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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】導電性コア及び変色性被覆を有する繊維
(51)【国際特許分類】
   D01F 8/04 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
D01F8/04 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2020542537
(86)(22)【出願日】2018-10-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-01-07
(86)【国際出願番号】 US2018056323
(87)【国際公開番号】W WO2019079478
(87)【国際公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-05-08
(31)【優先権主張番号】62/573,861
(32)【優先日】2017-10-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/581,425
(32)【優先日】2017-11-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/671,966
(32)【優先日】2018-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519209680
【氏名又は名称】ユニバーシティ オブ セントラル フロリダ リサーチ ファウンデーション、インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100210701
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 義則
(72)【発明者】
【氏名】エイマン・アブラディ
(72)【発明者】
【氏名】ジョシュア・カウフマン
(72)【発明者】
【氏名】フェリックス・タン
(72)【発明者】
【氏名】モーガン・モンロー
【審査官】斎藤 克也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-195329(JP,A)
【文献】特許第3110521(JP,B2)
【文献】特開平04-122620(JP,A)
【文献】特開平11-053969(JP,A)
【文献】特表2007-521420(JP,A)
【文献】特開平02-041415(JP,A)
【文献】特許第2826134(JP,B2)
【文献】特開平09-059823(JP,A)
【文献】国際公開第2014/020266(WO,A1)
【文献】米国特許第9182561(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0081639(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009052848(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0003496(US,A1)
【文献】国際公開第2006/123133(WO,A1)
【文献】特表2012-500865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0315755(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0170920(US,A1)
【文献】特表2013-529504(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0224155(US,A1)
【文献】特表2010-522283(JP,A)
【文献】特開2004-137614(JP,A)
【文献】国際公開第97/027360(WO,A1)
【文献】特表2012-528253(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 48/00 - 48/96
D01F 8/00 - 8/18
H01B 7/29 - 7/36
H01B 7/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変色性繊維を製造する方法であって、前記方法が、
ポリマー材料および熱変色性色素材料を押出機、溶融ポンプおよび紡糸口金を備えた繊維製造機械に装填することであって、前記ポリマー材料および熱変色性色素材料が、(a)前記ポリマー材料を含む第1の原料および前記熱変色性色素材料を含む第2の原料、または(b)熱変色性色素およびポリマーの混合物として提供される、装填することと、
前記押出機を操作して前記ポリマー材料および前記熱変色性色素材料の溶融混合物を前記溶融ポンプに提供することと、
前記溶融ポンプを用いて大量の前記溶融混合物を前記紡糸口金に提供することと、
前記紡糸口金を操作して導電性コアを前記溶融混合物で被覆して、前記導電性コアの周囲に被覆層を形成し、変色性繊維を作製することと、
(i)前記変色性繊維を配置してファブリックの少なくとも一部分を形成すること、
(ii)前記変色性繊維を前記ファブリックの前記一部分に刺繍すること、または、
(iii)前記変色性繊維をパッチに配置し、前記パッチを前記ファブリックの前記一部分と連結させること、のうちの少なくとも1つを含み、
前記変色性繊維の前記導電性コアが電源に接続可能であり、選択的に電流を前記導電性コアに供給して前記変色性繊維の前記被覆内の前記熱変色性色素材料を活性化させることが容易になる、方法。
【請求項2】
前記繊維製造機械が、前記ポリマー材料および前記熱変色性色素材料を受ける単一のホッパーおよび単一のスクリュー押出機を含む、または、
前記繊維製造機械が、(i)前記ポリマー材料を受ける第1のホッパーおよび第1のスクリュー押出機、ならびに(ii)前記熱変色性色素材料を受ける第2のホッパーおよび第2のスクリュー押出機を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記導電性コアが金属または非金属導電性材料を含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
変色性繊維を製造する方法であって、前記方法が、
ポリマー材料および熱変色性色素材料を押出機、溶融ポンプおよび紡糸口金を備えた繊維製造機械に装填することであって、前記ポリマー材料および熱変色性色素材料が、(a)前記ポリマー材料を含む第1の原料および前記熱変色性色素材料を含む第2の原料、または(b)熱変色性色素およびポリマーの混合物として提供される、装填することと、
前記押出機を操作して前記ポリマー材料および前記熱変色性色素材料の溶融混合物を前記溶融ポンプに提供することと、
前記溶融ポンプを用いて大量の前記溶融混合物を前記紡糸口金に提供することと、
前記紡糸口金を操作して導電性コアを前記溶融混合物で被覆して、前記導電性コアの周囲に被覆層を形成し、変色性繊維を作製することであって、前記変色性繊維が第1の繊維である、ことと、
前記第1の繊維を第2の繊維と組み合わせて変色性紡ぎ糸を提供することと、を含む方法。
【請求項5】
前記第2の繊維が前記第1の繊維と同じである、または前記第2の繊維が異なる変色性繊維である、または前記第2の繊維が天然繊維、合成繊維、または光起電力繊維のうちの少なくとも1つを含む非変色性繊維である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記被覆層が第1の被覆層であって、前記第2の繊維が、異なる熱変色性色素材料を有する、または前記第1の繊維上の前記第1の被覆層とは異なるポリマー材料を有する、のうちの少なくとも1つである第2の被覆層を含む、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記導電性コアが複数のコアを含み、前記被覆層が前記複数のコアの周囲に、それに沿って、かつその間に配置される、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
変色性繊維を製造する方法であって、前記方法が、
ポリマー材料および熱変色性色素材料を押出機、溶融ポンプおよび紡糸口金を備えた繊維製造機械に装填することであって、前記ポリマー材料および熱変色性色素材料が、(a)前記ポリマー材料を含む第1の原料および前記熱変色性色素材料を含む第2の原料、または(b)熱変色性色素およびポリマーの混合物として提供される、装填することと、
前記押出機を操作して前記ポリマー材料および前記熱変色性色素材料の溶融混合物を前記溶融ポンプに提供することと、
前記溶融ポンプを用いて大量の前記溶融混合物を前記紡糸口金に提供することと、
前記紡糸口金を操作して導電性コアを前記溶融混合物で被覆して、前記導電性コアの周囲に被覆層を形成し、変色性繊維を作製することと、を含み、
前記変色性繊維が、蛍光物質を(i)前記被覆層内に、および/または(ii)前記被覆層と前記導電性コアとの間に配置されて含み、
前記蛍光物質が、選択的に制御可能な暗闇で光る効果を提供することを可能とするように構成される方法。
【請求項9】
(i)前記紡糸口金に提供される前記溶融混合物の体積を制御して、所望の厚さで前記導電性コア上に前記被覆層を提供すること、
(ii)前記紡糸口金に通される前記導電性コアのスピードを制御して、所望の厚さで前記導電性コア上に前記被覆層を提供すること、
(iii)前記溶融混合物で前記導電性コアを被覆した後、前記変色性繊維をクエンチすること、または、
(iv)前記変色性繊維をスプール上に巻き取ること、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1~3または7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記導電性コアが予め製造されたワイヤであって、前記方法が前記予め製造されたワイヤを前記紡糸口金に提供することをさらに含む、請求項1~3、7または9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
変色性繊維を製造する方法であって、前記方法が、
ポリマー材料および熱変色性色素材料を押出機、コア送出システム、溶融ポンプおよび紡糸口金を備えた繊維製造機械に装填することであって、前記ポリマー材料および熱変色性色素材料が、(a)前記ポリマー材料を含む第1の原料および前記熱変色性色素材料を含む第2の原料、または(b)熱変色性色素およびポリマーの混合物として提供される、装填することと、
前記押出機を操作して前記ポリマー材料および前記熱変色性色素材料の溶融混合物を前記溶融ポンプに提供することと、
前記溶融ポンプを用いて大量の前記溶融混合物を前記紡糸口金に提供することと、
前記コア送出システムにコア原料を装填することと、
前記コア送出システムを操作して(i)前記コア原料を溶融コア材料に溶融して、(ii)前記溶融コア材料を前記紡糸口金に提供することと、
前記紡糸口金を操作して導電性コアを前記溶融混合物で被覆して、前記導電性コアの周囲に被覆層を形成し、変色性繊維を作製することと、を含み、
前記紡糸口金が、前記溶融コア材料および前記溶融混合物を、コア/クラッドモノフィラメント構造を有する前記変色性繊維の形態で一緒に押し出すように構成される、複合溶融押出しパックである方法。
【請求項12】
前記被覆層が内側被覆層であり、前記方法がさらに、異なるポリマー材料または異なる熱変色性色素材料のうちの少なくとも1つを有する異なる溶融材料で前記変色性繊維を被覆して、前記内側被覆層の上に外側被覆層を形成することを含む、請求項1~3、7、9または10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記導電性コアが、前記紡糸口金を用いて前記溶融混合物で同時に被覆される複数の導電性コアを含み、前記溶融混合物で被覆された前記複数の導電性コアのそれぞれが個別の変色性繊維を形成し、
(i)前記個別の変色性繊維のそれぞれを個別のスプール上に個別に巻き取ること、または
(ii)前記個別の変色性繊維のそれぞれを組み合わせて変色性紡ぎ糸を提供すること、のうちの少なくとも1つをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は2017年10月18日に出願された米国特許仮出願第62/573,861号、2017年11月3日に出願された米国特許仮出願第62/581,425号、及び2018年5月15日に出願された米国特許仮出願第62/671,966号の利益を主張するものであり、それらのすべては参照によりここに組み込まれるものとする。
【0002】
本発明は、導電性コアと、導電性コアの周囲に沿うように配置された被覆とを含む変色性モノフィラメントに関するものである。
【背景技術】
【0003】
熱変色性色素は、熱刺激に応じて(例えば、それらが温度などを変えるにつれて)変色する。熱変色性色素は液晶を含み得るが、他の熱変色性色素は、ロイコ染料として知られる有機染料(例えばカーボンベース染料など)を含み得る。ロイコ染料は、(i)第1の温度において光学的に透過性である、又は特定の色を有する、(ii)第2の温度において可視となる又は別の色に変わる。このような変化は、温度が上昇又は下降する際に観察者に明らかになる。ロイコ染料は、有機化学物質であり、熱エネルギが、それらの分子をロイコ(無色)及び非ロイコ(有色)として知られる二つの僅かに異なる構造の間でシフトさせるときに変色する。熱変色性液晶はそれらが熱くなる又は冷たくなるにつれ可視スペクトルの上下に色をシフトし得るが、ロイコ染料は、広範囲の温度において異なる種類の変色効果を生じさせるために様々な方法で混合可能である。
