(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】マッサージ機
(51)【国際特許分類】
A61H 7/00 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
A61H7/00 323P
A61H7/00 323R
A61H7/00 323M
(21)【出願番号】P 2022529746
(86)(22)【出願日】2022-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2022006546
【審査請求日】2022-05-20
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521206383
【氏名又は名称】ニン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岡本 祐一
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 進矢
(72)【発明者】
【氏名】木村 秀明
(72)【発明者】
【氏名】原田 永敏
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-149435(JP,A)
【文献】特開2010-183955(JP,A)
【文献】登録実用新案第3007953(JP,U)
【文献】特開2004-215916(JP,A)
【文献】特開2007-089700(JP,A)
【文献】特開2017-143987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 7/00-15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
揉み動作させる際に駆動される揉み駆動部及び叩き動作させる際に駆動される叩き駆動部が設けられた施療部本体と、前記揉み駆動部及び前記叩き駆動部によって変位され前記施療部本体から前方に突出するように設けられたアーム部と、該アーム部に固定された支持部に設けられ、
減速機を介してモータに連結された軸回りに回転される回転体と、該回転体が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように、該回転体に設けられた複数の刺激付与部と、前記モータを制御し前記回転体を回転させて前記複数の刺激付与部のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部と、を備えており、
前記回転体には、前記複数の刺激付与部を構成する複数の円板状の施療子が周方向に間隔を空けて、かつ該回転体に対して回転自在に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項2】
請求項1において、
前記複数の施療子の外径が互いに異なることを特徴とするマッサージ機。
【請求項3】
減速機を介してモータに連結された軸回りに回転される回転体と、該回転体が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように、該回転体に設けられた複数の刺激付与部と、前記モータを制御し前記回転体を回転させて前記複数の刺激付与部のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部と、を備えており、
前記複数の刺激付与部は、円板状とされた前記回転体の外周側部位に周方向に間隔を空けて
、かつ前記回転体に対して回転自在に設けられた複数の突部であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項4】
請求項3において、
前記複数の突部の突出寸法が互いに異なることを特徴とするマッサージ機。
【請求項5】
請求項3
または4において、
前記回転体は、前記軸を軸心とする略真円の円板状であることを特徴とするマッサージ機。
【請求項6】
請求項1乃至
5のいずれか1項において、
前記複数の刺激付与部は、前記回転体の周方向に等間隔を空けて設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれか1項において、
前記回転体及び前記モータは、身体幅方向両側のそれぞれに対状に設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項8】
請求項1乃至
7のいずれか1項において、
前記回転体の回転角度を検出する検出部を備えていることを特徴とするマッサージ機。
【請求項9】
請求項1乃至
8のいずれか1項において、
前記複数の刺激付与部は、前記回転体の軸方向で互いに異なる位置となるように設けられていることを特徴とするマッサージ機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージ機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、被施療者を施療するマッサージ機が知られている。このようなマッサージ機には、被施療者を施療する揉み玉等の施療子が設けられているが、被施療者の好みや被施療部等に応じた施療子が望まれる。
例えば、下記特許文献1には、マッサージ器のアームの先端に対して回動される回動スリーブの先端に、径または硬さの異なるもみ玉が設けられ、回動スリーブを半回転させることでもみ玉の使い分けを可能としたもみ玉の切替え構造が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されたもみ玉の切替え構造では、もみ玉を切り替える際には、アームの先端に収納された圧縮スプリングのバネ力に抗して回動スリーブを押しながら回動させる必要があり、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、被施療者の好みや被施療部等に応じて刺激を付与する部分の切り替えが可能でありながらも、使い勝手を向上し得るマッサージ機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明に係るマッサージ機は、揉み動作させる際に駆動される揉み駆動部及び叩き動作させる際に駆動される叩き駆動部が設けられた施療部本体と、前記揉み駆動部及び前記叩き駆動部によって変位され前記施療部本体から前方に突出するように設けられたアーム部と、該アーム部に固定された支持部に設けられ、減速機を介してモータに連結された軸回りに回転される回転体と、該回転体が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように、該回転体に設けられた複数の刺激付与部と、前記モータを制御し前記回転体を回転させて前記複数の刺激付与部のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部と、を備えており、前記回転体には、前記複数の刺激付与部を構成する複数の円板状の施療子が周方向に間隔を空けて、かつ該回転体に対して回転自在に設けられていることを特徴とする。
