(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】リチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/48 20100101AFI20221005BHJP
H01M 4/36 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
H01M4/48
H01M4/36 A
(21)【出願番号】P 2018230525
(22)【出願日】2018-12-10
【審査請求日】2021-11-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000240
【氏名又は名称】太平洋セメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000084
【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】池上 潤
(72)【発明者】
【氏名】山下 弘樹
(72)【発明者】
【氏名】大神 剛章
【審査官】宮田 透
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-166100(JP,A)
【文献】特開2018-154545(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106450104(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/36- 4/62
H01M 4/13- 4/1399
H01M 10/05-10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平均外径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(II):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、及び
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体を得る工程
を備えるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項2】
平均外径が50nm以下の炭素管状体の表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(III):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体を得る工程、及び
(III)得られたナノ粒子集合体を乾燥後に焼成して、炭素管状体及び酸化セリウムナノ粒子からなるナノ粒子集合体を得る工程
を備えるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項3】
工程(II)で用いるセリウム化合物が、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム、硫酸セリウム、硝酸セリウム、臭化セリウム、ホウ化セリウム及びセリウム塩化物から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2に記載のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項4】
セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面、或いは炭素管状体の表面に多数配置してなる酸化セリウムナノ粒子の平均粒径が、1nm~100nmである請求項1~3のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項5】
リチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体中における、セルロースナノファイバー及びリグノセルロースナノファイバーの合計含有量が、0.3質量%~50質量%である請求項1、3又は4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項6】
工程(III)における焼成を、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下で行う請求項2~4のいずれか1項に記載のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【請求項7】
リチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体中における炭素管状体の含有量が、0.1質量%~25質量%である請求項6に記載のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リチウムイオン二次電池の負極活物質に用いるためのナノ粒子集合体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年における電子機器の小型化や軽量化に伴い、二次電池の高容量化が求められるなか、電池内に多量の活物質を充填することを目的とした電極層の高密度化が試みられている。しかしながら、非水系電解液リチウムイオン二次電池においては、電極層を高密度化すると電極層内の空隙が減少して、電極の電解液保持能が低下するために、リチウムイオンの拡散速度の低下が生じて二次電池の充放電特性をも低下させてしまう。
