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  • 特許-固体燃料の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】固体燃料の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C10L 5/48 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
C10L5/48
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019031246
(22)【出願日】2019-02-25
(65)【公開番号】P2020132805
(43)【公開日】2020-08-31
【審査請求日】2021-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】514252430
【氏名又は名称】G-8 INTERNATIONAL TRADING 株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074734
【弁理士】
【氏名又は名称】中里 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100086265
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100076451
【弁理士】
【氏名又は名称】三嶋 景治
(72)【発明者】
【氏名】宮代 知直
【審査官】森 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-223914(JP,A)
【文献】特開2007-136312(JP,A)
【文献】国際公開第2008/038361(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C10L 5/40
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミを、密閉容器の処理空間内で、昇温工程と、温度保持工程と、冷却工程を含む処理工程により、処理して固体燃料を製造する固体燃料の製造方法であって、
高温高圧の水蒸気を用いて、
前記昇温工程での前記の密閉容器内の昇温速度を、7~12℃/minに設定し、
前記温度保持工程で、前記密閉容器内を、温度120℃以上175℃以下、圧力12~15atmの亜臨界状態に設定し、
前記プラスチック系ゴミを、前記亜臨界状態で、撹拌しながら、15~35分亜臨界水処理することにより、前記多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミのうちの数種のプラスチックを溶解し、残りの他のプラスチックの周りに付着させ、固体化し、これを、前記冷却工程により冷却してプラスチック系の固体燃料を製造する固体燃料の製造方法。
【請求項2】
前記密閉容器を備え、該密閉容器の前記処理空間内に、プラスチック系ゴミを供給するための供給部と、高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、開閉機構を有し、前記製造された固体燃料を外部に排出するための排出部とを備えた製造装置を準備する装置準備工程を含む請求項1の固体燃料の製造方法。
【請求項3】
容積割合で、プラスチック系ゴミを前記処理空間の90%以下導入する請求項1または2の固体燃料の製造方法。
【請求項4】
容積割合で、プラスチック系ゴミを前記処理空間の50~80%導入する請求項1または2の固体燃料の製造方法。
【請求項5】
前記処理工程における撹拌が、前記処理空間内に配置された回転する撹拌部材により行われる請求項1~4のいずれかの固体燃料の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体燃料の製造方法に関し、更に詳細には、プラスチック系ゴミを原料とする固体燃料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
都市化の進展や産業の発展に伴って発生する産業廃棄物や生活廃棄物は、年々増大しており、その処理や有効利用が大きな課題となっている。 なかでも、下水の処理場や工場排水の処理場等で発生する有機性廃棄物は、可燃成分である炭素を含んでいることから、固形燃料としての有効活用が検討されている。 例えば、特許文献1では、有機性廃棄物に、粉状やチップ状若しくは糸状等に粉砕した廃プラスチックを混合し、この混合物を、100~150℃の加熱下で加圧して固形燃料とすることが提案されており、この方法によれば、脱水有機性廃棄物に油を含浸させただけの構成に比べて発熱量を高くすることができるとともに、粉砕した廃プラスチックが加熱により溶融又は軟化し、その状態で加圧されるために保形成が向上し、運搬や保管等の取り扱いが容易になるとしている。
