(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】光コム発生装置
(51)【国際特許分類】
G02F 1/01 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
G02F1/01 B
(21)【出願番号】P 2021101171
(22)【出願日】2021-06-17
(62)【分割の表示】P 2018220778の分割
【原出願日】2018-11-26
【審査請求日】2021-08-16
(73)【特許権者】
【識別番号】503249810
【氏名又は名称】株式会社XTIA
(74)【代理人】
【識別番号】100067736
【氏名又は名称】小池 晃
(74)【代理人】
【識別番号】100192212
【氏名又は名称】河野 貴明
(74)【代理人】
【識別番号】100200001
【氏名又は名称】北原 明彦
(72)【発明者】
【氏名】興梠 元伸
(72)【発明者】
【氏名】今井 一宏
(72)【発明者】
【氏名】マーク ヤブロンスキー
【審査官】坂上 大貴
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-523002(JP,A)
【文献】特開2006-337833(JP,A)
【文献】特開2010-014549(JP,A)
【文献】特開2010-261911(JP,A)
【文献】特開平11-317567(JP,A)
【文献】特開平05-108828(JP,A)
【文献】特開2014-106498(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0087716(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第104536232(CN,A)
【文献】特表2012-519879(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0380892(US,A1)
【文献】IGARASHI, Koji et al.,Generation of 10-GHz 2-ps optical pulse train over the C band based on an optical comb generator and its application to 160-Gbit/s OTDM systems,European Conference on Optical Communication,米国,IEEE,2008年,Tu.3.D.1,pp.1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/00-1/125
1/21-7/00
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つのレーザー光源から出射されるレーザー光が複数に分離されて各光共振器に入射される複数の光コム発生器を備える光コム発生装置であって、
単一周波数成分を含む光源であって、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調が外部から与えられるディザ信号によってレーザー周波数に加えられたレーザー光を出射するレーザー光源と、
上記レーザー光源からレーザー光が分岐されて入射され、それぞれ共振長が制御される各光共振器により共振されたレーザー光の位相を、互いに変調周波数が異なる変調信号に応じて変調し、入射されたレーザー光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の互いに異なる変調周波数の間隔で生成する複数の光コム発生器と、
上記レーザー光源に与えるディザ信号を出力する
とともに上記ディザ信号を上記複数の光コム発生器に与える同期信号として出力する同期信号源と
を備え、
上記複数の
光コム発生器は、それぞれ上記光コム発生器から出射される透過光又は反射光の一部を検出した光検出信号と上記同期信号により、上記レーザー光源から入射される光のレーザー周波数と上記光共振器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を生成して、上記光共振器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる制御を行う
ことを特徴とする光コム発生装置。
【請求項2】
上記複数の光コム発生器は、それぞれ上記光検出信号と上記同期信号のミキシングを行うことにより、上記誤差信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の光コム発生装置。
【請求項3】
上記複数の光コム発生器は、それぞれ上記光検出信号と上記同期信号により、デジタル信号処理の積和演算で誤差信号を得ることを特徴とする請求項1に記載の光コム発生装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光通信、光CT、光周波数標準器など多波長でコヒーレンス性の高い標準光源、又は、各波長間のコヒーレンス性も利用できる光源を必要とする分野に適用される光コム発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の光エレクトロニクスの発展に伴い、周波数多重通信のためのレーザー光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定の要請に応えるべく、光導波路に閉じ込めた光を共振させる導波路型光共振器が多用されるようになっている。
【0003】
光周波数を高精度に測定する場合には、測定する光を他の光と干渉させ、発生する光ビート周波数の電気信号を検出するヘテロダイン検波を行う。このヘテロダイン検波において測定可能な光の帯域は、検波系に使用される受光素子の帯域に制限され、概ね数十GHz程度である。
【0004】
一方、周波数多重通信のための光制御や、広範囲に分布する吸収線の周波数測定を行うため、光の測定可能帯域を更に拡大する必要がある。
【0005】
かかる測定可能帯域の拡大化の要請に応えるべく、従来において光コム発生器を用いた広帯域なヘテロダイン検波系が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この光コム発生器は、周波数軸上で等間隔に配置された櫛状のサイドバンドを広帯域にわたり発生させるものであり、このサイドバンドの周波数安定度は、入射光の周波数安定度とほぼ同等である。この生成したサイドバンドと被測定光をヘテロダイン検波することにより、数THzに亘る広帯域なヘテロダイン検波系を構築することが可能となる。
【0006】
また、光導波路を往路方向へ伝搬する光のみならず、復路方向へ伝搬する光についても位相変調を施すようにした光コム発生器並びに光変調器が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0007】
さらに、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることにより、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めた光共振器、光変調器、光コム発生器、光発振器を提案している(例えば、特許文献3参照)。
【0008】
すなわち、光導波路を上面から形成させるための基板と同じ硬さを持つ部材を、少なくともその一の端面が上記光導波路における光入射端又は光出射端を含む上記基板の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路の上部に配設し、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成された上記平面上に共振手段を構成する入射側反射膜並びに出射側反射膜を被着させるので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めることが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特開2003-202609号公報
