(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】表示装置及びその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20221005BHJP
H04N 5/66 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
G09G3/20 641E
G09G3/20 611E
G09G3/20 632G
G09G3/20 631U
G09G3/20 641P
G09G3/20 641R
H04N5/66 B
(21)【出願番号】P 2017205370
(22)【出願日】2017-10-24
【審査請求日】2020-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2016-0151386
(32)【優先日】2016-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110002619
【氏名又は名称】弁理士法人PORT
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 昌彦
【審査官】橋本 直明
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-153628(JP,A)
【文献】特開2009-044460(JP,A)
【文献】特開2010-175737(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0278775(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/20
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクセルを含む表示パネルと、
1つのフレームに対応するフレーム映像信号を受信し、前記フレーム映像信号に基づいて、前記表示パネルを駆動させる第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号を生成する制御部と、を含み、
前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号は、各々が前記1つのフレームから分割されたサブフレームに対応し、
前記制御部は、
前記フレーム映像信号に高周波成分を増加させた高周波映像信号と前記フレーム映像信号から高周波成分を減少させた低周波映像信号とを出力するフィルター部と、
前記高周波映像信号の中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号から超過信号を生成する超過信号生成部と、
前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいた前記第1サブフレーム映像信号と前記超過信号及び前記低周波映像信号とに基づいた前記第2サブフレーム映像信号を選択的に出力する信号出力部と、
前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する減算部と、
前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する加算部と、
前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出するコントラスト算出部と、
前記高周波中間信号の平坦度を算出する平坦度算出部と、を含み、
前記高周波中間信号の前記平坦度は、前記複数のピクセルのうち、前記高周波中間信号の階調値が所定の基準値以下であるピクセルの数として定義され、
前記信号出力部は、前記平坦度に対応づけられ、フリッカ現象を感じないコントラストの臨界値としてあらかじめ決められた臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブル、補正信号生成手段及び出力手段を含み、
前記補正信号生成手段は、前記臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成し、
前記出力手段は、前記高周波映像信号から前記超過信号と前記補正信号とを減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波映像信号に前記超過信号と前記補正信号とを加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する表示装置。
【請求項2】
前記超過信号の階調値は、前記一部の高周波映像信号の階調値から前記最大許容階調値を減算した階調値である請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記超過信号生成部は、前記一部の高周波映像信号の階調値の中で最大値が前記最大許容階調値と同一になるように前記高周波映像信号に変換常数を乗算して高周波中間信号を生成し、
前記超過信号は、前記高周波映像信号から前記高周波中間信号を減算した信号である請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記補正信号生成手段は、数式(1)によって前記補正信号を生成し、
【数1】
・・・(1)
前記βは、前記補正信号であり、前記Hは、前記高周波映像信号であり、前記Lは、前記低周波映像信号であり、前記Climは、前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストであり、前記αは、前記超過信号である請求項
1に記載の表示装置。
【請求項5】
前記コントラスト算出部は、数式(2)によって前記フレーム映像信号の前記コントラストを算出し、
【数2】
・・・(2)
前記Cは、前記フレーム映像信号の前記コントラストであり、前記Hは、前記高周波映像信号であり、前記Lは、前記低周波映像信号であり、前記αは、前記超過信号である請求項
1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記信号出力部は、前記平坦度に対応づけられ、フリッカ現象を感じないコントラストの臨界値としてあらかじめ決められた臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブル、補正信号生成手段、フィルター手段及び出力手段を含み、
前記補正信号生成手段は、前記臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成し、
前記フィルター手段は、前記超過信号と前記補正信号を加算した信号を低域通過フィルタリング(lowpass filtering)させたフィルタリング信号を出力し、
前記出力手段は、前記高周波映像信号から前記フィルタリング信号を減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波映像信号に前記フィルタリング信号を加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する請求項1に記載の表示装置。
【請求項7】
1つのフレームに対応するフレーム映像信号を受信する段階と、
前記フレーム映像信号に基づいて、複数のピクセルを含む表示パネルを駆動させる第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号を生成する段階と、を含み、
前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号は、各々が前記1つのフレームから分割されたサブフレームに対応し、