前記目的を達成するために、本発明に係るマッサージ機は、減速機を介してモータに連結された軸回りに回転される回転体と、該回転体が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように、該回転体に設けられた複数の刺激付与部と、前記モータを制御し前記回転体を回転させて前記複数の刺激付与部のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部と、を備えており、前記複数の刺激付与部は、円板状とされた前記回転体の外周側部位に周方向に間隔を空けて、かつ前記回転体に対して回転自在に設けられた複数の突部であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るマッサージ機は、上述のような構成としたことで、被施療者の好みや被施療部等に応じて刺激を付与する部分の切り替えが可能でありながらも、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係るマッサージ機の一例を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、一部省略概略側面図である。
【
図2】(a)~(d)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の一例を模式的に示す一部破断概略側面図である。
【
図3】同マッサージ機の概略制御ブロック図である。
【
図4】(a)~(d)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の一変形例を模式的に示し、(a)、(c)は、概略正面図、(b)、(d)は、一部破断概略側面図である。
【
図5】(a)~(c)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の他の変形例を模式的に示す一部破断概略側面図である。
【
図6】(a)~(c)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の更に他の変形例を模式的に示す一部破断概略側面図である。
【
図7】(a)~(d)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の更に他の変形例を模式的に示し、(a)は、一部破断概略側面図、(b)~(d)は、概略正面図である。
【
図8】(a)~(d)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の更に他の変形例を模式的に示し、(a)は、一部破断概略側面図、(b)~(d)は、概略正面図である。
【
図9】(a)~(d)は、同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の更に他の変形例を模式的に示し、(a)、(c)は、概略正面図、(b)、(d)は、一部破断概略側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
以下の実施形態では、背凭れ起立状態のマッサージ機に着座した被施療者を基準として、前後方向、左右方向及び上下方向を説明する。
図1~
図9は、本実施形態に係るマッサージ機の一例及び同マッサージ機が備える回転体を含む施療部の変形例を模式的に示す図である。
【0010】
本実施形態に係るマッサージ機1は、
図1(a)、(b)に示すように、被施療者の背中を支持する背凭れ部2と、被施療者が着座する座部3と、を備えた椅子型のマッサージ機である。このマッサージ機1は、被施療者の脚を支持する脚載部(フットレスト)4と、座部3の左右両側に立ち上がるように設けられ、被施療者の腕を支持する肘掛部5,5と、を備えている。このマッサージ機1は、詳細には後述するが、被施療者の被施療部に刺激を付与する刺激付与部32,33,34(
図2参照)を有し、施療子を構成する施療体30を備えている。本実施形態では、施療体30は、身体幅方向(左右方向)両側のそれぞれに対状に設けられている。つまり、マッサージ機1は、施療体30を構成する左側施療体30A及び右側施療体30Bを備えている。このような構成とすれば、被施療者の身体幅方向両側のそれぞれの被施療部を、左側施療体30A及び右側施療体30Bによって施療することができる。
【0011】
本実施形態では、これら左側施療体30A及び右側施療体30Bは、身体長手方向に沿って移動可能とされた施療部を構成する施療ユニット12に設けられている。このような構成とすれば、左右の施療部のそれぞれを個別に身体長手方向に沿って移動可能とした構成と比べて、構造の簡素化を図ることができる。
また、本実施形態では、これら左側施療体30A及び右側施療体30Bの上下方向一方側(図例では、下方側)には、
図2(a)~(d)に示すように、他の施療子としての下側施療子22が設けられている。つまり、左側施療体30A及び右側施療体30Bは、上側の施療子を構成する。左側施療体30Aと下側施療子22とは、左側施療子ユニット20Aを構成し、右側施療体30Bと下側施療子22とは、右側施療子ユニット20Bを構成する。これら左右の施療子ユニット20A,20Bの具体的構成の一例については、後述する。
【0012】
背凭れ部2は、背凭れ駆動部6(
図3参照)によって起倒(リクライニング)自在とされている。この背凭れ部2は、座部3側となる下端部を支点として座部3に対して回動自在とされていてもよく、または、座部3とともに揺動(ロッキング)される構成でもよい。背凭れ駆動部6としては、背凭れ部2に連結され、適宜のモータによって伸縮されるロッドを有した電動アクチュエータであってもよい。マッサージ機1には、背凭れ駆動部6を制御するために背凭れ部2の傾斜角度を検出する適宜の傾斜角度検出部や、起立限界及び倒伏限界において背凭れ駆動部6を停止させる適宜の停止手段等が設けられていてもよい。
この背凭れ部2や座部3における後記する施療ユニット12と干渉しない適宜の位置に、被施療者の背中や腰、臀部等を施療するエアセルが設けられていてもよい。この背凭れ部2の左右両側に、被施療者の左右の肩を拘束や施療するエアセルが設けられていてもよい。
【0013】
脚載部4には、被施療者の左右の脚をそれぞれに受け入れる脚受溝が設けられている。この脚載部4は、脚載駆動部7(
図3参照)によって傾動自在とされている。この脚載部4は、座部3側となる上端部を支点として座部3に対して回動自在とされていてもよい。脚載駆動部7としては、上記同様、脚載部4に連結され、適宜のモータによって伸縮されるロッドを有した電動アクチュエータであってもよい。マッサージ機1には、脚載駆動部7を制御するために脚載部4の傾斜角度を検出する適宜の傾斜角度検出部や、傾動上限及び傾動下限において脚載駆動部7を停止させる適宜の停止手段等が設けられていてもよい。脚載部4は、被施療者の脚長手方向に沿って伸縮自在または昇降自在とされていてもよい。
この脚載部4に、脚受溝に受け入れた脚を施療するエアセルやローラー等の適宜の施療機構が設けられていてもよい。