【0003】
しかしながら、原料に脱水汚泥等の有機性廃棄物を用いた固形燃料における問題として、有機性廃棄物由来の臭気がある。 そこで、前記のような有機性廃棄物と廃プラスチックを混合して用いる固形燃料において、有機性廃棄物由来の臭気を防ぐ方法が提案されている。
【0004】
例えば、特許文献2では、有機性廃棄物に木屑、紙屑等を混合して減圧下で発酵脱臭する工程と減圧下で加熱乾燥工程とからなる脱臭乾燥工程を経た後、得られた混合物に廃プラスチックを添加し、好ましくは100~180℃の加熱下、圧縮成形して固形燃料とする方法が提案されている。 しかしながら、この方法は、製造工程が多く、ランニングコストがかかってしまうという問題がある。
【0005】
また、特許文献3では、廃プラスチックを溶融してプラスチックシートを成形し、これに脱水汚泥をそのまま包んで所要大きさの固形燃料とするか、或いはプラスチックシートを円筒状に成形してその内側に脱水汚泥を充填後、接合し、しかる後所要大きさに切断して固形燃料とすることが提案されている。 この方法は、脱水汚泥の乾燥工程及び高圧を必要とする加圧成形工程を不要とすることを目的とするものであるが、廃プラスチックを溶融してプラスチックシートを成形する工程が別途必要となるという問題がある、また、固形燃料においては、その運搬や保管、或いは炉への投入等の取り扱いに適した強度が要求されるが、上記の方法で得られた固形燃料は脱水汚泥がそのままプラスチックシートに包み込まれているだけであるので、その取り扱い中に破損の虞があるなど、その強度において問題がある。
【0006】
さらに、特許文献4では、有機汚泥を含む有機物及び第1の熱可塑性プラスチックを混合した燃料混合物を、第2の熱可塑性プラスチックからなる外殻内に収容することが提案されており、これにより、臭気の原因となる有機汚泥を外殻内に密閉して、臭気が外部に放出されることが少なくするとしている。そして、その形成方法として、予め所定の形状の外殻を形成しておき、この外殻内に燃料混合物を注入した後密閉する方法、或いは、燃料混合物の流動性が低く外殻内への注入が困難な場合には、燃料混合物を予め所定形状に成形した後、その表面に廃プラスチック粉粒体を液状として成形体表面に塗布する方法や、組み合わせにより一対の容器となる容器に成形体を入れて、継ぎ目を溶着する方法等が記載されている。 該特許文献4に記載された方法は、特許文献3に記載の方法と同様に、いずれの場合も、熱可塑性プラスチックを溶融する工程が別途必要となるという問題がある。
【0007】
一方、プラスチック廃棄物を含んだ固形燃料を押出成形機を用いて製造する方法においては、押出成形物の表面に存在するプラスチックを溶融固化することにより、押出成形物の表面を強固に包囲して、押出成形物に一体性を付与せしめることが検討されている。 例えば、特許文献5では、廃棄物を、プラスチック成分の多いプラスチック系廃棄物と他の廃棄物に分別し、プラスチック系廃棄物を2重スクリュー式押出形機の外側ケーシング内に供給して、外側ケーシング内でドーナッツ状押出物とすることにより、2層構造押出物を得ることが提案されている。 しかしながら、該特許文献5では、固形燃料の原料に汚泥を用いることについては全く言及されておらず、有機性廃棄物由来の臭気を防止することについては全く検討されていない。例えば、この方法で得られた2層構造押出物は切断刃によって所定長さに切断されるが、原料に汚泥を含む有機性廃棄物を用いた場合には、その切断面から臭気が発生してしまう。
【0008】
また、特許文献6では、従来の、成形機又は造粒機で成形された固形燃料の外周に廃プラスチックを含浸コーティングことにより、固形燃料の初期火力の安定と、使用時の燃料カロリーの維持を図り、更には、製造時の形状安定のために、固形燃料の形状断面を金太郎飴のように加工することが提案されている。 しかしながら、該特許文献6では、前記特許文献5と同様に、固形燃料の原料に汚泥を用いることについては全く言及されておらず、有機性廃棄物由来の臭気を防止することについては全く検討されていない。 さらにこの方法では、成形機又は造粒機で成形された固定燃料の外周に廃プラスチック含浸させるために、別途廃プラスチックを溶解することが必要である。
【0009】
前述のとおり、従来、下水汚泥などの有機性廃棄物に廃プラスチックを混合して得られる固形燃料において、有機性廃棄物由来の臭気を解決する方法が幾つか提案されているものの、いずれも、脱臭乾燥工程、或いは、廃プラスチックの溶融工程等の工程を別途必要とするものであるため、簡便な方法で、有機性廃棄物由来の臭気を低減させるとともに、成形性及び保形性を向上させた固形燃料を得る方法が望まれている。
【0010】