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、
前記フレーム映像信号に高周波成分を増加させた高周波映像信号を出力する段階と、
前記フレーム映像信号から高周波成分を減少させた低周波映像信号を出力する段階と、
前記高周波映像信号の中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号から超過信号を生成する段階と、
前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階と、
前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階と、
前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する段階と、
前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する段階と、
前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出する段階と、
前記高周波中間信号の平坦度を算出する段階と、
を含み、
前記高周波中間信号の前記平坦度は、前記複数のピクセルのうち、前記高周波中間信号の階調値が所定の基準値以下であるピクセルの数として定義され、 前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号を生成する段階
は、前記平坦度に対応づけられ、フリッカ現象を感じないコントラストの臨界値としてあらかじめ決められた臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブル、補正信号を生成する段階及び出力する段階と、を含み、
前記補正信号を生成する段階は、前記臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成し、
前記出力する段階は、前記高周波映像信号から前記超過信号と前記補正信号とを減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波映像信号に前記超過信号と前記補正信号とを加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力することを含む、表示装置の駆動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置及びその駆動方法に係る発明で、さらに具体的には、フリッカ現象等を改善させた表示装置及びその駆動方法に係る発明である。
【背景技術】
【0002】
デジタル映像信号(以下、単なる‘映像信号’と称する)が示す映像には、圧縮時に量子化等の影響によってフレーム間ノイズ(inter-frame noise)が存在することがある。これに対しては、当該ノイズを低減する技術が開発されている。
【0003】
具体的には、映像信号から算出される平坦度に基づいてノイズを低減する技術である。このように、平坦度を考慮して、ノイズを低減すれば、撮像ディバイスによる撮像に起因する撮像ノイズやアナログ伝送ノイズ等のノイズを低減することができる。しかし、このような場合、映像に動きがある領域まで処理が行われてしまい、残像が発生する恐れがある。
【0004】
また、動きの適応処理によって停止領域に対してノイズ低減処理を実施する技術もある。この場合、無限インパルス応答フィルター(Infinite Impulse Response filter)の帰還係数を固定してノイズの低減処理を遂行した後、入力される入力映像(現フレームの映像)と出力される出力映像との差分が大きくならないように制御することによって、動きの適応処理を実現する。しかし、このような処理技術によれば、映像に鮮やかなエッジ(edge)やテクスチャー(texture)が存在する領域ではより大きい振幅のフレーム間ノイズが発生することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第8,749,708号明細書
【文献】米国特許第5,828,366号明細書
【文献】特開第2016-080950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的はフリッカ現象等を改善した表示装置及びその駆動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態に係る表示装置は、複数のピクセルを含む表示パネル、1つのフレームに対応するフレーム映像信号を受信し、前記フレーム映像信号に基づいて、前記表示パネルを駆動させる第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号とを生成する制御部を含み、前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号は、各々が前記1つのフレームから分割されたサブフレームに対応し、前記制御部は前記フレーム映像信号に高周波成分を増加させた高周波映像信号と前記フレーム映像信号から高周波成分を減少させた低周波映像信号とを出力するフィルター部、前記高周波映像信号の中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号から超過信号を生成する超過信号生成部、及び前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいた前記第1サブフレーム映像信号と前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいた前記第2サブフレーム映像信号とを選択的に出力する信号出力部を含む。
【0008】
前記超過信号の階調値は前記一部の高周波映像信号の階調値から前記最大許容階調値を減算した階調値である。
【0009】
本発明の他の一実施形態に係る表示装置で前記超過信号生成部は前記一部の高周波映像信号の階調値の中で最大値が前記最大許容階調値と同一になるように前記高周波映像信号に変換常数を乗算して高周波中間信号を生成し、前記超過信号は前記高周波映像信号から前記高周波中間信号を減算した信号である。
【0010】
本発明の一実施形態に係る表示装置において、前記制御部は前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する減算部及び前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する加算部をさらに含み、前記信号出力部は前記高周波中間信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波中間信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0011】
前記制御部は前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出するコントラスト算出部、及び前記高周波中間信号の平坦度を算出する平坦度算出部をさらに含み、前記信号出力部は平坦度に対応する臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブル、補正信号生成手段、及び出力手段を含み、前記補正信号生成手段は前記臨界ルックアップテーブルに格納差有れる前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成し、前記出力手段は前記高周波映像信号から前記超過信号と前記補正信号を差分して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波映像信号で前記超過信号と前記補正信号とを加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0012】