【0014】
左右の肘掛部5,5は、被施療者の手指、前腕及び上腕の支持が可能なように座部3側から背凭れ部2側に亘って設けられている。これら左右の肘掛部5,5には、被施療者の左右の腕をそれぞれに受け入れる腕受溝が設けられていてもよい。これら左右の肘掛部5,5の腕受溝に受け入れた腕を施療するエアセルやローラー等の適宜の施療機構が設けられていてもよい。
マッサージ機1には、上記した各エアセルへの空気の供給及び各エアセルからの空気の排出を制御する給排気部8(
図3参照)が設けられている。給排気部8としては、各エアセルとポンプ等の空気源とを接続する空気管路を開閉する電磁弁等であってもよい。
【0015】
施療ユニット12は、
図1(b)に示すように、身体長手方向に沿うように長尺状に形成されたガイドレール9に沿ってマッサージ機1内において移動可能とされている。このガイドレール9は、図例では、単純化して示しているが、身体の背面形状に沿うように適宜の形状とされている。このガイドレール9は、図例では、背凭れ部2の上下方向の概ね全体及び座部3の前後方向の概ね全体に亘って一連状に設けられた例を示しているが、背凭れ部2のみに設けられていてもよい。このガイドレール9は、施療ユニット12の左右両端部をガイドするように、左右に間隔を空けた位置において対状に設けられている。これら左右のガイドレール9には、施療ユニット12の左右両端部に設けられたローラーやピン等の被ガイド部をガイドするガイド溝や施療ユニット12の左右両端部に設けられたピニオンが噛み合うラック等が設けられている。
【0016】
施療ユニット12の左右両端部には、上記した左右のガイドレール9のガイド溝に沿ってガイドされる被ガイド部が設けられている。被ガイド部は、施療ユニット12の左右両端部において身体長手方向に間隔を空けて2箇所に設けられていてもよい。施療ユニット12の左右両端部には、左右のガイドレール9のラックに噛み合うピニオンが設けられている。左右両側のピニオンは、身体長手方向一方の被ガイド部に対して同軸状に設けられていてもよい。
施療ユニット12には、左右両側のピニオンを回転させる本体昇降駆動部14(
図3参照)が設けられている。この本体昇降駆動部14は、適宜のモータからなり、適宜の減速機を介して左右両側のピニオン軸を回転させる。つまり、本体昇降駆動部14を駆動すれば、施療ユニット12の左右両側のピニオンが回転し、これが噛み合う左右のガイドレール9のラックに沿って施療ユニット12が身体長手方向に移動することとなる。マッサージ機1には、本体昇降駆動部14によって移動される施療ユニット12の昇降位置を検出する本体昇降位置検出部が設けられている。本体昇降位置検出部としては、本体昇降駆動部14によって回転される回転体の回転数を検出するロータリーエンコーダであってもよく、または、施療ユニット12及びガイドレール9のうちの一方に設けられた被検出部を検出する適宜のセンサーであってもよい。
【0017】
施療ユニット12には、左右の施療子ユニット20A,20Bが設けられた施療部本体13を、ガイドレール9に対して前後方向に進退させる際に駆動される本体進退駆動部が設けられていてもよい。本体進退駆動部としては、例えば、下端側を支点として上端側がガイドレール9の長手方向に対して概ね直交する方向となる概ね前後方向に変位するように施療ユニット12の本体保持部に対して揺動自在とされた施療部本体13を揺動させる構成とされていてもよい。この場合、本体進退駆動部を構成するモータに適宜の減速機を介して連結されたピニオンを本体保持部及び施療部本体13のうちの一方に設け、他方に、概ね前後方向に延び、ピニオンが噛み合う円弧状ラックを設けた構成であってもよい。つまり、本体進退駆動部を駆動すれば、ピニオンが回転し、これが噛み合う円弧状ラックに沿って左右の施療子ユニット20A,20Bとともに施療部本体13の上端側が概ね前後方向に進退する構成とされていてもよい。施療部本体13を進退させる本体進退機構としては、上記のような構成に限られず、施療部本体13をガイドレール9に対して直動的に進退させる構成とされていてもよく、その他、種々の構成とされていてもよい。マッサージ機1には、本体進退駆動部によって移動される施療部本体13の進退位置を検出する本体進退位置検出部が設けられていてもよい。本体進退位置検出部としては、上記した本体昇降位置検出部と同様なものであってもよい。このような本体進退機構を設けていない構成としてもよい。
【0018】
施療ユニット12には、施療部本体13に設けられた左右の施療子ユニット20A,20Bを左右方向(身体幅方向)に移動させる際に駆動される施療子幅駆動部15(
図3参照)が設けられている。施療部本体13には、左右の施療子ユニット20A,20Bを左右方向に移動自在にガイドするガイド軸や、施療子幅駆動部15を構成するモータに適宜の減速機を介して連結され、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bに設けられた雌ねじ部にねじ合わされてこれらを近接側または離反側に変位させるねじ軸等が設けられていてもよい。施療ユニット12には、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bの左右位置を検出する適宜の検出部が設けられていてもよい。
【0019】
施療ユニット12には、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bを揉み動作させる際に駆動される揉み駆動部16(
図3参照)が設けられている。施療部本体13には、揉み駆動部16を構成するモータに適宜の減速機を介して連結され、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bを円弧状に変位させる適宜の偏心ロータや揉み軸等が設けられていてもよい。
施療ユニット12には、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bを叩き動作させる際に駆動される叩き駆動部17(
図3参照)が設けられている。施療部本体13には、叩き駆動部17を構成するモータに適宜の減速機を介して連結され、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bをガイドレール9の長手方向となる概ね上下に変位させる適宜のクランク機構や偏心ロータ、叩き軸等が設けられていてもよい。
【0020】
上記のような施療子幅駆動部15、揉み駆動部16及び叩き駆動部17の全てが設けられていなくてもよい。例えば、揉み駆動部16を設けずに、施療子幅駆動部15及び本体昇降駆動部14によって揉み動作が可能とされていてもよい。
上記した各駆動部6,7,14,15,16,17を構成するモータ及び後述する施療体30のモータ23は、正逆回転可能で回転数の制御可能なサーボモータ等であってもよい。
上記のようなマッサージ機1の基本構成については、その他、種々の公知の構成の採用が可能である。
【0021】
施療体30は、