【発明の概要】
【0004】
一つの実施形態は変色性モノフィラメントに関する。変色性モノフィラメントは、導電性コアと導電性コアの周囲に沿うように配置された被覆とを含む。被覆は変色性色素を有するポリマー材料の層を含む。
【0005】
他の実施形態は変色性マルチフィラメントに関する。変色性マルチフィラメントは第1の繊維と第2の繊維とを含む。第2の繊維は、導電性コアと導電性コアの周辺に且つ沿うように配置された被覆とを含む。被覆は変色性色素を有するポリマー材料の層を含む。
【0006】
更に他の実施形態は変色性製品に関する。変色性製品はファブリックを含む。ファブリックの少なくとも一部は、(i)変色性繊維又は(ii)変色性繊維を含む変色性紡ぎ糸(yarn)の少なくとも一方を使用して仕立てられる。変色性繊維は、導電性コアと導電性コアの周囲に沿うように配置された被覆とを含む。被覆は変色性色素を有するポリマー材料の層を含む。
【0007】
本概要は、例示に過ぎず、いかなる限定を意図するものではない。ここに記載するデバイス又はプロセスの他の態様、発明の特徴及び利点は、類似の参照番号は類似の要素を指し示す添付図面と共にここに記載する詳細な説明に明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図2図2は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図3図3は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図4図4は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図5図5は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図6図6は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図7図7は他の例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの断面図である。
図8図8は例示的実施形態に従う、図1図7の変色性モノフィラメントの1又はそれ以上から少なくとも部分的に形成された変色性モノフィラメントの側面図である。
図9図9は例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントを製造するために使用される繊維製造機械の斜視図である。
図10A図10Aは例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの被覆を形成するために図9の繊維製造機械によって使用され得る様々な原材料である。
図10B図10Bは例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの被覆を形成するために図9の繊維製造機械によって使用され得る様々な原材料である。
図10C図10Cは例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの被覆を形成するために図9の繊維製造機械によって使用され得る様々な原材料である。
図10D図10Dは例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの被覆を形成するために図9の繊維製造機械によって使用され得る様々な原材料である。
図10E図10Eは例示的実施形態に従う、変色性モノフィラメントの被覆を形成するために図9の繊維製造機械によって使用され得る様々な原材料である。
図11図11は例示的実施形態に従う、図9の繊維製造機械の溶融ポンプ及び紡糸口金の詳細図である。
図12図12は例示的実施形態に従う、図9の繊維製造機械のクエンチアセンブリの詳細図である。
図13図13は例示的実施形態に従う、図9の繊維製造機械の巻取アセンブリの詳細図である。
図14図14は例示的実施形態に従う、図9の繊維製造機械の巻取アセンブリの詳細図である。
図15図15は例示的実施形態に従う図9の繊維製造機械のマルチフィラメント紡糸口金の詳細図である。
図16図16-18は例示的実施形態に従う、ファブリックプロトタイプの様々な画像である。
図17】同上。
図18】同上。
図19図19は例示的実施形態に従う、図16-18のファブリックプロトタイプの概略図である。
図20図20は例示的実施形態に従う、電気的に制御可能な変色性最終製品を製造するプロセスを視覚的に表す。
図21図21A-21Dは例示的実施形態に従う、変色性繊維を電源に電気的に接続するプロセスを視覚的に表す。
図22図22は例示的実施形態に従う、コネクタの斜視図である。
図23図23は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における第1の変色性製品を示す。
図24図24は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における第1の変色性製品を示す。
図25図25は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における第2の変色性製品を示す。
図26図26は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における第2の変色性製品を示す。
図27図27は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態におけるパッチを有する第3の変色性製品を示す。
図28図28は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態におけるパッチを有する第3の変色性製品を示す。
図29図29は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における刺繍部分を有する第4の変色性製品を示す。
図30図30は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における刺繍部分を有する第4の変色性製品を示す。
図31図31は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における刺繍部分を有する第5の変色性製品を示す。
図32図32は例示的実施形態に従う、第1の状態及び第2の状態における刺繍部分を有する第5の変色性製品を示す。
図33図33は例示的実施形態に従う、図23-32の変色性製品用の制御システムの概略図である。
図34図34は例示的実施形態に従う、入力デバイスによって提供されるアプリケーションのグラフィカルユーザインタフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
いくつかの例示的実施形態を詳細に説明する図面を参照する前に、本開示は明細書に記載にされたあるいは図面に示された細部や方法に限定されるものではないことを理解すべきである。ここで使用される述語は説明のためのものに過ぎず、限定とみなされるべきではない。
概要
【0010】
本開示は概してファブリック技術を対象とするものであり、特に、オンデマンド(例えば、能動的、動的、選択的制御可能など)の変色能力を有する繊維、紡ぎ糸、及びファブリックを対象とする。例示的実施形態によれば、変色性モノフィラメント(例えばフィラメント、より糸(strand)、繊維など)、これはオプションでマルチフィラメント(例えば紡ぎ糸、縫い糸(thread))に形成(例えば、組み合わせる、より合わせる、編む、など)されるものであるが、これは(i)既存の製品内に組み込まれる(例えば、縫い付ける、縫い合わせる、刺繍する、縫い合わせる、パッチを通して結びつける、など)、あるいは(ii)新製品を形成するために仕立てられる(例えば、編む、織る、など)、ように構成される。変色性モノフィラメントは、少なくとも一つの伝導性コア(例えば、導電性コア、熱伝導性コア、マルチコアなど)と、少なくとも一つの伝導性コアの周囲に沿うように配置された変色性の被覆とを含む。変色性の被覆は、1又はそれ以上(例えば、1、2、3、4など)の層を含む。1又はそれ以上の層のそれぞれは、個々の熱変色性色素を有する異なる変色性部分又はセグメントを有する。伝導性コアに供給される電流、及びそれによる伝導性コアの温度は、変色性の被覆の色を能動的且つ動的に調整するために選択的に制御可能である。
【0011】
外観及び色を変える機能を有する既存のファブリック製品は、環境刺激(例えば、日光、体熱、など)に応じて受動的に制御される。例として、日光で色を変える衣服にフォトクロミック染料をプリントして使用することができる。他の例として、体熱及び/又は環境熱を介してファブリックの熱を受動的に変化させるために熱変色性染料を使用することができる。有利には、本開示の変色性モノフィラメントは、ファブリック又は製品の1又はそれ以上の視覚的特徴を要求に応じて動的に変化させることを容易にする。
【0012】
様々な例示的実施形態によれば、変色性モノフィラメントは、(i)ヘッドバンド、リストバンド、ネクタイ、蝶ネクタイ、シャツ、ジャージ、手袋、スカーフ、ジャケット、パンツ、ショートパンツ、ドレス、スカート、ブラウス、履物/靴、ベルト、帽子、などのアパレル、(ii)ハンドバッグ、バックパック、旅行鞄、財布、宝石、ヘアアクセサリ、などのアクセサリ、(iii)家庭用品、室内装飾品、例えばカーテン、ブラインド、家具、及び家具備品などの固定設備、テーブルクロス、毛布、ベッドシーツ、枕カバー、敷物、壁紙、美術品/絵画、自動車のインテリアなど、(iv)テント、日除け、傘、日除け、標識などの屋外用途及び設備、及び/又は(v)更に他の適切な用途、を形成するために組み込まれ得るあるいはアレンジされ得る。更なる用途は、昼間、夜間、季節、砂漠地域、降雪地域、森林地域、市街地域、及び/又は他の環境状態に適応するようにカムフラージュ(例えば、軍事カモフラージュ、狩猟カムフラージュなど)を含んでも良く、これは動的に(例えば、選択的に、適応的になど)変化され得る。
変色性繊維
【0013】
図1-7に示される様々な例示的実施形態によれば、変色性繊維10として示される変色性モノフィラメント(例えば、フィラメント、繊維、より糸など)は、コア12と示される伝導性コアと、被覆14と示されておりコア12が被覆14内に埋め込まれるようにコア12の周囲に沿うように配置された変色性被覆(例えば、シース、カバー、ケースなど)とを含む。例示的実施形態によれば、コア12は導電性材料から製造される。一つの実施形態においては、コア12は金属又は合金から製造される。例として、コア12は、銅、ニッケル、アルミニウム、亜鉛、銀、金、チタン、タングステン、モリブデン、クロム、プラチナ、パラジウム、これらの組合せ、及び/又は他の適切な金属あるいは合金から製造し得る。他の実施形態においては、コア12は、非金属導電性材料から製造される。例として、コア12は、高濃度半導体、導電相が注入されたポリマー(例えば導電性(共役)のポリマーなど)、及び/又はカーボン相(例えば、グラファイト、グラフェン、カーボンナノファイバ、カーボンナノワイヤ、など)から製造されても良い。いくつかの実施形態においては、コア12は、コア12の材料と異なる金属材料から製造される導電性の接点を含む。そのような実施形態においては、コア12自体は伝導性であってもなくても良い(例えば、プラスチックコア、織ることのできる任意の可撓性コアなど)。例示的実施形態によれば、変色性繊維10は可撓であって織ること及び編むことが可能であり、結果として得られる最終製品が洗濯可能(即ち、洗うことができる又は洗浄することができる、など)であるように、テキスタイル繊維として耐久性を有する。
【0014】
例示的実施形態によれば、変色性繊維10は産業用織機で織ることに適する寸法(例えば、直径など)を有する。例として、変色性繊維10及び/又はそれから得られるマルチフィラメント繊維(例えば、縫い糸、紡ぎ糸など)の横断寸法(例えば、直径、幅など)は、概して1ミリメートル未満である。いくつかの実施形態においては、横断寸法は600マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態においては、横断寸法は40マイクロメートル未満である。いくつかの実施形態においては、横断寸法は15マイクロメートルから30マイクロメートルの範囲にある。コア12の直径は1マイクロメートルと500マイクロメートルとの間の範囲にある。変色性繊維10の内部断面構造は、例えばクラッド被覆を有するシングルコアから、クラッド被覆を有するマルチコア、同心円被覆層を有するシングルコア、マルチセグメント方位角被覆を有するシングルコア、それらの組み合わせまでなど、多くのバリエーションを有し得る。更に、変色性繊維10は、図1から7に円形の断面形状を有するものとして示されているが、他の実施形態においては、変色性繊維10は異なる断面形状(例えば、正方形、三角形、矩形など)を有する。そのような実施形態においては、コア12は円形の断面形状を有しても良く又は被覆14の断面形状に対応する他の形状を有しても良い。
【0015】
