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特許7152814衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法
(51)【国際特許分類】
   B64G 3/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
B64G3/00
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021527132
(86)(22)【出願日】2019-05-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 KR2019005500
(87)【国際公開番号】W WO2020226207
(87)【国際公開日】2020-11-12
【審査請求日】2021-05-17
(31)【優先権主張番号】10-2019-0053137
(32)【優先日】2019-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521211505
【氏名又は名称】コンテック カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CONTEC CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.22-201,169-84 Gwahak-ro,Yuseong-Gu,Daejeon 34133,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】イ、ソン ヒ
【審査官】鴨川 学
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-522177(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0103870(US,A1)
【文献】国際公開第2017/190094(WO,A1)
【文献】米国特許第06125261(US,A)
【文献】特開2010-274671(JP,A)
【文献】特開2001-358634(JP,A)
【文献】特開2014-172553(JP,A)
【文献】特表2015-534296(JP,A)
【文献】特開2006-186789(JP,A)
【文献】特表2018-514979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64G 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人工衛星の管制のために利用される宇宙地上局を識別する情報または宇宙地上局から通知される情報及び上記宇宙地上局が利用するタイムスロットに基づき、上記宇宙地上局に対する制御信号を生成する地上局管理部;及び、
上記の制御信号を用いる宇宙地上局に伝送する通信部;を含み、
端末機を通じて使用者が選択する上記タイムスロットは、一つまたは二つ以上の人工衛星を複数の宇宙地上局が共用できるように、それぞれの宇宙地上局に割り当てられた使用時間帯または割り当てられた使用時間帯に含まれる下位時間帯であり、
上記通信部は、識別記号、位置及び動作状態情報からなる群で選択された少なくともいずれかの利用可能な複数の宇宙地上局に対する情報及び上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットを端末機に伝送し、
上記地上局管理部は、上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットの中から既に占有されたタイムスロットは選択不可能に処理し、
上記通信部は、上記端末機から利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用するタイムスロットについての選択を受信し、
上記地上局管理部は、上記選択に対応して上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用するタイムスロットを決定し、
上記地上局管理部は、上記利用される宇宙地上局が運用可能かどうかを判断して、上記利用される宇宙地上局が運用不可能な場合であれば、上記利用される宇宙地上局に代わる他の宇宙地上局を選択し、
上記他の宇宙地上局は、上記人工衛星に対し上記人工衛星の動作に対する制御信号又は衛星データ伝送要請信号を伝送し、
上記宇宙地上局から受信した衛星データを処理する衛星データ処理部;を含み、
更に、上記地上局管理部は、宇宙地上局の状態を監視して問題発生の有無を判断し、当該宇宙地上局に問題ありと判断した際には、当該宇宙地上局に最も近い別の宇宙地上局を代替の宇宙地上局と選択して用い、
また、上記地上局管理部は、各宇宙地上局に割り当てられた使用時間帯と、その割り当てられた使用時間帯に含まれる下位時間帯と、選択可能なタイムスロットと、選択不可能なタイムスロットを、上記端末機に伝送する
ことを特徴とする衛星運用サービス管理装置。
【請求項2】
システムの利用対価の算定、請求及び決済のうち少なくとも一つを行う課金部;を含む
請求項1に記載の衛星運用サービス管理装置。
【請求項3】
人工衛星の管制のために利用される宇宙地上局を識別する情報または宇宙地上局から通知される情報及び上記宇宙地上局が利用するタイムスロットを決定する段階;
上記利用する宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用するタイムスロットに基づき、上記宇宙地上局に対する制御信号を生成する段階;及び、
上記制御信号を上記利用する宇宙地上局に伝送する段階;を含み、
端末機を通じて使用者が選択する上記タイムスロットは、一つまたは二つ以上の人工衛星を複数の宇宙地上局が共用できるように、それぞれの宇宙地上局に割り当てられた使用時間帯または割り当てられた使用時間帯に含まれる下位時間帯であり、
識別記号、位置及び動作状態情報からなる群で選択された少なくともいずれかの利用可能な複数の宇宙地上局に対する情報及び上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットを端末機に伝送する段階;を含み、
上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットの中から従来占有されたタイムスロットは選択不可能に処理されたものであり、
上記端末機から上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットについての選択を受信する段階;
上記利用される宇宙地上局が運用可能かどうかを判断する段階;
上記利用される宇宙地上局が運用不可能な場合であれば、上記利用される宇宙地上局に代わる他の宇宙地上局を選択する段階;
上記他の宇宙地上局は上記人工衛星に対し上記人工衛星の動作に対する制御信号又は衛星データ伝送要請信号を伝送する段階;
上記宇宙地上局から受信した衛星データを上記端末機に伝送する段階;を含み、
更に、宇宙地上局の状態を監視して問題発生の有無を判断し、当該宇宙地上局に問題ありと判断した際には、当該宇宙地上局に最も近い別の宇宙地上局を代替の宇宙地上局と選択して用い、
また、各宇宙地上局に割り当てられた使用時間帯と、その割り当てられた使用時間帯に含まれる下位時間帯と、選択可能なタイムスロットと、選択不可能なタイムスロットを、上記端末機に伝送する
ことを特徴とする衛星運用サービス管理方法。
【請求項4】
上記衛星データの伝送以降、システムの利用対価の算定、請求及び決済のいずれか少なくとも一を行う段階;を含む
請求項3に記載の衛星運用サービス管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法に関することである。
【0002】
「本発明は、大韓民国の科学技術情報通信部および情報通信企画評価院の大学ICT研究センター支援事業の研究結果として行われた」(IITP-2019-2018-0-01424)
【背景技術】
【0003】
人工衛星(artificial satellite)は、地球周辺を所定の円または楕円軌道に沿って飛行移動できる物体を意味する。人工衛星は、衛星ランチャー(launch vehicle)に搭載された後打ち上げられ、宇宙空間上の所定の軌道に進入して軌道内であらかじめ定義された各種動作を遂行することができる。人工衛星は、軌道に沿って地球周辺を回転しながら、地上の複数の通信/電子装置(例えば、衛星アンテナ及びこれに接続されたセットトップボックス等)等と相互にデータのやりとりや、及び/又は地表面等を観測する機能を行う。
【0004】
