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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】液冷ヘッド及びそれを用いた液冷放熱器
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/473 20060101AFI20221005BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20221005BHJP
   F01P 11/10 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01L23/46 Z
H05K7/20 N
F01P11/10 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021069293
(22)【出願日】2021-04-15
(65)【公開番号】P2022122228
(43)【公開日】2022-08-22
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】202110174390.4
(32)【優先日】2021-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】505446862
【氏名又は名称】▲黄▼ 崇賢
(74)【代理人】
【識別番号】110003214
【氏名又は名称】弁理士法人服部国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】▲黄▼ 崇賢
【審査官】正山 旭
(56)【参考文献】
【文献】台湾特許出願公開第200829136(TW,A)
【文献】中国特許出願公開第111372426(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第1797276(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第112696851(CN,A)
【文献】台湾特許出願公開第202127996(TW,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0045306(US,A1)
【文献】特開2019-096714(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 23/473
H05K 7/20
F01P 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るための液冷ヘッドであって、
集液ボックスと、熱伝導シートとを備え、
前記集液ボックスは、入液口と、第1出液口と、第2出液口と、前記集液ボックスの内部に位置する分流通路とを有し、
前記分流通路の入液端が前記入液口と連通し、前記分流通路の出液端に第1分流口と第2分流口とがそれぞれ設けられ、前記第1分流口と前記第2分流口は、いずれも前記入液口及び前記分流通路よりも小さく、
前記熱伝導シートが前記集液ボックスに密封固定されて密閉の収容室を形成し、前記熱伝導シートに前記収容室に位置する若干のフィン部が一体成形され、前記第1分流口は、前記収容室を経て前記第1出液口と連通し、前記第2分流口は、前記第2出液口と連通し、液体を、前記入液口を経由して前記分流通路に進入させ、液体の一部は、前記第1分流口を経由して前記収容室に進入して前記フィン部と熱交換を行った後、前記第1出液口から流出され、液体の残部は、前記第2分流口を経由して流入されて前記第2出液口から流出されることを特徴とする、液冷ヘッド。
【請求項2】
前記入液口と前記第2分流口は、それぞれ前記分流通路の両端に正面に向かい合うように位置し、前記第1分流口は、前記分流通路の両端の間に位置することを特徴とする、請求項1に記載の液冷ヘッド。
【請求項3】
前記第2分流口と前記分流通路との間に輸送方向に向かって直径が漸次縮径する移行通路を有することを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の液冷ヘッド。
【請求項4】
