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特許7152743商品販売データ処理装置、システム、方法、及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】商品販売データ処理装置、システム、方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20221005BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221005BHJP
【FI】
G07G1/12 321M
G07G1/12 321K
G06Q30/02 320
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018083077
(22)【出願日】2018-04-24
(65)【公開番号】P2019191867
(43)【公開日】2019-10-31
【審査請求日】2021-04-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000145068
【氏名又は名称】株式会社寺岡精工
(74)【代理人】
【識別番号】100103872
【弁理士】
【氏名又は名称】粕川 敏夫
(74)【代理人】
【識別番号】100088856
【弁理士】
【氏名又は名称】石橋 佳之夫
(74)【代理人】
【識別番号】100149456
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 喜幹
(74)【代理人】
【識別番号】100194238
【弁理士】
【氏名又は名称】狩生 咲
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 文克
【審査官】竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-149487(JP,A)
【文献】特開2017-199198(JP,A)
【文献】特開2008-225540(JP,A)
【文献】特開2017-211698(JP,A)
【文献】特開2007-183841(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00 - 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理手段と、
前記登録処理手段により登録した商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理手段と、
前記判別処理手段が、前記登録処理手段により登録した商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別した場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付手段と、
記商品に対し、前記選択受付手段により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理手段と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのうち、いずれかの優遇サービスが適用されるまでは、現計操作を行えないように制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする商品販売データ処理装置。
【請求項2】
購入対象商品として商品を登録する登録装置と、登録された購入対象商品の精算を実行する精算装置によって構成されたシステムであって、
前記登録装置は、
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理手段と、
前記登録処理手段により登録した商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービス適用可能であるか否かを判別する判別処理手段と、
前記判別処理手段が、前記登録処理手段により登録した商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別した場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付手段と、
記商品に対し、前記選択受付手段により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理手段と、
前記精算装置に対し、前記登録処理手段により登録した商品と前記適用処理手段で適用した優遇サービスに係る情報を送信する送信手段と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのいずれかの優遇サービスが適用されるまで、前記送信手段による送信を禁止する制御手段と、を備え、
前記精算装置は、
前記送信手段で送信された商品と優遇サービスに係る情報を受信する受信手段と、を備える、
ことを特徴とするシステム。
【請求項3】
購入対象商品として商品を登録する登録装置であって、
登録された購入対象商品の精算を実行する精算装置とシステムを構成し、
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理手段と、
前記登録処理手段により登録した商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理手段と、
前記判別処理手段が、前記登録処理手段により登録した商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別した場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記商品に対し、前記選択受付手段により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理手段と、
前記精算装置に対し、前記登録処理手段により登録した商品と前記適用処理手段で適用した優遇サービスに係る情報を送信する送信手段と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのいずれかの優遇サービスが適用されるまで、前記送信手段による送信を禁止する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする登録装置。
【請求項4】
購入対象商品として登録された商品の精算処理を行う精算装置であって、
購入対象商品として商品を登録する登録装置とシステムを構成し、
前記登録装置から、前記購入対象商品として登録された商品の精算情報を受信する受信手段と、
前記購入対象商品として登録された商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理手段と、
前記判別処理手段が、前記登録装置で登録された商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別した場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付手段と、
前記商品に対し、前記選択受付手段により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理手段と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのうち、いずれかの優遇サービスが適用されるまでは、現計操作を行えないように制御する制御手段と、を備える、
ことを特徴とする精算装置。
【請求項5】
ンピュータに対し、
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理と、
前記登録処理により登録された商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービス適用可能であるか否かを判別する判別処理と、
前記判別処理において、前記登録処理により登録された商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能である商品であると判別された場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付処理と、
記商品に対し、前記選択受付処理により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのうち、いずれかの優遇サービスが適用されるまでは、現計操作を行えないように制御する制御処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項6】
購入対象商品として商品を登録する登録装置と、登録された購入対象商品の精算を実行する精算装置によって構成されたシステムを機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記登録装置に対し、
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理と、
前記登録処理により登録された商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理と、
前記判別処理において、前記登録処理により登録された商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別された場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付処理と、
前記商品に対し、前記選択受付処理により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理と、
