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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】アンダーカバー
(51)【国際特許分類】
   B61F 3/14 20060101AFI20221005BHJP
   B61D 49/00 20060101ALI20221005BHJP
   B61F 5/52 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B61F3/14
B61D49/00 A
B61F5/52
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2018093068
(22)【出願日】2018-05-14
(65)【公開番号】P2019199111
(43)【公開日】2019-11-21
【審査請求日】2021-05-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】712004783
【氏名又は名称】株式会社総合車両製作所
(73)【特許権者】
【識別番号】000134903
【氏名又は名称】株式会社ニシヤマ
(73)【特許権者】
【識別番号】000010054
【氏名又は名称】岐阜プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】特許業務法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩波 健
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 知幸
(72)【発明者】
【氏名】横山 大雅
(72)【発明者】
【氏名】古屋 大
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 祥貴
(72)【発明者】
【氏名】柴垣 晋吾
【審査官】志水 裕司
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-153755(JP,A)
【文献】特開2015-229492(JP,A)
【文献】特開2005-255003(JP,A)
【文献】特開2005-247235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61F 3/14
B61F 5/50
B61D 49/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉄道の台車に取り付けられる樹脂製の中空板材からなるアンダーカバーであって、
複数の分割板材を並設して構成され
前記複数の分割板材のうちの2つは、同じ形状で、且つ、同じ大きさとされ、前記台車に取り付けられた状態において、前記台車の中心点に対して点対称に配置され、
前記各分割板材は、異なる形状及び異なる大きさの少なくともいずれかである第1分割板材と第2分割板材に分割され、
前記各第1分割板材は、前記台車の中心点に対して点対称に配置されており、前記各第2分割板材は、前記台車の中心点に対して点対称に配置されているアンダーカバー。
【請求項2】
鉄道の台車に取り付けられる樹脂製の中空板材からなるアンダーカバーであって、
複数の分割板材を並設して構成され、
前記台車に取り付けられた状態において、前端部の一部は、前方に突出しているととも
に、後端部の一部は後方に突出しており、
前端部の全部及び後端部の全部は、上方に向かって湾曲しているアンダーカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道用のアンダーカバーに関する。具体的には、鉄道車両の台車に取り付けられるアンダーカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道車両の台車は、台車枠上の空気ばねを介して車体を支え、車輪の回転による推進力や制動時のブレーキ力を車体に伝達することにより、車両をレールに沿って安定して走行させることができる。こうした台車の台車枠には、ブレーキ装置、主電動機、歯車装置、ヨーダンパ、及び輪軸等の各種装置が取り付けられており、その下部は、取り付けられた各種装置によって凹凸形状となっている。そのため、台車下部では、車両走行時に空気流が乱れて渦流が発生しやすくなり、車両内外における騒音の原因となっている。また、車両走行時には、レール下に敷き詰められたバラストが巻き上げられる場合があり、台車下部の各種装置表面に傷が付く原因となっている。特許文献1には、こうした騒音を抑制したり、バラストによる傷付きを抑制したりするため、台車下部を覆い、平滑化するためにアンダーカバーを取り付けることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平7-125635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるアンダーカバーは、巻き上げられたバラストによる傷付きを抑制するための十分な強度を有するべく鋼板で形成されている。しかし、鉄道車両は、それ自体が大型であることから、台車下部に取り付けられるアンダーカバーも大型化せざるを得ない。したがって、金属製のアンダーカバーは、その全体重量が重くなってしまうといった問題があった。
【0005】
本発明は、従来のこうした問題を解決するためになされたものであり、その目的は、軽量化されたアンダーカバーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のアンダーカバーは、鉄道の台車に取り付けられる樹脂製の中空板材からなり、複数の分割板材を並設して構成されている。
上記の構成によれば、アンダーカバーは樹脂製の中空板材からなるため、金属製のものに比べて軽量である。また、アンダーカバーは複数の分割板材に分割されているため、一つの分割板材の大きさを小型化して軽量化することができる。
【0007】
上記の発明において、前記複数の分割板材のうちの2つは、同じ形状で、且つ、同じ大きさとされ、前記台車に取り付けられた状態において、前記台車の中心点に対して点対称に配置されていることが好ましい。
【0008】
上記の発明において、前記各分割板材は、異なる形状及び異なる大きさの少なくともいずれかである第1分割板材と第2分割板材に分割され、前記各第1分割板材は、前記台車の中心点に対して点対称に配置されており、前記各第2分割板材は、前記台車の中心点に対して点対称に配置されていることが好ましい。
【0009】
上記の発明において、前記台車に取り付けられた状態において、前端部の一部は、前方に突出しているとともに、後端部の一部は後方に突出しており、前端部の全部及び後端部の全部は、上方に向かって湾曲していることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、軽量化されたアンダーカバーが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(a)は台車の模式平面図、(b)は台車の模式側面図。
図2】(a)は本実施形態のアンダーカバーが取り付けられた状態を示す台車の模式平面図、(b)は本実施形態のアンダーカバーが取り付けられた状態を示す台車の模式側面図。
図3】アンダーカバーについて説明する図。
