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特許7152955動作ベースの画像セグメント化のシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】動作ベースの画像セグメント化のシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/12 20060101AFI20221005BHJP
   A61B 1/00 20060101ALN20221005BHJP
   A61B 1/313 20060101ALN20221005BHJP
   A61B 1/045 20060101ALN20221005BHJP
【FI】
A61B8/12
A61B1/00 526
A61B1/313 510
A61B1/045 610
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2018560561
(86)(22)【出願日】2017-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-06-06
(86)【国際出願番号】 US2017032592
(87)【国際公開番号】W WO2017200899
(87)【国際公開日】2017-11-23
【審査請求日】2020-05-15
(31)【優先権主張番号】62/336,903
(32)【優先日】2016-05-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508286762
【氏名又は名称】アシスト・メディカル・システムズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】アドビット バット
(72)【発明者】
【氏名】ウォウター フラーンデレン
(72)【発明者】
【氏名】チョン ウク ソ
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-081386(JP,A)
【文献】特開2012-090819(JP,A)
【文献】国際公開第2012/070588(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00-8/15
A61B 1/00
A61B 1/313
A61B 1/045
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)撮像モジュールを有する血管内撮像デバイスを含むカテーテルアセンブリと、
(b)画像表示領域を含むユーザインターフェースと、
(c)前記血管内撮像デバイスおよび前記ユーザインターフェースと通信し、少なくとも1つのプロセッサを備える撮像エンジンと、を備える撮像システムが、画像をセグメント化する方法であって、前記方法は、
前記撮像エンジンが、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、
第1の時間において、撮像視野内の複数の項目を表す画像データの第1のフレームを生成するステップであって、前記第1の時間は、前記撮像エンジンへの入力である患者の心拍数に基づくステップと
第2の時間において、撮像視野内の複数の項目を表す画像データの第2のフレームを生成するステップであって、前記第2の時間が、前記第1の時間と異なり、前記第2の時間は、患者の前記心拍数に基づくステップと、
前記第1のフレームの第1の部分を選択するステップであって、前記第1の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第1のサブセットを有するステップと、
前記選択された第1の部分を前記第2のフレームの画像データと比較するステップと、
前記比較に基づいて、前記第2のフレームの第2の部分を選択するステップであって、前記第2の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第2のサブセットを有するステップと、
前記第1の時間における前記第1の部分と前記第2の時間における前記第2の部分との間の相対運動を表す第1の変位ベクトルを計算するステップと、
前記第1のフレームの第3の部分を選択するステップであって、前記第3の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第3のサブセットを有し、前記第1のフレームの前記画像データの前記第3のサブセットが、前記第1のフレームの前記画像データの前記第1のサブセットと異なるステップと、
前記選択された第3の部分を前記第2のフレームの画像データと比較するステップと、
前記比較に基づいて前記第2のフレームの第4の部分を選択するステップであって、前記第4の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第4のサブセットを有するステップと、
前記第1の時間における前記第3の部分と前記第2の時間における前記第4の部分との間の相対運動を表す第2の変位ベクトルを計算するステップと、
前記第1の変位ベクトルの長さを前記第2の変位ベクトルの長さと比較するステップと、
前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管の中の血液を表し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定するステップと、を有する、方法。
【請求項2】
前記第2の部分は、前記比較に基づいて、画像データの前記第2のサブセットが前記第2のフレームの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に画像データの前記第1のサブセットに対応すると決定することによって選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記選択された第1の部分を前記第2のフレームの画像データと比較することが、前記選択された第1の部分の画像データの前記第1のサブセットと、前記第2のフレームの画像データのサブセットを有する複数の部分の各々との間のマッチング誤差を計算することを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記比較に基づいて前記第2のフレームの前記第2の部分を選択することが、前記選択された第1の部分との計算されたマッチング誤差が最も低い前記第2のフレームの前記複数の部分のうちの1つを前記第2の部分として選択することを含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記選択された第1の部分を前記第2のフレームの画像データと比較することが、前記選択された第1の部分を、前記第2のフレームの検索ウィンドウの一部である前記第2のフレームの画像データと比較することを含み、前記検索ウィンドウが、前記第2のフレームのすべての画像データのサブセットを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項6】
前記検索ウィンドウが、前記選択された第1の部分および第2の部分よりも大きく、
前記第2の部分は、前記比較に基づいて、画像データの前記第2のサブセットが前記第2のフレームの前記検索ウィンドウの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に画像データの前記第1のサブセットに対応すると決定することによって選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記検索ウィンドウが、前記第2のフレームの外周を形成する前記第2のフレームの画像データを除いた前記第2のフレームのすべての画像データの前記サブセットを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記撮像エンジンが、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記血管の中の血液と血管組織又はプラークとの間のインターフェースを表すインジケータをある位置に有する画像をディスプレイ上に出力するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第4の部分は、前記比較に基づいて、画像データの前記第4のサブセットが前記第2のフレームの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に画像データの前記第3のサブセットに対応すると決定することによって選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記撮像エンジンが、前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、所定の程度を超えて前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管の中の血液を表し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定するステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の時間が、心周期の第1の部分に対応し、前記第2の時間が、前記心周期の前記第1の部分と異なる前記心周期の第2の部分に対応する、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
