(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】タイヤホルダ
(51)【国際特許分類】
A47F 7/04 20060101AFI20221005BHJP
A47F 5/11 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
A47F7/04
A47F5/11
(21)【出願番号】P 2020172626
(22)【出願日】2020-10-13
【審査請求日】2020-10-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】517347850
【氏名又は名称】株式会社図南
(74)【代理人】
【識別番号】110002435
【氏名又は名称】特許業務法人井上国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊郎
【審査官】遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】特許第6484364(JP,B1)
【文献】米国特許第06581785(US,B1)
【文献】特開平10-226406(JP,A)
【文献】実開昭59-166768(JP,U)
【文献】仏国特許出願公開第02868926(FR,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 7/04
A47F 5/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
横置きされた横置きタイヤの上に縦置きされた縦置きタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダにおいて、
前記縦置きタイヤの下部は前記横置きタイヤの中心孔に入り込み、その縦置きタイヤの外周面は前記横置きタイヤに支持され、
前記一対の支持部材は、それぞれ、
前記横置きタイヤの側面に配置される支持部材本体と、
前記支持部材本体に連結され、前記縦置きタイヤの側面を支持するタイヤ支持部と、
前記支持部材本体に連結され、前記横置きタイヤの側面に配置される互いに平行な一対のアーム部とを備え、
前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材が、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の一対のアーム部を収容する収容空間を有する一対のアーム部収容部を有し、
前記収容空間は、前記一方の支持部材の前後方向に沿って延びており、
前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置され、前記一方の支持部材の前記一対のアーム部収容部の前記収容空間に前記他方の支持部材の一対のアーム部が挿入されたとき、前記他方の支持部材の一対のアーム部が前記一方の支持部材の前後方向に沿って案内され、前記一方の支持部材の一対のアーム部と前記他方の支持部材の一対のアーム部とが連結される
ことを特徴とするタイヤホルダ。
【請求項2】
前記他方の支持部材が、
前記他方の支持部材の一対のアーム部のそれぞれに連結され、前記他方の支持部材の前後方向に沿って延びる一対の突起を有し、
前記一対のアーム部収容部がそれぞれ、前記一対の突起を前記一方の支持部材の前後方向に沿って案内するガイド孔を有する
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤホルダ。
【請求項3】
前記他方の支持部材が、前記一対の突起の一端部を支持する一対の突起支持部を有する
ことを特徴とする請求項2に記載のタイヤホルダ。
【請求項4】
前記支持部材本体が第1の孔を有し、
前記タイヤ支持部が、前記第1の孔に挿入されて前記支持部材本体に連結される第1の突出部を有する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【請求項5】
前記タイヤ支持部が、前記縦置きタイヤのホイールを露出させる第2の孔を有する
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【請求項6】
前記タイヤ支持部が、
前記支持部材本体に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部と、
前記第1タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部と、