そこで、特許文献7である特開2018-154831号公報では、以上のような事情に鑑み、簡便な方法で、有機性廃棄物由来の臭気を低減させるとともに、成形性及び保形性を向上させた固形燃料の製造方法及びそのための製造装置を提供することを目的とし、上記目的を達成すべく、原料である下水汚泥などの有機性廃棄物を廃プラスチックで覆い、この廃プラスチック表面を軟化溶融させた後、常温へ降温中に固化させることで、全表面に廃プラスチックが溶融固化した連続層を形成して、有機性廃棄物由来の臭気を低減させた固形燃料を、簡便かつ安価に提供するようにした。
【0011】
すなわち、上記特許文献で提案された固形燃料の製造方法は、少なくとも有機性廃棄物及び廃プラスチックを含む圧縮成形体からなる固形燃料の製造方法であって、 有機性廃棄物又は有機性廃棄物を含む原料混合物或いはこれらのいずれかの予備固形化物の周囲を、廃プラスチックで覆い、加圧下で又は加圧後に加熱して前記廃プラスチックを軟化溶融させた後、常温へ降温中に固化させることにより、全表面に廃プラスチックが溶融固化した連続層を有する固形燃料とすることを特徴とするものである。
【0012】
この特許文献に開示された技術によれば、従来、埋め立て等しか処分方法がなかった廃プラスチックも固形燃料の一部として有効利用を図れる可能性がある。また、この特許文献に開示された技術によれば、有機性廃棄物を固形燃料化して燃焼させる場合、懸念事項の一として塩素含有量の問題があるが、この技術によれば、塩素含有量が高い有機性廃棄物を用いた場合においても、廃プラスチックのような他の廃棄物を混合することで、固形燃料中の塩素含有量を低減することも可能である、としている。
【0013】
しかしながら、この特許文献7の技術においては、得られた固形燃料を燃焼させたときに、廃プラスチック自体から発生する有害物について全く考慮されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開平9-87646号公報
【文献】特開2008-195910号公報
【文献】特開平11-61162号公報
【文献】特開2008-201878号公報
【文献】特開2000-246212号公報
【文献】特開2012-219239号公報
【文献】特開2018-154831号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
そこで本発明は、廃プラスチックを原料とし、燃焼させたときにも安全である固体燃料を製造する固体燃料の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記目的は、本発明の下記構成(1)~(5)の固体燃料の製造方法により達成される。(1)
多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミを、密閉容器の処理空間内で、昇温工程と、温度保持工程と、冷却工程を含む処理工程により、処理して固体燃料を製造する固体燃料の製造方法であって、
高温高圧の水蒸気を用いて、
前記昇温
工程での前記の密閉容器内の昇温速度を、7~12℃/minに設定し、
前記温度保持工程で、前記密閉容器内を、温度120℃以上175℃以下、圧力12~15atmの亜臨界状態に設定し、
前記プラスチック系ゴミを、前記亜臨界状態で、撹拌しながら、15~35分亜臨界水処理することにより、前記多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミのうちの数種のプラスチックを溶解し、残りの他のプラスチックの周りに付着させ、固体化し、これを、前記冷却工程により冷却してプラスチック系の固体燃料を製造する固体燃料の製造方法。
(2)
前記密閉容器を備え、該密閉容器の前記処理空間内に、プラスチック系ゴミを供給するための供給部と、高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段と、開閉機構を有し、前記製造された固体燃料を外部に排出するための排出部とを備えた製造装置を準備する装置準備工程を含む前記(1)の固体燃料の製造方法。
(3)
容積割合で、プラスチック系ゴミを前記処理空間の90%以下導入する前記(1)または(2)の固体燃料の製造方法。
(4)
容積割合で、プラスチック系ゴミを前記処理空間の50~80%導入する前記(1)または(2)の固体燃料の製造方法。
(5)
前記処理工程における撹拌が、前記処理空間内に配置された回転する撹拌部材により行われる前記(1)~(4)のいずれかの固体燃料の製造方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明の固体燃料の製造方法によれば、プラスチック類全体を水熱処理していることにより、これらプラスチック類から脱塩素化が図れ、製造された固体燃料を燃焼させたとき、有害ガスの発生が抑制できる。 また、処理容器である密閉容器内の昇温速度を、7~12℃/minと比較的早い昇温速度に設定したことにより、低融点のプラスチック類を初期に溶融させて、液体状とし、撹拌することにより、低融点プラスチック類で高融点プラスチック類をコーティングした固体燃料を製造することがでる。 このような、低融点プラスチック類コーティング高融点プラスチック類製の固体燃料は、着火しやすく燃焼性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の固体燃料の製造方法に使用される亜臨界水製造装置の概略図である。
