回されるコード引張移動ユニット12と、コード引張移動ユニット12に連結され、手を離すとOAタップ3が格納ボックス本体11内に格納されるようにコード引張移動ユニット12を付勢する付勢手段である定荷重バネ13とを備える。
【0035】
そのため、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1によれば、コードリールのようにOAタップ3のコード32を巻き取ってコード32が弛まないようにするのではなく、OAタップ3のコード32が半周回されたコード引張移動ユニット12が付勢手段である定荷重バネ13の引張力に対向してガイドレール11g,11gに従って走行してコード32が弛まないようにする(コード32の引出し量を調整する)ので、コード32の引出し量が少ない状態でOAタップ3にコンセントを接続して使用した場合でも重なったコード32が高熱を持つことを防止することができる。
【0036】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、OAタップ3のコード32をコードリールに幾重にも巻き付けないため、コード32に巻きグセが付くことも防止することができ、コード32をOAフロアパネル2の上に引き出した場合でもコード32が曲がらず、美観も向上させることができる。
【0037】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、水平回転軸を有するコードリールを備えないため、OAタップ格納ボックス1の高さによってコード32の長さが制限されることも防止できる。
【0038】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、付勢手段は、格納ボックス本体11におけるOAタップ3のタップ本体31が入出する前側板部11d側から遠い後側板部11c側に設けられ、コード引張移動ユニット12を定荷重で格納ボックス本体11の前側板部11d側から遠ざかる後側板部11c側に向かって引っ張る定荷重バネ13としている。
【0039】
そのため、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1によれば、OAタップ3のタップ本体31を引き出す際、手に伝わる引張力(抵抗力)は常時一定となるので、使用勝手を向上させることができる。
【0040】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、ガイドレール11g,11gには、コード引張移動ユニット12の車輪12a1,12a1を上方から押える車輪上方押さえ部11g3,11g3を設けている。
【0041】
そのため、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1によれば、OAタップ3のタップ本体31を斜め上方に向かって引っ張ってコード引張移動ユニット12を手前側に走行させても、コード引張移動ユニット12の車輪12a1,12a1はガイドレール11g,11gの車輪上方押さえ部11g3,11g3によって上方から押えられ浮き上がりを防止して、ガイドレール11g,11gからの脱線を確実に防止することができると共に、コード引張移動ユニット12を円滑に走行させてコード32を出し入れすることが可能となる。
【0042】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、OAタップ3のコード32がコード引張移動ユニット12の車輪12aとガイドレール11g,11gの間の接触部分の外側に回転可能に設けられ、その接触部分の外側をOAタップ3のコード32が円滑に通るようOAタップ3のコード32に接触し回転して案内するコード案内ローラー11nも設けている。
【0043】
そのため、OAタップ3のタップ本体31を引き出してコード引張移動ユニット12をガイドレール11g,11gに従って走行させた場合でも、OAタップ3のコード32が車輪12a1,12a1とガイドレール11g,11gの間やラチェット用係合爪12eとラチェット用ラック歯車11hとの間に挟まること等を防止できるので、コード引張移動ユニット12のガイドレール11g,11gからの脱線を確実に防止することができると共に、コード引張移動ユニット12を円滑に走行させてコード32を出し入れすることが可能となる。
【0044】
また、コード案内ローラー11nは、コード引張移動ユニット12の車輪12aとガイドレール11g,11gの間の接触部分の外側に回転可能に設けられており、OAタップ3のコード32の引出し時や戻り時に回転して負荷を低減するため、この点でもコード引張移動ユニット12を円滑に走行させてコード32を出し入れすることが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る実施形態のOAタップ格納ボックス1では、さらに、格納ボックス本体11の底板部上面には、ガイドレール11g,11gと平行であってコード引張移動ユニット12が通る頭上に複数の所定間隔で複数のロック爪11h11が設けられコード引張移動ユニット12を複数のロック位置でロックするロック部11h1と、ロック爪11h11を備えないコード引張移動ユニット12を素通りさせる所定長さのロック解除部11h2とが直線状に交互に設けられたラチェット用ラック歯車11hを設ける一方、コード引張移動ユニット12の上部にはスプリングによってラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1に係合・離脱を繰り返すラチェット用係合爪12eを設けている。
【0046】
そのため、OAタップ3のタップ本体31を格納ボックス本体11から任意の長さだけ引き出すことによりコード引張移動ユニット12をラチェット用ラック歯車11hのロック部11h1の任意のロック位置でロックすることができる一方、コード引張移動ユニット12をラチェット用ラック歯車11hのロック解除部11h2に位置させた後、OAタップ3のタップ本体31から手を離すことによりOAタップ3のコード32等を格納ボックス本体11内に格納することが可能となり、この点でも使用勝手を向上させることができる。
【符号の説明】
【0047】
1 OAタップ格納ボックス
11 格納ボックス本体
11a 底板部
11b,11b 長尺側板部
11c 後側板部
11d 前側板部
11e タップ本体傾斜待機板
11f 上蓋板
11g,11g ガイドレール
11g1,11g1 固定部
11g2,11g2 起立部
11g3,11g3 車輪上方押さえ部
11h ラチェット用ラック歯車
11h1 ロック部
11h11 ロック爪
11h2 ロック解除部
11i,11i 定荷重バネ支持部
11j 電源用ジョイントボックス
11k 電源コード
11m,11m タップ本体ストッパ
11n コード案内ローラー
12 コード引張移動ユニット
12a 移動ユニット本体
12a1,12a1 車輪
12b 回転軸
12c コードプーリ
12d スプリング
12e ラチェット用係合爪
12f 定荷重バネ固定ピン
13 定荷重バネ
13b ドラム軸
13c ドラム
2,2’ OAフロアパネル
21 開閉扉
3 OAタップ
31 タップ本体
32 コード
33 コンセント
F 床面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10