このような人工衛星又は衛星ランチャーの管制(例えば、監視又は制御など)及び人工衛星が収集した資料の受信のために、地上には宇宙地上局(space ground station)が設置される。宇宙地上局は、標準化された周波数と通信プロトコルをベースに人工衛星等との通信を行い、衛星に特定の動作(例えば、撮影)に対する制御信号を伝送するか、及び/又は衛星が特定の動作に基づいて獲得したデータ(例えば、地表面に対する映像データ)を受信し、それに対する各種処理を行うことができる。
【0005】
近年、地球周辺には、およそ1600個程度の人工衛星が運用されており、宇宙市場の開拓が政府主導から民間主導に変化するにつれ、地球周辺の人工衛星の数はさらに増加すると判断されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
使用者が希望する時点又は場所において、衛星ランチャーや衛星から適切にデータを取得できるようにする衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法を提供することを解決する課題とする。
【0007】
また、衛星及び宇宙地上局を適切に選択及び/又は管理できるようにする衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法の提供を行うことを、さらなる解決課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の課題を解決するために、衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法が提供される。
【0009】
衛星運用サービス管理装置は、人工衛星の管制のため利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットを基に上記宇宙地上局に対する制御信号を生成する地上局管理部及び上記制御信号を上記利用される宇宙地上局に伝送する通信部を含むことができる。
上記通信部は、利用可能な複数の宇宙地上局及び上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットを端末機で伝送することができる。
上記地上局管理部は、上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットの中から既に占有されたタイムスロットは選択不可能に処理することができる。
【0010】
上記通信部は、上記端末機から上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットについての選択を受信し、上記地上局管理部は、上記選択に対応して上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットを決定することができる。
【0011】
上記地上局管理部は、上記利用される宇宙地上局が運用可能かどうかを判断し、上記利用される宇宙地上局が運用不可能な場合であれば、上記利用される宇宙地上局に代わる他の宇宙地上局を選択できる。
上記他の宇宙地上局は、上記人工衛星に対し、上記人工衛星の動作に対する制御信号又は衛星データ伝送要請信号を伝送することができる。
衛星運用サービス管理装置は、上記宇宙地上局から受信した衛星データを処理する衛星データ処理部をさらに含むことができる。
衛星運用サービス管理装置は、システムの利用対価の算定、請求及び決済のいずれか少なくとも一つを行う課金部をさらに含むことができる。
【0012】
衛星運用サービス管理システムは、少なくとも一つの人工衛星と通信可能な少なくとも一つの宇宙地上局、上記少なくとも一つの宇宙地上局の中で利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットを入力する端末機及び上記端末機から上記利用される宇宙地上局及び上記タイムスロットを受信し、上記利用される宇宙地上局及び上記タイムスロットを基盤に上記利用される宇宙地上局に対する制御信号を生成する管理装置を含むことができる。
【0013】
衛星運用サービス管理方法は、人工衛星の管制のため利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットを決定する段階、上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットを基盤に上記宇宙地上局に対する制御信号を生成する段階及び上記制御信号を上記利用される宇宙地上局に伝送する段階を含むことができる。
【0014】
衛星運用サービス管理方法は、利用可能な複数の宇宙地上局及び上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットを端末機で伝送する段階を更に含むことができる。
上記利用可能な複数の宇宙地上局のタイムスロットの中から既に占有されているタイムスロットは選択不可能に処理されているものである可能性がある。
【0015】
衛星運用サービス管理方法は、上記端末機から上記利用される宇宙地上局及び上記宇宙地上局が利用されるタイムスロットについての選択を受信する段階をさらに含むことができる。
【0016】
衛星運用サービスの管理方法は、上記利用される宇宙地上局が運用可能かどうかを判断する段階及び上記利用される宇宙地上局が運用不可能な場合であれば、上記利用される宇宙地上局に代わる他の宇宙地上局を選択する段階を加えることができる。
【0017】
衛星運用サービス管理方法は、上記他の宇宙地上局は上記人工衛星に対し上記人工衛星の動作に対する制御信号又は衛星データ伝送要請信号を伝送する段階をさらに含むことができる。
衛星運用サービス管理方法は、上記宇宙地上局から受信した衛星データを上記端末機に伝送する段階を更に含むことができる。
【0018】
衛星運用サービスの管理方法は、上記衛星データの伝送以降、システムの利用対価の算定、請求及び決済のいずれか少なくとも一つを遂行する段階をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
上述の衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法によると、使用者は衛星ランチャー又は衛星が収集したデータを、必要な時点や場所で取得することが可能となり、これにより使用者に合わせた衛星データ管理サービスを構築することが可能となる。
【0020】
上述の衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法によると、使用者の選択により、あるいは自動的にデータを受信する衛星及び宇宙地上局を適切に選択及び/又は管理することが可能となる効果も得られる。
【0021】
上述の衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法によると、衛星又は宇宙地上局の状態を原力で監視・制御することにより、衛星又は宇宙地上局に異常状態が発生した場合でも、使用者が望むデータを望む時点で獲得できるようになる効果も得られる。
【0022】
上述の衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法によると、使用者はウェブベースで衛星に収集したデータを確認することが可能となり、使用者にとって利便性の改善効果も得られる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】衛星運用サービス管理システムの実施例についての概要図である。
図2】人工衛星及び宇宙地上局の一例を説明するための図面である。
図3】人工衛星の移動の一例を説明するための図面である。
図4】衛星運用サービス管理システム及び衛星運用サービス管理装置の一実施例についてのブロック図である。
図5】宇宙地上局のタイムスロット及び特定のタイムスロット選択の一例を説明するための第1図である。
図6】人工衛星及び宇宙地上局の動作の一例を説明するための図面である。
図7】宇宙地上局のタイムスロット及び特定のタイムスロット選択の一例を説明するための第2図である。
図8】人工衛星及び宇宙地上局の動作の他の一例を説明するための図面である。
図9】人工衛星及び宇宙地上局の動作のもう一実施例を説明するための図面である。
図10】衛星運用サービス管理方法の一実施例に対する流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の明細書全体において同一参照符号は、特段の事情がない限り、同一構成要素をいう。以下において用いられる「部」が付加された用語は、ソフトウェア又はハードウェアで実装されることがあり、その実施例によっては、「部」が一つの部品として実装されることや、一つの「部」が複数の部品で実装されることも可能である。
明細書全体である部分が他の部分と連結されているとする時、これはある部分と違う部分によって物理的連結を意味することもでき、または電気的に連結されたことを意味することもできる。なお、ある部分が異なる部分を含むとしたとき、これは特に反対の記載がない限り、別の部分以外の別の部分を除外するものではなく、設計者の選択によって別の部分をさらに含むことができることを意味する。