例示的実施形態によれば、被覆14は、ポリマー材料(例えば、ポリマー、ポリマー複合材料、多結晶材料ポリマー、ハイトレル、環状オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、など)の1又はそれ以上の層を有する。ポリマー材料の1又はそれ以上の層の少なくとも一つは、各層がその温度の変化に応じて、及び/又は(ii)コア12に供給される電流に応じて変色する(例えば、熱変色性色素は加熱されると第1の色から第2の色に移行し、冷却されると第2の色から第1の色に移行する、など)ように、それに結合(例えば、混合、化合、含浸など)された可逆的熱変色性色素を含む。一般的に、任意の適切な可逆的熱変色性色素の合成物を使用できる。例えば、熱変色性色素は液晶材料及び/又はロイコ染料を含んでも良い。一つの実施形態においては、被覆14はポリマー材料の単一の層を含む。他の実施形態においては、被覆14はポリマー材料の複数の同心円層を含む。いくつかの実施形態においては、ポリマー材料の複数の同心円層のそれぞれは、個々の熱変色性色素を含む。いくつかの実施形態においては、ポリマー材料の複数の層の少なくとも一つは熱変色性色素を含まず、この少なくとも一つのポリマー材料の色素は実質的に不動であり、(温度や電流に起因して)変化することはない。被覆14の材料は、変色性繊維10の特定の用途に基づき、その特性に応じて適切に選択することができる。
【0016】
使用の際には、電流がコア12に流される(例えば、携帯用途の場合にはバッテリ、ソーラーパネル、光起電力繊維などから供給され、固定設置用にはバッテリ、ソーラーパネル、光起電力繊維、主電源、標準的な壁ソケットなどから供給される)。電流に対するコア12の抵抗は、コア12の温度を上昇させ、それにより被覆14の熱変色性色素を加熱して活性化させ、その色を第1の色から第2の色に移行させる(例えば、温度移行閾値を超えると、暗い色から明るい色に、不透明色から異なる不透明色に、不透明から透明に)。変色性繊維10は低電圧(例えば、12ボルト又はそれ以下など)で動作できる。例として、コア12は、電源から引き出される電流が約1アンペアとなるように選択されることが可能であり、このとき5ボルト直流電力手段の場合、それは約5オームの抵抗を有するはずである。いくつかの実施形態においては、変色性繊維10は、(例えば、印加される電力等の量に依存して)第1の色から第2の色に10ミリ秒又は100ミリ秒で移行する。いくつかの実施形態においては、エネルギ消費を抑えるため、移行は、秒、更には分の単位まで伸ばしても良い。
【0017】
変色性繊維10は、第2の色に継続的にバイアスされ、被覆14の色が元の第1の色に移行することを可能にするためにユーザが印加電力を取り除くことを決めるまで第2の色に維持されても良い。いくつかの実施形態においては、電流を取り除くことは、被覆14が第2の色から元の第1の色に移行する結果をもたらす。被覆14は、電流を取り除いた後、第2の色に数秒又は数分留まることができる。第2の色から元の第1の色への移行時間は環境温度(例えば、人の体温、環境温度など)及び熱変色性色素が活性化/非活性化する温度(例えば、温度移行閾値など)に依存する。
【0018】
いくつかの実施形態においては、電流を取り除くことは、被覆14が第2の色から元の第1の色に移行する結果をもたらさない。例として、熱変色性色素が第1の色に戻る温度は環境温度より低い。このような場合、電流を取り除くことは、第2の色から元の第1の色への色移行をもたらさない。逆に、このような場合、色を元の第1の色に変化させるために変色性繊維10に追加の冷却が加わるまで被覆14の色は固定される。他の例として、被覆14は、光熱挙動に熱ヒステリシスを示す個々の熱変色性色素を含んでも良い。例えば、個々の熱変色性色素がその温度移行閾値を超えるとその色は移行する。しかしながら、被覆14は温度が温度移行閾値を下回っても新たな色に留まることができる。このような場合、各熱変色性色素は、その元の色に戻るためには温度移行閾値より低い温度にされる必要がある(例えば、温度移行閾値より低い5、10、15度など)。このような非対称移行機能は、被覆14の元の第1の色から第2の色への移行後、被覆14の第2の色を維持するために必要とされる電力を有利に減少させることを助ける。
【0019】
例示的実施形態によれば、被覆14の材料を1又はそれ以上の熱変色性色素に含浸させる、あるいは混合することは、結果として得られるファブリック又は変色性繊維10が組み込まれる他の最終製品の光学特性を制御することを容易にする。例として、色素の濃度を変えることは、一方のソリッド色から他方への移行、ソリッド色から半透明シア効果への移行、ソリッド色から透明又は実質的透明への移行など、さまざまな動的制御可能な光学効果をもたらす。他の例として、被覆14の材料内の色素の種類及び濃度の選択は、希望する元の色及び移行色を規定し、移行温度を最適化し、希望する移行時間を規定し、及び/又は移行を実行及び/又は維持するのに要求される電力消費を最小化すべく、個々の用途に適合するように厳密に調整可能である。
【0020】
いくつかの実施形態においては、変色性繊維10は、蛍光物質を含む(例えば、被覆14内部に、コア12と被覆14との間に配置される、独立した被覆層内に、など)。蛍光物質は、選択的に制御可能な「暗闇で光る」効果を変色性繊維10に与えることを容易にする。例として、蛍光物質が被覆の下方に配置され被覆14が不透明状態から透明状態に移行する場合、透明状態にあるときには蛍光物質は被覆14を通して光り、発光繊維を提供することができる。他の例として、被覆14が蛍光物質を含む場合、電流が変色性繊維10に供給されるときに蛍光物質は「光る」ことができる。
【0021】
図1に示すように、変色性繊維10の被覆14は、コア12の周囲に沿うように配置される層20と示された、第1の層(例えば、単一の層など)を含む。層20は、材料22と示された第1の材料を含む。材料22は、個々の熱変色性色素を含む個々のポリマー又はポリマー合成物を含んでも良い。材料22は、第1の温度移行閾値で第1の色(例えば、比較的暗い色、紫、緑など)から第2の色(例えば、比較的明るい色、赤、黄など)に移行可能である。第1の温度移行閾値は、(i)個々のポリマー又はポリマー合成物、(ii)個々の熱変色性色素、及び/又は(iii)個々の熱変色性色素の濃度、に依存しても良い。第1の温度移行閾値は、摂氏0度と摂氏70度の間の温度になるように設計されても良い。温度移行閾値は、変色性繊維10を含む最終製品の意図する用途に基づいて選択されても良い。例として、冬期屋外の用途を意図する衣服の場合、温度移行閾値は約摂氏0度(例えば、摂氏-15度と15度の間など)であっても良い。他の例として、屋内の用途を意図する衣服の場合、温度移行閾値は約摂氏27度(例えば、摂氏15度と30度の間など)であっても良い。更に他の例として、夏季屋外の用途を意図する衣服の場合、温度移行閾値は約摂氏38度(例えば、摂氏30度と45度の間など)であっても良い。更に他の例として、砂漠環境の用途(例えば、軍事用など)を意図する衣服の場合、温度移行閾値は約摂氏49度(例えば、摂氏45度と50度の間など)であっても良い。いくつかの実施形態においては、第1の色から第2の色への移行は、第1の色と第2の色の間の色のスペクトルを含む。例として、第1の色が紫であり、第2の色が白であり、中間の一つの色又は複数の色が青及び/又は赤であっても良い。いくつかの実施形態においては、コア12の色が露出し可視となるように、第2の色は無色又は透明である。
【0022】
図2は他の例示的実施形態に従う変色性繊維を示しており、その被覆は異なるセグメントに分割されている(参照を容易にするため、ここで説明するさまざまな例示的実施形態における類似の要素には同じ参照番号を付している)。図2に示すように、変色性繊維10の被覆14は、4つの方位角セグメントを有するコア12の周囲に沿うように配置された層20を含み、第1のセグメントは材料22を含み、第2のセグメントは第2の材料(材料24と示される)を含み、第3のセグメントは第3の材料(材料26と示される)を含み、第4のセグメントは第4の材料(材料28と示される)を含む。他の実施形態においては、層20は4よりも少ない又は多い数の方位角セグメント(例えば、2、3、5、6、などのセグメント)を有する。いくつかの実施形態において、方位角セグメントは等しい大きさに作られている。他の実施形態においては、方位角セグメントは異なる大きさに作られても良い。材料22、材料24、材料26、及び/又は材料28のそれぞれは、熱変色性色素を含むポリマー又はポリマー合成物を含んでも良い。さまざまなセグメントの組成は、希望する効果に応じて異なっても良い。いくつかの実施形態においては、材料22、材料24、材料26、及び/又は材料28のポリマー又はポリマー合成物は同じであり、それらの熱変色性色素及び/又は熱変色性色素の濃度は異なるセグメントの間で異なっても良い(他の実施形態によれば、様々なセグメントの1又はそれ以上に使用されるポリマー又はポリマー合成物もまた異なる)。材料22、材料24、材料26、及び/又は材料28のポリマー又はポリマー合成物のそれぞれは、第1の温度移行閾値、第2の温度移行閾値、第3の温度移行閾値、及び第4の温度移行閾値において第1の色から第2の色にそれぞれ移行しても良い。材料22、材料24、材料26、及び/又は材料28の第1の色は、異なっても同じでも良い。材料22、材料24、材料26、及び材料28の第2の色は、異なっても同じでも良い。第1の温度移行閾値、第2の温度移行閾値、第3の温度移行閾値、及び/又は第4の温度移行閾値は、同じでも類似しても異なっても良い(例えば、個々のポリマー又はポリマー合成物、及び/又は個々の熱変色性色素及びその濃度などに依存して)。
【0023】
被覆14の色は、被覆14の方位角セグメントが見られる角度に基づき異なるように見えても良い。いくつかの実施形態においては、被覆14の方位角セグメントは、きらめく又は虹色の材料の外観を提供することを容易にする。例として、被覆14が複数の方位角セグメントを有するならば、変色性繊維10が見られる角度は色の見え方を変えることができ、きらめき効果をもたらす。また、被覆14の方位角セグメントの1又はそれ以上が透明状態に移行する色素を含むならば、コア12が透けて見え、変色性繊維10が見られる角度に応じたきらめき又は虹色効果をもたらす。
【0024】
図3は変色性繊維の他の実施形態を図示する。図3に示されるように、変色性繊維10の被覆14は、コア12の周囲に沿うように配置された層20を含む複数の同心円層を有しており、層30と示された第2の層は層20の周囲に沿うように配置され、層40と示された第3の層は層30の周囲に沿うように配置されている。他の実施形態においては、被覆14は、3よりも少ない又は多い数の層(例えば、2つ、4つなどの層)を含む。層20、層30、及び/又は層40の厚さは同じでも異なっても良い。
【0025】
図3に示されるように、層20は材料22を含み、層30は材料32と示された第2の材料を含み、層40は材料42と示された第3の材料を含む。材料22、材料32、及び/又は材料42のそれぞれは、個々の熱変色性色素を含む個々のポリマー又はポリマー合成物を含んでも良い。いくつかの実施形態においては、材料22、材料32、及び/又は材料42のポリマー又はポリマー合成物は同じであるが、それらの熱変色性色素及び/又は熱変色性色素の濃度は異なる。材料22、材料32、及び/又は材料42のそれぞれは、第1の温度移行閾値、第2の温度移行閾値、第3の温度移行閾値でそれぞれ第1の色から第2の色に移行しても良い。いくつかの実施形態においては、層20の材料22はその色が実質的に固定されるよう、熱変色性色素を含まない。このような実施形態においては、層30の材料32及び層40の材料42は、層20の固定色を露出するために不透明色から透明に移行しても良い。例示的実施形態によれば、第1の温度移行閾値は第2の温度移行閾値より大きく、及び/又は第2の温度移行閾値は第3の温度移行閾値より大きい。したがって、(i)層40の材料42は、下方の層30の材料32の第2の色を露出するため第3の温度移行閾値で第1の色から透明に移行することが可能であり、(ii)層30の材料32は、下方の層20の材料22の第3の色を露出するように第2の温度移行閾値で第2の色から透明に移行することが可能であり、そして(iii)(a)層20の材料22は、コア12を露出するように第1の温度移行閾値で第3の色から透明に移行することが可能であり、(b)層20の材料22は第1の温度移行閾値で第3の色から第4の色(例えば、非透明色)に移行することが可能であり、あるいは(c)材料22の色は実質的に固定されている。
【0026】
図4は変色性繊維の他の実施形態を図示している。図4に示されるように、変色性繊維10の被覆14は図2及び3に示される実施形態の組み合わせである。具体的には、被覆14はコア12の周囲に沿うように配置された層20と層20の周囲に沿うように配置された層30とを含み、層20は材料22、材料24、材料26、及び材料28を含む4つの方位角セグメントを有する。図4の層20は図2の層20のそれと類似であってもあるいは同様に機能しても良く、図4の層30は図3の層30のそれと類似であってもあるいは同様に機能しても良い。
【0027】