前記収容室内に前記フィン部を被蓋する液仕切カバーが設置され、前記収容室は、前記液仕切カバーによって第1入液室と第1出液室とに区画形成され、前記第1分流口は、前記第1入液室に連通し、前記液仕切カバーに前記第1入液室と前記液仕切カバーの内部との間に連通する第1溝孔が開設され、前記液仕切カバーの周側面に前記第1出液室と前記液仕切カバーの内部との間に連通する第2溝孔が設置され、前記第1出液室は、前記第1出液口に連通することを特徴とする、請求項1に記載の液冷ヘッド。
【請求項5】
前記収容室内に前記フィン部を被蓋する液仕切フィルムが設置され、前記収容室は、前記液仕切フィルムによって第2入液室と第2出液室とに区画形成され、前記第1分流口は、前記第2入液室に連通し、前記液仕切フィルムに前記第2入液室と前記フィン部の所在区域とに連通する第3溝孔が開設され、前記第2出液室は、前記第1出液口に連通することを特徴とする、請求項1に記載の液冷ヘッド。
【請求項6】
前記入液口と前記第1出液口とは、前記集液ボックスの同一側に配置され、前記第2出液口は、前記集液ボックスの他方側に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の液冷ヘッド。
【請求項7】
発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るための液冷ヘッド部材であって、
請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドである第1液冷ヘッドと、第2液冷ヘッドとを含み、前記第2液冷ヘッドは、入液連結端と、出液連結端とを有し、前記第1液冷ヘッドの第2出液口は、前記第2液冷ヘッドの前記入液連結端に連結されることを特徴とする、液冷ヘッド部材。
【請求項8】
前記第1液冷ヘッドの入液口に入液管が連結され、前記第1液冷ヘッドの第1出液口に第1出液管が連結され、前記第2液冷ヘッドの前記出液連結端に第2出液管が連結され、前記第1出液管と前記第2出液管とを集合させて出液主管に連結されることを特徴とする、請求項7に記載の液冷ヘッド部材。
【請求項9】
前記第1液冷ヘッドは複数個設置され、隣り合う前記第1液冷ヘッドの間は、先の1個の前記第1液冷ヘッドの前記第2出液口を通過して次の1個の前記第1液冷ヘッドの前記入液口にまで連結されていることを特徴とする、請求項7に記載の液冷ヘッド部材。
【請求項10】
発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るための液冷放熱器であって、
液冷ラジエータと、液冷ヘッドと、前記液冷ラジエータと前記液冷ヘッドとの間に連結される連結液管と、液体の循環のために連動して動作する液体ポンプとを備え、前記液体ポンプは、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドである前記液冷ヘッドの外部に設置されることを特徴とする、液冷放熱器。
【請求項11】
前記液冷ヘッドは、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドである第1液冷ヘッドと、第2液冷ヘッドとを含み、前記第2液冷ヘッドは、入液連結端と、出液連結端とを有し、前記第1液冷ヘッドの第2出液口は、前記第2液冷ヘッドの前記入液連結端に連結され、前記第1液冷ヘッドの入液口に入液管が連結され、前記第1液冷ヘッドの第1出液口に第1出液管が連結され、前記第2液冷ヘッドの前記出液連結端に第2出液管が連結され、前記第1出液管と前記第2出液管とを集合させて出液主管に連結され、前記第1液冷ヘッドは1個設置されるか、あるいは前記第1液冷ヘッドは複数個設置され、隣り合う前記第1液冷ヘッドの間は、先の1個の前記第1液冷ヘッドの前記第2出液口を通過して次の1個の前記第1液冷ヘッドの前記入液口にまで連結されていることを特徴とする、請求項10に記載の液冷放熱器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液冷放熱器の技術分野に係り、特に、コンピュータ内部部品の放熱に適用される液冷ヘッド、液冷ヘッド部材及び液冷放熱器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、コンピュータ内部部品の放熱に用いられる放熱器について、液冷式放熱器は普遍的であり、液冷放熱器は、液体ポンプの連動を使用して液体を強制循環させて放熱器の熱量を取り去る放熱技術に関するものであり、従来の風冷放熱技術と比べて静音性、降温安定性に優れ、環境に対する依存性が小さいなどの利点を有する。液冷放熱器の放熱性能は、その中の放熱液(水やその他の液体)の流速と正比例し、放熱液の流速は、冷媒システムの液体ポンプのパワーに関連しており、放熱液の熱容量が大きいために、液冷冷媒システムに優れた熱負荷能力を持たせる。