【0003】
こうしたなか、酸化セリウムは、リチウムイオン二次電池の負極活物質として有効な程度にリチウムイオンを可逆的に吸蔵、放出する能力を有すると共に、非水電解液の濡れ性に優れることから、圧密しても二次電池の充放電特性を低下させることが生じ難いため、かかる酸化セリウムを負極活物質として用いることにより、二次電池の高容量化を図ることが可能になる。
【0004】
その一方、酸化セリウムは、リチウムイオンの吸蔵や放出の際、非常に大きな体積変化を伴うことから、サイクル特性の低下を招きやすい。これを改善すべく、例えば、非特許文献1には、中空の酸化セリウム粒子を用いることにより、充放電時の酸化セリウムの体積変化をその内部空隙で緩和させて、サイクル特性の劣化を抑制する技術が開示されている。また、該文献では、酸化セリウム粒子の平均粒径を28±2nmとして微粒子化を図ることにより、リチウムイオンの移動速度を確保する試みもなされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【文献】Manickam Sasidharan,外3名,“CeO2 Hollow Nanospheres as Anode Material for Lithium Ion Batteries”Chemistry Letters、2012年、Vol.41、No.4、p.1-3
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記非特許文献のFigure 2にも示されるとおり、微粒子化された酸化セリウムは容易に凝集するため、二次電池の負極層を形成した際、かかる酸化セリウムの凝集構造に由来する粗大化した粒子間空隙が負極層に内在してしまい、二次電池の高容量化を十分に達成することができない。
【0007】
したがって、本発明の課題は、酸化セリウムナノ粒子により構成されつつ、リチウムイオン二次電池の負極層を高密度化して体積エネルギー密度を有効に高め、優れた電池容量を発現することのできる、リチウムイオン二次電池の負極活物質に用いるためのナノ粒子集合体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで本発明者らは、種々検討したところ、セリウム化合物とともにセルロースナノファイバーやリグノセルロースナノファイバーを用いて水熱反応に付す製造方法、或いは、さらに焼成を経る製造方法により、特異な形状を呈する酸化セリウムナノ粒子からなるナノ粒子集合体を得ることができ、これをリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いて負極を構築することにより、体積エネルギー密度を効果的に高められることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、平均外径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(II):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、及び
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体を得る工程
を備えるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、平均外径が50nm以下の炭素管状体の表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法であって、次の工程(I)~(III):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体を得る工程、及び
(III)得られたナノ粒子集合体を乾燥後に焼成して、炭素管状体及び酸化セリウムナノ粒子からなるナノ粒子集合体を得る工程
を備えるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の製造方法によれば、セルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面において、或いは炭素管状体の表面において、セリウム酸化物のナノ粒子が多数配置してなる特異な形状を呈するナノ粒子集合体を得ることができ、これをリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いることによって、セリウム酸化物の凝集を有効に抑制しつつ、体積エネルギー密度が高められた負極を構築することが可能となり、充放電特性に優れたリチウムイオン二次電池を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例1で得られたナノ粒子集合体(Z1-1)を示すTEM像である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法は、平均外径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体(Z1)の製造方法であって、次の工程(I)~(II):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、及び
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体(Z1)を得る工程
を備え、これを本発明の製造方法(Z1)と称する。