【文献】特許第3891977号公報
【文献】特許第4781648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、光コム発生器では、光コムを計測に利用する場合に、安定した出力を得るために、光共振器から出射された光の一部を光検出器により検出して、所定の共振長となるように上記光共振器の共振長を帰還制御する必要がある。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上述の如き従来の実情に鑑み、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調がディザ信号によってレーザー周波数に加えられたレーザー光を光コム発生器に入力して、ディザ信号を用いて共振器長制御を安定化することができるようにすることにある。
【0012】
さらに、本発明の他の目的は、光コム発生器としての安定化、光コムを含む計測装置の精度向上、誤差の低減などを図ることができるようにすることにある。
【0013】
本発明の他の目的、本発明によって得られる具体的な利点は、以下に説明される実施の形態の説明から一層明らかにされる。
【課題を解決するための手段】
【0019】
本発明は、光コム発生装置であって、単一周波数成分を含む光源であって、外部から与えられるディザ信号によって発振周波数に変調が加えられているレーザー光源と、上記レーザー光源からレーザー光が分岐されて入射される共振長がそれぞれ制御される光共振器により共振された光の位相を、互いに変調周波数が異なる変調信号に応じて変調し、入射された光の周波数を中心としたサイドバンドを上記変調信号の互いに異なる変調周波数の間隔で生成する2つの光コム発生器と、上記レーザー光源に与えるディザ信号を出力するとともに上記ディザ信号を上記複数の光コム発生器に与える同期信号として出力する同期信号源とを備え、上記複数の光コム発生器は、それぞれ上記光コム発生器から出射される透過光又は反射光の一部を検出した光検出信号と上記同期信号により、上記レーザー光源から入射される光のレーザー周波数と上記光共振器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を生成して、上記光共振器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる制御を行うことを特徴とする。
本発明に係る光コム発生装置において、上記複数の光コム発生器は、それぞれ上記光検出信号と上記同期信号のミキシングを行うことにより、上記誤差信号を生成するものとすることができる。
また、本発明に係る光コム発生装置において、上記複数の光コム発生器は、それぞれ上記光検出信号と上記同期信号により、デジタル信号処理の積和演算で誤差信号を得るものとすることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明では、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調がディザ信号によってレーザー周波数に加えられたレーザー光を複数の光コム発生器に入力することにより、 上記複数の光コム発生器において、それぞれ上記ディザ信号を用いて共振器制御を安定化して、光共振器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させることができ、複数の光コムを用いた距離計測や形状計測における計測誤差を除去して計測精度の向上、システム全体の信頼性向上等を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図3】上記光変調器の作製方法につき説明するための各工程における要部縦断図である。
【
図4】光変調器の端面反射率を計測するために作製した3本の光導波路を設けた基板の斜視図である。
【
図7】往復変調型の光変調器の構成を示す図である。
【
図8】光コム発生器における、サイドバンドの各周波数(波長)における強度分布を示す図である。
【
図11】上記光コム発生器における入射側反射膜が形成される平面を示す正面図である。
【
図12】リッジ構造を有する電極を有する光変調器(光コム発生器)の構成を示す斜視図である。
【
図13】上記光変調器(光コム発生器)の作製方法につき説明するための各工程における要部縦断図である。
【
図14】上記光変調器(光コム発生器)のリッジ構造を有する電極を形成する基板を示す斜視図である。
【
図15】上記光変調器(光コム発生器)のリッジ構造を有する電極を示す要部縦断正面図である。
【
図16】光変調器について、電極のリッジ構造の有無による25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)の変化を実測した結果につき説明するための図である。
【
図17】光変調器について、電極のリッジ構造の有無による直流駆動電圧(DC Vpi)の変化を実測した結果につき説明するための図である。
【
図18】本発明を適用した光コムモジュールを利用した光コム発生器の構成例を示すブロック図である。
【
図19】本発明を適用した光コムモジュールを利用した光コム発生器の他の構成例を示すブロック図である。
【
図20】本発明を適用した光コムモジュールを用いて構築した光コム発生装置の構成例を示すブロック図である。
【
図21】単一の偏光成分のみ通す光導波路を用いた光コム発生器において、光共振器の共振長を帰還制御する場合に得られる変形のない透過モード波形を示す特性図である。
【
図22】直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路を用いた従来の光コム発生器において、光共振器の共振長を帰還制御する場合に発生する直交偏光成分による透過モード波形の変形を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、共通の構成要素については、共通の指示符号を図中に付して説明する。また、本発明は以下の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0023】
図1は、光変調器8の構成を示す斜視図であり、
図2は、上記光変調器8の側面図である。
【0024】
この導波路型光変調器8は、基板11と、基板11上に形成されてなり伝搬する光の単一の偏波成分の位相を変調する光導波路12と、この基板11において光導波路12を被覆するように積層されるバッファ層14と、変調電界の方向が光の伝搬方向に対して略垂直になるように光導波路12の上面に設けられた電極83と、光導波路12を介して互いに対向するように設けられた第1の端面84並びに第2の端面85と、第1の端面84と同一の平面を形成するように光導波路12の上部に配設される第1の保護材86と、第2の端面85と同一の平面を形成するように光導波路12の上部に配設される第2の保護材87と、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される入射側反射防止膜63と、第2の端面85並びに第2の保護材87の端面87aとの間で形成される平面92上に被着される出射側反射防止膜64と、電極83の一端側に配設され周波数fmの変調信号を発振する発振器16と、電極83の他端側に配設される終端抵抗18とを備えている。
【0025】
基板11は、例えば引き上げ法により育成された3~4インチ径のLiNbO3やGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板11上には、機械研磨や化学研磨等の処理を施されることにより、電極83を形成するための凸条部20が設けられる。
【0026】
光導波路12は、入射側反射防止膜63から出射側反射防止膜64にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成されている。
【0027】
入射側反射防止膜63を介して光導波路12に入射した光は、単一の偏波成分のみが導波路12の境界面で全反射しながら伝搬する。