【0003】
従来の液冷放熱器は、通常、液冷ラジエータと、液冷ヘッドと、液管とから構成され、液冷ラジエータと液冷ヘッドとの間を液管で連結し、液冷ヘッドは、外部ケーシングと、外部ケーシングの内部に装着される液体ポンプと、外部ケーシングの表面に位置する入液口及び出液口とを備える。しかし、従来の液冷放熱器は、実際の応用に際して、依然としていくつかの不具合が存在しており、例えば、(一)1個の水冷ラジエータには、通常、1個の液冷ヘッドを対応して設置することになり、多数個の発熱素子の放熱が必要な時、1個の液冷ラジエータには、複数個の液冷ヘッドを対応して配置するニーズを満足することが困難であること、(二)液冷ヘッド全体の重量が比較的大きいため、液冷ヘッドの発熱素子への装着応用時に、所要の係合圧力が比較的大きく、取り付け操作には多大な労力と時間を費やし、取り付けた後も振動現象が発生しやすいこと、(三)液冷ヘッド全体の体積が比較的大きく、それは発熱素子に対応して装着する必要があり、占有空間が大きくなり、コンピュータ製品の内部空間設計に不利であること、などの不具合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、如何にして上述した従来の液冷放熱器の欠点を解決するかが、本発明の液冷ヘッド及びそれを用いた液冷放熱器の積極的に克服すべき課題となっている。
【0005】
本発明は、上述に鑑みてなされたものであり、その目的は、水冷ラジエータに液冷ヘッドを多数個連結することができなく、液体ポンプが液冷ヘッド上に装着されて重量が液冷ヘッドのみのものよりも重くなり、液体ポンプの伝達時に振動が発生し、及び液冷ヘッドの自由なつなぎ合わせに不便であるという問題を解決する、液冷ヘッド及びそれを用いた液冷放熱器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる液冷ヘッド及びそれを用いた液冷放熱器においては、液冷ヘッドは、集液ボックスと、熱伝導シートとを備え、集液ボックスは、入液口と、第1出液口と、第2出液口と、分流通路とを有し、分流通路は、入液口に進入した液体を出液口に分流させ、熱伝導シートが集液ボックスに密封固定されてそれらで密閉の収容室を形成し、熱伝導シートに収容室に位置するフィン部が延設され、その内、分流通路は、第1出液口及び第2出液口とそれぞれ連通し、液体を、入液口を経て分流通路に進入させ、一部の液体は、収容室に進入してフィン部と熱交換を行った後、再び第1出液口から流出され、他部の液体は、第2分流口を経て第2出液口から流出される。本発明は、集液ボックスの流路設計により、液冷ラジエータは1個のみで複数個の液冷ヘッドの配置ニーズに対応することができるなどの目的を達成し得る。
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明が提供する液冷ヘッドは、発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るために用いられ、集液ボックスと、熱伝導シートとを備え、前記集液ボックスは、入液口と、第1出液口と、第2出液口と、前記集液ボックスの内部に位置する分流通路とを有し、前記分流通路の入液端が前記入液口と連通し、前記分流通路の出液端に第1分流口と第2分流口とがそれぞれ設けられ、前記第1分流口と前記第2分流口は、いずれも前記入液口及び前記分流通路よりも小さく、前記熱伝導シートが前記集液ボックスに密封固定されてそれらで密閉の収容室を形成し、前記熱伝導シートに前記収容室に位置する若干のフィン部が一体成形され、前記第1分流口は、前記収容室を経て第1出液口と連通し、前記第2分流口は、第2出液口と連通し、液体を、前記入液口を経由して前記分流通路に進入させ、液体の一部は、前記第1分流口を経由して前記収容室に進入して前記フィン部と熱交換を行った後、前記第1出液口から流出され、液体の残部は、前記第2分流口を経由して流入されて前記第2出液口から流出される。