画像データの前記第1のフレームおよび画像データの前記第2のフレームが、血管内超音波撮像システムを使用して生成され、
前記血管内超音波撮像システムを使用することが、エネルギーを放出および受容するための撮像モジュールを有する血管内撮像デバイスを含むカテーテルアセンブリを使用して、断面画像データを収集することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
撮像システムであって、
第1の時間においてエネルギーを放出および受容して、画像データの第1のフレームを生成し、前記第1の時間と異なる第2の時間においてエネルギーを放出および受容して、画像データの第2のフレームを生成するように構成された撮像モジュールを有する血管内撮像デバイスを含むカテーテルアセンブリであって、前記画像データが、複数の画像要素を表し、前記第1の時間および前記第2の時間は、患者の測定された心拍数に基づいて決定される、カテーテルアセンブリと、
画像表示領域を含むユーザインターフェースと、
前記血管内撮像デバイスおよび前記ユーザインターフェースと通信し、少なくとも1つのプロセッサを備える撮像エンジンと、を備え、前記撮像エンジンが、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記第1のフレームの第1の部分を選択することであって、前記第1の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第1のサブセットを有することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記選択された第1の部分を前記第2のフレームの画像データと比較することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記比較に基づいて、前記第2のフレームの第2の部分を選択することであって、前記第2の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第2のサブセットを有することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記第1の時間における前記第1の部分と前記第2の時間における前記第2の部分との間の相対運動を表す第1の変位ベクトルを計算することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記第1のフレームの第3の部分を選択することであって、前記第3の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第3のサブセットを有し、前記第1のフレームの前記画像データの前記第3のサブセットが、前記第1のフレームの前記画像データの前記第1のサブセットと異なることと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記選択された第3の部分を前記第2のフレームの画像データと比較することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記比較に基づいて前記第2のフレームの第4の部分を選択することであって、前記第4の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第4のサブセットを有することと、
前記少なくとも1つのプロセッサを使用して、前記第1の時間における前記第3の部分と前記第2の時間における前記第4の部分との間の相対運動を表す第2の変位ベクトルを計算することと、
前記第1の変位ベクトルの長さを前記第2の変位ベクトルの長さと比較することと、
前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管菅腔の中の血液を表し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定することと、を行うように構成されている、撮像システム。
【請求項14】
前記撮像エンジンが、
前記血管菅腔の中の血液と血管組織又はプラークとの間のインターフェースを表すインジケータを有する画像を前記画像表示領域上に出力することを行うようにさらに構成されている、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記第2の部分は、前記比較に基づいて、画像データの前記第2のサブセットが前記第2のフレームの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に画像データの前記第1のサブセットに対応すると決定することによって選択され、
前記第4の部分は、前記比較に基づいて、画像データの前記第4のサブセットが前記第2のフレームの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に画像データの前記第3のサブセットに対応すると決定することによって選択される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記撮像エンジンが、
所定の程度を超えて前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管菅腔の中の血液を表し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定するようにさらに構成されている、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
非一時的なコンピュータ可読ストレージ物品であって、そこに記憶されているコンピュータ実行可能命令を有し、前記コンピュータ実行可能命令が、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサに、
画像データの第1のフレームの第1の部分を選択することであって、画像データの前記第1のフレームが、第1の時間において生成された複数の画像要素を表し、前記第1の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第1のサブセットを有することと、
前記選択された第1の部分を画像データの第2のフレームの画像データと比較することであって、画像データの前記第2のフレームが、第2の時間において生成された複数の画像要素を表し、前記第1の時間および前記第2の時間は、患者の測定された心拍数に基づいて決定されることと、
前記比較に基づいて前記第2のフレームの第2の部分を選択することであって、前記第2の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第2のサブセットを有することと、
前記第1の時間における前記第1の部分と前記第2の時間における前記第2の部分との間の相対運動を表す第1の変位ベクトルを計算することと、
画像データの前記第1のフレームの第3の部分を選択することであって、前記第3の部分が、前記第1のフレームの前記画像データの第3のサブセットを有し、前記第1のフレームの前記画像データの前記第3のサブセットが、前記第1のフレームの前記画像データの前記第1のサブセットと異なることと、
前記選択された第3の部分を前記第2のフレームの画像データと比較することと、
前記比較に基づいて前記第2のフレームの第4の部分を選択することであって、前記第4の部分が、前記第2のフレームの前記画像データの第4のサブセットを有することと、
前記第1の時間における前記第3の部分と前記第2の時間における前記第4の部分との間の相対運動を表す第2の変位ベクトルを計算することと、
前記第1の変位ベクトルの長さを前記第2の変位ベクトルの長さと比較することと、
前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管菅腔の中の血液を表し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定することと、
前記血管菅腔の中の血液と血管組織又はプラークとの間のインターフェースを表すインジケータを画像上のある位置に位置決めすることと、を行わせる、非一時的なコンピュータ可読ストレージ物品。
【請求項18】