図2(a)~(d)に示すように、モータ23によって回転される回転体31を備えている。この回転体31には、当該回転体31が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように複数の刺激付与部32,33,34が設けられている。マッサージ機1は、
図3に示すように、モータ23を制御し回転体31を回転させて複数の刺激付与部32,33,34のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部10を備えている。このような構成とすれば、被施療者の好みや被施療部等に応じて付与する刺激及び刺激位置の両方または一方を切り替えることができる。また、制御部10がモータ23を制御することによって回転体31が回転されて切り替えがなされるので、使い勝手を向上させることができる。
マッサージ機1は、回転体31の回転角度を検出する検出部26を備えている。例えば、リミットスイッチ等で回転体31の回転を制御する構成とすれば、3つ以上の刺激付与部32,33,34を切替可能に設け難くなるが、上記構成によれば、刺激付与部32,33,34が3つ以上である場合にも回転体31の回転角度を検出することで回転体31を適切な回転角度に制御することができる。
【0022】
具体的には、施療体30をそれぞれに有する左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bは、互いに同様の構成とされており、以下では、具体的構成の一例について、左右のうちの一方を例にとって説明する。以下において、左右の区別を要しない場合には、左側施療子ユニット20A及び右側施療子ユニット20Bを施療子ユニット20とし、左側モータ23A及び右側モータ23Bをモータ23とし、左側検出部26A及び右側検出部26Bを検出部26とし、左側施療体30A及び右側施療体30Bを施療体30として説明する。
【0023】
施療子ユニット20は、
図2(a)に示すように、施療体30及び下側施療子22を支持する支持部21を備えている。この支持部21は、施療部本体13に前方に向けて突出するように設けられた施療部本体13側となるアーム部18に固定されている。この支持部21は、アーム部18に対して変位不能に固定されていてもよく、アーム部18に対して揺動自在に連結されていてもよい。
上記した施療子幅駆動部15、揉み駆動部16及び叩き駆動部17は、種々の機械的な伝達機構を介してこのアーム部18を変位させる構成とされていてもよい。施療子ユニット20の支持部21が施療部本体13側に対して固定的に設けられている場合には、このような施療子幅駆動部15、揉み駆動部16及び叩き駆動部17によって施療子ユニット20が変位される構成は含む一方、被施療者の身体の当接を伴って変位自在とされたような構成は除いてもよい。施療体30の刺激付与部32,33,34及び下側施療子22の被施療者の身体への当接とは、これらが直接的に身体に当接される構成に限られず、これらの前方側を覆うように一般的に設けられるシート状のカバーや衣服等を介した当接を含む。
【0024】
本実施形態では、支持部21は、身体長手方向に長尺状とされている。この支持部21は、その長手方向一方側端部にモータ23によって施療姿勢が切り替えられる一方の施療子を構成する回転体31が設けられ、長手方向他方側端部に、他方の施療子を構成する下側施療子22が設けられた構成とされている。図例では、支持部21は、左右方向に見て、三日月状(ブーメラン状)とされ、その上端部に回転体31が設けられ、下端部に下側施療子22が設けられた構成とされている。下側施療子22は、軸方向が概ね身体幅方向となる軸回りに回転自在とされたローラー状とされていてもよい。
また、モータ23によって施療姿勢が切り替えられる回転体31が上側の施療子を構成する態様に代えて、または加えて、モータ23によって施療姿勢が切り替えられる回転体31を下側施療子として設けた構成としてもよい。支持部21または別部位の上下や左右に、更に他の施療子が設けられていてもよい。支持部21の形状は、三日月状(ブーメラン状)に限られず、その他、種々の形状でもよい。
【0025】
回転体31には、本実施形態では、複数の刺激付与部を構成する複数の円板状の施療子32,33,34が周方向に間隔を空けて、かつ回転体31に対して回転自在に設けられている。このような構成とすれば、複数の円板状の施療子32,33,34のうちの少なくとも一つによって被施療者の被施療部を施療することができる。また、これら施療子32,33,34は、回転自在とされているので、マッサージ機1を覆うカバーや被施療者の衣服等と施療子32,33,34との摩擦を生じ難くすることができ、円滑に移動させることができる。
本実施形態では、複数の施療子32,33,34の外径が互いに異なる。このような構成とすれば、回転体31を回転させて施療姿勢を切り替えることで、付与する刺激を異ならせることができる。例えば、局所的に刺激を付与したい場合には、小径の施療子(32)が被施療部側となるように切り替えるなどして外径の異なる複数の施療子32,33,34のうちの少なくとも一つによって被施療部を施療することができる。
【0026】
具体的には、回転体31の回転軸25は、モータ23に減速機24を介して連結されている。この回転軸25は、本実施形態では、軸方向が概ね身体幅方向とされている。この回転軸25の軸方向は、例えば、身体幅方向に対していずれかの方向に20度程度の範囲で傾斜していてもよい。また、左側施療体30Aの回転軸25と右側施療体30Bの回転軸25とは、平行状とされていてもよく、互いに同方向や逆方向等、いずれかの方向に傾斜していてもよい。
回転体31には、本実施形態では、複数の施療子として、第1施療子32と第2施療子33と第3施療子34とが設けられている。回転体31には、軸心側から径方向外側に向けて突出する複数(図例では、3つ)の支持片部31a,31a,31aが設けられている。これら支持片部31a,31a,31aのそれぞれに各施療子32,33,34が回転自在に保持されている。これら支持片部31a,31a,31aは、各施療子32,33,34が周方向に等間隔を空けて配置されるように、回転体31の周方向に等間隔を空けて設けられている。つまり、本変形例では、隣り合う施療子32,33,34は、それぞれの軸心が回転軸25を円心とする円周上で互いに120度離間した位置となるように設けられている。
【0027】
各施療子32,33,34は、各支持片部31a,31a,31aの突出方向先端部に設けられた支軸31b,31b,31b回りに回転自在に設けられている。これら支軸31b,31b,31bは、身体長手方向に施療ユニット12が移動する際に各施療子32,33,34が円滑に回転するように、軸方向が概ね身体幅方向とされ、互いに平行状に設けられている。これら支軸31b,31b,31bは、それぞれに回転軸25から等距離となるように設けられている。このような態様に代えて、各施療子32,33,34が前方に突出した位置に切り替えられた状態で、被施療部側に向く部位が前後方向で概ね一致した位置となるように、各施療子32,33,34の外径に合わせて回転軸25からそれぞれの支軸31b,31b,31bまでの寸法を異ならせてもよい。