図5は変色性繊維の他の実施形態を図示している。図5に示されるように、変色性繊維10の被覆14はコア12の周囲に沿うように配置された層20と層20の周囲に沿うように配置された層30とを含む。しかし、層20及び層30は、異なる材料(例えば、異なる熱変色性色素を有する類似のポリマー材料など)の複数の方位角セグメントを含み、これは(i)層20の付近に様々に配置された材料22、材料24、材料26及び材料28、及び(ii)層30の付近に様々に配置された材料32及び材料34、を含んでいる。方位角セグメントの材料又は数の他の組み合わせを、層20及び/又は層30に使用することができる(例えば、単一の材料、より多くの材料、より少ない方位角セグメント、より多い方位角セグメントなど)。図5に示されるように、層20及び層30のみが隙間を残してコア12の周囲に部分的に伸長している(例えば、45、90、115、145、180、215、245、270、300、315、330度など)。隙間は、層20及び層30の厚みを伸長し、層50と示された薄層で埋められている。いくつかの実施形態においては、変色性繊維10は、層50が3つまたはそれ以上の同心円層の厚みを伸長するように、3つまたはそれ以上の同心円層を含む。
【0028】
図6及び7は変色性繊維の例示的実施形態を図示している。図6及び7に示されるように、変色性繊維10は複数のコア12(例えば、マルチコアなど)を有する。図6に示されるように、変色性繊維10は、層20の材料22内に配置される9つの分離したコア12を含む。他の実施形態においては、変色性繊維10は異なる数のコア12(例えば、2、3、4、5、6、7、8、10など数のコア12)を含む。図7に示されるように、変色性繊維10は3つの分離したコア12を含み、コア12のそれぞれは異なる材料、即ち、層20の材料22、材料24、及び材料26内にそれぞれ配置されている。材料22、材料24、及び材料26は、マルチセグメントパイ構造を有する変色性繊維10の層20を形成するように配置される。いくつかの実施形態においては、材料22、材料24、及び/又は材料26のポリマー又はポリマー合成物は同じであるが、それらの熱変色性色素及び/又は熱変色性色素の濃度は異なる。他の実施形態においては、変色性繊維10は異なる数のコア12(例えば、2、4、5、など)を含み、層20は、各コア12が層20の個々の材料内に埋め込まれるよう、対応する数の材料を含む。そのため、コア12のそれぞれは、それに対応付けられる材料の視覚特性に影響を与えるための電流を個別に供給され得る。いくつかの実施形態においては、図6及び7の変色性繊維10は、層20の周囲に配置された追加の層(例えば、層30、層40など)を含む。
【0029】
いくつかの実施形態においては、変色性繊維10はモノフィラメントとしてファブリックを形成するために使用され(例えば、織り又は編みプロセスにおいて)、及び/又は既存の製品又はファブリックに組み込まれる(例えば、既存のファブリック、刺繍などに縫い合わされる)。いくつかの実施形態においては、図8に示されるように、変色性繊維10は、変色性紡ぎ糸100と示されたマルチフィラメント繊維(例えば、紡ぎ糸、縫い糸など)に形成又は組み込まれる。変色性紡ぎ糸100は、繊維110と示された二つ又はそれ以上の繊維を捩じる、編む、あるいはつなぐことにより形成可能である。いくつかの実施形態においては、変色性紡ぎ糸100の繊維110は、図1-7の1種類の変色性繊維10を含む。他の実施形態においては、変色性紡ぎ糸100の繊維110は、図1-7の2種類またはそれ以上の変色性繊維10の組み合わせを含む。更に他の実施形態においては、変色性紡ぎ糸100の繊維110は、図1-7の変色性繊維10の少なくとも一つと少なくとも一つの非変色性繊維とを含む。非変色性繊維は、(i)植物由来の繊維(例えば、綿、リネンなど)及び/又は動物由来の繊維(例えば、ウール、絹など)を含む天然繊維、及び/又は(ii)合成繊維(例えば、レーヨン、アセテート、ナイロン、アクリル、ポリエステルなど)であっても良い。
【0030】
いくつかの実施形態においては、非変色性繊維は光起電力繊維である。光起電力繊維は(i)電源に充電又は給電する、及び/又は(ii)変色性紡ぎ糸100内の変色性繊維10に対し、その可能な色の間の移行を促進すべく電流を直接に供給するために光エネルギから電気エネルギを生成するのに使用可能である。いくつかの実施形態においては、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、ガラスコア又は他の種類の透明コアを含む。いくつかの実施形態においては、変色性繊維10はセンサを含み、非変色性繊維はセンサを含み、及び/又はそうでない場合にはセンサは変色性紡ぎ糸100の内部に埋め込まれる(例えば、温度、力、圧力、加速度、湿度などを測定するセンサ)。例として、センサは、押圧力又は圧力(例えば、変色性紡ぎ糸100が織り込まれるファブリック上など)を測定する圧電センサであっても良く、又はこの圧電センサを含んでも良い。圧電センサはコントローラに電気信号を送ることが可能であり、コントローラは押圧に応答して適切な動作を取ることができる(例えば、熱変色性色素に色を移行させるために変色性繊維10に電流を供給する、など)。
変色性繊維の製造
【0031】
図9-15に示される例示的実施形態によれば、繊維ファブリケータ200と示された機械は変色性繊維10を製造するように構成されている。図9に示されるように、繊維ファブリケータ200は、第1のホッパー210及び第2のホッパー212と示された一対のホッパーを含み、これは第1のフィードチューブ214及び第2のフィードチューブ216と示された導管を介し、第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222と示された一対のドライバに結合されている。
【0032】
例示的実施形態によれば、第1のホッパー210は被覆14の第1の原料を受容するように構成され、第2のホッパー212は被覆14の第2の原料を受容するように構成される。例として、第1の原料は熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、多結晶ポリマーなどのポリマー材料、及び/又は繊維スピニングシステムを通り抜けるため充分に軟化し、その後冷却されて固化する任意の適切な材料などであっても良い。第2の原料は(i)熱変色性色素の濃縮物、(ii)充填剤又は添加剤が加えられた熱変色性色素の濃縮物、(iii)熱変色性色素の濃縮物及び/又はポリマーホスト内の添加剤、であっても良い。熱変色性色素の濃縮物は、粉末、任意の形状のペレット、スラリー、インク、及び/又は他の液体の形を取ることができる。他の実施形態においては、第1のホッパー210及び第2のホッパー220は同じ材料を受容する(例えば、熱変色性色素とびポリマーの混合、図10A-10E参照、など)。更に他の実施形態においては、繊維ファブリケータ200は異なる数のホッパー(例えば、3、4、8など)を含み、そのそれぞれは、繊維ファブリケータ200内に投入され得る材料の容量を増加することを容易にする。
【0033】
図9に示す例示的実施形態によれば、第1のスクリュー押出機220は第1のフィードチューブ214を介して第1の原料を受容するように構成され、第2のスクリュー押出機222は第2のフィードチューブ216を介して第2のホッパー212から第2の原料を受容するように構成される。他の実施形態においては、繊維ファブリケータ200は第2のホッパー212、第2のフィードチューブ216、又は第2のスクリュー押出機222を含まず、繊維ファブリケータ200は前もって混ぜた第1の原料とび第2の原料の混合物又は化合物を受容するように構成されている。したがって、(i)色素の濃縮物は、未使用のポリマーペレット(例えば、熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、多結晶ポリマーなど)と前もって一様に混ぜ、第1のスクリュー押出機220に供給することが可能であり、(ii)色素の濃縮物は、未使用のポリマーペレットと前もって化合し、第1のスクリュー押出機220に供給することが可能であり、及び/又は(iii)未使用のポリマーと色素の濃縮物を分離しておき、第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222に別々に供給し、変色性繊維10に望まれる色変化を生じさせる規定の比率で紡糸口金によって組み合わせることが可能である。
【0034】
図10A-10Eに示されるように、例としての原料202は、(a)粉末のフォームの熱変色性色素の濃縮物、(b)未使用のホストポリマーと化合された粉末のフォームの熱変色性色素の濃縮物、(c)添加剤及び充填剤が加えられたホスト樹脂内に分散されたペレットのフォームの熱変色性色素の濃縮物、(d)未使用のポリマーペレットと混合された(c)からのペレット、及び(e)繊維ファブリケータ200内に別々に導入可能な未使用のポリマーペレットと一緒の(c)からのペレット、を含んでも良い。
【0035】
図9-11に示されるように、繊維ファブリケータ200は、溶融ポンプ230と示されたポンプを含み、これは第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222に結合されている。例示的実施形態によれば、第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222は、該第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222が溶融ポンプ230内に押し込む第1の原料及び/又は第2の原料を軟化又は溶融させる加熱素子を含む。例示的実施形態によれば、第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222内の第1の原料及び第2の原料(例えば、原料202、など)の処理温度は、熱変色性色素の破壊を避けるべく熱変色性色素の劣化温度より低い。

【0036】
図9-11に示されるように、繊維ファブリケータ200は、紡糸口金240と示された繊維コータを含み、これは溶融ポンプ230に結合されている。例示的実施形態によれば、溶融ポンプ230は、紡糸口金240内に供給される、軟化及び/又は溶融された材料の容量を調整するように構成されている。図11に示されるように、紡糸口金は、ハウジング242と示された本体、及びハウジング242から延びる中空針244と示されたノズルを含む。図9に示されるように、繊維ファブリケータ200は、ワイヤスプール204と示されたワイヤ繰出アタッチメントを含み、これは、巻きつけられたワイヤ206と示されている予め製造されたワイヤの長さを有する。

【0037】
図11に示されるように、繊維ファブリケータ200はプーリー246と示された第1のプーリーを含み、これはワイヤスプール204からワイヤ206を受け取り、ワイヤ206を中空針244及び紡糸口金240のハウジング242内に案内するように構成されている。紡糸口金240は、溶融ポンプ230によって供給される材料でワイヤ206を被覆するように構成されており、ワイヤ206がコア12として機能し、材料が被覆14として機能する変色性繊維10を形成するために、ワイヤ206上に倒れこむ。溶融ポンプ230によって紡糸口金240に供給される材料の量及び/又は紡糸口金240を通過するワイヤ206の速度を操作することにより、変色性繊維10は、ハウジング242から所望の直径で引き出される、又は押し出される。

【0038】
新たに形成された変色性繊維10は次に急冷されて凝固し、ワイヤ206周囲の被覆14の変形を防止する。図9、11及び12に示されるように、繊維ファブリケータ200は、ウォータークエンチ250と示された急冷アセンブリを含む。図12に示されるように、ウォータークエンチはタブ252と示された流体容器を含み、水(又は他の適切な流体)などの大量の流体を溜めこむ。ウォータークエンチ250は更に、流体中に沈んでタブ252の底部に配置され、タブ252の第1の端部に近接するプーリー254と示された第2のプーリーと、タブ252の反対の第2の端部においてタブ252の上縁部に沿うように配置されたプーリー256と示された第3のプーリーとを含む。プーリー254は紡糸口金240から変色性繊維10を受け取り、タブ252内の流体を介して変色性繊維10をプーリー256に案内するように配置される。他の実施形態においては、変色性繊維10の被覆14はエアブレードクエンチング又は外気環境クエンチングにより急冷される。
【0039】
図9及び13に示されるように、繊維ファブリケータ200は、巻取機260と示された巻取りアセンブリを含む。巻取機260は、駆動モータ262と示されたモータと、延伸ロール264と示され、駆動モータ262に結合されて駆動される第4のプーリーと、トラバース266と示されたトラバースアセンブリと、繊維スプール280と示された巻取りロールとを含む。トラバース266は、トラック268と示されたガイドと、スライド270と示され、トラック268に摺動可能に結合されたスライドと、プーリー272と示され、スライド270に結合された第5のプーリーとを含む。延伸ロール264はウォータークエンチ250のプーリー256から変色性繊維10を受け取り、トラバース266のプーリー272に変色性繊維10を供給する。プーリー272は次に変色性繊維10を繊維スプール280に案内する。例示的実施形態によれば、スライド270は、変色性繊維10が繊維スプール280に蓄積する際にトラック268に沿って前後に移動し、変色性繊維10を繊維スプール280上に均一に分配する。繊維スプール280は対応のモータにより駆動されても良い(例えば、延伸ロール264の速度などに基づく速度で)。
【0040】
