(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】イメージセンサー
(51)【国際特許分類】
H01L 27/146 20060101AFI20221005BHJP
H04N 5/335 20110101ALI20221005BHJP
H01L 31/10 20060101ALI20221005BHJP
H01L 31/0232 20140101ALI20221005BHJP
H01L 27/30 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N5/335
H01L27/146 E
H01L31/10 A
H01L31/10 D
H01L31/02 D
H01L27/30
(21)【出願番号】P 2018076598
(22)【出願日】2018-04-12
【審査請求日】2021-03-26
(31)【優先権主張番号】10-2017-0047540
(32)【優先日】2017-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】弁理士法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石井 勝
(72)【発明者】
【氏名】李 貴 徳
(72)【発明者】
【氏名】李 泰 淵
【審査官】加藤 俊哉
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/002826(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0372036(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H04N 5/335
H01L 31/10
H01L 31/0232
H01L 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1面及び第2面を有する半導体基板と、
前記半導体基板の第2面に配置されて光電荷を生成する光電変換素子と、
前記半導体基板の第1面に隣接し、前記光電変換素子に連結されて前記光電変換素子で生成された光電荷を格納する電荷格納ノードと、を備え、
前記電荷格納ノードは、
第1導電型の
前記半導体基板内に提供された第2導電型のフローティング拡散領域と、
前記半導体基板内に提供され、前記フローティング拡散領域上に提供された第1導電型のバリアー不純物領域と、
前記半導体基板内の前記バリアー不純物領域上に提供された第2導電型の電荷ドレーン領域と、を含
み、
前記フローティング拡散領域、前記バリアー不純物領域、及び電荷ドレーン領域は、前記第2面から離隔されることを特徴とするイメージセンサー。
【請求項2】
前記電荷格納ノードは、前記フローティング拡散領域及び前記バリアー不純物領域から離隔されて前記電荷ドレーン領域内に提供された第2導電型のピックアップ不純物領域を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項3】
前記ピックアップ不純物領域に連結されてバイアス電圧を提供する配線を更に含むことを特徴とする請求項2に記載のイメージセンサー。
【請求項4】
前記電荷ドレーン領域における第2導電型の不純物の濃度は、前記フローティング拡散領域における第2導電型の不純物の濃度よりも低いことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項5】
前記半導体基板の第1面上に提供された下部絶縁膜と、
前記光電変換素子と前記電荷格納ノードとを連結する連結配線構造体と、を更に含み、
前記連結配線構造体は、
前記半導体基板を貫通して前記光電変換素子の第1端子に接続された貫通電極と、
前記下部絶縁膜を貫通して前記フローティング拡散領域に接続された第1下部コンタクトプラグと、
前記下部絶縁膜を貫通して前記貫通電極に接続された第2下部コンタクトプラグと、
前記第1下部コンタクトプラグと前記第2下部コンタクトプラグとを連結する連結配線と、を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項6】
前記光電変換素子は、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間に介在する有機光電変換層を含むことを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサー。
【請求項7】
第1導電型の半導体基板内に提供された第2導電型のフローティング拡散領域と、
前記半導体基板内に
提供され、前記フローティング拡散領域から離隔されて配置された第2導電型を有する電荷ドレーン領域と、
前記半導体基板内に
提供され、前記フローティング拡散領域と前記電荷ドレーン領域との間に提供された第1導電型のバリアー不純物領域と、
前記半導体基板上に配置されたバッファ絶縁膜と、
前記バッファ絶縁膜上に提供され、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間に介在する有機光電変換層を含む有機光電変換素子と、
前記フローティング拡散領域と前記有機光電変換素子の下部電極とを連結する第1連結配線構造体と、を備え
、
前記電荷ドレーン領域の幅は、前記フローティング拡散領域の幅よりも大きいことを特徴とするイメージセンサー。
【請求項8】
前記バリアー不純物領域における第1導電型の不純物の濃度は、前記フローティング拡散領域における第2導電型の不純物の濃度よりも低いことを特徴とする請求項1又は7に記載のイメージセンサー。
【請求項9】
前記電荷ドレーン領域内に提供され、前記フローティング拡散領域及び前記バリアー不純物領域から離隔された第2導電型のピックアップ不純物領域を更に含むことを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項10】
前記ピックアップ不純物領域にバイアス電圧を提供するための第2連結配線構造体を更に含むことを特徴とする請求項9に記載のイメージセンサー。
【請求項11】
前記フローティング拡散領域に電気的に連結されたリセットトランジスタを更に含むことを特徴とする請求項1又は7に記載のイメージセンサー。
【請求項12】
前記フローティング拡散領域に電気的に連結されたゲート電極を含む増幅トランジスタを更に含むことを特徴とする請求項1又は7に記載のイメージセンサー。
【請求項13】
前記第1連結配線構造体は、
前記半導体基板を貫通する貫通電極と、
前記貫通電極と前記下部電極とを連結する上部コンタクトプラグと、
前記貫通電極及び前記フローティング拡散領域にそれぞれ接続された下部コンタクトプラグと、
前記下部コンタクトプラグの各々を連結する連結配線と、を含むことを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項14】
前記半導体基板内に提供され、第2導電型の不純物を含む光電変換領域を更に含み、
前記光電変換領域は、平面の観点で前記有機光電変換素子に重畳することを特徴とする請求項7に記載のイメージセンサー。
【請求項15】
第1導電型の半導体基板と、
前記半導体基板上に配置された有機光電変換素子と、
前記半導体基板内に提供され、第2導電型の第1不純物領域、第2導電型の第2不純物領域、及び前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に提供された第1導電型の第3不純物領域を含む第2電荷格納ノードと、
前記有機光電変換素子と前記第2電荷格納ノードの第1不純物領域とを連結する第1連結配線構造体と、
前記半導体基板内に提供された第2導電型の光電変換領域と、
前記半導体基板内に提供され、前記第2電荷格納ノードから離隔され
て第2導電型の不純物を含む第1電荷格納ノードと、
前記半導体基板上に提供され
、前記光電変換領域で生成された電荷を前記第1電荷格納ノードに伝達するトランスファートランジスタと、を備え
、
前記光電変換領域は、前記半導体基板の上面に対して垂直な方向で前記第1~第3不純物領域に重畳することを特徴とするイメージセンサー。
【請求項16】
前記有機光電変換素子は、平面の観点で前記光電変換領域に重畳することを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項17】
前記有機光電変換素子と前記半導体基板の一面との間に提供されたバッファ絶縁膜と、
前記有機光電変換素子と前記バッファ絶縁膜との間に提供されたカラーフィルターと、を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項18】
前記第2不純物領域内に提供され、前記第1不純物領域及び前記第3不純物領域から離隔された第2導電型の第4不純物領域を更に含み、
前記第2電荷格納ノードの第4不純物領域に連結されてバイアス電圧を提供するための第2連結配線構造体を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項19】