また、本発明のリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体の製造方法は、平均外径が50nm以下の炭素管状体の表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体(Z2)の製造方法であって、次の工程(I)~(III):
(I)平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーを溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程、
(II)得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーからなるナノ粒子集合体(Z1)を得る工程、及び
(III)得られたナノ粒子集合体(Z1)を乾燥後に焼成して、炭素管状体及び酸化セリウムナノ粒子からなるナノ粒子集合体(Z2)を得る工程
を備え、これを本発明の製造方法(Z2)と称する。
【0014】
すなわち、本発明の製造方法により得られるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体は、平均外径が50nm以下のセルロースナノファイバー及び/又はリグノセルロースナノファイバーの表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z1)であるか、或いは平均外径が50nm以下の炭素管状体の表面に、酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z2)である。
以下、各々の製造方法について分説する。
【0015】
本発明の製造方法(Z1)により得られるナノ粒子集合体(Z1)は、平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー(a1)及び/又はリグノセルロースナノファイバー(a2)(以下、これらを「CNF(A)」とも総称する。)の表面に、多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が配置してなる構造を有し、すなわちCNF(A)が軸となりつつ、これを取り巻くように多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が連続して配置してなる構造を有し、外観的には、多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が直線的に連続して配置してなる、串団子様又はトウモロコシ様の形状を呈している。
【0016】
本発明の製造方法(Z1)が備える工程(I)は、平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー(a1)及び/又はリグノセルロースナノファイバー(a2)を溶媒に分散させて、スラリー(X)を得る工程である。
【0017】
セルロースナノファイバー(a1)は、全ての植物細胞壁の約5割を占める骨格成分であって、かかる細胞壁を構成する植物繊維をナノサイズまで解繊等することにより得ることができる軽量高強度繊維である。また、リグノセルロースナノファイバー(a2)は、リグニンを除去する精製を行わずに得られたセルロースナノファイバーであって、セルロースナノファイバー(a1)がリグニンで被覆されてなるものである。
セルロースナノファイバー(a1)とリグノセルロースナノファイバー(a2)は、共に優れた水への分散性を有している。工程(I)では、これらセルロースナノファイバー(a1)及びリグノセルロースナノファイバー(a2)を一方のみ用いてもよく、双方併用してもよい。
【0018】
CNF(A)の平均繊維径は、50nm以下であって、好ましくは20nm以下であり、より好ましくは10nm以下である。下限値については特に制限はないが、通常1nm以上である。また、CNF(A)の平均長さは、負極の加工を効率的に行う観点から、好ましくは100nm~100μmであり、より好ましくは1μm~100μmであり、さらに好ましくは5μm~100μmである。
【0019】
工程(I)で用いる溶媒としては、CNF(A)が良好な分散性を示す観点、及び取扱い性の観点から、水であるのが好ましい。また溶媒として水を用いることにより、例えば、後述する工程(II)における水熱反応に付す際にも、化学修飾や分散剤の添加を要することなく、得られたスラリー(X)をそのまま利用して、工程(II)を行うことができる。
【0020】
スラリー(X)中におけるCNF(A)の合計含有量は、スラリー(X)中の溶媒100質量部に対し、CNF(A)の炭素原子換算量で、好ましくは0.01質量部~50質量部であり、より好ましくは0.05質量部~40質量部である。
得られるスラリー(X)は、良好な分散状態を数日間保持するので、スラリー(X)を作り置きすることができる。適宜作り置きしたスラリー(X)を後述する工程(II)において用いる場合、CNF(A)の含有量を高めた高濃度スラリー(X)(マスターバッチ)とするのがよい。かかる高濃度スラリー(X)中におけるCNF(A)の合計含有量は、スラリー(X)中の溶媒100質量部に対し、CNF(A)の炭素原子換算量で、好ましくは5質量部~50質量部であり、より好ましくは8質量部~40質量部である。