第1や第2などの用語は、一つの部分を他の部分から区別するために用いられるものであって、特に記載がない以上これらが順次的な表現を意味するものではない。なお、単数の表現は文脈上明らかに例外がない限り、複数の表現を含むことができる。
【0025】
以下、図1ないし図9を参照し、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理システムの具体的な実施例について説明する。
図1は、衛星運用サービス管理システムの一実施例についての概要図である。
【0026】
図1に図示されたところを参照すると、衛星運用サービス管理システム(1)は、一実施例において、少なくとも一つの端末機(90)、少なくとも一つの端末機(90)と通信可能につながる管理装置(100)、管理装置(100)と通信可能につながる少なくとも一つの宇宙地上局(200:200-1ないし200-N、ここでNは1以上の自然数)及び宇宙地上局(200:200-1ないし200-N)と通信可能につながる少なくとも一の人工衛星(300:300-1ないし300-M、ここでMは1以上の自然数)を含むことができる。
【0027】
端末機(90)は、使用者から所定の指示、命令及び情報のいずれか少なくとも一つを入力するか、及び/又は使用者から要請された多数のデータを出力して提供できる装置を意味する。
【0028】
例えば、使用者は、端末機(90)を通じて、アクセスしようとする少なくとも一つの人工衛星(300)、すなわち、第1人工衛星ないし第N人工衛星(300-1ないし300-M)のうち少なくとも一つについての情報を入力することもできる。この場合、入力される情報は、人工衛星(300-1ないし300-M)の識別情報、人工衛星(300-1ないし300-M)の軌道情報、人工衛星(300-1ないし300-M)を搭載した発射体の軌跡情報等を含むことができる。
【0029】
他の例として、使用者は後述のように複数の地上局(200)、すなわち、第1宇宙地上局ないし第N地上局(200-1ないし200-N)のいずれかの地上局(200)の選択についての命令/情報などを入力することもできる。この場合、いずれか一つの宇宙地上局(200)の選択についての命令/情報は、いずれかの宇宙地上局(200)のタイムスロット(図5のT10ないしT13、T21ないしT25、T30ないしT32、図6のT40ないしT42、T50ないしT55)のいずれか一つのタイムスロット(図5のT23又はT24、図6のT50ないしT55等)の選択についての命令/情報を含むことができる。
【0030】
また、他の例として、端末機(90)は、管理装置(100)から配信されたデータを視覚的、触覚的、及び/又は聴覚的に使用者に提供することができる。具体的に、例えば、端末機(90)は、選択された宇宙地上局(200)及び人工衛星(300)のいずれかについての情報(例えば、識別記号、位置又はこれらの動作状態についての情報等)、少なくとも一つの宇宙地上局(200)のタイムスロットについての情報、人工衛星(300)が収集及び獲得したデータや情報(以下衛星データという)、サービス使用費用に係る情報、費用支払いのためのインターフェース、これらを表示するためのウェブページ、及びこれらに含まれる各種の文字、記号又は画像(動画又は静止画など)及び/又はその他の管理装置(100)が、使用者に提供する様々なデータや情報などを表示することもできる。
【0031】
一実施例によれば、端末機(90)は、既存のウェブブラウザを利用して、使用者から命令/指示/情報/データ等の入力を受けるか、及び/又は使用者に管理装置(100)から配信されたデータを出力することができる。これを受け、使用者は宇宙地上局(200)や衛星(300)のうち、少なくとも一つの選択に関連した命令や情報などを入力したり、及び/又は衛星(300)が収集したデータを確認することができる。
【0032】
なお、他の実施例によれば、端末機(90)は、特別に設計された別のアプリケーション(例えば、インタフェースアプリケーション)を利用して命令やデータ等の入力を受けたり、及び/又は衛星(300)等が収集したデータを出力することもできる。この場合、別のアプリケーションは、管理装置(100)から受信された後、使用者の選択により又はあらかじめ定められたところにより端末機(90)に設置されたものであるかもしれない。
【0033】
端末機(90)は、衛星運用サービス管理装置(100)の利用のために特別に設計されたものであることも、また、既知の所定の電子装置であることも考えられる。既知の所定の電子装置は、例えば、スマートフォン、タブレットPC、頭部装着型ディスプレイ(HMD, Head Mounted Display)装置、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、デジタルテレビ、セットトップボックス、ナビゲーション装置、人工知能スピーカー、携帯ゲーム機、個人向けデジタル補助器(PDA, Personal Digital Assistant)、電子黒板、電子広告板、家電機器及び/又はその他符号の入力又はデータの視覚的/聴覚的出力が可能な多様な電子機器のうち少なくとも一を含むことができる。
【0034】
端末機(90)は、所定のネットワークを介して管理装置(100)と相互通信を行うことができる。所定のネットワークは、有線通信ネットワーク、無線通信ネットワーク又はこれらの組み合わせを含むことができる。ここで、有線通信ネットワークは、ケーブルを用いて構築可能であり、ケーブルは、例えば、ペアケーブル、同軸ケーブル、光ファイバケーブル又はインターネットケーブル等を用いて実装されたものであることができる。無線通信ネットワークは、近距離通信ネットワーク及び遠距離通信ネットワークのいずれかを利用して実装されたものである。ここで、近距離通信ネットワークは、例えば、ワイファイ(Wi-Fi)、ジグビ(zigbee)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth)、ワイファイダイレクト(Wi-Fi Direct)、省電力ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth Low Energy)、CAN通信又はNFC(Near Field Communication)等を用いて実装されたものであることができる。遠距離通信ネットワークは、有線通信ネットワーク、例えば、3GPP、3GPP2又はワイマックス系等の移動通信標準を基盤として実装されたものであり得る。また、端末機(90)は、情報セキュリティのために私設ネットワークを利用することも、仮想私設網(VPN, Virtual Private Network)を利用することもできる。
【0035】
端末機(90)は、各種通信プロトコルを用いて管理装置(100))と通信を行うことができる。ここで通信プロトコルは、TCP/IP、UDP、FTP、SFTP、FTPS及び/またはGopherなどのように通信やデータの送受信のため通常用いられるプロトコルを含むことができる。
【0036】
管理装置(100)は、衛星データ管理に必要な演算処理、制御及び/又は通信動作を行えるようになる。例えば、管理装置(100)は端末機(90)と通信を行い、端末機(90)から宇宙地上局(200)や衛星(300)等に対する情報を受信することもできる。また、管理装置(100)は、選択された少なくとも一つの宇宙地上局(200:200-1ないし200-Nのいずれか少なくとも一つ)と通信を行い、少なくとも一つの宇宙地上局(200:200-1ないし200-Nのいずれか少なくとも一つ)の動作に対する制御信号を伝送するか、及び/又は少なくとも一つの宇宙地上局(200:200-1ないし200-Nのいずれか少なくとも一つ)から衛星(300:300-1ないし300-M)が収集したデータを受信して、受信したデータを一時的又は非一時的に保存したり、端末機(90)に伝送することもできる。なお、管理装置(100)は、少なくとも一つの宇宙地上局(200)の状態を監視及び管理することもできる。
【0037】
一実施例によると、管理装置(100)は多数の宇宙地上局(200)の中央集中的に管理できるようになる。これにより管理装置(100)は、多数の宇宙地上局(200)に同時に又は異時に制御信号を伝送して多数の宇宙地上局(200)を管理し又は多数の宇宙地上局(200)から伝送されるデータを同時に又は異時に受信することもできる。
【0038】