前記第3不純物領域における第1導電型の不純物の濃度は、前記第1不純物領域における第2導電型の不純物の濃度よりも低いことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項20】
前記第2電荷格納ノードの第1不純物領域に連結された第2増幅ゲートを有する第2増幅トランジスタと、
前記第1電荷格納ノードに連結された第1増幅ゲートを有する第1増幅トランジスタと、を更に含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項21】
前記半導体基板上に提供された下部絶縁膜を更に含み、
前記第1連結配線構造体は、
前記半導体基板を貫通して前記有機光電変換素子の第1端子に接続された貫通電極と、
前記下部絶縁膜を貫通して前記第2電荷格納ノードの第1不純物領域に接続された第1下部コンタクトプラグと、
前記下部絶縁膜を貫通して前記貫通電極に接続された第2下部コンタクトプラグと、
前記第1下部コンタクトプラグと前記第2下部コンタクトプラグとを連結する連結配線と、を含むことを特徴とする請求項15に記載のイメージセンサー。
【請求項22】
前記有機光電変換素子は、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間に介在する有機光電変換層を含み、
前記第1連結配線構造体は、前記下部電極と前記貫通電極とを連結する上部コンタクトプラグを含むことを特徴とする請求項21に記載のイメージセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イメージセンサーに係り、より詳細には、光学的特性をより向上させたイメージセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセンサーは光学映像を電気信号に変換する。最近、コンピュータ産業及び通信産業の発達に応じてデジタルカメラ、カムコーダー、PCS(Personal Communication System)、ゲーム機器、警備用カメラ、医療用マイクロカメラ等の多様な分野で性能を向上させたイメージセンサーの需要が増大している。
【0003】
イメージセンサーとしては電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)及びCMOSイメージセンサーがある。この中で、CMOSイメージセンサーは、駆動方式が簡単であり、信号処理回路を単一チップに集積できるため、製品の小型化が可能である。また、CMOSイメージセンサーは、電力消耗が非常に低いため、バッテリー容量が制限的な製品に適用が容易である。従って、CMOSイメージセンサーは、技術開発と共に高解像度が具現可能であるため、その使用が急激に増加している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第9,197,830号明細書
【文献】米国特許第9,343,500号明細書
【文献】米国特許第9,564,465号明細書
【文献】米国特許第9,165,964号明細書
【文献】米国特許第8,988,571号明細書
【文献】米国特許第9,641,784号明細書
【文献】米国特許出願公開第2017/0141144号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、より向上させた光学的特性を有するイメージセンサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様によるイメージセンサーは、光電荷を生成する光電変換素子と、前記光電変換素子で生成された光電荷を格納する電荷格納ノードと、前記光電変換素子と前記電荷格納ノードとを連結する連結配線構造体と、を備え、前記電荷格納ノードは、第1導電型の半導体基板内に提供された第2導電型のフローティング拡散領域と、前記半導体基板内の前記フローティング拡散領域上に提供された第1導電型のバリアー不純物領域と、前記半導体基板内の前記バリアー不純物領域上に提供された第2導電型の電荷ドレーン領域と、を含む。
【0007】
上記目的を達成するためになされた本発明の他の態様によるイメージセンサーは、第1導電型の半導体基板内に提供された第2導電型のフローティング拡散領域と、前記半導体基板内に前記フローティング拡散領域から離隔されて配置された第2導電型を有する電荷ドレーン領域と、前記半導体基板内に前記フローティング拡散領域と前記電荷ドレーン領域との間に提供された第1導電型のバリアー不純物領域と、前記半導体基板上に配置されたバッファ絶縁膜と、前記バッファ絶縁膜上に提供され、下部電極、上部電極、及び前記下部電極と前記上部電極との間に介在する有機光電変換層を含む有機光電変換素子と、前記フローティング拡散領域と前記有機光電変換素子の下部電極とを連結する第1連結配線構造体と、を備える。
【0008】
上記目的を達成するためになされた本発明の更に他の態様によるイメージセンサーは、第1導電型の半導体基板と、前記半導体基板上に配置された有機光電変換素子と、前記半導体基板内に提供され、第2導電型の第1不純物領域、第2導電型の第2不純物領域、及び前記第1不純物領域と前記第2不純物領域との間に提供された第1導電型の第3不純物領域を含む第2電荷格納ノードと、前記有機光電変換素子と前記第2電荷格納ノードの第1不純物領域とを連結する第1連結配線構造体と、前記半導体基板内に提供された第2導電型の光電変換領域と、前記第2電荷格納ノードから離隔されて前記半導体基板内に提供され、第2導電型の不純物を含む第1電荷格納ノードと、前記半導体基板上に提供されて前記光電変換領域で生成された電荷を前記第1電荷格納ノードに伝達するトランスファートランジスタと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、光電変換素子で生成された光電荷を格納する電荷格納ノード内に残留するか又はオーバーフローする光電荷によってブルーミング(blooming)現象又はイメージラグ(lag)現象が発生することを減少させることができる。従って、本発明によるイメージセンサーはより鮮やかなイメージを具現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルを示す回路図である。
【
図1B】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルを示す回路図である。
【
図2A】本発明の一実施形態による単位ピクセルを示す断面図である。
【
図2B】本発明の一実施形態による単位ピクセルを示す断面図である。
【
図3A】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの電位図である。
【
図3B】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの電位図である。
【
図4】本発明の一実施形態によるイメージセンサーを示すブロック図である。
【
図5A】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルを示す回路図である。
【
図5B】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルを示す回路図である。
【
図6】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの平面図である。
【
図7】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの断面図であって、
図6のVII-VII’線の断面を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの回路図である。
【
図9】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの平面図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるイメージセンサーの断面図であって、
図9のX-X’線の断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明のイメージセンサーを実施するための形態の具体例を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1A及び
図1Bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルを示す回路図である。
【0013】
図1A及び
図1Bを参照すると、単位ピクセルPxは光電変換素子OPD及び読出し(readout)回路RC(RX、AX、SX)を含む。ここで、読出し回路RCは、リセットトランジスタ(RX:reset transistor)、増幅トランジスタ(AX:又はソースフォロワトランジスタ(Source follower transistor))、及び選択トランジスタ(SX:selection transistor)を含む。
【0014】
