(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】複合材料構造物の製造用治具
(51)【国際特許分類】
B29C 43/34 20060101AFI20221005BHJP
B29C 43/36 20060101ALI20221005BHJP
B29C 43/12 20060101ALI20221005BHJP
B29C 70/16 20060101ALI20221005BHJP
B29C 70/44 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B29C43/34
B29C43/36
B29C43/12
B29C70/16
B29C70/44
(21)【出願番号】P 2018105258
(22)【出願日】2018-05-31
【審査請求日】2021-02-16
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000000974
【氏名又は名称】川崎重工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐名 俊一
【審査官】田代 吉成
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-17355(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/34
B29C 43/36
B29C 43/12
B29C 70/16
B29C 70/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体を周囲に導入した気体による高温高圧処理により所定形状に成形且つ硬化させるための複合材料構造物の製造用治具であって、
板厚方向に垂直な一方向から見て円弧状に湾曲し且つ凸面上に前記積層体が重ねて配置される第1プレートと、
前記第1プレートよりも低剛性であり、前記一方向から見て円弧状に湾曲し且つ前記積層体の前記第1プレート側とは反対側の面上に前記第1プレートと凸面の向きを揃えながら重ねて配置される第2プレートと、
前記第1プレート、前記積層体、及び前記第2プレートを含む積層構造を有する積層ユニットを、前記第2プレート側から支持するベース台と、を備え、
前記積層ユニットは前記ベース台とは独立してバッグフィルムにより気密に覆われており、
前記第2プレートと前記ベース台との間は気体が流入可能に構成され、
前記積層体は、前記第1プレート及び第2プレートにより形状が付与される、複合材料構造物の製造用治具。
【請求項2】
前記ベース台は、前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記積層ユニットに対して前記第2プレート側から接触して前記積層ユニットを支持する支持面を有する、請求項1に記載の製造用治具。
【請求項3】
前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記第1プレートを凹面側から支持すると共に、前記第1プレートを支持した状態で、前記第1プレートを板厚方向に反転可能に配置された支持部材を更に備える、請求項1又は2に記載の製造用治具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複合材料構造物の製造方法及び複合材料構造物の製造用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1に開示されるように、マンドレル(オス型)の凸状の外表面に複数のプリプレグを積層した積層体を重ねて配置し、この積層体に成形型を重ねて配置した状態で、マンドレルと成形型とにより積層体を成形しながら硬化させることで、一方向から見て凹状に湾曲した表面(以下、単に凹面とも称する。)を有するパネル状の複合材料構造物を製造する方法(以下、マンドレル工法と称する。)が知られている。
【0003】
また、例えば特許文献2に開示されるように、メス型の凹状の内表面に積層体を重ねて配置し、この積層体に薄肉のプレートを重ねて配置した状態で、メス型とプレートとにより積層体を成形しながら硬化させることで、凹面を有するパネル状の複合材料構造物を製造する方法(以下、メス型工法と称する。)が知られている。複合材料構造物としては、例えば、航空機胴体等が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5576650号公報
【文献】特開2013-18286号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
マンドレル工法は、複合材料構造物の凹面をマンドレルにより高精度に形成できる等の利点がある。これは、複合材料構造物を航空機胴体に適用した場合、胴体内面にあたる凹面に様々のパーツを取り付ける際にシム調整を不要にできる点で好ましい。しかしながら、種類の異なる複合材料構造物毎に専用のマンドレルが必要な場合がある。例えば、長さの異なる複数の派生機胴体では、各部に要求される剛性が異なるため、機種毎に外径は一定としつつも胴体スキンの板厚が異なるためにマンドレル形状は異なることとなる。従って、機種毎に専用マンドレルが必要となる。そのため、生産レートが高い場合には複数個の高額なマンドレルが必要となり、治具コストの上昇を招く原因となってきた。