各施療子32,33,34は、それぞれの支軸31b,31b,31bを軸心とするローラー状とされている。これら施療子32,33,34は、回転軸25の軸方向で略同位置となるように設けられている。このような態様に代えて、後記する第1変形例のように、これら施療子32,33,34は、回転軸25の軸方向で互いに異なる位置となるように設けられていてもよい。このような構成とすれば、回転体31を回転させて施療姿勢を切り替えることで、付与する刺激及び刺激位置の両方の切替が可能となる。
本実施形態では、3つの施療子32,33,34のうち、第1施療子32の外径が最小とされ、第3施療子34の外径が最大とされている。図例では、第3施療子34の外径を、下側施療子22の外径と略同径状とした例を示しているが、このような例に限られない。これら施療子32,33,34及び下側施療子22は、外周面が円柱外周面状とされた構成に限られず、外周面に指圧効果を高める凹凸形状が略全周に亘って交互に設けられた構成でもよい。
【0028】
検出部26は、複数の刺激付与部を構成する施療子32,33,34が上記のように設けられた回転体31の切替制御が可能なように、回転体31の回転角度を検出する。この検出部26としては、モータ23やモータ23によって回転される歯車、回転体31等の種々の被検出回転体の回転数を検出する種々のロータリーエンコーダでもよく、ポテンショメータ等でもよい。また、検出部26としては、光学式や磁気式、超音波式等、どのような形式のものであってもよい。また、検出部26は、回転体31の任意の(絶対的な)角度情報の検出が可能な構成とされていてもよく、基準とする原点位置からの駆動量及び駆動時間に基づいて任意の角度情報の検出が可能な構成とされていてもよい。また、検出部26は、後記するように切替制御されて複数の施療姿勢とされる回転体31の施療姿勢毎の角度のみを検出可能な構成とされていてもよく、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0029】
マッサージ機1には、外部の商用電源等に接続され、上記した各部に駆動電源を供給する適宜の電源部や電源コード等が設けられている。
マッサージ機1は、
図3に示すように、各部を制御する制御部10と操作表示部11とを備えている。この操作表示部11は、制御部10に適宜の信号線等を介して接続されたリモートコントローラ等であってもよい。この操作表示部11には、当該マッサージ機1を起動及び停止(ON/OFF)する操作部や、各種施療モードを選択する操作部、背凭れ部2や脚載部4を傾斜させる操作部、施療ユニット12を移動させる操作部等が設けられている。また、この操作表示部11に、回転体31の施療姿勢を選択する操作部が設けられていてもよい。また、回転体31の施療姿勢は、施療モードや被施療部に応じて予め定められたプログラムに従って制御部10によって切り替えられる構成とされていてもよい。
操作表示部11としては、手指等で操作される操作部に限られず、音声入力によって操作可能とされた音声認識部を備えていてもよく、その他、種々の構成とされたものでもよい。操作表示部11としては、マッサージ機1に予め付属的に設けられたものに限られず、操作用のアプリケーションソフトがインストールされた携帯情報端末等であってもよい。
【0030】
制御部10は、マッサージ機1の座部3下方側等に内蔵されている。この制御部10には、CPU(Central Processing Unit)等の制御回路や、ROMやRAM等の各種のメモリー等を含むマイコン(MCU)等が設けられている。この制御部10には、
図3に示すように、上記した各駆動部や検出部等が信号線等を介して接続されている。この制御部10のメモリー等に格納され、予め定められたプログラムに従って、各検出部による検出値を参照しながら各駆動部が制御され、種々の施療モードの実行がなされる。なお、施療モード実行前に、被施療者の肩位置等の身体情報を検出するモードや種々の初期設定モードが実行されてもよい。
【0031】
制御部10は、操作表示部11からの操作入力や予め定められたプログラムに応じた施療姿勢となるように、検出部26による検出角度に基づいてモータ23を駆動制御し、回転体31を回転させる。
図2(a)では、第1施療子32が被施療部側(回転軸25よりも前方側に突出した位置)となる施療姿勢に回転体31を回転させた例を示している。この施療姿勢では、比較的に小径の第1施療子32と下側施療子22とによる施療が可能となる。
図2(b)では、第2施療子33が被施療部側となる施療姿勢に回転体31を回転させた例を示している。この施療姿勢では、第1施療子32よりも大径の第2施療子33と下側施療子22とによる施療が可能となる。
図2(c)では、第3施療子34が被施療部側となる施療姿勢に回転体31を回転させた例を示している。この施療姿勢では、第2施療子33よりも更に大径の第3施療子34と下側施療子22とによる施療が可能となる。
【0032】
図2(d)では、第1施療子32と第3施療子34とが被施療部側となる施療姿勢に回転体31を回転させた例を示している。この施療姿勢では、第1施療子32と第3施療子34と下側施療子22とによる施療が可能となる。また、図示を省略しているが、第1施療子32と第2施療子33とが被施療部側となる施療姿勢や、第2施療子33と第3施療子34とが被施療部側となる施療姿勢に回転体31を回転させることも可能である。本実施形態では、このように外径の異なる複数の施療子32,33,34によって被施療部に付与する刺激を異ならせることが可能となる。
このように回転体31が種々の施療姿勢とされた状態で、種々の施療モード、例えば、揉み施療モードや叩き施療モード、指圧施療モード等の実行が可能である。
左右の施療体30A,30Bのそれぞれの回転体31,31を同じ施療姿勢として施療してもよく、または、互いに異なる施療姿勢で施療することも可能である。
回転体31の施療姿勢としては、上記のような姿勢に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【0033】
次に、同マッサージ機1に適用可能な施療子ユニットの変形例について図面を参照して説明する。
以下の各変形例においては、先に説明した例との相違点について主に説明し、同様の構成については、同一符号を付し、その説明を省略または簡略に説明する。また、先に説明した例と同様に奏する作用効果についても説明を省略または簡略に説明する。また、以下の各変形例においても左右の施療子ユニットは互いに同様の構成であるので、上記した例と同様、左右の区別を要しない場合には一方を例にとって説明する。
【0034】
図4(a)~(d)は、第1変形例に係る施療子ユニット20Cの一例を模式的に示す図である。
本変形例においても施療体30Cの回転体27には、複数の施療子28,29が設けられている。本変形例では、上記した例とは異なり、複数の施療子28,29は、回転体27の軸(回転軸25)方向で互いに異なる位置となるように設けられている。このような構成とすれば、被施療部に応じて適切な位置の施療子28,29に切り替えて施療することができる。