【0008】
本発明の液冷ヘッドの一態様では、前記入液口と前記第2分流口は、それぞれ前記分流
通路の両端に正面に向かい合うように位置し、前記第1分流口は、前記分流通路の両端の間に位置する。
【0009】
本発明の液冷ヘッドの一態様では、前記第2分流口と前記分流通路との間に輸送方向に向かって直径が漸次縮径する移行通路を有する。
【0010】
本発明の液冷ヘッドの一態様では、前記収容室内に前記フィン部を被蓋する液仕切カバーが設置され、前記収容室は、前記液仕切カバーによって第1入液室と第1出液室とに区画形成され、前記第1分流口は、前記第1入液室に連通し、前記液仕切カバーに前記第1入液室と前記液仕切カバーの内部との間に連通する第1溝孔が開設され、前記液仕切カバーの周側面に前記第1出液室と前記液仕切カバーの内部との間に連通する第2溝孔が設置され、前記第1出液室は、前記第1出液口に連通する。
【0011】
本発明の液冷ヘッドの一態様では、前記収容室内に前記フィン部を被蓋する液仕切フィルムが設置され、前記収容室は、前記液仕切フィルムによって第2入液室と第2出液室とに区画形成され、前記第1分流口は、前記第2入液室に連通し、前記液仕切フィルムに前記第2入液室と前記フィン部の所在区域とに連通する第3溝孔が開設され、前記第2出液室は、第1出液口に連通する。
【0012】
本発明の液冷ヘッドの一態様では、前記入液口と前記第1出液口とは、前記集液ボックスの同一側に配置され、前記第2出液口は、前記集液ボックスの他方側に配置される。
【0013】
本発明が提供する液冷ヘッド部材は、発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るために用いられ、それは第1液冷ヘッドと、第2液冷ヘッドとを含み、前記第1液冷ヘッドは、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドであり、前記第2液冷ヘッドは、入液連結端と、出液連結端とを有し、前記第1液冷ヘッドの第2出液口は、前記第2液冷ヘッドの入液連結端に連結される。
【0014】
本発明の液冷ヘッド部材の一態様では、前記第1液冷ヘッドの入液口に入液管が連結され、前記第1液冷ヘッドの第1出液口に第1出液管が連結され、前記第2液冷ヘッドの出液連結端に第2出液管が連結され、前記第1出液管と前記第2出液管とを集合させて出液主管に連結される。
【0015】
本発明の液冷ヘッド部材の一態様では、前記第1液冷ヘッドは複数個設置され、隣り合う前記第1液冷ヘッドの間は、先の1個の前記第1液冷ヘッドの前記第2出液口を通過して次の1個の前記第1液冷ヘッドの入液口にまで連結されている。
【0016】
本発明が提供する液冷放熱器は、発熱素子に接触して前記発熱素子の熱量を取り去るために用いられ、それは液冷ラジエータと、液冷ヘッドと、前記液冷ラジエータと前記液冷ヘッドとの間に連結される連結液管と、液体の循環のために連動して動作する液体ポンプとを備え、前記液冷ヘッドは、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドであり、前記液体ポンプは、前記液冷ヘッドの外部に設置される。
【0017】
本発明の液冷放熱器の一態様では、前記液冷ヘッドは、第1液冷ヘッドと、第2液冷ヘッドとを含み、前記第1液冷ヘッドは、請求項1~5のいずれか1項に記載の前記液冷ヘッドであり、前記第2液冷ヘッドは、入液連結端と、出液連結端とを有し、前記第1液冷ヘッドの第2出液口は、前記第2液冷ヘッドの前記入液連結端に連結され、前記第1液冷ヘッドの入液口に入液管が連結され、前記第1液冷ヘッドの第1出液口に第1出液管が連結され、前記第2液冷ヘッドの前記出液連結端に第2出液管が連結され、前記第1出液管と前記第2出液管とを集合させて出液主管に連結され、その内、前記第1液冷ヘッドは1個設置されるか、あるいは前記第1液冷ヘッドは複数個設置され、隣り合う前記第1液冷ヘッドの間は、先の1個の前記第1液冷ヘッドの前記第2出液口を通過して次の1個の前記第1液冷ヘッドの前記入液口にまで連結されている。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、液冷ヘッドの構造設計を通して、分流通路の出液端に第1分流口と第2分流口とがそれぞれ設けられることにより、液体は、入液口を経て分流通路に進入した後、一部の液体は、第1分流口を経て収容室に進入してフィン部と熱交換を行った後、第1出液口から流出され、残部の液体は、第2分流口を経て第2出液口から流出され、このようにして、自由に複数個の液冷ヘッドをつなげるように使用者に提供でき、放熱を行うために液冷ヘッドを複数個配置することが必要なニーズを満足させることができる。