【0006】
またメス型工法は、航空機胴体のように派生機であっても機種間で外径を一定にする場合、最長の1つのメス型により複数種の複合材料構造物を製造できるため、マンドレル工法に比べて、専用の形状を持ったマンドレルが不要であり、治具コストの低減が図れる利点がある。しかしながら、複合材料構造物の凹面(航空機においては胴体内面)を高精度に形成しにくいため、凹面に様々のパーツを取り付ける際にシム調整が必要になるという問題がある。
これらの問題は、例えば、製造しようとする複合材料構造物が、航空機胴体等のように、比較的大型のものである場合に顕著となる。
【0007】
本発明はこの課題に鑑みてなされたものであって、凹面を有するパネル状の複合材料構造物を製造する場合において、治具コストの低減及び作業負担の軽減を図ると共に、複合材料構造物の表面形状を高精度に成形可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る複合材料構造物の製造方法は、板厚方向に垂直な一方向から見て円弧状に湾曲する第1プレートの凸面上に、複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体を重ねて配置し、前記積層体の前記第1プレート側とは反対側の面上に、前記一方向から見て円弧状に湾曲し且つ前記第1プレートよりも低剛性の第2プレートを前記第1プレートと凸面の向きを揃えながら重ねて配置することにより、前記第1プレート、前記積層体、及び前記第2プレートを含む積層構造を有する積層ユニットを形成する第1ステップと、前記第1ステップ後、前記積層ユニットを前記第2プレート側からベース台により支持した状態で、前記積層体を所定形状に成形且つ硬化させる第2ステップと、を有する。
【0009】
上記方法によれば、第2ステップにおいて、第2プレートよりも剛性の高い第1プレートの凸面により、高精度な凹面を有するように積層体を硬化できる。また第2ステップでは、積層ユニットを第2プレートの積層体側からベース台により支持することで、積層体を第1プレートとベース台とで挟み込みながら支持できる。よって、積層体の厚み寸法がばらつくのを良好に防止しながら積層体を安定して硬化できる。従って、凹面が高精度に形成されたパネル状の複合材料構造物を製造できる。
【0010】
また例えば、第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方を撓ませることで、第1プレート及び第2プレートの形状を調整できる。よって、一対の第1プレートと第2プレートとにより、複数種類の複合材料構造物を製造できる。
【0011】
また積層体は、第1プレートと第2プレートとにより成形されながら硬化されるので、種類の異なる複合材料構造物を製造する毎に専用のベース台やプレートを個別に用意する必要がない。また、重量の比較的軽い第1プレート及び第2プレートを用いて複合材料構造物を製造できるので、オペレータによるハンドリングを向上できる。従って、複合材料構造物を製造する際の治具コストの低減及び作業負担の軽減を図れる。
【0012】
前記ベース台は、前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記積層ユニットに対して前記第2プレート側から接触して前記積層ユニットを支持する支持面を有していてもよい。これにより、ベース台の支持面で積層ユニットを良好に支持できるので、凹面が高精度に形成された複合材料構造物を製造できる。
【0013】
前記第2ステップでは、前記積層ユニットを前記ベース台とは独立してバッグフィルムにより気密に覆った後、前記積層ユニットを前記ベース台により支持した状態で、高温高圧気体を用いて、前記積層ユニットを加熱し且つ厚み方向両側から加圧しながら前記積層体を硬化させてもよい。
【0014】
上記方法によれば、治具コストの低減及び作業負担の軽減を図りつつ、バッグフィルムと高温高圧気体とを用いて、積層体を第1プレートと第2プレートとに密着させて、積層体を厚み方向両側から加圧して硬化させ、凹面が高精度に形成された複合材料構造物を製造できる。
【0015】
前記第1プレートの最大板厚寸法は、前記第2プレートの最大板厚寸法よりも厚くてもよい。これにより、第1プレートの剛性を第2プレートの剛性よりも高め易くすることができる。
【0016】
前記第1ステップは、前記第1プレートを、上面が前記凸面且つ下面が凹面となるように配置すると共に、前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記第1プレートを前記下面側から支持部材により支持する第1サブステップと、前記第1サブステップ後、前記第1プレートの前記上面上に前記積層体を重ねて配置する第2サブステップと、前記第2サブステップ後、前記第1プレートを前記支持部材により支持した状態で、前記支持部材と共に前記第1プレートと前記積層体とを上下反転させる第3サブステップと、を有してもよい。