管理装置(100)は、設計者の選択により、一つの情報処理装置(100-1及び100-2のいずれか)を用いて実装することもでき、又は二以上の情報処理装置(100-1及び100-2)を用いて実装することもできる。二つ以上の情報処理装置(100-1及び100-2)を用いた場合、それぞれの情報処理装置(100-1及び100-2)は、互いに全部又は一部同一の動作又は機能を行うことができ、又は相互に異なる動作又は機能を行うこともできる。ここで、一つの情報処理装置(100-1、100-2)は、例えば、サーバコンピューティング装置、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ及び/又は携帯端末機等を含むことも、上述の動作を実装するために特別に考案された電子装置を含むこともできる。
管理装置(100)についてのより詳細な説明は後述する。
【0039】
宇宙地上局(200:200-1ないし200-N)は、少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)を管制するか、少なくとも一つの人工衛星(300-1ないし300-M)と通信を行えるように用意される。なお、宇宙地上局(200:200-1ないし200-N)は、所定のネットワークを介して管理装置(100)とも通信可能になる。この場合、所定のネットワークは、上述のとおり、有線ネットワーク、無線ネットワーク又はこれらの組み合わせをベースに構築されたものであり得る。
【0040】
宇宙地上局(200:200-1ないし200-N)は、世界中の必要な区域に多数設置されたものであり得る。この場合、所定の一区域には一つの宇宙地上局(200-1ないし200-Nのいずれか)のみが設置されていることもあり、また複数の宇宙地上局(200-1ないし200-N)が設置されていることもあり得る。なお、複数の宇宙地上局(200-1ないし200-N)のうち少なくとも二つは相互に相対的に近接した距離に設置されていることもあり得る。
図2は、人工衛星及び宇宙地上局の一例を説明するための図面である。
【0041】
少なくとも一つの宇宙地上局(200:200-1ないし200-N)は、少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)と所定の通信プロトコルを基盤に通信を遂行できるようになる。
【0042】
一実施例によれば、いずれかの宇宙地上局(200-1ないし200-Nのいずれか)が複数の人工衛星(300-1ないし300-M)と通信を行うこともでき、及び/または複数の宇宙地上局(200-1ないし200-N)がいずれかの人工衛星(300-1ないし300-Mのいずれか)と通信を行うように用意されることも可能である。例えば、図2に図示されているように、第1宇宙地上局(200-1)は、複数の人工衛星(300-1ないし300-3)の中で第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)と通信可能に連結されている可能性があり、これにより第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)に制御信号を伝送し、又は第1人工衛星(300-1)及び第2人工衛星(300-2)から衛星データを受信できるようにすることができる。この場合、第1宇宙地上局(200-1)は第3人工衛星(300-3)とは通信を行うことができず、これにより第3人工衛星(300-3)とは制御信号の伝送やデータの受信を行うことができないこともあり得る。なお、第2宇宙地上局(200-2)は、第1人工衛星ないし第3人工衛星(300-1ないし300-3)と通信可能に連結されており、第3宇宙地上局(200-3)は第2人工衛星(300-2)及び第3人工衛星(300-3)と通信可能に連結されており得る。これにより、第1人工衛星(300-1)は、第1宇宙地上局(200-1)及び第2宇宙地上局(200-2)と通信を行い、第2人工衛星(300-2)は、第2宇宙地上局(200-2)及び第3宇宙地上局(200-3)と通信を行い、第3人工衛星(300-3)は、第2宇宙地上局(200-2)及び第3宇宙地上局(200-3)と通信を行うこととなる。もちろん、図2に図示された宇宙地上局(200-1ないし200-3)と人工衛星(300-1ないし300-3)の間の関係は例示的なものであり、その他にも多様な方法でこれら(200-1ないし200-3、300-1ないし300-3)は通信可能につながる。
【0043】
実施例によって、特定の少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)は、特定の少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)とのみ通信を行うように設けられたり、逆に特定の少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)は特定の少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)とのみ通信を行うように設けられる。
【0044】
なお、少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)は、相対的に近距離で移動している少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)とのみ通信を遂行するように設計されることも可能である。言い換えれば、少なくとも一つの人工衛星(300:300-1ないし300-M)に対応する少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)は、両者間の距離を基に決定され得る。
図3は、人工衛星の移動の一例を説明するための図面である。
【0045】
図3に図示されたところによると、人工衛星(300-1、300-2)それぞれは、地球(10)の大気圏に形成された所定の軌道(9-1、9-2)に沿って移動する。この場合、人工衛星(300-1、300-2)の軌道(9-1、9-2)は極軌道であり得る。極軌道とは、北極(11)又はその周辺と、南極(12)又はその周辺を通過して赤道と直交する軌道を意味する。このように人工衛星(300-1, 300-2)が極軌道に沿って移動する場合、地球の自転により人工衛星(300-1, 300-2)は概ね地球上のほとんどの区域上を通ることが可能となる。したがって、もし人工衛星(300-1, 300-2)が地上撮影装備を具備した場合であれば、人工衛星(300-1, 300-2)は地表面上のかなり多くの部分を撮影できることになる。
【0046】
一実施例によると、少なくとも一つの人工衛星(300-1)は、データ収集部(310)、保存部(320)及び通信部(330)を含むことができる。ここで、保存部(320)は省略可能である。
【0047】
データ収集部(310)は、データを、周期的に及び/又は外部の要請に応じて収集することができる。データ収集部(310)は、例えば、地表面で伝達される可視光線や赤外線等を受信して、受信した可視光線や赤外線に対応する画像データ(一例として静止画像データまたは動画データ)を獲得する撮影装置を含むことができる。この他にもデータ収集部(310)は、人工衛星(300-1)の運営目的に対応する各種データを生成できる所定の装置を含むことができる。
【0048】
保存部(320)は、データ収集部(310)が収集した衛星データを一時的又は非一時的に保存することができる。例えば、保存部(320)は、撮影装置により電気的信号の形で出力される映像データを保存することができる。
【0049】
通信部(330)は所定のプロトコルを基に地上に位置する少なくとも一つの宇宙地上局(300)と通信を行う。通信部(300)を通じて人工衛星(300-1)は、宇宙地上局(300)から必要な動作についての情報や制御信号を受信するか及び/または宇宙地上局(300)に収集したデータを伝送することができる。
【0050】
人工衛星(300-1)は、この他にも動作制御や状態制御(例えば、姿勢制御など)のためのプロセッサ(未図示)や、衛星(300-1)動作に必要なエネルギーを獲得するためのソーラーセル(未図示)などをさらに含むこともできる。
【0051】
一実施例によると、人工衛星(300)は小型または超小型人工衛星を含むことができ、例えば、キューブ衛星(キューブサット、cubesat)であることができる。キューブ衛星は体積がおおよそ10センチ^3以下で、質量が1.33キロ以下の超小型人工衛星を意味する。キューブ衛星は、小型で軽量でありながら、カメラ等の装着が可能であり、かつ製作・発射コストが相対的に安価なメリットがあるが、データを保存するためのスペースが相対的に不足しているデメリットが存在する。このような理由から、キューブ衛星はデータ収集部(310)によって収集されたデータを短期間だけ保存部(320)に保管し、一定期間が過ぎたら廃棄または削除させる。
図4は、衛星運用サービス管理システム及び衛星運用サービス管理装置のー実施例についてのブロック図である。
【0052】