前記補正信号生成手段は数式(1)によって前記補正信号を生成する。
【0013】
【0014】
前記βは前記補正信号であり、前記Hは前記高周波映像信号であり、前記Lは前記低周波映像信号であり、前記Climは前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストであり、前記αは前記超過信号である。
【0015】
前記コントラスト算出部は数式(2)によって前記フレーム映像信号の前記コントラストを算出する。
【0016】
【0017】
前記Cは前記フレーム映像信号の前記コントラストであり、前記Hは前記高周波映像信号であり、前記Lは前記低周波映像信号であり、前記αは前記超過信号である。
【0018】
前記高周波中間信号の前記平坦度は前記複数のピクセルの中で前記高周波中間信号で階調値が所定の基準値以下であるピクセルの数である。
【0019】
前記制御部は前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する減算部、前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する加算部、前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出するコントラスト算出部、及び前記高周波中間信号の平坦度を算出する平坦度算出部をさらに含み、前記信号出力部は平坦度に対応する臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブル、補正信号生成手段、フィルター手段、及び出力手段を含み、前記補正信号生成手段は前記臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成し、前記フィルター手段は前記超過信号と前記補正信号とを加算した信号を低域通過フィルタリング(low pass filtering)させたフィルタリング信号を出力し、前記出力手段は前記高周波映像信号から前記フィルタリング信号を減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記低周波映像信号に前記フィルタリング信号を加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0020】
本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動方法は1つのフレームに対応する映像信号を受信する段階及び前記フレーム映像信号に基づいて、複数のピクセルを含む表示パネルを駆動させる第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号とを生成する段階を含み、前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号は、各々が前記1つのフレームから分割されたサブフレームに対応し、前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、前記フレーム映像信号に高周波成分を増加させた高周波映像信号を出力する段階、前記フレーム映像信号から高周波成分を減少させた低周波映像信号を出力する段階、前記高周波映像信号の中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号から超過信号を生成する段階、前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階、及び前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階を含む。
【0021】
前記超過信号の階調値は前記一部の高周波映像信号の階調値から前記最大許容階調値を減算した階調値である。
【0022】
本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動方法において、前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、前記一部の高周波映像信号の階調値の中で最大値が前記最大許容階調値と同一になるように前記高周波映像信号に変換常数を乗算して高周波中間信号を生成する段階をさらに含み、前記超過信号は前記高周波映像信号から前記高周波中間信号を減算した信号である。
【0023】
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する段階及び前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する段階をさらに含み、前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階で前記第1サブフレーム映像信号は前記高周波中間信号に基づいて出力され、前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階で前記第2サブフレーム映像信号は前記低周波中間信号に基づいて出力される。
【0024】
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出する段階、前記高周波中間信号の平坦度を算出する段階、及び平坦度に対応する臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成する段階をさらに含み、前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階で前記高周波映像信号から前記超過信号と前記補正信号とを減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階で前記低周波映像信号に前記超過信号と前記補正信号とを加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0025】
前記補正信号を生成する段階で、前記補正信号は数式(1)によって生成される。
【0026】
【0027】
前記βは前記補正信号であり、前記Hは前記高周波映像信号であり、前記Lは前記低周波映像信号であり、前記Climは前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストであり、前記αは前記超過信号である。
【0028】
前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出する段階で、前記フレーム映像信号のコントラストは数式(2)によって算出される。
【0029】
【0030】
前記Cは前記フレーム映像信号の前記コントラストであり、前記Hは前記高周波映像信号であり、前記Lは前記低周波映像信号であり、前記αは前記超過信号である。
【0031】
前記高周波中間信号の前記平坦度は前記複数のピクセルの中で前記高周波中間信号で階調値が所定の基準値以下であるピクセルの数である。
【0032】