【0017】
上記方法によれば、第1サブステップにおいて、第1プレートの凸面を支持部材により所定形状に保った状態で、第2サブステップにおいて、第1プレートの上面に積層体を適切な形状で重ねて配置できる。また、第3サブステップにおいて、第1プレートを支持部材により支持した状態で、支持部材と共に第1プレートと積層体とを上下反転させることで、第1プレートと積層体との形状を保持しながら、第3サブステップから第2ステップへスムーズに移行できる。
【0018】
本発明の一態様に係る治具は、複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体を所定形状に成形且つ硬化させるための複合材料構造物の製造用治具であって、板厚方向に垂直な一方向から見て円弧状に湾曲し且つ凸面上に前記積層体が重ねて配置される第1プレートと、前記第1プレートよりも低剛性であり、前記一方向から見て円弧状に湾曲し且つ前記積層体の前記第1プレート側とは反対側の面上に前記第1プレートと凸面の向きを揃えながら重ねて配置される第2プレートと、前記第1プレート、前記積層体、及び前記第2プレートを含む積層構造を有する積層ユニットを、前記第2プレート側から支持するベース台と、を備える。
【0019】
上記構成によれば、第2プレートよりも剛性の高い第1プレートの凸面を用いて、高精度な凹面を有するように積層体を硬化できる。また、積層ユニットを第2プレートの積層体側からベース台により支持することで、積層体を第1プレートとベース台とで挟み込みながら支持できるので、積層体の厚み寸法がばらつくのを良好に防止しながら積層体を硬化できる。従って、凹面が高精度に形成された複合材料構造物を製造できる。
【0020】
また例えば、第1プレート及び第2プレートの少なくとも一方を撓ませることで、第1プレート及び第2プレートの形状を調整できる。よって、一対の第1プレートと第2プレートとにより、複数種類の複合材料構造物を製造できる。また積層体は、第1プレートと第2プレートとにより成形できるので、種類の異なる複合材料構造物を製造する毎に専用のベース台やプレートを用意する必要がない。また、重量の比較的軽い第1プレート及び第2プレートを用いて複合材料構造物を製造できるので、オペレータによるハンドリングを向上できる。従って、複合材料構造物を製造する際の治具コストの低減及び作業負担の軽減を図れる。
【0021】
前記ベース台は、前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記積層ユニットに対して前記第2プレート側から接触して前記積層ユニットを支持する支持面を有してもよい。
【0022】
このように、第1プレートの凸面を所定形状に保ちながら積層ユニットを第2プレート側からベース台の支持面により支持することで、治具コストの低減及び作業負担の軽減を図りながら、凹面が高精度に形成された複合材料構造物を製造できる。
【0023】
前記第1プレートの前記凸面を所定形状に保ちながら前記第1プレートを凹面側から支持すると共に、前記第1プレートを支持した状態で、前記第1プレートを板厚方向に反転可能に配置された支持部材を更に備えていてもよい。
【0024】
上記構成によれば、支持部材により第1プレートの凸面を所定形状に保つことができるため、第1プレートに重ねて配置された積層体を所定形状に保ちつつ、支持部材により積層体を第1プレートと共に第1プレートの板厚方向に反転させて、積層体を第2プレートに良好に重ねて配置できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明の各態様によれば、複合材料構造物を製造する場合において、治具コストの低減及び作業負担の軽減を図れると共に、複合材料構造物の表面形状を高精度に成形できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】実施形態に係る複合材料構造物により構成された航空機胴体の部分図である。
【
図2】
図1の複合材料構造物を製造する際に用いられる製造用治具の斜視図である。
【
図3】実施形態に係る複合材料構造物の製造方法のフロー図である。
【
図4】(A)~(D)は、
図3の各ステップを説明するための図である。
【
図5】従来のメス型工法による硬化ステップを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0028】
(実施形態)
[複合材料構造物]
図1は、実施形態に係る複合材料構造物20(以下、構造物20と称する。)により構成された航空機胴体の部分図である。構造物20はパネル状であり、一例として、航空機胴体を構成するスキンパネルである。構造物20は、航空機胴体の長手方向(後述する一方向)から見て、円弧状に湾曲して同方向に延びる曲板である。
【0029】