詳細に説明すると、光電変換素子OPDは入射光に比例して光電荷を生成及び蓄積する。一実施形態で、光電変換素子OPDは入射光に比例して光電荷(電子-正孔対:electron-hole pairs)を生成する有機物質を含む有機光電変換素子である。光電変換素子OPDは光電荷を格納及び検出する電荷格納ノードFDに直接連結される。一実施形態で、光電変換素子OPDの両端に印加される電圧差によって電荷格納ノードFDに電子又は正孔が格納される。言い換えると、光電変換素子OPDの一方の端子に電圧V
TOPが印加されると、生成された電子又は正孔が電荷蓄積ノードFDに転送されて蓄積される。
図1Aは電荷格納ノードFDで検出される光電荷が正孔の単位ピクセルを示し、
図1Bは電荷格納ノードFDで検出される光電荷電子の単位ピクセルを示す。
【0015】
電荷格納ノードFDは光電変換素子OPDで生成された電荷を受信して累積的に格納する。電荷格納ノードFDに蓄積された光電荷の量に応じて増幅トランジスタAXのゲート電位が変化する。
【0016】
リセットトランジスタRXは電荷格納ノードFDに蓄積された電荷を周期的にリセットする。詳細に、リセットトランジスタRXのゲート電極はリセット信号が提供されるリセット信号ラインRGに連結される。リセットトランジスタRXのドレーンは電荷格納ノードFDに連結され、ソースにリセット電圧(VDD又はVBB)が印加される。例えば、リセット電圧(VDD又はVBB)は電源電圧VDD又は接地電圧VBBである。リセット信号によってリセットトランジスタRXがターンオンされると、リセット電圧(VDD又はVBB)が電荷格納ノードFDに伝達される。従って、リセットトランジスタRXがターンオンすると、電荷格納ノードFDに蓄積された光電荷が排出されて電荷格納ノードFDがリセットされる。
【0017】
これに加えて、本実施形態によると、リセットトランジスタRXがターンオフ状態で光電変換素子OPDによって生成された光電荷は電荷格納ノードFDに蓄積される。光電荷が電荷格納ノードFDに格納される時、光電荷が電荷格納ノードFDの飽和格納容量以上に蓄積されるか、或いはオーバーフロー(overflow)する光電荷を制御するために、電荷格納ノードFDにバイアス電圧(又はピックアップ電圧)を印加するバイアス回路10が連結される。例えば、バイアス電圧は正の電圧(又は電源電圧)又は負の電圧(又は接地電圧)である。
【0018】
増幅トランジスタAXはゲート電極に入力される電荷格納ノードFDの電荷量に比例してソース-ドレーン電流を発生させるソースフォロワ増幅器(source follower amplifier)である。増幅トランジスタAXは、電荷格納ノードFDの電位変化を増幅し、選択トランジスタSXを通じて、増幅されたピクセル信号を出力ラインVOUTに出力する。増幅トランジスタAXのドレーンはピクセル電源電圧VDDに連結され、増幅トランジスタAXのソースは選択トランジスタSXのドレーンに連結される。
【0019】
選択トランジスタSXの選択ゲート電極は選択信号を提供する選択ラインSGに連結される。選択信号によって選択トランジスタSXがターンオンされる時、増幅トランジスタAXのソースから出力されるピクセル信号を出力ラインVOUTに出力する。
【0020】
図2A及び
図2Bは、本発明の一実施形態による単位ピクセルを示す断面図である。
【0021】
図2A及び
図2Bを参照すると、第1導電型(例えば、p型)の半導体基板100が提供される。半導体基板100は第1導電型の不純物がドーピングされたシリコンエピタキシァル層である。半導体基板100は互いに対向する第1面101a(又は前面)及び第2面101b(又は後面)を有する。
【0022】
一実施形態によると、半導体基板100の第1面101a上に読出し回路及びこれに連結される配線(ICL、CL)が提供される。即ち、半導体基板100の第1面101a上に
図1A及び
図1Bを参照して説明したリセットトランジスタRX、増幅トランジスタAX、及び選択トランジスタSXが配置される。半導体基板100の第2面101b上に光電変換素子OPD及びマイクロレンズMLが提供される。光電変換素子OPDは配線を通じて読出し回路に電気的に連結される。即ち、光電変換素子OPDは配線を通じて電荷格納ノードFDに連結される。
【0023】
一実施形態で、読出し回路が半導体基板100の第1面101a上に提供され、光電変換素子OPDが半導体基板100の第2面101b上に提供されるとして図示したが、本発明はこれに制限されず、読出し回路、光電変換素子OPD、及びマイクロレンズMLが半導体基板100の第1面101a上に提供されてもよい。
【0024】
より詳細に、第1導電型(例えば、p型)のウェル不純物層120が半導体基板100の第1面101aに隣接するように形成される。ウェル不純物層120における第1導電型不純物の濃度は半導体基板100における第1導電型不純物の濃度よりも大きい。
【0025】
ウェル不純物層120内に活性領域を定義する素子分離膜105が提供される。一例として、素子分離膜105の下部面はウェル不純物層120内に位置する。素子分離膜105は、基板100の第1面101aをパターニングして浅いトレンチを形成した後、浅いトレンチ内に絶縁物質を埋め込んで形成される。他の実施形態によると、素子分離膜105はウェル不純物層120と同一の導電型を有する不純物領域であり、このような場合、素子分離膜105内の第1導電型の不純物濃度はウェル不純物層120の第1導電型の不純物濃度よりも大きい。
【0026】
ウェル不純物層120上に増幅トランジスタ(
図1A及び
図1BのAX)、リセットトランジスタ(
図1A及び
図1BのRX)、及び選択トランジスタ(
図1A及び
図1BのSX)が提供される。他の例で、ウェル不純物層120は省略される。
【0027】
詳細に、ウェル不純物層120上にゲート絶縁膜を介在して、選択ゲート電極SGE、増幅ゲート電極AGE、及びリセットゲート電極が互いに離隔して配置される。
【0028】
第1ソース/ドレーン領域121が選択ゲート電極SGEの一側のウェル不純物層120内に形成され、第2ソース/ドレーン領域123が選択ゲート電極SGEと増幅ゲート電極AGEとの間のウェル不純物層120内に形成される。第3ソース/ドレーン領域125が増幅ゲート電極AGEの他側のウェル不純物層120内に形成される。
【0029】
一実施形態によると、電荷格納ノードFDは第2導電型のフローティング拡散領域131及び電荷ドレーン領域135とこれらの間に介在する第1導電型のバリアー不純物領域133を含む。即ち、電荷格納ノードFDはN/P/N接合構造を有する。
図2A及び
図2Bに示すように、フローティング拡散領域131、バリアー不純物領域133、及び電荷ドレーン領域135は半導体基板100内に形成される。
【0030】
より詳細に、フローティング拡散領域131(即ち、電荷格納領域)が素子分離膜105によって第1~第3ソース/ドレーン領域(121、123、125)から離隔されてウェル不純物層120内に提供される。
【0031】
第1~第3ソース/ドレーン領域(121、123、125)及びフローティング拡散領域131はウェル不純物層120内に第2導電型(例えば、n型)不純物をイオン注入して形成される。
【0032】
一実施形態によると、バリアー不純物領域133がフローティング拡散領域131に接合されるようにウェル不純物層120内に提供される。バリアー不純物領域133はフローティング拡散領域131に対して反対の第1導電型の不純物を含む。バリアー不純物領域133における第1導電型の不純物濃度はフローティング拡散領域131における第2導電型の不純物濃度よりも小さい。
【0033】
バリアー不純物領域133は、
図2Aに示すように、フローティング拡散領域131の一部に接合される。これと異なり、バリアー不純物領域133は、
図2Bに示すように、フローティング拡散領域131を囲むようにウェル不純物層120内に形成される。バリアー不純物領域133はフローティング拡散領域131の上面及び1つ以上の側壁上に延長される。更に、
図2Bに示すようにバリアー不純物領域133はフローティング拡散領域131を囲み、バリアー不純物領域133が下部絶縁膜211に接触する。
【0034】
一実施形態で、バリアー不純物領域133はフローティング拡散領域131と電荷ドレーン領域135との間にポテンシャルバリアー(potential barrier)を提供する。また、バリアー不純物領域133とフローティング拡散領域131との間に空乏(depletion)領域が形成される。
【0035】
電荷ドレーン領域135が、バリアー不純物領域133に接合されるようにウェル不純物層120内に提供され、ピックアップ不純物領域137とバリアー不純物領域133とを連結する。電荷ドレーン領域135は第2導電型の不純物を含み、電荷ドレーン領域135における第2導電型の不純物濃度はフローティング拡散領域131における第2導電型の不純物濃度よりも小さい。
【0036】
ピックアップ不純物領域137が素子分離膜105によってフローティング拡散領域131及びバリアー不純物領域133から離隔されて電荷ドレーン領域135内に提供される。ピックアップ不純物領域137はフローティング拡散領域131と同一の第2導電型の不純物を含む。ピックアップ不純物領域137における第2導電型の不純物濃度は電荷ドレーン領域135における第2導電型の不純物濃度よりも高い。
【0037】