前記精算装置に対し、前記登録処理により登録された商品と前記適用処理で適用された優遇サービスに係る情報を送信する送信処理と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのいずれかの優遇サービスが適用されるまで、前記送信処理による送信を禁止する制御処理と、実行させ、
前記精算装置に対し、
前記送信処理で送信された商品と優遇サービスとに係る情報を受信する受信処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項7】
コンピュータを、登録された購入対象商品の精算を実行する精算装置とシステムを構成し、購入対象商品として商品を登録する登録装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに対し、
顧客が購入する商品を購入対象商品として登録する登録処理と、
前記登録処理により登録された商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理と、
前記判別処理において、前記登録処理により登録された商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別された場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付処理と、
前記商品に対し、前記選択受付処理により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理と、
前記精算装置に対し、前記登録処理により登録された商品と前記適用処理で適用された優遇サービスに係る情報を送信する送信処理と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのいずれかの優遇サービスが適用されるまで、前記送信処理による送信を禁止する制御処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【請求項8】
コンピュータを、購入対象商品として商品を登録する登録装置とシステムを構成し、購入対象商品として登録された商品の精算処理を行う精算装置として機能させるためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータに対し、
前記登録装置から、前記購入対象商品として登録された商品の精算情報を受信する受信処理と、
前記購入対象商品として登録された商品について、所定の適用条件に応じた複数の優遇サービスが適用可能であるか否かを判別する判別処理と、
前記判別処理において、前記登録装置で登録された商品が前記複数の優遇サービスの適用が可能な商品であると判別された場合に、前記商品について、前記複数の優遇サービスのうち、所定の優遇サービスの選択を受け付ける選択受付処理と、
前記商品に対し、前記選択受付処理により受け付けた前記優遇サービスを適用する適用処理と、
前記複数の優遇サービスのいずれも適用されない場合、前記複数の優遇サービスのうち、いずれかの優遇サービスが適用されるまでは、現計操作を行えないように制御する制御処理と、を実行させる、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の条件と満たす商品の購入に対し、複数の優遇サービスを選択的に提供する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、売り切り商品は特売金額などの割引きを行うことで販売の促進が図られ、一般客も会員と同様に、このような割引サービスを受けていた。
例えば、特許文献1では、食材の廃棄ロス削減に貢献できると共に、顧客メリットも実現可能なポイント付与システムであって、ポイント算出端末は、複数のメニューと、各メニューに使用される食材とを関連付けたレシピマスタと、複数の食材と、各食材の消費期限とを関連付けた食材在庫マスタと、レシピマスタに記録されている各メニューについて、当該各メニューがオーダーされた場合に付与されるメニューポイントを、各メニューに使用される1以上の食材と、食材在庫マスタの参照結果である各食材の消費期限とに基づいて算出する手段と、オーダリング端末に入力された1以上のメニューを取得する手段と、取得した1以上のメニューのメニューポイントの合計に基づいて、顧客のオーダーに対して付与されるオーダーポイントを算出するものが提案されている。
また特許文献2では、ポイントカードを利用して商品を購入する時、商品ごとに記憶されているポイントデータと、特定の条件に応じた加算データをポイントカードに記憶させることにより、利用者にさらに得をした感覚を与える装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2008-257496号公報
【文献】特開2000-259898号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、これらの技術は、一般客にも会員にも同様のサービスが提供されるに過ぎず、会員は優位性を感じることはあまりなかった。また、単に割引などのサービスを提供するだけでは、必ずしも顧客に魅力的なサービスを提供できているとは言えなかった。
【0005】
そこで本発明は、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供することにより、当該商品の販売促進を図ることを目的の一つとする。また、優遇サービスを受けられる顧客を所定の会員に限定することにより、一般客と会員との差別化を図ることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る商品販売データ処理装置は、顧客が購入する購入対象商品の販売処理を実行する商品販売データ処理システムであって、前記購入対象商品に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提供するための適用条件を記憶する適用条件記憶手段と、前記購入対象商品について、前記適用条件に合致し、前記優遇サービスの適用を受けられる適用対象商品であるか否かを判別する判別処理手段と、前記適用対象商品について、前記複数の優遇サービスを選択可能に提示するサービス提示手段と、前記適用対象商品に対し、選択された前記優遇サービスを適用する適用処理手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供することにより、当該商品の販売促進を図ることができる。また、優遇サービスを受けられる顧客を所定の会員に限定することにより、魅力的なサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタが備える機能を示した機能ブロック図である。
図2】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタにおいて、適用条件記憶部に記憶されるデータの一例を示した図である。
図3】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタにおける出力画面の一例である。
図4】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタにおける出力画面の一例である。
図5】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図6】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図7】本発明の第一の実施形態に係るPOSレジスタにおける出力画面の一例である。
図8】本発明の第二の実施形態に係るPOSレジスタによって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図9】本発明の第二の実施形態に係るPOSレジスタにおける出力画面の一例である。
図10】本発明の第三の実施形態に係る商品販売データ処理システムにおいて、登録装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
図11】本発明の第三の実施形態に係る商品販売データ処理システムにおいて、精算装置が備える機能を示した機能ブロック図である。
図12】本発明の第三の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、登録装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図13】本発明の第三の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、精算装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図14】本発明の第四の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、登録装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図15】本発明の第四の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、精算装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図16】本発明の第五の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、登録装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図17】本発明の第五の実施形態に係る商品販売データ処理システムに関して、精算装置によって実行される処理の流れを示した処理フロー図である。