構造物20は、後述するように、複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体15を硬化させた複合材料により製造されている。プリプレグは、繊維シートと、該繊維シートに含浸された樹脂を含む。構造物20は、FPR構造を有する。このFRP構造は、本実施形態では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により構成されているが、その他の繊維強化プラスチックにより構成されていてもよい。
【0030】
航空機では、一例として、4つの構造物20が、胴体の周方向に並べて組み合わされる。航空機胴体の長手方向から見て凹状の表面である凹面20bは、胴体の内周面となる。凹面20bには、同方向に延びる複数のストリンガ(ハット型ストリンガ)20c(
図4(d)参照)が、胴体の周方向に互いに離隔して形成されている。航空機胴体の長手方向から見て凸状の表面である凸面20aは、平滑に形成されている。
【0031】
航空機胴体には、内周面に複数の部品(胴体構造を構成するフレームやフロアビームなどの構造部品等)が所定位置に正確に取り付けられることが要求される。従って、構造物20の凹面20bは、高精度で形成されていることが要求される。構造物20は、以下に説明する製造用治具1を用いて製造されることにより、凹面20bが高精度に形成されている。
【0032】
[製造用治具]
図2は、
図1の構造物20を製造する際に用いられる製造用治具1の斜視図である。
図2では、フレーム部材6を腕部6bの先端側(腕部6bの第1プレート2との接触側)を下方に向けて配置した状態を示している。また説明上、第1プレート2と第2プレート3との間に配置される積層体15を仮想線(二点鎖線)で示している。
【0033】
製造用治具1は、複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体15(構造物20の製造中間体)を所定形状に成形且つ硬化させて構造物20を製造するための治具である。
【0034】
図2に示すように、製造用治具1は、第1プレート2、第2プレート3、支持部材4、及びベース台5を備える。第1プレート2と第2プレート3は、積層体15を板厚方向に挟み込むように配置される。これにより構造物20を製造する際には、第1プレート2、積層体15、及び第2プレート3を含む積層構造を有する積層ユニット16が形成される。積層ユニット16は、全体として板状であり、ベース台5により支持された状態で、オートクレーブ内にて高温高圧(オートクレーブ)処理される。
【0035】
第1プレート2と第2プレート3とは、板厚方向に垂直な一(X)方向(以下、単に一方向と称する。)から見て、円弧状に湾曲して一方向に延びる曲板である。第1プレート2の一方向から見て凸状の表面である凸面2aには、窪み部2cが形成されている。窪み部2cは、第1プレート2の板厚方向に窪み且つ一方向に延びるように形成されている。窪み部2cは、構造物20のストリンガ20cを形成するための型部として用いられる。
【0036】
本実施形態の第1プレート2と第2プレート3とは、同様の材料からなる。一例として、第1プレート2と第2プレート3とは、FRP構造を有する。このFRP構造は、本実施形態では炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により構成されているが、その他の繊維強化プラスチックにより構成されていてもよい。構造物20が航空機胴体の部品である場合、第1プレート2と第2プレート3とは、理想的には航空機胴体の構造材料と同じ熱膨張を有する材料が望ましい。
【0037】
第1プレート2と第2プレート3とが比較的軽量なFRP構造を有することで、オペレータが第1プレート2と第2プレート3とをハンドリングする際の作業負担が軽減されるとともに、搬送用運搬車や周辺機器が比較的安価で済む。また、第1プレート2と第2プレート3とを同様の材料で構成することにより、第1プレート2と第2プレート3との物性を揃え、構造物20の両面の物性を均一にし易くすることができる。なお、第1プレート2と第2プレート3とは、異なる材料で構成されていてもよい。
【0038】
第2プレート3は、第1プレート2よりも低剛性である。第2プレート3は、一方向から見て円弧状に湾曲し且つ積層体15の第1プレート2側とは反対側の面上に第1プレート2と凸面2a,3aの向き(ここでは一例としてX,Y,及びZ方向の向き)を揃えながら重ねて配置される。
【0039】
第1プレート2の最大板厚寸法は、第2プレート3の最大板厚寸法よりも厚い。これにより第1プレート2は、第2プレート3よりも撓みや歪の発生が抑制されている。よって積層体15では、オートクレーブ硬化中にプリプレグの樹脂粘度が低下した際に、第2プレート3側の面(凸面15a)に比べて剛性が高い第1プレート2側の面(凹面15b)に沿って形状が決まり、高精度に成形される。
【0040】