図4】アンダーカバーを構成する第1分割板材の斜視図。
図5】アンダーカバーを構成する第2分割板材の斜視図。
図6】第1分割板材と第2分割板材を組み合わせた図。
図7】(a)はコア層の斜視図、(b)は(a)におけるα-α線断面図、(c)は(a)におけるβ-β線断面図。
図8】(a)はコア層を構成するシート材の斜視図、(b)は同シート材の折り畳み途中の状態を示す斜視図、(c)は同シート材を折り畳んだ状態を示す斜視図。
図9】締結部材の斜視図。
図10】締結部材が取り付けられた状態の断面図。
図11】締結部材の支持部材について説明する図。
図12】締結部材をアンダーカバーに取り付ける方法について説明する図。
図13】アンダーカバーを台車に取り付ける方法について説明する図。
図14】(a)は締結部材の変更例の斜視図、(b)は締結部材の変更例が取り付けられた状態の断面図。
図15】締結部材の変更例の支持部材について説明する図。
図16】アンダーカバーの変更例について説明する図。
図17】アンダーカバーを台車に取り付ける方法の変更例について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本実施形態のアンダーカバーは、熱可塑性樹脂製の中空板材からなり、鉄道車両の台車の下部に取り付けられる。
図1(a)及び(b)に示すように、台車は、台車枠1に、ブレーキ装置2、主電動機3、歯車装置4、ヨーダンパ5、空気ばね7等が取り付けられており、空気ばね7を介して上部の車体Tを支持している。また、台車枠1の前方及び後方には、輪軸8が取り付けられている。図1(a)に示すように、ヨーダンパ5、空気ばね7等は幅方向に一対設けられている。これに対して、ブレーキ装置2、主電動機3、歯車装置4等は、前後方向にそれぞれ一対設けられており、これら各種装置2、3、4、6は、台車の中心点Mに対して点対称に配置されている。
【0013】
図2(a)及び(b)に示すように、本実施形態のアンダーカバー10は、後に説明する多数の締結部材50によって台車枠1の下方に取り付けられている。図2(a)は、台車を上方から見た図であり、台車の下方に取り付けられているアンダーカバー10を2点鎖線で示している。
【0014】
図2(a)及び図3に示すように、アンダーカバー10は、平面視略四角形状の一部が突出した形状とされており、台車枠1の下方の広い範囲を覆っている。アンダーカバー10において、平面視略四角形状の一部が突出した部分は、アンダーカバー10の中心点Nに対して点対称に位置し、結果として、アンダーカバー10は、自身の中心点Nに対して点対称の形状とされている。本実施形態のアンダーカバー10は、自身の中心点Nを台車の中心点Mと合致させた状態で台車枠1に取り付けられている、この状態で、アンダーカバー10は、主電動機3等を下方から覆う一方、ブレーキ装置2、歯車装置4、ヨーダンパ5、空気ばね7の一部、及び輪軸8等を下方に露出させている。
【0015】
図3に示すように、本実施形態のアンダーカバー10は、4つの板材に分割されており、同じ形状、同じ大きさの2つの第1分割板材11と、同じ形状、同じ大きさの2つの第2分割板材12とで構成されている。第1分割板材11は正面視略L字形状に形成されており、アンダーカバー10の中心点Nに対して点対称の位置に配置される。また、第2分割板材12は正面視長方形状に形成されており、アンダーカバー10の中心点Nに対して点対称の位置に配置される。第1分割板材11は、アンダーカバー10を台車枠1に取り付けた状態で、車体Tの前後方向に配置され、第2分割板材12は、車体Tの幅方向に配置される。アンダーカバー10には、締結部材50を取り付けるための取付孔10aが多数形成されている。
【0016】
次に、アンダーカバー10の構造について説明する。まず、第1分割板材11について説明する。図3に示すように、2つの第1分割板材11は、台車枠1に取り付けた時に車体Tの前後方向に配置される。なお、2つの第1分割板材11は、同じ形状、同じ大きさであり、前後方向に点対称に配置されるものであるため、ここでは、台車枠1の前方側に配置される第1分割板材11について説明する。また、以下で言う分割板材11、12の前後とは、分割板材11、12を台車枠1に取り付けた時の車体Tの前後に対応させるものとする。また、分割板材11、12の左右とは、前方を向いた場合の左右に対応させるものとする。
【0017】
図4に示すように、台車枠1の前方側に配置される第1分割板材11は、正面視長方形状の第1部分13と、第1部分より小さい正面視長方形状の第2部分14とからなり、全体として正面視略L字形状に形成されている。第1分割板材11の後端縁は直線状である一方、前端部では第1部分13の前端縁が前方に突出し、第2部分14の前端縁は第1部分13の前端縁より後方に位置している。
【0018】
第1分割板材11は、中空板材をプレス成形することにより形成されており、板厚方向に開口する六角柱状の複数のセルが並設されたハニカム構造体とされている。第1分割板材11のすべての端縁11aでは、中空板材が圧縮されており、中空板材内部のハニカム構造が外部に露出しない状態とされている。そのため、車両走行時に中空板材内部に空気が入り込みにくくなり、空気抵抗が増加することを抑制することができる。また、車両走行時における騒音を抑制することができる。
【0019】
第1分割板材11の第1部分13の前端部には、前方へ行くほど徐々に上方へ傾斜する湾曲形状の傾斜面13aが形成され、第2部分14の前端部には、前方へ行くほど徐々に上方へ傾斜する湾曲形状の傾斜面14aが形成されている。傾斜面13a、14aの形状は、アンダーカバー10により下方から覆われる各種装置の下端部と、アンダーカバー10との間の空間ができるだけ小さくなるように設計されている。傾斜面13a、14aをこうした形状とすることにより、車両走行時の第1分割板材11に対する空気抵抗を減らし、騒音を抑制することができる。また、車両走行時の第1分割板材11の取付け状態を安定させることができる。
【0020】
第1部分13の右側縁における前部には、側壁13bが形成されている。側壁13bは、第1部分13の右側縁からほぼ垂直状態で立設されている。側壁13bの後方の端縁13c(11a)は、後方へ行くほど徐々に下方へ傾斜する湾曲形状とされている。
【0021】
また、第1部分13の左側縁における前部には、側壁13dが形成されている。側壁13dは、第1部分13の左側縁からほぼ垂直状態で立設されている。側壁13dの後端縁は、後方へ行くほど徐々に下方へ傾斜する湾曲形状とされており、側壁13dは、後端縁において第2部分14の傾斜面14aと滑らかに連設されている。
【0022】
第1部分13の傾斜面13aから後方に位置する平面部13e、及び第2部分14の傾斜面14aから後方に位置する平面部14bは、第1分割板材11を台車枠1に取り付けた時に水平となる平滑面とされている。平面部13e、14bには、後に説明する締結部材50を取り付けるための取付孔10aが多数貫設されている。なお、図4では、取付孔10aの一つに締結部材50が取り付けられた状態を示している。取付孔10aの周縁外方であって、平面部13e、14bにおける上面には、平面部13e、14bの上面から下方へ凹む凹部10bが形成され、取付孔10aの周縁外方であって、平面部13e、14bにおける下面には、平面部13e、14bの下面から上方へ凹む凹部10cが形成されている。図4では、上面の凹部10bのみを示しており、下面の凹部10cは、図12に示している。図4に示すように、取付孔10aの内周面では、中空板材内部のハニカム構造体が外部に露出した状態とされているが、内周面を熱溶融することによりハニカム構造体が外部に露出しない状態としてもよい。