【0019】
他にも、本発明は、液体ポンプを液冷ヘッドの外部に設置することによって、伝統的な技術における液冷ヘッドの重量が比較的大きく、液体ポンプの伝達時に振動が発生する問題を解決する一方、同時に液冷ヘッド全体の高さを低くして占有空間を小さく抑えるので、コンピュータ製品の内部空間設計に有利である。他方、液体ポンプの設置をより一層適応性よく自由に行うことが可能になり、例えば、液冷ラジエータや連結液管などの任意の場所に外付けて設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第1実施形態を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態を示す分解斜視図である。
図3】本発明の第2実施形態を示す斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態を示す分解斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態及び第2実施形態における集液ボックスを示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態及び第2実施形態における集液ボックスを示す底面図である。
図7】本発明の図6中の集液ボックスのA-A断面を示す図である。
図8】本発明の液仕切カバーの好ましい実施形態を示す断面図である。
図9】本発明の液仕切フィルムの好ましい実施形態を示す断面図である。
図10】本発明の液冷ヘッドの液冷放熱器への応用を示す斜視図である。
図11図10に示す液冷放熱器の第1液冷ヘッドと第2液冷ヘッドの液体の流れ方向を示す説明図である。
図12図10に示す液冷放熱器の第1液冷ヘッドと第2液冷ヘッドを示す分解斜視図である。
図13図10に示す液冷放熱器の第1液冷ヘッドと第2液冷ヘッドを示す断面図である。
図14】本発明にかかる1個の第1液冷ヘッドと1個の第2液冷ヘッドの組合せの応用例を示す模式図である。
図15】本発明にかかる2個の第1液冷ヘッドと1個の第2液冷ヘッドの組合せの応用例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態による液冷ヘッド及びそれを用いた液冷放熱器を図面に基づいて説明する。なお、複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0022】
(第1実施形態)
以下、本発明による実施形態について図1から図15に基づいて説明する。図1から図7に示すように、本発明にかかる液冷ヘッドは、発熱素子に接触して発熱素子の熱量を取り去るために用いられ、第1実施形態は、液体ポンプの取り付けのために用いられていない集液ボックス1と、熱伝導シート2とを備え、その内、集液ボックス1は、入液口11と、第1出液口12と、第2出液口13と、集液ボックス1の内部に位置する分流通路14とを有し(図5図6及び図7参照)、分流通路14の入液端が入液口11と連通し、分流通路14の出液端に第1分流口15と第2分流口16とがそれぞれ設けられ、第1分流口15の直径と第2分流口16の直径とは、いずれも入液口11及び分流通路14よりも小さく、熱伝導シート2が集液ボックス1に密封固定されてそれらで密閉の収容室17を形成し、収容室17は、集液ボックス1上に実施してもよく、あるいは熱伝導シート2上に実施してもよく、熱伝導シート2にまた収容室17内に位置する若干のフィン部21が実施されてもよく、その具体的製作時に、熱伝導シート2とフィン部21とが一体成形されている構造である。
【0023】
図6及び図7に示すように、上記の第1分流口15は、収容室17を経て第1出液口12と連通し、第2分流口16は、第2出液口13と連通し、液体を、入液口11を経て分流通路14に進入させた後、一部の液体は、第1分流口15を経て収容室17に進入してフィン部21と熱交換を行った後、再び第1出液口12から流出され、残部の液体は、第2分流口16を経て流入されて再び前記第2出液口13から流出される。より具体的には、上記の入液口11と第1出液口12とは、集液ボックス1の同一側に配置され、第2出液口13は、集液ボックス1の他方側に配置される。