図18】本発明の他の実施形態におけるシステム構成を模式的に示した模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る商品販売データ処理システムについて、図を参照して説明する。
本実施形態に係る商品販売データ処理システムは、顧客が購入する購入対象商品の販売処理を実行するシステムであって、所謂会員顧客などの特定の顧客に対し、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供するものである。この商品販売データ処理システムは、スーパーマーケット等で商品販売に伴う商品の登録や管理、精算等を実行する端末又はシステムに組み込まれる。
【実施例1】
【0010】
図1に示されるように、本発明の第一の実施形態に係る商品販売データ処理装置は、商品販売に伴う商品の登録や精算を実行するPOSレジスタ1として構成されたものである。
【0011】
POSレジスタ1は、情報処理を実行するためのCPU(Central Processing Unit)101などの演算装置、RAM(Random Access Memory)102やROM(Read Only Memory)103などの記憶装置によって構成され、これによりソフトウェア資源として、商品情報記憶部、顧客情報記憶部、登録処理部、会計処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する。また、ハードウェア資源として、スキャナ部104、表示部(店員用)105、表示部(客用)106、操作部107、通信部108、ブザー109、印刷部110、釣銭釣札部111、決済部112を有している。
【0012】
スキャナ部104は、各種のデータを読み取るための機能部であり、商品に関する情報がコード化され、商品に付されたバーコードや二次元バーコードなどを読み取る。
【0013】
表示部(店員用)105は、スキャナ部104や操作部107によって入力された購入対象商品の情報等、各種のデータを店員に向けて表示するためのディスプレイである。
このディスプレイは、単にデータを表示するだけのディスプレイに限られず、データ入力可能なタッチパネルであってもよく、これにより店員からの操作を受け付けられるようになっていてもよい。
【0014】
表示部(客側)106は、購入対象商品の登録情報等、各種のデータを顧客に向けて表示するためのディスプレイである。
このディスプレイも表示部(店員用)105同様、単にデータを表示するだけのディスプレイに限られず、データ入力可能なタッチパネルであってもよく、これにより顧客からの操作を受け付けられるようになっていてもよい。
【0015】
操作部107は、情報や指示を直接入力するためのキー等の操作ボタンやタッチパネル式ディスプレイによって実現され、各種のデータ入力などの操作を受け付ける。
【0016】
通信部108は、データの送受信を実行するための機能部であって、外部サーバ等が有する商品マスタを参照したり、所定の管理端末等との間でデータの送受信を実行したりする。
【0017】
ブザー109は、エラーの発生などの所定の条件に応じて音声によるブザーを発する機能部である。
【0018】
印刷部110は、顧客による購入対象商品の精算終了後、精算処理内容を所定の紙に印刷し、レシートを発行する機能部である。なお、レシートの発行は、現金によって精算されてお釣りが排出された場合には、顧客がお釣りを取り除いた後に実行されるものとしてもよい。また、決済媒体で精算された場合には、決済終了後に顧客が決済媒体を抜き取ったことを条件に実行されるものとしてもよい。
【0019】
釣銭釣札部111は、現金支払いを可能にするための機構であり、硬貨投入口、硬貨払出口、紙幣投入口、紙幣払出口等によって構成される。この釣銭釣札部は、顧客から金銭の入金を受け付けると共に、入金された金銭を計数したり、精算額に応じて釣銭を払い出したりする。
【0020】
決済部112は、所定の決済媒体を利用した決済を可能とする機能部である。
ここで、決済媒体とは、クレジットカードや電子マネーカード、デビットカード等であり、外部のサーバと与信等の照会処理を実行し、所定の決済媒体を利用した決済を実行する。
【0021】
商品情報記憶部は、商品の価格や識別情報等、商品に関する情報を記憶した記憶部である。
この商品情報記憶部は、POSレジスタ1が備えていてもよいが、外部のデータベースサーバ等が備え、POSレジスタ1がこれを参照するものであってもよいし、外部データベースサーバ等が備えるマスタの情報に基づいて更新されるものであってもよい。
【0022】
顧客情報記憶部は、顧客に関する顧客情報を記憶する記憶部である。
この顧客情報記憶部に登録されている顧客は、所謂会員顧客であり、登録のない一般顧客と区別される。この顧客情報記憶部に登録されている顧客に対しては、所定の顧客識別情報が付与されており、当該顧客識別情報を参照することにより、会員か否かを判別することができる。
なお、この顧客情報記憶部も商品情報記憶部と同様、POSレジスタ1が備えていてもよいが、外部のデータベースサーバ等が備え、POSレジスタ1がこれを参照するものであってもよいし、外部データベースサーバ等が備えるマスタの情報に基づいて更新されるものであってもよい。
【0023】
登録処理部は、購入対象商品を一会計の中で精算すべき商品として一時記憶する処理部である。この登録処理部は、商品情報記憶部を適宜参照して、当該購入対象商品の名称や金額などの情報を抽出すると共に、当該購入対象商品に設定された割引などの情報と合わせて一時記憶する。
【0024】
なお、登録処理部による具体的な処理の場面では、店員が、顧客が購入する商品のバーコードをスキャンすることで商品登録を実行する。同一の商品は個々にスキャンしてもよし、同一商品をスキャンした場合は、ブザー音等を変えるなど、2品目、3品目の報知態様を変えたり、音声案内で「同一商品です」など注意喚起してもよい。また、数量入力を行うことも可能である。バーコードが読み込めない商品については、バーコードの直接入力や、品名検索などを行って入力できる。また、精肉・鮮魚・青果・総菜などバーコードがない商品などは事前に設定されているプリセットキーから選択して登録することも可能である。パン屋や洋菓子・和菓子販売店などはプリセットキーが主流な場合もあり、さらにバーコードがある商品でもプリセットキーへの設定を行っても問題はない。なお、特売品やキャンペーン商品などをスキャンすると、その旨を報知したり、登録商品の一覧画面等に商品名と併せて表記したり、背景色を変えるなど態様を変えて表示することもできる。すべての商品の登録が完了すると、小計キーを押下して、小計金額を表示する。
【0025】
会計処理部は、登録された各購入対象商品の価格から合計額を算出したり、税込み価格を算出したりすることにより、精算されるべき合計金額を算出する処理を実行する。
また、会計処理部は、必要に応じて、顧客に対して付与されるべきポイントの数量を算出し、算出したポイントを顧客に付与する処理を実行する。
なお、合計金額の算出や付与されるポイントの算出においては、後述する優遇サービスの適用があった場合には、合計金額や付与ポイントに当該優遇サービスを適用し、適用後の合計金額や付与ポイントを算出する。
【0026】
適用条件記憶部は、購入対象商品に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提供するための適用条件を記憶した記憶部である。
ここで、優遇サービスとは、一般顧客より会員顧客を優遇するサービスであって、例えば、購入対象商品に対する販売金額からの値引き又は割引である。また、他の例では、ポイント数の付与又はポイント付与率のアップである。
【0027】
この適用条件記憶部には例えば、図2に示されるように、商品ごとに商品名/規格、適用条件、残数/経過、現金、非現金、説明という項目に応じた情報が関連付けて記憶されている。
ここで、適用条件の一例は、購入対象商品ごとに設定されている消費期限や賞味期限など、所定の期限日までの残り日数である。
また、適用条件の他の例は、購入対象商品の製造日からの経過日数である。
【0028】
適用条件と優遇サービスは、所定の期限日までの残り日数や、購入対象商品の製造日からの経過日数に応じて段階的に変わるものであってもよい。例えば、所定の期限日までの残り日数が少なるほど、割引率を大きくする。
【0029】
また、優遇サービスの内容は例えば、値引きなどの現金による優遇、ポイントや割引券の付与といった非現金による優遇などを用意することができる。
また、一定の買い上げ額に応じた優遇など、優遇サービスの適用に別途の条件を付与することもできる。
【0030】
判別処理部は、適用条件記憶部を参照して、購入対象商品について、適用条件に合致し、優遇サービスの適用を受けられる適用対象商品であるか否かを判別する処理を実行する。
ここで、判別処理部は、購入対象商品が適用条件を満たすか否かを判別する際、賞味期限や品質保持期限、あるいは製造日などを把握する必要がある。これらの期限あるいは日にちに係る情報は例えば、POSレジスタ1が別途備えるCCDカメラ等の撮像手段により、商品そのものや商品に貼られたラベルや商品を撮像し、日付を認識することによって取得することができる。
なお、製造日と賞味・消費期限が同時に撮像される場合には、商品に応じて必ず2つの日時を認識するようにアラートを行うなどしておき、認識した日時から適用条件に応じた日時を判定したり、記載表題(製造日、消費期限、賞味期限等の文言とセットで認識)で判定したりするとよい。また、商品に付されるバーコード等に製造日等の情報を入れておき、これを読み取ることで取得することもできる。そのほか、撮像手段によって商品の変色具合を認識したり、商品に付された所定のシール(「特売」を表すシールなど)を認識したり、電子タグを読み取ったりすることによっても、同様に必要な情報を取得することが可能である。
【0031】
サービス提示部は、判別処理部により、優遇サービスの適用が受けられる適用対象商品であると判別された購入対象商品について、複数の優遇サービスを選択可能に提示する。