者の前記心拍数が、前記第1の時間及び前記第2の時間が心周期の同じ部分に対応すると決定するために用いられている、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
所定の程度を超えて前記第2の変位ベクトルの前記長さと異なる前記第1の変位ベクトルの前記長さに基づいて、画像データの前記第1のフレームの前記第1の部分が血管菅腔の中の血液を表すと決定し、画像データの前記第1のフレームの前記第3の部分が血管組織又はプラークを表すと決定する、請求項17に記載の非一時的なコンピュータ可読ストレージ物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権主張
本出願は、2016年5月16日に出願された米国仮特許出願第62/336,903号の優先権を主張する。
【0002】
本開示は、概して、医用撮像に関し、より詳細には、画像内の1つ以上の項目を識別するための動作の使用に関する。
【背景技術】
【0003】
医用撮像技法は、概して、データを収集し、対象となる解剖学的部位のインビボ視覚化を生成するために使用され得る。かかる一例は、血管構造および管腔が撮像され得る血管内撮像である。例えば、血管内撮像を使用して、冠状動脈壁またはその近傍において、冠状動脈管腔、冠状動脈壁の形態、およびステントなどのデバイスの1つ以上の画像を生成することができる。医用撮像技法を使用して生成された画像は、診断目的で、例えば、血管の診断上重要な特徴を特定するのに有用であり得る。
【0004】
多くの場合、血管の診断上重要な特徴を特定する能力は、診断対象の1つ以上のある特定の項目が、生成された画像内で識別可能であることを必然的に必要とする。しかしながら、生成された画像内の診断対象の項目は、生成された画像内の他の診断上重要でない項目と区別することが難しい場合がある。これは、診断上重要な項目および重要でない項目が、生成された画像内で同様の視覚的テクスチャパターンを有する場合に特に当てはまることがある。診断対象のある特定の項目を識別することができない場合、または高い信頼レベルで検出することが困難な場合、医療診断目的のために生成された画像の価値が制約されることがある。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、概して、経時的に項目の異なる運動を決定すること、および1つ以上の項目を特定するために差動運動を使用することに関する。特に、項目を表す取得された画像データの差動運動を使用して、かかる項目を画像データ内で特定し、最終的に画像データから診断上価値のある画像を生成することができる。現在開示されている実施形態のうちのあるものは、画像データの特定の部分の経時的な運動を計算し、特定の部分の相対運動を比較して、画像データの部分間の経時的な差動運動を決定する。画像データの部分間の経時的な差動運動を使用して、撮像視野内の特定の項目または特定の項目間のインターフェースに対応する画像上のある位置で、画像をインジケータと共に表示することができる。このようにして、対象となる1つ以上の潜在的な項目が画像内に位置する場合にユーザに伝達する様式で画像が表示される。これは、かかる項目が類似の画像テクスチャパターンを有するため、別様にユーザが視覚的に識別することが困難である場合に特に有益であり得る。
【0006】
開示される実施形態の1つの特定の例示的な用途は、血管内撮像である。撮像される血管の項目としては、血管壁を画定する血液、プラーク、および組織が挙げられ得る。多くの場合、血液の運動は、プラークおよび組織のある期間にわたる運動と異なる可能性がある。一例として、その期間は心周期であり得る。心周期の部分に応じて、血液の運動は、組織およびプラークの運動よりも大きくても小さくてもよいが、いずれにしても概して異なるであろう。結果的に、血液をプラークから特定可能に区別し、それによって、中を通って血液が流れる血管菅腔と、そこに形成されるプラークとの間のインターフェースを特定するために、実施形態は、画像データ間の差動運動が所定の程度を超える位置を決定し得る。次いで、実施形態は、この例では、血管菅腔とプラークとの間のインターフェースを表すインジケータを表示するための位置として、差動運動の決定された位置(複数可)を使用することができる。
【0007】
一実施形態では、画像データの第1のフレームおよび第2のフレームは、第1のフレームの画像データが第2のフレームの画像データのものと異なるある期間からのものであるように、異なる時間に生成される。第1のフレームの画像データの第1の部分が選択され、第2のフレームの画像データと比較される。この比較に基づいて、第2のフレームの一部は、第1のフレームの第1の部分の画像データに対応するものとして選択される。変位ベクトルは、第1の部分の画像データと第2の部分の対応する画像データとの間の上記期間にわたる運動を表すものとして計算される。このプロセスを、第1のフレームの一部の特定の画像データと、第2のフレームの一部の対応する画像データとの間の経時的な運動を各々が表す、いくつかの変位ベクトルを計算するように繰り返すことができる。計算された変位ベクトルを比較して、所定の程度を超えて、特定の画像データの運動が他の画像データに関して異なる位置を決定することができる。次いで、この位置を、表示された画像上のインジケータの位置として使用することができる。場合によっては、インジケータは、撮像視野内で、異なる項目または異なる項目間のインターフェースを特定するのに役立つことがある。
【0008】
1つ以上の例の詳細を添付の図面および以下の説明において記載する。他の特徴、目的、および利点は、説明および図面、ならびに特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下の図面は、本発明の特定の例を説明するものであり、したがって、本発明の範囲を限定するものではない。図面は、(記載されていない限り)縮尺通りではなく、以下の詳細な説明の説明と併せて使用することが意図されている。本発明の実施例は、添付の図面と関連して以下に記載され、同様の数字は同様の要素を示す。
【0010】
図1】血管内撮像を遂行するように構成されたシステムの実例である。
図2】血管内撮像を遂行するように構成された例示的なシステムを示すブロック図である。
図3】カテーテルアセンブリの一部の実施形態の側断面図である。
図4】カテーテルのトランスデューサによって伝播されるデータベクトルを含む、カテーテルの例示的な正面図である。
図5】血管菅腔内のカテーテルの例示的な断面図である。
図6】画像データフレームの比較を示す例示的な模式図である。
図7図6の比較から計算されたいくつかの変位ベクトルを示す例示的な図である。
図8】インジケータを有する例示的な画像出力である。
図9】画像をセグメント化するための方法の一実施形態を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の詳細な説明は本質的に例示的なものであり、決して本発明の範囲、適用性、または構成を限定するものではない。むしろ、以下の説明は、本発明の実施例を実装するためのいくつかの実用的な例示を提供する。構成、材料、寸法、および製造プロセスの例は、選択された要素に対して提供され、他のすべての要素は、本発明の分野の当業者に知られている要素を用いる。記載された例の多くが様々な好適な選択肢を有することを当業者は認識するであろう。
【0012】
図1は、血管内撮像を遂行するように構成され得るシステム100の例を示す。システム100は、カテーテルアセンブリ102と、並進デバイス119と、撮像エンジン140とを含み得る。カテーテルアセンブリ102は、患者144の血管に挿入されるように構成された近位端部104および遠位端部106を含み得る。一例では、カテーテルアセンブリ102を、大腿動脈を介して患者144に挿入し、患者144内の対象となる部位にガイドすることができる。図1の破線は、患者144内のカテーテルアセンブリ102の部分を表している。
【0013】
いくつかの例では、カテーテルアセンブリ102は、撮像データを生成するように構成された血管内撮像デバイス108を含み得る。血管内撮像デバイス108は、撮像エンジン140と通信し得る。いくつかの実施形態では、血管内撮像デバイス108は、超音波エネルギーを放出および受容し、超音波撮像データを生成するように構成された超音波トランスデューサである。他の例では、血管内撮像デバイス108は、光を放出および受容し、光コヒーレンストモグラフィ(OCT)データを生成するように構成されたOCTデバイスである。撮像デバイス108によって生成された画像データは、撮像デバイス108の位置における患者144内の対象となる部位の断面を表し得る。画像データは、概して、例えば、血液、患者144の血管の様々な層、および/または血管内の任意の蓄積された物質(例えば、血管壁のプラーク)など、撮像デバイス108の断面位置における複数の画像項目を表すであろう。
【0014】