前記第2タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なり、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部とを山形に折り曲げたとき前記第1タイヤ支持部に架け渡されて、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部との山形形状を維持する山形形状維持部と
を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【請求項7】
前記第1タイヤ支持部が第3の孔を有し、
前記山形形状維持部が、前記第3の孔に挿入されて前記第1タイヤ支持部に連結される第2の突出部を有する
ことを特徴とする請求項6に記載のタイヤホルダ。
【請求項8】
前記第1タイヤ支持部が凹部を有し、
前記山形形状維持部が、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部とを山形に折り曲げたとき前記凹部に嵌合する第3の突出部を有する
ことを特徴とする請求項6又は7に記載のタイヤホルダ
【請求項9】
前記一対の支持部材がプラスチックダンボール製である
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、横置きされたタイヤの上に縦置きされたタイヤを支持するタイヤホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、横置きされた横置きタイヤの上に縦置きされた縦置きタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダがある(下記特許文献1参照)。
【0003】
一対の支持部材は、それぞれ、横置きタイヤの側面に配置される第1板体部と、第1板体部に折り曲げ可能に連結され、山形に折り曲げられて縦置きタイヤの側面を支持する第2板体部と、第1板体部に連結され、横置きタイヤの側面に配置される第3板体部とを備えている。
【0004】
第3板体部は互いに平行な一対のアーム部を有する。一方の支持部材の一対のアーム部の裏面には面ファスナの雄ファスナ部が装着され、他方の支持部材の一対のアーム部の表面には面ファスナの雌ファスナ部が装着されている。
【0005】
このタイヤホルダを用いて縦置きタイヤを支持するには、一対の支持部材を横置きタイヤの側面に対向配置するとともに、一方の支持部材の一対のアーム部を他方の支持部材の一対のアーム部に重ね、一方の支持部材の一対のアーム部と他方の支持部材の一対のアーム部とを連結する。
【0006】
一方の支持部材の一対のアーム部と他方の支持部材の一対のアーム部とが連結されると、一方の支持部材の第2板体部と他方の支持部材の第2板体部とによって縦置きタイヤが両サイドから挟持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のタイヤホルダには、縦置きタイヤが大きいとき、そのタイヤを傾けなければ、一方の支持部材の一対のアーム部と他方の支持部材の一対のアーム部とを平行に重ねにくく、第2板体部と縦置きタイヤの側面との間にすき間が生じて、タイヤ支持力が低下するおそれがあった。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その課題は、縦置きされたタイヤをより簡単且つ確実に支持することができるタイヤホルダを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の課題を解決するため請求項1に記載の発明は、横置きされた横置きタイヤの上に縦置きされた縦置きタイヤを両サイドから挟む一対の支持部材を有するタイヤホルダにおいて、前記縦置きタイヤの下部は前記横置きタイヤの中心孔に入り込み、その縦置きタイヤの外周面は前記横置きタイヤに支持され、前記一対の支持部材は、それぞれ、前記横置きタイヤの側面に配置される支持部材本体と、前記支持部材本体に連結され、前記縦置きタイヤの側面を支持するタイヤ支持部と、前記支持部材本体に連結され、前記横置きタイヤの側面に配置される互いに平行な一対のアーム部とを備え、前記一対の支持部材のうちの一方の支持部材が、前記一対の支持部材のうちの他方の支持部材の一対のアーム部を収容する収容空間を有するアーム部収容部を有し、前記一対の支持部材が前記横置きタイヤの側面に対向配置され、前記一方の支持部材の前記アーム部収容部の前記収容空間に前記他方の支持部材の一対のアーム部が収容されたとき、前記一方の支持部材の一対のアーム部と前記他方の支持部材の一対のアーム部とが連結されることを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のタイヤホルダにおいて、前記他方の支持部材が、前記他方の支