【0023】
次に、第2分割板材12について説明する。図3に示すように、2つの第2分割板材12は、台車枠1に取り付けた時に車体Tの左右方向に配置される、2つの第2分割板材12は、同じ形状、同じ大きさであり、左右方向に点対称に配置されるものであるため、ここでは、台車枠1の右方側に配置される第2分割板材12について説明する。
【0024】
第2分割板材12は、中空板材をプレス成形することにより形成されており、板厚方向に開口する六角柱状の複数のセルが並設されたハニカム構造体とされている。第2分割板材12のすべての端縁12aでは、中空板材が圧縮されており、中空板材内部のハニカム構造が外部に露出しない状態とされている。そのため、車両走行時の空気抵抗の増加が抑制され、車両走行時における騒音が抑制される。
【0025】
図5に示すように、台車枠1の右方側に配置される第2分割板材12は、正面視長方形状に形成されている。第2分割板材12の前端縁及び後端縁は直線状とされている。第2分割板材12の前端部には、前方へ行くほど徐々に上方へ傾斜する湾曲形状の傾斜面12bが形成され、後端部には、後方へ行くほど徐々に上方へ傾斜する湾曲形状の傾斜面12cが形成されている。傾斜面12b、12cの形状は、アンダーカバー10により下方から覆われる各種装置の下端部と、アンダーカバー10との間の空間ができるだけ小さくなるように設計されている。傾斜面12b、12cをこうした形状とすることにより、車両走行時の第2分割板材12に対する空気抵抗を減らし、騒音を抑制することができ、また、車両走行時の第2分割板材12の取付け状態を安定させることができる。
【0026】
第2分割板材12の右側縁には、側壁12dが形成されている。側壁12dは、第2分割板材12の右側縁からほぼ垂直状態で立設されている。また、第2分割板材12の左側縁における後部には、側壁12eが形成されている。側壁12eは、第2分割板材12の左側縁からほぼ垂直状態で立設されている。側壁12eの前方の端縁12f(12a)は、前方へ行くほど徐々に下方へ傾斜する湾曲形状とされている。
【0027】
第2分割板材12の傾斜面12bと傾斜面12cの間には、第2分割板材12を台車枠1に取り付けた時に水平となる平滑面としての平面部12gが形成されている。平面部12gには、後に説明する締結部材50を取り付けるための取付孔10aが多数貫設されている。取付孔10aの周縁外方であって、平面部12gにおける上面には、平面部12gの上面から下方へ凹む凹部10bが形成され、取付孔10aの周縁外方であって、平面部12gにおける下面には、平面部12gの下面から上方へ凹む凹部10c(図12に示す。)が形成されている。取付孔10aの内周面では、中空板材内部のハニカム構造体が外部に露出した状態とされているが、端面を熱溶融することによりハニカム構造体が外部に露出しない状態としてもよい。
【0028】
図6に示すように、アンダーカバー10は、台車枠1に取り付けた時に前方に位置する第1分割板材11が、傾斜面13aを前方へ向けた状態に配置され、後方に位置する第1分割板材11が、傾斜面13aを後方へ向けた状態に配置される。また、右方の第2分割板材12が、傾斜面12bを前方へ向けた状態に配置され、左方の第2分割板材12が、傾斜面12bを後方へ向けた状態に配置される。このとき、前方の第1分割板材11の側壁13bの後方の端縁13c(11a)は、右方の第2分割板材12の傾斜面12bの側端縁12aに沿うように配置されて、端縁13cと側端縁12aとの間には隙間がほとんど形成されない。また、前方の第1分割板材11の第2部分14の左方の側端縁11aは、左方の第2分割板材12の側壁12eの後方の端縁12f(12a)に沿うように配置されて、端縁11aと端縁12fとの間には隙間がほとんど形成されない。こうした関係は、後方の第1分割板材11と、左右両方の第2分割板材12との間でも同様である。また、前後方向に隣接する第1分割板材11の端縁11aの間、左右方向に隣接する第1分割板材11の端縁11aと第2分割板材12の端縁12aの間にも隙間がほとんど形成されない。そのため、アンダーカバー10を台車枠1に取り付けた時に、各分割板材11、12の間に隙間はほとんど形成されることなく並設状態とされており、空気抵抗の増加、分割板材11、12のばたつき、これらに伴う騒音の発生を抑制することができる。
【0029】
次に、本実施形態のアンダーカバー10を構成する中空板材の構造について説明する。
図7(a)に示すように、本実施形態の中空板材は、複数のセルSが並設されたコア層20の上下両面にラミネートシート30、40を熱溶着で接合することにより形成されている。図7(b)及び(c)に示すように、コア層20は、ポリアミド樹脂製のシート材であって所定形状に成形された一枚のシート材を折り畳んで形成されている。そして、コア層20は、上壁21と、下壁22と、上壁21及び下壁22の間に立設されて六角柱状の筒部を並設する中間壁23とから構成されている。また、これら上壁21、下壁22、中間壁23によって、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されている。
【0030】
図7(b)及び(c)に示すように、コア層20の内部に区画形成されるセルSには、構成の異なる第1セルS1及び第2セルS2が存在する。図7(b)に示すように、第1セルS1は、その上端が二層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が一層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の上壁21の各層は互いに接合されている。一方、図7(c)に示すように、第2セルS2は、その上端が一層構造の上壁21によって閉塞されるとともに、同下端が二層構造の下壁22によって閉塞されている。この二層構造の下壁22の各層間は互いに接合されている。また、図7(b)及び(c)に示すように、隣接する第1セルS1同士の間、及び隣接する第2セルS2同士の間は、それぞれ二層構造の中間壁23によって区画されている。
【0031】
図7(a)に示すように、第1セルS1及び第2セルS2は、X方向において第1セルS1同士又は第2セルS2同士が隣接して列を形成するように配置されている。また、X方向に直交するY方向において、第1セルS1の列と第2セルS2の列とが交互に隣接配置されている。そして、これら第1セルS1及び第2セルS2により、コア層20は、ハニカム構造を成している。このように形成されたコア層20の上面及び下面に、ラミネートシート30及びラミネートシート40を熱溶着で接合することにより中空板材が形成されている。
【0032】
図7(b)及び(c)に示すように、中空板材の上面は、コア層20の上壁21とラミネートシート30とから構成されるとともに、中空板材の下面は、コア層の下壁22とラミネートシート40とから構成される。
【0033】
図7(b)に示すように、上面のラミネートシート30は、外面側(図7(b)において上側)に配置されるポリアミド樹脂製のスキン層30aと、そのスキン層30aに接合された接着層30bとの二層構造を成しており、スキン層30aが接着層30bを介してコア層20に接合されている。すなわち、中空板材においてコア層20とスキン層30aとの間に接着層30bが介在されている。
【0034】