並進デバイス119は、カテーテルアセンブリ102の血管内撮像デバイス108を並進させるように構成され得る。並進デバイス119は、線形並進システム(LTS)122を備え得る。LTS122をカテーテルアセンブリ102と機械的に係合し、並進動作、例えば、引き戻し動作または押し進め動作中に患者144内の制御された距離でカテーテルアセンブリ102を並進させるように構成することができる。システム100は、並進デバイス119をカテーテルアセンブリ102とインターフェースさせるように構成された患者インターフェースモジュール(PIM)120を備え得る。撮像デバイス108を並進させることにより、患者144の血管内の様々な長手方向位置において断面画像データを収集することを可能にすることができる。
【0015】
撮像エンジン140は、血管内撮像デバイス108および並進デバイス119と通信し得る。いくつかの例によれば、撮像エンジン140は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを備え得る。いくつかの例では、撮像エンジン140は、システムユーザ142からコマンドを受信し、および/またはユーザインターフェースを介してカテーテルアセンブリ102から取得したデータを表示するように構成された1つ以上のプロセッサを含むコンピューティングマシンを備え得る。コンピューティングマシンは、システムユーザ142からの入力を受信し、カテーテルアセンブリ102から受信したシステム情報および/または信号(例えば、撮像デバイス108からの画像データに基づいて生成された画像(複数可))を出力するコンピュータ周辺機器(例えば、キーボード、マウス、電子ディスプレイ)を含み得る。いくつかの例では、コンピューティングマシンのユーザインターフェースは、入力デバイスおよび出力デバイスの両方として機能するように構成されたタッチスクリーンディスプレイであり得る。いくつかの例では、撮像エンジン140は、1つ以上のプロセッサによって実行可能な命令またはソフトウェアを格納するためのメモリモジュールを含み得る。
【0016】
図2は、血管内撮像を遂行するように適合された例示的なシステム200を示すブロック図である。システム200は、PIM230と、並進デバイス220と、注入システム250と、カテーテルアセンブリ240と、撮像エンジン210とを含み得る。システム200は、血管内撮像デバイスベースのOCTおよび/またはIVUSで使用されるように構成され得る。
【0017】
PIM230は、カテーテルアセンブリ240と撮像エンジン210との間に電気機械的インターフェースを提供し得る。いくつかの実施形態では、PIM230は、カテーテルアセンブリ240をシステム200に固設するためのカテーテルインターフェース232を提供し得る。PIM230は、カテーテルアセンブリ240の血管内撮像デバイス(例えば、超音波トランスデューサ)を回転させる機械的エネルギーを提供するように構成されたモータ234を含み得る。様々な例によれば、PIM230は、カテーテルアセンブリ240の血管内撮像デバイスからの信号を送信し、帰還信号を受信する電気的インターフェースを提供し得る。
【0018】
並進デバイス220は、カテーテルアセンブリ240の長手方向並進を提供するように構成され得る。並進デバイス220は、線形並進システム(LTS)を備え得る。並進デバイス220は、カテーテルアセンブリ240の血管内撮像デバイスの制御された引き戻しを可能にするように、PIM230およびカテーテルアセンブリ240に嵌合するように構成され得る。いくつかの例によれば、並進デバイス220は、血管内撮像デバイスの並進に関連付けられた並進データをシステム200のユーザに表示するように構成された並進ディスプレイを備え得る並進ユーザインターフェース222を特徴とし得る。いくつかの実施形態では、並進データは、縦貫した線形距離および/または並進速度を含み得る。並進ユーザインターフェース222は、ユーザからの入力を受信して、並進を開始/停止すること、並進速度を設定すること、縦貫した線形距離をゼロへリセットすること、および/または手動モードへ切り替えることを制御するように構成され得る。手動モードでは、ユーザは、カテーテルアセンブリの血管内撮像デバイスを前後に(例えば、血管内で遠位および近位に)自由に移動させることができる。いくつかの例では、並進デバイス220は、制御された割合で、血管内撮像デバイスの引き戻しおよび押し進めの両方を可能にするように構成され得る。別の例では、並進デバイス220は、引き戻し動作および押し進め動作を交互に遂行することによって、血管内撮像デバイスを振動させるか、または周期化するように構成され得る。いくつかの例では、並進デバイス220は、並進動作の距離を測定するように構成された位置センサを含み得る。
【0019】
注入システム250は、カテーテルアセンブリ240を介して、流体を患者の血管内に送達するように構成され得る。しかしながら、いくつかの実施形態では、システム200は、注入システム250を含むことができない。注入システム250は、システム200内に存在する場合、1つ以上の流体(例えば、造影剤または生理食塩水)を患者内に送達するように構成された注入ポンプ252を備え得る。いくつかの例では、注入ポンプ252は、撮像エンジン210と電気通信で自動化され、撮像エンジン210によって制御され得る。いくつかの例によれば、注入ポンプ252は、ユーザが手動で1つ以上の流体を患者内に送達することを可能にするように構成された手動ポンプ(例えば、注射器注入)を含み得る。本明細書の他の箇所で論じられるように、注入システム250は、注入システム250からの流体が血管内血液変位流体ポートを介して患者の脈管構造内に送達されるように、カテーテルアセンブリ240に関連付けられ得る血管内血液変位流体ポートと流体連通し得る。理解され得るように、注入システム250は、システム200の特定の用途向けに適切な任意の数の流体および任意の量の流体を送達するように構成され得る。いくつかの例では、血液変位流体の量は、造影剤培養液または生理食塩水を含み得る。
【0020】
説明される例では、撮像エンジン210は、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ212と、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ212と通信し得るメモリ/データストレージ構成要素214と、1つ以上のプログラム可能なプロセッサ212および/またはメモリ/ストレージ構成要素214と通信し得るユーザインターフェース216とを含む。撮像エンジン210は、それ自体が、並進デバイス220、PIM230、および/または注入システム250(存在する場合)と通信し得る。ユーザインターフェース216は、カテーテルアセンブリ240(例えば、カテーテルアセンブリの超音波トランスデューサ)によって取得された画像データに基づいて生成された画像を出力するためのディスプレイを含み得る。画像がユーザインターフェース216のディスプレイ上に出力される前に、カテーテルアセンブリ240によって取得された画像データは、撮像エンジン210において1つ以上の処理技法を受ける場合がある。例えば、メモリ/データストレージ構成要素214は、1つ以上の処理技法を遂行するための命令またはソフトウェアを含み得、1つ以上のプロセッサ212は、命令に基づいて処理技法を実行し得る。
【0021】
図3は、図1および2に関して先に記載されるシステムで使用され得るカテーテルアセンブリ300の遠位部分の一実施形態の例示的な側断面図を示す。カテーテルアセンブリ300は、駆動ケーブル302、シース308、および超音波トランスデューサ304を含み得る。上述のように、駆動ケーブルをPIMに連結して、シース308内で駆動ケーブル302を回転させることができる。超音波トランスデューサ304は、駆動ケーブルの回転および/または並進が超音波トランスデューサ304をシース308内で回転および/または並進させるように、駆動ケーブルに連結され得る。超音波トランスデューサ304は、回転および/または並進中に音響エネルギーを放出および受容して、超音波データを生成するように構成され得る。いくつかの例では、カテーテルアセンブリ300はまた、超音波トランスデューサによって放出される音響エネルギーの周波数に対して実質的に透過な撮像ウィンドウ(図示せず)を含み得る。カテーテルアセンブリ300はまた、カテーテルアセンブリ300を患者の血管内にガイドし、かつ/または血管内でカテーテルアセンブリ300を並進させるためのガイドワイヤ325を受け入れるように構成されたガイドワイヤ管腔322を形成する遠位端部320を含み得る。
【0022】
図4は、カテーテル400の伝播する超音波データベクトルの例示的な正面図を示す。この例では、カテーテル400は、先に記載されるカテーテルと同様の機械的に回転する超音波撮像カテーテルであってもよい。同様に、カテーテル400は、カテーテル400のシースに対して超音波トランスデューサ(図示せず)を回転させるように構成され得、超音波トランスデューサは、音響エネルギーを放出および受容することによって超音波データを生成するように構成され得る。図4に示される超音波データベクトルは、異なる回転位置で超音波トランスデューサによって放出および受容される音響エネルギーを示す。より具体的には、各データベクトルは、超音波トランスデューサの異なる回転位置で超音波トランスデューサによって収集された超音波データを表す。