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、前記高周波映像信号から前記超過信号を減算した高周波中間信号を生成する段階、前記低周波映像信号に前記超過信号を加算した低周波中間信号を生成する段階、前記高周波中間信号と前記低周波中間信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出する段階、前記高周波中間信号の平坦度を算出する段階、平坦度に対応する臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波中間信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成する段階、及び前記超過信号と前記補正信号とを算算した信号を低域通過フィルタリング(low pass filtering)してフィルタリング信号を出力する段階をさらに含み、前記超過信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階で前記高周波映像信号から前記フィルタリング信号を減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記超過信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階で前記低周波映像信号に前記フィルタリング信号を加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0033】
本発明の他の一実施形態に係る表示装置の駆動方法は、1つのフレームに対応する映像信号を受信する段階及び前記フレーム映像信号に基づいて、複数のピクセルを含む表示パネルを駆動させる第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号とを生成する段階を含み、前記第1サブフレーム映像信号と第2サブフレーム映像信号は、各々が前記1つのフレームから分割されたサブフレームに対応し、前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は前記フレーム映像信号に高周波成分を増加させた高周波映像信号を出力する段階、前記フレーム映像信号から高周波成分を減少させた低周波映像信号を出力する段階、前記高周波映像信号と前記低周波映像信号とに基づいて前記フレーム映像信号のコントラスト(contrast)を算出する段階、前記高周波映像信号の平坦度を算出する段階、平坦度に対応する臨界コントラストを格納する臨界ルックアップテーブルに格納される前記高周波映像信号の前記平坦度に対応する臨界コントラストより前記フレーム映像信号の前記コントラストが大きい場合、前記超過信号及び前記高周波映像信号の前記平坦度に対応する前記臨界コントラストに基づいて補正信号を生成する段階、前記補正信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階、及び前記補正信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階を含む。
【0034】
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、
前記高周波映像信号から前記補正信号を減算した補正差分信号の中で階調値が最大許容階調値以上である一部の補正差分信号から超過信号を生成する段階をさらに含み、前記補正信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階で、前記高周波映像信号から前記補正信号と前記超過信号とを減算した第1サブフレーム映像信号を出力し、前記補正信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階で前記低周波映像信号に前記補正信号と前記超過信号とを加算した第2サブフレーム映像信号を出力する。
【0035】
前記第1サブフレーム映像信号と前記第2サブフレーム映像信号とを生成する段階は、前記超過信号と前記補正信号を加算した信号を低域通過フィルタリング(low pass filtering)してフィルタリング信号を出力する段階をさらに含み、前記補正信号及び前記高周波映像信号に基づいて前記第1サブフレーム映像信号を出力する段階で、前記高周波映像信号から前記フィルタリング信号を減算して前記第1サブフレーム映像信号を出力し、前記補正信号及び前記低周波映像信号に基づいて前記第2サブフレーム映像信号を出力する段階で、前記低周波映像信号に前記フィルタリング信号を加算して前記第2サブフレーム映像信号を出力する。
【発明の効果】
【0036】
本発明で表示装置はフレーム映像信号の周波数を倍速化し、1つのフレームの空間周波数を高周波成分及び低周波成分に分配してモーションブラーを改善する。これに伴ってクリップ現象及びフリッカ(flicker)現象が発生するが、超過信号から高周波中間信号及び低周波中間信号を生成することによって、クリップ現象を除去することができ、補正信号から第1サブフレーム映像信号及び第2サブフレーム映像信号を生成することによってフリッカ現象を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】本発明の一実施形態に係る表示装置の概略的なブロック図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る制御部のブロック図である。
【
図3A】本発明の一実施形態に係る補正ユニットのブロック図である。
【
図3B】本発明の一実施形態に係る信号出力部のブロック図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係る超過信号を説明するためのグラフである。
【
図4B】本発明の一実施形態に係る低周波中間信号を説明するためのグラフである。
【
図4C】本発明の一実施形態に係る高周波中間信号を説明するためのグラフである。
【
図5A】本発明の他の実施形態に係る超過信号及び高周波中間信号を説明するための図である。
【
図5B】本発明の他の実施形態に他の低周波中間信号を説明するための図である。
【
図6】本発明の他の一実施形態に係る信号出力部のブロック図である。
【
図7A】本発明の他の一実施形態に係る補正ユニットのブロック図である。
【
図7B】本発明の他の一実施形態に係る信号出力部のブロック図である。
【
図8】本発明の他の一実施形態に係る補正ユニットのブロック図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る表示装置の駆動方法についてのフロー図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係る第1及び第2サブフレーム映像信号の出力段階を説明するフロー図である。
【
図11】本発明の他の実施形態に係る第1及び第2サブフレーム映像信号の出力段階を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるが、ここでは、特定の実施形態を図面に例示し、本文で詳細に説明する。しかし、このことは本発明を特定の開示形態について限定しようとすることを意味するのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物乃至代替物を含むこととして理解されるべきである。
【0039】
各図面を説明する際には、類似な参照符号を類似な構成要素に対して使用した。図面における構造物の寸法は本発明を理解しやすくするために実際の寸法よりも拡大して図示したものである。「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素を説明するために使用されるが、これらの構成要素は「第1」、「第2」等の用語によって限定されてはならない。用語は1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱しなく、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称されることができる。単数の表現は、明確に単数であることを表現しない限り、複数の場合をも含むものとする。