図7(b)に示すように、下面のラミネートシート40は、上面のラミネートシート30と同様に、外面側(図7(b)において下側)に配置されるポリアミド樹脂製のスキン層40aと、スキン層40aに接合された接着層40bとの二層構造を成しており、スキン層40aが接着層40bを介してコア層20に接合されている。すなわち、中空板材においてコア層20とスキン層40aとの間に接着層40bが介在されている。ラミネートシート40におけるスキン層40a及び接着層40bは、それぞれラミネートシート30におけるスキン層30a及び接着層30bと同じ厚みに形成されている。なお、コア層20の上面及び下面に、それぞれ同じ材料で同じ厚みのラミネートシート30及びラミネートシート40をそれぞれ接合することにより、中空板材として反り等が発生し難くなっている。
【0035】
次に、一枚のシート材100を折り畳み成形してコア層20とする態様について説明する。
図8(a)に示すように、シート材100は、一枚のポリカーボネート製のシートを所定の形状に成形することにより形成される。シート材100には、帯状をなす平面領域110及び膨出領域120がその幅方向(X方向)に交互に配置されている。膨出領域120には、上面と一対の側面とからなる断面下向溝状をなす第1膨出部121が膨出領域120の延びる方向(Y方向)の全体にわたって形成されている。なお、第1膨出部121の上面と側面とのなす角は90度であることが好ましく、その結果として、第1膨出部121の断面形状は下向コ字状となる。また、第1膨出部121の幅(上面の短手方向の長さ)は平面領域110の幅と等しく、かつ第1膨出部121の膨出高さ(側面の短手方向の長さ)の2倍の長さとなるように設定されている。
【0036】
図8(a)に示すように、膨出領域120には、その断面形状が正六角形を最も長い対角線で二分して得られる台形状をなす複数の第2膨出部122が、第1膨出部121に直交するように形成されている。第2膨出部122の膨出高さは第1膨出部121の膨出高さと等しくなるように設定されている。また、隣り合う第2膨出部122間の間隔は、第2膨出部122の上面の幅と等しくなっている。なお、こうした第1膨出部121及び第2膨出部122は、シートの塑性を利用してシートを部分的に上方に膨出させることにより形成されている。また、シート材100は、真空成形法や圧縮成形法等の周知の成形方法によって1枚のシートから成形することができる。
【0037】
図8(a)及び(b)に示すように、上述のように構成されたシート材100を、境界
線P、Qに沿って折り畳むことでコア層20が形成される。具体的には、シート材100を、平面領域110と膨出領域120との境界線Pにて谷折りするとともに、第1膨出部121の上面と側面との境界線Qにて山折りしてX方向に圧縮する。そして、図8(b)及び(c)に示すように、第1膨出部121の上面と側面とが折り重なるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なることによって、一つの膨出領域120に対して一つのY方向に延びる角柱状の区画体130が形成される。こうした区画体130がX方向に連続して形成されていくことにより板状のコア層20が形成される。
【0038】
このとき、第1膨出部121の上面と側面とによってコア層20の上壁21が形成されるとともに、第2膨出部122の端面と平面領域110とによってコア層20の下壁22が形成される。なお、図8(c)に示すように、上壁21における第1膨出部121の上面と側面とが折り重なって二層構造を形成する部分、及び下壁22における第2膨出部122の端面と平面領域110とが折り重なって二層構造を形成する部分がそれぞれ重ね合わせ部131となる。
【0039】
図8(c)に示すように、第2膨出部122が折り畳まれて区画形成される六角柱状の領域が第2セルS2となるとともに、隣り合う一対の区画体130間に区画形成される六角柱状の領域が第1セルS1となる。本実施形態では、第2膨出部122の上面及び側面が第2セルS2の側壁を構成するとともに、第2膨出部122の側面と、膨出領域120における第2膨出部122間に位置する平面部分とが第1セルS1の側壁を構成する。そして、第2膨出部122の上面同士の当接部位、及び膨出領域120における上記平面部分同士の当接部位が二層構造をなす中間壁23となる。また、第1セルS1では、一対の重ね合わせ部131によってその上端が閉塞され、第2セルS2では、一対の重ね合わせ部131によってその下端が閉塞されている。なお、こうした折り畳み工程を実施するに際して、シート材100を加熱処理して軟化させた状態としておくことが好ましい。
【0040】
次に、上記のようにして折り畳み成形されたコア層20の上面及び下面に、それぞれラミネートシート30及びラミネートシート40を熱溶着により接合する。ラミネートシート30、40は、接着層30b、40bを構成する樹脂の温度より高い温度で接着層30b、40bを熱溶融させることにより接合する。こうして、複数のセルSが並設されたコア層20の上下両面にラミネートシート30、40が熱溶着により接合された中空板材が得られる。
【0041】
次に、アンダーカバー10を台車枠1に取り付けるための締結部材50について説明する。
図9図10、及び図12に示すように、締結部材50は、金属製の支持部材51、52、制振ゴム53、54、及び金属筒55で構成されている。支持部材51、52は、アンダーカバー10を上面側から支持する第1支持部材51と、アンダーカバー10を下面側から支持する第2支持部材52とで構成されている。制振ゴム53、54は、第1支持部材51に取り付けられた第1制振ゴム53と、第2支持部材52に取り付けられた第2制振ゴム54とで構成されている。金属筒55は、第1制振ゴム53及び第2制振ゴム54の内部に配置されている。第1支持部材51は、インサート成形により、第1制振ゴム53及び金属筒55と一体化されている。また、第2支持部材52は、インサート成形により、第2制振ゴム54と一体化されている。
【0042】
図10及び図11に示すように、第1支持部材51は、下方へ行くほどやや大径となる略円筒形状の第1筒部51aと、第1筒部51aの下端縁から略直角に折れ曲がり、外方へ延びる円環状の第1鍔部51bと、第1筒部51aの上端縁から略直角に折れ曲がり、内方へ延びる円環状の第1蓋部51cとを有している。第1鍔部51b及び第1蓋部51cは、締結部材50をアンダーカバー10に取り付けた時に、アンダーカバー10の上下両面と平行となるように延びている。第1蓋部51cの中央部分には、上側の第1制振ゴム53が設けられる第1保持孔51dが形成されている。第1筒部51aの内周面には、周方向に沿って延びる凸部51eが形成されている。
【0043】
図10及び図11に示すように、第2支持部材52は、第1筒部51a内に挿入され、下方へ行くほどやや大径となる略円筒形状の第2筒部52aと、第2筒部52aの下端縁から略直角に折れ曲がり、外方へ延びる円環状の第2鍔部52bと、第2筒部52aの上端縁から略直角に折れ曲がり、内方へ延びる円環状の第2蓋部52cとを有している。第2鍔部52b及び第2蓋部52cは、締結部材50をアンダーカバー10に取り付けた時に、アンダーカバー10の上下両面と平行となるように延びている。第2蓋部52cの中央部分には、下側の第2制振ゴム54が取り付けられる第2保持孔52dが形成されている。第2筒部52aの外周面には、周方向に沿って延びる凹部52eが形成されている。
【0044】