【0028】
ここで、単一の偏光成分のみ通す光導波路12は、特定の偏光成分にのみ屈折率の変化をもたらす光導波路形成法、例えば、プロトン交換法により、電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ屈折率が高い領域として形成することができる。
【0029】
この光導波路12は、例えば、LiNbO3等からなる基板11に、プロトン交換法により単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成することができる。
【0030】
また、光導波路12は、基板11中においてTi原子を拡散させることにより、或いは基板11上へのエピタキシャル成長させることにより作製する際に、屈折率分布を工夫することにより導波モードを単一偏光に限定した領域として形成することができる。この光導波路12には、例えばLiNbO3結晶光導波路を用いることができ、LiNbO3等からなる基板11表面にTiを拡散させることにより形成することができる。このTiが拡散された領域については他の領域よりも屈折率が高くなり、単一の偏波成分の光を閉じ込めることができるため、単一の偏波成分の光を伝搬させることができる光導波路12を形成することができる。直交する両方の偏波成分に対して屈折率は高くなるが、単一の偏波成分に対してのみ導波モードが成立する条件もある。
【0031】
このような方法に基づいて作製したLiNbO3結晶型の光導波路12は、屈折率が電界に比例して変化するポッケルス効果や、屈折率が電界の自乗に比例して変化するカー効果等の電気光学効果を有するため、かかる物理現象を利用して単一の偏波成分の光の変調を行うことができる。
【0032】
バッファ層14は、光導波路12における単一の偏波成分の光の伝搬損失を抑えるべくこれを被覆するものである。ちなみに、このバッファ層14の膜厚をあまりに厚くし過ぎると、電界強度が下がり、変調効率が低下するため、単一の偏波成分の光の伝搬損失が大きくならない範囲においてなるべく膜厚を薄く設定するようにしてもよい。
【0033】
電極83は、例えばTiやPt、Au等の金属材料からなり、発振器16から供給された周波数fm の変調信号を光導波路12に駆動入力することにより、光導波路12内を伝搬する光に位相変調をかける。
【0034】
第1の保護材86並びに第2の保護材87は、それぞれ基板11の材質に対応する部材から構成される。第1の保護材86並びに第2の保護材87は、基板11と同一の材質から構成してもよい。また上記平面91を形成する第1の保護材86の端面86aと第1の端面84とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよく、同様に上記平面92を形成する第2の保護材87の端面87aと第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工されていてもよい。
【0035】
入射側反射防止膜63は、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される。出射側反射防止膜64は、第2の端面85並びに第2の保護材87の端面87aとの間で形成される平面91上に被着される。これらの反射防止膜63,64は、低反射膜により構成されていてもよいし、無コートで構成することにより、低反射膜を被着したのと同等の効果が得られるようにしてもよい。
【0036】
終端抵抗18は、電極83の終端に取り付けられる抵抗器であり、終端における電気信号の反射を防止することにより、その波形の乱れを防ぐ。
【0037】
次に、光変調器8の作製方法につき
図3を用いて説明をする。
【0038】
先ずステップS11において、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にフォトレジストのパターン13を作製する。
【0039】
次にステップS12へ移行し、表面にフォトレジストのパターン13が作製されたLiNbO3結晶の基板11をプロトン交換液例えば安息香酸に浸漬した状態で加熱して、基板11の表面層部分のLiをH+に置換させるプロトン交換法によって、単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として光導波路12を形成する。
【0040】
なお、このステップS11、12の光導波路12の作製工程においては、プロトン交換法に限定されるものではなく、例えば、ステップS11において、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にフォトレジストのパターン13を作製し、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にTiを蒸着させ、このフォトレジストを除去することにより、ミクロンサイズの幅で構成されるTiの細線を作製して、次のステップS12において、このTiの細線が形成された基板11を加熱することにより、Ti原子を基板11中に熱拡散させて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として光導波路12を形成するTi拡散法にこれを代替してもよい。
【0041】
次にステップS13へ移行し、レジストパターン13を除去して基板11表面にバッファ層14としてのSiO2薄膜を蒸着させる。このステップS13では、SiO2ウェハを基板11表面に貼り付ける方法によりバッファ層14を形成させるようにしてもよい。かかる場合には、次のステップS14における電極の取り付け領域を考慮して、この蒸着させたバッファ層14を研磨することにより適当な膜厚に制御するようにしてもよい。
【0042】
次にステップS14へ移行し、バッファ層14上に電極83を形成させる。
【0043】
次にステップS15へ移行し、光導波路12の上部において保護材86,87を接着する。この保護材86,87の接着方法については、接着剤で貼り付けるようにしてもよいし、他の手法に基づいて直接的に接合するようにしてもよい。この保護材86,87は、基板11をLiNbO3結晶で構成した場合には、同一材質としてのLiNbO3により構成してもよい。このステップS15においては、貼り付けた保護材86,87につき、それぞれ端面86a,87aが第1の端面84,第2の端面85との間で、それぞれ平面91,92を形成することができるように、切り揃える。
【0044】
最後にステップS16へ移行し、この得られた平面91,92を研磨する。そしてこの研磨された平面91,92上に入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64をそれぞれ一面に亘って形成させる。ちなみに、このステップS16においては、平面91,92上に入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64を最初に形成させ、次にこれを研磨するようにしてもよい。
【0045】
このように、光変調器8では、各端部において保護材86,87を貼り付けて構成するため、従来において、端面最上部の角に位置していた光導波路12の端面が平面91(92)の略中央部に移動する。その結果、ステップS16における研磨時において平面91(92)の角が欠けた場合においても、光導波路12の端面が欠けることがなくなる。即ち、光導波路12の端面そのものが欠けにくくなる構成とすることが可能となる。これにより、光導波路12の各端面からの光損失を極力抑えることが可能となる。
【0046】
また、保護材86,87の材質を基板11の材質に対応する最適な材質で構成することにより、ステップS16における研磨速度を基板11における第1の端面84,第2の端面85から端面86a,87aにかけて均一にすることができる。これにより、光導波路12の端面が加工時に丸くなることがなくなり、平坦な研磨面からなる平面91,92を得ることができ、光導波路12の端面における反射損失を最小限に抑えることが可能となる。また、各平面91,92を構成する端面の結晶方位を同一にすることにより、反射損失を更に抑え込むことも可能となる。