持部材の一対のアーム部のそれぞれに連結され、前記他方の支持部材の前後方向に沿って延びる一対の突起を有し、前記一対のアーム部収容部がそれぞれ、前記一対の突起を前記一方の支持部材の前後方向に沿って案内するガイド孔を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のタイヤホルダにおいて、前記他方の支持部材が、前記一対の突起の一端部を支持する一対の突起支持部を有することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、前記支持部材本体が第1の孔を有し、前記タイヤ支持部が、前記第1の孔に挿入されて前記支持部材本体に連結される第1の突出部を有することを特徴とする。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、前記タイヤ支持部が、前記縦置きタイヤのホイールを露出させる第2の孔を有することを特徴とする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、前記タイヤ支持部が、前記支持部材本体に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部と、前記第1タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部と、前記第2タイヤ支持部に折り曲げ可能に連なり、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部とを山形に折り曲げたとき前記第1タイヤ支持部に架け渡されて、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部との山形形状を維持する山形形状維持部とを有することを特徴とする。
【0016】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のタイヤホルダにおいて、前記第1タイヤ支持部が第3の孔を有し、前記山形形状維持部が、前記第3の孔に挿入されて前記第1タイヤ支持部に連結される第2の突出部を有することを特徴とする。
【0017】
請求項8に記載の発明は、請求項6又は7に記載のタイヤホルダにおいて、前記第1タイヤ支持部が凹部を有し、前記山形形状維持部が、前記第1タイヤ支持部と前記第2タイヤ支持部とを山形に折り曲げたとき前記凹部に嵌合する第3の突出部を有することを特徴とする。
【0018】
請求項9に記載の発明は、請求項1~8のいずれか1項に記載のタイヤホルダにおいて、前記一対の支持部材がプラスチックダンボール製であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
この発明は、縦置きされたタイヤの直径が大きくても、そのタイヤをより確実に支持することができるタイヤホルダを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1はこの発明の第1実施形態に係るタイヤホルダの斜視図である。
【
図3】
図3は
図1のタイヤホルダの一方の支持部材の側面図である。
【
図4】
図4は
図1のタイヤホルダの他方の支持部材の側面図である。
【
図6】
図6は一方の支持部材のアーム部収容部の斜視図である。
【
図7】
図7は一方の支持部材のアーム部収容部の展開図である。
【
図9】
図9は
図1のタイヤホルダを用いてタイヤを支持した状態を前方から見た図である。
【
図10】
図10は
図1のタイヤホルダを用いてタイヤを支持した状態を横から見た図である。
【
図11】
図11はこの発明の第2実施形態に係るタイヤホルダの斜視図である。
【
図16】
図16は一方の支持部材の突起支持部の斜視図である。
【
図17】
図17は一方の支持部材の突起支持部の分解斜視図である。
【
図18】
図18は一方の支持部材のアーム部収容部の斜視図である。
【
図19】
図19は一方の支持部材のアーム部収容部の展開図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
この発明の第1実施形態に係るタイヤホルダは、
図1、
図2、
図9、
図10に示すように、横置きされたタイヤ(横置きタイヤ)5の上に縦置きされたタイヤ(縦置きタイヤ)6を両サイドから挟む一対の支持部材1,2を備えている。横置きとはタイヤの中心軸が垂直軸と平行になるようにタイヤを置くことであり、縦置きとはタイヤの中心軸が垂直軸と直交するようにタイヤを置くことである。
【0023】