図2】本発明の固体燃料の製造方法における昇温工程、温度保持工程および冷却工程における温度パターンを示すグラフ図である。
【発明の実施の形態】
【0019】
まず、図1を参照して、本発明の固体燃料の製造方法に使用される亜臨界水製造装置である固体燃料製造装置(製造装置)10の一例について説明する。
図1は、当該製造装置の断面図である。
【0020】
前記製造装置10は、内部に多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミの破断材である原料を収容する閉鎖空間S1を有する密閉容器12と、密閉容器12内に、亜臨界水である高温高圧の蒸気を噴出する蒸気噴出手段14と、密閉容器12の底側に設けられ開閉機構26を有する排出口16と、排出口16からの直接排出操作のみで処理された原料と液体とを分離して回収する分離回収手段18と、を備えている。密閉容器12の形状は、例えば、矩形箱形、立体多角筒形、円筒形、樽型、ドラム型等その他任意形状でよいが、下面側に設けられている排出口16から重力を利用して排出されるような形状が好ましい。密閉容器の下面が排出口へ向けて下り傾斜に設けられていると好適である。なお、前記排出口16の直径は、製造された固体(固形)燃料を排出できるようにするため、30cm以上とすることが望ましい。同様に、廃プラスチック類を装置内に投入するための投入口(下記する)も同様の寸法の直径を有していることが望ましい。
【0021】
分離回収手段18は、密閉容器12の閉鎖空間S1とは異なる他の閉鎖空間S2を有し、排出口16を介して該密閉容器12内部に連通する液体の回収部50と、密閉容器12内の液体のみを排出口16を介して自然流下により回収部50へ回収させる自然流下回収機構52と、を有することとしてもよい。排出口16付近で処理された固形分としての原料は密閉容器12内にそのまま残り、液体のみが重力を利用して回収部50へ自然流下することにより、原料と液体とを分離回収できる。回収部50の構成は、例えば、金属製タンクや立体多角形状の箱体、管状体等、液体を回収する閉鎖空間S2を有するものであれば任意のものでもよい。収容部を複数個形成してもよい。
【0022】
自然流下回収機構52は、液体の回収操作前に、密閉容器12の閉鎖空間S1と回収部50の閉鎖空間S1とを同圧にさせる同圧形成手段62を含むこととしてもよい。密閉容器12と回収部50とを常時同圧にさせる構成とすると、処理後に液体の回収作業を直ちに行え、作業時間の短縮が図れる。
なお、上の例では、分離手段を製造装置に組み込んだ例について説明したが、製造装置自体には、分離手段を設けること無く、別体で設けてもよい。
【0023】
また、前記密閉容器12の閉鎖空間S1と回収部50の閉鎖空間S2を同圧にするための同圧形成手段62を設けてもよい。この同圧形成手段62は、排出口16を介した液体の回収経路と異なる別の経路で密閉容器12の閉鎖空間S1と回収部50の閉鎖空間S2とを連通させる同圧連通管64を有することとしてもよい。この同圧連通管64は、前記閉鎖空間S1と閉鎖空間S2と常時連通させて、密閉容器12内と回収部50内とを常時同圧状態にしておいてもよい。なお、同圧連通管64は、少なくとも液体の回収操作前に密閉容器12と回収部50とを連通させて同圧にすればよく、該同圧連通管を連通・遮断するための開閉機構が設けられていても良い。
【0024】
また、別の経路を形成する同圧連通管64と密閉容器50との連通は、密閉容器12の上端側に設定された連通接続部68を介して行なわれることとしてもよい。
【0025】
また、自然流下回収機構52は、密閉容器12の排出口16と回収部50とを連通接続する液体回収流路54を含み、該液体回収流路54は排出口16との連通側から回収部50側に向けて、水平又は下り傾斜状に設けられたこととしてもよい。
【0026】
また、処理された原料の排出口16からの排出経路R1途中に開閉機構26が設けられ、開閉機構26よりも排出上流側に液体回収流路54の液体導入口58が連通接続されていることとしてもよい。
【0027】
また、液体回収流路54には、密閉容器12内での原料の処理中には流路を遮断するとともに、処理後に液体のみを回収する際には流路を連通させるように連通状態を選択的に切り替える開閉機構60が設けられていてもよい。
【0028】
また、回収部50の閉鎖空間S2の底面が密閉容器12の排出口16の位置より低く設けられたこととしてもよい。
【0029】
また、回収部50は、その閉鎖空間S2内に回収した液体の液面WLが常に排出口16より低くなるように設けられたこととしてもよい。