本変形例では、回転体27に、複数の施療子として、第1施療子28と第2施療子29とが設けられている。回転体27には、軸心側から径方向外側に向けて突出する複数(図例では、2つ)の支持片部27a,27cが設けられている。本変形例では、回転体27は、回転軸25の軸方向で減速機24側に位置する第1支持片部27aと、回転軸25の軸方向で第1支持片部27aよりも減速機24から離間する側に位置する第2支持片部27cと、を備えている。
【0035】
これら第1支持片部27aと第2支持片部27cとは、上記した例と概ね同様、各施療子28,29が周方向に等間隔を空けて配置されるように、回転体27の周方向に等間隔を空けて設けられている。つまり、本変形例では、第1施療子28と第2施療子29とは、それぞれの軸心が回転軸25を円心とする円周上で互いに180度離間した位置となるように設けられている。
これら施療子28,29は、上記した例と同様、各支持片部27a,27cの突出方向先端部に設けられた支軸27b,27d回りに回転自在に設けられている。これら支軸27b,27dは、軸方向が概ね身体幅方向とされ、互いに平行状に設けられている。これら支軸27b,27dは、それぞれに回転軸25から等距離となるように設けられている。
第1施療子28と第2施療子29とは、本変形例では、略同径状とされている。つまり、本変形例では、回転体27を回転させて施療姿勢を切り替えた際に、各施療子28,29が付与する刺激は概ね同様であるが、刺激位置を異ならせる構成とされている。このような態様に代えて、第1施療子28と第2施療子29とは、異なる外径とされていてもよい。つまり、回転体27を回転させて施療姿勢を切り替えることで、付与する刺激及び刺激位置の両方の切替が可能とされていてもよい。
【0036】
本変形例においても上記した例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体27が適宜の施療姿勢に回転される。
図4(a)、(b)では、第1施療子28が被施療部側となる施療姿勢に回転体27を回転させた例を示している。この施療姿勢では、減速機24側の第1施療子28と下側施療子22とによる施療が可能となる。
図4(c)、(d)では、第2施療子29が被施療部側となる施療姿勢に回転体27を回転させた例を示している。この施療姿勢では、減速機24から離間した側の第2施療子29と下側施療子22とによる施療が可能となる。
また、図示を省略しているが、第1施療子28が第2施療子29よりも上側でかつこれらの両方が被施療部側となる施療姿勢や、第2施療子29が第1施療子28よりも上側でかつこれらの両方が被施療部側となる施療姿勢に回転体27を回転させることも可能である。
本変形例及び上記した例では、2つまたは3つの施療子を有した回転体27,31を例示しているが、4つ以上の施療子を有していてもよい。また、回転体27,31に設けられた1つまたは2つの施療子が被施療部側となるように切替可能とした例を示しているが、3つ以上の施療子が被施療部側となるように切替可能とされていてもよい。また、回転体27,31に設けられた複数の施療子のそれぞれの外周部を、異なる硬度等の材料から形成して付与する刺激を異ならせた態様等としてもよい。
【0037】
図5(a)~(c)は、第2変形例に係る施療子ユニット20Dの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Dの回転体31Aには、上記のようなローラー状の施療子が設けられていない。本変形例では、回転体31Aの外周面が複数の刺激付与部32A,33A,34A,34Aを構成する。本変形例では、回転体31Aは、回転軸25に対して直交する方向に長尺状とされている。図例では、回転体31Aは、回転軸25方向に見て、卵型状とされている。この回転体31Aには、長手方向一端側の第1刺激付与部32Aと長手方向他端側の第2刺激付与部33Aと短手方向両側の第3刺激付与部34A,34Aとが設けられている。第1刺激付与部32Aは、曲率半径が比較的に小とされた突湾曲面形状とされている。第2刺激付与部33Aは、曲率半径が第1刺激付与部32Aよりも大とされた突湾曲面形状とされている。第3刺激付与部34A,34Aは、これら第1刺激付与部32Aと第2刺激付与部33Aとを接続するように略平坦面形状とされている。これら第3刺激付与部34A,34Aのうちの一方または両方を、第2刺激付与部33Aよりも曲率半径が大とされた突湾曲面形状としてもよい。
【0038】
本変形例においても上記した各例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体31Aが適宜の施療姿勢に回転される。
図5(a)では、第1刺激付与部32Aが被施療部側となる施療姿勢に回転体31Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、曲率半径が比較的に小とされた突湾曲面形状の第1刺激付与部32Aと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図5(b)では、第2刺激付与部33Aが被施療部側となる施療姿勢に回転体31Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、曲率半径が比較的に大とされた突湾曲面形状の第2刺激付与部33Aと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図5(c)では、第3刺激付与部34Aが被施療部側となる施療姿勢に回転体31Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、略平坦面形状の第3刺激付与部34Aと下側施療子22とによる施療が可能となる。
回転体31Aの回転軸25方向に見た形状は、上記のような例に限られず、その他、種々の変形が可能である。また、この回転体31Aの外周部に、マッサージ機1を覆うカバーや被施療者の衣服等との摩擦を生じ難くすべく、無端ベルト状体や、複数の履板を連結した無限軌道帯、多数のローラー等が設けられていてもよく、また、後記するような種々の突部が設けられていてもよい。
【0039】
図6(a)~(c)は、第3変形例に係る施療子ユニット20Eの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Eの複数の刺激付与部は、円板状とされた回転体35の外周側部位に周方向に間隔を空けて設けられた複数の突部35a,35bである。このような構成とすれば、複数の突部35a,35bのうちのいずれかによって被施療者の被施療部を施療することができる。本変形例では、複数の突部35a,35bの突出寸法が互いに異なる。このような構成とすれば、突出寸法の異なる突部35a,35bのうちのいずれかによって被施療部を施療することができる。
回転体35は、回転軸25を軸心とする略真円の円板状とされている。本変形例では、この回転体35の外周縁部から径方向外側に向けて突出するように複数の突部35a,35bが設けられている。