図4に示されるところを参照すると、衛星運用サービス管理装置(100)は、一つ実施例において、通信部(110)、ウェブサービス処理部(120)、地上局管理部(130)、衛星データ処理部(140)、課金部(150)及び保存部(160)を含むことができる。これらのうちの一部の構成、例えば、ウェブサービス処理部(120)や課金部(150)などは省略可能である。
【0053】
通信部(110)は、有線/無線の通信ネットワークに接続し、あらかじめ定義された通信標準を基に、端末機(90)及び地上局(200-1ないし200-N)のいずれかと通信を行うことができる。通信部(110)は、接続されるネットワークに従って通信チップ、増幅器及び/又はアンテナや通信ケーブル結合端子等を用いて実装可能である。
【0054】
ウェブサービス処理部(120)は、使用者が指示、命令又はデータ等を入力するか及び/又は衛星(300)や宇宙地上局(200)から受信したデータを使用者に提供するための使用者インタフェースを端末機(90)で伝送することができる。このような使用者インタフェースはウェブブラウザアプリケーションなどを通じて使用者に表示することができる。ウェブサービス処理部(120)は、使用者インタフェースを管理したり、データ提供等のために必要な各種情報処理等を行うことも可能である。例えば、ウェブサービス処理部(120)は、端末機(90)の要請により、宇宙地上局(200)又は人工衛星(300)に係るデータ等を端末機(90)に伝送することができる。なお、ウェブサービス処理部(120)は、端末機(90)の要請により、各宇宙地上局(200-1ないし200-N)のタイムスロット選択のための選択肢(文字、記号、数字、図形、色又はこれらの組み合わせ等で実装されることができる。例えば、選択ブロック等を含むことができる)を端末機(90)に伝送することもできる。この選択肢はウェブブラウザ等により使用者に表示され、使用者はウェブブラウザ等に表示された選択肢を利用し、宇宙地上局(200)や使用者のためのデータを獲得するためのタイムスロット等を選択することが可能となる。ー実施例によれば、ウェブサービス処理部(120)は、ウェブサーバー装置を利用して実装されることもある。
【0055】
地上局管理部(130)は、使用者の入力によって又はあらかじめ定義された設定によって少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)を選択するか、選択された少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)に制御信号を送るか、及び/又は少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)から伝達される電気的信号を基に、少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)の状態を判断することができる。
【0056】
地上局管理部(130)は、使用者の要請により、少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)に対する任務データを生成するか、少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)に対応する、少なくとも一つの人工衛星(300-1ないし300-M)に対する任務データを生成することができる。より具体的に、例えば、地上局管理部(130)は、使用者が端末機(90)を通じて配信した人工衛星(300)及びランチャーのいずれか一つの情報を基に、これに対応する地上局(200)の任務データを生成したり設定したりすることができる。 なお、地上局管理部(130)は、必要に応じて保存部(160)に生成した任務データを保存することができる。任務データには、地上局(200-1ないし200-N)や人工衛星(300-1ないし300-M)の動作や任務内容、動作や任務の遂行位置、動作や任務の遂行時点、動作や任務の遂行期間及び/又はその他の動作に関連する各種情報を含むことができる。動作や任務の遂行時点又は期間は宇宙地上局(300)のタイムスロットを利用して保存できる。宇宙地上局(300)のタイムスロットは、後述のように、使用者により選ばれたものであり得る。
【0057】
地上局管理部(130)は、それぞれの地上局(200-1ないし200-N)のタイムスロットの管理業務を遂行することもできる。例えば、地上局管理部(130)は、通信部(110)から受信した使用者の選択に応じて、それぞれの地上局(200-1ないし200-N)のタイムスロットのうち、少なくとも一つを占有したものに変更することもでき、また既存登録された占有を取り消すこともでき、変更結果を基に対応する地上局(200-1ないし200-N)への制御信号を生成することもできる。また、地上局管理部(130)は、地上局(200-1ないし200-N)それぞれのタイムスロットの変更結果を保存部(160)等に保存し、使用者からの要請がある場合、保存されたタイムスロットを呼び出すこともできる。これによって、地上局管理部(130)は地上局(200-1ないし200-N)のタイムスロットに対する現在の占有(または予約でも表現可能)状態を通信部(110)およびウェブサービス処理部(120)のうち少なくとも一つを通じてリアルタイムで使用者に提供することもできる。これにより使用者は選択可能なタイムスロットや選択不可能なタイムスロットがリアルタイムで確認可能になり、これにより衛星(300)から適切にデータを収集することができるようになる。
【0058】
地上局管理部(130)は、使用者が端末機(90)を介して要請した内容に従って又は任務ファイルから独出された内容に従って、対応する少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)に対する制御信号を生成し、生成された制御信号を適切な時点で少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)に伝送することができる。この場合、地上局管理部(130)は、任務ファイルに記録された時点又は任務ファイルに記録された時点より一定程度前の時点に制御信号を生成し、対応する地上局(200-1ないし200-N)に制御信号を伝送することもできる。
【0059】
一実施例によると、地上局管理部(130)は、使用者が要請した業務を遂行するための人工衛星(300)を選択することもできる。この場合、人工衛星(300)は選択された地上局(200-1ないし200-N)が通信可能な人工衛星(300)の中から選択されることもあり得る。他の実施例によれば、使用者が直接業務を遂行するための人工衛星(300)を選択し、地上局管理部(130)は通信部(110)を介して選択された人工衛星(300)についての情報を獲得することも可能である。この場合、地上局管理部(130)は、使用者が選択した人工衛星(300)とデータ送信が可能な少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-Nを選別することもできる。選別された少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)は、使用者がタイムスロットを選択する際、使用者に提示されることもある。
【0060】
また、地上局管理部(130)は、周期的又は非周期的に地上局(200-1ないし200-N)の運用状態を確認することができる。例えば、地上局管理部(130)はリアルタイムで地上局(200-1ないし200-N)の状態を確認することも、制御信号の伝送前に地上局(200-1ないし200-N)の状態を確認することもできる。もし、地上局(200-1ないし200-N)が制御命令に従って十分に動作可能な状態なら、地上局管理部(130)は地上局(200-1ないし200-N)に制御信号を伝送できる。もし、地上局、例えば、第1宇宙地上局(200-1)が制御信号による動作を行うことが不可能又は困難な状態であれば、地上局管理部(130)は動作不能の第1宇宙地上局(200-1)の代わりに他の地上局、例えば、第2宇宙地上局(200-2)を選択して新たに選択された第2宇宙地上局(200-2)に制御信号を代わりに伝送することもできる。この場合、新たに選択された第2宇宙地上局(200-2)は、既存の動作が不可能な第1宇宙地上局(200-1)と同一の衛星、例えば、第2衛星(300-2)を管制できる地上局であり得る。
【0061】
上述の他にも地上局管理部(130)は、地上局(200)の選択又は地上局(200)に対する制御信号生成のために必要な動作を事前に準備することもできる。また、地上局管理部(130)は、アクセス可能な地上局(200-1ないし200-N)に対するリストを作成したり、リスト内の地上局(200-1ないし200-N)の全部または一部を削除したり、リストに新しい地上局(200-1ないし200-N)を追加することもでき、地上局(200-1ないし200-N)それぞれのアクセスアドレスを管理することもできる。