【0047】
さらに、この保護材86,87をあえて設けることにより、ステップS16における研磨の精度が向上し、得られる平面91(92)の光導波路12に対する垂直性も向上する。その結果、かかる垂直性の逸脱による光損失も最小限に抑えることが可能となる。
【0048】
また、入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64は、基板11における第1の端面84,第2の端面85から端面86a,87aにかけて広範囲に亘って形成されているため、非常に安定であり、剥がれにくく、さらに成膜の再現性をも向上させることが可能となる。
【0049】
実際に、保護材86,87を設けたことによる効果を実験的に検証すべく、保護材86,87を貼り付けた後の平面91(92)の研磨を行ったところ、光導波路12の端面部分における欠けや曲がりは一切発生せず、入射側反射防止膜63,出射反射防止膜64の被着に適した、平坦な光学研磨が施されていることを確認することができる。
【0050】
特に第1の保護材86並びに第2の保護材87を、基板11と同一の材質から構成し、また平面91,92を形成する保護材86,87の端面86a,87aと第1の端面84,第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工することにより、結晶の硬度が両者間で同一となるため、研磨速度の違いにより平面91,92が傾くこともなくなる。
【0051】
このような構成の光変調器8では、入射側反射防止膜63を介して入射され光導波路12を伝搬される単一の偏波成分のみ光が、発振器16から供給された周波数fm の変調信号により位相変調されて、出射側反射防止膜64を介して出射される。しかも、光変調器8では、各端部において保護材86,87を貼り付けることにより、光導波路12の端面を平面91(92)の略中央部に移動させることができるため、光導波路12の端面の欠けや丸まり、光導波路12と平面91,92間の垂直性の確保、平面91,92における研磨精度の向上が可能となり、歩留まりを向上させることも可能となる。
【0052】
ここで、入射された光の単一の偏波成分のみが伝搬されるプロトン交換法により作製された単一偏光型光導波路と、入射された光の直交する偏波成分のみ両方が伝搬されるTi拡散法により作製された直交偏光型光導波路について、
図4、
図5、
図6に示すように、幅W1=1.9[mm]、長さL1=27.4[mm]、厚みT1=0.5[mm]のLiNbO
3結晶基板11に3本の光導波路12A,12B、12Cを形成し、光導波路12A,12B、12Cの上部に幅W2=1.9[mm]、長さL2=1.5[mm]、厚みT2=0.5[mm]の保護材86,87を接着して、保護材86,87の端面とLiNbO
3結晶基板11の端面を研磨することにより、3本の光導波路12A,12B、12Cの入射面と出射面を平面に仕上げたLiNbO
3結晶基板ブロックとして、それぞれ3本の光導波路12A,12B、12Cの光路幅W3が6.0[μm]、6.3[μm]、6.6[μm]、6.9[μm]、7.2[μm]、7.5[μm]の6種類のサンプルを10個作製して、3本の光導波路12A,12B、12Cの入射面A1、B1、C1と出射面A2、B2、C2における反射率を測定し、各サンプルのフィネスと透過率を求めたところ、次のような結果が得られた。
【0053】
すなわち、直交偏光型光導波路のフィネスは、30~45程度であったのに対し、単一偏光型光導波路では、50~65程度のフィネスが得られる。また、直交偏光型光導波路の透過率は、12.5~25[%]程度であったのに対し、単一偏光型光導波路では、20~32.5[%]程度の透過率が得られている。
【0054】
次に、
図7に示すような往復変調型の光変調器51について説明する。この光変調器51において上述した光変調器8と同一の構成、要素については、
図1,2における説明を引用し、ここでの説明を省略する。
【0055】
光変調器51は、
図7の(a)に示すように、基板11と、基板11上に単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成されてなり伝搬する光の位相を変調する光導波路12と、この基板11において光導波路12を被覆するように積層されるバッファ層14と、変調電界の方向が光の伝搬方向に対して略垂直になるように光導波路12の上面に設けられた電極83と、光導波路12の上部に配設される第1の保護材86並びに第2の保護材87と、平面91上に被着される反射防止膜63と、平面92上に被着される出射側反射膜94とを備えている。
【0056】
また、この光変調器51を実際に使用する場合には、更に
図7の(b)に示すように、図示しない光源からの入力光を伝送し或いは光変調器51から出力される出力光を外部へ伝送するための光ファイバ等で構成される光伝送路23と、上記入力光並びに出力光を分離するための光サーキュレータ21と、この光サーキュレータ21に光接続されるフォーカサー22からなる光学系が実装され、電極83の一端側に配設され周波数fm の変調信号を発振する発振器16と、電極83の他端側に配設される終端抵抗18とがさらに配設される。
【0057】
反射防止膜63は、第1の端面84並びに第1の保護材86の端面86aとの間で形成される平面91上に被着される。この反射防止膜63は、低反射膜により構成されていてもよいし、無コートで構成することにより、低反射膜を被着したのと同等の効果が得られるようにしてもよい。
【0058】
フォーカサー22は、光サーキュレータ21を通過した入力光を光導波路12の端部へ集束させるとともに、光導波路12の端部から反射防止膜63を透過した出力光を集光してこれを光サーキュレータ21へ送る。このフォーカサー22は、光導波路12の径に応じたスポット径となるように入力光を光結合させるためのレンズ等で構成してもよい。
【0059】
このような構成からなる光変調器51は、単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12の一の端部につき高反射膜としての出射側反射膜94を設け、他の端部につき反射防止膜63を設けることにより、いわゆる往復変調型の光変調器として動作する。光導波路12に入射された入力光は、単一の偏波成分のみが光導波路12を伝搬しながら変調され、端面の出射側反射膜94により反射された後、再び光導波路12を伝搬して反射防止膜63を透過してフォーカサー22側に出射され単一の偏波成分のみの出力光となる。同時に、発振器16から供給される周波数fm の電気信号は、入力光を変調しつつ電極83上を伝搬した後、終端抵抗18により吸収されることになる。
【0060】
また、この光変調器51は、
図7の(c)に示すように、発振器25並びに終端抵抗27を電極83の一端側に設け、発振器25から供給される電気信号を電極83上において伝搬させた上で、これを電極83の他端側で反射させるようにしてもよい。このとき、発振器25から供給される電気信号と、電極83の他端側で反射された電気信号を分けるためのアイソレータ26を設けるようにしてもよい。また、この光変調器51では、反射率の高い入射側反射膜93を被着させる。これにより光導波路12内部において光を共振させることができる。また、この入射側反射膜93の代替として、上述した低反射率の反射防止膜63を被着させるようにしてもよい。これにより、光を光導波路12内において一度だけ往復させつつ、位相変調を施すことも可能となる。
【0061】
この光変調器51では、出射側反射膜94により反射される光の位相に合わせて電気信号の反射位相を調整することにより、電極83を往復する電気信号それぞれにより光の位相を変調させることができるため、変調効率を増大させることができる。特に、保護材86,87を貼り付けることにより、上述の如く膜63,94の剥がれや欠け等を抑え、フィネスをより向上させた光変調器51では、光変調効率をさらに増大させることが可能となる。
【0062】
また、これら光変調器51を光コム発生器に適用した場合において、電極を往復する電気信号により、光導波路12内で共振する光につき往復変調を施すことが可能となる。かかる場合において、発生させたサイドバンドの各周波数(波長)における強度分布は、