図9に示されるように、繊維ファブリケータ200はコントローラ290と示された制御システムを含む。コントローラ290は、汎用プロセッサ、特定用途集積回路(ASIC)、1又はそれ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1又はそれ以上の処理コンポーネントを備える回路、マイクロプロセッサを支援する回路構成、処理コンポーネントの集合、又は他の適切な電子処理コンポーネントとして実現可能である。例示的実施形態によれば、コントローラ290は、プロセッサ及びメモリを有する処理回路を含む。処理回路は、ASIC,1又はそれ以上のFPGAs、DSP、1又はそれ以上の処理コンポーネントを備える回路、マイクロプロセッサを支援する回路構成、処理コンポーネントの集合、又は他の適切な電子処理コンポーネントであっても良い。いくつかの実施形態においては、プロセッサは、ここに記載される動作を容易にするため、メモリに格納されているコンピュータコードを実行するように構成される。メモリは、ここに記載される動作に関連するデータ又はコンピュータコードを格納可能な任意の揮発性又は不揮発性のコンピュータ可読記憶メディアであっても良い。例示的実施形態によれば、メモリは、プロセッサによる実行用に構成されたコンピュータコードモジュール(例えば、実行可能なコード、オブジェクトコード、ソースコード、スクリプトコード、マシンコードなど)を含む。
【0041】
例示的実施形態によれば、コントローラ290は第1のスクリュー押出機220、第2のスクリュー押出機222、溶融ポンプ230、紡糸口金240、駆動モータ262、及び/又はトラバース266の動作を制御するように構成される。例として、コントローラ290は、繊維ファブリケータ200を通るワイヤ206の速度と(例えば、駆動モータ262の速度などを制御することにより)、ワイヤ206上に配置される被覆14の厚さと(例えば、溶融ポンプ230により供給される溶融被覆の流れ、駆動モータ262の速度など制御することにより)、第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222内の加熱素子の温度と、及び又は第1のスクリュー押出機220及び第2のスクリュー押出機222が駆動される速度と、を制御できる。

【0042】
図9-15に関連する繊維ファブリケータ200の説明は、変色性繊維10を製造するのに使用できる機械の一つの可能な具体化の例にすぎず、限定するものと考えるべきでないことを理解すべきである。他の具体化においては、繊維ファブリケータ200は、異なる又は変形されたコンポーネント、追加のコンポーネント、より少ないコンポーネントなどを含むことができる。例として、繊維ファブリケータ200は、より多くののホッパー(例えば、3つ、4つ、5つなどのホッパー)。他の例として、繊維コータ、クエンチアセンブリ、及び/又は巻取機は、ここに記載される紡糸口金240、ウォータークエンチ250、及び/又は巻取機260と異なっても良く又は変形であっても良い。
【0043】
繊維ファブリケータ200を、同じ数の巻取機260を有する複数の紡糸口金240を含むように調整することにより、生産量の増加が可能である。分配プレートの使用を通して、より複雑なモノフィラメント構造(例えば、図2、4、5、などに記載された構造)を製造できる。分配プレートは紡糸口金240の直下及び/又は内部に置くことが可能であり、希望する構造を製造するために慎重に設計された内部チャネルを通じて、異なるスクリュー押出機からの原料を組み合わせることができる。例として、分配プレートは、希望する断面パターンをコア12上に作り出すよう、軟化したポリマーを案内することができる。これらの構造は、断面構造内の複数のセグメントのそれぞれに分離されている複数の異なる熱変色性色素を有する変色性繊維10の製造を可能にする。多層被覆(例えば、図3-5などに示される被覆14)を有する変色性繊維10は、追加の層を被覆14に付加するために、繊維ファブリケータ200又は異なる繊維ファブリケータ200に変色性繊維10を1回又は追加の複数回通過させることにより製造可能である。非常に複雑なマルチコンポーネント断面を有する繊維、例えば単純にポリマーの変色性色素を混合する、又は異なる縫い糸を紡ぎ糸に編むだけでは得られない光学効果を可能にする、図7に示されるような2またはそれ以上の色の間で交互するマルチセグメントパイを製造するために溶融紡糸プロセスを用いることができる。
【0044】
いくつかの実施形態においては、被覆14のパターンは画素生成プリンタに類似のプロセスを使用して生成される。このような実施形態においては、画像である断面が生成されても良い。このようなプロセスは、軍事用及び/又は他の用途に適切であり得る。
【0045】
他の例示的実施形態によれば、第2の製造手順は、ワイヤ206のような予め製造されたワイヤを使用するのではなく、伝導性のコア材料の連続的噴射を含む。第2の製造手順は原料の使用を含む。被覆14用の原料は、コア12を形成するための一つ又は複数の原料に加え、上述のものを含む(即ち、既存のワイヤは使用されない)。コア12を形成する原料は、(i)錫、インジウムなどの低融解温度金属、(ii)低融解温度合金、(iii)半導体材料、(iv)導電性ポリマー、又は(v)それらの組み合わせを含んでも良い。いくつかの実施形態においては、コア12用の原料の融解温度は被覆14用の原料の融解温度より低い。
【0046】
第2の製造手順は次のように行われても良い。(i)被覆14用の原料がホッパー(例えば、第1のホッパー210など)に供給され、(ii)コア12用の原料が送出システム(例えば、第2のホッパー212及び第2のスクリュー押出機222など)に投入され、(iii)コア12用及び被覆14用の原料が溶融され、専用の紡糸口金(例えば、複合溶融押出しパックなど)に送出され、コア12及び被覆14がコア/クラッドモノフィラメント構造に一緒に押し出され、(iv)変色性繊維10が急冷され、巻き取られる。
【0047】
例示的実施形態によれば、ここに記載される繊維製造プロセスは、材料選択、構造、サイズ、さらには個々の繊維の形状に関し、柔軟性を提供する。このような自由度で制御を実行することは、個々の繊維から形成されるファブリック上の熱伝達及び熱分配を最適化することを容易にする。例えば、異なる熱伝導度を有する材料は、異なる速度で温まりそして冷える。熱を蓄積する(即ち、少ない電気エネルギで色を維持することを可能にする)、あるいは熱を発散する(即ち、高速の色の変化/戻りを可能にする)のいずれかの材料を選択する自由は、材料を用途に合わせることを容易にする。更に、変色性繊維10のサイズ及びコア12の直径に対する被覆14の直径の比についての制御は、単位電力当たりの最大材料容積変化を最適化することを容易にする。更に、コア12(典型的には重い金属コンポーネントである)の直径についての制御は、得られるファブリックの重さ(即ち、どれくらい「重い」)を制御することを容易にする。このような制御はしたがって、異なる用途のニーズに基づいて繊維を調整することを容易にする。
【0048】
変色性紡ぎ糸100の製造は多くの方法で行うことができる。一つの実施形態においては、繊維スプール280上の変色性繊維10は、(i)他の繊維スプール280上の1又はそれ以上の他の変色性繊維10及び/又は(ii)他のスプール上の1又はそれ以上の非変色性繊維、と組み合わせられる(例えば、より合わせる、編む、など)。他の実施形態においては、複数の繊維ファブリケータ200は並列にセットアップされる(例えば、それぞれがホッパー、スクリュー押出機、溶融ポンプ、紡糸口金、などを含む)。各繊維ファブリケータ200から得られる変色性繊維10は、複数の変色性繊維10から変色性紡ぎ糸100を形成する結合機械(例えば、編組機など)に送られても良い。変色性紡ぎ糸100は次に巻き取られても良い。更に別の実施形態においては、図15に示されるように、紡糸口金240(例えば、マルチフィラメント紡糸口金など)は、複数の変色性繊維10が同時に紡糸口金240から出るように、複数のワイヤ206を受け取りそして被覆14で複数のワイヤ206のそれぞれを被覆することを容易にするように構成されている。複数の変色性繊維10は個々の巻取機260を使用して個別に巻き取られても良く、あるいは複数の変色性繊維10は、該複数の変色性繊維10から変色性紡ぎ糸100を形成する結合機械(例えば、編組機など)に供給されても良い。
変色性ファブリック
プロトタイプファブリック及び試験

【0049】
出願人は、研究及び開発を通じて様々な変色性ファブリックプロトタイプを製作した。第1世代のファブリックプロトタイプは、張力下で織る間、常温下で抜け出てファブリックのバックリングとなる環状オレフィンコポリマーを含んでいた。
【0050】
第2世代のファブリックプロトタイプは、ハイトレルの種を含む熱可塑性エラストマー被覆を有する繊維を含んでおり、張力下で織る間の常温引き抜きは経なかった。繊維は、熱変色性色素に浸出されたポリマーを37AWG銅線の周囲に押出すための溶融紡糸機械(例えば、繊維ファブリケータ200など)を使用して製造された。得られたモノフィラメント(例えば、変色性繊維10など)は、ほぼ450マイクロメートルの外径を有していた。図16-19に示されるように、変色性ファブリック300と示されたファブリックは、経方向の綿ナイロン混紡と共にモノフィラメントから織られた。図16に示されるように、変色性ファブリック300の活性領域は暗い色を有し、それは変色性繊維を含んでいた。変色性ファブリック300は、53インチ×22インチの寸法を有し、変色性繊維を含む暗いストリップは、ほぼ4インチの幅であった。繊維のコアを電気的に接続するため、出願人は被覆を繊維の端部からほぼ1インチ選択的に溶解し、露出したコアの端部を残した。コアの端部は次に、かたまり又は別々のセグメントにグループ分けし、まとめてはんだ付けした(例えば、12-13の数のコアのグループなど)。
【0051】
図17-19に示されるように、変色性繊維を含む変色性ファブリック300の4インチ幅の部分は、第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、第4のセグメント、及び第5のセグメントと示された5つのセグメントに電気的に分離された。図19に示されるように、5つのセグメントの各々は、第1のリレー330、第2のリレー332、第3のリレー334、第4のリレー336、及び第5のリレー338と示された個々のスイッチデバイスに電気的に接続された。第1のリレー330、第2のリレー332、第3のリレー334、第4のリレー336、及び第5のリレー338は、第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、第4のセグメント、及び第5のセグメントを、コントローラ310と示された制御システム(このプロトタイプではアルディーノコントローラ)、及び電源320と示された電源に選択的、電気的に結合させることを容易にするように構成された。コントローラ310は、電源からの電流を第1のセグメント、第2のセグメント、第3のセグメント、第4のセグメント、及び第5のセグメントに選択的に供給するため、第1のリレー330、第2のリレー332、第3のリレー334、第4のリレー336、及び第5のリレー338を選択的にオン及びオフにするように構成された。
【0052】
図17に示されるように、コントローラ310は、第2のセグメント及び第4のセグメントが暗い色(青)から明るい色(白/無色)に移行するように、第2のリレー332及び第4のリレー336を選択的にオンにし、一方、第1のセグメント、第3のセグメント、及び第5のセグメントは暗い色のままであるように、第1のリレー330、第3のリレー334、及び第5のリレー338はオフのままにされた。図18に示されるように、コントローラ310は次に、(i)第1のセグメント、第3のセグメント、及び第5のセグメントが暗い色から明るい色に移行するように、第1のリレー330、第3のリレー334、及び第5のリレー338を選択的にオンにし、(ii)第2のセグメント及び第4のセグメントが明るい色から暗い色に戻るように、第2のリレー332及び第4のリレー336を選択的にオフにした。
【0053】
第3世代のファブリックプロトタイプは、より大きな活性領域を有する変色性繊維の新たなスプールから製造された。熱変色性色素の濃度は、熱変色性色素4質量%(未使用のハイトレル96質量%)から熱変色性色素6質量%(未使用のハイトレル94質量%)へと、第2のプロトタイプと比較しほぼ50%増加され、そしてポリマー材料はハイトレルの異なる種に切り替えられた(ハイトレル3038からハイトレル5526)。第2のプロトタイプの繊維は、選択されたハイトレルの種の柔軟性に起因すると考えられるが、粘着性表面を有していた。この柔軟性は、織りプロセスを困難にし、遅延させた。ハイトレルの新たな種は、ワイヤコアを被覆した後には粘着性表面をもたらすことはなく、織り速度は毎分150picksまで行うことができた。更に、異なる熱変色性色素濃縮物がハイトレルポリマーと混合され、これは変色性繊維を青から無色ではなく、緑から黄に移行させた。
【0054】