図10及び図11に示すように、第2支持部材52の第2筒部52aの外径は、第1支持部材51の第1筒部51aの厚み分だけ、第1筒部51aの外径より小径に形成されている。そのため、第2筒部52aは第1筒部51a内に挿入可能とされ、第1筒部51a内に挿入された状態で、第2筒部52aの外周面は第1筒部51aの内周面に当接している。
【0045】
また、第2筒部52aは、第1筒部51aより高く形成されている。具体的には、第2筒部52aが第1筒部51a内へ挿入されて、第2蓋部52cの上面が第1蓋部51cの下面に当接したとき、第1鍔部51bの上面と第2鍔部52bの下面との間に所定長さHが形成されるように第2筒部52aの高さが設定されている。この長さHは、アンダーカバー10の厚みと同一である。
【0046】
図10に示すように、第1筒部51aの内周面に形成された凸部51eは、第2筒部52aが第1筒部51a内へ挿入されて、第2蓋部52cの上面が第1蓋部51cの下面に当接した状態で、第2筒部52aの外周面に形成された凹部52eに対応する位置に形成されている。
【0047】
図10及び図11に示すように、第1鍔部51bの外径と第2鍔部52bの外径は同一とされている。そして、第1鍔部51b及び第2鍔部52bの外径は、アンダーカバー10の上面に形成された凹部10b、下面に形成された凹部10cの外径と同一とされている。
【0048】
図12に示すように、第1制振ゴム53は、略円筒形状とされており、第1支持部材51の第1蓋部51c上に取り付けられる上支持部53aと、上支持部53aから下方へ延びて第1蓋部51cの第1保持孔51d内に保持される内支持部53bとを備えている。第1支持部材51の中央部には、金属筒55が挿入された挿入孔53eが形成されている。内支持部53bの上部外周面には、下方へ行くほど内方へ傾斜する傾斜面53cが形成されており、内支持部53bの下部には、傾斜面53cから連設される下筒部53dが形成されている。
【0049】
第1制振ゴム53の中央部には、円筒形状の金属筒55が嵌め込まれている。金属筒55の上端面は、第1制振ゴム53の上支持部53aの上端面とほぼ面一とされており、金属筒55の下端部は、第1制振ゴム53の内支持部53bにおける下筒部53dの下端面とほぼ面一とされている。また、金属筒55の内径は、台車枠1に取り付けられた連結棒61の外径より僅かに大径とされている。
【0050】
図12に示すように、第2制振ゴム54は、略円筒形状とされており、第2支持部材52の第2蓋部52c下部に取り付けられている。第2制振ゴム54の上部内周面には、下方へ行くほど内方へ傾斜する傾斜面54bが形成されている。第2制振ゴム54の中央部には、その内径が、第1制振ゴム53における内支持部53b下端部の外径より僅かに大径の挿入孔54aが形成されている。
【0051】
本実施形態の締結部材50は、あらかじめアンダーカバー10に取り付けられた状態とされており、アンダーカバー10の台車枠1に対する取付け及び取外しは、締結部材50が取り付けられたアンダーカバー10を一体として行うものである。
【0052】
まず、締結部材50をアンダーカバー10に取り付ける方法について説明する。ここでは、便宜上、上面側の第1支持部材51、第1制振ゴム53及び金属筒55が一体化された部材を第1締結部材50aと言い、下面側の第2支持部材52及び第2制振ゴム54が一体化された部材を第2締結部材50bと言うものとする。また、締結部材50は、アンダーカバー10を構成する各第1分割板材11、各第2分割板材12に形成されたすべての取付孔10aに同様の方法で取り付けられるが、ここでは、第1分割板材11の一つの取付孔10aに取り付ける場合について説明する。
【0053】
図12に示すように、まず、第1分割板材11に形成された取付孔10aの下方から、第2締結部材50bの第2支持部材52の第2筒部52aを挿入する。このとき、取付孔10aの下面外方に形成された凹部10cの外径と第2支持部材52の第2鍔部52bの外径はほぼ同一とされていることから、第2鍔部52bがアンダーカバー10の下面の凹部10cに収容されて、第2鍔部52bの下面とアンダーカバー10(第1分割板材11)の下面とが面一となる。
【0054】
続いて、第1締結部材50aの第1支持部材51の第1筒部51aを、第2筒部52aに外嵌する。このとき、第1締結部材50aの第1制振ゴム53の内支持部53bにおける下筒部53dの下端部は、金属筒55の下端部とともに第2制振ゴム54に形成された挿入孔54a内に挿入されて、第1制振ゴム53の内支持部53bにおける下筒部53dの下端面及び金属筒55の下端面が、第2制振ゴム54の下端面と面一となる。
【0055】
そして、図10に示すように、第2蓋部52cの上面が第1蓋部51cの下面に当接して、第2筒部52aの第1筒部51a内への挿入が規制される。この状態で、第1筒部51aの内周面に形成された凸部51eと第2筒部52aの外周面に形成された凹部52eが互いに係合し、第1支持部材51と第2支持部材52とが抜け止め状態に保持される。また、第1制振ゴム53の傾斜面53cに、第2制振ゴム54の傾斜面54bが押し付けられる。こうして、図10に示すように、第1締結部材50aと第2締結部材50bが接合された状態の締結部材50が第1分割板材11に取り付けられる。このとき、第1鍔部51bがアンダーカバー10の上面の凹部10bに収容されて、第1鍔部51bの上面とアンダーカバー10の上面とが面一となる。
【0056】
このようにして、2つの第1分割板材11、2つの分割板材12に形成されたすべての取付孔10aに対して締結部材50を取り付けていく。
次に、アンダーカバー10を台車枠1に取り付ける取付け方法、台車枠1から取り外す取外し方法について説明する。本実施形態では、締結部材50が取り付けられた状態の第1分割板材11、第2分割板材12と順次取り付けることにより、台車下部をアンダーカバー10で覆い、締結部材50が取り付けられた状態の第1分割板材11、第2分割板材12を順次取り外すことにより、台車下部からアンダーカバー10を取り外す。
【0057】
図13に示すように、台車枠1には、複数の棒状の連結棒61が、上下方向に延びるようにその上端部で取り付けられている。連結棒61の下部外周には図示しないネジ切りがされており、ナット62及び円環状の金属板63が取り付けられている。円環状の金属板63は、第1制振ゴム53の外径よりやや大きい外径とされている。
【0058】
また、台車枠1にアンダーカバー10を取り付ける際には、締結部材50が取り付けられたアンダーカバー10以外に、締結部材50を連結棒61に取り付けるための、円環状の金属板64及びナット65を準備する。円環状の金属板64は、第2制振ゴム54の外径よりやや大きい外径とされ、中央に連結棒61の外径とほぼ同一の内径の貫通孔64aが形成されている。
【0059】
まず、台車枠1の下方に第1分割板材11を配置し、第1分割板材11を上方に移動させて、第1分割板材11に取り付けられた締結部材50の金属筒55内に、連結棒61の下端部を挿入させる。その結果、連結棒61は、金属筒55を介して、第1支持部材51の第1保持孔51d、第2支持部材52の第2保持孔52d、第1制振ゴム53の挿入孔53e、第2制振ゴム54の挿入孔54a内に挿入されることになる。連結棒61が金属筒55内に挿入されて、第1制振ゴム53の上端面が連結棒61に取り付けられた金属板63に当接すると、第2制振ゴム54の下端面より下方に連結棒61の下端部が突出した状態となる。