一対の支持部材1,2のうちの一方の支持部材1は、タイヤ5の側面51に配置される支持部材本体11と、山形に折り曲げられてタイヤ6の側面61を支持するタイヤ支持部12と、タイヤ5の側面51に配置される互いに平行な一対のアーム部13,13と、一対の支持部材1,2のうちの他方の支持部材2の一対のアーム部23,23を収容する収容空間14a,14aを有する一対のアーム部収容部14,14とを備えている(
図5参照)。タイヤ支持部12は支持部材本体11に折り曲げ可能に連結され、一対のアーム部13,13は支持部材本体11に連結されている。支持部材本体11はほぼ半円形であり、タイヤ支持部12の展開状態時の形状はほぼ矩形であり、一対のアーム部13,13はそれぞれ片持ち梁状である(
図5参照)。一対のアーム部収容部14,14はそれぞれ一対のアーム部13,13の表面に接着されている(
図1参照)。タイヤ支持部12は一方の支持部材1,101の左右方向RL1に沿って延びるとともに、上方へ突出するように山形に折り曲げれられている。タイヤ5の側面51に配置された一方の支持部材1,101の上下方向UD1はタイヤ5の中心軸と平行である。
【0024】
一対の支持部材1,2のうちの他方の支持部材2は、タイヤ5の側面51に配置される支持部材本体21と、山形に折り曲げられてタイヤ6の側面61を支持するタイヤ支持部22と、タイヤ5の側面51に配置される互いに平行な一対のアーム部23,23とを備えている(
図8参照)。タイヤ支持部22は支持部材本体21に折り曲げ可能に連結され、一対のアーム部23,23は支持部材本体21に連結されている。支持部材本体21はほぼ半円形であり、タイヤ支持部22の展開状態時の形状はほぼ矩形であり、一対のアーム部23,23はそれぞれ片持ち梁状である。タイヤ支持部22は他方の支持部材2,102の左右方向RL2に沿って延びるとともに、上方へ突出するように山形に折り曲げれられている。タイヤ5の側面51に配置された他方の支持部材2,102の上下方向UD2はタイヤ5の中心軸と平行である。
【0025】
一対の支持部材1,2はそれぞれプラスチックダンボールをプレス加工することによって形成される。但し、支持部材1,2の材質はプラスチックダンボールに限定されず、合成樹脂や紙製段ボール等でもよい。
【0026】
この実施形態では、図示しない表側のライナと裏側のライナと両方のライナの間に等間隔に配置される複数のリブとで構成されるプラスチックダンボールが使用され、一方のライナとリブとに直線的な切り込みを入れて切れ込みN1~N6が形成されている(
図5、
図8参照)。切れ込みN1~N6は支持部材1,2の組立を助ける折曲線として機能する。切れ込みN2~N6はいずれも切れ込みN1に対して平行である。切れ込みN1によって支持部材本体11,21とタイヤ支持部12,22とが区分され、切れ込みN2によって後述する第1タイヤ支持部123,223と第2タイヤ支持部124,224とが区分され、切れ込みN6によって第2タイヤ支持部124,224と山形形状維持部125,225とが区分される。後述する第1の突出部121,221には切れ込みN3~N6が形成されている。切れ込みN3によって第2タイヤ支持部124,224と第1の突出部121,221とが区分され、切れ込みN4と切れ込みN5とによって第1の突出部121,221が固定端部121a,221aと中間部121b,221bと自由端部121c,221cとに区分される。
【0027】
支持部材本体11には4つの孔(第1の孔)11a,11bが形成されている。4つの孔11a,11bはそれぞれ切れ込みN1の長手方向と平行に延びる。切れ込みN1は一方の支持部材1の左右方向RL1と平行である。孔11aと孔11bとは平行であり、孔11bは孔11aよりも切れ込みN1寄りに位置している。
【0028】
タイヤ支持部12は、孔11a,11bに挿入されて支持部材本体11に連結される第1の突出部121と、縦置きされたタイヤ6のホイール4を露出させる第2の孔122とを有する。
【0029】
更に、タイヤ支持部12は、支持部材本体11に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部123と、第1タイヤ支持部123に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部124と、第2タイヤ支持部124に折り曲げ可能に連なる山形形状維持部125とを有する。
【0030】
第1タイヤ支持部123は、2つの孔(第3の孔)123aと1つの凹部123bとを有する。
【0031】
山形形状維持部125は、孔123aに挿入されて第1タイヤ支持部123に連結される第2の突出部125aと、第1タイヤ支持部123と第2タイヤ支持部124とを山形に折り曲げたとき凹部123bに嵌合する第3の突出部125bとを有する。山形形状維持部125は、第1タイヤ支持部123と第2タイヤ支持部124とを山形に折り曲げたとき第1タイヤ支持部123に架け渡されて、第1タイヤ支持部123と第2タイヤ支持部124との山形形状を維持する。