図8に示すように、電極83へ印加する電気信号の変調周波数を25GHzとし、そのパワーを0.5Wとした場合において、光導波路12内に加わる変調の大きさとして表される変調指数は、伝搬方向あたりπラジアンである。この結果より、位相を半波長動かすために必要な電圧として定義される半波長電圧Vπは、7.1Vであることが分かる。
【0063】
なお、この光変調器51は、電気信号を反射させる代わりに、信号源としての発振器16の出力を分割することにより、電極83の両端から電気信号を別々に駆動入力するようにしてもよいし、電極83の両端にそれぞれ別の発振器16を接続することにより、これを実行するようにしてもよい。
【0064】
ここで、光変調器8,51において、変調信号が供給される光導波路12の上面に設けられた電極83は、リッジ構造を有するものとすることによって、光変調効率をさらに向上させることができる。
【0065】
ここで、このようにして作成される上記光変調器8,51は、
図9、
図10に示すように、上記ステップS16において、平面91,92を互いに平行に研磨し、この研磨された平面91,92上に、上記入射側反射防止膜63と出射側反射防止膜64に替えて、入射側反射膜93と出射側反射膜94を、それぞれ一面に亘って形成させることにより、光コム発生器1として機能する。
【0066】
すなわち、光コム発生器1において、入射側反射膜93及び出射側反射膜94は、光導波路12に入射した光を共振させるために互いに平行となるように設けられたものであり、光導波路12を通過する光を往復反射させることにより共振させる光共振器5を構成する。
【0067】
入射側反射膜93は、図示しない光源から周波数ν1の光が入射される。また、この入射側反射膜93は、出射側反射膜94により反射されて、かつ光導波路12を通過した単一の偏波成分の光を反射する。出射側反射膜94は、光導波路12を通過した単一の偏波成分の光を反射する。またこの出射側反射膜94は、光導波路12を通過した単一の偏波成分の光を一定の割合で外部に出射する。
【0068】
なお、これら入射側反射膜93及び/又は出射側反射膜94は、それぞれ平面91,92一面に亘って形成されていてもよいが、光導波路12の端部のみを最低限被覆するように形成されていればよい。
【0069】
終端抵抗18は、電極83の終端に取り付けられる抵抗器であり、終端における電気信号の反射を防止することにより、その波形の乱れを防ぐ。
【0070】
図11は、入射側反射膜93が形成される平面91上を
図2中A方向から示している。
【0071】
光導波路12の光入射端を含む第1の端面84と保護材86の端面86aとにより、同一の平面91が形成されている。この形成される平面91は、傾き0.05°以下である。この傾き0.05°の平面91に対して、1/e2ビーム径10μmの光が傾き0.05°の端面で反射される場合における損失を計算すると、4×10-4であり、入射側反射膜93の反射率と比較して無視できるほど小さい。
【0072】
このように第1の端面84並びに第2の端面85を光導波路12に対して略垂直に形成させることにより、これに被着される入射側反射膜93並びに出射側反射膜94により単一の偏波成分の光を効率よく共振させることができる。
【0073】
上述の如き構成からなる光コム発生器1において、入射側反射膜93を介して外部から入射された光は、単一の偏波成分の光が光導波路12内を往路方向へ伝搬し出射側反射膜94により反射されるとともに一部外部へ透過する。この出射側反射膜94を反射した単一の偏波成分の光は光導波路12内を復路方向へ伝搬して入射側反射膜93により反射される。これが繰り返されることにより、単一の偏波成分の光で光導波路12内を共振することになる。
【0074】
また、単一の偏波成分の光が光導波路12内を往復する時間に同期した電気信号を電極83を介して駆動入力とすることにより、単一の偏波成分の光がこの光変調器8内を1回だけ通過する場合と比較して、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。また入射される光の周波数ν1 を中心として、数百本ものサイドバンドを広帯域にわたり生成することができる。ちなみに、この生成される各サイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fm と同等である。したがって、光変調器8は、入射側反射防止膜63及び出射側反射防止膜64を入射側反射膜93及び出射側反射膜94に置き換えることにより、多数のサイドバンドにより構成される単一の偏波成分の光コムを発生する光コム発生器1として機能する。
【0075】
光コム発生器1は、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12を備えているので、入射側反射膜93を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12を伝搬されて、出射側反射膜94を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として光コムを発生することができる。
【0076】
上述の如く、光変調器8,51では、各端部において保護材86,87を貼り付けて構成するため、従来において、端面最上部の角に位置していた光導波路12の端面が平面91(92)の略中央部に移動する結果、ステップS17における研磨時において平面91(92)の角が欠けた場合においても、光導波路12の端面が欠けることがなくなる。即ち、光導波路12の端面そのものが欠けにくくなる構成とすることが可能となる。これにより、光導波路12の各端面からの光損失を極力抑えることが可能となっている。しかも、この保護材86,87を設けることにより、被着すべき入射側反射膜93並びに出射側反射膜94が平面91,92から他の側面に回り込むことによる膜厚の変化を抑えることができる。このため、反射率を確保する上で重要となる光導波路12の端面付近の膜厚を最適化することができ、反射率をより向上させることができる。
【0077】
また、入射側反射膜93、出射側反射膜94は、基板11における第1の端面84,第2の端面85から端面86a,87aにかけて広範囲に亘って形成されているため、非常に安定であり、剥がれにくく、さらに成膜の再現性をも向上させることが可能となる。
【0078】
実際に、保護材86,87を設けたことによる効果を実験的に検証すべく、保護材86,87を貼り付けた後の平面91(92)の研磨を行ったところ、光導波路12の端面部分における欠けや曲がりは一切発生せず、入射側反射膜93,出射側反射膜94の被着に適した、平坦な光学研磨が施されていることを確認することができる。
【0079】
特に第1の保護材86並びに第2の保護材87を、基板11と同一の材質から構成し、また平面91,92を形成する保護材86,87の端面86a,87aと第1の端面84,第2の端面85とが、互いに同一の結晶方位を有するように加工することにより、結晶の硬度が両者間で同一となるため、研磨速度の違いにより平面91,92が傾くこともなくなる。
【0080】
このように、光変調器8、光コム発生器1では、各端部において保護材86,87を貼り付けることにより、
図11に示すように光導波路12の端面を平面91(92)の略中央部に移動させることができるため、光導波路12の端面の欠けや丸まり、光導波路12と平面91,92間の垂直性の確保、平面91,92における研磨精度の向上、入射側反射膜93及び出射側反射膜94の剥がれや回り込みの抑制、入射側反射膜93及び出射側反射膜94における反射率の向上、設計した反射特性の実現、反射膜の性能再現性向上が可能となる。その結果、入射側反射膜93及び出射側反射膜94より構成される光共振器5のフィネスを向上させることができ、性能のよい光変調器、光コム発生器を再現性よく作製することが可能となり、歩留まりを向上させることも可能となる。
【0081】
また、
図12に示すような構成の導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)について説明する。