【0060】
続いて、第2制振ゴム54の下端面から突出した連結棒61の下端部に、金属板64の貫通孔64aを外嵌し、その下端部をナット65で締め付ける。第1制振ゴム53の上端面は、金属筒55の上端面とほぼ面一とされており、第1制振ゴム53の内支持部53bの下端面は、金属筒55の下端面とほぼ面一とされていることから、上下の金属板63、64と第1制振ゴム53、第2制振ゴム54との間に隙間が形成されにくく、アンダーカバー10が台車枠1に安定して固定される。
【0061】
本実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)本実施形態のアンダーカバー10は樹脂製の中空板材で構成されている。そのため、金属製のものに比べて軽量である。また、アンダーカバー10の取付け作業時、取外し作業時の作業負担が軽減される。
【0062】
(2)本実施形態のアンダーカバー10は、2つの第1分割板材11、2つの第2分割板材12に分割されている。そのため、一つの分割板材11、12の大きさが小型化されて、各分割板材11、12を軽量化することができる。
【0063】
(3)本実施形態のアンダーカバー10は、異なる形状及び異なる大きさの第1分割板材11と第2分割板材12に分割されている。第1分割板材11は、同じ形状で、且つ、同じ大きさの2つで構成され、第2分割板材12は、同じ形状で、且つ、同じ大きさの2つで構成されている。そして、2つの第1分割板材11を点対称に配置し、2つの第2分割板材12を点対称で配置している。そのため、4つに分割されたアンダーカバー10を、異なる形状及び異なる大きさの2種類の分割板材11、12で構成することができる。アンダーカバー10を構成する分割板材11、12の大きさを小さくして軽量化しつつ、分割板材11、12の種類を少なくすることができる。コスト的に有利である。
【0064】
(4)アンダーカバー10が樹脂製であるため、巻き上げられたバラストがその表面に当たったとしても、バラストがアンダーカバー10の表面で跳ね返ることが抑制される。樹脂製のアンダーカバー10の場合、バラストが樹脂に食い込むような状態となり、金属製のアンダーカバーに比べて、跳ね返ったバラストによる車両配線、線路周壁の機材等への影響が抑制される。
【0065】
(5)鉄道車両は、安全走行のために定期的に点検する必要があり、点検時には、台車枠1に取り付けられたアンダーカバー10を取り外したり取り付けたりする作業が必要となる。本実施形態のアンダーカバー10は、一つの分割板材11、12の大きさを小型化することができるため、アンダーカバー10を台車枠1に取り付けたり、取り外したりする際の作業性に優れている。
【0066】
(6)アンダーカバー10は、台車に取り付けられた状態において、前端部の一部は、前方に突出しているとともに、後端部の一部は後方に突出しており、前端部の全部及び後端部の全部は、上方に向かって湾曲している。そのため、車両走行時の空気抵抗が増加することを抑制することができる。騒音の発生を抑制することができ、また、アンダーカバー10のばたつきを抑制することができる。
【0067】
(7)第1分割板材11は、一方の端部に上方に向かって湾曲する傾斜面13a、14aが形成され、2つの第1分割板材11が台車の前後方向に配置されている。また、第2分割板材12は、両方の端部に上方に向かって湾曲する傾斜面12b、12cが形成され、2つの第2分割板材12が台車の左右方向に配置されている。そのため、アンダーカバーの前後方向のいずれにも、傾斜面12b、12c、13a、14aが形成されることになる。車両走行方向が前後逆転した場合でも、アンダーカバー10に対する空気抵抗の増加を抑制することができる。
【0068】
(8)第1分割板材11のすべての端縁11a、第2分割板材12のすべての端縁12aでは、中空板材内部のハニカム構造が外部に露出しない状態とされている。そのため、車両走行時に中空板材内部に空気が入り込みにくくなり、空気抵抗が増加することを抑制することができる。また、車両走行時における騒音を抑制することができる。
【0069】
(9)アンダーカバー10を構成する中空板材は、ポリアミド樹脂製のコア層20にポリアミド樹脂製のスキン層30a、40aが接着された構成とされている。ポリアミド樹脂製で構成されていることから、耐衝撃吸収性、耐熱性、耐寒性に優れたアンダーカバー10が得られる。
【0070】
(10)本実施形態の締結部材50は、アンダーカバーの上下面を支持する支持部材51、52と、支持部材内に設けられた制振ゴム53、54とを備えている。そのため、制振ゴム53、54の適切なばね定数を選択することで、台車枠1とアンダーカバー10の間の振動絶縁を行いつつ、アンダーカバー10を安定して固定することができる。
【0071】
(11)本実施形態の締結部材50は、第1支持部材51に第1保持孔51dが形成され、第2支持部材52に第2保持孔52dが形成されている。また、第1制振ゴム53に挿入孔53eが形成され、第2制振ゴム54に挿入孔54aが形成されている。そして、
台車枠1に取り付けられた連結棒61を、金属筒55を介して、第1保持孔51d、第2保持孔52d、挿入孔53e、及び挿入孔54a内に挿入されることにより、締結部材50を一体として連結棒61に取り付けることができる。締結部材50の取付け、取外しを容易に行うことができる。
【0072】
(12)本実施形態の締結部材50は、アンダーカバー10に取り付けた時に、第1支持部材51の第1鍔部51bの上面とアンダーカバー10の上面が面一とされ、第2支持部材52の第2鍔部52bの下面とアンダーカバー10の下面が面一とされる。そのため、車両走行時の空気抵抗を減らすことができ、騒音を抑制することができる。
【0073】
(13)本実施形態の締結部材50は、第1支持部材51と第2支持部材52とが、凸部51eと凹部52eの係合によって接合されている。簡単な構成で、第1支持部材51と第2支持部材52とを係合することができ、締結部材50の締結状態を安定させることができる。
【0074】
(14)本実施形態の締結部材50は、第1制振ゴム53の内支持部53bの下筒部53d外周に傾斜面53cが形成され、第2制振ゴム54の上部外周に傾斜面54bが形成され、第1締結部材50aと第2締結部材50bの締結時には、傾斜面54bに傾斜面53cが押し付けられる。そのため、第1制振ゴム53及び第2制振ゴム54を強固に締め付けることができる。
【0075】
(15)アンダーカバー10は、締結部材50が取り付けられた状態で、台車枠1に取り付け、台車枠1から取り外すようにしている。また、締結部材50の取付けは、台車枠1に取り付けられた連結棒61に金属板64及びナット65を締め付けることによって行い、締結部材50の取外しは、連結棒61から金属板64及びナット65を取外すことによって行っている。アンダーカバー10を締結部材50と一体化した状態で脱着できるため、作業性が良好となり、部品管理の煩雑さが解消される。
【0076】
上記実施形態は以下のように変更してもよく、また、これらの変更例を適宜組み合わせて適用してもよい。
・ 本実施形態では、アンダーカバー10を点対称の2つの第1分割板材11、点対称の2つの第2分割板材12の2種類の分割板材に分割したが、これに限定されない。アンダーカバー10を点対称の分割板材を1種類のみとしてもよく、点対称の一対の分割板材を3種類以上としてもよい。
【0077】
