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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】書類保存箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/10 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
B65D5/10 E
B65D5/10 G
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018151957
(22)【出願日】2018-08-10
(65)【公開番号】P2020026295
(43)【公開日】2020-02-20
【審査請求日】2021-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】598015198
【氏名又は名称】株式会社ニック
(74)【代理人】
【識別番号】110001601
【氏名又は名称】弁理士法人英和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松浦 豊喜
【審査官】▲高▼橋 杏子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-150753(JP,A)
【文献】実開昭60-115813(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/00-5/76
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面板、第1の側板、前記正面板に対向する背面板、前記第1の側板に対向する第2の側板が連設され、
前記正面板、前記第1の側板、前記背面板及び前記第2の側板のそれぞれには底を形成する底板が連設され、
前記正面板及び前記背面板のそれぞれには突き合わせる蓋板が連設され、
前記蓋板には折り曲げ可能に補強板が連設され、
前記第1の側板には前記蓋板に形成されている切り込みに差し込まれる差込片が形成されている蓋板固定板が連設され、
前記第2の側板には前記補強板が差し込まれる切り込みが形成されている補強板固定板が連設された直方体からなり、
前記補強板の両端に前記蓋板固定板の側縁及び前記補強板固定板の側縁を係止する係止溝が形成されていることを特徴とする書類保存箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、書類を保存するための書類保存箱に関する。
【背景技術】
【0002】
書類あるいは文書を一定期間保存しなくてはならない場合に、書類を書類保存箱に収納して保存しており、特許文献1には、書類保存箱を管理するために箱の中身を管理できる保存箱管理ラベルを箱に貼付した保存箱が記載されている。保存箱管理ラベルには、法定保存年数、廃棄予定年月日、廃棄実施年月日等が表示されて管理される。特許文献2には、書類などの保管箱が記載されている。
【0003】
図5及び図6は従来の書類保存箱の一例を示し、書類保存箱を展開した形状の図5示すブランクは、正面板31、第1の側板32、背面板33、第2の側板34が縦方向の折曲線35により折り曲げ可能に一体に連設されており、正面板31には第2の側板34に貼着する貼着用板36が折曲線35により折り曲げ可能に連設され、正面板31、第1の側板32、背面板33、第2の側板34の下辺には分割された底板37が横方向の折曲線38により折曲可能に連設されている。
【0004】
正面板31及び背面板33の上辺には、箱の開口部を突き合わせにより塞ぐ蓋を形成するため、蓋板39が横方向の折曲線40により折曲可能に連設されている。蓋板39には、後述する蓋板固定板42の差込片43が差し込まれる切り込み41が形成されている。
【0005】
第1の側板32及び第2の側板34の上辺には、蓋板39を固定する蓋板固定板42が横方向の折曲線40により折曲可能に連設され、蓋板固定板42には折り曲げにより形成される差込片43が連設されている。各側板32,34には、環状の取手切り込み用線44が設けられ、押し込みにより取手孔45が形成可能となっている。
【0006】
図5に示すブランクの正面板31、第1の側板32、背面板33、第2の側板34が縦方向の折曲線35に沿って折り曲げられ、正面板31に連設された貼着用板36が縦方向の折曲線35に沿って折り曲げられて第2の側板34に貼着され、正面板31、第1の側板32、背面板33、第2の側板34の下辺の底板37が折り曲げられて重ねられ、貼着されて底板が形成され、図6(a)に示すように、蓋板39及び蓋板固定板42が起立した状態の上部が開放された直方体の書類保存箱が組み立てられる。
【0007】
組み立てられた書類保存箱に、保存する書類を収納した後、図6(b)に示すように、蓋板39を折り曲げ、突き合わせて箱の開口部を閉めた後、蓋板固定板42を折り曲げて差込片43を蓋板39の切り込み41に差し込んで蓋板39を固定する。
【0008】
蓋を閉め終わると、蓋板39の合わせ目に封印したり、開封の有無を確認したり、中身を管理したりするために管理情報を含む管理用のバーコードやQRコード(登録商標)が表示されている封緘シール等表示物46を貼着する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2014-055011号公報
【文献】実用新案登録第3165599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来の保存箱は、蓋板が1枚で強度がないために取扱中に蓋板の合わせ目が箱の内側に押し込まれて凹んだりあるいは、蓋板がズレたりして蓋が開いたり損傷したりする問題があった。
【0011】
そこで、本発明は、突き合わせた蓋板の合わせ目の強度を向上させて蓋板が箱の内側に押し込まれて凹んだりあるいは、蓋板がズレたりすることのない書類保存箱を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願請求項1の発明は、正面板、第1の側板、前記正面板に対向する背面板、前記第1の側板に対向する第2の側板が連設され、