【0040】
本出願で、“含む”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、又はこれらを組み合わせたものが存在することを表現しようするものであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又はこれらを組合したものの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分“上に”又は“うえに”にあるとする場合、これは他の部分“すぐ上に”ある場合のみならず、その中間にその他の部分がある場合も含む。反対に、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の“下部に”あるとする場合、これは、他の部分の“直ちに下に”ある場合のみでなく、その中間にその他の部分がある場合も含む。
【0041】
以下、添付した図面を参照して本発明の望ましい実施形態をより詳細に説明する。
図1は本発明の一実施形態に係る表示装置1000の概略的なブロック図である。
【0042】
図1を参照すれば、本発明の一実施形態に係る表示装置1000は映像を表示する表示パネル400、表示パネル400を駆動するゲートドライバー200、及びデータドライバー300、ゲートドライバー200とデータドライバー300との駆動を制御する制御部100を含む。
【0043】
制御部100は表示装置1000の外部からフレーム映像信号FIPS及び複数の制御信号CSを受信する。制御部100はデータドライバー300のインターフェイス仕様に合うようにフレーム映像信号FIPSのデータフォーマットを変換して後述する第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2を生成し、第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2をデータドライバー300に提供する。
【0044】
また、制御部100は複数の制御信号CSに基づいてデータ制御信号DCS(例えば、出力開始信号、水平開始信号等)及びゲート制御信号GCS(例えば、垂直開始信号、垂直クロック信号、及び垂直クロックバー信号)を生成する。データ制御信号DCSはデータドライバー300に提供され、ゲート制御信号GCSはゲートドライバー200に提供される。
【0045】
ゲートドライバー200は制御部100から提供されるゲート制御信号GCSに応答してゲート信号を順次出力する。
【0046】
データドライバー300は制御部100から提供されるデータ制御信号DCSに応答して第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2をデータ電圧に変換して出力する。出力されたデータ電圧は表示パネル400に印加される。
【0047】
表示パネル400は複数のゲートラインGL1~GLn、複数のデータラインDL1~DLm、複数のピクセルPXを含む。説明の簡易のために
図1には1つのピクセルPXが図示されているが、実際には、複数のピクセルPXがマトリックス状に配列されることができる。
【0048】
ピクセルPXの各々はレッド、グリーン、及びブルーの中で互いに異なる主要カラーを表示することができる。但し、これに限定されなく、ピクセルPXは多様な色相のカラーを表示することができる。
【0049】
複数のゲートラインGL1~GLnは第2方向DR2に延長され、第2方向DR2と垂直になる第1方向DR1に互いに平行に配列される。複数のゲートラインGL1~GLnはゲートドライバー200と連結されて、ゲートドライバー200からゲート信号を受信する。
【0050】
複数のデータラインDL1~DLmは第1方向DR1に延長され、第2方向DR2に互いに並行に配列される。複数のデータラインDL1~DLmはデータドライバー300と連結されてデータドライバー300からデータ電圧を受信する。
【0051】
ピクセルPXの各々は複数のゲートラインGL1~GLnの中で対応するゲートライン及び複数のデータラインDL1~DLmの中で対応するデータラインと連結されて駆動される。
【0052】
図2は本発明の一実施形態に係る制御部100のブロック図である。
図3Aは本発明の一実施形態に係る補正ユニット103のブロック図である。
図3Bは本発明の一実施形態に係る信号出力部124のブロック図である。
図4Aは本発明の一実施形態に係る超過信号OSを説明するためのグラフである。
図4Bは本発明の一実施形態に係る低周波中間信号LMSを説明するためのグラフである。
図4Cは本発明の一実施形態に係る高周波中間信号HMSを説明するためのグラフである。
図5Aは本発明の他の実施形態に係る超過信号OS及び高周波中間信号HMSを説明するための図である。
図5Bは本発明の他の実施形態に他の低周波中間信号LMSを説明するための図である。
【0053】
図2を参照すれば、制御部100は信号変換部101、フィルター部102、補正ユニット103及び信号逆変換部104を含む。信号変換部101は外部から受信したフレーム映像信号FIPSをガンマ変換する。即ち、信号変換部101はフレーム映像信号FIPSを電子信号の形態から輝度データを含む輝度信号の形態に変換する。
【0054】
図2では図示していないが、制御部100はフレームレートコンバーター(図示せず)を含む。フレームコンバーターはフレーム映像信号FIPSのフレーム周波数を高くする。その結果、1つのフレームが分割されて複数のサブフレームが生成される。そして、複数のサブフレームの各々に対応して、第1サブフレーム映像信号FSIPS1と第2サブフレーム映像信号FSIPS2とが生成される。但し、これに限定されることではなく、複数のサブフレームは3つ以上のサブフレームを含み、これに対応して、第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2以外のサブフレーム映像信号も生成されることができるのは勿論である。本明細書には例示的に制御部100が第1サブフレーム映像信号FSIPS1と第2サブフレーム映像信号FSIPS2とを出力する場合について説明する。
【0055】
フィルター部102はフィルター111、減算器112及び加算器113を含む。フィルター111はフレーム映像信号FIPSを受信する。フィルター111は低域通過フィルター(low pass filter:LPF)を含む。本発明の一例としてフィルター111はフレーム映像信号FIPSを受信してフレーム映像信号FIPSの高周波成分を減少し、低周波映像信号LISを出力することができる。
【0056】
低周波映像信号LIS及びフレーム映像信号FIPSは減算器112に入力される。減算器112はフレーム映像信号FIPSから低周波映像信号LISを減算した差分信号MSを加算器113に出力する。
【0057】
加算器113はフレーム映像信号FIPSと差分信号MSとを受信する。加算器113はフレーム映像信号FIPSと差分信号MSとを加算して高周波映像信号HISを出力する。
【0058】
補正ユニット103は低周波映像信号LIS及び高周波映像信号HISを受信する。補正ユニット103は低周波映像信号LIS及び高周波映像信号HISを各々補正して第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2を信号逆変換部104に選択的に出力する。