具体的には、図3に示されるように、表示部(店員用)105及び/又は表示部(客用)106に対し、現在登録している商品の情報と合わせて、複数の優遇サービスを選択可能に表示させる。
図3の例では、優遇サービスとして、値引き又はポイント付与率のアップが提案されており、顧客はどちらかを選択することができる。なお、選択情報の入力は、顧客が行ってもよいし、店員が行ってもよい。
【0032】
なお、この図3の画面例においては、通常広告などの動画再生・画像表示や会員募集などの告知を募集するエリアが適宜に設けることができる。
また、現在の買上点数と買上金額が表示することができ、現金値引きサービスを選択した場合には、買上金額にリアルタイムで反映させることもできる。
また、一会計に含まれる購入対象商品について、同一商品がある場合には、2点目以降を合算して表示することも各々表示することもできるが、条件設定により、(1)必ずまとめる、(2)個数入力の場合はまとめる、(3)全て別々にする、といったことが可能である。
【0033】
適用処理部は、適用対象商品に対し、顧客が選択した優遇サービスを適用する処理を実行する。
具体的に、図3の例において顧客が値引きを選択した場合には、適用対象商品の値段から所定の額を値引きし、当該適用対象商品が値引き後の価格で商品登録される。また、顧客がポイント率のアップを選択した場合には、適用対象商品の購入に伴って付与されるポイントの付与率をアップさせる。
なお、図3の例において顧客が値引きを選択し、優遇サービスが適用された場合には例えば、図4(a)に示す画面により、そのことを顧客又は店員に通知するとよい。また、図3の例において顧客がポイント率のアップを選択した場合には例えば、図4(b)に示す画面により、そのことを顧客又は店員に通知するとよい。
【0034】
次に、POSレジスタ1によって実行される処理の流れについて、図5及び図6を参照して説明する。
まず、会員の顧客から顧客情報の入力を受け付ける(S101)。顧客情報の入力は、会員顧客用のカードの読み取り、会員顧客が所持する携帯型端末からのデータ取得等の方法による。
【0035】
ここで、会員ではない一般顧客の場合には、顧客情報の入力を受け付けることなく、購入対象商品の入力の受け付ける(S102)。POSレジスタ1は、購入対象商品に付されたバーコード等を読み取ることによって購入対象商品の入力を受け付けると、登録処理部により当該受け付けた購入対象商品を随時、登録していく(S103)。全ての購入対象商品の登録が完了すると(S104)、会計処理部によって会計処理が実行され、全購入対象商品の合計額が算出される(S113)。これに対して、顧客から現金又はクレジットカード等による支払いを受け、精算処理が完了すると(S114)、印刷部110によってレシートが発行される(S118)。これにより、一般顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0036】
一方、S101の処理において、顧客情報を受け付けた場合には、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報を読み込んだ上(S105)、購入対象商品の入力を受け付ける(S106)。購入対象商品の入力が受け付けられると、判別処理部は適用条件記憶部を参照して、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であるか否かを判別する(S107)。
【0037】
この結果、当該購入対象商品が適用条件に該当しない商品であった場合には、優遇サービスを提示することなく、登録処理部により当該購入対象商品を登録する(S111)。
一方、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であった場合には、サービス提示部は表示部(店員用)105及び/又は表示部(客用)106に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S108)。
【0038】
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、POSレジスタ1はこれを受け付ける(S109)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行する(S110)。具体的には、商品価格を割り引く優遇サービスが選択された場合には、購入対象商品の値段を割引き、ポイント付与率のアップが選択された場合には、ポイント付与率をアップする。これに対して登録処理部は、当該購入対象商品を割引き後の価格、又はアップしたポイント付与率で登録する(S111)。
【0039】
全ての購入対象商品について、優遇サービスの適用の有無を判別した上、登録が完了すると(S112)、会計処理部によって会計処理が実行され、全購入対象商品の合計額が算出される(S115)。このときの合計額は、登録された全購入対象商品中に割引きの優遇サービスが適用された購入対象商品があった場合には、割引きを反映した合計額となる。
【0040】
これに対して、顧客から現金又はクレジットカード等による支払いを受け、精算が完了すると(S116)、顧客に対してポイントが付与される(S117)。このとき顧客に付与されるポイントについて、登録された全購入対象商品中にポイント付与率アップの優遇サービスが適用された購入対象商品があった場合には、全購入対象商品の合計額に応じた通常ポイントに加え、当該ポイント付与率のアップ分のポイントが付与される。
精算及びポイントの付与が完了すると、印刷部110によってレシートが発行される(S118)。これにより、顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0041】
以上の本実施形態に係るPOSレジスタ1によれば、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供することにより、当該商品の販売促進を図り、見切り商品などの販売を減らすことができる。また、優遇サービスを受けられる顧客を所定の会員等に限定することにより、一般客と会員との差別化を図ることができるし、顧客に要望に応じた多様なサービスを提供することができる。
特に、会員へ期限残が少ない商品を特売以外の方法でサービス還元ができる。すなわち、値引額よりも高いポイント還元を行うことで、会員は「すぐに使う商品」特売の値引金額以上の価値を獲得できる。この仕組みにより一般客が会員へシフトし、会員増、ひいては固定客の増加につながる。
さらに、特売品を対象としない場合でも、各商品又は部門やカテゴリ毎に段階的な閾値を設けて「ポイント還元」「値引=あり・なしも設定することで、具体的に牛乳パックなど奥の方から新しい商品を購入するといったことがなくなる。顧客は自己の使用する量、期限を考え、できるだけポイント(又は値引)される商品を購入するので、店舗の商品サイクルに関しても廃棄や格安の値引きも抑制できる。
【0042】
なお、本実施形態において、会員顧客を購入累計金額や来店回数などでランク分けし、そのランクに応じて優遇サービスを差別化することもできる。例えば、上位のランクになるほど、値引き率の高い優遇サービスを選択可能としてもよい。
【0043】
また、一般顧客と会員顧客という分け方をせずに、所定の商品については選択的に優遇サービスを提供しつつ、会員顧客のランクに応じて優遇サービスを差別化することも可能である。
【0044】
また、商品登録が完了し、小計押下(商品登録完了)の段階で、優遇サービスが未選択になっているものがあれば、一覧表示やアラートを行ってもよい。その場合、現計キーを無効状態にするか、誤って押下した場合は再度催促のアラートを行うなどしてもよい。
【0045】
また、優遇サービスが値引・割引の場合は、レシート、電子レシート、ジャーナル情報も含めて、値引・割引金額を印字し、表示部(客用)106等に表示するデータにもそのような情報を反映するのが好適である。ポイントの場合は、今回追加ポイントを印字し、買上ポイントと特別ポイントとして別々に印字、合計加算ポイントを印字することもできる。クーポン券などはレシートに続いて、または、レシート発行前に発行してもよい。レシートと一体のクーポン券にミシン線など印字してもよい。
【0046】
消費期限に応じたサービス提供の設定方法について、例えば商品毎や分類毎、カテゴリ(グループ)、メーカー別などで、残り日数・残り時間に応じてどのサービスをどの顧客種別に付与するかを設定してもよい。
【0047】
値引・割引は、販売金額からの減額、ポイント加算は、会員向けポイントカードなどや、ハウスカード、プリペイド会員の場合は、顧客管理システム上でポイント管理などを行えばよい。クーポン券については、次回使用可能な値引・割引クーポンや、特定商品の交換券、次回購入時のポイント追加券などである。また、クーポン券に関しては、対象の商品、商品が属する部門、カテゴリ、メーカーなど限定してもよいし、対象グループからのまとめ購入時、例えば3点以上購入で割引、ポイント加算などでもよい。
なお、顧客属性や使用した、又は選択した優遇サービスなどをデータとして蓄積し、分析可能なデータとして出力することができる。
【0048】
また、選択可能な優遇サービスは常時、提供しなくてもよく、店舗等の閉店時間が近づくと、残り営業時間に応じて、特定の部門や商品の分類により提供を開始するものとしてもよい。
【0049】
また、本実施形態では、POSレジスタ1において、各商品の登録時に顧客が優遇サービスを選択するものとしたが、これに限らず、各商品の登録時に優遇サービスが顧客によって選択されなかった場合や、全ての優遇サービスの選択を全商品の登録後に行う場合、精算時に店員が顧客から優遇サービスの選択を受け付けるようにしてもよい。
【0050】
このような場合に、表示部(店員用)105に展開する画面の一例を図7に示す。