【0024】
本実施形態では、入液口11と第2分流口16は、それぞれ分流通路14の両端に正面に向かい合うように位置し、第1分流口15は、分流通路14の両端の間に位置する。第2分流口16と分流通路14との間に輸送方向に向かって直径が漸次縮径する移行通路18を有することで、液体を第2分流口16に向かって分流させる時に一定の抵抗力を発生させ、このようにすれば、液体がより効率よく分流することができ、液体が第1分流口15または第2分流口16から大量に輸送される状況を回避し、第1分流口15の輸送量と第2分流口16の輸送量を兼ね備えることができる。図7に示すように、入液口11と分流通路14の入液端との間の移行通路18に、集液ボックス1内に進入した液体が集められて圧力が増大することが分かる。
【0025】
(第2実施形態)
図4図8及び図13に示すように、本発明の第2実施形態では、収容室17内にフィン部21を被蓋する液仕切カバー3が設置され、収容室17は、液仕切カバー3によって第1入液室171と第1出液室172とに区画形成され、第1分流口15は、第1入液室171に連通し、液仕切カバー3にまた第1入液室171と液仕切カバー3の内部との間に連通する多数個の第1溝孔31が開設され、液仕切カバー3の周側面に第1出液室172と液仕切カバー3の内部との間に連通する第2溝孔32が設置され、第1出液室172は、第1出液口12に連通する。このように、液体は、第1溝孔31から液仕切カバー3の内部に進入した後、フィン部21上に均一に分布して十分に接触してから、再び第2溝孔32から流出され、冷液を有効に引き込み流すので、冷液と熱液とを一緒に混ぜることを回避し、従って、液体を十分に利用してフィン部21と熱交換を行い、放熱効果を大いに高めることができる。
【0026】
本実施形態において、熱伝導シート2は方形輪郭を呈しており、熱伝導シート2は、銅材質またはアルミニウム材質で構成され、銅材質の熱伝導シート2の方の放熱効果がさらによく発揮され、その底面は平面であり、熱伝導シート2は、多数個のねじ(図示しない)を介して集液ボックス1の底部に固定され、熱伝導シート2の周縁に多数個の固定孔22が開設され、集液ボックス1の底部周縁に多数個のネジ孔19(図5参照)が開設され、多数個のねじを対応の固定孔22に貫通させて集液ボックス1のネジ孔19に螺合固定して連結する。
【0027】
液仕切カバー3は、金属材質またはプラスチック材質で構成されることが好ましく、その好ましい例を方形にして実施してもよく、液仕切カバー3の表面中心に凹スリットが凹設され、凹スリットの底面に間隔をあけて多数個の上記の第1溝孔31が開設され、冷液を液仕切カバー3内に進入させてフィン部21上により一層均一に分布させることができ、液体をより一層有効に利用することができ、熱交換による放熱効果を向上させることができる。また、熱伝導シート2と集液ボックス1との間に第1シールリング4が挟まれ、液仕切カバー3の上表面周縁と集液ボックス1との間に第2シールリング5が挟まれ、第1シールリング4が方形の環状に形成され、第2シールリング5が円形の環状に形成され、密封漏れ防止効果を得るこができる。実際の製作時には、液仕切カバー3の装着位置を調節することにより、第2溝孔32の位置を極力低く抑えることができ、つまり第2溝孔32を経た出液位置を極力低く抑えて放熱効果を向上させる。
【0028】
図2及び図9に示すように、液仕切カバー3の置き換え方案として、収容室17内にフィン部21を被蓋する液仕切フィルム6が設置されてもよく、収容室17は、液仕切フィルム6によって第2入液室173と第2出液室174とに区画形成され、第1分流口15は、第2入液室173に連通し、液仕切フィルム6に第2入液室173とフィン部21の所在区域とに連通する第3溝孔61が開設され、第2出液室174は、第1出液口12に連通し、これにより液仕切カバー3と同じ効果を達成できる。
【0029】
図3及び図4に示すように、集液ボックス1の頂部にさらにLEDライトパネル7を設置することができると共に、LEDライトパネル7上に上蓋8を増設し、上蓋8の表面に選択的に装飾デザインを施すことも可能である。図1図3とを対比すれば明らかなように、集液ボックス1の頂部にLEDライトパネル7と上蓋8とを設置した後、その全体の高さ寸法が僅かに大きくなるものの、従来の液体ポンプを内蔵した液冷ヘッドと比較して、本発明の液冷ヘッド全体の高さ寸法は、それでもなお大幅な縮小化を図れる。
