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特許7152800クイックチェンジシステム用のアダプタ及びそのようなアダプタを備えるクイックチェンジシステム
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  • 特許-クイックチェンジシステム用のアダプタ及びそのようなアダプタを備えるクイックチェンジシステム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】クイックチェンジシステム用のアダプタ及びそのようなアダプタを備えるクイックチェンジシステム
(51)【国際特許分類】
   E02F 3/40 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
E02F3/40 E
【請求項の数】 12
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021080223
(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公開番号】P2021193264
(43)【公開日】2021-12-23
【審査請求日】2021-07-15
(31)【優先権主張番号】10 2020 115 197.7
(32)【優先日】2020-06-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】519209288
【氏名又は名称】オイルクイック ドイチュランド カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】コールマン,ミヒャエル
【審査官】彦田 克文
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-501865(JP,A)
【文献】特開2020-084755(JP,A)
【文献】特開2020-007903(JP,A)
【文献】特表2018-520287(JP,A)
【文献】実開昭61-202551(JP,U)
【文献】特表2018-523036(JP,A)
【文献】特開平06-272275(JP,A)
【文献】特開2005-090052(JP,A)
【文献】特開2001-323516(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 3/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建設機械のアタッチメントの交換を行うためのクイックチェンジシステム用のアダプタ(2)であって、該アダプタ(2)をクイックチェンジャ(1)に連結するために、2つの側壁(3)の間に互いから規定の距離を置いて配置された連結要素(4、5)を含み、前記2つの側壁(3)の後端(19)が、前記側壁(3)間に配置された背面カバー(20)に対して後方に突出していることを特徴とする、建設機械のアタッチメントの交換を行うためのクイックチェンジシステム用のアダプタ(2)。
【請求項2】
前記側壁(3)の前記後端(19)が、前記側壁(3)間に配置された横材(22)に前記背面カバー(20)を締結する際に使用される締結要素(21)に対向して突出していることを特徴とする、請求項1に記載のアダプタ(2)。
【請求項3】
前記横材(22)が、端部突起(24)を介して、前記側壁(3)の前記後端(19)の領域にある対応する凹部(25)に形状嵌合式に配置されていることを特徴とする、請求項2に記載のアダプタ(2)。
【請求項4】
前記側壁(3)の前記後端(19)の下側が、凹状の傾斜段部(23)を有することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項5】
前記側壁(3)の外側及び/若しくは内側に、識別標識又は電子部品を収容する1つ又は複数の窪み(29)並びに/又は凹部(30)が設けられていることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項6】
少なくとも1つの連結要素(4、5)に、識別標識又は電子部品を収容する凹部(33)が設けられていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項7】
互いに同一平面上にある開口部(31)が、安全装置を通過させるために両側壁(3)内に配置されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項8】