前記正面板、前記第1の側板、前記背面板及び前記第2の側板のそれぞれには底を形成する底板が連設され、
前記正面板及び前記背面板のそれぞれには突き合わせる蓋板が連設され、
前記蓋板には折り曲げ可能に補強板が連設され、
前記第1の側板には前記蓋板に形成されている切り込みに差し込まれる差込片が形成されている蓋板固定板が連設され、
前記第2の側板には前記補強板が差し込まれる切り込みが形成されている補強板固定板が連設された直方体からなり、
前記補強板の両端に前記蓋板固定板の側縁及び前記補強板固定板の側縁を係止する係止溝が形成されていることを特徴とする書類保存箱である。
【発明の効果】
【0014】
突き合わせた蓋板の補強板が垂直に係止され蓋板の合わせ目が補強されて強度が向上するため、蓋板の合わせ目は押されても内側に凹んだりあるいは、蓋板がズレたりしないので、蓋が開いたり損傷したりするおそれがなくなる。また、突き合わせ蓋板の合わせ目が箱の内側に押し込まれるのを抑えて蓋板の合わせ目に貼付されている管理用封緘シールが破れたりあるいは外れたりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の書類保存箱を展開したブランクを示す図である。
図2】本発明の書類保存箱の蓋を閉める前の状態を示す図である。
図3】本発明の書類保存箱の蓋を閉めた状態を示す図である。
図4】本発明の書類保存箱の蓋を閉めた別の状態を示す図である。
図5】従来の書類保存箱の蓋を閉める前の状態を示す図である。
図6】従来の書類保存箱の蓋を閉めた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0017】
本発明の書類保存箱は、書類保存箱を展開した図1に示す形状のブランクから直方体に形成される。ブランクは、厚紙、段ボールあるいは樹脂シートなどからなり、正面板1、第1の側板2、背面板3、第2の側板4が縦方向の折曲線5により折り曲げ可能に横方向に一体に連設されている。正面板1には第2の側板4に貼着する貼着用板6が縦方向の折曲線5により折り曲げ可能に連設されている。
【0018】
正面板1、第1の側板2、背面板3及び第2の側板4の下辺には、これらを内側に折り曲げて形成した四角筒の底を形成する分割された底板7が横方向の折曲線8により折曲可能に連設されている。
【0019】
正面板1及び背面板3の上辺には、箱の上の開口部を塞ぐ蓋を突き合わせにより形成するため、蓋板9が横方向の折曲線10により折曲可能に連設されている。各蓋板9の上辺には、蓋板9が内側に凹むのを防止するために蓋板9の合わせ目を補強する補強板11が横方向の折曲線12により折曲可能に連設されている。蓋板9には、後述する蓋板固定板15の差込片21(図3)が差し込まれる切り込み13が形成されている。また、補強板11の両端には、蓋板9を閉じる際に蓋板固定板15及び補強板固定板17の側縁を係止する係止溝14が形成されている。
【0020】
第1の側板2の上辺には、蓋板9を固定する蓋板固定板15が横方向の折曲線16により折曲可能に連設され、折り曲げにより一対の差込片21が形成される。差込片は、蓋板9の上から切り込み13に差し込んで蓋板9を固定する。
【0021】
第2の側板4の上辺には、各蓋板9の補強板11を固定する補強板固定板17が横方向の折曲線10により折曲可能に連設されている。各側板2,4には、環状の取手切り込み用線18が設けられ、押し込みにより取手孔19が形成可能となっている。なお、取手孔は予めくり抜いて形成しておいてもよい。
【0022】
補強板固定板17には切り込み20が設けられ、それぞれの蓋板9を閉じる際に垂直に折り曲げられた補強板11が切り込み20に差し込まれて係止される。補強板11が蓋板9と垂直に曲げられて切り込み20に差し込まれて係止されるので蓋板9の合わせ目が補強される。
【0023】
次に、本発明の書類保存箱の組立及び使用方法について説明する。
【0024】
図1に示すブランクの正面板1、第1の側板2、背面板3、第2の側板4が縦方向の折曲線5に沿って折り曲げられ、正面板1に連設された貼着用板6が縦方向の折曲線5に沿って折り曲げられて第2の側板4に貼着され、正面板1、第1の側板2、背面板3、第2の側板4の下辺の底板7が折り曲げられて重ねられ貼着されて底板が形成され、図2(a)に示すように、蓋板9、蓋板固定板15、補強板固定板17が起立した状態の上部が開放された直方体の書類保存箱Bが組み立てられる。
【0025】
組み立てられた書類保存箱Bに、保存する書類を収納した後、図2(b)に示すように、補強板固定板17を書類保存箱の開口を塞ぐように水平に折り曲げ、対向するそれぞれの蓋板9の補強板11を垂直に折り曲げ、蓋板9を折り曲げて補強板11を、補強板固定板17の切り込み20に差し込んで固定する。
【0026】
図3に示すように、蓋板9を閉めた後、蓋板固定板15を折り曲げて差込片21を形成する。次いで、図4(a)に示すように、蓋板9の切り込み13に差し込んで蓋板9を固定する。
【0027】
なお、蓋板固定板15を隠して見えないようにする場合、図1のブランクに示す蓋板固定板15、補強板固定板17の側縁のそれぞれを補強板11の両端の係止溝14に差し込んで係止して固定し、図4(b)に示すように、蓋板9で蓋板固定板15を覆って隠す。
【0028】
蓋を閉め終わると、必要に応じて蓋板の合わせ目に封緘シール等の、管理するための表示物22を貼り付け、書類保存箱を所定場所で保管する。
【符号の説明】
【0029】
1:正面板 2:第1の側板
3:背面板 4:第2の側板
5:折曲線 6:貼着用板
7:底板 8:折曲線
9:蓋板 10:折曲線
11:補強板 12:折曲線
13:切り込み 14:係止溝
15:蓋板固定板 16:折曲線
17:補強板固定板 18:取手切り込み用線
19:取手孔 20:切り込み
21:差込片 22:表示物
31:正面板 32:第1の側板
33:背面板 34:第2の側板
35:折曲線 36:貼着用板
37:底板 38:折曲線
39:蓋板 40:折曲線
41:切り込み 42:蓋板固定板
43:差込片 44:取手切り込み用線
45:取手孔 46:表示物
B:書類保存箱
図1
図2
図3
図4
図5
図6