【0023】
図4に示されるように、カテーテル400の超音波トランスデューサは、トランスデューサが回転するにつれて、ベクトルごとに超音波データを生成し得る。例えば、超音波トランスデューサは、超音波データベクトル410Aを最初に取得し、超音波トランスデューサが時計回りに回転するにつれて、ベクトル410B~410nを継続して取得し得る。したがって、ベクトル410A~410nは、超音波トランスデューサの360度の全回転を表すことができる。トランスデューサは、いくつかの場合では、血管内の一定の長手方向位置でデータベクトルを回転させて取得し得るか、または他の場合では、血管内の長手方向並進と同時にデータベクトルを回転させて取得し得る。1回転当たりに取得されるデータベクトルの数は、カテーテルの用途に応じて変化し得る。例えば、いくつかの実施形態では、IVUSカテーテルは、1回転当たり約500~約5000個のベクトルを生成するように構成されている。例えば、1回転当たり512個のベクトルを生成する実施形態では、データベクトル間の角度は、約2π/512ラジアンまたは360/512度として特徴付けられ得る。1回転当たり4096個のベクトルを生成するように構成されたカテーテルの例では、データベクトル間の角度は、約2π/4096または360/4096度であり得る。
【0024】
図4はまた、ベクトル410A~410nを含む画像データフレーム403の表現を提供する。データフレーム403は、第1の期間にわたって放出および受信されるベクトルを含み、したがって、第1の期間に生成された画像データを含む。多くの実施形態では、トランスデューサの回転は、データフレーム403の画像データが実質的に同じ時間に生成される割合で発生し得る。カテーテル400の視野405は、カテーテルによって伝播されるデータベクトルの大きさに基づいてもよく、特定の用途に適合するように変化し得る。データベクトルの大きさは、いくつかの要因、例えば、放出された波の周波数および/または波のパワーレベルに基づいてもよい。
【0025】
カテーテル400の超音波トランスデューサは、1つ以上の周波数で音響エネルギーを放出し得る。一例では、超音波トランスデューサは、約60MHzの周波数で音響エネルギーを放出し得る。別の例では、超音波トランスデューサは、約40MHzの周波数で音響エネルギーを放出し得る。低周波数(例えば、40MHz以下)で生成された画像データは概して、良好なコントラストだが乏しい空間分解能を示し、高い周波数(例えば、60MHzなど、40MHz超)で取得される画像データは概して、良好な空間分解能だが乏しいコントラストを示す。したがって、トランスデューサがエネルギーを放出し、データベクトルを取得する周波数は、特定の用途に応じて変化し得る。いくつかの例では、トランスデューサは、トランスデューサの単一の回転中に、データベクトルが周波数を連続的であれ非連続的であれ交互にする、2つ以上の周波数でデータベクトルを放出および取得し得る。
【0026】
図5は、血管550内のカテーテル510を示す断面図である。上述のように、カテーテル510は、血管内に直接ガイドされ得るか、またはある特定の例では、ガイドワイヤを介して血管内にガイドされ得る。カテーテル510が血管550内の所望の長手方向位置までガイドされると、カテーテル510は、撮像デバイスおよびその撮像モジュール(例えば、超音波トランスデューサ)を介してエネルギーを放出しおよび受容し得る。これは、いくつかの例では、図4に示されるように、撮像モジュールの回転中に取得された複数のデータベクトルの形態であり得る。これにより、カテーテル510は、断面画像データを生成し得る。
【0027】
血管550は、中を通って血液が流れる血管管腔552を画定する血管壁554を含む患者の血管系の血管であり得る。血管菅腔552はまた、血液に加えて、様々な用途において、血管壁554と血管管腔552とのインターフェースなどの、経時的に血管菅腔552内に蓄積した1つ以上のプラーク成分を含み得る。かかるプラーク成分は、例えば、脂質などのアテローム硬化性プラークを含み得る。
【0028】
いくつかの例では、カテーテル510によって(例えば、その撮像モジュールによって)収集された画像データを使用して生成された画像は、ユーザが他の構造よりも容易に血管550のある特定の構造を視覚的に識別することを可能にし得る。例えば、1つの撮像用途では、生成された画像は、血管550の比較的特定可能な外部弾性膜の境界をユーザに視覚的に提示し得る。しかし、同じ生成された画像において、血管菅腔552と、血管壁554の内面に沿って血管菅腔552内に蓄積されたプラークとの間の境界を、ユーザが視覚的に特定することは困難である場合がある。これは、菅腔552内の血液の画像テクスチャパターンの結果であり、プラークは、生成された画像内で視覚的に類似して現れることがある。しかしながら、多くの用途において、管腔552内の血液と、血管壁554の内面に沿ったプラークとの間のインターフェースは、診断目的のために生成された画像を識別するための重要な項目である。
【0029】
生成された画像から視覚的に識別することが別様に困難であり得る様々な構造および/またはかかる構造間の境界を示すための例示的な実施形態を本明細書に記載する。例えば、記載される例示的な実施形態は、血管の項目の経時的な差動運動を利用して、かかる構造間を区別し、それらを特定することができる。かかる一例は、血液対組織およびプラークの経時的な(例えば、心周期の部分にわたる)差動運動を含む。記載される実施形態は、ユーザが視覚的に識別することが別様に困難であり得る1つ以上の構造および/またはかかる構造間の境界を特定することによって、医療診断目的のために生成された画像の価値を増加し得る。
【0030】
図6は、第1の画像データフレーム602と第2の画像データフレーム604との比較を示す例示的な概略図を示す。比較は、ここでは2つのデータフレーム602、604の間にあるように示されているが、様々な実施形態は、(例えば、加重平均を使用して)任意の数のデータフレームにわたる同様の比較を含み得る。いくつかの例では、画像データフレーム602、604は、血管内超音波撮像システムを含む、先に記載されるシステムのいずれかと同様のシステムを使用して生成され得る。かかる例では、断面画像データを、同様に先に記載されるものと同様の、エネルギーを放出および受容するための撮像モジュールを含む血管内撮像デバイスを有するカテーテルアセンブリを使用して収集することができる。画像データフレーム602、604は各々、撮像モジュール(例えば、超音波トランスデューサ)の撮像視野内に複数の項目を表す画像データを含み得る。撮像モジュールが血管内のある位置で利用される用途では、画像データは、撮像モジュールがデータを収集した位置の血管内の様々な項目を表し得る。この用途では、画像データは、血液、プラーク、ステントの位置、様々な病変、菅腔の幾何学的形状、および血管壁の構造(例えば、それらの間の血管壁層およびインターフェース)を含む血管の構造およびその内部を表し得る。
【0031】
様々な例において、第1の画像データフレーム602および第2の画像データフレーム604は、異なる第1の時間および第2の時間で生成され得る。一例として、第1の画像データフレーム602は、撮像モジュールの第1の回転(例えば、360度の全回転)中に収集された画像データを表し得、第2の画像データフレーム604は、撮像モジュールの第2の前のまたはその後の回転(例えば、360度の全回転)中に収集された画像データを表し得る。撮像モジュールが血管内に配置される場合、第1のデータフレーム602は、血管内の第1の長手方向位置で第1の時間にとられ得、第2のデータフレーム604は、(例えば、先に記載されるように、血管内の撮像モジュールを並進させることによって)血管内の第2の異なる長手方向位置で第2の異なる時間にとられ得る。場合によっては、画像データフレーム602、604は、血管内で連続して生成された隣接する(例えば、近隣の)フレームであり得る(第1のデータフレーム602は、第2のデータフレーム604の前であれ後であれ収集される)。しかし、他の場合では、画像データフレーム602、604は、データフレーム602と604との間に生成された他のデータフレームによって隔置(例えば、1つ、2つ、3つ、5つ、10個、またはそれ以上のデータフレームによって隔置)され得る。
【0032】