なお、高濃度スラリー(X)を水で希釈してスラリー(X)とする場合、スラリー(X)を分散機(ホモジナイザー)で充分に撹拌してから用いればよい。かかる分散機としては、前記の離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が有効に使用できる。
【0021】
また、得られたスラリー(X)を、そのまま工程(II)において用いる場合、CNF(A)の合計含有量は、スラリー(X)中の溶媒100質量部に対し、CNF(A)の炭素原子換算量で、好ましくは0.01質量部~50質量部であり、より好ましくは0.05質量部~40質量部である。
【0022】
スラリー(X)は、工程(II)に移行する前に、予め水熱反応に付すのがよい。この際、水熱反応に付す前にスラリー(X)を撹拌するのが好ましく、かかる攪拌には分散機(ホモジナイザー)を用いることが好ましい。かかる分散機としては、例えば、離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が挙げられる。なかでも、CNF(A)の分散効率の観点から、超音波攪拌機が好ましい。
【0023】
工程(I)において、工程(II)に移行する前に、予めスラリー(X)を水熱反応に付す場合、かかる水熱反応中の温度は、100℃以上であればよく、100℃~160℃が好ましい。水熱反応は耐圧容器中で行うのが好ましく、100℃~160℃で反応を行う場合、この時の圧力は0.1MPa~0.7MPaであるのが好ましく、120℃~160℃で反応を行う場合の圧力は0.2MPa~0.7MPaであるのが好ましい。水熱反応時間は、0.1時間~12時間が好ましく、さらに0.2時間~6時間が好ましい。
【0024】
CNF(A)は、スラリー(X)中において、不要に集結や沈降することなく各々単体で存在しつつ、良好に分散している。スラリー(X)中におけるCNF(A)の分散の程度は、例えば、UV・可視光分光装置を使用した光線透過率や、E型粘度計を使用した粘度で定量的に評価することができる。具体的には、例えば、溶媒100質量部に対し、炭素原子換算量で2質量部のCNF(A)を分散させたスラリー(X)は、E型粘度計により測定した25℃における粘度が500mPa・s~3000mPa・sの良好な分散状態を保持している。
【0025】
本発明の製造方法(Z1)が備える工程(II)は、得られたスラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリー(Y)を水熱反応に付して、酸化セリウムナノ粒子並びにセルロースナノファイバー(a1)及び/又はリグノセルロースナノファイバー(a2)からなるナノ粒子集合体(Z1)を得る工程である。
【0026】
工程(II)で用いるセリウム化合物としては、酸化セリウム、水酸化セリウム、炭酸セリウム、酢酸セリウム、硫酸セリウム、硝酸セリウム、臭化セリウム、ホウ化セリウム及びセリウム塩化物等から選ばれる1種又は2種以上が挙げられる。なかでも、水熱反応を効率的に進行させる観点から、塩化セリウム、硝酸セリウム及び硫酸セリウムから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。
【0027】
スラリー(Y)は、スラリー(X)及びセリウム化合物から調製したスラリーであり、スラリー(X)及びセリウム化合物、或いはスラリー(X)、セリウム化合物及び溶媒を混合して撹拌することにより、調製すればよい。用いる溶媒としては、工程(I)で用いる溶媒と同様、水が好ましい。得られるスラリー(Y)におけるセリウム化合物の含有量は、スラリー(Y)中の溶媒100質量部に対し、好ましくは0.1質量部~270質量部であり、より好ましくは0.5質量部~260質量部であり、さらに好ましくは1質量部~250質量部である。
【0028】
また、スラリー(Y)におけるCNF(A)の合計含有量は、スラリー(Y)中の溶媒100質量部に対し、CNF(A)の炭素原子換算量で、好ましくは0.01質量部~50質量部であり、より好ましくは0.05質量部~40質量部である。
スラリー(Y)中のセリウム化合物及びCNF(A)の含有量が、上記のような含有量となるように、スラリー(X)、セリウム化合物及び溶媒の混合割合を適宜調整すればよい。
【0029】
上記スラリー(Y)は、水熱反応に付す前に、予め撹拌するのが好ましく、かかる攪拌には分散機(ホモジナイザー)を用いることが好ましい。かかる分散機としては、前記の離解機、叩解機、低圧ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、グラインダー、カッターミル、ボールミル、ジェットミル、短軸押出機、2軸押出機、超音波攪拌機、家庭用ジューサーミキサー等が有効に使用できる。
【0030】
工程(II)における水熱反応中の温度は、100℃以上であればよく、130℃~180℃が好ましい。水熱反応は耐圧容器中で行うのが好ましく、130℃~180℃で反応を行う場合、この時の圧力は0.2MPa~1MPaであるのが好ましく、140℃~160℃で反応を行う場合の圧力は0.3MPa~0.6MPaであるのが好ましい。水熱反応時間は、0.5時間~24時間が好ましく、さらに0.5時間~15時間が好ましい。
【0031】
得られた水熱反応生成物は、セルロースナノファイバー(a1)と酸化セリウムナノ粒子(C)からなるナノ粒子集合体(Z1)、又はリグノセルロースナノファイバー(a2)と酸化セリウムナノ粒子(C)からなるナノ粒子集合体(Z1)、或いはセルロースナノファイバー(a1)及びリグノセルロースナノファイバー(a2)と酸化セリウムナノ粒子(C)からなるナノ粒子集合体(Z1)であり、ろ過後、水で洗浄することによりこれを単離できる。かかるナノ粒子集合体(Z1)を水で洗浄する際、ナノ粒子集合体(Z1)1質量部に対し、水を5~100質量部用いるのが好ましい。