一実施形態によると、貫通電極141が、半導体基板100の第1面101aから第2面101bに垂直的に延長され、導電物質を含む。貫通電極141はn型又はp型でドーピングされたポリシリコン又は金属物質を含む。貫通電極141は半導体基板100の第1面101aと実質的に共面をなす上面141a及び半導体基板100の第2面101bと実質的に共面をなす下面141bを有する。
【0038】
半導体基板100内に貫通電極141を囲む貫通絶縁パターン143が提供される。貫通絶縁パターン143は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、及び/又はシリコン酸窒化物を含む。
【0039】
半導体基板100の第1面101a上に下部絶縁膜211が配置される。下部絶縁膜211は読出し回路を構成するMOSトランジスタのゲート電極(SGE、AGE)を覆う。下部絶縁膜211は貫通電極141の上面141aの一部を覆う。
【0040】
複数の下部コンタクトプラグBCPが下部絶縁膜211内に提供される。少なくとも1つ以上の下部コンタクトプラグが下部絶縁膜211を貫通する。例えば、
図2A及び
図2Bで、複数の下部コンタクトプラグBCPは第1~第4下部コンタクトプラグ(BCP1-BCP4)を含む。下部コンタクトプラグBCPの各々はバリアー金属膜及び金属膜を含む。バリアー金属膜は、例えばチタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、ハフニウム窒化物、及びジルコニウム窒化物のような金属窒化膜で形成される。金属膜は、タングステン、銅、ハフニウム、ジルコニウム、チタニウム、タンタル、アルミニウム、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、及び導電性金属窒化膜の中から選択されるいずれかの1つ又はこれらの組合せで形成される。更に、一実施形態によると、下部コンタクトプラグBCPと不純物領域との間にシリサイド膜が形成される。
【0041】
下部絶縁膜211上に連結配線ICL及び配線CLが提供される。フローティング拡散領域131は連結配線ICL及び下部コンタクトプラグBCPを通じて増幅ゲート電極AGE及びリセットトランジスタRXのドレーンに電気的に連結される。また、フローティング拡散領域131は連結配線ICL及び下部コンタクトプラグを通じて貫通電極141に電気的に連結される。例えば、第1下部コンタクトプラグBCP1は下部絶縁膜211を貫通してフローティング拡散領域131に連結される。
【0042】
配線CLが下部コンタクトプラグBCPを通じてピックアップ不純物領域137に電気的に連結される。配線CLはピックアップ不純物領域137に所定のバイアス電圧を印加するバイアス回路10に連結される。以下言及する連結配線構造体ICSは第1連結配線構造体と称し、配線CL及び下部コンタクトプラグBCP4は第2連結配線構造体と称する。
【0043】
一実施形態によると、光電変換素子OPDはバッファ絶縁膜221を介して半導体基板100の第2面101b上に提供される。光電変換素子OPDは上部コンタクトプラグTCP、貫通電極141、第2下部コンタクトプラグBCP2、連結配線ICL、及び第1下部コンタクトプラグBCP1を通じてフローティング拡散領域131に電気的に連結される。例えば、貫通電極141は半導体基板100を貫通して光電変換素子OPDの下部電極BEに連結され、第2下部コンタクトプラグBCP2は下部絶縁膜211を貫通して貫通電極141に連結される。貫通電極141、第2下部コンタクトプラグBCP2、連結配線ICL、及び第1下部コンタクトプラグBCP1は光電変換素子OPDと電荷格納ノードFDとを連結する連結配線構造体ICS(以下、第1連結配線構造体と称する)を構成する。
図2A及び
図2Bに示すように、連結配線構造体ICSはフローティング拡散領域131と光電変換素子OPDの下部電極BEとを連結する。連結配線ICLは1つ又は1つ以上の下部コンタクトプラグBCP(例えば、第1下部コンタクトプラグBCP1と第2下部コンタクトプラグBCP2)を互いに連結する。一実施形態で、連結配線構造体ICSは下部絶縁膜211の一部を貫通する。一実施形態で、連結配線構造体ICSは上部コンタクトプラグTCPを更に含む。一部の実施形態で、光電変換素子OPDは連結配線構造体ICSと異なるか又は連結配線構造体ICSを含む1つ以上の構造体を通じて電荷格納ノードFDに連結される。一部の実施形態で、光電変換素子OPDは連結配線構造体から離隔された1つ以上の構造体を通じて電荷格納ノードに連結される。
【0044】
詳細に、光電変換素子OPDは、下部電極BE、上部電極TE、及び下部電極BEと上部電極TEとの間に配置された有機光電変換層OPLを含む。
【0045】
有機光電変換層OPLは電子供与有機物質(electron donating organic material)と電子収容有機物質(electron accepting organic material)とが互いに混合された有機物質を含む。即ち、有機光電変換層OPLは電子供与物質であるn-型の有機物質と電子収容物質であるp-型の有機物質が互いに混合された有機物質で具現される。従って、有機光電変換層OPLはバルク異種接合型(bulk hetero junction type)のp-n接合構造をなす。有機光電変換層OPLは、特定波長帯域の光のみを選択的に吸収して光電変換を行い、実施形態に応じて青色ピクセル、緑色ピクセル、及び赤色ピクセルの各々に適用される。
【0046】
例えば、有機光電変換層OPLは青色波長帯域の光電変換を引き起こす有機物質としてCoumarin30:C60/Tris(8-hydroxyquinolinato)aluminium(Alq3)の混合物を含み、緑色波長帯域の光電変換を生じる有機物質としてboronsubphthalocyanine chloride(SubPc)、N,-N dimethyl quinacridone(DMQA) dibutylsubstituteddicyanovinyl-terthiophene(DCV3T)等の混合物を含む。また、有機光電変換層OPLは赤色波長帯域の光電変換を引き起こす有機物質としてzinc phthalocyanine(ZnPc)/titanyl-oxophthalocyanine(TiOPc)/Alq3の混合物を含む。
【0047】
下部及び上部電極(BE、TE)は透明導電性酸化物で形成される。例えば、下部及び上部電極(BE、TE)はITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、SnO2、ATO(antimony-doped tin oxide)、AZO(Al-doped zinc oxide)、GZO(gallium-doped zinc oxide)、TiO2、又はFTO(fluorine-doped tin oxide)を含むグループから選択される少なくとも1つの物質を含む。
【0048】
上部電極TE上に上部絶縁膜223が配置され、上部絶縁膜223上にマイクロレンズMLが配置される。マイクロレンズMLは膨らんだ形態を有し、所定の曲率半径を有する。
【0049】
図3A及び
図3Bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサーの電位図(potential diagram)である。
【0050】
図3Aは
図1Aに示した単位ピクセルにおける電荷格納ノードの電位レベルを図示する。
図3Bは
図1Bに示した単位ピクセルにおける電荷格納ノードの電位レベルを図示する。
【0051】
図1A、
図2A、及び
図3Aを参照すると、光が遮断された状態でリセット信号が活性化されてリセットトランジスタRXがターンオンされる。これにより、フローティング拡散領域131にリセット電圧V
BB(例えば、接地電圧又は負の電圧)が印加されてフローティング拡散領域131に格納された電荷が排出されるようにフローティング拡散領域131がリセットレベル〔V
1;例えば、0V〕にリセット(初期化)される。
【0052】
その後、リセット信号が非活性化されてリセットトランジスタRXがターンオフされ、外部から光が有機光電変換層OPLに入射して有機光電変換層OPLで電子-正孔対(310、318)が生成される。この時、光電変換素子OPDの上部電極TEに正の電圧が印加され、下部電極BEに負の電圧が印加される。このような条件で、電子は上部電極TEに引っぱられ、正孔は下部電極を通じてフローティング拡散領域131に伝達される。
【0053】
n+フローティング拡散領域131内に電子が存在するため、光電変換素子OPDからフローティング拡散領域131に伝達された正孔はn+フローティング拡散領域131内の電子と再結合して消滅する。
【0054】
一方、有機光電変換層OPLに印加される電界が無くなるまで正孔はn+フローティング拡散領域131に格納される。即ち、n+フローティング拡散領域131の電位は飽和レベルV2(即ち、上部電極TEに印加される電位)以上に上昇する。
【0055】