【0030】
密閉容器12内には、原料を撹拌する撹拌手段30が設置されている。
【0031】
また、密閉容器12は、左右中央部の底側に排出口16が設けられつつ、径が左右中央部から左右両端側に向けて次第に縮径された横倒し樽型形状に形成され、撹拌手段30は、密閉容器12内に横長に設けられて回転自在に軸支された回転軸49と、回転軸49に取り付けられ同回転軸49の周方向に広がる部位を有する撹拌羽根48と、を有し、撹拌羽根48の回転軸49から羽根先端までの長さは、密閉容器12の横倒し樽型形状に対応して、回転軸49の長手方向の中央位置で長く、両端側に行くにしたがって次第に短くなるように形成されたこととしてもよい。
【0032】
また、蒸気噴出手段14は、回転軸49を中空管とし、該中空管の周面に複数個の蒸気噴出孔44を形成して構成された回転軸兼蒸気噴出管28を含むこととしてもよい。
【0033】
本例では、密閉容器12は、支持脚13で地面からある程度の高さに配置されるように支持されている。密閉容器12は、その径が左右方向中央部から左右両端側の端壁12a側に向けて次第に縮径された横倒し樽型形状に形成されている。密閉容器12は、例えば、耐熱耐圧性を有するように金属板を加工して形成され、原料を約2m収容できる程度の大きさで設けられている。密閉容器12には、中央部の上方に、原料の供給部である投入部20が、中央部の底側に排出部22がそれぞれ設けられており、それぞれ開閉機構24,26により開閉されるように設けられている。密閉容器12の閉鎖空間S1内には、蒸気噴出手段14を構成している蒸気噴出管28と、原料を撹拌する撹拌手段30と、が配置されている。なお、密閉容器12には、内部圧力が設定値よりも高くなると内部蒸気を開放させる、例えば設定圧を調整可能な安全弁32が設けられている。また、安全弁32に接続された排気用管の途中には、消音・消臭装置34が設けられており、安全弁32を介して排気される蒸気は消音消臭されて、外気側に排出される。
【0034】
排出口16は、図に示すように、密閉容器12の左右方向中央部の底面側に開口されており、原料の排出方向を下方にして設けられている。排出口16の径は、例えば、300mm程度に設けられている。排出口16には、下方に突設された排出筒36が接続されて処理された原料の排出経路R1を形成しているとともに、該排出経路R1の途中に設けられて排出口16を開閉する開閉機構26が設けられている。すなわち、排出部22は、排出口16と、排出筒36と、開閉機構26と、を含む構成となっている。密閉容器12が横倒し樽型形状に形成されているから、重力により内部の原料は排出口16が設けられている中央部に向けて集まりやすく、開閉機構26を開くだけで簡便に原料を排出口16から排出させることができる。
【0035】
投入部20には、密閉容器12に上側に投入口42が開口されており、投入口42には上方へ突設された投入筒43が取り付けられ、投入筒43内を開閉するように例えばボールバルブ等の開閉機構24が設けられている。開閉機構24を介して、投入口42を開いて原料を密閉容器内に投入でき、処理時には閉鎖して密閉容器12内の閉鎖空間S1の閉鎖状態を維持する。
【0036】
蒸気噴出手段14は、密閉容器12内に高温高圧の蒸気を噴出するとともに、該密閉容器12内を高温高圧状態とし、原料を蒸気を介して処理させる。図1に示すように、蒸気噴出手段14は、密閉容器12内に配置され周面側に多数の蒸気噴出孔44が形成された中空管からなる蒸気噴出管28と、ボイラー等の蒸気発生装置46と、蒸気発生装置46から蒸気噴出管28内に蒸気を供給する蒸気送管47と、を含む。蒸気噴出手段14から密閉容器12内に噴出される蒸気は、原料を適正に処理するため、亜臨界水であるような高温高圧に設定される。例えば、蒸気噴出管28から噴出される蒸気は、温度が100~250℃、圧力が5~35atm程度に設定されている。そして、密閉容器12内を、温度100~250℃、圧力5~35atm程度にするようになっている。蒸気噴出管28は、密閉容器12の上下方向略中央位置で横方向に長く配置され、密閉容器の両端壁12aに設けられた軸受45を介して回転自在に軸支されている。すなわち、蒸気噴出管28は、横軸周りに回転しながら放射状に蒸気を噴出しつつ蒸気を原料に直接に当てるようになっている。なお、蒸気噴出管28は、モータ等の回転駆動装置51からチェーン等を介して回転駆動力を得て回転するようになっている。さらに、蒸気噴出管28には、撹拌手段を構成する撹拌羽根48が取り付けられており、蒸気噴出管28が撹拌手段の回転軸49を兼用している。すなわち、本実施形態では、蒸気噴出手段14は、撹拌手段の回転軸49を中空管とし、該中空管の周面に複数個の蒸気噴出孔を形成して構成された回転軸兼蒸気噴出管28を含む。なお、蒸気噴出手段は、この形態の構成に限らず、例えば、密閉容器内に差し込んだ管の先端から蒸気を噴出する構成、複数の蒸気噴出管を配置させた構成等、その他任意の構成でもよい。