また一例として、第1プレート2と第2プレート3との板厚寸法は、それぞれ均一である。プレート2,3は、ある程度の剛性を有しているものの、板厚方向に一定以上の外力が加えられると若干撓む性質を有する。プレート2,3を所望の形に撓ませることで、形状が異なる複数種類の構造物20を製造できる。よって、複数種類の構造物20を製造する場合、構造物20の種類に合わせたプレート2,3の交換回数を低減できるため、構造物20の治具コストを低減できると共に、プレート2,3の交換に掛かるオペレータの作業負担を軽減できる。
【0041】
支持部材4は、第1プレート2を、凸面2aを所定形状に保ちながら凹面2b側から支持すると共に、第1プレート2を支持した状態で第1プレート2を板厚方向に反転可能に配置されている。
【0042】
本実施形態では、支持部材4が、第1プレート2を下方から支持した状態でワイヤWにより鉛直(z)方向に吊り下げられ、支持部材4の吊下げ方向が反転されることで、第1プレート2が板厚方向に反転させられる。
【0043】
具体的に支持部材4は、フレーム部材6と、フレーム部材6に固定された複数の保持部材7とを有する。フレーム部材6は、本体部6aと複数の腕部6bとを有する。本体部6aは、複数の長尺部材の組み合わせからなる。本体部6aの複数位置には、支持部材4をワイヤWで吊り下げるための吊下部6cが設けられている。
【0044】
腕部6bは、本体部6aの一方の面から突出している。腕部6bの先端は、第1プレート2の凹面2bと接触する。これにより第1プレート2は、複数の腕部6bにより凹面2b側から支持される。
【0045】
腕部6bは、その長手方向に連結された複数の連結部材6dを有する。腕部6bの側方から見たときの隣接する連結部材6d間の連結角度θ、及び、腕部6bの最大長さ寸法は、一定範囲内で調節可能である。
【0046】
本実施形態では、特定の方向(
図2ではX方向)から見て、本体部6aの中央位置とその両側に対応する位置に腕部6bが配置され、本体部6aの前記両側に対応する位置の各腕部6bにおいて隣接する連結部材6dが、腕部6bの先端が本体部6aの外方に向けて曲折するように連結されている。
【0047】
支持部材4は、前記特定方向と一方向とが一致するように第1プレート2を支持する。連結角度θと、腕部6bの最大長さ寸法との少なくとも一方を調整することで、支持部材4は、凸面2aを所定形状に保ちながら、第1プレート2を複数の腕部6bにより支持する。
【0048】
また本実施形態では、連結部材6dは、ボルト孔を有している。各腕部6bにおいて隣接する連結部材6dは、互いのボルト孔にボルトBを螺合させることで連結されている。腕部6bにおける複数の連結部材6dは、隣接する連結部材6d間の連結角度θが所定角度に設定された状態で、ボルト孔とボルトBとの螺合により連結されている。
【0049】
保持部材7は、フレーム部材6の腕部6bに取り付けられ、第1プレート2を凹面2b側から保持する。保持部材7は、一例としてバキュームチャックである。保持部材7は、シリンダ及び該シリンダから出退可能な作動軸を有するアクチュエータと、該アクチュエータの作動軸の先端に取り付けられた吸盤7aとを有する。保持部材7は、作動軸が所定の突出長さに設定された状態で、第1プレート2の凹面2bに吸盤7aを吸着させることで、第1プレート2を保持する。
【0050】
ここで、隣接する連結部材6d間の連結角度θが所定角度に設定された複数の腕部6bにより第1プレート2を支持しながら、第1プレート2を保持部材7により保持することで、第1プレート2を、凸面2aを所定形状に保ちながら保持部材7により保持できる。なお保持部材7は、バキュームチャックに限定されず、第1プレート2を保持できるものであればよい。
【0051】
ベース台5は、積層ユニット16を第2プレート3側から支持する。ベース台5は、積層ユニット16を重力による変形を防止しながら支持する。ベース台5は、支持面5aを有する。支持面5aは、第1プレート2の凸面2aを所定形状に保ちながら積層ユニット16を第2プレート3側から支持する。
【0052】
図2に示すように、ベース台5は、一例としてX方向を幅方向、Y方向を長さ方向、Z方向を高さ方向とする直方体状である。1つの側面に垂直な方向(ここではX方向)から見て、ベース台5の上面は、下方に向けて凸となる円弧状に湾曲している。このベース台5の上面が、支持面5aに相当する。
【0053】
支持面5aは、構造物20の凸面20aの形状に対応した形状を有する。支持面5aは、一例として平滑に形成されているが、例えば、微小な凹凸が形成されていてもよい。ベース台5とプレート2,3とは、前記垂直な方向と一方向とが一致するように組み合わされる。
【0054】
ベース台5の側面には、ベース台5をオートクレーブ内に配置する際等にベース台5を吊り下げるための複数の吊下部5bが設けられている。ベース台5は、一例としてアルミニウムにより構成されている。本実施形態では、積層体15は、主として第1プレート2及び第2プレート3により成形され、ベース台5とは接触しないので、ベース台5の支持面5aは、それほど高精度に形成されていなくてもよい。このため、ベース台5の材料としては、適度な剛性を有する比較的安価な材料を用いることができる。また、ベース台5の生産コストは、比較的低く抑えられている。
【0055】