一実施形態によると、n+フローティング拡散領域131はp-バリアー不純物領域133に接合されているため、光電荷によりフローティング拡散領域131の電位が上昇することよって、バリアー不純物領域133の障壁高さが減少する(134、136)。バリアー不純物領域133の障壁高さが減少することによって、所定のバイアス電圧(例えば、接地電圧又は負の電圧)が印加された電荷ドレーン領域135から電子(314)がバリアー不純物領域133を超えてフローティング拡散領域131に提供される(316)。電荷ドレーン領域135から提供された電子はn+フローティング拡散領域131で飽和レベル以上に蓄積された正孔と結合される。従って、n+フローティング拡散領域131の電位が飽和レベル以上に上昇することが防止され、これによりフローティング拡散領域131をリセットさせるリセット電圧の大きさが増加することを防止することができる。また、フローティング拡散領域131の電位が上昇することを抑制することができるため、有機光電変換層OPLに掛かる電界が減少し、有機光電変換層OPL内に正孔が残留してイメージラグ(lag)現象が発生することを防止することができる。
【0056】
図1B、
図2A、及び
図3Bを参照すると、リセットトランジスタRXがターンオンされると、フローティング拡散領域131にリセット電圧V
DD(例えば、電源電圧又は正の電圧)が印加されてフローティング拡散領域131に格納された電荷が排出されてフローティング拡散領域131がリセット(初期化)される。
【0057】
その後、リセット信号が非活性化されてリセットトランジスタRXがターンオフされ、外部から光が有機光電変換層OPLに入射して有機光電変換層OPLで電子-正孔対が生成される。この時、光電変換素子OPDの上部電極TEに負の電圧が印加され、下部電極BEに正の電圧が印加される。このような条件で、正孔は上部電極TEに引っぱられ、電子は下部電極を通じてフローティング拡散領域131に伝達される。この時、n+フローティング拡散領域131の格納容量(capacity)以上の電子が光電変換素子OPDからn+フローティング拡散領域131に伝達される。このような場合、過剰電子(322)はバリアー不純物領域133の電位障壁(134)を越えて電荷ドレーン領域135を通じて所定のバイアス電圧(例えば、正の電圧又は電源電圧)が印加されたピックアップ不純物領域137に排出される。
【0058】
図4は、本発明の一実施形態によるイメージセンサーを示すブロック図である。
【0059】
図4を参照すると、イメージセンサーの単位ピクセルPxの各々は、第1サブピクセル及び第2サブピクセルを含み、少なくとも2つの光電変換素子が積層された構造を有する。
【0060】
詳細に、第1サブピクセルは第1又は第2光電変換素子(PD1、PD2)及び第1読出し回路を含む。第2サブピクセルは有機光電変換素子OPD及び第2読出し回路を含む。第1読出し回路は第1光電変換素子PD1で生成された第1光電荷又は第2光電変換素子PD2で生成された第2光電荷をセンシングして第1又は第2ピクセル信号(S1、S2)を出力する。第2読出し回路は有機光電変換素子OPDで生成された第3光電荷をセンシングして第3ピクセル信号S3を出力する。
【0061】
一実施形態によると、有機光電変換素子OPDは第1又は第2光電変換素子(PD1、PD2)上に積層される。言い換えると、有機光電変換素子OPDは、平面の観点で第1又は第2光電変換素子(PD1、PD2)に重畳される。
【0062】
第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)は互いにジグザグ形状に配置される。第1光電変換素子PD1と有機光電変換素子OPDとの間に第1カラーフィルターCF1が提供され、第2光電変換素子PD2と有機光電変換素子OPDとの間に第2カラーフィルターCF2が提供される。
【0063】
第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)及び有機光電変換素子OPDの各々に波長帯域がそれぞれ異なる光線が入射され、第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)及び有機光電変換素子OPDは入射光に比例して光電荷を生成する。
【0064】
一実施形態で、第1光電変換素子PD1は入射光の第1波長帯域の入射光に対応する第1光電荷を生成する。第2光電変換素子PD2は入射光の第2波長帯域の入射光に対応する第2光電荷を生成する。有機光電変換素子OPDは入射光の第3波長帯域の入射光に対応する第3光電荷を生成する。
【0065】
第1光電変換素子PD1に第1波長帯域の光線L1が入射し、第2光電変換素子PD2に第2波長帯域の光線L2が入射する。そして、有機光電変換素子OPDに第3波長帯域の光線L3が入射する。ここで、第1波長帯域は第3波長帯域よりも長く、第2波長帯域は第3波長帯域よりも短い。例えば、第1光電変換素子PD1は赤色光に対応して光電荷を生成する。第2光電変換素子PD2は青色光に対応して光電荷を生成する。有機光電変換素子OPDは緑色光に対応して光電荷を生成する。即ち、赤色光は第1カラーフィルターCF1を通過して第1光電変換素子PD1に入射し、青色光は第2カラーフィルターCF2を通過して第2光電変換素子PD2に入射する。
【0066】
図5A及び
図5Bは、本発明の一実施形態によるイメージセンサーの単位ピクセルPxを示す回路図である。
【0067】
図5A及び
図5Bを参照すると、単位ピクセルPxは第1サブピクセルSP1及び第2サブピクセルSP2を含む。
【0068】
第1サブピクセルSP1は第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)、第1及び第2トランスファートランジスタ(TX1、TX2)、及び第1読出し回路を含む。第2サブピクセルは有機光電変換素子OPD(PD3)及び有機光電変換素子OPD(PD3)に連結される第2読出し回路を含む。
【0069】
第1サブピクセルSP1は第1出力ラインVOUT1に第1又は第2ピクセル信号を出力する。第2サブピクセルSP2は第2出力ラインVOUT2に第3ピクセル信号を出力する。
【0070】
図5Aに示す実施形態によると、第1サブピクセルSP1の第1及び第2トランスファートランジスタ(TX1、TX2)が第1電荷格納ノードFD1及び第1読出し回路を共有する。ここで、第1読出し回路は、第1リセットトランジスタRX1、第1増幅トランジスタAX1、及び第1選択トランジスタSX1を含む。第1読出し回路は第1又は第2光電変換素子(PD1、PD2)から光電荷をセンシング及び増幅して第1又は第2ピクセル信号を第1出力ラインに出力する。
【0071】
より詳細に、第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)は外部から入射された光の量に比例して光電荷を生成及び蓄積する。第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)は、フォトダイオード(photo diode)、フォトトランジスタ(photo transistor)、フォトゲート(photo gate)、ピンドフォトダイオード(Pinned Photo Diode;PPD)、及びこれらの組合せが使用される。
【0072】
第1及び第2トランスファートランジスタ(TX1、TX2)は第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)に蓄積された電荷を第1電荷格納ノードFD1に伝送する。第1及び第2トランスファートランジスタ(TX1、TX2)は第1及び第2電荷伝送ライン(TG1、TG2)を通じて提供される電荷伝送信号によって制御され、第1及び第2トランスファートランジスタ(TX1、TX2)に印加される電荷伝送信号に応じて、第1及び第2光電変化素子(PD1、PD2)の中のいずれか1つで第1電荷格納ノードFD1に電荷が伝送される。即ち、第1及び第2電荷伝送ライン(TG1、TG2)を通じて伝送される電荷伝送信号は互いに相補的である。
【0073】
第1電荷格納ノードFD1は第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)で生成された電荷を受信して累積的に格納し、第1電荷格納ノードFD1に蓄積された光電荷の量に応じて第1増幅トランジスタAX1のゲート電極の電位が異なる。
【0074】
第1リセットトランジスタRX1は第1電荷格納ノードFD1に蓄積された電荷を周期的にリセットさせる。詳細に、第1リセットトランジスタRX1のゲート電極は第1リセット信号が提供される第1リセット信号ラインRG1に連結される。第1リセットトランジスタRX1のドレーンは第1電荷格納ノードFD1に連結され、第1リセットトランジスタRX1のソースは電源電圧VDDに連結される。第1リセット信号によって第1リセットトランジスタRX1がターンオンされると、第1リセットトランジスタRX1のソースに連結された電源電圧VDDが第1電荷格納ノードFD1に伝達される。即ち、リセットトランジスタRXがターンオンされると、第1電荷格納ノードFD1に蓄積された光電荷が排出されて第1電荷格納ノードFD1がリセットされる。
【0075】