【0037】
撹拌手段30は、密閉容器内で処理される原料を撹拌する手段であり、原料をむらなく、早期に処理できる。撹拌手段30は、上記の蒸気噴出管28からなる回転軸49と、該回転軸49に取り付けられ同回転軸の周方向に広がる部位を有する撹拌羽根48と、を含む。本実施形態では、撹拌羽根48は、回転軸49の軸方向略中央位置で互いに逆巻きに設けられた、右巻き螺旋羽根48aと、左巻き螺旋羽根48bと、で形成されている。撹拌羽根48は、回転軸から羽根先端までの長さが左右中央部から両端側に向けて次第に縮径されるように設けられている。これにより密閉容器12の横倒し樽型形状に対応して原料を確実に撹拌できる。さらに、羽根先端と密閉容器12の内壁との間にある程度の隙間Hを形成するように設けられている。螺旋羽根48a、48bは、原料を中央部から両端壁側に向けて搬送しつつ、固形状の原料を破砕しながら原料を撹拌する。撹拌羽根48により両端壁12a側に搬送された原料は、該端壁12a側で後から搬送されてくる原料によって押送され、密閉容器12の内壁に沿いつつ隙間Hを介してから中央に戻るように搬送される。なお、撹拌手段30は、上記の構成のものに限らず、その他任意の構成でもよい。
【0038】
分離回収手段18は、排出口からの直接操作のみで、蒸気処理後の密閉容器12内の処理された原料と液体とを分離して回収する分離回収手段である。分離回収手段18は、図1に示すように、排出口16を介して密閉容器12内部に連通する液体の回収部50と、排出口16を介して液体を自然流下により回収部50に回収させる自然流下回収機構52と、を有する。
【0039】
回収部50は、密閉容器12の閉鎖空間S1とは異なる他の閉鎖空間S2を内部に有した第2の閉鎖容器である。回収部50は、例えば、耐熱耐圧性を有する金属製の円筒形状の密閉タンクからなる。回収部50は、例えば金属製管部材等から形成される液体回収流路54を介して密閉容器12の排出口16と連通接続されている。回収部50は、その閉鎖空間S2の底面が密閉容器12の排出口16の位置より低く設けられているとともに、閉鎖空間S2内に回収した液体の液面WLが常に排出口16より低くなるように設けられており、排出口側の液体が回収部側へスムーズに自然流下しやすいようになっている。なお、回収部50には、回収した液体の取出ドレン56が設けられており、開閉弁により開閉するように設けられている。
【0040】
自然流下回収機構52は、密閉容器12内に溜まる液体の重力による自然流下により、液体のみを排出口から回収部50へ流下させる自然流下回収手段である。自然流下回収機構52は、液体回収流路54を含む構成であり、液体回収流路54はその液体導入口58を排出口16に連通接続させて、処理された原料の排出経路R1から分岐した液体の回収経路R2を形成している。本実施形態では、液体回収流路54は、例えば、その内径が6mm程度の金属製管で設けられている。液体回収流路54には、流路の連通状態を選択的に切り替える開閉機構60が設けられている。開閉機構60は、密閉容器内での原料の処理中には流路を遮断するとともに、処理後に液体のみを分離回収する際には流路を連通させるように切り替えられる。これにより、原料と同時に原料中に含まれる水分や蒸気が液化して原料中の細菌や悪臭成分等を含んで状態の液体は、高温高圧の蒸気で処理させることができる。そして、処理後に分離回収される液体は、殺菌や、悪臭・有害成分の分解等された状態で回収することができ、分離回収した液体を二次処理する必要がなく、労力がかからず、時間短縮を図ることができる。
【0041】
液体回収流路54は、液体導入口58が開閉機構26よりも排出上流側の位置に連通接続されている。よって、排出口16の開閉機構26を閉じた状態で、液体回収流路54の開閉機構60を開いて流路を連通状態にすることにより、排出口から液体を分離して回収させる。液体回収流路54は排出筒36と直交方向に接続されており、液体の回収経路R2が原料の排出経路R1に対して直交方向に設けられている。すなわち、開閉機構26の閉鎖状態では、密閉容器内の原料の堆積圧がかかる方向に対して交差方向に液体が流れるようになっている。これにより、簡単な構造で、液体導入口58に原料が入りにくい構造となり、液体のみを液体回収路54に自然流下させて、液体の分離回収を良好に行なうことができる。なお、密閉容器12内の液体が液体導入口56へ流れる勢いが強すぎると、液体の流れの力によって原料がともに流れされるおそれがあるので、好適には、処理された原料を流し運ばない程度の緩やかな流れになるように、液体回収路や液体導入口等の接続構成が設定される。液体回収流路54は、排出口16との連通側(液体導入口側)から回収部側に向けて全体的に水平に設けられている。これにより、液体回収流路での液体の流れはスムーズに行われ、排出口から回収部へ自然流下される。液体回収流路54を回収部側に向けて下り傾斜状に設けて、液体回収路54内で液体の流れがよりスムーズに行くようにしてもよい。この際、例えば、液体導入口58側をある程度の長さまで水平に設けて、その後下り傾斜に設けることとしてもよい。また、液体導入口58には、必要に応じてフィルタ等を設けることとしてもよい。