この例では、顧客が優遇サービスを選択していなかった商品の一覧が表示され、当該商品について、選択可能な優遇サービスが提示されている。店員は顧客から優遇サービスの選択に係る情報を受け付け、これを入力することにより、各商品についての優遇サービスが選択される。なお、各商品について、同一の優遇サービスを選択するボタンも合わせて設けられており、このボタンを押下すれば、未選択の商品について、同じ優遇サービスを一括して選択することができる。なお、各商品は通常、同じ商品であっても別々に登録されるため、同一商品についても別々の優遇サービスを選択することができる。
また、商品登録時に既に優遇サービスを選択した商品についても、再設定ボタンを押下することにより、優遇サービスを選択し直すこともできる。
また、優遇サービスが未選択の商品と選択済みの商品の両方を表示しつつ、識別可能な色分け等の表示により、未選択の商品と選択済みの商品を識別可能としてもよい。
また、上記のような優遇サービスの再設定や、登録後の優遇サービスの選択は、店員側のみ有効な設定としてもよい。
【0051】
また、通常、POSでは小計キーを押下後に購入金額を表示し、顧客からの預り金額を入力又は釣銭機へ投入し、現計キーを押下することで、釣銭とレシートを発行する。そこで、優遇サービスが未選択の商品が残っている場合には、店員が小計キーを押下した後、その旨を報知して、優遇サービスが未選択の商品を一覧化した上述の選択画面を出力するようにしてもよいし、小計キーによる購入金額の表示を禁止したり、選択が行われるまで現計キーを無効化したりしてもよい。また、いずれの機能を同時に採用してもよい。
【0052】
また、このような場合において、表示部(客用)106に未選択の優遇サービスを選択する画面を展開してもよい。表示部(客用)106上で顧客に優遇サービスを選択させる場合には例えば、一商品ごとの選択画面で行うとよい。
【実施例2】
【0053】
続いて、図8により、POSレジスタ2として構成された本発明の第二の実施形態に係る商品販売データ処理装置について説明する。
POSレジスタ2は、一会計に含まれる購入対象商品のうち、優遇サービスの適用のある全ての適用対象商品について、最初に選択された優遇サービスを適用するものである。
なお、このPOSレジスタ2が備える機能は、上述した第一の実施形態に係るPOSレジスタ1と同様であるため、以下ではPOSレジスタ1の変形例として説明することとし、各機能部についてはPOSレジスタ1の機能部に付した符号と同様とする。ただし、説明の便宜のため、本実施形態では「POSレジスタ2」と称する。
【0054】
本実施形態では、POSレジスタ2が備える機能のうち、適用処理部は、一会計に含まれる全ての適用対象商品について、顧客が最初に選択した優遇サービスを適用する、即ち、一会計において、優遇サービスの適用のある適用対象商品が初めて登録される際、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、選択された優遇サービスが他の適用対象商品にも自動的に適用される。例えば、顧客が最初に優遇サービスとして値引きを選択した場合には、以降に登録される全ての適用対象商品に値引きの優遇サービスが適用される。
【0055】
なお、一会計に含まれる購入対象商品のうち、優遇サービスの適用のある全ての適用対象商品について、最初に選択された優遇サービスを適用する処理は、顧客の希望に関わらず、自動的に実行されるものとすることもできるし、図9の例に示すように所定のボタンを設け、顧客に実行如何を選択させるものとすることもできる。図9の例であれば、顧客が同一の優遇サービスの適用を希望した適用対象商品以降の商品登録においては、適用対象商品に顧客が選択した優遇サービスが自動的に適用されることになる。
【0056】
次に、本実施形態に係るPOSレジスタ2によって実行される処理の流れについて、図8を参照して説明する。
まず、会員の顧客から顧客情報の入力を受け付ける(S201)。顧客情報の入力は、会員顧客用のカードの読み取り、会員顧客が所持する携帯型端末からのデータ取得等の方法による。
【0057】
ここで、会員ではない一般顧客の場合には、第一の実施形態と同様、図5を参照して説明したS102以降の処理が実行され、これにより、一般顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0058】
一方、S201の処理において、顧客情報を受け付けた場合には、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報を読み込んだ上(S205)、購入対象商品の入力を受け付ける(S206)。購入対象商品の入力が受け付けられると、判別処理部は適用条件記憶部を参照して、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であるか否かを判別する(S207)。
【0059】
この結果、当該購入対象商品が適用条件に該当しない商品であった場合には、優遇サービスを提示することなく、登録処理部により当該購入対象商品を登録し(S208)、次の購入対象商品がある場合には、次の購入対象商品の入力を受け付け、なければ精算処理へ移行する。
【0060】
一方、S207の処理において、購入対象商品が適用条件に該当する商品であった場合には、サービス提示部は表示部(店員用)105及び/又は表示部(客用)106に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S210)。
【0061】
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、POSレジスタ2はこれを受け付ける(S211)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行する(S212)。これに対して登録処理部は、当該優遇サービスが適用された購入対象商品を登録する(S213)。
【0062】
これにより、全ての購入対象商品について、登録が完了した場合には(S214)、図6を参照して説明した精算処理へ移行する。
一方、まだ登録が済んでいない購入対象商品があった場合には、続けて購入対象商品の入力を受け付けると共に(S215)、優遇サービスの適用のある購入対象商品に対しては、S211の処理において選択された優遇サービスが適用される(S216)。
【0063】
以上の本実施形態に係るPOSレジスタ2によれば、優遇サービスの適用のある購入対象商品ごとに優遇サービスを選択しなくても、最初に選択した優遇サービスが自動的に適用されるので、便利である。
【0064】
なお、図8では、顧客が最初に選択した優遇サービスが、以降の購入対象商品に対して自動的に適用される例を示したが、自動的に適用するか否かを顧客に選択させる場合には、選択した段階移行の購入対象商品に対して、顧客が選択した優遇サービスが適用される。
【実施例3】
【0065】
続いて、図10及び図11により、本発明の第三の実施形態に係る商品販売データ処理システムについて説明する。
この第三の実施形態は、購入対象商品の登録と精算が夫々、登録装置3aと精算装置3bという別々の装置によって実行されるシステムとして構成されている。なお、以下においては説明の便宜のため、登録装置3aと精算装置3bによって構成された本実施形態に係る商品販売データ処理システムを「商品販売データ処理システム3」と称する。
【0066】
ここで、登録装置3aとは、購入対象の商品を登録する商品登録処理を実行する装置である。商品を登録する操作(商品登録操作)は、例えば、スキャナを用いて商品に付されているバーコードを読み取らせる操作、あるいは商品登録画面に表示されたプリセットボタン等に対する操作等として行われる。このような商品登録操作によって、登録装置3aには例えば商品識別情報が入力され、登録装置3aは、入力された商品識別情報に対応する商品情報を取得する。また、登録装置3aは、一取引ごとに対応して登録された商品の精算に用いられる精算情報を生成し、記憶する。
【0067】
なお、精算情報は、当該精算情報を識別するための精算情報識別情報、登録日時、登録された各商品の商品識別情報、登録された各商品の商品名、販売価格、値引き情報、購入対象の商品の品数を示す取引点数(購入点数)、購入対象の商品の総額(合計金額)を含む。また、精算情報は、当該精算情報を生成した登録装置3a(すなわち、当該精算情報に係る商品を登録した登録装置3a)を識別するための登録装置識別情報をさらに含んでもよい。この精算情報は、精算装置3bにおいて精算処理に用いられる。精算処理とは、登録された商品の代金を、現金、電子マネー、クレジットカード、デビットカードなどを選択的に用いて支払い、決済する処理である。
【0068】
また、精算装置3bは、登録装置3aによって登録された商品の情報に基づき、顧客が自ら操作して精算処理を行うための装置である。
【0069】
本例において、登録装置3aは図10に示されるように、CPU301、RAM302、ROM303等によって構成され、これによりソフトウェア資源として少なくとも、登録処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する。また、ハードウェア資源として、スキャナ部304、表示部(店員用)305、表示部(客用)306、操作部307、通信部308、ブザー309、印刷部310を有する。これらの各機能部は、第一の実施形態において対応する各機能部と同様の処理を実行する。
【0070】
また、精算装置3bは図11に示されるように、CPU321、RAM322、ROM323、スキャナ部324、表示部325、操作部326、通信部327、ブザー328、印刷部329、釣銭釣札部330、決済部331等の機能部を備え、これらの各機能部は、第一の実施形態において対応する各機能部と同様の処理を実行する。また、これらの機能部に加え、精算装置3bは、サインポール332と人感知センサ333を有する。