【0082】
この導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)は、
図1,2(
図9,10)に示した導波路型光変調器8(光コム発生器1A)における電極83をリッジ構造を有するものにしたものであって、上述した光変調器8(光コム発生器1)と同一の構成、要素については、
図1,2(
図9,10)における説明を引用し、ここでの説明を省略する。
【0083】
この導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)において、基板11は、例えば引き上げ法により育成された3~4インチ径のLiNbO3 やGaAs等の大型結晶をウェハ状に切り出したものである。この切り出した基板11上には、機械研磨や化学研磨等の処理を施されることにより、リッジ構造を有する電極83Aを形成するための凸条部20が設けられる。
【0084】
光導波路12は、プロトン交換法やTi拡散法により、入射端から出射端にかけて貫通するように形成され、単一の偏波成分の光を伝搬させるべく単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成として形成されている。
【0085】
この光導波路12を構成する層の屈折率は、基板11等の他層よりも単一の偏波成分に対してのみ屈折率が高く設定されている。光導波路12に入射した光は、単一の偏波成分のみが光導波路12の境界面で全反射しながら伝搬する。
【0086】
このような方法に基づいて作製したLiNbO3結晶型の光導波路12は、屈折率が電界に比例して変化するポッケルス効果や、屈折率が電界の自乗に比例して変化するカー効果等の電気光学効果を有するため、かかる物理現象を利用して単一の偏波成分の光の変調を行うことができる。
【0087】
リッジ構造を有する電極83Aは、凸条部20上に形成された主電極を有し、例えばTiやPt、Au等の金属材料からなる。凸条部20上に主電極が形成されたリッジ構造を有する電極83Aは、発振器16から供給された周波数fm の変調信号を光導波路12に駆動入力とすることにより、光導波路12内を伝搬する光に位相変調をかける。
【0088】
このような構造の導波路型光変調器8A(光コム発生器1A)の作製方法について、
図13を用いて説明をする。
【0089】
すなわち、先ずステップS21において、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にフォトレジストのパターン13を作製する。
【0090】
次にステップS22へ移行し、表面にフォトレジストのパターン13が作製されたLiNbO3結晶の基板11をプロトン交換液例えば安息香酸に浸漬した状態で加熱して、基板11の表面層部分のLiをH+に置換させるプロトン交換法によって、単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として光導波路12を形成する。
【0091】
なお、このステップS21、22の光導波路12の作製工程においては、プロトン交換法に限定されるものではなく、例えば、ステップS21において、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にフォトレジストのパターン13を作製し、LiNbO3結晶からなる基板11の表面にTiを蒸着させ、このフォトレジストを除去することにより、ミクロンサイズの幅で構成されるTiの細線を作製して、次のステップS22において、このTiの細線が形成された基板11を加熱することにより、Ti原子を基板11中に熱拡散させて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として光導波路12を形成するTi拡散法にこれを代替してもよい。
【0092】
次にステップS23へ移行し、光導波路12が形成された基板11のレジストパターン13を除去し、さらに、機械研磨や化学研磨等の処理により、
図14に示すように、リッジ構造を有する電極83Aを形成するための凸条部20が設けられる。
【0093】
次にステップS24へ移行し、バッファ層14としてのSiO2薄膜を基板11表面に蒸着させる。このステップS24では、SiO2ウェハを基板11表面に貼り付ける方法によりバッファ層14を形成させるようにしてもよい。かかる場合には、後述するステップS25における電極の取り付け領域を考慮して、この蒸着させたバッファ層14を研磨することにより適当な膜厚に制御するようにしてもよい。
【0094】
次にステップS25へ移行し、
図15の要部縦断面に示すように、基板11のバッファ層14上にリッジ構造を有する電極83Aを形成させる。
【0095】
次にステップS26へ移行し、光導波路12の上部において保護材86,87を接着する。この保護材86,87の接着方法については、接着剤で貼り付けるようにしてもよいし、他の手法に基づいて直接的に接合するようにしてもよい。この保護材86,87は、基板11をLiNbO3結晶で構成した場合には、同一材質としてのLiNbO3により構成してもよい。このステップS26においては、貼り付けた保護材86,87につき、それぞれ端面86a,87aが第1の端面84,第2の端面85との間で、それぞれ平面91,92を形成することができるように、切り揃える。
【0096】
光変調器8Aでは、最後のステップS27において、この得られた平面91,92を研磨して、この研磨された平面91,92上に入射側反射防止膜63、出射側反射防止膜64をそれぞれ一面に亘って形成させる。
【0097】
また、光コム発生器1Aでは、上記ステップS27において、平面91,92を互いに平行に研磨し、この研磨された平面91,92上に、上記入射側反射防止膜63と出射側反射防止膜64に替えて、入射側反射膜93と出射側反射膜94を、それぞれ一面に亘って形成させる。
【0098】
このような構成の光変調器8A、光コム発生器1Aでは、入射端から入射され光導波路12を伝搬される単一の偏波成分のみ光に対して、リッジ構造を有する電極83Aに発振器16から供給された周波数fm の変調信号により、効率よく位相変調をかけることができる。
【0099】
しかも、光変調器8A、光コム発生器1Aでは、各端部において保護材86,87を貼り付けることにより、光導波路12の端面を平面91(92)の略中央部に移動させることができるため、光導波路12の端面の欠けや丸まり、光導波路12と平面91,92間の垂直性の確保、平面91,92における研磨精度の向上が可能となり、歩留まりを向上させることも可能となる。
【0100】
また、光コム発生器1Aでは、入射側反射膜93を介して外部から入射された光は光導波路12内を往路方向へ単一の偏波成分のみが伝搬し出射側反射膜94により反射されるとともに一部外部へ透過する。この出射側反射膜94を反射した単一の偏波成分の光は光導波路12内を復路方向へ伝搬して入射側反射膜93により反射される。これが繰り返されることにより、単一の偏波成分の光が光導波路12内を共振することになる。
【0101】
また、単一の偏波成分の光が光導波路12内を往復する時間に同期した電気信号を電極83Aを介して駆動入力とすることにより、単一の偏波成分の光がこの光変調器8内を1回だけ通過する場合と比較して、数十倍以上の深い位相変調をかけることが可能となる。また入射される光の周波数ν1を中心として、数百本ものサイドバンドを広帯域にわたり生成することができる。ちなみに、この生成される各サイドバンドの周波数間隔は、全て入力された電気信号の周波数fm と同等である。したがって、光変調器8Aは、多数のサイドバンドにより構成される単一の偏波成分の光コムを発生する光コム発生器1Aとして機能する。
【0102】