【0032】
また、得られたナノ粒子集合体(Z1)の凝集を低減する観点から、ナノ粒子集合体(Z1)の洗浄後、リパルプすることによって、所望の量でナノ粒子集合体(Z1)を含有するスラリー(Z)を調製してもよい。調製されたスラリー(Z)は、そのままリチウムイオン二次電池を構築する負極を製造するための負極スラリーとして用いることができ、或いは後述する本発明の製造方法(Z2)が備える工程(III)において、ナノ粒子集合体(Z2)を得るためのスラリーとして用いることができる。
かかるスラリー(Z)中におけるナノ粒子集合体(Z1)の含有量は、二次電池の負極スラリー作製時のハンドリングの観点から、スラリー(Z)中に、好ましくは0.5質量%~20質量%であり、より好ましくは1質量%~15質量%であり、さらに好ましくは1.5質量%~12質量%である。
【0033】
本発明の製造方法(Z1)により得られるナノ粒子集合体(Z1)において、CNF(A)の表面に多数配置してなる酸化セリウムナノ粒子(C)は、その平均粒径が、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池を得る観点から、好ましくは1nm~100nmであり、より好ましくは1nm~70nmであり、さらに好ましくは1nm~50nmである。
なお、酸化セリウムナノ粒子(C)の平均粒径とは、SEM又はTEMの電子顕微鏡による観察において測定された、数十個の酸化セリウムナノ粒子(C)の粒子径(長軸の長さ)の値の平均値を意味する。
【0034】
また、酸化セリウムナノ粒子(C)のBET比表面積は、レート特性に優れたリチウムイオン二次電池を得る観点から、好ましくは5m2/g~50m2/gであり、より好ましくは15m2/g~50m2/gであり、さらに好ましくは20m2/g~50m2/gである。BET比表面積が50m2/gよりも大きくなると、負極の体積エネルギー密度が低下する場合がある。
【0035】
本発明の製造方法(Z1)により得られるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体(Z1)において、CNF(A)の含有量は、ナノ粒子集合体(Z1)全量100質量%中に、好ましくは0.3質量%~50質量%であり、より好ましくは1質量%~40質量%である。
【0036】
次に、本発明の製造方法(Z2)により得られるナノ粒子集合体(Z2)は、平均外径が50nm以下の炭素管状体(B)の表面に、多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が配置してなる構造を有し、すなわち、炭素管状体(B)が軸となりつつ、これを取り巻くように多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が連続して配置してなる構造を有し、外観的には、上記ナノ粒子集合体(Z1)と同様に、多数の酸化セリウムナノ粒子(C)が直線的に連続して配置してなる、串団子様又はトウモロコシ様の形状を呈している。
かかる炭素管状体(B)は、平均繊維径が50nm以下のセルロースナノファイバー(a1)由来の炭素及び/又はリグノセルロースナノファイバー(a2)由来の炭素により構成されてなる、管状を呈する構造体である。
【0037】
本発明の製造方法(Z2)が備える工程(I)~工程(II)は、本発明の製造方法(Z1)が備える工程(I)~工程(II)と同一である。すなわち、製造方法(Z1)が備える工程(II)で得られたナノ粒子集合体(Z1)を、本発明の製造方法(Z2)が備える工程(III)におけるナノ粒子集合体(Z1)として用いればよい。ここで、ナノ粒子集合体(Z1)としては、ろ過後、水で洗浄して単離したものを用いてもよく、洗浄後、リパルプして調製したスラリーをナノ粒子集合体として用いてもよい。
【0038】
本発明の製造方法(Z2)が備える工程(III)は、得られたナノ粒子集合体(Z1)を乾燥後に焼成して、炭素管状体(B)及び酸化セリウムナノ粒子(C)からなるナノ粒子集合体を得る工程である。乾燥手段としては、恒温乾燥、凍結乾燥、噴霧乾燥、真空乾燥が用いられ、乾燥後に得られるCNF(A)の損傷が少ないという観点から、凍結乾燥又は噴霧乾燥が好ましい。
【0039】
工程(III)における焼成は、不活性ガス雰囲気下又は還元条件下で行うのがよい。これにより、ナノ粒子集合体(Z1)に含まれるCNF(A)を炭化させて炭素管状体(B)を形成させ、良好な導電性を有する炭素管状体(B)及び酸化セリウムナノ粒子(C)からなるナノ粒子集合体(Z2)を得ることができる。
かかる焼成では、酸化セリウムナノ粒子(C)の肥大化や、酸化セリウムナノ粒子(C)同士の不要な焼結を防止する観点から、焼成温度は、好ましくは400℃~800℃であり、より好ましくは500℃~700℃である。また焼成時間は、好ましくは0.5時間~24時間であり、より好ましくは6時間~18時間である。焼成に用いる装置としては、焼成雰囲気及び温度の調整が可能な物であれば特に限定されず、バッチ式、連続式、加熱方式(間接又は直接)のいずれの方式のものも使用することができる。かかる装置としては、例えば、外熱キルンやローラーハース等の焼成炉が挙げられる。
【0040】