・ 本実施形態では、2つの第1分割板材11、2つの第2分割板材12のいずれも台車枠1に点対称となるように取り付けたが、これに限定されない。線対称の位置に取り付けてもよく、対称とならない位置に取り付けてもよい。
【0078】
・ 本実施形態のアンダーカバー10は、台車枠1に取り付けられた主電動機3等を下方から覆う一方、ブレーキ装置2、歯車装置4、ヨーダンパ5、空気ばねの7の一部、及び輪軸8等を下方に露出させる形状としたが、これに限定されない。アンダーカバー10で覆う範囲は適宜選択することができる。
【0079】
・ 本実施形態では、各種装置が点対称で配置された台車に対してアンダーカバー10を取り付ける場合について説明したが、取付け対象となる台車はこれに限定されない。必ずしも各種装置が点対称となっていなくてもよい。この場合、アンダーカバー10も複数の分割板材に分割されていればよく、その形状、大きさも特に限定されない。各分割部材が異なる形状、大きさであってもよい。
【0080】
・ 第1分割板材11の傾斜面13a、14a、及び第2分割板材12の傾斜面12bを湾曲形状としたが、傾斜面13a、14a、12bは湾曲形状でなくてもよい。平面形状の傾斜面であってもよい。また、傾斜面13a、14a、12bのうち、一部が湾曲形状の傾斜面であり、一部が平面形状の傾斜面であってもよい。
【0081】
・ 第1分割板材11の端縁11a、第2分割板材12の端縁12aでは、中空板材が圧縮されており、中空板材内部のハニカム構造が外部に露出しない状態としたが、圧縮されていなくてもよい。例えば、分割板材11、12の最外周の端縁がコーキング材等で閉塞されていてもよい。また、台車枠1の左右方向に配置される端縁では、中空板材が露出されていてもよい。
【0082】
・ 本実施形態では、第1分割板材11の端縁11aと第2分割板材12の端縁12a同士が突き合わされた状態で、互いの間に隙間が生じないようにされていたがこれに限定されない。例えば、図16に示すように、左右方向に並設された第1分割板材11と第2分割板材12の端縁11a、12a同士が上下方向に重なり合うような状態とされていてもよい。この場合、第1分割板材11の端縁11aに、前後方向に所定幅でその厚みが下方に向かって半分程度に圧縮された部分を形成し、第2分割板材12の端縁12aに、前後方向に所定幅でその厚みが上方に向かって半分程度に圧縮された部分を形成する。それぞれの圧縮部分を重ね合わせることにより、第1分割板材11と第2分割板材12との間に隙間が生じないようにすることができる。
【0083】
・ 本実施形態の第1分割板材11の第1部分13の側壁13bは、第1部分13の右側縁からほぼ垂直状態で立設されており、第1部分13の側壁13dは、第1部分13の左側縁からほぼ垂直状態で立設されている。また、第2分割板材12の側壁12dは、第2分割板材12の右側縁からほぼ垂直状態で立設されており、第2分割板材12の側壁12eは、第2分割板材12の左側縁からほぼ垂直状態で立設されている。しかし、各側壁13b、13d、12d、12eは、上方へ行くほど外方へ傾斜する傾斜状態で立設されていてもよい。また、上方へ行くほどやや内方へ傾斜する傾斜状態で立設されていてもよい。
【0084】
・ 本実施形態のアンダーカバー10は、台車枠1に取り付けた時に、隣り合う第1分割板材11の端縁11a同士が突き合わされ、隣り合う第2分割板材12の端縁12a同士が突き合わされ、隣り合う第1分割板材11の端縁11aと第2分割板材12の端縁12aが突き合わされて、それぞれの間に隙間がほとんど形成されないようにしている。こうした構成に限定されず、例えば、隣り合う端縁11a、12a間を、樹脂を溶融させた溶着材等で一体化してもよい。また、隣り合う端縁11a、12a間にヒンジ構造を形成してもよい。
【0085】
・ 本実施形態のアンダーカバー10を構成する中空板材は、ポリアミド樹脂製のコア層20にポリアミド樹脂製のスキン層30a、40aが接着された構成とされているが、アンダーカバー10を構成する樹脂はこれに限定されない。ポリプロピレン樹脂製、ポリエチレン樹脂製、ポリカーボネート樹脂製等従来公知の熱可塑性樹脂を適宜使用することができる。また、熱可塑性樹脂に各種エラストマー成分が配合されたものを使用することもできる。エラストマー成分が配合されていることにより、巻き上げられたバラストによるアンダーカバー10の破損を抑制することができ、アンダーカバー10に当たったバラストの跳ね返りを抑制することができる。
【0086】
・ アンダーカバー10に雨水等を排水するための孔が形成されていてもよい。
・ コア層20は、一枚の第1シート材100を折り畳み成形して構成するのに限らない。例えば、複数の帯状のシートを所定間隔毎に屈曲させて配置してセルの側壁を構成し、これら帯状のシートの上下両側にシート層を配置してセルの上壁及び下壁を構成するようにしてもよい。
【0087】
・ 本実施形態では、コア層20の内部に六角柱状のセルSが区画形成されているが、セルSの形状は、特に限定されるものでない。例えば、四角柱状、八角柱状等の多角形状や円柱状としてもよい。また、セルSの形状は、截頭円錐形状であってもよい。その際、異なる形状のセルが混在していてもよい。また、各セルは隣接していなくともよく、セルとセルとの間に隙間(空間)が存在していてもよい。
【0088】
・ コア層20は、柱形状のセルSが区画されたものに限らない。例えば、所定の凹凸形状を有するコア層の上下両面にシート層を接合したものであってもよい。このような構成のコア層としては、例えば特開2014-205341号公報に記載のものが挙げられる。また、断面がハーモニカ状のプラスチックダンボール等であってもよい。
【0089】
・ 本実施形態では、一枚の第1シート材100を折り畳み成形して、コア層20の内部に六角形状のセルSが区画形成されたハニカム構造体としてのコア層20を形成したが、成形方法はこれに限定されない。例えば、特許第4368399号に記載されるように、断面台形状の凸部が複数列設された三次元構造体を順次折り畳んでいくことにより、ハニカム構造体としてのコア層20を形成してもよい。
【0090】
・ ラミネートシート30、40は一層構造としたが、多層構造であってもよい。
・ コア層20、ラミネートシート30、40を構成する熱可塑性樹脂として、各種機能性樹脂を添加したものを使用してもよい。例えば、熱可塑性樹脂に難燃性の樹脂を添加することにより、難燃性を高めることが可能である。コア層20、ラミネートシート30、40のすべてに対して各種機能性樹脂を添加したものを使用することも可能であり、また、コア層20、ラミネートシート30、40の少なくともいずれかに対して使用することも可能である。
【0091】
・ ラミネートシート30、40自体を繊維層で構成したり、ラミネートシート30、40の表面に、さらに繊維層を設けたりしてもよい。例えば、巻き上げられたバラストがアンダーカバー10の表面に当たったような場合に、樹脂層が設けられていることにより、アンダーカバー10を構成する樹脂の飛散を抑制することができる。
【0092】
・ ラミネートシート30、40自体を衝撃吸収性の軟質シートで構成したり、ラミネートシート30、40の表面に、さらに衝撃吸収用の軟質シートを設けたりしてもよい。巻き上げられたバラストがアンダーカバー10の表面に当たった場合に、その衝撃をより効果的に吸収することができる。
【0093】
・ ラミネートシート30、40自体をアルミニウム等の金属薄板で構成してもよい。
・ 締結部材50の形状は本実施形態の形状に限定されない。図14に示すような形状の締結部材70であってもよい。ここでは、本実施形態の締結部材50と異なる点を中心に述べる。