第1の画像データフレーム602および第2の画像データフレーム604が収集される異なるそれぞれの時間は、例えば、特定の撮像用途に応じて変化し得る。撮像用途が血管内撮像である一例として、第1のデータフレーム602および第2のデータフレーム604は、患者の心周期の異なる部分(例えば、両方が同じ単一の周期のものであろうと、各々が異なる周期からのものであろうと、拡張期段階の1フレームおよび収縮期段階の1フレーム)でそれぞれ生成され得る。例えば、第1の画像データフレーム602は、患者の心周期の第1の部分に対応する第1の時間に生成され得、第2の画像データフレーム604は、患者の心周期の第2の異なる部分に対応する第2の時間に生成され得る。
【0033】
心周期の異なる部分のデータフレームの収集をさらに容易にするために、患者の心拍数を測定し、撮像システム(例えば、先に記載される血管内超音波撮像システム)の入力として使用することができる。測定された心拍数は、心周期の周波数に関する情報をユーザに提供し得る。このようにして、患者の測定された心拍数を使用することによって、第1の画像データフレーム602が生成される第1の時間および第2の画像データフレーム604が生成される第2の異なる時間が決定され得る。場合によっては、撮像システムは、患者の測定された心拍数の入力を使用して、患者の心周期の異なる部分において画像データフレーム602、604を生成するように撮像モジュールを自動的に制御し得る。
【0034】
画像データフレーム602、604が生成されると、第1の画像データフレーム602のすべての画像データのサブセットを各々が有する複数の部分に第1の画像データフレーム602を分割することができる。場合によっては、これは、生成された画像データをデカルト座標から極座標形式に最初に変換することによって達成され得るが、他の場合では、画像データフレーム内に表される画像データの任意の形式を使用することができる。図6の例に示されるように、第1の画像データフレーム602は、第1の画像データフレーム602の画像データのサブセットを各々が有するいくつかの部分606まで細分化される。ここで説明される例に示されるように、第1の画像データフレーム602は、7×7の画像ブロック列まで細分化される。しかし、他の例では、画像フレーム全体または画像フレームの1つ以上の部分を網羅するために、任意の数の部分606(例えば、2×2、16×16などの画像ブロック列)を使用することができる。各部分606の形状は、様々なサイズの様々な形状(例えば、正方形、矩形、円形、楕円形など、または自由形態)をとり得る。部分606の数であって、その数まで第1の画像データフレーム602を分割することができる、部分606の数は、例えば、特定の用途向けに利用可能な所望の精度および/または処理能力に依存し得る。
【0035】
第1の画像データフレーム602の特定の部分606を選択し、第2の画像データフレーム604の画像データと比較することができる。この比較は、第1の画像データフレーム602の特定の部分606によって表される画像データに対応する第2の画像データフレーム604内の画像データを検出するのに役立ち得る。これは、場合によっては、特定の部分606によって表される特定の項目(例えば血管構造)または構造の一部が第2の画像データフレーム604の画像データ内に存在するかどうかを決定することを含み得る。様々な技法を使用して、第1の画像データフレーム602の特定の部分606によって表される画像データに対応する第2の画像データフレーム604内の画像データを検出することができる。
【0036】
一例として、第1の画像データフレーム602の選択された特定の部分606を、第2の画像データフレーム604の画像データと比較して、第2の画像データフレーム604の一部608を選択することができる。第2の画像データフレーム604の部分608は、第2の画像データフレーム604のすべての画像データのサブセットを構成し得る。第2の画像データフレーム604の部分608は、比較に基づいて、部分608によって表される画像データのサブセットが特定の部分606によって表される画像データのサブセットに対応すると決定することによって選択され得る。
【0037】
この例の比較の一例では、第1の画像データフレーム602の特定の部分606によって表される画像データを、第2の画像データフレーム604の複数の部分の各々で表される画像データと比較することができる。次いで、第2の画像データフレーム604の部分608を、第2の画像データフレーム604の複数の部分から選択することができる。かかる一例では、部分608は、第2の画像データフレーム604の任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に、部分608が選択された特定の部分606によって表される画像データに対応すると決定することによって選択され得る。場合によっては、比較は、選択された特定の部分606の画像データと第2の画像データフレーム604の複数の部分の各々の画像データとの間のマッチング誤差を計算することを含み得る。計算されたマッチング誤差は、比較された部分における画像データの類似性の数値表現(例えば、比較された部分の画像データ間で計算されたすべての誤差の合計)であり得る。比較がマッチング誤差を計算することを含む場合、特定の部分606の画像データとの最も低いマッチング誤差を有する第2の画像データフレーム604の部分として部分608を選択することができる。
【0038】
いくつかの例では、特定の部分606を、第2の画像データフレーム604のすべての画像データと比較することができる。かかる例では、複数の部分であって、その数まで第2の画像データフレーム604が分割される、複数の部分は、第2の画像データフレーム604のすべての画像データを含むであろう。したがって、これらの例では、特定の部分606が、先に記載されるように、第2の画像データフレーム604のすべての画像データと比較され、それに応じて第2の画像データフレーム604のすべての画像データから部分608が選択されるであろう。
【0039】
他の例では、特定の部分606は、第2の画像データフレーム604のすべての画像データのサブセットのみと比較され得る。かかる一例では、特定の部分606は、第2の画像データフレーム604の検索ウィンドウ610内にある(例えば、特定の部分606と比較される第2の画像データフレーム604の複数の部分の各々が検索ウィンドウ610内にある)第2の画像データフレーム604の画像データのみと比較され得る。検索ウィンドウ610は、第2の画像データフレーム604のすべての画像データ未満で構成され、したがって、第2の画像データフレーム604のすべての画像データのサブセットを定義する。利用される場合、検索ウィンドウ610のサイズは、特定の部分606よりもかろうじて大きいサイズ(例えば、特定の部分606よりも僅かに多い画像データを含む)から、第2の画像データフレーム604の全体よりもかろうじて小さいサイズまでなど、異なる実施形態で変化し得る。説明される例では、検索ウィンドウ610は、特定の部分606より大きく、第2の画像データフレーム604の外周を形成する画像データを除外する、第2の画像データフレーム604のすべての画像データのサブセットを構成する。特定の部分606との比較から、特定の部分606の画像データに対応する画像データを含む可能性が低いことが分かっている、第2の画像データフレーム604の1つ以上の位置における画像データを除外することが有用である場合がある。血管管腔内の血液と血管壁に沿ったプラークとの間のインターフェースが特定される血管内撮像の例示的な適用では、場合によっては、効率的な目的のために、特定の部分606との比較からフレーム604の外周を除外することが有用である場合がある。
【0040】
検索ウィンドウ610が利用される例では、第1の画像データフレーム602の特定の部分606は、定義された検索ウィンドウ610内の第2の画像データフレーム604の各部分のみと比較され得る。第2の画像データフレーム604の部分608は、検索ウィンドウ610の任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に、特定の部分606によって表される画像データが部分608によって表される画像データに対応すると決定することによって、検索ウィンドウ610から選択され得る。一例では、これを、検索ウィンドウ610内のすべての部分の特定の部分606によって表される画像データとの最も低い計算されたマッチング誤差を有する部分608によって決定することができる。
【0041】
説明される例では1つのフレーム602だけが示されているが、さらなる実施形態では、第2のフレーム604が、部分608を選択する際に、2つ以上のフレーム602のための参照フレームとして役立つ場合がある。2つ以上のフレーム602は、フレーム604の前に生成された1つ以上のフレームおよび/またはフレーム604の後に生成された1つ以上のフレームを含み得る。この実施形態では、特定の部分606は、2つ以上のフレーム602の各々の中て選択され得、フレーム602の各々の中の特定の部分606は、同じ画像データに対応するものとして選択される。対応する部分608は、フレーム602の各々の中の特定の部分606の各々について上に記載されるものと同様の様式で選択され得る。フレーム604の中の選択された部分608の各々にわたる加重平均を使用して、フレーム604の中の複合部分を決定することができ、この複合部分を、部分608について以下でさらに記載されるものと同様に使用することができる。