なおベース台5は、例えば、支持面5aを有する板材と、該板材を支持面5aとは反対側の面から支持する支持フレームとを有する構造を有していてもよい。またプレート2,3、及びベース台5の形状及びサイズは、構造物20の形状及びサイズに合わせて適宜設定される。
図2では、プレート2,3、及びベース台5は、X方向寸法がY方向寸法よりも小さい値に設定されているが、例えば、X方向寸法がY方向寸法よりも大きい値に設定されていてもよい。
【0056】
[複合材料構造物の製造方法]
図3は、実施形態に係る構造物20の製造方法のフロー図である。
図4の(A)~(D)は、
図3の各ステップを説明するための図である。
図3に示すように、該製造方法は、第1ステップS1と第2ステップS2とを有する。
【0057】
第1ステップS1では、第1プレート2の凸面2a上に、積層体15を重ねて配置し、積層体15の第1プレート2側とは反対側の面上に、第2プレート3を第1プレート2と凸面2a,3aの向きを揃えながら重ねて配置することにより、積層ユニット16を形成する。第1ステップS1は、第1サブステップSS1、第2サブステップSS2、第3サブステップSS3、及び第4サブステップSS4を有する。
【0058】
第2ステップS2では、第1ステップS1後、積層ユニット16を第2プレート3側からベース台5により支持した状態で、積層体15を所定形状に成形且つ硬化させる。以下、各ステップS1及びS2について、
図4を用いて説明する。
【0059】
まずオペレータは、第1プレート2を、上面が凸面2a且つ下面が凹面2bとなるように配置すると共に、第1プレート2の凸面2aを所定形状に保ちながら第1プレート2を下面側から支持部材4により支持する(
図3の第1サブステップSS1)。またオペレータは、第1サブステップSS1後、第1プレート2の上面上に積層体15を重ねて配置する(
図3の第2サブステップSS2)。
【0060】
具体的にオペレータは、支持部材4を、腕部6bの先端側が上向きになるように載置する。腕部6bにおいて隣接する連結部材6d間の連結角度θは、構造物20の形状に合わせて設定する。設定後、オペレータは、支持部材4の腕部6bに第1プレート2を凹面2b側から支持させる。これにより、第1サブステップSS1が行われる(
図4(A))。 またオペレータは、第1プレート2の凸面2aに積層体15を重ねて配置する。オペレータは、複数のシート状のプリプレグを積層(レイアップ)することにより積層体15を構成する。一例として、積層体15は、ストリンガ用プライ12と、シート状のフィラー13と、シート状のスキンプライ14とを含む。ストリンガ用プライ12、フィラー13、及びスキンプライ14は、プリプレグにより構成されている。
【0061】
オペレータは、第1プレート2の窪み部2cに対応する位置にストリンガ用プライ12を配置すると共に、隣接するストリンガ用プライ12間にフィラー13を配置する。また、ストリンガ用プライ12の窪み部2c内に対応する位置には、ストリンガ用プライ12に、ストリンガ20cを形成するための長尺状治具(ブラダ)17を重ねて配置する。そして、ストリンガ用プライ12、フィラー13、及び治具17に、スキンプライ14を重ねて配置する(
図4(A))。これらの部材は第1プレート2に配置する度にバッグフィルムにてカバーしてバキューム吸引することでコンパクションされ密着させることにより、第2サブステップSS2が行われる。
【0062】
第2サブステップSS2後、オペレータは、第1プレート2を支持部材4により支持した状態で、支持部材4と共に第1プレート2と積層体15とを上下反転させる(
図3の第3サブステップSS3)。
【0063】
具体的にオペレータは、支持部材4の吊下部6cにワイヤWを連結すると共に、第1プレート2を保持部材7により保持した状態とする。この状態で、ワイヤWにより支持部材4を
図4(A)の状態から上下反転させることで、第1プレート2と積層体15とを支持部材4と共に上下反転する(
図4(B))。これにより、第3サブステップSS3が行われる。
【0064】
またオペレータは、ベース台5の支持面5aに第2プレート3を載置する。第3サブステップSS3後、オペレータは、第1プレート2と積層体15とを、第2プレート3と重ねて配置する(
図3の第4サブステップSS4)。
【0065】
具体的にオペレータは、ベース台5の支持面5aに、凹面3bが上側となるように第2プレート3を載置する。またオペレータは、第1プレート2、積層体15、及び第2プレート3が適切な位置で重ねられるように、支持部材4とベース台5との水平方向における相対位置を調整する。この調整後、オペレータは、支持部材4を下方に移動させて、第1プレート2及び積層体15を、ベース台5上の第2プレート3に重ねて配置する。これにより第4サブステップSS4が行われる。以上で第1ステップS1が完了する。
【0066】
続いてオペレータは、第2ステップS2として、第1ステップS1後、積層ユニット16を第2プレート3側からベース台5により支持した状態で、積層体15を所定形状に成形且つ硬化させる。
【0067】