このように、光コム発生器1Aでは、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12を備えているので、入射側反射膜93を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12を伝搬されて、出射側反射膜94を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として光コムを発生することができ、また、各端部において保護材86,87を貼り付けて構成するため、従来において、端面最上部の角に位置していた光導波路の端面が平面91(92)の略中央部に移動する。その結果、ステップS27における研磨時において平面91(92)の角が欠けた場合においても、光導波路12の端面が欠けることがなくなる。即ち、光導波路12の端面そのものが欠けにくくなる構成とすることが可能となる。これにより、光導波路12の各端面からの光損失を極力抑えることが可能となる。
【0103】
しかも、この光変調器8Aは、
図15の要部縦断面に示すように、基板11のバッファ層14上に形成されたリッジ構造を有する電極83Aを備えているので、さらに、変調効率を向上させることができる。
【0104】
ここで、この光変調器8Aにおいて、基板11のバッファ層14上に形成されたリッジ構造を有する電極83Aのリッジ幅RWを10、12、14、16、及び18[μm]、リッジ溝の平均深さAVD(Average depths)を3.3、2.96、4.79、及び4.72[μm]とした光変調器8Aの試料を作成して、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)と直流駆動電圧(DC Vpi)を実測して結果を
図16、
図17に示す。Vpiは位相をπラジアン変調するために必要な電圧である。
【0105】
すなわち、リッジ構造を有さない電極構造の従来の光変調器では、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)が8~10V程度で、直流駆動電圧(DC Vpi)は、6~6.5V程度であったのに対し、リッジ構造を有する電極83Aを備える光変調器8Aでは、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)が3.5~7.5V程度で、直流駆動電圧(DC Vpi)は、5~6V程度になっている。
【0106】
このようにリッジ構造を設けることにより、25GHzにおける駆動電圧(AC Vpi)は、リッジ構造の無い場合と比較して平均的な電圧が元の約70%に低下しており、電力ではおよそ50%の低下に相当する。また、直流駆動電圧(DC Vpi)は、リッジ構造の無い場合と比較して平均的な電圧が元の約80%に低下しており、電力ではおよそ50%の低下に相当する。
【0107】
すなわち、この光変調器8A、光コム発生器1Aでは、光導波路12の基板11と同じ硬さを持つ部材から構成され、上記部材における少なくとも一の端面が上記光導波路12における光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路12の上部に配設される第1の保護材86並びに第2の保護材87を備え、上記部材の端面と上記基板の端面を研磨することにより形成される平面に入射側反射防止膜63又は入射側反射膜93及び出射側反射防止膜63又は出射側反射膜94それぞれ被着されているので、光導波路端面に欠けが発生することを防ぐとともに、高反射膜取り付けの安定化を図り、入射側反射膜93及び出射側反射膜94より構成される光共振器5のフィネスを向上させることができ、しかも、リッジ構造を有する電極83Aを備えることにより駆動電力を低減することができる。
【0108】
したがって、上述の如き構成の光変調器光変調器8、8A、光変調器51は、光導波路12を上面から形成させるための基板11と同じ硬さを持つ部材86,87を、少なくともその一の端面が上記光導波路12における光入射端又は光出射端を含む上記基板11の端面と同一の平面を形成するように上記光導波路12の上部に配設し、上記部材86,87の端面と上記基板11の端面を研磨することにより形成された上記平面上に共振手段を構成する入射側反射膜93並びに出射側反射膜94を被着させるので、導波路端面の角の加工時における欠けや丸まりを抑え、各反射膜につき端面最上部の角の部分で剥がれることなく安定して被着させることができ、反射膜の反射率や光共振器のフィネスを向上させ、デバイスそのものの機能を高めることができ、共振手段を構成する入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成された光導波路12を備えることにより、入射側反射膜93を介して入射された光の単一の偏波成分のみが、光導波路12を伝搬されて、出射側反射膜94を介して単一の偏波成分のみの光変調出力として安定した光コムを発生することができる光コムを発生器1、1Aとして機能する。
【0109】
上述の如き光変調器8、8A、光変調器51における光導波路12は、入射側反射膜93から出射側反射膜94にかけて貫通するように少なくとも電気光学効果を有する基板11にて単一の偏波成分に対してのみ導波モードが存在している領域として形成されることにより、単一の偏波成分のみのレーザー光や光コムを出力することのできる低電力型のレーザー光源や光コム発生器を構築することができる。
【0110】
次に、本発明を適用した光コムモジュールを利用した光コム発生器110の構成を
図18のブロック図に示す。
【0111】
この光コム発生器110は、光コムモジュール100Aから出力される光コムの一部を分岐する光カップラ111と、光カップ111により分岐された光を検出する光検出器112と、この光検出器112により得られる光検出信号が供給される制御回路113などを備える。
【0112】
光コムモジュール100Aは、レーザー光源131からレーザー光が入射されるとともに、バイアス・ティー114を介してRF変調信号が入力されることにより、入射されたレーザー光の単一の偏波成分に対してRF変調信号により位相変調をかけることにより、光コムを発生して出力する。この光コムモジュール100Aは、温度調節回路119による温度制御によって、光導波路に設けられた入射側反射膜と出射側反射膜による共振手段の共振長が制御されるようになっている。
【0113】
制御回路113は、光検出信号から制御目標に対する誤差を求め、その誤差がゼロとなるような制御信号を生成してバイアス・ティー114に供給する。
【0114】
光コムモジュール100AのDCバイアスに加えることにより、光コムモジュール100Aの共振周波数を入力レーザー周波数に追従させることができる。
【0115】
制御回路113は、プリント基板単体の場合やRFミキサやアイソレータとプリント基板の組み合わせの場合もある。光検出器112の光検出信号と同期信号のミキシングによって制御目標からの誤差量に応じた制御信号を作り出す。
【0116】
同期信号としてRF変調信号源の出力の一部を使うことができる。その場合、光検出器112の動作帯域はRF駆動周波数以上であることが必要である。
【0117】
制御回路113では、位相調整器を介してミキサに光検出信号と同期信号を入力して得られる信号の低周波数成分を取って誤差信号とする。または同期信号としてRF駆動信号源とは別の同期信号源140により与えられる変調信号(ディザ信号)を使用することが可能である。例えば、レーザー周波数に、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調を与えておいて、光検出器112の出力信号と同期信号のミキシングを行うことにより誤差信号を生成することができる。また、ディザ信号周波数が低ければ、光検出信号をアナログ・デジタル変換器によりデジタル信号に変換したのちにデジタル信号処理の積和演算で誤差信号を生成することも可能である。
【0118】
誤差信号の周波数特性を調整したものが制御信号としてバイアス・ティー114経由で光コムモジュール100AのDCバイアスに加えられる。一般的には、誤差信号は比例、積分、微分の各機能を持った回路に入力され、それらの成分の振幅調整により制御ループの周波数特性が決まり、光コムモジュール100Aの共振周波数が入力レーザーの発振周波数に追従するように制御される。
【0119】
また、本発明を適用した光コムモジュールを利用した光コム発生器120の構成を
図19のブロック図に示す。
【0120】