【0059】
信号逆変換部104は第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2を電子信号形態に変換してデータドライバー300(
図1に図示される)に選択的に出力する。
【0060】
以下、補正ユニット103について詳細に説明する。
【0061】
図3Aを参照すれば、補正ユニット103は超過信号生成部121、減算部125、加算部126、コントラスト算出部122、平坦度算出部123及び信号出力部124を含む。
【0062】
超過信号生成部121は高周波映像信号HISを受信する。超過信号生成部121は高周波映像信号HISの中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号HISから超過信号OSを生成する。以下、超過信号OSについて
図4Aを用いて説明する。
【0063】
図4Aに図示されたグラフにおいて、X軸はピクセルの各々を示し、Y軸は映像信号の階調値を示す。X軸及びY軸が何を示すかは
図4B及び
図4Cはもちろん後述する
図5A及び
図5Bのグラフにおいても同様である。
【0064】
高周波映像信号HISの階調値の一部は最大許容階調値を超過する。例えば、映像信号が表示できる最大許容階調値は255階調である。この時、高周波映像信号HISの階調値の一部分は
図4Aに示すように255階調を超過する。255階調を超過する高周波映像信号HISの階調値の一部分はピクセルの中で一部に対応する。超過信号OSの階調値は高周波映像信号HISの中で最大許容階調値を超過する部分から最大許容階調値を減算した階調値である。その結果、超過信号生成部121は高周波映像信号HISで255階調を超過する部分についての新しい信号である超過信号OSを生成する。超過信号OSは
図4Bの斜線部分に該当する信号である。
【0065】
加算部126は低周波映像信号LISと超過信号OSを加算して低周波中間信号LMSを生成する。
図4Bに示すように低周波中間信号LMSは実線である低周波映像信号LISに超過信号OSを加算した信号である。
【0066】
減算部125は高周波映像信号HISから超過信号OSを減算して高周波中間信号HMSを生成する。
図4Cに示すように高周波中間信号HMSは高周波映像信号HISから最大許容階調値を超過した部分が除去された信号である。
【0067】
超過信号OSは前述した内容に限定されない。超過信号OSは多様な方法に生成すことができる。例えば、
図5Aに示すように高周波映像信号HISで255階調を超過する部分で最大値を有する階調値が許容階調値(この例では、255階調)と同一になるように高周波映像信号HISに変換常数Lを乗算して高周波中間信号HMS’を生成することもできる。この時、超過信号OS’は高周波映像信号HISから高周波中間信号HMS’を減算した信号であり、低周波中間信号LMS’は低周波映像信号LISに超過信号OS’を加算した信号である。
【0068】
以下で説明する内容は
図4A乃至
図4Cで説明した超過信号OSについてであるが、
図5A乃至
図5Bで説明した超過信号OSについても適用することができるのは勿論である。
【0069】
再び
図3Aに戻って説明する。コントラスト算出部122は高周波中間信号HMS及び低周波中間信号LMSを受信する。コントラスト算出部122は高周波中間信号HMSと低周波中間信号LMSとに基づいてフレーム映像信号FIPSのコントラスト(contrast、CTR)を算出して信号出力部124に出力する。本発明の一例として、フレーム映像信号FIPSのコントラストCTRは次のようにコントラストCTR算出式によって算出することができる。
【数5】
コントラストCTR算出式:
【0070】
平坦度算出部123は高周波中間信号HMSの平坦度FLNを算出して信号出力部124に出力する。本明細書で高周波中間信号HMSの平坦度FLNというのはピクセルPX(
図1に図示される)中高周波中間信号HMSで階調値が所定の基準値以下であるピクセルの数として定義することができる。基準値の場合には任意に定めることができる。例えば、高周波中間信号HMSの平坦度FLNは高周波中間信号HMSをラプラシアンフィルター(laplacian filter)を通過させて出た結果値に基づいて決定することができる。
【0071】
図3Aでは平坦度算出部123が高周波中間信号HMSを受信して高周波中間信号HMSの平坦度FLNを算出する例を図示したが、これに限定されるものではなく、平坦度算出部123は高周波映像信号HISを受信して高周波映像信号HISの平坦度FLNを算出して信号出力部124に出力することもできる。
【0072】
図3Bを参照すれば、信号出力部124は臨界ルックアップテーブル(LUT)131、補正信号生成手段132及び出力手段133を含む。
【0073】
臨界ルックアップテーブル131には平坦度に対応する臨界コントラストが格納される。臨界コントラストは表示装置1000が表示する所定の映像を視聴する視聴者の中に表示される映像でフリッカ(flicker)現象を感じる視聴者の数から導出される。所定の映像の平坦度とコントラストとは変化させることができ、その時毎にフリッカ現象を感じる視聴者の数は変わることがある。前記変化を通じて、平坦度にしたがってすべての視聴者がフリッカ現象を感じないコントラストの臨界値を導出することができる。これに基づいて、臨界ルックアップテーブル131には平坦度に対応する臨界コントラストが格納される。
【0074】
補正信号生成手段132は高周波映像信号HIS、低周波映像信号LIS、フレーム映像信号FIPSのコントラストCTR、高周波中間信号HMSの平坦度FLN及び超過信号OSを受信する。補正信号生成手段132は臨界ルックアップテーブル131を参照して、高周波中間信号HMSの平坦度FLNに対応する臨界コントラストよりフレーム映像信号FIPSのコントラストCTRが大きい場合(即ち、フリッカ現象を感じる視聴者が存在する場合)に、超過信号OS及び高周波中間信号HMSの平坦度FLNに対応する臨界コントラストClimに基づいて補正信号AMSを生成する。例えば、補正信号生成手段132は超過信号OS、高周波中間信号HMSの平坦度FLNに対応する臨界コントラストClim、高周波映像信号HIS、及び低周波映像信号LISに基づいて、補正信号AMSを生成する。本発明の一例として補正信号AMSは下記のような補正信号算出式によって生成される。
【数6】
補正信号算出式:
【0075】
補正信号算出式におけるClimは高周波中間信号HMSの平坦度FLNに対応する臨界コントラストである。
【0076】
出力手段133は高周波映像信号HIS、低周波映像信号LIS、超過信号OS及び補正信号AMSを受信する。出力手段133は、高周波映像信号HISから超過信号OS及び補正信号AMSを減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1を算出した上で、当該第1サブフレーム映像信号FSIPS1を信号逆変換部104(
図2に図示される)に出力し、又は、低周波映像信号LISに超過信号OS及び補正信号AMSを加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2を算出した上で、当該第2サブフレーム映像信号FSIPS2を信号逆変換部104に出力する。さらに詳細に説明すれば、出力手段133は第1サブフレーム映像信号FSIPS1と第2サブフレーム映像信号FSIPS2のうちいずれか一方を選択して信号逆変換部104に出力する。本発明の一例として、出力手段133は第1サブフレーム映像信号FSIPS1を複数のサブフレームの中で1つのサブフレームに対応させて信号逆変換部104に出力し、第2サブフレーム映像信号FSIPS2を複数のサブフレームの中で他の1つのサブフレームに対応させて信号逆変換部104に出力する。