本実施形態の第2ステップS2では、オペレータは、積層ユニット16をベース台5とは独立してバッグフィルム18により気密に覆った後、積層ユニット16をベース台5により支持した状態で、積層ユニット16を加熱し且つ厚み方向両側から加圧しながら積層体15を硬化させる。
【0068】
具体的にオペレータは、第4サブステップSS4後、第1プレート2と第2プレート3との間の内部空間V1をバッグフィルム18により封止して、内部空間V1を真空引き(バギング)する。また、支持部材4を第1プレート2から取り外し、積層ユニット16をベース台5により支持した状態とする。
【0069】
この状態でオペレータは、ベース台5の吊下部5bにワイヤWを連結してワイヤWによりベース台5を吊り上げ、積層ユニット16をベース台5と共にオートクレーブ内に載置する。その後オペレータは、オートクレーブ内において、積層体15を高温高圧処理することにより、積層体15を所定形状に成形且つ硬化させる(
図4(C))。
【0070】
ここで本実施形態では、バッグフィルム18を用いた真空引きは、第1プレート2と、第2プレート3との間でなされ、プレート2,3と、支持面5aとの間ではなされない。言い換えると、第2プレート3の凸面3aとベース台5の支持面5aとの間は気密ではない。従って、第2プレート3の凸面3aとベース台5の支持面5aとの間には、オートクレーブ内の高温高圧気体が入り込む。
【0071】
これにより
図4(C)に示すように、積層体15は、第1プレート2と第2プレート3との間に挟まれた状態で、その厚み方向両側から加圧される。積層体15は、剛性が高い第1プレート2の凸面2aに押し付けられることで、内面形状が正確な胴体スキンとなる。積層体15は、硬化後の複合材特有の板厚のばらつきが生じる場合には、そのばらつきを剛性が低い第2プレート3側に発生させながら熱硬化される。
【0072】
以上の第2ステップS2を行うことにより、積層体15が成形且つ硬化されて構造物20が得られる(
図4(D))。構造物20の製造に用いた第1プレート2、第2プレート3、及びベース台5は、繰り返し使用が可能である。なお構造物20には、例えば、専用の支持部材により凹面20b側から支持された状態で、リベットを挿通させるための孔加工等のトリミングが施されてもよい。
【0073】
ここで
図5は、従来のメス型工法による硬化ステップを説明するための図である。該硬化ステップを行う場合、オペレータは、一例として、予めメス型であるベース台105の支持面105aに、複数の積層されたプリプレグを含むシート状の積層体115を重ねて配置する。また、積層体115の上面を複数のプレート(カールプレート)103により覆うように、積層体115にプレート103を重ねて配置する。
【0074】
次にオペレータは、プレート103と、支持面105aとの間の内部空間V2をバッグフィルム118により封止して真空引きする。その後、積層体115をオートクレーブ内にて高温高圧処理することにより、硬化ステップを行う。
【0075】
この硬化ステップでは、積層体115のプレート103側とは反対側の面(以下、凸面115aと称する。)が、剛性の高いメス型のベース台105の支持面105aに密着する。このため、凸面115aが、支持面105aにより高精度に成形される。
【0076】
しかしながら、積層体115のプレート103側の面(以下、凹面115bと称する。)が、ベース台105に比べて剛性の低いプレート103と接触する。また、この方法では、オートクレーブ内の高温高圧気体はベース台105の支持面105aと積層体115の凸面115aとの間に入り込めない。このため積層体115では、凹面115bの面側に硬化後の板厚のばらつきが出ることとなり、凸面115aの精度よりも低下する。
【0077】
このように凹面115bの形状精度が低下することで、積層体115を硬化して得られる構造物を航空機胴体のスキンパネルとして用いる際には、該スキンパネルの内周面に部品を正確に取り付けるための膨大なシム調整が必要となり、作業負担が大幅に増大する。
【0078】
これに対して本実施形態によれば、上記説明したように、第2ステップS2において、第2プレート3よりも剛性の高い第1プレート2の凸面2aにより、高精度な凹面15bを有するように積層体15を硬化できる。また第2ステップS2では、積層ユニット16を第2プレート3の積層体15側からベース台5により支持することで、積層体15を第1プレート2とベース台5とで挟み込みながら支持できる。よって、積層体15の内面形状の精度を良好に出すことができ、積層体15を安定して硬化できる。従って、凹面20bが高精度に形成されたパネル状の構造物20を製造できる。
【0079】
これにより、例えば、構造物20を航空機胴体のスキンパネルとして用いる場合、凹面20bが該スキンパネルの内周面となるように構造物20を製造することで、スキンパネルの内周面に部品を取り付ける際のシム調整が不要となる。従って、作業負担の増大を防いで、構造物20をスキンパネルとして良好に用いることができる。
【0080】