【0042】
さらに、図1に示すように、自然流下機構52は、液体の回収操作前に、密閉容器12の閉鎖空間S1と回収部50の閉鎖空間S2とを同圧に形成させる同圧形成手段62を含む。通常では、処理後の密閉容器12内は高圧であるから、液体回収流路では、密閉容器内に比べて低圧である回収部の閉鎖空間S2に向けて圧力差による圧送力が働く。このような圧送力が働くと液体と原料とがともに液体回収流路54に流れこむこととなり、液体と原料との分離回収が困難となるとともに、原料が液体回収流路内に詰まるおそれが高い。同圧形成手段62により、液体の回収操作前に密閉容器12と回収部50との2つの閉鎖空間S1,S2を同圧にしておくことにより、該2つの閉鎖空間S1、S2の気圧の差により生じる原料が圧送されるのを防止でき、液体の自然流下作用を利用して、原料と分離しながら良好に回収部に回収できる。また、処理後の密閉容器内の高圧状態でも分離回収作業を行えるので、作業時間を短縮できる。
【0043】
同圧形成手段62は、排出口16を介した液体の回収経路R2(液体回収流路54)とは異なる別の経路R3で密閉容器12の閉鎖空間S1と回収部50の閉鎖空間S2とを連通させる同圧連通管64を含む。同圧連通管64は、例えば、金属製管からなり、簡単な構造でしかも効率的に2つの閉鎖空間S1,S2を同圧にできる。図1では、同圧連通管64は、一端側が密閉容器12の左右中央部の上端側に連通接続され、他端側を回収部50の上端側に連通接続されている。別の経路R3を形成する同圧連通管64と密閉容器12との連通は、密閉容器12の上端側に設定された連通接続部68を介して行なわれるようになっている。連通接続部68の密閉容器との接続口が下方に向けて設定されている。これにより、同圧連通管64内に密閉容器12内で堆積している原料が管内に入りにくくなっており、原料が管内に詰まるのを防止して同圧連通管の連通状態を保持し、密閉容器12と回収部50とを確実に同圧にさせることができる。同圧連通管64は、常時連通状態となっており、液体回収流路54の開閉機構60を閉じた状態では、密閉容器12内、回収部50、液体回収流路54内が同じ圧力状態になる。これにより、液体回収流路54の開閉機構60を開いた直後にも排出口16の液体導入口58側で圧力差による原料の圧送を防止できる。さらに、開閉機構60を開いて液体が回収する際にも、密閉容器12内と回収部50内は常時同圧状態が保持される。したがって、回収前から回収終了後まで同圧状態となり、良好に液体のみを排出口16から自然流下させて分離回収することができる。なお、同圧形成手段62は、この形態の構成に限らず任意の構成でよい。例えば、同圧形成手段62は、回収部内を高圧にする他の高圧形成装置を設け、密閉容器内の圧力をセンサーで監視しながら回収部内の圧力を調整して、密閉容器内の圧力と同圧にするようにしてもよい。また、密閉容器内を減圧することとしてもよい。
【0044】
次に、以上説明した製造装置10を用いての本発明の実施の形態による固体燃料の製造方法について説明する。
【0045】
本発明の実施の形態による固体燃料の製造方法は、
前記のような製造装置を準備する装置準備工程、
前記製造装置の密閉容器の処理空間内に、前記供給部から、プラスチック系ゴミである原料を投入する原料投入工程、
高温高圧の蒸気を前記処理空間に導入して、該処理空間内の昇温を行う昇温工程、
温度が120~175℃で、圧力が12~35atmの蒸気を、前記原料が投入されている前記処理空間内に導入し、前記原料を撹拌しながら、原料を亜臨界水反応処理して、固体燃料を製造する処理工程、
前記処理空間内を冷却する冷却工程、および、
前記製造した固体燃料を、排出口を介して密閉容器外に取り出す取り出し工程
を備えている。
【0046】
以下、上記した各工程について詳細に説明する。
《装置準備工程》
図を参照しつつ、上で説明したような製造装置(製造装置)を準備する。
【0047】
《原料投入工程》
原料としてのプラスチック系ゴミ
先ず、処理すべき、すなわち固体燃料の原料となる廃プラスチック類を含有するプラスチック系ゴミを準備する。この廃プラスチック類は、そのままの形状でも良いが、少なくとも、製造装置10の投入口から投入することのできる大きさのものとするのが好ましく、特に、チップ状等の細片、あるいは粒状とするのが好ましい。ちなみに、この廃プラスチック類の樹脂別内訳は、2017年の(一社)プラスチック循環利用協会の調べでは、ポリエチレン(PE)が33.9%、ポリプロピレン(PP)が22.2%、ポリスチレン類(PS)が11.8%、塩化ビニル樹脂(VC)が7.5%、その他が24.5%となっている。今回準備したプラスチック系ゴミにおける廃プラスチック類の樹脂別内訳は、これに準ずるものであった。
【0048】