前記背面カバー(20)内に、少なくとも1つの凹部(26)が設けられていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項9】
前記2つの側壁(3)の前端(18)が、前記前端(18)から前方連結要素(4)の中心までの距離Aと該前方連結要素(4)の直径Dとの比A/Dが少なくとも1.25となるように、前記前方連結要素(4)に対して突出していることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のアダプタ(2)。
【請求項10】
前記側壁(3)が、自身の前端(18)と前記前方連結要素(4)との間に少なくとも1つの開口部(32)を有することを特徴とする、請求項に記載のアダプタ(2)。
【請求項11】
クイックチェンジャ(1)と、該クイックチェンジャ(1)に連結可能なアダプタ(2)とを備えるクイックチェンジシステムであって、前記アダプタ(2)が、請求項1から10の記載に従って設計されていることを特徴とする、クイックチェンジシステム。
【請求項12】
前記アダプタ(2)の前記2つの側壁(3)が、前記クイックチェンジャ(1)に配置されたセーフティキャッチ(15)に対して自身の折り畳み位置で突出するように、前記
アダプタ(2)の前記2つの側壁(3)の前記前端(18)が、前記前方連結要素(4)に対して突出していることを特徴とする、請求項11に記載のクイックチェンジシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに記載のクイックチェンジシステム用のアダプタに関する。本発明はまた、そのようなアダプタを備えるクイックチェンジシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
クイックチェンジャと、対応するアダプタとで構成されたクイックチェンジシステムは、建設機械上にある様々なアタッチメントの交換を簡便に行えるように使用されるものである。例えば、チルトバケット、グリッパ、クロー、コンプレッサ、マグネット、油圧ハンマ、又は他の機械的アタッチメント若しくは油圧式アタッチメントは、優れた安全性で、運転室から油圧ショベルのブームに数秒で連結又は連結解除され得る。
【0003】
一般的なクイックチェンジシステムは、特許文献1から公知である。このクイックチェンジシステムは、アダプタをクイックチェンジャに連結するために、平行側壁間に互いに規定された距離を置いて配置された、2つのピン状連結要素を備えるアダプタを有する。アダプタに付属するクイックチェンジャは、第1のピン状連結要素用にクロー状の第1のレセプタクルを一方側に、そして、第2の連結要素を解放可能に保持するように、ロック解除位置とロック位置との間で移動可能な2つのロック要素を有する、第2のレセプタクルを他方側に含む。そのようなクイックチェンジシステムと連結可能なアタッチメントは通常、連結前には地面の上にあることが多く、また、連結させるためには多くの場合、水平ではないか、又は岩でごつごつした地面の上を移動させなければならないため、アダプタ又はクイックチェンジャの部品が損傷する危険性がある。例えば、アダプタに設けられた保護カバーは、アタッチメントの交換や装着中に、比較的早い段階で損傷する恐れがある。コンクリート基礎や玉石の大部分が、とりわけバックホウバケット内で拾い上げられるような場合でも、材料はセーフティキャッチのフック又はクイックチェンジャの他の突出部に対して支持され、このことが、安全性に関連した損傷を招き得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国特許出願公開第102018128479号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、耐損傷性が向上したアダプタと、そのようなアダプタを備えるクイックチェンジシステムとを考案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、請求項1の特徴を有するアダプタと、請求項11の特徴を有するクイックチェンジシステムとによって解決される。本発明の好都合な実施形態及び有利な改良点を、従属請求項に明記している。
【0007】
本発明によるアダプタ内の2つの側壁の後端は、これらの側壁間に配置された背面カバーに対して後方に突出している。このようなアダプタが設けられたアタッチメントは、アダプタの側部の後端が地面に接するように位置決めされた場合でも、側壁の突出端によって背面カバーが保護されるようになっている。これにより、背面カバーの損傷を回避することができる。
【0008】