【0032】
支持部材本体21には4つの孔(第1の孔)21a,21bが形成されている。4つの孔21a,21bはそれぞれ切れ込みN1の長手方向と平行に延びる。切れ込みN1は他方の支持部材2の左右方向RL2と平行である。孔21aと孔21bとは平行であり、孔21bは孔21aよりも切れ込みN1寄りに位置している。
【0033】
タイヤ支持部22は、孔21a,21bに挿入されて支持部材本体21に連結される第1の突出部221と、縦置きされたタイヤ6のホイール4を露出させる第2の孔222とを有する。
【0034】
更に、タイヤ支持部22は、支持部材本体11に折り曲げ可能に連なる第1タイヤ支持部223と、第1タイヤ支持部223に折り曲げ可能に連なる第2タイヤ支持部224と、第2タイヤ支持部224に折り曲げ可能に連なる山形形状維持部225とを有する。
【0035】
第1タイヤ支持部223は、2つの孔(第3の孔)223aと凹部223bとを有する。
【0036】
山形形状維持部225は、孔223aに挿入されて第1タイヤ支持部223に連結される第2の突出部225aと、第1タイヤ支持部223と第2タイヤ支持部224とを山形に折り曲げたとき凹部223bに嵌合する第3の突出部225bとを有する。山形形状維持部225は、第1タイヤ支持部223と第2タイヤ支持部224とを山形に折り曲げたとき第1タイヤ支持部223に架け渡されて、第1タイヤ支持部223と第2タイヤ支持部224との山形形状を維持する。
【0037】
山形形状維持部125が第2タイヤ支持部124から第1タイヤ支持部123に架け渡されるので、第1タイヤ支持部123と第2タイヤ支持部124との山形形状が維持され、縦置きされたタイヤ6がより確実に支持される。更に、孔122の一部が山形形状維持部125によってふさがれるので、横置きされたタイヤ5の中心孔に塵埃が侵入するのを抑制することもできる。
【0038】
また、山形形状維持部225が第2タイヤ支持部224から第1タイヤ支持部223に架け渡されるので、第1タイヤ支持部223と第2タイヤ支持部224との山形形状が維持され、縦置きされたタイヤ6がより確実に支持される。更に、孔222の一部が山形形状維持部225によってふさがれるので、横置きされたタイヤ5の中心孔に塵埃が侵入するのを抑制することもできる。
【0039】
一対のアーム部13,13は、一方の支持部材1の前後方向FR1に沿って延びる。一対のアーム部23,23は、他方の支持部材2の前後方向FR2に沿って延びる。
【0040】
一対のアーム部収容部14,14は、それぞれアーム部13,13を収容する収容空間14a,14aを有するアーム部収容部本体141,141と、収容空間14a,14aの長手方向と平行な折曲線としての切れ込みN7を介してアーム部収容部本体141,141に折り曲げ可能に連なるカバー部142,142とを有する(
図6、
図7参照)。
【0041】
カバー部142,142は折り曲げられてアーム部収容部本体141,141の上面に接着剤で接着される。収容空間14a,14aは一方の支持部材1の前後方向FR1に沿って延びる。
【0042】
次に、この実施形態のタイヤホルダの支持部材1,2の組立手順の一例を
図1~
図8に基づいて説明する。
【0043】
まず、一対のアーム部収容部14,14の下面をアーム部13,13の上面に接着剤で接着し、その後、一方の支持部材1の支持部材本体11に対して第1タイヤ支持部123を切れ込みN1で折り曲げるとともに、第1タイヤ支持部123に対して第2タイヤ支持部124を切れ込みN2で折り曲げて、タイヤ支持部12を山形に曲げる。
【0044】
次に、一方の支持部材1の第1の突出部121を切れ込みN3で折り曲げて支持部材本体11の孔11aに通し、更に、第1の突出部121を切れ込みN4,N5で折り曲げて支持部材本体11の裏面側から第1の突出部121の自由端部121cを支持部材本体11の孔11bに通す(
図3参照)。その結果、第2タイヤ支持部124の自由端部121cが支持部材本体11に結合され、タイヤ支持部12の山形形状が維持される。
【0045】
その後、第2タイヤ支持部124に対して山形形状維持部125を切れ込みN6で折り曲げ、山形形状維持部125の第2の突出部125aを第1タイヤ支持部123の孔123aに挿入して第1タイヤ支持部123に結合するとともに、山形形状維持部125の第3の突出部125bを第1タイヤ支持部123の凹部123bに嵌合させて、山形形状維持部125を第1タイヤ支持部123に連結する。
【0046】