【0042】
第2の画像データフレーム604の部分608が比較に基づいて選択されると、変位ベクトル612を計算することができる。変位ベクトル612を示す際の例示的な便宜目的のために、部分606によって表される画像データの位置を、部分606’として第2の画像データフレーム604上にシミュレートして示す。
【0043】
変位ベクトル612は、部分606および608で表される画像データ間の相対運動を表し得る。第1のフレーム602および第2のフレーム604が異なる時間に生成される場合、変位ベクトル612は、部分606および608で表される画像データ間の、画像データフレーム602および604の生成の間の期間にわたる運動を表し得る。部分608は部分606によって表される画像データに対応する画像データを包含するものとして選択され得るので、変位ベクトル612は、この期間にわたる、部分606、608の画像データによって表される同じ項目の運動を表すのに役立ち得る。具体的には、第1のデータフレーム602と第2のデータフレーム604との間の期間にわたる、項目の運動の程度の測定として、変位ベクトル612の長さを使用することができる。記載される例では、変位ベクトルが長いほど、物体の上記期間にわたる運動の程度が大きくなる。次いで、物体の上記期間にわたる運動の程度を使用して、物体の同一性を決定し、生成された画像内にかかる物体が示されることを可能にすることができる。
【0044】
変位ベクトル612が計算され、メモリに記憶されるかまたは別様に記されると、記載される技法のいくつかまたはすべてを、フレーム602のすべての部分を含む、第1の画像データフレーム602の任意の数の他の部分に対して繰り返すことができる。このようにして、最終的にいくつかの変位ベクトルを計算することができる。かかる各変位ベクトルは、第1の画像データフレーム602のそれぞれの部分の画像データと第2の画像データフレーム604のそれぞれの部分の対応する画像データとの間の、第1のデータフレーム602と第2のデータフレーム604との間の期間にわたる相対運動を表し得る。かかる各変位ベクトルの長さは、メモリに記憶されてもよいし、別様に記されてもよい。以下でさらに記載されるように、計算された変位ベクトルの長さの相対的な差を使用して、上記期間にわたる差動運動を特定することができる。
【0045】
図7は、図6に関して先に記載される比較を使用して各々が計算されたいくつかの変位ベクトル702を説明する例示的な図を示す。先に記されるように、各変位ベクトル702は、第1のフレームおよび第2のフレームの部分の対応する画像データの経時的な相対運動(例えば、撮像視野内の物体の経時的な相対運動)を表すのに役立つ場合がある。
【0046】
いくつかの実施形態では、2つ以上の変位ベクトル702の相対的な長さを比較して、例えば、撮像視野内の物体を区別することができる。例えば、2つの変位ベクトルが異なる長さを有する(または、所定の程度を超えて異なる長さを有する)と決定することにより、各々によって表される画像データが上記期間にわたって異なる程度まで移動したことを示すことができる。場合によっては、かかる画像データの運動の程度が異なると、それぞれの画像データが撮像視野内の異なる物体に対応することを示すことができる。例えば、血管内撮像用途では、撮像視野内の物体としては、血液、プラーク、および血管組織を挙げることができる。血液の経時的な運動は、組織の運動と別個であり、同じ時間にわたって(例えば、心周期の1つ以上の特定の部分にわたって)組織にプラークが形成されることがある。したがって、本出願では、変位ベクトルの長さを比較することは、画像データが血液を表すか、むしろ組織またはプラークのいずれかを表すかどうかの決定を可能にし得る。
【0047】
図7の例では、同様の長さの変位ベクトル702を有する別個の領域を見ることができる。特に、領域704は、所定の長さ以上の長さを有する変位ベクトル702の存在によって画定され、領域706は、所定の長さ未満の長さを有する変位ベクトル702の存在によって画定されている。これらの長さは、領域704内の画像データが上記期間にわたって同様の程度まで移動したこと、さらに領域706内の画像データが領域704の期間と異なる期間にわたって同様の程度まで移動したことを示し得る。複数の変位ベクトル702の相対的な長さを比較することによって、領域704および706が撮像視野内の異なる物体に対応すると決定することができる。以下でさらに記載されるように、撮像視野内の異なる物体の位置をインジケータの使用によって画像上に含めることができる。
【0048】
変位ベクトルの相対的な長さは、項目(複数可)の経時的な運動の程度に基づいて撮像視野内の項目を区別するために有用であると本明細書で論じてきたが、計算された変位ベクトルの他の特性を、変位ベクトルの長さに加えてまたは代替として使用することができる。例えば、変位ベクトルの方向、したがって項目を表す画像データが経時的に移動した方向を使用して、撮像視野内の項目を区別することができる。場合によっては、変位ベクトルの方向を使用することは、特定の方向の変位ベクトルの傾きを使用して、撮像視野内の項目を区別することをさらに含み得る。一例では、インジケータは、表示された画像上の、先に記載される様式で計算された変位ベクトルの長さおよび方向を使用して決定される画像上のある位置に含まれ得る。
【0049】
図8は、上にインジケータ802および804を有する例示的な血管断面画像800の出力を示す。この例では、インジケータ802は撮像された血管の外部弾性膜の境界を表し、インジケータ804は血管菅腔と(例えば、血管壁に沿って蓄積された)プラークとの間のインターフェースを表す。計算された変位ベクトルのうちの1つ以上を使用して、インジケータ802、804のうちの一方または両方を画像800上に配置することができる。例えば、先に記載されるように、計算された変位ベクトルのうちの2つ以上を比較することによって、インジケータ804を画像800上に配置することができる。2つ以上のデータベクトルが所定の程度を超えて異なる(例えば、2つ以上のデータベクトルの長さが所定の程度を超えて異なる)位置を、インジケータ804の位置として使用することができる。これを画像800上の様々な位置の上で繰り返して、図8に示されるインジケータ804を生成することができる。このようにして、インジケータ804は、出力画像800上に、一実施形態では、所定の程度を超えて相対的な長さが異なる位置の変位ベクトルの関数である画像800上のある位置に位置決めされる。
【0050】
図8の例の中のインジケータ802、804は、異なる色の実線の形態であり、撮像された血管内の項目間の境界を表す。他の例では、1つ以上のインジケータを、生成された画像上に様々な形態で含めることができる。例えば、インジケータは、陰影付き領域の血管の特定の項目を表す画像800上の陰影付き領域の形態をとることができる。別の例では、インジケータは、矢印の位置にある血管の特定の項目または項目の一部(例えば、項目の残部に対して異常である部分)を表す画像800上の特定の位置に方向付けられた矢印の形態をとることができる。
【0051】
図9は、画像をセグメント化するための方法900の一実施形態の流れ図を示している。方法900は、画像データの第1のフレームおよび第2のフレームを生成することを含む(ステップ910)。このステップは、第1の時間において複数のデータベクトルを取得して、画像データの第1のフレームを形成し、第2の異なる時間において複数のデータベクトルを取得して、画像データの第2のフレームを形成することを含み得る。いくつかの例では、先に記載されるものと同様の撮像デバイスで音響エネルギーを放出および受容するための血管内撮像デバイス(例えば、超音波トランスデューサ)を有する血管内撮像システムを使用して、データベクトルを取得することができる。
【0052】
方法900の実施形態は、第1のフレームの画像データのサブセットを有する第1のフレームの第1の部分を選択することと、第1の部分を第2のフレームの画像データと比較すること(ステップ920)とをさらに含む。いくつかの例では、このステップは、第1の部分を第2のフレームのすべての画像データと比較することを含み得る。他の例では、このステップは、第1の部分を第2のフレームの検索ウィンドウ内の画像データのみと比較するなど、第1の部分を第2のフレームの画像データのサブセットと比較することを含み得る。
【0053】