とりわけ好都合な実施形態では、これらの側壁の後端も、側壁間に配置された横材に背面カバーを締結する際に使用される締結要素に対して、同様に突出している。これにより、締結要素も損傷から保護される。
【0009】
これらの側壁間に配置された横材は、背面カバーを締結するだけでなく、アダプタの安定性を確実に向上させるのにも役立つ。この横材は、端部突起を介して、側壁の後端の領域にある対応凹部に、好都合に形状嵌合式に配置されている。これにより、側壁と横材との安定した連結が可能になる。
【0010】
さらなる有利な実施形態では、側壁の後端の下側が凹状の傾斜段部を有する。これにより、溶接中の亀裂形成や腐食の問題を回避することができる。
【0011】
側壁の外側及び/又は内側に、1つ又は複数の窪み又は凹部を好都合に設けることができる。銘板、安全警告板、又は電子部品、例えばRFID課金システム、ツールトラッカ、NFCチップ、電子送信機及び電子受信機、並びにデータキャリアなどを、これらの窪み又は凹部内に収容して、損傷から保護することができる。電子部品を収容するための対応窪みを、ピン状連結要素内、例えばそれらの端部にさらに設けることもできる。安全ベルト、安全チェーン又は他の安全装置を貫通しており、互いに同一平面上にある開口部も、2つの側壁に配置することができる。
【0012】
これら2つの側壁間に配置される背面カバーは少なくとも1つの凹部を有し得るので、さらに有利である。この凹部を介して、アダプタのロック機構や油圧装置に接近することができる。この凹部は、運転者がロック機構を視野に捉え、したがって装着状態においても適切な固定状態を視覚的に確認できるように、好都合に配置されている。背面カバーは、その上端がピン状後方連結要素上に載った状態で支持されるように設計され得る。この背面カバーは、水又は汚れを外部に排出することができるように、その底部に凹部又は隙間を有し得る。
【0013】
さらなる有利な実施形態によれば、2つの側壁の前端は、前方連結要素の前端から中心までの距離Aと前方連結要素の直径Dとの比が少なくとも1.25となるように、前方連結要素に対して突出している。このため、当該側部の前端は、それらの折り畳み位置でセーフティキャッチに対して突出し、したがってこれらのセーフティキャッチは、コンクリートスラブ、がれき、玉石又は他の荷重による損傷から保護されている。
【0014】
本発明はまた、上述のアダプタと、これに連結可能なクイックチェンジャとを備える、クイックチェンジ装置に関する。
【0015】
本発明のさらなる詳細及び利点は、以下で図面を参照して行っている、好ましい実施形態例の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】クイックチェンジャと、アダプタとを備えるクイックチェンジシステムを示す、部分側面破断図である。
図2図1に示すクイックチェンジシステムのアダプタの側面図である。
図3図1に示すクイックチェンジシステムのアダプタの斜視図である。
図4図1のA-A線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
建設機械、とりわけ油圧ショベルの様々なアタッチメントの交換を簡便に行うために、油圧ショベルに装着可能なクイックチェンジャ(交換機)1と、アタッチメントに締結可能なアダプタ2とを備える、クイックチェンジシステムの一実施形態例を、図1で部分側面破断図において示している。チルトバケット、グリッパ、クロー、マグネット、コンパクタ、油圧ハンマ、又は他の機械的アタッチメント若しくは油圧式アタッチメントは、そのようなクイックチェンジシステムを使用することで、運転室から簡単かつ便利に、油圧ショベルのアーム又は油圧ショベル若しくは他の建設車両の他のアタッチメントに連結又は連結解除され得る。
【0018】
アタッチメントに締結可能であるが、図2及び図3では切り離して示しているアダプタ2は、2つの平行側壁3を含み、これらの側壁3の間には、前方ピン状連結要素4と、この前方ピン状連結要素4から規定の距離を置いて後方ピン状連結要素5とが、クイックチェンジャ1に解放可能な連結を行うために配置されている。これら2つのピン状連結要素4及び5は、側壁4の対応する開口部6に挿入され、そこに固定され得る。
【0019】
図3の部分断面に図示しているクイックチェンジャ1は、一方側に開口して、前方ピン状連結要素4を一方側に収容して保持する第1のレセプタクル8と、他方側に下向きに開口して、後方ピン状連結要素5を他方側に収容して保持するレセプタクル(収容部)9とを有する、溶接構造体又は鋳造部品として設計された支持体7をさらに含む。
【0020】