【0030】
図10から図15に示すように、本発明が提供する液冷ヘッド部材は、第1液冷ヘッド100と、第2液冷ヘッド200とを含み、第1液冷ヘッド100は、前述した集液ボックス1と熱伝導シート2とから構成される液冷ヘッドであり、第2液冷ヘッド200は、入液連結端201と、出液連結端202とを有するように実施され、これにより第1液冷ヘッド100の第2出液口13は、連結管506を通じて第2液冷ヘッド200の入液連結端201に連結される。第1液冷ヘッド100の入液口11に入液管501が連結され、第1液冷ヘッド100の第1出液口12に第1出液管502が連結され、第2液冷ヘッド200の出液連結端202に第2出液管503が連結され、第1出液管502と第2出液管503とを集合させて出液主管505に連結される。
【0031】
上記の第1液冷ヘッド100は、1個設置されてもよく、あるいは複数個設置されてよい。図15に示すように、第1液冷ヘッド100が複数個設置される場合、隣り合う各第1液冷ヘッド100の間には、先の第1液冷ヘッド100の第2出液口13は、連結管506を通じて次の第1液冷ヘッド100の入液口11にまで連結されていることから、1個または多数個の第1液冷ヘッド100、第2液冷ヘッド200が一つの流路に直列につながれており、多数個の発熱素子の液冷放熱の同時実行に応用することができる。
【0032】
本発明は、かかる液冷放熱器を提供し、それは液冷ラジエータ300と、液冷ヘッドと、液冷ラジエータ300と液冷ヘッドとの間に連結される連結液管と、液体の循環のために連動して動作する液体ポンプ400とを備え、液冷ヘッドは、前述した集液ボックス1と熱伝導シート2とから構成される液冷ヘッドを含み、液体ポンプ400は、液冷ヘッドの外部に設置され、液体ポンプ400の設置が適応性よく自由に行え、任意の場所に外付けて設けることもでき、例えば、液冷ラジエータ300中に設置されてもよく、あるいは上記の連結用管路の間に単独設置されてもよく、上記の液冷ヘッド構成部材は、本発明の液冷放熱器に応用することができる。
【0033】
図10図13に示すように、本発明の液冷放熱器の動作原理は、以下の通りである。
使用時に、第1液冷ヘッド100の熱伝導シート2と第2液冷ヘッド200の熱伝導シート2は、それぞれ発熱素子に貼り合わせて固定され、液冷ラジエータ300の液体は、入液管501から第1液冷ヘッド100の入液口11を経由して上記の分流通路14に進入し、一部の液体は、第1分流口15を経て収容室17に進入してフィン部21と熱交換を行った後、再び上記の第1出液口12から第1出液管502を経て流出され、残部の液体は、第2分流口16を経由して流入されて再び第2出液口13から流出され、連結管506を経て第2液冷ヘッド200に進入し、再び第2液冷ヘッド200の第2出液管503を経て流出され、第1出液管502と第2出液管503とは、1個の三分岐継手504を経由して出液主管505に連結され、出液主管505を経由して液冷ラジエータ300中に進入して冷却され、液体を循環流通させて放熱を行っている。
【0034】
以上、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 集液ボックス
2 熱伝導シート
21 フィン部
22 固定孔
11 入液口
12 第1出液口
13 第2出液口
14 分流通路
15 第1分流口
16 第2分流口
17 収容室
171 第1入液室
172 第1出液室
173 第2入液室
174 第2出液室
18 移行通路
19 ネジ孔
3 液仕切カバー
31 第1溝孔
32 第2溝孔
4 第1シールリング
5 第2シールリング
6 液仕切フィルム
61 第3溝孔
7 LEDライトパネル
8 上蓋
100 第1液冷ヘッド
200 第2液冷ヘッド
201 入液連結端
202 出液連結端
300 液冷ラジエータ
400 液体ポンプ
501 入液管
502 第1出液管
503 第2出液管
504 三分岐継手
505 出液主管
506 連結管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図15