次に、他方の支持部材2の支持部材本体21に対して第1タイヤ支持部223を切れ込みN1で折り曲げるとともに、第1タイヤ支持部223に対して第2タイヤ支持部224を切れ込みN2で折り曲げて、タイヤ支持部22を山形に曲げる。
【0047】
その後、他方の支持部材2の第1の突出部221を切れ込みN3で折り曲げて支持部材本体21の孔21aに通し、更に、第1の突出部221を切れ込みN4,N5で折り曲げて支持部材本体21の裏面側から第1の突出部221の自由端部221cを支持部材本体21の孔21bに通す(
図4参照)。その結果、第2タイヤ支持部224の自由端部221cが支持部材本体21に結合され、タイヤ支持部22の山形形状が維持される。
【0048】
次に、第2タイヤ支持部224に対して山形形状維持部225を切れ込みN6で折り曲げ、山形形状維持部225の第2の突出部225aを孔223aに挿入して第1タイヤ支持部223に結合するとともに、山形形状維持部225の第3の突出部225bを第1タイヤ支持部223の凹部223bに嵌合させて、山形形状維持部225を第1タイヤ支持部223に連結する。
【0049】
以上のようにしてタイヤホルダの一対の支持部材1,2の組立が完了する。
【0050】
次に、この実施形態のタイヤホルダの使用方法の一例を説明する。
【0051】
図9、
図10に示すように、タイヤ展示台7には3つのタイヤ5が垂直方向に積層(横置き)され、一番上のタイヤ5の上にはタイヤ6が縦置きされている。タイヤ5,6にはそれぞれホイール4が装着されている。3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5はホイール4のディスク41が下を向くように置かれている。タイヤ6の下部はタイヤ5の中心孔に入り込み、タイヤ6の外周面62がホイール4の内周縁に支持される。タイヤ6のホイール4のディスク41は前を向くように置かれる(
図9参照)。
【0052】
タイヤホルダを使用するには、まず、一方の支持部材1を3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5の側面51に配置する。このとき、一方の支持部材1の第1タイヤ支持部123がタイヤ6の一方の側面61に対向した状態で接近するように、一方の支持部材1をタイヤ5の側面51に配置する。
【0053】
次に、他方の支持部材2を3つのタイヤ5のうちの一番上のタイヤ5の側面51に配置するとともに、アーム部23,23を一方の支持部材1の一対のアーム部収容部14,14の収容空間14a,14aに挿入し、一対の支持部材1,2を連結する。このとき、他方の支持部材2の第1タイヤ支持部223はタイヤ6の一方の側面61に対向した状態で接近している。
【0054】
以上のようにしてタイヤ6は両方の支持部材1,2のタイヤ支持部12,22によって挟持される。
【0055】
タイヤ支持部12,22の中央部に孔122,222が形成されており、タイヤ支持部12,22を山形に折り曲げたとき、その山の尾根の一部が低くなるので、縦置きされたタイヤ6のホイール4のディスク41の全体を露出させることができ、客はディスク41のデザイン全体を見ることができる(
図9参照)。
【0056】
両方の支持部材1,2の支持部材本体11,21と一対のアーム部13,13,23,23とがタイヤ6を包囲するようにタイヤ5の側面51に配置されるので、タイヤ5の側面51に対するタイヤホルダの安定性が高い。
【0057】
また、この実施形態のタイヤホルダによれば、縦置きされたタイヤ6を傾けなくとも、一方の支持部材1の一対のアーム部13,13の収容空間14a,14aに他方の支持部材2の一対のアーム部23,23を挿入するだけで一対の支持部材1,2を連結でき、一方の支持部材1の一対のアーム部13,13と他方の支持部材2の一対のアーム部23,23との間の高い平行度が確保されるので、タイヤ支持部12,22と縦置きされたタイヤ6の側面61との間にすき間が生じにくく、高いタイヤ支持力が得られる。
【0058】
次に、この発明の第2実施形態を
図11~
図19に基づいて説明する。
【0059】
上述の第1実施形態と共通する部分については同一符号を付してその説明を省略する。以下、上述の第1実施形態との主な相違部分についてだけ説明する。
【0060】
他方の支持部材102は、他方の支持部材102の前後方向FR2へ延びる一対の突起24,24と、各突起24,24の一端部を支持する一対の突起支持部16,16とを有する(
図11,
図12,
図15参照)。
【0061】
一方の支持部材101の各アーム部収容部114は、突起24を一方の支持部材101の前後方向FR1に沿って案内するガイド孔114aを有する(
図11,
図12参照)。
【0062】