図示の実施形態例では、クイックチェンジャ1は、支持体7において一方側で、互いから離隔している前方連結要素4用の2つのレセプタクル8と、他方側にある後方連結要素5用の2つのレセプタクル9とを含む。一方側に開口している第1のレセプタクル8は、クロー状又はフォーク状に設計されている。第2のレセプタクル9は、第2のピン状連結要素6を支持するように、湾曲した下側支持面10の他方側に下向きに開口している。第2のレセプタクル9上に、伸長ロック位置と後退ロック解除位置との間で移動可能な2つのピン状ロック要素11を備える、ロック装置が設けられている。これら2つのピン状ロック要素11は、支持体7内で移動可能に案内され、また、図1に示すアダプタ2又はアタッチメントを解放若しくは連結するための後退ロック解除位置と、伸長ロック位置との間でシリンダによって移動可能である。伸長ロック位置では、下向きに開口している第2のレセプタクル9は、底部の支持体7のガイド孔内に移動可能に配置されたロック要素11によって閉鎖され、その結果、第2のピン状連結要素5は、ピン状ロック要素11によって下方から係合される。
【0021】
支持体7は、その上部に2つの平行側部12を含み、その内部に、クイックチェンジャ1を油圧ショベルのアームに、あるいは油圧ショベルのカップリング又は他の建設車両の連結部に締結するための、締結ピン(図示せず)用の貫通孔13が設けられている。
【0022】
クイックチェンジャ1を用いてアタッチメントを連結するために、通常は油圧ショベルのアーム及び油圧ショベルのカップリングに配置されるクイックチェンジャ1は、アダプタ2又はアタッチメント上に直接配置される前方連結要素4が、クイックチェンジャ1の一方側のクロー状又はフォーク状のレセプタクル8内に引き込まれるように最初に移動する。次いで、クイックチェンジャ1は、ロック要素11が依然として後退している状態で、前方ピン状連結要素4を中心に枢動し、その結果、アダプタ又はアタッチメント上の後方連結要素5は、クイックチェンジャ1の他方側で下向きに開口しているレセプタクル9の支持面10と接触する。その後、クイックチェンジャ1の支持体7のガイド孔内に移動可能に配置されたロック要素11が油圧によって伸長され得、その結果、後方ピン状連結要素5がクイックチェンジャ1上の2つのロック要素11によって下方から係合され、これにより、アタッチメントがクイックチェンジャ1上に固定される。
【0023】
誤動作又は外乱によって引き起こされる、ロック要素11による意図しない弛め動作中に、クイックチェンジャ1に連結されたアタッチメントがクイックチェンジャ1から弛み、次いで本クイックチェンジャの上昇位置で落下するのを防止するために、追加のキャッチ装置14が支持体2上に設けられる。このキャッチ装置14は、アダプタ2又はアタッチメント上に配置された連結要素4を把持し、次いで第1のレセプタクル8と係合すると考えられる。このキャッチ装置14は、連結要素4の係合によって連結位置から意図せずに弛む間に、アタッチメントがキャッチ位置で捕捉されて、本クイックチェンジャに保持されるように設計されている。
【0024】
図示の実施形態では、キャッチ装置14は、クイックチェンジャ1の支持体2上に堅固に配置されてはいないが、ある種のヒンジを介して横軸16を中心に枢動可能な支持体1上に連結されている、2つの独立したセーフティキャッチ15を含む。これら2つのセーフティキャッチ15は、2つの後方レセプタクル8上に配置され、前方連結要素4及びアダプタ2又はアタッチメントを把持し、次いで連結要素4をセーフティキャッチ15上に係合させることにより、クイックチェンジャ1を意図せずに弛める間にアタッチメントをキャッチ位置に捕捉することができるように設計されている。このように枢動可能な配置構成にすることにより、セーフティキャッチ15は、図1に示す係合解除受入位置と[係合]折り畳み位置との間で移動することができる。
【0025】
また、第1の連結要素4によって作動するように設計された制御要素17がセーフティキャッチ15上に設けられていることも、図1から明らかである。このセーフティキャッチ15は、レセプタクル8への係合中に、連結要素4によって制御要素17を介して、図1に示す係合解除受入位置から折り畳み位置へと移動することができる。制御要素17はまた、連結要素4がセーフティキャッチ15内に正しく配置されている場合に変更プロセスを許可する係合解除位置にのみ、このセーフティキャッチ15を確実に移動させることができるようにしている。図示の実施形態では、制御要素17は、このセーフティキャッチ15の折り畳み位置でレセプタクル8の内側輪郭と同一平面上にあり、また、セーフティキャッチ15の係合解除位置でレセプタクル8の内側輪郭に対して内向きに突出する上部制御面を有する、第1のレセプタクル8の方向に突出している突起である。
【0026】