セグメントが繊維のコア内の銅線に起因して活性化されたとき、第2のプロトタイプに赤色を見ることができた。銅上のエナメル被覆は赤みを帯びた色合いを有し、青色色素が無色に移行したときに繊維は半透明となり、内部のワイヤを露わにした。第3のプロトタイプでは、緑-黄色素は無色に移行せず、銅のワイヤコアは見えなかった。第3のファブリックプロトタイプにおける活性領域の幅は16インチであり、活性領域の長さは66インチであった。第3のプロトタイプにおいて、能動変色領域は第2のプロトタイプと比較し、ほぼ6.7倍に増加された。第3のプロトタイプにおいて、出願人はコアを、ファブリックの幅に沿った16の数の独立して制御可能なセグメントにグループ分けした。様々なプロトタイプ及び試験により、出願人は変色性繊維10及び変色性紡ぎ糸100を製造し、そして変色性繊維10及び変色性紡ぎ糸100を、選択的に、適応的に、及び又は動的に制御され得る視覚特性(例えば色、パターンなど)を有するファブリック及び/又は最終製品に仕立てる(例えば、織る、編む、など)又は組み込む(例えば、刺繍する、縫い付ける、など)、さまざまな方法を特定した。
ファブリック製造プロセス
【0055】
図20を参照すると、電気的に制御可能な変色性最終製品を製造するプロセスが例示的実施形態に従って視覚的に表現されている。図20に示されるように、繊維ファブリケータ200は原料(例えば、被覆14用の原料202、コア12用のワイヤ206、コア12用の原材料など)を受け取り、変色性繊維10をそれから生成する。変色性繊維10は次に、(i)他の繊維(例えば、同じ変色性繊維10、異なる変色性繊維10、非変色性繊維、など)と組み合わされて変色性紡ぎ糸100を作り、次に変色性ファブリック300を形成するために非変色性繊維又は紡ぎ糸(例えば、綿ナイロン混紡、など)と共に織られる(例えば、非変色性繊維又は紡ぎ糸がファブリックの第1の方向に織られ、変色性紡ぎ糸100が第2の方向に織られる、など)、(ii)変色性ファブリック300を形成するためにそのまま非変色性繊維又は紡ぎ糸と共に織られる(例えば、非変色性繊維又は紡ぎ糸がファブリックの第1の方向に織られ、変色性繊維10が第2の方向に織られる、など)、(iii)変色性紡ぎ糸100を作るために、他の繊維と組み合わされ、次に変色性ファブリック300(又は直接に変色性製品400)を形成するために編まれる、又は(iv)変色性ファブリック300(又は直接に変色性製品400)を形成するために編まれる、ことが可能である。変色性ファブリック300の変色性繊維10は希望する方法で電気的に接続されても良く、そして、変色性製品400と示された(例えば、ここではブラインドカーテンなどと示された)最終製品を形成するために変色性ファブリック300は処理(例えば、カットする、成形する、他のファブリックに繋ぐ、など)されても良く、最終製品はその視覚特性を、状態410と示された第1の状態から状態420と示された第2の状態に移行可能である。
【0056】
変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を変色性ファブリック300及び/又は変色性製品400に仕立てるために様々な織及び/又は編技術を使用することができる。例として、織及び/又は編技術は、綾織り/杉綾織り、繻子織り、機織り、バスケット織り、平織り、ジャカード織り、オックスフォード織り、うね織り、コース及びウェールズ編み、縦横糸挿入編み、及び/又は他の適切な織及び/又は編技術を含むことができる。
電気接続
【0057】
個々の変色性ファブリック300及び/又は変色性製品400の各々を電源(例えば電源320、電源520、など)及び/又は制御回路(例えば、コントローラ310、コントローラ510など)に接続することは、個々の変色性ファブリック300及び/又は個々の変色性製品400の希望する性能又は変色能力に応じて比較的単純なプロセスから比較的複雑なプロセスの範囲に渡り得る。
【0058】
例として、変色性繊維10を含む変色性ファブリック300及び/又は変色性製品400について均一な色変化が要求される場合、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100への電気接続は2位置コネクタに単純化することができる。より具体的には、単一の均一な色変化用途について、出願人は、(i)変色性ファブリック300の各端部上のコア12から被覆14がはぎ取られる(例えば、選択的溶解など)、(ii)変色性ファブリック300の各側部に沿う露出したコア12がひとまとめに結合される(例えば、はんだ付け、超音波溶接などにより)、そして(iii)変色性ファブリック300の接続された端部の各々が個々の電気ノードに電気的に接続され、次に閉ループを形成するように電源に結合される、という手順を考案した。
【0059】
一方、色変化のためのより複雑なパターン又は制御機構は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を個別に又はそれらをひとまとめにして接続すること及びアドレス指定することを必要とする。図21Aに示されるように、変色性ファブリック300の縁部302は、そこから延びる変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100の未結線の端部を有しても良い。図21Bに示されるように、被覆14はそのコア12を露出させるために、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100の端部から選択的に除去されても良い。変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100の未結線の端部からの被覆14の除去は、化学的除去プロセス(例えば、被覆14を溶液内で溶解させる、など)、機械的除去プロセス(例えば、そこから被覆14をはぎ取る、など)、及び/又は更に他の適切な除去プロセスを使用して行うことができる。図21C及び21Dに示されるように、選択されたコア12の端部はひとまとめにされ互いに接続されても良い。例として、ひとまとめにされた端部は、互いにはんだ付けされても良い。他の例として、端部は超音波溶接プロセスを使用して接合されても良い。例えば、超音波溶接システムは、端部302の予め選択された距離(例えば、0.1インチ、0.25インチ、0.5インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、4インチ、6インチ、1フィート、など)の間にある第1の複数のコア12を接続し、変色性ファブリック300を予め選択された距離だけ移動又はインデックスし(例えば、コンベヤーなどを介して)、端部302の予め選択された距離の間にある第2の複数のコア12を接続する、等々しても良い。図21Dに示すように、グループ304と示されたひとまとめにされた端部は次に、電気コネクタ340と示されたコネクタを介し、それぞれ電源及び/又は制御システムに接続されても良い。
【0060】
大きな直径の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100(例えば、固定器具に使用可能であり、コア12が22AWG(即ち、0.644ミリメートル)と36AWG(即ち、0.127ミリメートル)との間にある)である場合、コア12の端部から被覆14をはぎ取る必要なく、複数の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を接続するために、図22にIDC350と示された絶縁変位コネクタ(IDC)器具(例えば、リボンケーブルコネクタなど)を使用できる。例示的実施形態によれば、IDC350は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を外部回路(例えば、電源、コントローラなど)に結合することを容易にする。変色性ファブリック300の上端及び下端の両方において変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100の各々が既知のコネクタ接続位置を有するように、個々の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100をIDC350に適切な順序で接続するよう注意すべきである。適切な順序が維持されると、変色性ファブリック300内の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100、又は他の応用例(例えば、変色性製品など)の各々は個別に活性化され得る。
【0061】
繊維をプラグに個別に接続する他の方策は、化学的プロセスを使用して(例えば、クロロホルムなどを用いて)繊維端部の絶縁物を同時に除去し、次にはんだポットを使用してワイヤの端部を同時に錫メッキすることである。次に、個別に準備された繊維端部は、コネクタにはんだ付けされても、あるいはプリント基板に直接はんだ付けされても良い。この方法では、繊維がシーケンシャルな順序で接続されることを確認するよう、注意すべきである。個々の繊維を、それらをコネクタ又はプリント基板にはんだ付けする前に正しい順序に固定する器具を設計することも可能である。
【0062】
他の検討事項は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を、直列パターンか、並列パターンか、あるいはこの二つの組み合わせで相互に接続すべきかといった、変色性ファブリック300全体の電気的接続性の性質である。これら三つの形態のいずれかの抵抗を調整するために、電気伝導率の異なる金属及びワイヤの利用可能性を選択することができる。
用途
【0063】
例示的実施形態によれば、変色性繊維10、変色性紡ぎ糸100、及び/又は変色性ファブリック300は、既存の製品に組み込む(例えば、刺繍を使用する、パッチとして、など)ことが可能であり、及び/又は変色能力により新たな製品、即ち変色性製品400を形成するように仕立てる(例えば、織り、編みなどを使用して)ことができる。様々な変色性製品400が図23-32に示されている。図23-32に示される変色性製品400は、変色性繊維10、変色性紡ぎ糸100、及び/又は変色性ファブリック300の可能な具体化の例であり、このような具体化の排他的又は網羅的表現と考えるべきでないことを理解すべきである。特に、変色性繊維10、変色性紡ぎ糸100、及び/又は変色性ファブリック300の使用は広範囲にわたり、アパレル(例えば、ヘッドバンド、袖口、タイ、蝶ネクタイ、シャツ、ジャージ、手袋、スカーフ、ジャケット、ズボン、ショートパンツ、ドレス、スカート、ブラウス、履物/靴、ベルト、帽子など)、アクセサリ(例えば、ハンドバッグ、バックパック、旅行鞄、財布、宝石、ヘアアクセサリなど)、固定設備、家庭用品、室内装飾品(例えば、テーブルクロス、毛布、ベッドシーツ、枕カバー、カーテン、雨戸、敷物、壁紙、美術品/絵画、家具、家具備品、自動車のインテリアなど)、屋外用途及び設備(例えば、テント、日除け、傘、日除け、標識など)、カムフラージュ、などの製品、及び/又は更に他の適切な用途に使用できる。
【0064】
図23及び24に示されるように、変色性製品400は、ドレス430と示された製品として構成されている。図23に示されるように、ドレス430は、第1の色状態432と示された第1の状態(例えば、第1の色など)にある。図24に示されるように、ドレス430は、第2の色状態434と示された第2の状態(例えば、第2の色など)に移行される。例示的実施形態によれば、ドレス430は、ドレス430全体が第1の色状態432と第2の色状態434との間で移行可能であるように、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100からすべて仕立てられる他の実施形態においては、ドレス430の一部だけが第1の色状態432と第2の色状態434との間で移行するように構成されている(例えば、ドレス430の一部だけが非変色性繊維又は紡ぎ糸などを含む、など)。
【0065】
図25及び26に示されるように、変色性製品400は、シャツ440と示された第2の製品として構成されている。図25に示されるように、シャツ440は第1のパターン状態442と示された第1の状態にあり、そこではシャツ440はパターンを欠いている、あるいはすべて同じ色(例えば、ソリッド色など)である。図26に示されるように、シャツ440は第2のパターン状態444と示された第2の状態に移行され、そこではシャツ440の様々な部分又はセグメントは、シャツ440の残りの部分とは異なる第2の色に移行する。図26に示される実施形態によれば、第2のパターン状態444は、シャツ440の広範囲に生成される複数の縦縞446を含む。例示的実施形態によれば、シャツ440の縦縞446を選択的に生成するために移行する部分は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を含む。他の実施形態においては、シャツ440内の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、第2のパターン状態444が追加的又は択一的に横縞パターン、格子縞パターン、斜め縞パターン、水玉模様パターン、及び/又は他の適切なパターンとなるようにアレンジされる。いくつかの実施形態においては、シャツ440は複数の異なるパターンの間で選択的に移行することができる。
【0066】