【0040】
本変形例では、複数の突部35a,35bとして、比較的に突出寸法が大とされた第1外側突部35aと、この第1外側突起35aよりも突出寸法が小とされた第2外側突部35bと、を設けた例を示している。第1外側突部35aは、先端部が突湾曲面形状とされ、基端側部位が略円柱形状とされている。第2外側突部35bは、基端部の外径が第1外側突部35aの基端部の外径よりも大とされた略半球形状とされている。これら第1外側突部35aと第2外側突部35bとは、回転軸25を円心とする円周上で互いの近接側の角度が120度の位置となるように設けられている。つまり、これら第1外側突部35aと第2外側突部35bとは、回転体35を二等分したうちの一方の半円部に片寄るように設けられている。つまりは、回転体35の他方の半円部には突部が設けられていない例を示している。
【0041】
本変形例においても上記した各例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体35が適宜の施療姿勢に回転される。
図6(a)では、第1外側突起35aが被施療部側となる施療姿勢に回転体35を回転させた例を示している。この施療姿勢では、先端部の突湾曲面形状の曲率半径が小とされ、かつ突出寸法が大とされた第1外側突起35aと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図6(b)では、第2外側突起35bが被施療部側となる施療姿勢に回転体35を回転させた例を示している。この施療姿勢では、先端部の突湾曲面形状の曲率半径が大とされ、かつ突出寸法が小とされた第2外側突起35bと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図6(c)では、第1外側突起35a及び第2外側突起35bが設けられていない側となる他方の半円部が被施療部側となる施療姿勢に回転体35を回転させた例を示している。この施療姿勢では、第1外側突起35a及び第2外側突起35bよりも曲率半径が大とされた回転体35の外周部と下側施療子22とによる施療が可能となる。
【0042】
図7(a)~(d)は、第4変形例に係る施療子ユニット20Fの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Fの複数の突部35c,35d,35eは、上記した第3変形例の回転体35と概ね同様の円板状とされた回転体35Aの回転軸25方向で互いに異なる位置となるように設けられている。このような構成とすれば、第1変形例と概ね同様、被施療部に応じて適切な位置の突部35c,35d,35eに切り替えて施療することができる。
本変形例では、回転体35Aの外周縁部から径方向外側に向けて突出する複数の突部35c,35d,35eとして、減速機24側の第1外側突部35cと、この第1外側突部35cよりも減速機24から離間した位置に設けられた第2外側突部35dと、この第2外側突部35dよりも更に減速機24から離間した位置に設けられた第3外側突部35eと、を設けた例を示している。本変形例では、これら第1外側突部35c、第2外側突部35d及び第3外側突部35eは、回転体35Aの周方向に等間隔を空けて設けられている。本変形例では、これら第1外側突部35c、第2外側突部35d及び第3外側突部35eは、先端部が突湾曲面形状とされ、基端側部位が略円柱形状とされ、かつ互いに略同寸法で略同形状とされている。
【0043】
本変形例においても上記した各例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体35Aが適宜の施療姿勢に回転される。
図7(a)、(b)では、第2外側突部35dが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、回転体35Aの回転軸25方向で略中央部に位置する第2外側突部35dと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図7(c)では、第3外側突部35eが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、回転体35Aの回転軸25方向で減速機24から離間した側の縁部に位置する第3外側突部35eと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図7(d)では、第1外側突部35cが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Aを回転させた例を示している。この施療姿勢では、回転体35Aの回転軸25方向で減速機24側の縁部に位置する第1外側突部35cと下側施療子22とによる施療が可能となる。
【0044】
図8(a)~(d)は、第5変形例に係る施療子ユニット20Gの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Gの複数の突部35f,35g,35hは、上記した第3変形例の回転体35と概ね同様の円板状とされた回転体35Bの回転軸25方向一方側に向く一側面の外周側部位に周方向に間隔を空けて設けられている。これら突部35f,35g,35hは、回転体35Bの一側面から回転軸25方向一方側に向けて突出するように設けられている。本変形例では、突出寸法が互いに異なる3つの突部35f,35g,35hとして、突出寸法が比較的に小とされた第1横側突部35fと、この第1横側突部35fよりも突出寸法が大とされた第2横側突部35gと、この第2横側突部35gよりも突出寸法が更に大とされた第3横側突部35hと、を設けた例を示している。これら突部35f,35g,35hは、回転体35Bの周方向に等間隔を空けて設けられている。
【0045】
これら第1横側突部35f、第2横側突部35g及び第3横側突部35hは、先端部が突湾曲面形状とされ、基端側部位が略円柱形状とされている。本変形例では、第1横側突部35fの外径が比較的に小とされ、第2横側突部35gの外径が第1横側突部35fよりも大とされ、第3横側突部35hの外径が第2横側突部35gよりも大とされている。図例では、これら第1横側突部35f、第2横側突部35g及び第3横側突部35hは、略相似形状とされた例を示しているが、このような例に限られない。
なお、左右の施療体30A,30Bは、それぞれの突部35f,35g,35hが互いに向き合う方向となるように設けられていてもよい。
【0046】
本変形例においても上記した各例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体35Bが適宜の施療姿勢に回転される。
図8(a)、(b)では、第1横側突部35fが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Bを回転させた例を示している。この施療姿勢では、突出寸法及び外径が小とされた第1横側突部35fと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図8(c)では、第2横側突部35gが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Bを回転させた例を示している。この施療姿勢では、突出寸法及び外径が第1横側突部35fよりも大とされた第2横側突部35gと下側施療子22とによる施療が可能となる。