説明されるように、方法900の実施形態はまた、第1のフレームの第1の部分と第2のフレームの画像データとの比較に基づいて、第2のフレームの画像データのサブセットを有する第2の部分を選択すること(ステップ930)を含む。第2のフレームの第2の部分は、比較に基づいて、第2の部分によって表される画像データのサブセットが第1の部分によって表される画像データのサブセットに対応すると決定することによって選択され得る。第2のフレームの任意の他の部分の画像データよりも大きい程度に、第2の部分の画像データが第1の部分の画像データに対応する場合、第2の部分の画像データは第1の部分の画像データに対応し得る。一例では、第2の部分は、第1の部分によって表される画像データとの最も低い数値マッチング誤差を有する第2のフレームの部分として選択され得る。
【0054】
方法900は追加的に、第1のフレームの選択された第1の部分と第2のフレームの選択された第2の部分とを使用する第1の変位ベクトルの計算(ステップ940)を含む。第1の変位ベクトル(例えば、第1の変位ベクトルの長さ)は、選択された第1の部分と選択された第2の部分との間の、第1のフレームおよび第2のフレームの生成の間のある期間にわたる相対運動を表し得る。したがって、第1の変位ベクトルは、それぞれの第1のフレームおよび第2のフレームの対応する第1の部分および第2の部分によって表される画像データの上記期間にわたる相対運動を表し得る。
【0055】
方法900の実施形態は、第1のフレームの画像データのサブセットを有する第1のフレームの第3の部分を選択することと、第3の部分を第2のフレームの画像データと比較すること(ステップ950)とをさらに含む。第1のフレームの第3の部分は、第1のフレームの第1の部分と異なる部分であり得、したがって、第1の部分と異なる第1のフレームの画像データを表し得る。このステップは、先に記載される、第1の部分と第2のフレームの画像データとの比較と同様であり得る。
【0056】
第2のフレームの画像データのサブセットを有する第4の部分は、第1のフレームの第3の部分と第2のフレームの画像データとの比較に基づいて選択される(ステップ960)。このステップは、先に記載される、第2のフレームの第2の部分の選択と同様であり得る。
【0057】
方法900は追加的に、第1のフレームの選択された第3の部分と第2のフレームの選択された第4の部分とを使用した第2の変位ベクトルの計算(ステップ970)を含む。第2の変位ベクトル(例えば、第2の変位ベクトルの長さ)は、選択された第3の部分と選択された第4の部分との間の、第1のフレームおよび第2のフレームの生成の間のある期間にわたる相対運動を表し得る。したがって、第2の変位ベクトルは、それぞれの第1のフレームおよび第2のフレームの対応する第3の部分および第4の部分によって表される画像データの上記期間にわたる相対運動を表し得る。
【0058】
方法900の実施形態は、上にインジケータを有する画像を出力することをさらに含み得、画像上のインジケータの位置は、計算された第1の変位ベクトルおよび第2の変位ベクトルを使用することによって決定される(ステップ980)。このステップは、第1の変位ベクトルの長さと第2の変位ベクトルの長さとを比較することなど、第1の変位ベクトルと第2の変位ベクトルとを比較することを含み得る。所定の程度を超えて第1の変位ベクトルの長さが第2の変位ベクトルの長さと異なる場合、第1のフレームの第1の部分および第3の部分のそれぞれの画像データは撮像視野内の異なる項目を表すと決定することができる。
【0059】
第1の変位ベクトルと第2の変位ベクトルとの比較を使用して、撮像視野内の異なる項目を区別することによって、撮像視野内の異なる項目を示すインジケータと共に画像を出力することができる。かかる一例では、インジケータは、撮像視野内の異なる項目間のインターフェースを示し得る。結果として、インジケータを有する生成された画像は、血管の幾何学的形状が診断時および血管に対して介入措置をとる必要性を決定する際にある役割を果たす診断手順において有用であり得る。
【0060】
実施形態はまた、記載される方法を遂行するシステムを含む。例えば、さらなる実施形態は、撮像システムを含み得る。このシステムは、撮像データを生成する血管内撮像デバイス(例えば、超音波トランスデューサを含む)を備えたカテーテルアセンブリを含み得る。カテーテルアセンブリによって生成された画像データは、複数の画像要素を表し得る。このシステムはまた、画像表示領域を有するユーザインターフェースを含み得る。いくつかの例では、ユーザインターフェースは、ユーザからの入力を受信するように構成され得、少なくとも部分的に1つ以上のタッチスクリーンを含み得る。このシステムは、血管内撮像デバイスおよびユーザインターフェースと通信する撮像エンジンをさらに含み得る。
【0061】
撮像エンジンは、ユーザインターフェース上に表示される画像をセグメント化する際に使用され得る少なくとも1つのプロセッサを有し得る。撮像エンジンは、画像データの第1のフレームを形成する複数のデータベクトルと、画像データの第2のフレームを形成する複数のデータベクトルとを受信するように構成され得る。場合によっては、第1のフレームを形成するそれぞれのデータベクトルを第1の期間にわたってとることができ、第2のフレームを形成する複数のデータベクトルを第1の期間と異なる第2の期間にわたって(例えば、第1の期間の前または後に)とることができる。一例では、患者の心周期の所望の部分で第1のフレームおよび第2のフレームを生成するための撮像エンジンへの入力として、患者の心拍数を使用することができる。少なくとも1つのプロセッサを使用して、撮像エンジンは、第1のフレームの一部を第2のフレームの画像データと比較することができる。比較に基づいて、少なくとも1つのプロセッサを使用して、撮像エンジンは、第1のフレームの部分に対応する第2のフレームの画像データの一部を選択することができる。次いで、第1のフレームの部分および第2のフレームの部分における対応する画像データの上記期間にわたる運動を表す変位ベクトルを、少なくとも1つのプロセッサを使用して撮像エンジンによって計算することができる。このプロセスを繰り返して、画像データの異なる部分に関するいくつかの変位ベクトルを計算することができる。撮像エンジンは、少なくとも1つのプロセッサを使用して、変位ベクトルを比較して、画像データによって表される項目の異なる運動を特定することができる。これは、変位ベクトルの相対的な長さを比較する少なくとも1つのプロセッサを含み得る。最後に、少なくとも1つのプロセッサは、変位ベクトルの比較を使用して、インジケータのための表示された画像上の位置を決定し得る。
【0062】
別の実施形態は、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサに撮像視野内の1つ以上の項目のためのインジケータを有する画像を表示させるための、コンピュータ実行可能命令が記憶されている非一時的なコンピュータ可読ストレージ物品を含み得る。少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサは、異なる時間に対応する第1のデータフレームおよび第2のデータフレームを形成する複数のデータベクトルを受信し得る。少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサは、第1のフレームの一部を第2のフレームの画像データと比較し得る。比較に基づいて、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサは、第1のフレームの上記部分の画像データに対応する第2のフレームの画像データの一部を選択し得る。次いで、第1のフレームの部分および第2のフレームの部分における対応する画像データの上記期間にわたる運動を表す変位ベクトルを、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサによって計算することができる。このプロセスを繰り返して、画像データの異なる部分に関するいくつかの変位ベクトルを計算することができる。少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサは、変位ベクトルを比較して、画像データによって表される項目の異なる運動を特定することができる。これは、変位ベクトルの相対的な長さを比較する少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサを含み得る。最後に、少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサは、変位ベクトルの比較を使用して、インジケータのための表示された画像上の位置を決定し得る。
【0063】
本発明の様々な実施例について説明した。本発明は、開示された特定の実施形態を参照してかなり詳細に記載されているが、実施形態は、例示の目的で提示されたものであって限定するものではない。本発明を組み込んだ他の実施形態も可能である。当業者であれば、本発明の趣旨および添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更、適合、および修正を行うことができることを理解するであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9