【0071】
本例において、登録装置3aが有する機能部のうち、通信部308は、所定の専用回線やLANなどのネットワークを介して精算装置3bと各種のデータの送受信処理を実行する。
【0072】
また、精算装置3bが有する機能部のうち、表示部325は、精算を行う顧客に対して、登録された購入対象商品の合計額を表示したり、精算処理に伴う情報を表示したりする機能部であり、液晶ディスプレイ等により実現される。
また、通信部327は、所定の専用回線やLANなどのネットワークを介して登録装置3a各種のデータの送受信処理を実行する。
【0073】
また、サインポール332は、所定の状況に応じて、精算装置3aや登録装置3bからの指令に応じて発光する発光部である。例えば、一の登録装置3aに対して複数の精算装置3bが用意されている場合、登録装置3aにおいて商品登録が完了した後、精算を行う精算装置3bを顧客に報知するために発光したり、クレジットカードによる決済が行われた後、顧客がクレジットカードを取り忘れた場合にはこれを検知して、顧客や店員に報知するために発光したりする。
【0074】
人感知センサ333は、精算を行う顧客を感知するためのセンサである。これにより例えば、登録装置3aで購入対象商品の登録を終えた顧客が精算装置3bに来たことを感知した場合に、精算装置3bに対して登録装置3aから精算情報を送信することもできる。
【0075】
なお、第一の実施形態における商品情報記憶部と顧客情報記憶部の機能部に対応する機能部は、本実施形態においても備えられているが、登録装置3a又は精算装置3bのいずれかが有していてもよいし、両方が有していてもよい。また、登録装置3a又は精算装置3bと通信可能に構成されたサーバ等の管理端末が有するものとし、当該管理端末から商品情報記憶部や顧客情報記憶部に記憶されている情報が登録装置3aや精算装置3bによって参照されるものとしてもよい。
【0076】
次に、本実施形態に係る商品販売データ処理システム3によって実行される処理の流れについて、図12及び図13を参照して説明する。
一連の処理の流れのうち、登録装置3aによって実行される処理の流れを図12により説明する。
まず、会員の顧客から顧客情報の入力を受け付ける(S301)。顧客情報の入力は、会員顧客用のカードの読み取り、会員顧客が所持する携帯型端末からのデータ取得等の方法による。
【0077】
ここで、会員ではない一般顧客の場合には、顧客情報の入力を受け付けることなく、購入対象商品の入力の受け付ける(S302)。登録装置3aは、購入対象商品に付されたバーコード等を読み取ることによって購入対象商品の入力を受け付けると、登録処理部により当該受け付けた購入対象商品を随時、登録していき(S303)、全ての購入対象商品の登録を完了させる(S304)。
【0078】
一方、S301の処理において、顧客情報を受け付けた場合には、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報を読み込んだ上(S305)、購入対象商品の入力を受け付ける(S306)。購入対象商品の入力が受け付けられると、判別処理部は適用条件記憶部を参照して、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であるか否かを判別する(S307)。
【0079】
この結果、当該購入対象商品が適用条件に該当しない商品であった場合には、優遇サービスを提示することなく、登録処理部により当該購入対象商品を登録する(S311)。
一方、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であった場合には、サービス提示部は表示部(店員用)305及び/又は表示部(客用)306に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S308)。
【0080】
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、商品販売データ処理システム3はこれを受け付ける(S309)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行する(S310)。これに対して登録処理部は、当該購入対象商品を割引き後の価格、又はアップしたポイント付与率で登録する(S311)。
【0081】
全ての購入対象商品について、優遇サービスの適用の有無を判別した上、登録が完了すると(S304、S312)、会計処理部によって会計処理が実行され、会計処理によって生成された精算情報が精算装置3bに送信される(S313)。
なお、ここで生成される精算情報には少なくとも、全購入対象商品の情報と全購入対象商品の合計額に係る情報が含まれ、優遇サービスの適用がある場合にはさらに、顧客に対して付与されるべきポイント、顧客の情報、適用があった優遇サービスなどの情報等が含まれる。また、合計額について、登録された全購入対象商品中に割引き等、精算額に関する優遇サービスが適用された購入対象商品があった場合には、当該優遇サービスを反映した額となり、ポイントについて、登録された全購入対象商品中にポイントに関する優遇サービスが適用された購入対象商品があった場合には、当該優遇サービスを反映したポイントとなる。
【0082】
一連の処理の流れのうち、精算装置3bによって実行される処理の流れを図13により説明する。
精算装置3bは、登録装置3aから精算情報を受信すると(S314)、顧客から現金又はクレジットカード等による支払いを受け、精算を完了させる(S315)。さらに、顧客に対して付与されるべきポイントがある場合には(S316)、顧客に対してポイントが付与される(S317)。
精算、及びポイントの付与がある場合のポイント付与が完了すると、印刷部329によってレシートが発行される(S318)。これにより、顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0083】
以上の本実施形態のように、登録装置3aと精算装置3bからなる商品販売データ処理システム3においても、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供して販売促進を図ったり、一般客と会員との差別化を図ったりすることができる。
【0084】
なお、本実施形態に係る商品販売データ処理システム3は、必ずしも一台の登録装置3aに一台の精算装置3bが対応付けられたシステムに限らず、一台の登録装置3aに複数台の精算装置3bが対応付けられたシステムにも適用し得る。また、逆に、複数の登録装置3aが精算装置3bを共有するシステム、例えば、二台の登録装置3aが三台の精算装置3bを共有するようなシステムに対しても適用し得る。
【0085】
また、一台の登録装置3aに対して複数台の精算装置3bに対応付けられるシステムに関して、登録装置3aが精算処理を担当する精算装置3bを指定する態様は各種あるところ、本発明はいずれの態様についても適用可能であるが、指定態様には例えば、以下のものがある。
第一の指定態様では、精算処理を実行させる精算装置3bを、店員が登録装置3aにて指定する。
即ち、店員が、精算装置3bを指定する操作を登録装置3aに対して行うことによって、複数の精算装置3bのうちから精算処理を実行させる精算装置3bを指定する。店員が精算装置3bを指定すると、登録装置3aは、指定された精算装置3bに精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
なお、この場合には、登録装置3aの表示部(店員用)305において各精算装置3bの稼働状況を示した稼働情報を表示するようにし、店員が表示部(店員用)305上で精算装置3bを指定する際に、各精算装置3bの稼働状況を確認できるようにしてもよい。
【0086】
また、第二の指定態様では、精算処理用の媒体(お会計券(登録商標))を登録装置3aから発行させ、店員から手渡しされたお会計券を、顧客がいずれかの精算装置3bに読み取らせる。
即ち、顧客が、店員から手渡しされたお会計券を精算装置3bに読み取らせることによって、複数の精算装置3bのうちから精算処理を実行させる精算装置3bを指定する。
お会計券には、発行元の登録装置3aを示す登録装置3a識別情報と精算情報とが、バーコード(一次元コード)または2次元コードのいずれかのコードの形式で印字(印刷)されている。精算装置3bは、お会計券のコードを読み取ると、読み取ったコードにより示される精算情報を取得し、精算処理を実行する。
【0087】
また、第三の指定態様では、商品登録の完了に応じて表示部(店員用)305に表示された送信ボタンに対して行われた操作に応じて(あるいは商品登録の完了を宣言するような操作であってもよい)、登録装置3aが、例えば精算装置3bに状態の問合せを行って精算処理が可能な(例えば、障害が発生しておらず、使用中でもない)精算装置3bを認識し、使用中でない精算装置3bのうちから所定の規則(例えば精算装置3b番号順)に従っていずれかの精算装置3bを指定する。そして、登録装置3aは、指定した精算装置3bに精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0088】
また、第四の指定態様では、予め精算装置3bについて精算処理の優先順位を設定しておくようにする。その上で、商品登録の完了に応じて、表示部(店員用)305に精算装置3bへの精算情報の送信を指示する送信ボタンの操作が有効となるように表示する。送信ボタンが操作されたことに応じて、登録装置3aは、設定された優先順位に従った順で精算装置3bの精算処理が可能であるか否かを確認し、精算処理が可能であることが確認されなければ、優先順位が次の精算装置3bについて確認するようにする。その上で、登録装置3aは、最初に精算処理が可能であることが確認された精算装置3bに精算情報を送信して精算処理の実行を指示する。