第1増幅トランジスタAX1は、第1電荷格納ノードFD1の電位変化を増幅し、第1選択トランジスタSX1を通じて、増幅された第1又は第2ピクセル信号(S1、S2)を第1出力ラインVOUT1に出力する。第1増幅トランジスタAX1はゲート電極に入力された光電荷量に比例してソース-ドレーン電流を発生させるソースフォロワバッファ増幅器(source follower buffer amplifier)である。第1増幅トランジスタAX1のゲート電極は第1電荷格納ノードFD1に連結され、第1増幅トランジスタAX1のドレーンはピクセルの電源電圧VDDに連結され、第1増幅トランジスタAX1のソースは第1選択トランジスタSX1のドレーンに連結される。
【0076】
第1選択トランジスタSX1は行単位に読み出す第1サブピクセルSP1を選択する。第1選択トランジスタSX1の選択ゲート電極は第1選択信号を提供する第1選択ラインSG1に連結される。第1選択信号によって第1選択トランジスタSX1がターンオンされると、第1増幅トランジスタAX1のソース端子から出力される第1又は第2ピクセル信号を第1出力ラインVOUT1に出力する。
【0077】
一実施形態で、第2サブピクセルSP2は
図1A及び
図1Bを参照して説明した単位ピクセルと実質的に同一の構成を有する。
【0078】
詳細に、第2サブピクセルSP2の第2読出し回路は、第2リセットトランジスタRX2、第2増幅トランジスタAX2、及び第2選択トランジスタSX2を含む。
【0079】
有機光電変換素子OPDは光電荷を格納及び検出する第2電荷格納ノードFD2に連結される。有機光電変換素子OPDは、上述したように、入射光に比例して光電荷(電子-正孔対)を生成する有機光電変換層を含む。
【0080】
第2リセットトランジスタRX2は第2電荷格納ノードFD2に蓄積された光電荷を周期的にリセットさせる。詳細に、第2リセットトランジスタRX2のゲート電極は第2リセット信号が提供される第2リセット信号ラインRG2に連結される。第2リセットトランジスタRX2のドレーンは第2電荷格納ノードFD2に連結され、第2リセットトランジスタRX2のソースはリセット電圧(VDD又はVBB)に連結される。第2リセット信号によって第2リセットトランジスタRX2がターンオンされると、リセット電圧(VDD又はVBB)が第2電荷格納ノードFD2に伝達される。即ち、第2リセットトランジスタRX2がターンオンされると、第2電荷格納ノードFD2に蓄積された光電荷が排出されて第2電荷格納ノードFD2がリセットされる。
【0081】
これに加えて、第2電荷格納ノードFD2は所定のバイアス電圧(又はピックアップ電圧)を提供するバイアス回路10に連結される。
【0082】
第2増幅トランジスタAX2は、第2電荷格納ノードFD2の電位変化を増幅し、第2選択トランジスタSX2を通じて、増幅された第3ピクセル信号を第2出力ラインVOUT2に出力する。第2増幅トランジスタAX2はゲート電極に入力された光電荷量に比例してソース-ドレーン電流を発生させるソースフォロワバッファ増幅器である。第2増幅トランジスタAX2のゲート電極は第2電荷格納ノードFD2に連結され、第2増幅トランジスタAX2のドレーンに電源電圧VDDが連結され、第2増幅トランジスタAX2のソースは第2選択トランジスタSX2のドレーンに連結される。
【0083】
第2選択トランジスタSX2は行単位に読み出す第2サブピクセルSP2を選択する。第2選択トランジスタSX2の選択ゲート電極は第2選択信号を提供する第2選択ラインSG2に連結される。第2選択信号によって第2選択トランジスタSX2がターンオンされると、第2増幅トランジスタAX2のソース端子から出力される第3ピクセル信号を第2出力ラインVOUT2に出力する。
【0084】
図5Bに示す実施形態によると、単位ピクセルは
図5Aを参照して説明したように、第1及び第2サブピクセル(SP1、SP2)を含み、第1及び第2サブピクセル(SP1、SP2)は1つの選択トランジスタSXを共有する。即ち、選択トランジスタSXが第1及び第2増幅トランジスタ(AX1、AX2)のドレーンに共通に連結される。
【0085】
第1サブピクセルSP1で第1又は第2ピクセル信号が第1増幅トランジスタAX1のソースを通じて第1出力ラインVOUT1に出力される。第2サブピクセルSP2で第3ピクセル信号が第2増幅トランジスタAX2のソースを通じて第2出力ラインVOUT2に出力される。
【0086】
図6は、本発明の一実施形態によるイメージセンサー600の平面図であり、
図7は、本発明の一実施形態によるイメージセンサー600の断面図であって、
図6のVII-VII’線の断面を示す図である。
【0087】
図6及び
図7を参照すると、複数のピクセル領域PRを含む第1導電型(例えば、p型)の半導体基板100が提供される。ピクセル領域PRは、平面の観点でx軸方向及びy軸方向に沿ってマトリックス状に配列される。
【0088】
一実施形態で、第1導電型の半導体基板100はp型不純物がドーピングされたシリコンエピタキシァル層である。半導体基板100は互いに対向する第1面101a(又は前面)及び第2面101b(又は後面)を有する。
【0089】
一実施形態で、第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)は半導体基板100内に形成され、第1及び第2読出し回路は半導体基板100の第1面101a上に集積されたMOSトランジスタを含む。有機光電変換素子OPDは半導体基板100の第2面101b上のバッファ絶縁膜221上に提供された第1上部絶縁膜623上に提供される。バッファ絶縁膜221及び第1上部絶縁膜623は半導体基板100の表面と有機光電変換素子OPDとの間の絶縁膜である。即ち、有機光電変換素子OPDは第1及び第2光電変換素子(
図4のPD1、PD2参照)上に積層される。一実施形態で、第1及び第2光電変換素子(
図4のPD1、PD2参照)は半導体基板100内に形成されたフォトダイオードであり、有機光電変換素子OPDは上部電極(TE)及び下部電極(BE)とこれらの間に介在する有機光電変換層OPLとを含む。
【0090】
より詳細に、ピクセル領域PRを定義する第1素子分離膜103が半導体基板100内に形成される。第1素子分離膜103は半導体基板100の第1面101aで第2面101bに対して垂直的に延長される。第1素子分離膜103はx軸方向に延長される第1部分及びy軸方向に延長される第2部分を含む。
【0091】
第1素子分離膜103は半導体基板100(例えば、シリコン)よりも屈折率が低い絶縁物質で形成される。例えば、第1素子分離膜103は、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜、アンドープされたポリシリコン膜、空気(air)、又はこれらの組合せからなる。このような第1素子分離膜103は、半導体基板100の第1面101a及び/又は第2面101bをパターニングして深いトレンチを形成した後、深いトレンチ内に絶縁物質を埋め込んで形成される。
【0092】
各々のピクセル領域PRの半導体基板100内に光電変換領域110及びウェル不純物層120が提供される。
【0093】
光電変換領域110は入射光の強さに比例して光電荷を生成する。光電変換領域110は半導体基板100に対して反対の第2導電型を有する不純物を半導体基板100内にイオン注入して形成される。第1導電型の半導体基板100と第2導電型の光電変換領域110との接合(junction)によってフォトダイオードが形成される。一部の実施形態によると、光電変換領域110は半導体基板100の第1面101aと第2面101bとの間にポテンシャル勾配を有するように第1面101aに隣接する領域と第2面101bに隣接する領域との間に不純物濃度差異を有する。例えば、光電変換領域110は複数の不純物領域が積層された形態に形成される。
図7に示すように、光電変換領域110は有機光電変換素子OPDに半導体基板100の上面に対して垂直になる方向にオーバーラップする。
【0094】
ウェル不純物層120は、光電変換領域110上で半導体基板100の第1面101aに隣接し、光電変換領域110に対して反対の導電型を有する不純物がドーピングされる。一実施形態で、光電変換領域110はn型不純物がドーピングされ、ウェル不純物層120はp型不純物がドーピングされる。
【0095】
第2素子分離膜106は各々のピクセル領域PRでウェル不純物層120に活性部を定義する。活性部は、ピクセル領域PRの各々で互いに離隔されて配置され、互いに異なる大きさを有する。
【0096】
第2素子分離膜106はウェル不純物層120内に形成される。半導体基板100の第1面101aからの第2素子分離膜106の垂直深さは、第1素子分離膜103の垂直深さよりも小さい。第2素子分離膜106の下面はウェル不純物層120内に位置する。一例で、第2素子分離膜106は、半導体基板100の第1面101aをパターニングして浅いトレンチを形成した後、浅いトレンチ内に絶縁物質を埋め込んで形成される。他の例によると、第2素子分離膜106はウェル不純物層120と同一の導電型を有する不純物領域である。この場合、第2素子分離膜106内の不純物濃度はウェル不純物層120の不純物濃度よりも大きい。
【0097】
各々のピクセル領域PRで、半導体基板100の第1面101a上にトランスファーゲート電極TGEが配置され、トランスファーゲート電極TGEの一側のウェル不純物層120内に第1電荷格納ノードを構成する第1フローティング拡散領域FD1が提供される。