【0062】
衛星データ処理部(140)は、少なくとも一つの地上局(200-1ないし200-N)が受信した衛星データ(例えば、各衛星(300)が撮影したイメージファイル等)を地上局(200-1ないし200-N)から受信することができる。必要に応じて、衛星データ処理部(140)は、受信した衛星データを圧縮したり変換したりすることもでき、またこれらの衛星データに対する補正を行うこともできる。衛星データ処理部(140)が取得し、又は修正したデータについては、通信部(110)及び/又はウェブサービス処理部(120)を利用して端末機(90)に届けられ、これにより使用者は衛星データを確認することができるようになる。
【0063】
衛星データ処理部(140)は、必要に応じて受信した衛星データを保存部(160)に保存することもでき、バックアップサーバ(例えば、バックアップなど)に保存することもできる。また、衛星データ処理部(140)はクラウドストレージ(cloud storage、例えば、少なくとも一つのサーバーを利用して実装できる)に保存し、使用者が希望する時点で衛星データを確認または受信させることもできる。ここで、クラウドストレージはウェブベースで構築されている可能性がある。
【0064】
課金部(150)は、上述の衛星運用サービス管理システム(1)の利用対価(例えば、サービス利用料金)を算定し、算定された対価を使用者に請求(又は決済要請)し、使用者から決済を受けられるようにする。課金部(150)は、設計者の選択によって様々な課金方法のうち少なくとも一つを用いて対価の算定、請求及び決済を行うことができる。例えば、課金部(150)は、衛星データ処理部(140)が受信するか、または端末機(90)に転送される衛星データの大きさを基準に対価を算定することもでき、使用者からの要請を行う過程で発生するトラヒック等を基準に対価を算定することもでき、及び/また選択したタイムスロットの大きさや長さ等を基に対価を算定することもできる。また、課金部(150)はリアルタイムで対価を算定することも、一定期間の対価を算定することもできる。後者の場合、課金部(150)は、日、週又は月単位であらかじめ定まった金額を対価として算定することもできる。決済要請などは、使用者がシステム(1)を利用するたびに行うことも、あるいは一定の周期(例えば、月)ごとに行うこともできる。
【0065】
上述のウェブサービス処理部ないし課金部(120ないし150)は、一つのプロセッサ又は二つ以上のプロセッサを利用して実装されることがある。プロセッサは、例えば、中央処理装置(CPU, Central Processing Unit)、マイクロコントローラユニット(MCU, Micro Controller Unit)、マイコン(Micro Processor)、アプリケーションプロセッサ(AP, Application Processor)、電子制御ユニット(ECU, ElectronicControlling Unit)及び/又は各種演算処理及び制御信号の生成が可能な演算制御装置等が含まれる。なお、一つ又は二つ以上のプロセッサは、専ら一つの情報処理装置に設置されていることもあり、又は互いに物理的に分離された二つ以上の情報処理装置(100-1、100-2等)に設置されていることもあり得る。
【0066】
ウェブサービス処理部ないし課金部(120ないし150)は、保存部(160)に保存されたアプリケーションを駆動させ、上述のような制御動作、それに必要な演算、判断、及び/又は処理動作などを行うことができる。ここで、アプリケーションは、設計者によりあらかじめ作成され保存部(160)に保存されたものであることもあり、又は有線又は無線通信ネットワークを通じて接続可能な電子ソフトウェア流通網を通じて獲得又は更新されたものであることもできる。実施例によっては、ウェブサービス処理部ないし課金部(120ないし150)は所定の組込みアプリケーションが事前にインストールされたプロセッサであることもあり、その場合、ウェブサービス処理部ないし課金部(120ないし150)は保存部(160)からアプリケーション等を呼び出さないこともある。
【0067】
保存部(160)は、管理装置(100)が宇宙地上局(200)から獲得した少なくとも一つのデータ(例えば、衛星データ)を保存するか、管理装置(100)の動作に必要な複数のデータ(例えば、動作に係る設定値等)、管理装置(100)と相互のデータ交換が可能な地上局(200-1ないし200-N)に関する情報、人工衛星(300)についての情報、人工衛星(300-1、300-2等)の軌道や経路など人工衛星(300-1、300-2等)に係る情報、特定の地域(図3の80)に対応する人工衛星(300-1、300-2等)の情報、端末機(90)の使用者に対する情報(識別符号や暗号等)、端末機(90)や管理装置(100)のためのアプリケーションや又はその他必要な各種情報保存することができる。
【0068】
保存部(160)、例えば、主記憶装置及び補助記憶装置のうち少なくとも一つを含むことができる。主記憶装置は、ロム(ROM)及びラム(RAM)のような半導体保存媒体を利用して実装されたものであることができる。ロムは、例えば、通常のロム、イフロム(EPROM)、イイフロム(EEPROM)及び/又はマスクロム(MASK-ROM)等を含むことができる。ラムは、例えば、ディーラム(DRAM)及び/又はエスラム(SRAM)等を含むことができる。補助記憶装置は、フラッシュメモリ装置、SD(Secure Digital)カード、ソリッドステートドライブ(SSD、Solid State Drive)、ハードディスクドライブ(HDD、Hard Disc Drive)、磁気ドラム、コンパクトディスク(CD)、DVDまたはレーザーディスク(登録商標)などの光記録媒体(optical media)、磁気テープ、光磁気ディスク及び/またはフロッピーディスクなどのようにデータを永久的または半永久的に保存可能な少なくとも一つの保存媒体を利用して実現できる。
【0069】
以下、図5ないし図9を参照し、上述の管理システム(1)を基に宇宙地上局(200)及び/又は衛星(300)を管理する過程について説明する。
図5は、宇宙地上局のタイムスロット及び特定のタイムスロット選択の一例を説明するための第1図である。
【0070】
上述のように使用者は、端末機(90)及び管理装置(100)を用いて少なくとも一つの宇宙地上局(200-1ないし200-N)のタイムスロットの中から空いているタイムスロットを選択することができる。
【0071】
タイムスロットは、図5に図示されているように、一つ又は二つ以上の人工衛星(300-1ないし300-M)を複数の宇宙地上局(200-1ないし200-N)が共用できるようにそれぞれの宇宙地上局(200-1ないし200-N)に割り当てられた使用時間帯又は割り当てられた使用時間帯に含まれる下位時間帯を意味する。例えば、図2に図示されているように、第2人工衛星(300-2)は三つの宇宙地上局(200-1ないし200-3)が接近できる。この場合、三つの宇宙地上局(200-1ないし200-3)それぞれの管制間の衝突を遮断するため、それぞれの宇宙地上局(200-1ないし200-3)の接近可能時間帯を区分しておいたのがタイムスロットである。具体的に、例えば、タイムスロットは、図5に図示されたように、第1宇宙地上局(200-1)は第3時間帯(例えば、16時ないし24時の間、T10ないしT13)に第2人工衛星(300-2)を利用し、第2宇宙地上局(200-2)は第2時間帯(例えば、8時ないし16時の間、T21ないしT24)に第2人工衛星(300-2)を利用し、第3宇宙地上局(200-3)は第3時間帯(例えば、0時ないし8時の間、T30ないしT32)に第2人工衛星(300-2)を利用するように決定され得る。
【0072】
使用者が端末機(90)のアプリケーションを駆動させ、又はウェブサイト処理部(120)により提供されるウェブサイトにアクセスすると、使用者は所定の人工衛星、一例として第2人工衛星(300-2)関連で利用可能な地上局(200-1ないし200-3)を確認することができ、また利用可能な地上局(200-1ないし200-3)のタイムスロットを確認することができる。 もし、所定の区域(80)に対する午後時間帯(一例として12時ないし18時)撮影映像が必要な場合であれば、午後時間帯のタイムスロット(T2)が割り当てられた第2宇宙地上局(200-2)が選択され、これと同時にまたは順次的に第2宇宙地上局(200-2)のタイムスロット(T2:T21ないしT24)の中から少なくとも一つのタイムスロット(時間帯、 T23, T24)が選択されることができる。状況によって第2宇宙地上局(200-2)のタイムスロット(T2)の中で一部のタイムスロット(T21)は他人により既に占有されていることもあり得る。この場合、管理装置(100)は、使用者が他者があらかじめ占有するタイムスロット(T21)を選択できないように使用者の選択を遮断するか、またはエラーメッセージを端末機(90)で伝送することができる。もし、使用者が他人によって占有されていない空いているタイムスロット(T22ないしT24)の中から少なくとも一つのタイムスロット(T23, T24)を選択すると、管理装置(100)は、使用者が選択したタイムスロット(T23, T24)及びこれに対応する地上局(200-2)を記録する。これを受け、特定の時間帯(T23、T24)で特定の地上局(200-2)の使用を予約できるようになる。一方、管理装置(100)、一例として地上局管理部(130)は、使用者が選択したタイムスロット(T23, T24)は、他の使用者が重複して選択できないように処理し、重複的選択を遮断する。