【0094】
図14(a)及び(b)に示す締結部材70は、支持部材71、72及び制振ゴム73、74からなり、金属筒55は設けられていない。図15に示すように、アンダーカバー10の上面を支持する第1支持部材71の第1筒部71aは、凸部71eが形成された部分以外は上下方向に外径が変化しない円筒形状とされ、アンダーカバー10の下面を支持する第2支持部材72の第2筒部72aも、凹部72e、及び後に説明する段差72fが形成された部分以外は上下方向に外径が変化しない円筒形状とされている。第1蓋部71cに形成された第1保持孔71dの内径と、第2蓋部72cに形成された第2保持孔72dの内径は同一とされている。
【0095】
図15に示すように、第2筒部72aの外周面には、第2鍔部72bと平行に延びる段差72fが形成されている。段差72fは、第1筒部71aの内径より大径に形成されており、第1筒部71aの内周面下端が段差72fに当接することにより、第2筒部72aの第1筒部71a内への挿入が規制される。段差72fの形成位置は、第1筒部71aの内周面下端が段差72fに当接したとき、第1鍔部71bの上面と第2鍔部72bの下面との距離が、アンダーカバー10の厚みと同一となる位置とされている。そして、第1筒部71aの内周面下端が段差72fに当接した状態では、第2蓋部72cの上面が第1蓋部71cの下面に当接している。
【0096】
図14(b)に示すように、第1制振ゴム73は、下端部外周が切り欠かれた形状の略円錐台形状とされており、下端部が第1蓋部71cの第1保持孔71d内に保持されている。第1制振ゴム73の中央部には、台車枠1に取り付けられた連結棒61の外径より僅かに大径の挿入孔73eが形成されている。また、第2制振ゴム74は、上端部外周が切り欠かれた形状の略逆円錐台形状とされており、上端部が第2蓋部72cの第2保持孔72d内に保持されている。第2制振ゴム74の中央部には、連結棒61の外径より僅かに大径の挿入孔74aが形成されている。
【0097】
こうした形状の締結部材70であっても、アンダーカバー10を安定して取り付けることができる。また、段差72fを形成することにより第1支持部材71と第2支持部材72との位置決めがしやすい。
【0098】
・ 本実施形態の締結部材50では、第2支持部材52の第2筒部52aの外径が、第1筒部51aの外径より小径に形成されており、第1筒部51a内に挿入された状態で、第2筒部52aの外周面が第1筒部51aの内周面に当接している。第2筒部52aの外径は、これに限定されず、第2筒部52aの外周面が第1筒部51aの内周面に当接しない程度に、第1筒部51aの外径より小径に形成されていてもよい。
【0099】
・ 本実施形態の締結部材50は、第1筒部51aの内周面に形成された凸部51eと、第2筒部52aの外周面に形成された凹部52eとが係合するようにしたが、これに限定されない。第1筒部51aの内周面に凹部を形成し、第2筒部52aの外周面に凸部を形成するようにしてもよい。また、これら凸部及び凹部は、第1筒部51a及び第2筒部52aの全周に亘って形成されていなくてもよく、内外周面の一部に形成されていてもよい。その形状も、水平方向に延びる凸状、凹状でなくてもよく、平面視円弧状、多角形状、不定形状の凹凸としてもよい。
【0100】
・ 第1筒部51aと第2筒部52aを、第1筒部51aと第2筒部52aとは別部材としての係合部材によって係合する構成としてもよい。
・ 本実施形態の締結部材50では、第1支持部材51に円環状の第1鍔部51bが形成され、第2支持部材52に円環状の第2鍔部52bが形成される構成としたが、第1鍔部51b、第2鍔部52bの形状はこれに限定されない。多角形状であってもよく、不定形状であってもよい。また、第1鍔部51bと第2鍔部52bとが同じ大きさ、形状でなくてもよい。この場合、アンダーカバー10に形成された凹部10b、10cは、第1鍔部51b及び第2鍔部52bが収容可能な形状とされていることが好ましい。
【0101】
・ 第1鍔部51bの下面に突起を設けたり、第2鍔部52bの上面に突起を設けたりしてもよい。突起を設けることにより、アンダーカバー10に締結した際、締結部材50が空転することが抑制される。
【0102】
・ 本実施形態の締結部材50では、第1支持部材51に取り付けられた第1制振ゴム53の中央部に、金属筒55が嵌め込まれるように構成したが、金属筒55は、第2支持部材52に取り付けられた第2制振ゴム54に嵌め込まれるように構成してもよい。また、金属筒55を省略することもできる。
【0103】
・ 本実施形態の締結部材50では、金属筒55の上端面は、第1制振ゴム53の上端面とほぼ面一とされており、金属筒55の下端面は、第1制振ゴム53の内支持部53bの下端面とほぼ面一とされているが、これに限定されない。例えば、金属筒55の上端面が、第1制振ゴム53の上端面よりやや下方に位置しており、金属筒55の下端面が、第1制振ゴム53の内支持部53bの下端面よりやや下方に位置していてもよい。この構成によれば、連結棒61にナット65を締め付けることによって、第1制振ゴム53及び第2制振ゴム54が弾性変形によって潰されて、第1制振ゴム53及び第2制振ゴム54が上下の金属板63、64に押し付けられる。締結部材50が連結棒61に強固に固定され、台車枠1に対してアンダーカバー10が安定して固定される。
【0104】
・ 本実施形態の締結部材50は、上下に金属板63、64が配置されてナット65で締め付けられていたが、少なくともいずれか一方の金属板63、64を省略することができる。
【0105】
・ 台車枠1に取り付けられた連結棒61の下部外周には、ナット62及び円環状の金属板63が取り付けられており、連結棒61の下端部に円環状の金属板64及びナット65で締め付ける、ナット62及び金属板63、或いは、金属板64及びナット65は、一体形成されていてもよく、別体として構成されていてもよい。
【0106】
・ 本実施形態では、アンダーカバー10に締結部材50を取り付けた時に、第1支持部材51の第1鍔部51bの上面がアンダーカバー10の上面と面一となり、第2支持部材52の第2鍔部52bの下面がアンダーカバー10の下面と面一となるように構成したが、これに限定されない。第1鍔部51bの上面及び第2鍔部52bの下面の少なくともいずれかがアンダーカバー10の上下面から突出した状態であってもよく、凹んだ状態であってもよい。
【0107】
・ 本実施形態では、台車枠1に複数の棒状の連結棒61が取り付けられており、連結棒61に締結部材50を取り付けるようにしたが、台車枠1に取り付けられているのは、連結棒61のみでなくてもよい。例えば、図17に示すように、台車枠1に上向きコ字状の連結部材66が取り付けられ、連結部材66に対して連結棒67が取り付けられる構成としてもよい。
【符号の説明】
【0108】
1…台車枠、10…アンダーカバー、11…第1分割板材、12…第2分割板材、20…コア層、30、40…ラミネートシート、50…締結部材、51…第1支持部材、51a…第1筒部、51b…第1鍔部、51d…第1保持孔、52…第2支持部材、52a…第2筒部、52b…第2鍔部、52d…第2保持孔、52f…段差、53…第1制振ゴム、53e…挿入孔、54…第2制振ゴム、54a…挿入孔、61…連結棒、M…台車の中心点。
図1
図2
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