得られたナノ粒子集合体(Z2)を構成する炭素管状体(B)の平均外径は、CNF(A)由来の炭素により形成されてなるものであることから、CNF(A)と同様、50nm以下であって、好ましくは1nm~50nmであり、より好ましくは1nm~20nmであり、さらに好ましくは1nm~10nmである。また、炭素管状体(B)の平均長さもCNF(A)の平均長さと一致することとなり、好ましくは100nm~100μmであり、より好ましくは1μm~100μmであり、さらに好ましくは5μm~100μmである。
【0041】
炭素管状体(B)の表面に配置してなる酸化セリウムナノ粒子(C)は、ナノ粒子集合体(Z1)における酸化セリウムナノ粒子(C)と同様であって、好ましくは1nm~100nmであり、より好ましくは1nm~70nmであり、さらに好ましくは1nm~50nmであり、BET比表面積も、好ましくは5m2/g~50m2/gであり、より好ましくは15m2/g~50m2/gであり、さらに好ましくは20m2/g~50m2/gである。
【0042】
本発明の製造方法(Z2)により得られるリチウムイオン二次電池の負極活物質用ナノ粒子集合体(Z2)において、炭素管状体(B)の含有量は、ナノ粒子集合体(Z2)全量100質量%中に、好ましくは0.1質量%~25質量%であり、より好ましくは0.4質量%~20質量%である。
【0043】
こうして得られたナノ粒子集合体(Z1)又はナノ粒子集合体(Z2)を負極活物質として用い、リチウムイオン二次電池の負極を製造する方法としては、特に限定されず、公知の方法を使用できる。
例えば、かかるナノ粒子集合体(Z)を結着剤や溶剤等の添加剤とともに混合して負極スラリーを得る。この際、必要に応じて、さらに導電助剤を添加して混合してもよい。かかる結着剤としては、特に限定されず、公知の剤をいずれも使用できる。具体的には、スチレン-ブタジエンゴム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリビニルクロライド、エチレンプロピレンジエンポリマー等が挙げられる。また、かかる導電助剤としては、特に限定されず、公知の剤を使用できる。具体的には、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、天然黒鉛、人工黒鉛、繊維状炭素等が挙げられる。次いで、かかる負極スラリーを銅箔等の負極集電体上に塗布し、乾燥させて負極とする。
【0044】
本発明の製造方法により得られるナノ粒子集合体は、負極活物質として用いることにより、リチウムイオン二次電池の負極として非常に優れた放電容量を発揮する点で有用である。かかる負極を適用できる二次電池としては、正極と負極と電解液とセパレータを必須構成とするものであれば特に限定されない。
【0045】
ここで、正極については、リチウムイオンを充電時には放出し、かつ放電時には吸蔵することができれば、その材料構成は特に限定されるものではなく、公知の材料構成のものを用いることができる。例えば、原料を水熱反応させることにより得られる各種ポリアニオン型正極活物質からなる正極を好適に用いることができる。
【0046】
電解液は、有機溶媒に支持塩を溶解させたものである。有機溶媒は、通常リチウムイオン二次電池の電解液に用いられる有機溶媒であれば特に限定されるものではなく、例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等を用いることができる。
【0047】
支持塩は、その種類が特に限定されるものではないが、LiPF6、LiBF4、LiClO4及びLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2及びLiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2及びLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びに該有機塩の誘導体の少なくとも1種であることが好ましい。
【0048】
セパレータは、正極及び負極を電気的に絶縁し、電解液を保持する役割を果たすものである。たとえば、多孔性合成樹脂膜、特にポリオレフィン系高分子(ポリエチレン、ポリプロピレン)の多孔膜を用いればよい。
【0049】
上記の構成を有するリチウムイオン二次電池の形状としては、特に制限を受けるものではなく、コイン型、円筒型,角型等種々の形状や、ラミネート外装体に封入した不定形状であってもよい。
【実施例】
【0050】
以下、本発明について、実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0051】
[実施例1]
Ce(NO3)2・6H2O 23.8g、セルロースナノファイバー(スギノマシン社製、TMa-10002、含水量98質量%、平均繊維径10nm)19.29g及び水 55mLを5分間混合してスラリーa1を作製した。得られたスラリーa1に、10質量%濃度のNaOH水溶液 60gを添加し、5分間混合してスラリーb1を得た。
【0052】
得られたスラリーb1をオートクレーブに投入し、130℃、0.3MPaで1時間水熱反応を行った。得られた水熱反応生成物を放冷した後、ろ過、水洗して、セルロースナノファイバーの表面にCeO
2ナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z1-1)を得た。(CeO
2ナノ粒子:セルロースナノファイバー=96質量%:4質量%)
得られたナノ粒子集合体(Z1-1)のTEM写真を
図1に示す。かかる
図1により、得られたナノ粒子集合体(Z1-1)が、セルロースナノファイバーの表面に酸化セリウムナノ粒子が多数配置してなる特異な形状を呈することが確認された。