図6は、人工衛星及び宇宙地上局の動作の一例を説明するための図面である。
【0073】
図5及び図6に図示されているように、端末機(90)を用いて重複的選択が特定のタイムスロット(T23, T24)を選択し選択結果を入力すると、管理装置(100)は、これに応じて、選択されたタイムスロット(T23, T24)に対応する時点(同一時点又はこれに先行する時点であり得る)に選択された地上局、一例として第2宇宙地上局(200-2)に対する制御信号を生成することができる。制御信号の生成と同時に、または制御信号の生成に先行して、使用者は人工衛星(300)が行う業務(例えば、特定の区域(80)に対する映像撮影)を指定することができる。さらに、使用者は業務を遂行する人工衛星、一例として第2人工衛星(300-2)をさらに指定することもできる。一方、使用者は業務を遂行する人工衛星(300-2)を指定しないこともあり、この場合、管理装置(100)は使用者により与えられた業務の内容を基に、複数の人工衛星(300-1ないし300-3)の中から業務遂行に最適な人工衛星(300-2)を決定することもできる。
【0074】
図6に図示されているように、管理装置(100)は、あらかじめ定義された時点で選択された地上局、一例として第2宇宙地上局(200-2)に制御信号を伝送することができる。 第2宇宙地上局(200-2)は、制御信号の受信に応じて選択された人工衛星、一例として第2人工衛星(300-2)の制御に対する信号を生成し、所定の無線通信技術を用いて、あらかじめ定義された時点に第2人工衛星(300-2)に制御信号を伝送することができる。第2人工衛星(300-2)は制御信号の受信に応じて業務遂行時間、すなわち、タイムスロット(T23、T24)に対応する時間に業務を遂行することができる。例えば、第2人工衛星(300-2)は一回又は多回、所定の区域(80)を撮影し、所定の区域(80)に対する衛星画像データを取得することができる。衛星映像データは、獲得即時又は一定時間が経過した以降に第2宇宙地上局(200-2)に伝送されることがある。第2宇宙地上局(200-2)は、衛星映像データを受信して、受信した衛星映像データを管理装置(100)で配信できる。管理装置(100)は、通信部(110)等を介して衛星映像データを受信し、必要に応じて衛星データ処理部(140)を通じて衛星映像に対する映像処理を行った後、衛星映像データを端末機(90)に伝送することができる。
【0075】
図7は、宇宙地上局のタイムスロットおよび特定のタイムスロット選択の一例を説明するための図面である。図7の図表は、特定の宇宙地上局、一例として第2宇宙地上局(200-2)に関する複数の日付(D0ないしD4)に対するタイムスロットを図表の形で示したものである。
【0076】
使用者は、図7に図示されているように、特定の日付以外に未来の複数の日付(D0 ないしD4)のうち、少なくとも一つの日付(D3ないしD3)を選択し、選択したそれぞれの日付(D1ないしD3)ごとにタイムスロット(T50ないしT55)を選択することもできる。この場合にも、他人によって特定の日付(D2またはD3)の特定のスロット(T40ないしT43)があらかじめ選択されて占有された状態であれば、既占有されたタイムスロット(T40ないしT43)は使用者が選択できないように設定および表示される。したがって、使用者は既占有されたタイムスロット(T40ないしT43)以外の他のタイムスロット(T52, T53等)のみを選択することができる。
【0077】
使用者が所定のタイムスロット(T50ないしT55)を選択して選択命令を入力すると、管理装置(100)は、これに応じて使用者の選択に対応するタイムスロット(T50ないしT55)を記録し、制御対象となる宇宙地上局(200-2)及び宇宙地上局(200-2)を利用する時間帯、すなわち、タイムスロット(T50ないしT55)を決定する。また、管理デバイス(100)は使用者が選択したタイムスロット(T50ないしT55)を他者が重複して追加選択できないように処理および管理する。
【0078】
図6に図示されているように、管理装置(100))は、使用者が選択したタイムスロット(T50 ないしT55)に従って制御信号を生成し、生成した制御信号を宇宙地上局(200-2)へ所定の通信ネットワークを通じて伝送することができる。人工衛星(300)及び/又は宇宙地上局(200-2)は、制御信号の受信に応じて使用者の要求に応じて動作し、動作結果に応じたデータを管理装置(100)に伝送することになる。これにより、使用者は複数の日付(D1ないしD3)にわたり、使用者の宇宙地上局(200-2)及び/又は人工衛星(300)を選択することができるようになり、選択された宇宙地上局(200-2)及び/又は人工衛星(300)の利用時間を設定することができ、希望する日付及び時間から必要な衛星データを獲得することができるようになる。
【0079】
図8は、人工衛星及び宇宙地上局の動作の他の一例を説明するための図面である。 図8に図示されたところによると、使用者は所定の宇宙地上局、一例として第2宇宙地上局(200-2)を選択したが、第2宇宙地上局(200-2)に問題が発生して人工衛星(300)又は管理装置(100)と通信できなくなり、管理装置(100)から伝達された制御信号を処理できなくなり、及び/又は人工衛星(300)から入ってきたデータを処理できなくなることもあり得る。管理装置(100)は、第2宇宙地上局(200-2)の状態を周期的に又は非周期的に監視し、又は制御信号の伝送前に第2宇宙地上局(200-2)の状態を特別に確認することにより、第2宇宙地上局(200-2)の問題発生の有無を判断することができる。もし、第2宇宙地上局(200-2)に問題が発生したと判断されれば、管理装置(100)は第2宇宙地上局(200-2)の代わりに他の宇宙地上局、例えば、第3宇宙地上局(200-3)を選択し、第2宇宙地上局(200-2)の代わりに第3宇宙地上局(200-3)が使用者の要求した業務を遂行するよう管理することもできる。この場合、管理装置(100)は、使用者に端末機(90)等を通じて第3宇宙地上局(200-3)が第2宇宙地上局(200-2)に代わる内容のお知らせを伝送することもできる。一実施例によると、選択される第3宇宙地上局(200-3)は、選択された人工衛星(300)からデータを受信できる他の宇宙地上局のうちのいずれかであり得る。例えば、第3宇宙地上局(200-3)は、人工衛星(300)の軌道又はその周辺の地面に位置する宇宙地上局又は第2宇宙地上局(200-2)に最も隣接し、又は一定距離以下に隣接して設置された宇宙地上局等を含むことができる。第3宇宙地上局(200-3)が選ばれると、管理装置(100)は選択された第3宇宙地上局(200-3)に制御信号を伝送して、第3宇宙地上局(200-3)は、制御信号の受信に応じて制御信号に対応する人工衛星制御信号を選択された人工衛星(300)に伝送できる。人工衛星(300)は第3宇宙地上局(200-3)から伝送された信号に従って選択された時点(例えば、T23、T24、T50ないしT55)に選択された動作(例えば、地上撮影)を遂行して獲得された衛星データを第3宇宙地上局(200-3)に伝送することができる。第3宇宙地上局(200-3)は人工衛星から衛星データを受信して、受信した衛星データを加工したり、または加工せずに管理装置(100)で伝送できる。これにより、一部の宇宙地上局(200-2)の使用が不可能であっても、管理装置(100)は使用者に衛星データを適切に提供できるようになる。
図9は、人工衛星及び宇宙地上局の動作のもう一例を説明するための図面である。
【0080】