図27及び28に示されるように、変色性製品400は、ジャージ450と示された第3の製品として構成される。ジャージ450は、ネームパッチ452と示された第1のパッチ、及びナンバーパッチ454と示され、それに結合されている(例えば、縫い付けられている、接着により結合されている、縫い合わされている、など)第2のパッチを含む。例示的実施形態によれば、ネームパッチ452及びナンバーパッチ454は変色性繊維10及び/又はその中に一体化された又は刺繍された変色性紡ぎ糸100を含む。例示的実施形態によれば、ネームパッチ452及びナンバーパッチ454は、ネームパッチ452及びナンバーパッチ454がそれにより、変色性製品400を生成する「改装」策を提供できるように、ファブリック又は既存のジャージ(又は他の既存の製品)に結合可能である。いくつかの実施形態においては、ジャージ450は、ネームパッチ452又はナンバーパッチ454の一方を含まない。他の実施形態においては、ネームパッチ452及び/又はナンバーパッチ454は、別の種類のパッチ(例えば、ロゴパッチ、スポンサーパッチ、チームネームパッチなど)と取り換えられる。図27に示すように、ジャージ450のネームパッチ452及びナンバーパッチ454は、第1のプレーヤー状態456と示された第1の状態にあり、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は選択的に活性化され、ネームパッチ452及びナンバーパッチ454の残りの部分と異なる色で第1のプレーヤーに関する第1のネーム及び第1のナンバーを表示する。図28に示されるように、ジャージ450のネームパッチ452及びナンバーパッチ454は、第2のプレーヤー状態458と示された第2の状態に移行され、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は選択的に活性化され、ネームパッチ452及びナンバーパッチ454の残りの部分と異なる色で第2のプレーヤーに関する第2のネーム及び第2のナンバーを表示する。ネーム及びナンバーは例として使用されるものあって、限定するものであると解釈されるべきでないことを理解すべきである。変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を含むパッチは、パッチ上の任意の種類のパターン、デザイン、表記、ナンバーなどを視覚的に提供することを容易にするように構成する(例えば、デザインされる、アレンジされる、など)ことができる。代替の実施形態においては、ネームパッチ452及び/又はナンバーパッチ454は、色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100をジャージ450内に直接刺繍することにより、ジャージ450内にそのまま一体化されている。
【0067】
いくつかの実施形態においては、変色性製品400に使用可能なパッチはここに記載される光起電力繊維を含む。パッチは、単独に光起電力繊維を含み、変色性繊維10を含む紡ぎ糸に組み込まれ、及び/又は同様に変色性繊維10を含むパッチ内に織り込まれるか、あるいは刺繍されても良い。このような光起電力繊維は、光エネルギから電源に蓄積すべき及び/又は色性繊維10に供給すべき電気エネルギを発生するために使用することができる。
【0068】
図29及び30に示されるように、変色性製品400は、シャツ460と示された第4の製品として構成される。シャツ460は、刺繍部分462と示された刺繍セクションを含む。例示的実施形態によれば、刺繍部分462は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100を、ファブリック又は既存のシャツ(例えば、新たに製造されたシャツ、中古のシャツなど)(又は他の既存の製品)の他の材料内に直接に組み込むことにより形成される。変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100はしたがって変色性製品400を生成する「改装」策を提供することを容易にする。図29に示すように、刺繍部分462は、第1の色状態464と示された第1の状態にあり、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、第1の色又は第1のセットの色となる、あるいは他の第1の視覚特性を有する(例えば、パターンなど)ように、選択的に活性化又は非活性化される。図30に示すように、刺繍部分462は、第2の色状態466と示された第2の状態にあり、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、第2の色又は第2のセットの色となる、あるいは第1の色状態464と異なる他の第2の視覚特性を有するように、選択的に活性化又は非活性化される。刺繍部分462は、パターン、ロゴ、スポーツチームネーム、スポンサーネーム、プレーヤーネーム、プレーヤーナンバーなどを含んでも良い。
【0069】
図31及び32に示されるように、変色性製品400は、靴470と示された第5の製品として構成される。靴470は、刺繍部分472と示された刺繍部分を含む。例示的実施形態によれば、刺繍部分472は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100をファブリック又は既存の靴(例えば、新たに製造された靴、中古の靴など)(又は他の既存の製品)の他の材料内に直接に組み込むことにより形成される。図31に示されるように、刺繍部分472は第1の色状態474と示された第1の状態にあり、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、第1の色又は第1のセットの色となる、あるいは他の第1の視覚特性を有するように、選択的に活性化又は非活性化される。図32に示されるように、刺繍部分472は第2の色状態476と示された第2の状態にあり、そこではその変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100は、第2の色又は第2のセットの色となる、あるいは第1の色状態474と異なる他の第2の視覚特性(例えば、パターンなど)を有するように、選択的に活性化又は非活性化される。
【0070】
上記の第1の製品、第2の製品、第3の製品、第4の製品、及び第5の製品に示されるコンセプトは、互いに独立していることは必要とせず、これらコンセプトは単一の製品の中で組み合されても良い。例として、単一の変色性製品400は、(i)変色性繊維10、変色性紡ぎ糸100、及び/又は変色性ファブリック300から形成される(例えば、織られる、編まれる、など)、(ii)1又はそれ以上のパッチを含む、(iii)1又はそれ以上の刺繍部分を含み、それはすべて独立して制御及び活性化され得る、の組合せを含んでも良い。
製品制御システム
【0071】
変色性繊維10、変色性紡ぎ糸100、変色性ファブリック300、及び/又は変色性製品400を制御するために任意の様々なシステム及び方法を使用することができる。図33に示される例示的実施形態によれば、コントロールシステム500と示されたコントロールシステムは変色性製品400に結合され(例えば、電気的に結合される、通信可能に結合される、機械結合される、など)、コントローラ510と示されたコントロールデバイス(例えば、コントローラ310などに類似する)、電源520と示された電源(例えば、電源320などに類似する)、及び入力デバイス530と示されたユーザ入力を含む。コントローラ510は、汎用プロセッサ、特定用途集積回路(ASIC)、1又はそれ以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、1又はそれ以上の処理コンポーネントを備える回路、マイクロプロセッサを支援する回路構成、処理コンポーネントの集合、又は他の適切な電子処理コンポーネントとして実現可能である。図33に示される例示的実施形態によれば、コントローラ510は、プロセッサ512及びメモリ514を有する処理回路を含む。処理回路は、ASIC,1又はそれ以上のFPGAs、DSP、1又はそれ以上の処理コンポーネントを備える回路、マイクロプロセッサを支援する回路構成、処理コンポーネントの集合、又は他の適切な電子処理コンポーネントであっても良い。いくつかの実施形態においては、プロセッサ512は、ここに記載される動作を容易にするためにメモリ514に格納されているコンピュータコードを実行するように構成される。メモリ514は、ここに記載される動作に関連するデータ又はコンピュータコードを格納可能な任意の揮発性又は不揮発性のコンピュータ可読記憶メディアであっても良い。例示的実施形態によれば、メモリ514は、プロセッサ512による実行用に構成されたコンピュータコードモジュール(例えば、実行可能なコード、オブジェクトコード、ソースコード、スクリプトコード、マシンコードなど)を含む。
【0072】
例示的実施形態によれば、電源520は、被覆14内の熱変色性色素を活性化するために、(例えば、コントローラ510などにより供給されるコマンドに基づいて)変色性製品400の変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100に電流を選択的に供給することを容易にするように構成されている。電源520は、充電式バッテリパック、交換可能バッテリパック、及び/又は他の適切な電源であっても良い。電源520は、外部電源(例えば、主電力線など)への直接的接続を用いて、またワイヤレス充電技術をワイヤレスに用いて充電可能であり、及び/又は状況に応じて内部のバッテリを交換することを要求しても良い。いくつかの実施形態においては、図33に示されるように、変色性製品400はPV源490と示された光起電力源を含む。PV源490は、変色性紡ぎ糸100に組み込まれた光起電力繊維、独立した光起電力パッチなどであっても、また、含んでも良い。PV源490は、電源520を充電し、電源520が変色性繊維10に電流を供給することを補完し、及び/又は、いくつかの実施形態においては電源520の必要性を完全に不要とすることができる。
【0073】
例示的実施形態によれば、入力デバイス530は、変色性製品400のユーザ又はオペレータが変色性製品400の外観(例えば、色、パターンなど)を制御することを容易にするように構成されている(例えば、ファブリック又は個々の繊維の色及び/又はパターンなどを遠隔で制御するのに使用可能である)。入力デバイス530は、任意の適切な無線通信プロトコル(例えば、ブルートゥース(登録商標)、NFC,Zigbee、無線、セルラー、Wi-Fiなど)及び/又は有線通信プロトコルを介してコントローラ510と通信するように構成されても良い。入力デバイス530は、携帯電話、「スマート」フォン、リモコン、ラップトップコンピュータなどの計算機、スイッチデバイス、ボタンデバイス、「スマートホーム」コントローラデバイス、又はハブ(例えば、アマゾンアレクサ、グーグルホーム、Z-waveコントローラ)などであっても良い。一つの特定の例において、スマートフォンは、ユーザが繊維又はファブリックの1又はそれ以上の予め規定された色及び/又は予め規定されたパターンから選択することを可能にするアプリケーション(「アプリ(app)」)を含んでも良い。他の例では、スマートフォンのアプリは、ユーザがカスタムパターンをデザインすることを可能にする。スマートフォンは次に、例えば信号をワイヤレスでコントローラ510に関連する受信機に送信することにより、繊維/ファブリックを制御する役割を持つコントローラ510と通信しても良く、その後、ここにより詳しく説明した色の変化を生じさせるため、電流が1又はそれ以上の繊維に供給されても良い。
【0074】
例として、変色性繊維を組み込んでいる衣類又は他の製品の物品は第1の状態において第1の色(例えば、紫、緑など)を示し、ユーザは、入力デバイス530を使用して第2の異なる色(例えば、赤、黄など)を選択可能であり、このときにはファブリックが第1の状態と異なる第2の状態となるように(図23及び24参照)、ファブリックを第1の色から第2の色に変えるべく信号をコントローラ510に送る。他の例として、ユーザはスマートフォンアプリ内の「縞」などのパターンを選択可能であり(例えば、「縞」ボタンなどを選択することにより)、ファブリックの様々な部分が第1の色から縞パターンに変わることが可能である(例えば、紫のファブリック内の青の縞、縞パターンを生じさせるためにファブリック内の特定の繊維の温度を選択的に変えることなどにより)(図25及び26参照)。入力デバイス530はしたがって、色変化がいつ生じるか、及び/又は変色性製品400にどのようなパターンが現れるかをユーザが決定することを可能にする。
【0075】
図33に示されるように、いくつかの実施形態においては、変色性製品400は、センサ492と示された1又はそれ以上のセンサを含む(例えば、温度、圧力、加速度、湿度などを測定するセンサ)。一つの実施形態においては、センサ492は、変色性繊維10及び/又は変色性紡ぎ糸100が含まれるファブリック上の押圧力又は圧力を感知するように構成された圧電センサを含む。圧電センサは、変色性製品400のファブリック内に直接に、及び/又は変色性製品400のファブリックに結合されたパッチ内に組み込まれても良い。圧電センサは、押圧力を検出することに応答して電気信号をコントローラ510に送ることができ、コントローラ510は信号に応答して適切な動作をとることができる(例えば、熱変色性色素を活性化して色、パターンなどを移行させるために電源520に対し変色性繊維10に電流を供給するように命令する)。
【0076】