また例えば、第1プレート2及び第2プレート3の少なくとも一方を撓ませることで、第1プレート2及び第2プレート3の形状を調整できる。よって、一対の第1プレート2と第2プレート3とにより、複数種類の構造物20を製造できる。
【0081】
また積層体15は、第1プレート2と第2プレート3とにより成形されながら硬化されるので、種類の異なる構造物20を製造する毎に専用のベース台5やプレート2,3を個別に用意する必要がない。
【0082】
また、重量の比較的軽いプレート2,3を用いて構造物20を製造できるので、オペレータによるハンドリングを向上できる。従って、構造物20を製造する際の生産コストの低減及び作業負担の軽減を図れる。
【0083】
またベース台5は、第1プレート2の凸面2aを所定形状に保ちながら積層ユニット16に対して第2プレート3側から接触して積層ユニット16を支持する支持面5aを有している。よって、ベース台5の支持面5aで積層ユニット16を良好に支持できるので、凹面20bが高精度に形成された構造物20を製造できる。
【0084】
また第2ステップS2では、積層ユニット16をベース台5とは独立してバッグフィルム18により気密に覆った後、積層ユニット16をベース台5により支持した状態で、高温高圧気体を用いて、積層ユニット16を加熱し且つ厚み方向両側から加圧しながら積層体15を硬化させる。このため、生産コストの低減及び作業負担の軽減を図りつつ、バッグフィルム18と高温高圧気体とを用いて、積層体15を第1プレート2と第2プレート3とに密着させて、積層体15を厚み方向両側から加圧して硬化させ、凹面20bが高精度に形成された構造物20を製造できる。
【0085】
また、第1プレート2の最大板厚寸法は、第2プレート3の最大板厚寸法よりも厚いので、第1プレート2の剛性を第2プレート3の剛性よりも高め易くすることができる。
【0086】
また第1ステップS1は、第1サブステップSS1、第2サブステップSS2、及び第3サブステップSS3とを有する。よって、第1サブステップSS1において、第1プレート2の凸面2aを支持部材4により所定形状に保った状態で、第2サブステップSS2において、第1プレート2の上面に積層体15を適切な形状で重ねて配置できる。また、第3サブステップSS3において、第1プレート2を支持部材4により支持した状態で、支持部材4と共に第1プレート2と積層体15とを上下反転させることで、第1プレート2と積層体15との形状を保持しながら、第3サブステップから第2ステップへスムーズに移行できる。
【0087】
またベース台5は、第1プレート2の凸面2aを所定形状に保ちながら積層ユニット16に対して第2プレート3側から接触して積層ユニット16を支持する支持面5aを有する。よって、第1プレート2の凸面2aを所定形状に保ちながら積層ユニット16を第2プレート3側からベース台5の支持面5aにより支持することで、生産コストの低減及び作業負担の軽減を図りながら、凹面20bが高精度に形成された構造物20を製造できる。
【0088】
また製造用治具1は、支持部材4を備えているので、支持部材4により第1プレート2の凸面2aを所定形状に保つことができる。このため、第1プレート2に重ねて配置された積層体15を所定形状に保ちつつ、支持部材4により積層体15を第1プレート2と共に第1プレート2の板厚方向に反転させて、積層体15を第2プレート3に良好に重ねて配置できる。
【0089】
また本実施形態では、複数の構造物20を組み合わせて航空機胴体を製造する。このため、航空機胴体をその周方向にワンピースで製造する場合等に比べて、航空機を製造するための製造設備や部品の搬送を容易化できる。また、オートクレーブ等の製造設備を小型化できるため、製造設備費を低減できる。従って、構造物20を用いて航空機を効率よく製造できる。
【0090】
なお上記実施形態では、第1プレート2と積層体15とを上下反転させた後、積層体15に第2プレート3を重ねて配置して積層ユニット16をベース台5により支持する方法を示したが、第1プレート2、積層体15、及び第2プレート3をセットして積層ユニット16を構成した後、積層ユニット16を上下反転させてベース台5により支持してもよい。
【0091】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その構成及び方法を変更、追加、又は削除できる。
【産業上の利用可能性】
【0092】
本発明は、凹面を有するパネル状の複合材料構造物を製造する場合において、治具コストの低減及び作業負担の軽減を図ると共に、複合材料構造物の表面形状を高精度に成形できるため、複合材料構造物を利用した各分野に広く好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0093】
S1 第1ステップ
S2 第2ステップ
SS1 第1サブステップ
SS2 第2サブステップ
SS3 第3サブステップ
1 製造用治具
2 第1プレート
2a 凸面
2b 凹面
3 第2プレート
4 支持部材
5 ベース台
5a 支持面
15 積層体
15a 凸面(積層体の上面)
16 積層ユニット
18 バッグフィルム
20 複合材料構造物