図9に図示されたところによると、まず、管理装置(100)は使用者の要求に応じて選択された所定の宇宙地上局、一例として第2宇宙地上局(200-2)に制御信号を伝送し、第2宇宙地上局(200-2)は、制御信号に対応する人工衛星制御信号を選択された人工衛星(300)に伝送することができる。人工衛星(300)は、第2宇宙地上局(200-2)から伝送された信号に従って選択された時点で選択された動作を行う。一方、人工衛星(300)に制御信号を伝送して以降に第2宇宙地上局(200-2)に問題が発生し、第2宇宙地上局(200-2)が人工衛星(300)や管理装置(100)と通信を行えなくなったり、または人工衛星(300)から入ってきたデータを処理できなくなり得る。もし、選ばれた人工衛星(300)がキューブサットなどのように長期間データを保存できない人工衛星であれば、このような第2宇宙地上局(200-2)の問題発生は衛星データの喪失につながりかねない。これを防止するため、管理装置(100)は周期的に又は非周期的に第2宇宙地上局(200-2)の状態を監視し、もし、第2宇宙地上局(200-2)に問題が発生したと判断した場合、上述のように、他の宇宙地上局、例えば、第3宇宙地上局(200-3)を選択し、選択された第3宇宙地上局(200-3)が第2宇宙地上局(200-2)に代替させることができる。第3宇宙地上局(200-3)が選ばれると、管理装置(100)は選択された第3宇宙地上局(200-3)に所定の制御信号(例えば、人工衛星(300)からデータを受信せよとの制御信号)を伝送できる。第3宇宙地上局(200-3)は、管理装置(100)から伝送された制御信号の受信に応じてデータ伝送要請信号(例えば、現時点以降に第三宇宙地上局(200-3)へのデータ伝送指示を含む信号)を生成し、データ伝送要請信号を既に選択されていた人工衛星(300)に転送する。人工衛星(300)は、既存の第2宇宙地上局(200-2)の代わりに新たに選択された第3宇宙地上局(200-3)に衛星データを伝送し、第3宇宙地上局(200-3)は受信した衛星データを加工、または加工せずに管理装置(100)で伝送できる。これにより、衛星データは消失せず、使用者に伝達することができるようになる。
【0081】
以下、図10を参照し、衛星運用サービス管理方法の一つの実施例について説明する。
図10は、衛星運用サービス管理手法の一つの実施例に対する流れ図である。
図10に図示されたところによると、まず、使用者が端末機を利用して管理装置に接続し、管理装置に衛星及び宇宙地上局の業務や管理に関する情報を入力できる(400)。 ここで、使用者が入力する情報は、例えば、使用者の識別情報、使用者が使用しようとする人工衛星の識別情報、人工衛星の軌道情報及び/又はランチャーの軌跡情報などが含まれる。この場合、使用者が利用する人工衛星も一緒に決定され得る。
【0082】
管理装置は、使用者の接続に応じて、ウェブや別途のアプリケーション等を介して使用者に利用可能な宇宙地上局、各宇宙地上局のタイムスロット及び/又はタイムスロットの占有状態等についての情報や関連データを提供でき、使用者は受信した情報や関連データを基に宇宙地上局及び/又は宇宙地上局の利用時間(すなわち、タイムスロット)を選択して入力することができる(402)。この場合、管理装置は、使用者が専ら占有されていないタイムスロットだけを選択し、既占有されているタイムスロットは使用者が重複して選択できないように設けられたものであることができる。
【0083】
使用者は管理装置から配信された宇宙地上局及び/又はタイムスロットについての情報と関連する使用者インタフェース(グラフィック使用者インタフェースを含むことができる。)に基づき、希望する時間帯にタイムスロットが存在する宇宙地上局を選択し、かつ同宇宙地上局の希望する運用時刻を選択して入力することができる。選択された宇宙地上局およびタイムスロットに対する情報は管理装置で伝達される。
【0084】
一実施例によると、管理装置は、宇宙地上局への制御信号伝送以前に、使用者が選択した宇宙地上局が運用可能かどうかを判断することもできる(404)。もし、使用者が選択した宇宙地上局が通信異常や制御系統の故障などに起因して使用不可能な場合であれば(404のいいえ)、管理装置は、使用者の選択またはあらかじめ決められたところに従って別の宇宙地上局を選択することもできる(405)。その際、選択される他の宇宙地上局は、衛星データの獲得のために使用される人工衛星と通信を行うことができる宇宙地上局を含むことができ、例えば、既選択された宇宙地上局の周辺に位置する宇宙地上局、又は人工衛星が通る軌道の下側の一区域又はその周辺に位置する宇宙地上局等を含むことができる。
【0085】
管理装置は、選択された宇宙地上局に人工衛星または宇宙地上局の動作に関連する信号(例えば、タイムスロットデータなど)を伝達できる(406)。実施例により、管理装置は、もし、使用者によって選択された宇宙地上局が運用可能であり(404の例)又は、他の宇宙地上局の選択が完了した状態である場合(405)、人工衛星又は宇宙地上局の動作に係る信号を伝送するように設計されることもできる。
【0086】
信号を受信した宇宙地上局は、管理装置から伝送された信号を基に対応する人工衛星を管制し、人工衛星は宇宙地上局の管制に従い、人工衛星は、使用者が選択したタイムスロットに従って対応する時点で使用者が要求する動作を行い、衛星データを収集する(408)。人工衛星が収集したデータは、同一の宇宙地上局に伝送されることができる。ここで収集される衛星データは、例えば、地表面撮影映像を含めることができる。実施例によって、既選択された宇宙地上局に問題が発生した場合であれば、既選択された宇宙地上局と異なる他の宇宙地上局は人工衛星にデータ送信要請を送ることができ、人工衛星はこれによって他の宇宙地上局に衛星データを伝送することができる。この場合、他の宇宙地上局は、管理装置の制御に応じて人工衛星に対するデータ送信要請を生成することができる。
【0087】
宇宙地上局は衛星データを受信すれば、受信した衛星データまたはこれに対応するデータを管理装置で伝送できる(410)。必要に応じて、宇宙地上局は受信した衛星データに対する所定の処理(例えば、映像処理)をさらに行った後、処理された衛星データを管理装置に伝送することもできる。
【0088】
管理装置は宇宙地上局から衛星データ又はこれに対応するデータを受信し、受信したデータを端末機等に伝達する(412)。顧客は端末機を通じて衛星データ等を確認することができるようになる。あわせて管理装置はシステムの利用対価を算定し、これを顧客に請求することもできる。管理装置は、設計者の選択によって様々な方法で利用対価を算定することができ、また、様々な方法で対価を請求することができる(412)。例えば、管理装置はサービスを利用する際、即時に対価を請求したり、一定の周期ごとに対価を請求することもできる。
【0089】
上述の実施例に沿った衛星運用サービスの管理方法は、コンピュータ装置により駆動できるプログラムの形態で実装されることがある。ここでプログラムは、プログラム命令、データファイル及びデータ構造などを単独でまたは組み合わせて含めることができる。プログラムは機械語コードや高度な言語コードを用いて設計・製作されたものであることができる。プログラムは上述の衛星運用サービスの管理手法を実現するために特別に設計されたものでもあり、コンピュータソフトウェア分野において通常の技術者に対して提供され、使用可能な各種関数や定義を利用して実装されたものでもある。また、ここでコンピュータ装置は、プログラムの機能を実現可能にするプロセッサやメモリなどを含めて実装されたものであり、必要に応じて通信装置をさらに含むこともできる。
【0090】
上述の衛星運用サービス管理方法を実装するためのプログラムは、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体に記録されることがある。コンピュータにより読み取り可能な記録媒体は、例えば、ハードディスクやフロッピーディスクのような磁気ディスク保存媒体、磁気テープ、コンパクトディスクやDVDのような光記録媒体、フロプティカルディスクのような磁気-光記録媒体及びローム、ラム又はフラッシュメモリなどの半導体保存装置など電子計算機等の呼び出しに応じて実行される特定のプログラムを保存可能な多様な種類の装置を含むことができる。
【0091】
以上、衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理手法の様々な実施例について述べたが、衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理方法は、単に上述の実施例に限定されるものではない。当該技術分野において通常の知見を有する者が上述の実施例を基に修正・変形して実装可能な様々な装置や手法についても、上述の装置及び手法の一例となり得る。例えば、説明された技術が、説明方法と異なる手順で行われたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路等の要素が説明されたところと異なる形で結合又は組み合わせられたり、他の構成要素や均等物によって置き換えられたりしても、上述の衛星運用サービス管理システム、衛星運用サービス管理装置及び衛星運用サービス管理手法の一実施例となり得る。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10