【0053】
[実施例2]
Ce(NO3)2・6H2Oの添加量を1gとした以外、実施例1と同様にして、セルロースナノファイバーの表面にCeO2ナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z1-2)を得た。(CeO2ナノ粒子:セルロースナノファイバー=50質量%:50質量%)
【0054】
[実施例3]
Ce(NO3)2・6H2Oの添加量を200gとした以外、実施例1と同様にして、セルロースナノファイバーの表面にCeO2ナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z1-3)を得た。(CeO2ナノ粒子:セルロースナノファイバー=99.5質量%:0.5質量%)
【0055】
[実施例4]
凍結乾燥機(EYELA社製、FDU-1200)を用いて、実施例1で得られたナノ粒子集合体(Z1-1)を凍結乾燥した後、窒素雰囲気下600℃で1時間焼成してセルロースナノファイバーから炭素管状体を形成させつつ、炭素管状体の表面にCeO2ナノ粒子が多数配置してなるナノ粒子集合体(Z2-1)を得た。(CeO2ナノ粒子:炭素管状体=98.9質量%:1.1質量%)
【0056】
[比較例1]
セルロースナノファイバーを添加しなかった以外、実施例1と同様にして、配列することなく多数存在するのみの状態であるCeO2ナノ粒子(E-1)を得た。
【0057】
[比較例2]
比較例1で得られたCeO2ナノ粒子(E-1) 3g、グルコース 1.65g、水 30mLを遊星ボールミルで混合してスラリーを得た後、得られたスラリーを100℃で乾燥してCeO2ナノ粒子とグルコースからなる造粒物を得た。得られた造粒物を、窒素雰囲気下600℃で1時間焼成して、グルコース炭化物が被覆されたCeO2ナノ粒子(E-2)を得た。(CeO2ナノ粒子:グルコース炭化物=90質量%:10質量%)
【0058】
得られたナノ粒子集合体(Z1-1)~(Z1-4)及びCeO2ナノ粒子(E-1)~(E-2)における物性及び組成を表1に示す。
【0059】
【0060】
《充放電特性の評価》
得られたナノ粒子集合体(Z1-1)~(Z1-4)及びCeO2ナノ粒子(E-1)~(E-2)をリチウムイオン二次電池用負極活物質として用いて負極を作成し、充放電特性の評価を行った。
具体的には、リチウムイオン二次電池用負極活物質(a)、アセチレンブラック(導電助剤、b)、カルボキシメチルセルロース(界面活性剤、c)、スチレン-ブタジエンゴム(結着剤、d)をa:b:c:d(質量比)=90:5:2.5:2.5で混合し、これに蒸留水を加えて充分混練し、負極スラリーを調製した。
得られた負極スラリーを、厚さ10μmの銅箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、80℃に加熱したロールプレスでプレスし、φ14mmの円盤状に打ち抜いて負極とした。
【0061】
次いで、上記の負極を用いてコイン型リチウムイオン二次電池を構築した。対極には、リチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート:エチルメチルカーボネート(体積比)=3:7の割合で混合した混合溶媒に、LIPF6を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンを用いた。
これらの電池部品を、露点が-50℃以下の雰囲気下で常法により組み込み収容し、コイン型リチウムイオン二次電池(CR-2032)を製造した。
【0062】
得られたリチウムイオン二次電池を用いて定電流密度でのサイクル特性を評価した。具体的には、放電容量測定装置(北斗電工社製、HJ-1001SD8)を用いて、気温30℃環境における、200mA/gで0.05Vまで放電した後、20mA/gの下限電流になるまで定電圧で放電した。その後、200mA/gで3Vまで充電するのを1サイクルとした。
また、得られたリチウムイオン二次電池を用いて異なる電流密度でのレート特性を評価した。具体的には、気温30℃環境における、200mA/g又は1000mA/gで0.05Vまで放電した後、20mA/g又は100mA/gの下限電流になるまで定電圧で放電した。その後、200mA/gで3Vまで充電するのを1サイクルとした。
【0063】
上記サイクル特性の評価において、2サイクル目の放電容量と、50サイクル目の放電容量より容量維持率(%)を求めた。
結果を表2に示す。
サイクル容量維持率(%)=
(50サイクル目の放電容量)/(2サイクル目の放電容量)×100・・(1)
【0064】
さらに、上記レート特性の評価において、2サイクル目の200mA/gで評価したときの放電容量と、1000mA/gで評価したときの放電容量よりレート容量維持率(%)を求めた。結果を表2に示す。
レート容量維持率(%)=
(1000mA/gで評価したときの放電容量)/(200mA/gで評価したときの
放電容量)×100 ・・・(2)
【0065】
【0066】
上記結果より、
図1にも示すように特異な形状を呈する実施例のナノ粒子集合体をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いて作製したリチウムイオン二次電池は、比較例のCeO
2ナノ粒子をリチウムイオン二次電池の負極活物質として用いて作製したリチウムイオン二次電池と比べ、サイクル特性及びレート特性の双方に優れることがわかる。