突起24は、他方の支持部材102の前後方向FR2に平行な折曲線としての切れ込みN8を介してアーム部23に折り曲げ可能に連なる固定端側領域部241と、切れ込みN8に平行な折曲線としての切れ込みN9を介して固定端側領域部241に折り曲げ可能に連なる自由端側領域部242とに区分される。
【0063】
固定端側領域部241はアーム部23に対してほぼ直角に折り曲げられ、自由端側領域部242は折り曲げられて固定端側領域部241に接着剤で接着され、突起24が形成される。突起24は、一方の支持部材101のアーム部収容部14のガイド孔114aにスライド可能に挿入される。
【0064】
ガイド孔114aはカバー部に142に形成され、収容空間14aに通じる。ガイド孔114aは他方の支持部材102の前後方向FR2に沿って延びる。
【0065】
突起支持部16は下側支持プレート161と上側支持プレート162とを有する(
図16,
図17参照)。下側支持プレート161と上側支持プレート162とには、突起24の一端部を受け容れて支持する切欠き16aが形成されている。上側支持プレート162の下面は下側支持プレート161の上面に接着剤で接着され、下側支持プレート161の下面は支持部材本体21の上面に接着剤で接着される。
【0066】
第2実施形態によれば、他方の支持部材102の前後方向FR2に沿って延びる一対の突起24が、他方の支持部材102の一対のアーム部23,23のそれぞれに連結され、突起24が、アーム部収容部14のガイド孔114aによって、一方の支持部材101の前後方向FR1に沿って案内されるので、他方の支持部材102の一対のアーム部23,23がアーム部収容部14の収容空間14aに円滑に挿入される。したがって、一方の支持部材101の一対のアーム部13,13と他方の支持部材102の一対のアーム部23,23との連結作業が容易になる。
【0067】
また、突起24の一端部が一対の突起支持部16によって支持され、突起24が他方の支持部材102の上下方向UD2に沿って上方へ突出する状態が保たれるので、アーム部収容部14のガイド孔114aに突起24を容易に挿入することができる。
【0068】
なお、上述の実施形態では、アーム部23をアーム部収容部14の収容空間14aに挿入してアーム部23とアーム部13とを連結したが、アーム部23をアーム部収容部14の収容空間14aに挿入した後、更に図示しない粘着テープをアーム部収容部14の上面からアーム部23の表面に貼り付けてもよいし、アーム部収容部14とアーム部23(又は突起24)とを図示しないひもで結びつけてもよい。このようにすると、一方の支持部材1,101の一対のアーム部13,13と他方の支持部材2,102の一対のアーム部23,23との連結強度を一層高めることができる。
【0069】
また、上述の実施形態では、タイヤ5,6にホイール4が装着されているが、ホイール4はタイヤ5,6に装着されていなくともよい。例えば、タイヤ6をホイール4が装着されていないタイヤ5の上に直に縦置きしてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1,101 支持部材(一方の支持部材)
11 支持部材本体
11a,11b 孔(第1の孔)
12 タイヤ支持部
121 第1の突出部
121a 固定端部
121b 中間部
121c 自由端部
122 孔(第2の孔)
123 第1タイヤ支持部
123a 孔(第3の孔)
123b 凹部
124 第2タイヤ支持部
125 山形形状維持部
125a 第2の突出部
125b 第3の突出部
13 アーム部
14,114 アーム部収容部
14a 収容空間
141 アーム部収容部本体
142 カバー部
114a ガイド孔
16 突起支持部
16a 切欠き
161 下側支持プレート
162 上側支持プレート
2,102 支持部材(他方の支持部材)
21 支持部材本体
21a,21b 孔(第1の孔)
22 タイヤ支持部
221 第1の突出部
221a 固定端部
221b 中間部
221c 自由端部
222 孔(第2の孔)
223 第1タイヤ支持部
223a 孔(第3の孔)
223b 凹部
224 第2タイヤ支持部
225 山形形状維持部
225a 第2の突出部
225b 第3の突出部
23 アーム部
24 突起
241 固定端側領域部
242 自由端側領域部
4 ホイール
41 ディスク
5 タイヤ(横置きタイヤ)
51 横置きタイヤの側面
6 タイヤ(縦置きタイヤ)
61 縦置きタイヤの側面
62 縦置きタイヤの外周面
7 タイヤ展示台
N1,N2,N3,N4,N5,N6,N7,N8,N9 切れ込み
FR1 一方の支持部材の前後方向
RL1 一方の支持部材の左右方向
UD1 一方の支持部材の上下方向
FR2 他方の支持部材の前後方向
RL2 他方の支持部材の左右方向
UD2 他方の支持部材の上下方向