【0089】
また、第五の指定態様では、登録装置3aが全ての精算装置3bに精算情報を送信する。精算情報を受信した精算装置3bは、自己が受信した精算情報に含まれる精算情報を利用して精算処理を実行可能な状態となると、自己が精算処理を実行することを通知する精算処理実行通知を精算情報の送信元の登録装置3aに送信する。登録装置3aは、精算処理実行通知の受信に応じて、精算処理実行通知の送信先の精算装置3bを示す表示(精算処理実行表示)を行う。店員は、精算処理実行表示を見て、精算処理を実行する精算装置3bがいずれであるのかを顧客に案内する。
この際、精算処理実行表示とともに、精算処理実行通知を送信した精算装置3bのサインポール332等を所定のパターンで点灯させたり、精算装置3bから所定の報知音を出力させたりすることで、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてもよい。
【0090】
また、第六の指定態様では、登録装置3aにて商品登録を終えた商品が入れられた買い物カゴを、店員が、精算装置3bごとに対応して設置されたカゴ置き場のうちのいずれかに買い物カゴを移動させる。カゴ置き場には、載置された買い物カゴを検出するセンサが備えられており、センサによりカゴ置き場に買い物カゴが載置されたことが判定されると、対応する精算装置3bが登録装置3aから精算情報を取得して精算処理を実行する。また、同様に人感知センサ333によって人を感知し、人の感知に応じて、精算装置3bが登録装置3aから精算情報を取得して精算処理を実行することもできる。
この場合にも、精算処理を実行することとなった精算装置3bが、サインポール332等の点灯や報知音の出力などにより、自己が精算処理を実行することを報知するようにしてよい。
【0091】
また、第七の指定態様では、登録装置3aは、精算情報と、複数の精算装置3b間での転送順を設定した転送順情報とを含む精算指示情報を、いずれかの精算装置3bに送信する。転送順情報は、精算装置3b間で循環的に転送順を指定するものであってよい。
【0092】
なお、これらの指定態様の例について、登録装置3aと精算装置3bに加えて、商品の販売に伴う各種の情報のやり取りや管理を行うストアコントローラを備える場合には、精算情報が登録装置3aからストアコントローラを経由して、精算処理を担う精算装置3bに送信されて、上記と同様の指定態様が実現される。
【0093】
また、本実施形態において、優遇サービスの選択がすべて完了するまで、精算に必要な登録情報を登録装置3aから精算装置3bに対して送信できないように制御してもよい。
【実施例4】
【0094】
続いて、図14及び図15により、本発明の第四の実施形態に係る商品販売データ処理システムについて説明する。なお、本例については、上述した第三の実施形態に係る商品販売データ処理システム3の変形例として説明するが、説明の便宜のため、登録装置3aと精算装置3bによって構成された本実施形態に係る商品販売データ処理システムを「商品販売データ処理システム4」と称する。
【0095】
この第四の実施形態に係る商品販売データ処理システム4は、は第三の実施形態に係る商品販売データ処理システム3と同様、購入対象商品の登録と精算が夫々、登録装置3aと精算装置3bという別々の装置によって実行されるシステムであるが、本例では第三の実施形態と異なり、精算処理を実行する精算装置3bが登録処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する。
なお、本例は、精算装置3bが登録処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する以外、各機能部が実行する処理は、第三の実施形態において対応する機能が実行する処理と同様である。
【0096】
次に、本実施形態に係る商品販売データ処理システム4によって実行される処理の流れについて、図14及び図15を参照して説明する。
一連の処理の流れのうち、登録装置3aによって実行される処理の流れを図14により説明する。
まず、会員の顧客から顧客情報の入力を受け付ける(S401)。顧客情報の入力は、会員顧客用のカードの読み取り、会員顧客が所持する携帯型端末からのデータ取得等の方法による。
【0097】
ここで、顧客情報を受け付けた場合には、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報を読み込んだ上(S402)、購入対象商品の入力を受け付ける(S403)。一方、会員ではない一般顧客の場合には、顧客情報の入力を受け付けることなく、購入対象商品の入力の受け付ける(S403)。
【0098】
登録装置3aは、購入対象商品に付されたバーコード等を読み取ることによって購入対象商品の入力を受け付けると、登録処理部により当該受け付けた購入対象商品を随時、登録していき(S404)、全ての購入対象商品の登録を完了させる(S405)。
【0099】
全ての購入対象商品について登録が完了すると、会計部によって会計処理が実行され、会計処理によって生成された精算情報が精算装置3bに送信される(S406)。
なお、ここで生成される精算情報には、全購入対象商品の情報と全購入対象商品の合計額に係る情報等が含まれる。
【0100】
一連の処理の流れのうち、精算装置3bによって実行される処理の流れを図15により説明する。
精算装置3bは、登録装置3aから精算情報を受信する(S411)。
ここで顧客情報がない場合、例えば精算情報に会員顧客であることを示す顧客識別情報等の情報がない場合には、精算処理部3bによる精算処理へ移行する(S419)
【0101】
一方、顧客情報がある場合には(S412)、優遇サービスの適用があり得るものとして、判別処理部が購入対象商品を順次、読み込み(S413)、適用条件記憶部を参照して、各購入対象商品が適用条件に該当する商品であるか否かを判別する(S414)。
その結果、適用条件を満たす購入対象商品がなかった場合には、購入対象商品の読み込みを終了する(S418)
【0102】
一方、S414の処理において、適用条件を満たす購入対象商品があった場合には、サービス提示部が表示部325に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S415)。
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、商品販売データ処理システム4はこれを受け付ける(S416)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行すると(S417)、登録装置3aによって登録された全購入対象商品の合計価格やこれに対応するポイントが、優遇サービス適用後の合計価格あるいはポイントとなり、購入対象商品の読み込みも終了する(S418)。
【0103】
S412の処理において顧客情報がなく、優遇サービスの適用がなかった場合や、S413からS418に至る処理により優遇サービスの適用如何の判別処理が終わった場合には、顧客から現金又はクレジットカード等による支払いを受け、全購入対象商品の精算処理が実行される(S419)。
【0104】
さらに、顧客に対して付与されるべきポイントがある場合には(S420)、顧客に対してポイントが付与される(S421)。
精算、及びポイントの付与がある場合のポイント付与が完了すると、印刷部329によってレシートが発行され(S422)、これにより、顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0105】
以上の本実施形態においても、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供して販売促進を図ったり、一般客と会員との差別化を図ったりすることができる。
【実施例5】
【0106】
続いて、図16及び図17により、本発明の第五の実施形態に係る商品販売データ処理システムについて説明する。なお、本例については、上述した第三の実施形態に係る商品販売データ処理システム3の変形例として説明するが、説明の便宜のため、登録装置3aと精算装置3bによって構成された本実施形態に係る商品販売データ処理システムを「商品販売データ処理システム5」と称する。
【0107】
この第五の実施形態に係る商品販売データ処理システム5は、第三及び第四の実施形態と同様、購入対象商品の登録と精算が夫々、登録装置3aと精算装置3bという別々の装置によって実行されるシステムであるが、本例では第三の実施形態と異なり、商品の登録処理を実行する登録装置3a及び精算処理を実行する精算装置3bの両方が、登録処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する。
なお、本例は、登録装置3aと精算装置3bの両方が登録処理部、適用条件記憶部、判別処理部、サービス提示部、及び適用処理部を有する以外、各機能部が実行する処理は、第三の実施形態において対応する機能が実行する処理と同様である。
【0108】
次に、本実施形態に係る商品販売データ処理システム5によって実行される処理の流れについて、図16及び図17を参照して説明する。
一連の処理の流れのうち、登録装置3aによって実行される処理の流れを図16により説明する。
まず、会員の顧客から顧客情報の入力を受け付ける(S501)。顧客情報の入力は、会員顧客用のカードの読み取り、会員顧客が所持する携帯型端末からのデータ取得等の方法による。
【0109】
ここで、会員ではない一般顧客の場合には、顧客情報の入力を受け付けることなく、購入対象商品の入力の受け付ける(S502)。登録装置3aは、購入対象商品に付されたバーコード等を読み取ることによって購入対象商品の入力を受け付けると、登録処理部により当該受け付けた購入対象商品を随時、登録していき(S503)、全ての購入対象商品の登録を完了させる(S504)。
【0110】