【0077】
信号逆変換部104については前述したので、省略する。
【0078】
このようにフレーム映像信号FIPSの周波数を倍速化し、1つのフレームの空間周波数を高周波成分及び低周波成分で分配してモーションブラー(motion blurr)を改善する。これに伴って、クリップ(clip)現象及びフリッカ(flicker)現象が発生するが、超過信号OSから高周波中間信号HMS及び低周波中間信号LMSを生成することによって、クリップ現象を除去することができ、補正信号AMSから第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2を生成することによってフリッカ現象を除去することができる。
【0079】
図6は本発明の他の一実施形態に係る信号出力部124’のブロック図である。
【0080】
図6を参照すれば、信号出力部124’は
図3Bの信号出力部124の構成と比較すると、フィルター手段134をさらに含む。フィルター手段134は超過信号OS及び補正信号AMSを受信して加算した上で、加算した信号をフィルタリングする。本発明の一例でフィルター手段134は低域通過フィルター(図示せず)を含み、フィルター手段134は、低域通過フィルターを通じて、前述の加算された信号を低域通過フィルタリング(low pass filtering)してフィルタリング信号FTSを生成する。但し、フィルター手段134は、低域通過フィルターを含む構成に限定されるものではなく、多様なフィルターを含むことができる。例えば、フィルター手段134はディザ(dither)又はゲインリミッタ(gain limiter)を含んでもよい。
【0081】
出力手段133’は補正信号生成手段132から高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISを受信し、フィルター手段134からフィルタリング信号FTSを受信する。出力手段133’は高周波映像信号HISからフィルタリング信号FTSを減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1’を信号逆変換部104に出力し、低周波映像信号LISにフィルタリング信号FTSを加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2’を信号逆変換部104に出力する。
【0082】
このように信号出力部124’がフィルター手段134をさらに含むことによって、補正信号AMSから補正される範囲が非常に大きい場合に発生するノイズ発生等の現象を防止することができる。
【0083】
図7Aは本発明の他の一実施形態に係る補正ユニット103”のブロック図である。
図7Bは本発明の他の一実施形態に係る信号出力部124”のブロック図である。
【0084】
図7A及び
図7Bを参照すれば、コントラスト算出部122は高周波映像信号HISを受信する。コントラスト算出部122は高周波映像信号HISのコントラストCTR”を信号出力部124”に出力する。
【0085】
平坦度算出部123は高周波映像信号HISを受信する。平坦度算出部123は高周波映像信号HISの平坦度FLN”を信号出力部124”に出力する。
【0086】
図7Bに示すように、信号出力部124”の補正信号生成手段132は、高周波映像信号HISのコントラストCTR”、高周波映像信号HISの平坦度FLN”、高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISを受信し、これらに基づいて
図3Bに示した補正信号生成手段132と同様の方法によって補正信号AMS”を生成する。そして、出力手段133は高周波映像信号HISから補正信号AMS”を減算した補正減算信号ANSと、低周波映像信号LISに補正信号AMS”を加算した補正加算信号ASSを出力する。
【0087】
超過信号生成部121は補正減算信号ANSを受信し、
図3Aに示した超過信号生成部121と同様の方法によって超過信号OS”を生成する。
【0088】
減算部125’は補正差分信号ANSと超過信号OS”とを受信する。減算部125’は補正差分信号ANSから超過信号OS”を減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1を出力する。
【0089】
加算部126’は補正加算信号ASSと超過信号OS”とを受信する。加算部126’は補正加算信号ASSに超過信号OS”を加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2を出力する。
【0090】
このようにフレーム映像信号FIPSの周波数を倍速化し、1つのフレームの空間周波数を高周波成分及び低周波成分で分配してモーションブラー(motion blurr)を改善する。これに伴ってクリップ(clip)現象及びフリッカ(flicker)現象が発生するが、超過信号OS”を生成することによってフレーム映像信号FIPSのクリップ現象を除去することができ、補正信号AMS”及び超過信号OS”から第1サブフレーム映像信号FSIPS1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2を生成することによってフリッカ現象を除去することができる。
【0091】
その他の構成については
図3A乃至
図3Bと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0092】
図8は本発明の他の一実施形態に係る補正ユニット103”のブロック図である。
【0093】
図8を参照すれば、補正ユニット103”はフィルター手段134’及び演算部135をさらに含む。
【0094】
信号出力部124”の補正信号生成手段132は、低周波映像信号LIS、高周波映像信号HIS、高周波映像信号HISのコントラストCTR”及び高周波映像信号HISの平坦度FLN”を受信し、
図7Bに示した補正信号生成手段132と同様の方法により補正信号AMS”を生成し、出力手段133は補正信号AMS”を減算部125”に出力する。即ち、信号出力部124”は補正信号AMS”を減算部125”に出力する。減算部125”は高周波映像信号HISと補正信号AMS”とを受信する。減算部125”は高周波映像信号HISから補正信号AMS”を減算した補正差分信号ANSを超過信号生成部121に出力する。
【0095】
超過信号生成部121は補正差分信号ANSを受信し、これに基づいて
図7Aに示した超過信号生成部121と同様の方法により超過信号OS”をフィルター手段134’に出力する。
【0096】
フィルター手段134’は超過信号OS”及び補正信号AMS”を受信して加算する。フィルター手段134’は加算した信号をフィルタリングする。本発明の一例でフィルター手段134’は低域通過フィルター(図示せず)を含み、フィルター手段134’は低域通過フィルターを通じて、前述の加算された信号を低域通過フィルタリング(low pass filtering)してフィルタリング信号FTS’を生成する。但し、フィルター手段134’は、低域通過フィルターに限定されるものではなく、多様なフィルターを含むことができる。例えば、フィルター手段134’はディザ(dither)又はゲインリミッタ(gain limiter)を含んでもよい。
【0097】