図8(d)では、第3横側突部35hが被施療部側となる施療姿勢に回転体35Bを回転させた例を示している。この施療姿勢では、突出寸法及び外径が第2横側突部35gよりも大とされた第3横側突部35hと下側施療子22とによる施療が可能となる。
【0047】
図9(a)、(b)は、第6変形例に係る施療子ユニット20Hの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Hの回転体35Cに、上記した第3変形例と同様な第1外側突部35a及び第2外側突部35b、並びに上記した第5変形例と同様な第1横側突部35f、第2横側突部35g及び第3横側突部35hを設けた構成としている。このような構成とすれば、上記した第3変形例と同様な切替姿勢に加えて、第5変形例と同様な切替姿勢となるように回転体35Cを回転させて種々の施療が可能となる。
【0048】
図9(c)、(d)は、第7変形例に係る施療子ユニット20Iの一例を模式的に示す図である。
本変形例では、施療体30Iの複数の突部37,38,39は、上記した第3変形例の回転体35と概ね同様の円板状とされた回転体35Dに対して回転自在に設けられている。このような構成とすれば、上記同様、マッサージ機1を覆うカバーや被施療者の衣服等と突部37,38,39との摩擦を生じ難くすることができ、円滑に移動させることができる。
本変形例では、回転体35Dの外周縁部から径方向外側に向けて突出する複数の突部37,38,39として、比較的に突出寸法及び周方向に沿う寸法が小とされた第1外側突部37と、この第1外側突部37よりも突出寸法及び周方向に沿う寸法が大とされた第2外側突部38と、この第2外側突部38よりも突出寸法及び周方向に沿う寸法が大とされた第3外側突部39と、を設けた例を示している。
【0049】
本変形例では、これら第1外側突部37、第2外側突部38及び第3外側突部39は、回転体35Dの周方向に等間隔を空けて設けられている。
本変形例では、これら第1外側突部37、第2外側突部38及び第3外側突部39は、軸方向が概ね身体幅方向とされ、互いに平行状に設けられた支軸36,36,36回りに回転自在とされた円板状体における回転体35Dから突出した部位とされている。つまり、第1外側突部37を構成する円板状体よりも第2外側突部38を構成する円板状体が大径状とされ、第2外側突部38を構成する円板状体よりも第3外側突部39を構成する円板状体が大径状とされている。
これら第1外側突部37、第2外側突部38及び第3外側突部39の各支軸36,36,36は、回転体35Dの外周側部位に周方向に等間隔を空けて設けられ、それぞれに回転軸25から等距離となるように設けられている。
【0050】
本変形例においても上記した各例と同様、制御部10によってモータ23が駆動制御され、回転体35Dが適宜の施療姿勢に回転される。
図9(c)、(d)では、第1外側突部37が被施療部側となる施療姿勢に回転体35Dを回転させた例を示している。この施療姿勢では、突出寸法及び周方向に沿う寸法が小とされた第1外側突部37と下側施療子22とによる施療が可能となる。また、図示を省略しているが、第2外側突部38が被施療部側となる施療姿勢に回転体35Dを回転させれば、突出寸法及び周方向に沿う寸法が第1外側突部37よりも大とされた第2外側突部38と下側施療子22とによる施療が可能となる。また、図示を省略しているが、第3外側突部39が被施療部側となる施療姿勢に回転体35Dを回転させれば、突出寸法及び周方向に沿う寸法が第2外側突部38よりも大とされた第3外側突部39と下側施療子22とによる施療が可能となる。
【0051】
上記した各例では、回転体27,31,31A,35,35A~35Dの回転軸25を、概ね身体幅方向とした例を示しているが、概ね身体長手方向や概ね身体厚さ方向としてもよい。回転軸25の軸方向を概ね身体長手方向とした場合は、
図2を参照して説明した回転体31の施療子32,33,34や第1変形例の回転体27の施療子28,29、第7変形例の回転体35Dの突部37,38,39を、回転体31,27,35Dの回転軸25に対して直交する軸方向となる身体幅方向に沿う軸回りに回転自在に設けた構成としてもよい。また、回転軸25の軸方向を概ね身体厚さ方向とした場合は、回転体の被施療者側に向く面に、被施療者側に向けて突出する上記同様な突部を設けた構成としてもよい。この場合、回転体の軸心に対して偏心させた位置に回転軸25を設けた構成等としてもよい。また、このような突部や、上記した第3変形例~第7変形例において説明したような突部を、回転体に設けられたボール受部に対して回転自在に設けられたボール状体の一部としてもよい。つまり、突部を、いわゆるフリーボールベアリングによって構成してもよい。このような構成とすれば、上記同様、マッサージ機1を覆うカバーや被施療者の衣服等と突部との摩擦を生じ難くすることができ、円滑に移動させることができる。
【0052】
また、上記した各例において説明した互いに異なる構成を、組み替えたり、組み合わせたりして適用するようにしてもよい。
また、上記した各例では、回転体27,31,31A,35,35A~35Dを含む施療体30,30A~30Iを、主に背中や腰を施療する施療ユニット12に設けた例を示しているが、このような例に限られず、頭部や腕、臀部、脚部等を施療する箇所に設けた構成としてもよい。
本実施形態に係るマッサージ機1を構成する各部の構成や施療モードは、上記した例に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 マッサージ機
10 制御部
23A 左側モータ(モータ)
23B 右側モータ(モータ)
25 回転軸(回転体の軸)
26A 左側検出部(検出部)
26B 右側検出部(検出部)
27,31,31A,35,35A~35D 回転体
28,32 第1施療子(施療子、刺激付与部)
29,33 第2施療子(施療子、刺激付与部)
34 第3施療子(施療子、刺激付与部)
32A 第1刺激付与部(刺激付与部)
33A 第2刺激付与部(刺激付与部)
34A 第3刺激付与部(刺激付与部)
35a,35c,37 第1外側突部(突部、刺激付与部)
35b,35d,38 第2外側突部(突部、刺激付与部)
35e,39 第3外側突部(突部、刺激付与部)
35f 第1横側突部(突部、刺激付与部)
35g 第2横側突部(突部、刺激付与部)
35h 第3横側突部(突部、刺激付与部)
【要約】
マッサージ機1は、モータ23によって回転される回転体31と、該回転体が回転されることで、付与する刺激及び刺激位置の両方または一方の切り替えが可能となるように、該回転体に設けられた複数の刺激付与部32,33,34と、前記モータを制御し前記回転体を回転させて前記複数の刺激付与部のうちの少なくとも一つが被施療部側となるように切り替える制御部10と、を備えている。