【0098】
トランスファーゲート電極TGEは、平面の観点で各ピクセル領域PRの中心部分に位置する。トランスファーゲート電極TGEは、ウェル不純物層120内に挿入された下部部分と、下部部分に連結されて基板100の第1面101a上に突出する上部部分とを含む。トランスファーゲート電極TGEはウェル不純物層120の一部を貫通する。トランスファーゲート電極TGEと基板100との間にはゲート絶縁膜が介在する。トランスファーゲート電極TGEは、ウェル不純物層120の一部分にトレンチを形成し、トレンチ内にゲート絶縁膜及びゲート導電膜を順に形成して形成される。
【0099】
更に、半導体基板100の第1面101a上に
図5A及び
図5Bを参照して説明した第1及び第2読出し回路(RC1、RC2)がトランスファーゲート電極TGEと共に提供される。
【0100】
トランスファーゲート電極TGEは、半導体基板100上に配置されたトランスファートランジスタの一部であり、光電変換領域110で生成された電荷を第1電荷格納ノードFD1に伝送する。
【0101】
第1フローティング拡散領域FD1はウェル不純物層120に対して反対の不純物をイオン注入して形成される。例えば、第1フローティング拡散領域FD1はn型不純物領域である。
【0102】
一実施形態によると、第2フローティング拡散領域631及びピックアップ不純物領域137が互いに離隔されてウェル不純物層120内に提供される。また、第2フローティング拡散領域631及びピックアップ不純物領域137は第2素子分離膜106によって第1フローティング拡散領域FD1から離隔される。
図7で第2フローティング拡散領域631は
図2A及び
図2Bを参照して説明したフローティング拡散領域131に対応する。
【0103】
第2フローティング拡散領域631及びピックアップ不純物領域137は第1フローティング拡散領域FD1と同一の第2導電型の不純物を含む。一例として、第1及び第2フローティング拡散領域(FD1、631)及びピックアップ不純物領域137は同時に形成される。
【0104】
バリアー不純物領域133がウェル不純物層120内で第2フローティング拡散領域631に接合されるように提供される。一例で、バリアー不純物領域133はピックアップ不純物領域137から離隔される。これと異なり、バリアー不純物領域133は第2フローティング拡散領域631及びピックアップ不純物領域137に接合されてもよい。バリアー不純物領域133は第2フローティング拡散領域631に対して反対の第1導電型の不純物を含む。バリアー不純物領域133における第1導電型の不純物濃度は第2フローティング拡散領域631における第2導電型の不純物濃度よりも小さい。
【0105】
電荷ドレーン領域135がウェル不純物層120内でバリアー不純物領域133及びピックアップ不純物領域137に接合されるように提供される。電荷ドレーン領域135は第2導電型の不純物を含み、電荷ドレーン領域135における第2導電型の不純物濃度は第2フローティング拡散領域631における第2導電型の不純物濃度よりも小さい。第2フローティング拡散領域631、バリアー不純物領域133、電荷ドレーン領域135、及びピックアップ不純物領域137は第2電荷格納ノードFD2を構成する。
【0106】
貫通電極141が半導体基板100内に提供される。貫通電極141は導電物質を含む。貫通電極141はn型又はp型でドーピングされたポリシリコン又は金属物質を含む。貫通電極141は、平面の観点でピクセル領域PRの間に配置され、第1素子分離膜103の一部を貫通する。貫通電極141の幅は半導体基板100の第2面101bに隣接するほど減少する。一実施形態で、貫通電極141、第3下部コンタクトプラグBCP3、連結配線ICL、及び第2下部コンタクトプラグBCP2は有機光電変換素子OPDと第2電荷格納ノードの第1ドーピング領域(例えば第2フローティング拡散領域631)とを連結する第1連結配線構造体の一部を構成する。
【0107】
半導体基板100内に貫通電極141を囲む貫通絶縁パターン143が提供される。貫通絶縁パターン143は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、及び/又はシリコン酸窒化物を含む。
【0108】
第1下部絶縁膜611が半導体基板100の第1面101a上に配置され、第1下部絶縁膜611は第1及び第2読出し回路(RC1、RC2)を構成するMOSトランジスタ及びトランスファーゲート電極TGEを覆う。
図7に示す第1下部絶縁膜611は
図2A及び
図2Bを参照して説明した第1下部絶縁膜211に対応する。
【0109】
第1下部絶縁膜611内に複数の下部コンタクトプラグ(BCP1~BCP4)が配置される。一例によると、第1下部コンタクトプラグBCP1が第1フローティング拡散領域FD1に接続され、第2下部コンタクトプラグBCP2が第2フローティング拡散領域631に接続される。第3下部コンタクトプラグBCP3は貫通電極141に接続され、第4下部コンタクトプラグBCP4はピックアップ不純物領域137に接続される。
【0110】
第1下部コンタクトプラグBCP1は第1配線CL1を通じて第1リセットトランジスタ(
図5A及び
図5BのRX1参照)及び第1増幅トランジスタ(
図5A及び
図5BのAX1参照)に電気的に連結される。従って、第1増幅トランジスタAX1は
図7で第1電荷格納ノードFD1の第1ドーピング領域(第1フローティング拡散領域FD1)に連結された第1増幅ゲート電極を含む。更に、
図5A及び
図5Bに示した第2増幅トランジスタは第2電荷格納ノードFD2に連結された第2増幅ゲート電極を含む。
【0111】
第2下部コンタクトプラグBCP2は連結配線ICLを通じて第3下部コンタクトプラグBCP3に連結される。即ち、貫通電極141は第2及び第3下部コンタクトプラグ(BCP2、BCP3)及び連結配線ICLを通じて第2フローティング拡散領域631に連結される。
【0112】
第4下部コンタクトプラグBCP4は第2配線CL2を通じて所定のバイアス電圧を提供するバイアス回路(
図5A及び
図5Bの10参照)に連結される。即ち、ピックアップ不純物領域137に所定のバイアス電圧が印加される。ここで、バイアス電圧は、
図1A及び
図3Aを参照して説明したように、第2フローティング拡散領域631に格納される電荷が正孔である場合、接地電圧又は負の電圧である。これと異なり、
図1B及び
図3Bを参照して説明したように、第2フローティング拡散領域631に格納される電荷が電子である場合、バイアス電圧は電源電圧又は正の電圧である。一実施形態で、第4下部コンタクトプラグBCP4及び第2配線CL2は第2電荷格納ノードFD2の第2ドーピング領域(ピックアップ不純物領域137)に連結された第2連結配線構造体を構成する。
【0113】
第2下部絶縁膜213が第1下部絶縁膜611上で第1及び第2配線(CL1、CL2)及び連結配線ICLを覆う。第1及び第2下部絶縁膜(611、213)は、例えばシリコン酸化物、シリコン窒化物、及び/又はシリコン酸窒化物を含む。
【0114】
半導体基板100の第2面101b上にバッファ絶縁膜221が配置される。バッファ絶縁膜221は半導体基板100の第2面101bに存在する欠陥によって生成された電荷(即ち、電子或いは正孔)が光電変換領域へ移動することを防止する。バッファ絶縁膜221はアルミニウム酸化物及び/又はハフニウム酸化物のような金属酸化物を含む。
【0115】
バッファ絶縁膜221上に、各ピクセル領域PRに対応してカラーフィルター(CF1、CF2)が配置される。カラーフィルター(CF1、CF2)は第1カラーフィルターCF1及び第2カラーフィルターCF2を含む。第1カラーフィルターCF1は
図4を参照して説明した第1カラーフィルターCF1に該当し、第2カラーフィルターCF2は
図4を参照して説明した第2カラーフィルターCF2に該当する。
【0116】
第1上部絶縁膜623がバッファ絶縁膜221上で第1及び第2カラーフィルターCF1、CF2を覆う。
【0117】
上部コンタクトプラグTCPが第1上部絶縁膜623及びバッファ絶縁膜221を貫通して貫通電極141にそれぞれ接続される。上部コンタクトプラグTCPの各々はバリアー金属膜及び金属膜を含む。バリアー金属膜は、例えばチタニウム窒化物、タンタル窒化物、タングステン窒化物、ハフニウム窒化物、及びジルコニウム窒化物のような金属窒化膜で形成される。金属膜は、タングステン、銅、ハフニウム、ジルコニウム、チタニウム、タンタル、アルミニウム、ルテニウム、パラジウム、白金、コバルト、ニッケル、及び導電性金属窒化膜の中から選択されるいずれか1つ又はこれらの組合せで形成される。
【0118】
第1上部絶縁膜623上に下部電極BEが配置される。下部電極BEは、平面の観点でピクセル領域PRにそれぞれ対応して配置され、互いに離隔される。下部電極BEの各々は上部コンタクトプラグTCP、貫通電極141、第2及び第3下部コンタクトプラグ(BCP2、BCP3)、及び連結配線ICLを通じて第2フローティング拡散領域631に電気的に連結される。
【0119】