プラスチック系ゴミの投入
前記多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミを、前記製造装置10の密閉容器の処理空間内に、投入口から投入する。このとき、プラスチック系ゴミの密閉容器内への投入量は、容積割合で、プラスチック系ゴミを前記処理空間の90%以下、特に、50~80%であることが好ましい。
【0049】
《昇温工程》
この昇温工程では、昇温速度を、前記密閉容器内の処理空間へのプラスチック系ゴミの投入量、下記する保持温度(処理温度)の値を考慮し、7~12℃/minに設定する。この昇温は、高温高圧の水蒸気を前記処理空間に導入することによって行われる。
昇温速度が前記未満であると、処理時間が掛かりすぎて、処理量が少なくなり、結果的にコストが増大し、一方、前記を越えると、高融点のプラスチック類を溶解が進まないうちに、低融点のプラスチック類が溶解してしまって、高融点プラスチック類の外側のコーティング層とならない。その結果、できた固体燃料の着火性が十分でなくなる。
【0050】
《処理工程》
この処理工程では、前記密閉容器内を、温度120℃以上175℃以下、圧力12~15atmの亜臨界状態に所定時間保持する。この温度と、圧力は、前記密閉容器内に、温度120℃以上175℃以下、圧力12~15atmの高温高圧の水蒸気を導入することによって達成する。
前記プラスチック系ゴミを、前記亜臨界状態で、前記撹拌手段により撹拌しながら、15~35分亜臨界水処理することにより、前記多種のプラスチック類を含有するプラスチック系ゴミのうちの数種のプラスチックを溶解し、残りの他のプラスチックの周りに付着させ、固体化する。
この処理工程において、前記温度および/または圧力が、前記亜臨界状態未満であると、高融点プラスチック類の少なくとも周囲側の部分の軟化が進まず、したがって、低融点のプラスチック類の溶融物が、その外側に付着し難くなり、また脱塩素が十分でなく、一方、越えると、高融点プラスチック類も大部分が溶融してしまい、固体燃料の態をなさなくなる。
この処理工程においては、比較的低融点のプラスチック類を溶融し、一方、比較的高融点のプラスチック類を溶解までには至らないが軟化させ、これにともなって、脱塩素化する。
【0051】
《冷却工程》
この後、低融点プラスチック類で外部をコーティングした高融点プラスチック類からなる固定燃料の中間物をこの冷却工程により冷却してプラスチック系の固体燃料を製造する。この冷却工程は、処理空間を常圧に戻した後、自然冷却により行って良い。
【0052】
《固体燃料の取得工程》
この工程では、まず、溶液分を固体燃料分から分離する。この分離は、前記分離回収手段を用いて、溶液分を自然落下させ、固形燃料分を密閉容器内に残留させることにより行われる。
液体分が装置内から排出された後、排出口を開放して、固体燃料を装置外へ取り出す。
以上により、固体燃料の製造を完了する。
【0053】
[実施例]
先ず、密閉容器中の処理空間の容積が2mの、図1に示すような構造の製造装置を準備した。
前記処理空間中に、原料として上記した廃プラスチック類構成内容のプラスチック系ゴミを準備し、これを用いてそれぞれ、廃プラスチック類体燃料の製造の実験を行った。
プラスチック系ゴミの前処理は、装置の投入口から投入が不可能な大きさのものを、押しつぶすことにより減容化する以外は、そのまま用いた。
プラスチック系ゴミの投入量は、1.6m(処理空間の容積の80%)とした。
【0054】
前記プラスチック系ゴミの投入後、処理空間内の温度が表に示した処理温度となるように、高温高圧の水蒸気を導入した。そのときの該処理空間内の昇温速度は表に示した値となるようにして、昇温工程を行った。
次いで、処理空間内の温度が前記処理温度で、圧力を14atmに固定、処理時間を25分で固定して亜臨界水処理を行いサンプルの固体燃料を製造した。得られたサンプルの固体燃料のそれぞれに付き着火試験を行うと共に、燃焼時におけるダイオキシンの発生状態を判定した。この判定は、着火後5分以内のダイオキシンの発生量を測定することにより行った。その結果を、第1表の評価に示した。
着火試験は、サンプルの固体燃料にガスバーナーの火炎を当て、発火までの時間を測定して判定した。判定内容は下記とした。
〇:火炎を当ててから20秒未満以内に着火した。評価
x:20秒たっても着火しなかった。
ダイオキシンの発生量試験は、プラスチック系ゴミを固める以外は、何も処理せずに燃焼させた場合のダイオキシンの発生量を1としたとき、発生量が1/2以下となった場合を〇、ならなかった時をxとした。
【表1】
以上から、本発明の効果が明らかである。
【符号の説明】
【0055】
10 固体燃料の製造装置
12 密閉容器
14 蒸気噴出手段
16 排出口
18 分離回収手段
26 開閉機構
30 撹拌手段
50 回収部
52 自然流下回収機構
54 液体回収流路
58 液体導入口
60 開閉機構
62 同圧形成手段
64 同圧連通管
図1
図2