図34に示される例示的実施形態によれば、GUI600と示されたグラフィカルユーザインタフェースが入力デバイス530を介し、それに格納されたアプリ又はそれによりアクセスしたプログラムを通してユーザに提供される(例えば、その画面上などに)。図34に示されるように、GUI600はロゴボタン610、製品イメージセクション620、第1パターンボタン630、第2パターンボタン640、第3パターンボタン650、バッテリメータボタン660、温度ボタン670、ネットワーク情報ボタン680、及びソーシャルメディアボタン690を有する。他の実施形態においては、GUI600は、より多い、より少ない、又は異なるボタン又はセクションを提供する。ロゴボタン610は、変色性製品400のロゴ又は刺繍部分(例えば、刺繍部分462、刺繍部分472など)の外観(例えば、色、パターンなど)を選択的に操作することを容易にすることができる。製品イメージセクション620は、変色性製品400の色及び/又はパターンを変更するコマンドを確認した後に(例えば、ロゴボタン610、第1パターンボタン630、第2パターンボタン640、第3パターンボタン650などを介して)、変色性製品400が現在どのように見えているかを視覚的に表す、又は変色性製品400がどのように見えるかの視覚レンダリングを提供することが可能である。
【0077】
第1パターンボタン630、第2パターンボタン640、及び/又は第3パターンボタン650は、変色性製品400の色及び/又はパターンを選択的に操作することを容易にすることが可能である。例として、第1パターンボタン630が第1の規定パターン(例えば、縞パターン、格子縞パターンなど)に関連付けられ、第2パターンボタン640が第2の規定パターン(例えば、勾配色パターンなど)に関連付けられ、第3パターンボタン650が第3の規定パターン(例えば、ソリッド色パターンなど)に関連付けられても良い。いくつかの実施形態においては、第1パターンボタン630、第2パターンボタン640、及び/又は第3パターンボタン650に関連付けられるパターンは、ユーザにより選択的に設定され(例えば、ダウンロードテーブル、より大きなリストなどから選択されるなど)、及び/又は選択的にカスタマイズ可能である。いくつかの実施形態においては、GUI600は3つより多い又は少ないパターン選択肢(例えば、2つ、4つ、5つなどの選択可能パターン)を提供する。
【0078】
バッテリメータボタン660は、電源520又はPV源490のバッテリ状態又はパワーレベルを入力デバイス530のユーザに選択的に呈示する(例えば、ユーザによる選択時などに)ことを容易にすることが可能である。温度ボタン670は、変色性製品400又はその様々な個々の部分の温度設定及び/又は現在温度を入力デバイス530のユーザに選択的に呈示する(例えば、ユーザによる選択時などに)ことを容易にすることが可能である。ネットワーク情報ボタン680は、(i)入力デバイス530を個々の変色性製品400(即ち、そのコントローラ510)に選択的に接続すること、(ii)(a)入力デバイス530と(b)コントローラ510との間の通信(例えば、通信プロトコルの種類、接続強度、入力デバイスに接続された変色性製品400の識別子など)及び/又は外部ネットワーク(例えば、通信プロトコルの種類、接続強度など)、に関するネットワーク接続情報を入力デバイス530のユーザに対し、選択的に提示する(例えば、ユーザによる選択時などに)こと、を容易にすることが可能である。ソーシャルメディアボタン690は、入力デバイス530上のアプリをユーザのソーシャルメディアアカウント(単数又は複数)(例えば、フェイスブック、インスタグラム、スナップチャット、ツイッターなど)にリンクさせることを容易にすることが可能である。このようなリンクは、ユーザが彼らの仲間が作り出したパターンをシェアし、及び/又は他の人により作り出されたパターンを彼らのソーシャルメディアアカウントを介してダウンロードすることを容易にすることが可能である。
【0079】
これらの例は、限定を意図するものではなく、単に、ここに記載される変色性繊維10を含むファブリックがユーザによってどのように制御されるかについてのいくつかの通常の例を提供するために用意されたものである。上述の例は、通信し、ファブリック及び/又は個々の繊維の色及び/又はパターンを変えるためのスマートフォンなどのワイヤレス電子デバイスの使用を考察するものであるが、ファブリックの色及び/又はパターンを制御するために任意の様々な他の種類のコントローラが使用可能であり、無線又は有線の通信接続を採用可能であり、既知のあるいは今後開発されるであろう任意の有益な無線又は有線の通信接続を使用可能であることに留意すべきである。色及び/又はパターンの変化は、ユーザにより希望するときに手動で作動されても良く、以後の規定の時間に及び/又は時間をおいて起こる(又は起こらない)ようにプログラムされても良い。いくつかの実施形態においては、コントローラ510は、通知(例えば、テキストメッセージ、eメール、電話など)を受け取ったスマートフォンに応答して変色性繊維10の少なくとも一部を活性化させるように構成される。活性化の種類(例えば、色、パターンなど)又は変色性製品400の活性化された部分は、通知の種類又は上記のような通知(例えば、テキストメッセージ、eメール、電話など)の理由に対応しても良い。コントローラ510は、任意の様々な可能なプログラミング方法を使用してこのような時間設定及び/又は通知のプログラミングを可能にしても良く、そのすべてが本開示の範囲内にあるものと意図される。
【0080】
ここで用いられる用語「ほぼ」、「約」、「実質的に」、及び類似の用語は、一般的であり、本開示の発明に関する技術について通常のスキル有するものに受け入れられる用法に調和する、広い意味を有するものと意図される。これらの用語は、記載されクレームされた特定の特徴の記述を、これらの特徴の範囲を規定された厳密な数値範囲に限定することなく、可能にするということが本開示を参照する当業者に理解されるべきである。したがって、内容がなく又は取るに足らない、記載されクレームされた発明の修正又は変更は、添付の特許請求の範囲に記載された開示の範囲内にあると考えられることを、これらの用語は示していると解釈されるべきである。
【0081】
様々な実施形態を記載するためにここで使用される用語「例示的」及びその変形は、そのような実施形態は可能な例、表現、又は可能な実施形態の例示であることを示すためのものであること(及びそのような用語はそのような実施形態が必然的に特別である又は最良の例であることを暗示するためのものでないこと)に留意すべきである。
【0082】
ここで使用される用語「結合された」及びその変形は、二つの部材を直接的に又は間接的に互いに接合することを意味する。そのような接合は静的(例えば、恒久的又は固定的)又は可動的(例えば、取り外し可能又は解除可能)であり得る。そのような接合は、互いに直接的に結合された二つの部材、互いに結合された別の介在部材及び任意の中間部材を使用して互いに結合された二つの部材、又は二つの部材の一方に単一の物体として一体に形成された介在部材を介して互いに結合された二つの部材、として実現できる。「結合された」又はその変形が追加の用語で修正(例えば、直接的に結合された)されると、上に定めた「結合された」の一般的定義は、追加の用語のプレイン・ランゲージの意味により修正され(例えば、「直接的に結合された」は二つの部材を別の部材を用いずに接合することを意味する)、その結果、上に定めた「接合された」の一般的定義より狭い定義となる。
このような結合は、機械的、電気的、又は流体的であり得る。
【0083】
個々で使用される「又は」は、要素のリストを接続するために使用される場合、用語「又は」は、リスト内の要素の一つ、いくつか、又は全てを意味するようにその包含的意味で使用される(その排他的意味でない)。用語「X、Y、及びZの少なくとも一つ」などのコンジャンクティブ・ランゲージは特段の指定がない限り、要素は、X、Y、Zのいずれか、X及びY、X及びZ、Y及びZ、又はX、Y、及びZ(即ち、X、Y、Zの任意の組み合わせ)であり得ることを伝えていると理解すべきである。したがって、特段の指定がない限り、このようなコンジャンクティブ・ランゲージは、特定の実施形態が少なくとも一つのX、少なくとも一つのY、及び少なくとも一つのZがそれぞれ存在することを要求することを暗示するものではない。要素の位置についてのここでの言及(例えば、「上端」、「下端」、「上」、「下」)は、単に様々な要素の図面における向きを記述するために使用される。様々な要素の向きは、他の例示的実施形態によっては相違し得ること、及びこのような相違は本開示に包含されることに留意すべきである。
【0084】
ここに開示される実施形態に関連する様々なプロセス、操作、例示的ロジック、論理ブロック、モジュール及び回路は、汎用シングル又はマルチチッププロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、特定用途集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、又は他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲート又はトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、又はここに記載された機能を実行するように設計されたこれらの任意の組み合わせで実現又は実行し得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、又は任意の従来型のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、又は状態機械であっても良い。プロセッサはまた、DSP及びマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと協働する1又は複数のマイクロプロセッサなどの計算デバイスの組み合わせ、又は任意の他のこのような構成として実現し得る。いくつかの実施形態においては、特定のプロセス及び方法は、所与の機能に特化した回路によって実行されても良い。メモリ(例えば、メモリ、メモリユニット、記憶デバイス)は、本開示に記載された様々なプロセス、レイヤー、及びモジュールを完了させる又は促進させるためのデータ及び/又はコンピュータコードを格納するための1又は複数のデバイス(例えば、RAM,ROM,フラッシュメモリ、ハードディスクストレージ)を含んでも良い。メモリは、揮発性メモリ又は不揮発性メモリであっても含んでも良く、本開示に記載された様々な動作及び情報構造を支援するためのデータベースコンポーネント、オブジェクトコードコンポーネント、スクリプトコンポーネント、又は任意の他の種類の情報構造を含んでも良い。例示的実施形態によれば、メモリは処理回路を介してプロセッサに通信可能に接続され、ここに記載された1又はそれ以上のプロセスを実行する(例えば、処理回路又はプロセッサにより)ためのコンピュータコードを含む。
【0085】
本開示は、様々な操作を遂行するための任意の機械可読メディア上の方法、システム及びプログラム製品を考察する。本開示の実施形態は、既存のコンピュータプロセッサを使用して、又は、この又は他の目的のために組み込まれた適切なシステム用の特定用途コンピュータプロセッサ、又はハードワイヤドシステムによって実現し得る。本開示の範囲内の実施形態は、格納された機械実行可能命令又はデータ構造を運ぶ又は持つための機械可読メディアを備えるプログラム製品を含む。このような機械可読メディアは、汎用又は特定用途コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によってアクセスできる任意の入手可能なメディアであっても良い。例として、このような機械可読メディアは、RAM,ROM,EPROM,EEPROM、又は他の光学ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気ディスクストレージデバイス、又は必要なプログラムコードを機械実行可能プログラムコード又はデータ構造の形で運ぶ又は格納するために使用可能であり且つ汎用又は特定用途コンピュータ又はプロセッサを有する他の機械によってアクセスできる任意の他のメディアを備えることができる。上記の組み合わせもまた、機械可読メディアの範囲に含まれる。機械実行可能命令は、例えば、汎用コンピュータ、特定用途コンピュータ、又は特定用途処理機械に特定の機能又は機能グループを実行させる命令及びデータを含む。
【0086】
図面及び明細書は、方法ステップの特定の順序を説明しているが、特に上に異なるように指定されていない限り、このようなステップの順序は描写され記載されたものと異なっても良い。また、2またはそれ以上のステップは、特に上に異なるように指定されていない限り、同時に又は部分的に同時に実行されても良い。このようなばらつきは、例えば、選択されたソフトウェア及びハードウェアシステム及びデザイナーチョイスに依存する。全てのこのようなばらつきは開示の範囲内にある。同様に、記載された方法のソフトウェア実装は、様々な接続ステップ、処理ステップ、比較ステップ、及び決定ステップを遂行するルールベースのロジック及び他のロジックを有する標準的プログラミング技術を用いて達成できる。
【0087】
様々な実施形態に示されたような繊維、紡ぎ糸、ファブリック、及び最終製品の構成及び配置は例示に過ぎないことに留意することが重要である。更に、一つの実施形態に開示されたいかなる要素もここに開示された任意の他の実施形態に組み込むこと又は利用することが可能である別の実施形態に組み込むこと又は利用することが可能である、一つの実施形態からの要素の一つだけの例が上に記載されていたとしても、様々な実施形態の他の要素がここに記載された任意の他の実施形態に組み込むこと又は利用することが可能であることを認識すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23-24】
図25-26】
図27
図28
図29-30】
図31-32】
図33
図34