一方、S501の処理において、顧客情報を受け付けた場合には、顧客情報記憶部に記憶されている顧客情報を読み込んだ上(S505)、購入対象商品の入力を受け付ける(S506)。購入対象商品の入力が受け付けられると、判別処理部は適用条件記憶部を参照して、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であるか否かを判別する(S507)。
【0111】
この結果、当該購入対象商品が適用条件に該当しない商品であった場合には、優遇サービスを提示することなく、登録処理部により当該購入対象商品を登録し(S512)、さらに次の購入対象商品がある場合には(S514)、順次、購入対象商品の入力を受け付ける(S506)。
一方、当該購入対象商品が適用条件に該当する商品であった場合には、サービス提示部は表示部(店員用)305及び/又は表示部(客用)306に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S508)。
【0112】
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると(S509)、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、商品販売データ処理システム5はこれを受け付ける(S510)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行する(S511)。これに対して登録処理部は、当該購入対象商品を割引き後の価格、又はアップしたポイント付与率で登録し(S512)、さらに次の購入対象商品がある場合には(S514)、順次、購入対象商品の入力を受け付ける(S506)。
【0113】
一方、本実施形態では、S509の処理において、顧客が優遇サービスを選択しなかった場合には、該当する購入対象商品について、優遇サービスが未選択である旨の情報を付与した上で(S513)、当該購入対象商品を登録する(S512)。
即ち、この時点で顧客が優遇サービスを決めかねる場合には、優遇サービスの選択を後回しにすることができる。
【0114】
全ての購入対象商品について、登録が完了すると(S514)、会計処理部によって会計処理が実行され、会計処理によって生成された精算情報が精算装置に送信される(S515)。
なお、ここで生成される精算情報には少なくとも、全購入対象商品の情報と全購入対象商品の合計額に係る情報が含まれ、優遇サービスの適用がある場合にはさらに、顧客に対して付与されるべきポイント、顧客の情報、適用があった優遇サービスなどの情報等が含まれる。また、所定の購入対象商品について、優遇サービスが未選択である場合には当該未選択に係る情報も含まれる。
【0115】
一連の処理の流れのうち、精算装置5bによって実行される処理の流れを図17により説明する。
精算装置5bは、登録装置5aから精算情報を受信する(S521)。
ここで優遇サービスの未選択情報がない場合には(S522)、精算処理へ移行する(S528)
【0116】
一方、優遇サービスの未選択情報がある場合には(S522)、商品販売データ処理システム5は未選択の購入対象商品を読み込み(S523)、サービス提示部が表示部325に対し、複数の優遇サービスを選択可能に提示させる(S524)。
複数の優遇サービスの中から、顧客が所望の優遇サービスを選択すると、顧客又は店員が当該選択に係る情報を入力し、商品販売データ処理システム5はこれを受け付ける(S525)。これに応じて適用処理部は、選択された優遇サービスの適用を実行し、優遇サービスが未選択になっていた購入対象商品の合計価格やこれに対応するポイントが、優遇サービス適用後の合計価格あるいはポイントとなる(S526)。
【0117】
優遇サービスが未選択となっていた全ての購入対象商品について優遇サービスが選択された場合や(S527)、未選択情報がなかった場合(会員顧客でないために優遇サービスの適用がない場合を含む)には、顧客から現金又はクレジットカード等による支払いを受け、全購入対象商品の精算処理が実行される(S528)。
【0118】
さらに、顧客に対して付与されるべきポイントがある場合には(S529)、顧客に対してポイントが付与される(S530)。
精算、及びポイントの付与がある場合のポイント付与が完了すると、印刷部329によってレシートが発行され(S531)、これにより、顧客による商品の購入から精算に至る処理が完了する。
【0119】
以上の本実施形態に係る商品販売データ処理システム5においても、所定の条件を満たす商品について、複数の優遇サービスを選択的に提供して販売促進を図ったり、一般客と会員との差別化を図ったりすることができる。
また、登録装置3aによる商品登録の時点で、顧客が優遇サービスを決めかねる場合には、優遇サービスの選択を後回しにして、精算装置3bによる精算段階で決めることができるので、登録装置3aによる商品登録時に時間がかかって混雑するのを防ぐことができる。また、顧客としても、精算装置3bにおいて、ゆっくり優遇サービスを選択することができる。
【0120】
なお、本実施形態においても、登録装置3aで優遇サービスを選択する場合や、精算装置3bで優遇サービスを選択する場合に、第二の実施形態のように、一会計に含まれる購入対象商品について、顧客が最初に選択した優遇サービスを、以降の購入対象商品に対して自動的に適用することもできるし、優遇サービスを自動的に適用するか否かを顧客に選択させた上、選択した段階移行の購入対象商品に対して、顧客が選択した優遇サービスを適用することもできる。
【0121】
また、精算装置3bにおいて顧客が精算を行う前に、優遇サービスが未選択の商品があった場合には、「サービス未選択の商品があります」などの報知や、未選択一覧表示などから選択できるようにしてもよい。
【0122】
また、以上の本実施形態において、商品登録の前の段階で顧客情報の入力を受け付けられなかった場合でも、精算処理に至るまでの途中で会員カード等から顧客情報を取得することもできる。その場合、顧客情報を取得した時点で、登録商品中に優遇サービスの適用のある商品があるか否かを検索し、ヒットした場合には顧客や店員に対して報知してもよい。報知の後は、優遇サービスが未選択の商品の一覧を表示したり、商品ごとに優遇サービスを選択する画面を表示したりして、顧客から優遇サービスの選択を受け付けるようにするとよい。
【0123】
なお、以上の本実施形態にかかわらず、本発明は各種の商品販売用のPOSレジスタ等に適用することができる。具体例としては、以下のような端末にも適用が可能である。
<フルセルフPOS>
顧客が商品を登録する端末で、顧客自が優遇サービスを選択する。但し、優遇サービスの選択を行わない場合に現計キーを押下した場合などは、画面に「店員を呼んでください」や、監視モニタなど外部機器(スマートデバイスも含む)へ通知するとよい。通常、フルセルフPOSの場合は、アテンダント店員が近辺にいるので、そこで選択支援を行えばよい。
<対面式セミセルフPOS>
釣銭釣札機など入出金部が顧客側にあり、店員が商品登録中でも現金支払いに限り入金を開始できる機能や、クーポン券や特典などがあれば、商品登録中に客が自ら入力(クーポンバーコードをスキャン)できるPOSである。対面式セミセルフPOSの場合は、通常のPOSと同様の処理を行えばよい。
<対面式セミセルフ方式、フルセルフ方式、セルフ精算機の3機能切替可能なPOS>
この場合は、対面式セミセルフPOSは登録装置と精算装置とが別体のPOSシステムと同様に、他の装置へ登録データを送信する機能を備えている。自装置以外の装置がフルセルフモード、セルフ精算機モードの場合などの場合は、対面精算と他装置での精算を店舗の状況に応じて選択できる。よって、対面精算の場合は、通常POSと同様に未選択がある場合は現計キーが無効であるが、代わりに送信ボタンを押下すると、未選択情報も指定した他の装置へ引き継ぐことが可能となる。フルセルフモードの場合は、他の客が操作中は送信禁止としてもよいし、該取引終了後にフルセルフモードからセルフ精算機モード(つまりは商品登録画面を表示せずに精算画面“未選択報知画面”)に自動的に動作モードを切り替えるとよい。
【0124】
また、上述した本実施形態に係る商品販売データ処理システム3、4、5においては、図18に示されるように、各種の情報のやり取りや管理を行うためのストアコントローラを介在させたり、監視装置や商品等に関する情報を蓄積したデータベースサーバ等と通信可能に構成させたりしてもよい。
ここで、ストアコントローラは、登録装置3aや精算装置3bを管理する情報処理装置であり、商品マスタなどの種々の情報を管理する。具体的には、登録装置3a及び精算装置3bに、最新の商品マスタを適宜送信する。商品マスタとは、各商品の商品識別情報(例えば、JANコード)、商品名(品名、アイテム名)、販売価格、値引き情報などの商品情報を格納したファイルである。ストアコントローラは、最新の商品情報が反映された商品マスタを、外部(例えば、本部のサーバ、リムーバブル形式の記憶媒体)から取得する。
この場合、ストアコントローラは、有線又は無線による所定のネットワークを介して登録装置3aや精算装置3bと各種のデータを送受信したりするほか、精算情報を生成する等、本実施形態において登録装置3aが担った機能の一部を有していてもよい。
【符号の説明】
【0125】
1 POSレジスタ
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 スキャナ部
105 表示部(店員用)
106 表示部(客用)
107 操作部
108 通信部
109 ブザー
110 印刷部
111 釣銭釣札部
112 決済部

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
図11
図12
図13
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図18