演算部135は高周波映像信号HIS、低周波映像信号LIS及びフィルタリング信号FTS’を受信する。演算部135は高周波映像信号HISからフィルタリング信号FTS’を減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1’を信号逆変換部104に出力し、低周波映像信号LISにフィルタリング信号FTS’を加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2’を信号逆変換部104に出力する。
【0098】
このように補正ユニット103”がフィルター手段134’をさらに含むことによって、補正信号AMS”から補正される範囲が非常に大きい場合に発生するノイズ発生等を防止することができる。
【0099】
その他の構成については
図7A及び
図7Bと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0100】
図9は本発明の一実施形態に係る表示装置1000の駆動方法に対するフロー図である。
【0101】
図1及び
図9を参照すれば、制御部100はフレーム映像信号FIPSを受信する(S901)。そして、制御部100はフレーム映像信号FIPSに基づいて各々が1つのフレームから分割されたサブフレームに対応する第1サブフレーム映像信号FSIPS1と第2サブフレーム映像信号FSIPS2とを生成し、これらを選択的に出力する(S902)。
【0102】
図10は本発明の一実施形態に係る第1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS1、FSIPS2の出力段階を説明するフロー図である。
【0103】
図2、
図3A、
図3B及び
図10を参照すれば、先ずフィルター部102を通じて高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISを出力する(S1001_1、S1001_2)。そして、超過信号生成部121は高周波映像信号HISの中で階調値が最大許容階調値以上である一部の高周波映像信号HISから超過信号OSを生成する(S1002)。そして、減算部125を通じて高周波映像信号HISに超過信号OSを減算した高周波中間信号HMSを生成し(S1003_1)、加算部126を通じて低周波映像信号LISに超過信号OSを加算した低周波中間信号LMSを生成する(S1003_2)。
【0104】
次に、コントラスト算出部122は高周波中間信号HMS及び低周波中間信号LMSを通じてフレーム映像信号FIPSのコントラストCTRを算出し、平坦度算出部123は高周波中間信号HMSの平坦度FLNを算出する(S1004)。信号出力部124の補正信号生成手段132は超過信号OS、高周波中間信号HMSの平坦度FLN、高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISに基づいて、補正信号AMSを生成する(S1005)。
【0105】
信号出力部124の出力手段は高周波映像信号HISから超過信号OS及び補正信号AMSを減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1を生成して(S1006_1)、信号逆変換部104に出力し、低周波映像信号LISに超過信号OS及び補正信号AMSを加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2を生成して(S1006_2)、信号逆変換部104に出力する。
【0106】
また、図面としては図示しなかったが、
図10のフロー図でS1005とS1006_1との間又はS1005とS1106_2との間に
図6に示したように超過信号OSと補正信号AMSとを加算した信号をフィルター手段134の低域通過フィルターに通過させてフィルタリング信号FTSを生成し、これに基づいて第1サブフレーム映像信号FSIPS1’及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2’を生成して出力することもできる。
【0107】
その他の内容については
図2、
図3A及び
図3Bで説明したので、詳細な説明は省略する。
【0108】
図11は本発明の他の実施形態に係る第1及び第2サブフレーム映像信号FSIPS1、FSIPS2の出力段階を説明するフロー図である。
【0109】
図2、
図7A、
図7B及び
図11を参照すれば、
図10と比較する時、補正信号AMS”が超過信号OS”より先に生成していることがわかる(S1103及びS1105参照)。
【0110】
先ず、フィルター部102を通じて高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISを出力する(S1101_1、S1101_2)。コントラスト算出部122は、高周波映像信号HISを受信して高周波映像信号HISのコントラストCTR”を算出し、平坦度算出部123は高周波映像信号HISの平坦度FLN”を算出する(S1102)。次に信号出力部124”の補正信号生成手段132は、高周波映像信号HISのコントラストCTR”、高周波映像信号HISの平坦度FLN”、高周波映像信号HIS及び低周波映像信号LISを受信し、これらに基づいて補正信号AMS”を生成する(S1103)。そして、信号出力部124”の出力手段133は高周波映像信号HISから補正信号AMS”を減算した補正差分信号ANSを生成し(S1104_1)、低周波映像信号LISに補正信号AMS”を加算した補正加算信号ASSを生成する(S1104_2)。超過信号生成部121は補正差分信号ANSを受信し、
図3Aに示した超過信号生成部121と同様の方法によって超過信号OS”を生成する(S1105)。減算部125’は補正差分信号ANSから超過信号OS”を減算して第1サブフレーム映像信号FSIPS1を生成して(S1106_1)、信号逆変換部104に出力する。加算部126’は補正加算信号ASSに超過信号OS”を加算して第2サブフレーム映像信号FSIPS2を生成して(S1106_2)、信号逆変換部104に出力する。
【0111】
また、図面としては図示しなかったが、
図11のフロー図でS1105とS1106_1との間又はS1105とS1106_2との間に
図8に示したように超過信号OS”と補正信号AMSとを加算した信号をフィルター手段134’の低域通過フィルターに通過させてフィルタリング信号FTS’を生成し、これに基づいて第1サブフレーム映像信号FSIPS1’及び第2サブフレーム映像信号FSIPS2’を生成して出力することもできる。
【0112】
その他の内容については
図7A及び
図7Bで説明したので、詳細な説明は省略する。
【0113】
以上、実施形態を参照して説明したが、該当技術分野の熟練された当業者は下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で本発明を多様に修正及び変更することができることを理解するべきである。また、本発明に開示された実施形態は本発明の技術思想を限定するためのものではなく、下記の特許請求の範囲及びそれと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることと解釈されなければならない。
【符号の説明】
【0114】
100 制御部
101 信号変換部
102 フィルター部
103 補正ユニット
104 信号逆変換部
111 フィルター
112 減算器
113 加算器
121 超過信号生成部
122 コントラスト算出部
123 平坦度算出部
124 信号出力部
125 減算部
126 加算部
131 臨界LUT
132 補正信号生成手段
133 出力手段
200 ゲートドライバー
300 データドライバー