セーフティキャッチ15は、連結要素4を約180°半円形に包囲するように設計されている。これにより、いずれの位置でも、クイックチェンジャ1のとりわけ確実な保持が実現し得る。次いで、レセプタクル8は、セーフティキャッチ15の折り畳み位置で、このセーフティキャッチ15によって後方に完全に包囲される。
【0027】
直前に説明したキャッチ装置14は、意図しないロック解除が発生しても、その間にアタッチメントを確実に固定し、かつ保持することができる追加の安全装置に相当する。このキャッチ装置14はロック装置11から独立しており、かつこれに連結されていない。
【0028】
図1から分かるように、アダプタ2の2つの側壁3は、側壁3において油圧ショベルに面している前端18が、折り畳み位置でセーフティキャッチ15を越えて前方連結要素4の領域に突出し、また、側壁3において油圧ショベルに背向している後端19が、同じく図3に示す保護カバー20の上方にある後方連結要素5の領域に突出するように設計されている。屈曲シートで構成された保護カバー20は、ねじ又は他の締結要素21によって、2つの側壁3の間に配置された横材22に締結されている。側壁3は、それらの後端19の底部にバックセットの傾斜段部23を有する。これにより、溶接状態を向上させることができる。
【0029】
図2から明らかなように、側部3の前端18は、前端18から前方連結要素4の中心までの距離Aと前方連結要素4の直径Dとの比A/Dが少なくとも1.25となるように、前方連結要素4に対して突出している。このため、側部3の前端18は、折り畳み位置でセーフティキャッチ15に対して突出し、したがってこのセーフティキャッチ15は、コンクリートスラブ、がれき、玉石又は他の荷重による損傷から保護されている。
【0030】
図4の断面図に示している横材22は、側壁3の端部突起24及び対応凹部25によって、形状嵌合式に(互いの形状が一致して嵌合するように)配置されている。これにより、ピン状連結要素5の溶接部にかかる応力を回避し、側部3の平行性が確保され得る。図3から分かるように、保護カバー20には、互いに隣接配置された2つの凹部26が設けられている。アダプタ2が2つの凹部26を介して連結されている場合でも、2つのロック要素11の目視確認が可能となるため、油圧ショベルの運転室からでも、正しいロック状態を視覚的に確認することができる。2つの側壁3の間にある前端18の領域に、カバー27がさらに設けられている。このカバー27は、2つの側壁3の内側にある2つのホルダ28にねじ込まれている。
【0031】
アダプタ2の側壁3の外側には、銘板、商標標章、又は安全マークなどの形態の識別標識を収容する凹部29が設けられている。当該マークは、この凹部29内で損傷から保護される。側壁3の内側にも凹部30が設けられている。電子部品、例えばRFID課金システム、ツールトラッカ、NFCチップ、電子送信機及び電子受信機、並びにデータキャリアなども同様に、この凹部30又は類似の凹部に内蔵され得る。運搬中にアダプタ2の側壁3が地面と接触しても、あらゆる安全指示に必要な凹部内の標識及び窪み29又は凹部30は、保護されたままとなる。側壁3の上部領域内に、同一平面通路31がさらに配置されている。運搬又は運搬時の安全のための安全ベルト、安全チェーン又は他の安全要素は、これらの通路31を通って案内され得る。連結要素4用通路6と側部3内の前端18との間に、追加の開口部32が設けられている。側壁3の前端18に作用する衝撃は、この開口部32によって緩衝させることができ、またバリや尖鋭部の形成をも回避することができる。これにより、切断傷害が生じる危険性を最小限に抑えることができる。ピン状連結要素の前部に凹部32[29]が配置されている。
【0032】
図3から分かるように、ピン状又はスリーブ状連結要素35用の貫通開口部を備えるマウント33[34]が、アダプタ2のピン状連結要素に締結されている。クイックチェンジャ1上の対応するカウンタ要素との連結は、クイックチェンジャ1の連結中に、これらの連結要素34[35]を介して行うことができる。
【符号の説明】
【0033】
1 クイックチェンジャ
2 アダプタ
3 側壁
4 第1の連結要素
5 第2の連結要素
6 通路
7 支持体
8 第1のレセプタクル
9 第2のレセプタクル
10 支持面
11 ロック要素
12 側部
13 開口部
14 キャッチ装置
15 セーフティキャッチ
16 横軸
17 制御要素
18 前端
19 後端
20 保護カバー
21 締結要素
22 横材
23 傾斜段部
24 突起
25 凹部
26 凹部
27 カバー
28 ホルダ
29 窪み
30 凹部
31 通路
32 開口部
33 窪み
34 マウント
35 連結要素
図1
図2
図3
図4