下部電極BEは透明な導電物質を含む。例えば、下部電極BEはITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、ZnO(Zinc Oxide)、SnO2、ATO(antimony-doped tin oxide)、AZO(Al-doped zinc oxide)、GZO(gallium-doped zinc oxide)、TiO2、又はFTO(fluorine-doped tin oxide)を含むグループから選択される少なくとも1つの物質を含む。
【0120】
下部電極BE上に有機光電変換層OPLが配置される。有機光電変換層OPLは特定波長帯域の光線のみを選択的に吸収して光電変換を行う。有機光電変換層OPLはp型有機半導体物質及びn型有機半導体物質を含み、p型有機半導体物質とn型有機半導体物質はpn接合を形成する。他の実施形態で、有機光電変換層OPLは量子点(quantum dot)又はカルコゲナイド(chalcogenide)を含む。
【0121】
有機光電変換層OPL上に上部電極TEが提供される。上部電極TEは、透明導電物質を含み、ピクセル領域PRの全体を覆う。
【0122】
上部電極TE上に第2上部絶縁膜225が配置され、第2上部絶縁膜225上にマイクロレンズMLが配置される。マイクロレンズMLは、ピクセル領域PRの各々に対応して配置され、入射する光を集光させるように膨らんだ形態を有する。
【0123】
図8は、本発明の一実施形態によるイメージセンサーの回路図である。説明を簡易にするために、
図5A及び
図5Bを参照して説明した実施形態と同一の構成要素は同一の参照符号で示し、これに対する説明は簡略にするか又は省略する。
【0124】
図8を参照すると、イメージセンサーの単位ピクセルは第1及び第2サブピクセル(SP1、SP2)を含み、この実施形態で、第1サブピクセルSP1は第1~第4光電変換素子(PD1、PD2、PD3、PD4)、第1~第4トランスファートランジスタ(TX1、TX2、TX3、TX4)、及び第1読出し回路RC1を含む。
【0125】
第1~第4光電変換素子(PD1、PD2、PD3、PD)4は上述した第1及び第2光電変換素子(PD1、PD2)と実質的に同一である。
【0126】
第1~第4トランスファートランジスタ(TX1、TX2、TX3、TX4)は第1電荷格納ノードFD1に共通に連結される。第1~第4トランスファートランジスタ(TX1、TX2、TX3、TX4)は、第1~第4電荷伝送ライン(TG1、TG2、TG3、TG4)を通じて提供される電荷伝送信号によって制御され、第1~第4トランスファートランジスタ(TX1、TX2、TX3、TX4)に印加される信号に応じて、第1~第4光電変換素子(PD1、PD2、PD3、PD4)の中のいずれか1つで第1電荷格納ノードFD1に電荷が伝送される。
【0127】
図8に示した実施形態で、第2サブピクセルSP2は
図5Aを参照して説明したように、有機光電変換素子OPD及び第2読出し回路RC2を含む。
【0128】
図9は、本発明の一実施形態によるイメージセンサー900の平面図であり、
図10は、本発明の一実施形態によるイメージセンサー900の断面図であって、
図9のX-X’線の断面を示す図である。
【0129】
説明を簡易にするために、
図6及び
図7を参照して説明した実施形態と同一の構成要素は同一の参照符号で示し、これに対する説明は簡略にするか又は省略する。
【0130】
図9及び
図10を参照すると、半導体基板100内に第1~第4光電変換領域(110a、110b、110c、110d)が形成される。第1~第4光電変換領域(110a~110d)は、平面の観点でx軸方向及びy軸方向に沿ってマトリックス状に配列される。
【0131】
第1~第4光電変換領域(110a~110d)は第2導電型(例えば、n型)の不純物を半導体基板100にイオン注入して形成される。第1導電型の半導体基板100と第2導電型の第1~第4光電変換領域(110a~110d)との接合(junction)によってフォトダイオードが形成される。
【0132】
第1~第4光電変換領域(110a~110d)は第1素子分離膜103によって互いに分離される。第1素子分離膜103は第1~第4光電変換領域(110a~110d)の各々を囲む。言い換えると、x軸方向に隣接する第1光電変換領域110aと第2光電変換領域110bとの間と、第3光電変換領域110cと第4光電変換領域110dとの間に第1素子分離膜103が形成され、y軸方向に隣接する第1光電変換領域110aと第3光電変換領域110cとの間と、第2光電変換領域110bと第4光電変換領域110dとの間に第1素子分離膜103が形成される。
【0133】
他の例として、第1素子分離膜103は第1~第4光電変換領域(110a~110d)に対して反対の導電型を有する不純物がドーピングされた不純物層である。このような第1素子分離膜103は第1~第4光電変換領域(110a~110d)の間にポテンシャルバリアー(potential barrier)を提供する。
【0134】
第1フローティング拡散領域FD1がウェル不純物層120内で第1~第4光電変換領域(110a~110d)の間に提供される。第1フローティング拡散領域FD1は半導体基板100内に第2導電型の不純物(例えば、n型)をイオン注入して形成される。
【0135】
第1~第4トランスファーゲート電極(TGE1、TGE2、TGE3、TGE4)が半導体基板100の第1面101a上に配置される。第1~第4トランスファーゲート電極(TGE1、TGE2、TGE3、TGE4)は第1~第4光電変換領域(110a~110d)と第1フローティング拡散領域FD1との間に各々配置される。第1~第4トランスファーゲート電極(TGE1、TGE2、TGE3、TGE4)と半導体基板100との間にゲート絶縁膜が介在する。
【0136】
第1~第4トランスファーゲート電極(TGE1、TGE2、TGE3、TGE4)は上述したように、ウェル不純物層120内に挿入された下部部分と半導体基板100の第1面101a上に突出した上部部分を含む。
【0137】
半導体基板100の第1面101a上に第1下部絶縁膜611が配置され、第1下部コンタクトプラグBCP1が第1下部絶縁膜611を貫通して第1フローティング拡散領域FD1に連結される。
【0138】
上述したように、第2下部コンタクトプラグBCP2は第2フローティング拡散領域631に接続され、第3下部コンタクトプラグBCP3は貫通電極141に接続される。連結配線ICLは第2及び第3下部コンタクトプラグ(BCP2、BCP3)を連結する。
【0139】
更に、上述したように、半導体基板100の第2面101b上にカラーフィルター(CF1、CF2)及び有機光電変換素子OPDが提供される。
【0140】
以上、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。
【符号の説明】
【0141】
10 バイアス回路
100 半導体基板
101a、101b 第1、第2面
103 第1素子分離膜
105 素子分離膜
106 第2素子分離膜
110、122 光電変換領域
110a~110d 第1~第4光電変換領域
120 ウェル不純物層
121 第1ソース/ドレーン領域
123 第2ソース/ドレーン領域
125 第3ソース/ドレーン領域
131 フローティング拡散領域
133 バリアー不純物領域
135 電荷ドレーン領域
137 ピックアップ不純物領域
141 貫通電極
141a、141b 貫通電極の上面、下面
143 貫通絶縁パターン
211、611 (第1)下部絶縁膜
213 第2下部絶縁膜
221 バッファ絶縁膜
223 上部絶縁膜
225 第2上部絶縁膜
600、900 イメージセンサー
623 第1上部絶縁膜
631 第2フローティング拡散領域
AGE 増幅ゲート電極
AX 増幅トランジスタ
AX1、AX2 第1、第2増幅トランジスタ
BCP 下部コンタクトプラグ
BCP1~BCP4 第1~第4下部コンタクトプラグ
BE 下部電極
CF1、CF2 第1、第2カラーフィルター
CL 配線
CL1、CL2 第1、第2配線
FD 電荷格納ノード
FD1 第1電荷格納ノード(第1フローティング拡散領域)
FD2 第2電荷格納ノード
ICL 連結配線
ICS (第1)連結配線構造体
L1~L3 第1~第3波長帯域の光線
ML マイクロレンズ
OPD (有機)光電変換素子
OPL 有機光電変換層
PD1~PD4 第1~第4光電変換素子
PR ピクセル領域
Px 単位ピクセル
RC 読出し回路
RC1、RC2 第1、第2読出し回路
RG リセット信号ライン
RG1、RG2 第1、第2リセット信号ライン
RX リセットトランジスタ
RX1、RX2 第1、第2リセットトランジスタ
S1~S3 第1~第3ピクセル信号
SG 選択ライン
SG1、SG2 第1、第2選択ライン
SGE 選択ゲート電極
SP1、SP2 第1、第2サブピクセル
SX 選択トランジスタ
SX1、SX2 第1、第2選択トランジスタ
TCP 上部コンタクトプラグ
TE 上部電極
TG1~TG4 第1~第4電荷伝送ライン
TGE トランスファーゲート電極
TGE1~TGE4 第1~第4トランスファーゲート電極
TX1~TX4 第1~第4トランスファートランジスタ
VBB 電源電圧(リセット電圧)
VDD 接地電圧(リセット電圧)
VOUT 出力ライン
VOUT1、VOUT2 第1、第2出力ライン
VDD ピクセル電源電圧