この光コム発生器120は、光コムモジュール100Aの反射光を利用して共振器制御を行うもので、光コムモジュール100Aの反射光の一部が光カップラ111により分岐されて光検出器112に入射されるようになっている。
【0121】
この光コム発生器120における各構成要素は
図18に示した光コム発生器110の構成要素と同じであり、対応する構成要素について、
図19中に同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0122】
制御回路113は光検出器112により得られる光検出信号から制御目標に対する誤差を求め、その誤差がゼロとなるような制御信号を出力する。その制御信号を光コムモジュールのDCバイアスに加えることにより光コムモジュール100Aの共振周波数を入力レーザー周波数に追従させることができる。
【0123】
すなわち、上記光コム発生器110,120における制御回路113では、共振モードのFSRと比べて小さい振幅の変調がディザ信号によってレーザー周波数に加えられたレーザー光を上記光コムモジュール100Aの光共振器に入射することにより、上記光共振器から出射される透過光又は反射光の一部を光検出器112により検出した光検出信号と上記ディザ信号から、上記光共振器に入射されるレーザー光のレーザー周波数と上記光共振器の共振周波数のずれに応じた誤差信号を生成し、この誤差信号を用いて上記光共振器の共振長を制御して、上記光共振器の共振周波数を上記レーザー周波数に追従させる制御を行うことができる。
【0124】
さらに、上記光コム発生器110,120は、1つのレーザー光源131から出射されるレーザー光が複数に分離されて入射される複数の光コムモジュールを備えることにより、例えば、
図20に示すような構成の光コム発生装置130を構築することができる。
【0125】
この光コム発生装置130は、単一周波数発振のレーザー光源131、レーザー光源131から出射された単一周波数のレーザー光を2つのレーザー光に分離する光カップラや光ビームスプリッタ等の分離光学系132、分離光学系132により分離された一方のレーザー光の周波数をシフトする周波数シフタ135、それぞれ光コムモジュールを用いた2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130B等を備える。
【0126】
この光コム光源130では、1台の単一周波数発振のレーザー光源131から出射されるレーザー光が分離光学系132により2つのレーザー光に分離されて2台の光コム発生器(OFCG1,OFCG2)130A,130Bに入力され、同期信号源140から各光コム発生器130A,130Bに同期信号が与えられるとともに上記レーザー光源131にディザ信号が与えられ、上記ディザ信号を用いて上記各光コム発生器130A,130Bの各共振器長が制御されるようになっている。
【0127】
2台の光コム発生器130A,130Bは、互いに異なる周波数fm+Δfmと周波数fmで発振する発振器133A,133Bにより駆動される。それぞれの発振器133A,133Bは、共通の基準発振器134により位相同期されることにより、fm+Δfmとfmの相対周波数が安定になる。光コム発生器(OFCG1)130Aの前には、音響光学周波数シフタ(AOFS)のような周波数シフタ135を設けて、入力されたレーザー光にこの周波数シフタ135により周波数faの光周波数シフトを与えるようになっている。これにより、キャリア周波数間のビート周波数が直流信号ではなく周波数faの交流信号になる。その結果、キャリア周波数の高周波側サイドバンドのビート信号と低周波側サイドバンドのビート信号がビート信号のキャリア周波数間のビート周波数faを挟んで相対する周波数領域に発生するため位相比較に都合が良い。
【0128】
2つの光コム発生器(OFCG1,OFCG2)130A,130Bは、それぞれ低電力型光コムモジュールにより構成されることにより、入力されるレーザー光の単一の偏波成分のみを位相変調することにより、単一の偏波成分の光コムを出力することができる。
【0129】
この光コム発生装置130は、1台の単一周波数発振のレーザー光源131を共通として、2台の光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bの中心周波数と周波数間隔の異なる二つの光コムを発生するもので、例えば、本件発明者が先に提案している特許5231883号に係る距離計や光学的三次元形状測定機における第1及び第2の光源、すなわち、それぞれ周期的に強度又は位相が変調され、互いに変調周期が異なる干渉性のある基準光と測定光を出射する第1及び第2の光源として上記光コム光源130を用いることにより、2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bから出射される単一の偏波成分の計測用の光コム出力を測定対象の表面にスキャンしながら照射して、表面からの反射光を照射ポイント一点一点について検出して距離(高さ)計算を行うことにより、安定した測定動作行う距離計や光学的三次元形状測定機の測定系を構築することができる。スキャンの座標と距離(高さ)の分布から対象物の表面形状が得られる。スキャナ光学系には様々な形態がある。テレセントリック光学系を使用すると測定範囲内で対象物に向かってほぼ垂直に光が入射するようにすることができる。
【0130】
また、例えば、本件発明者が先に提案している特許5336921号や特許5363231号に係る振動計測装置における光源、すなわち、所定の周波数間隔のスペクトルであり、互いに変調周波数及び中心周波数が異なり、互いに位相同期され干渉性のある参照光と測定光とを出射する光源部として上記光コム光源130を用いることにより、2つの光コム発生器(OFCG1、OFCG2)130A,130Bから出射される単一の偏波成分の光コムを波長毎に分派する素子を介して波長によって異なる場所に照射して、安定した多点振動計測動作行う振動計測装置の測定系を構築することができる。
【0131】
ここで、直交モードが混在する偏光成分を透過する光導波路を用いた光コム発生器により得られる光コムを用いる計測装置では、
図22に○印を付して示すように、直交偏光成分による透過モード波形に変形が生じることがあり、しかも、発生する場所(主モードに対する相対位置)がばらばらであり、極小部が複数になるため制御の不安定要因になるが、単一の偏光成分のみ通す光導波路を用いることにより、
図21に示すように、透過モード波形に変形が生じることがなくなり、光コム発生器としての安定化、光コムを含む計測装置の精度向上、誤差の低減などを図ることができる。
【0132】
すなわち、光コム発生に直交する偏光成分は光コムを計測に利用する場合に、距離、高さの計測誤差の要因になり、また、光コム発生に直交する偏光成分は、光コム発生器の共振周波数をレーザー周波数に一致させるための制御を不安定にすることがあり、制御点のずれ、制御の発振の原因となり、また、光コムを計測に利用する場合に、距離、高さの計測誤差の要因になっていたが、単一の偏光成分のみ通過させる光導波路を用いて光コム発生を行うことにより、光コム発生に寄与しない直交偏光成分の出力が抑制され、光コム出力の偏光消光比を向上させ、単一偏光度を高めることができ、共振器制御を安定化させ、不要な干渉信号を除去して、光コムを用いた距離計測や形状計測における計測誤差を除去して計測精度の向上、システム全体の信頼性向上等を実現することができる。
【符号の説明】
【0133】
1,1A,110,120,130A,130B 光コム発生器、8,51 光変調器、11 基板、12 光導波路、14 バッファ層、16 発振器、18 終端抵抗、20 凸条部、21 光サーキュレータ、22 フォーカサー、63 反射防止膜、83,83A 電極、84 第1の端面、85 第2の端面、86 第1の保護材、86a,87a 端面、87 第2の保護材、91,92 平面、93 入射側反射膜、94 出射側反射膜、100A 光コムモジュール、111 光カップラ、112 光検出器、113 制御回路、114 バイアス・ティー、130 光コム発生装置、131 レーザー光源、132 分離光学系、135 周波数シフタ、140 同期信号源