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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】グラウトストッパ
(51)【国際特許分類】
   E04C 5/18 20060101AFI20221005BHJP
【FI】
E04C5/18 102
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019004350
(22)【出願日】2019-01-15
(65)【公開番号】P2020111982
(43)【公開日】2020-07-27
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】399009642
【氏名又は名称】JFE条鋼株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114959
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 徹也
(72)【発明者】
【氏名】山田 直人
(72)【発明者】
【氏名】山本 健治
【審査官】須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-112206(JP,A)
【文献】特開2015-059314(JP,A)
【文献】特開2015-028266(JP,A)
【文献】特開2012-084376(JP,A)
【文献】実開昭59-154520(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04C 5/00-5/20
E04G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の受け部材に形成された雌ネジ部にネジ鉄筋が螺入され、当該ネジ鉄筋と前記雌ネジ部との間にグラウト材が充填される際に、前記受け部材に螺入された状態の前記ネジ鉄筋に着脱可能であり、
前記グラウト材の充填時に、前記ネジ鉄筋の表面に長手方向に沿って形成された平面部に当接する第1平面、および、前記受け部材の端面に当接する第2平面により、前記平面部と前記雌ネジ部との隙間から前記グラウト材が漏れ出すのを防止する封止部と、
前記グラウト材に押されて前記封止部が移動するのを阻止する反力発生部と、を有するグラウトストッパ。
【請求項2】
前記封止部の少なくとも一部に前記反力発生部として機能する磁力発生部が設けられている請求項1に記載のグラウトストッパ。
【請求項3】
前記封止部の一部から延出し、前記ネジ鉄筋の雄ネジ部に係合して前記反力発生部として機能する係止部が形成されている請求項1に記載のグラウトストッパ。
【請求項4】
前記封止部の二つが、前記封止部どうしを互いに近接する方向に付勢する挟持部材で連結されている請求項1から3の何れか一項に記載のグラウトストッパ。
【請求項5】
前記挟持部材が、長尺状の一本の部材を屈曲させたバネ部材である請求項4に記載のグラウトストッパ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雌ネジ部を有する受け部材にネジ鉄筋を螺入したのちネジ鉄筋と受け部材との隙間にグラウト材を充填する際に、当該隙間を封止してグラウト材のもれ出しを防止するグラウトストッパに関する。
【背景技術】
【0002】
RC構造の建築物においては、柱や梁に埋設する鉄筋を接続する際に、接続する鉄筋の端部を筒形状の受け部材の内部に挿入し、鉄筋と受け部材との隙間にグラウト材を充填して鉄筋を固着させる技術がある。例えば、特許文献1に示された技術もその一つである。
【0003】
特許文献1に記載された技術は、例えばネジ鉄筋どうしを接続する際に、一方のネジ鉄筋に筒状の内部空間を有する受け部材を螺合させておき、他方のネジ鉄筋の端部を当該受け部材の内部空間に挿入する。その後、当該内部空間にグラウト材を注入し、受け部材と他方のネジ鉄筋とを接合するものである。
【0004】
この従来技術では、グラウト材を注入する際に、二つのU字状の治具を、ネジ鉄筋を挟んで対向する方向から取り付け、受け部材の開口部を封止する。この治具は、発泡スチロールやゴムなどで構成され、U字状の内径がネジ鉄筋の外径よりも僅かに小さく形成されている。これにより、夫々の治具はネジ鉄筋の外周の半分ずつに嵌合当接し、受け部材の端部開口を塞ぐことで、そのあとに注入されるグラウト材が受け部材の端部開口から容易に漏れ出るのを防止する。
【0005】
本構成の治具により、グラウト材の注入作業に際して受け部材の端部開口の閉塞作業が容易になるとのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開平7-139095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記従来の治具では、二つのU字状の治具がネジ鉄筋の長手方向に沿って単に重ね配置されるだけである。そのため、受け部材に近い側の治具においてU字状の腕の間の空間が外部と連通することになる。つまり、受け部材の内部空間は二つの治具によっては完全に封止されないから、グラウト材の注入に伴って、グラウト材が当該連通部から外部に容易に漏れ出し、受け部材の内部にグラウト材が十分に充填されない場合がある。
【0008】
このような構成は、グラウト材によって固定される受け部材とネジ鉄筋とが螺合する構成ではなく、単に位置合わせされた両者の隙間をグラウト材で埋めるだけの当該従来技術の継手のみに適用可能なものである。しかし、受け部材に雌ネジ部が形成され、これにネジ鉄筋を螺合させたのち、これら雌ネジ部と雄ネジ部との間にグラウト材を注入する構成のものでは、グラウト材の注入態様が異なるものとなる。即ち、両者の隙間は小さいため、グラウト材を比較的大きな圧力で注入する必要があり、その場合、受け部材の端部開口が開放していると、グラウト材が当該部位から容易に漏れ出し、両者の隙間全体に適量のグラウト材を充填することが困難となる。
【0009】
また、ネジ鉄筋の外面には、雄ネジ部に加えて、長手方向に沿った平面部が形成されているものがある。このようなネジ鉄筋の接合では、当該平面部において受け部材との隙間が大きくなるから、特に、当該平面部の近傍位置を密封する必要がある。そのためには、従来技術のU字状の治具では、ネジ鉄筋の雄ネジ部における円形状の外周面と、雄ネジ部が形成されていない平面部とを同時に封止することはできない。
【0010】
さらに、上記従来技術の治具では、ネジ鉄筋の外径に応じて複数サイズの治具を揃えておく必要があり、治具の取り扱いが煩雑となる。
【0011】
このような実情に鑑み、従来から、ネジ鉄筋の接続部の隙間を効率的に封止できるグラウトストッパが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
(特徴構成)
本発明に係るグラウトストッパは、
筒状の受け部材に形成された雌ネジ部にネジ鉄筋が螺入され、当該ネジ鉄筋と前記雌ネジ部との間にグラウト材が充填される際に、前記受け部材に螺入された状態の前記ネジ鉄筋に着脱可能であり、
前記グラウト材の充填時に、前記ネジ鉄筋の表面に長手方向に沿って形成された平面部に当接する第1平面、および、前記受け部材の端面に当接する第2平面により、前記平面部と前記雌ネジ部との隙間から前記グラウト材が漏れ出すのを防止する封止部と、
前記グラウト材に押されて前記封止部が移動するのを阻止する反力発生部と、を有する点に特徴を有する。
【0013】
(効果)
本構成のグラウトストッパは、ネジ鉄筋の平面部に当接する第1平面、および、受け部材の端面に当接する第2平面を有する封止部と、当該封止部の移動を阻止する反力発生部を有することで、ネジ鉄筋の平面部近傍に形成される隙間を確実に封止し、注入されたグラウト材の押し出しに対して確実に抵抗することができる。
このグラウトストッパは、ネジ鉄筋が受け部材に螺入された後、ネジ鉄筋に着脱可能である。
よって、平面部を有するネジ鉄筋を受け部材に螺合接続する際のグラウト材の注入作業が容易かつ確実なものとなる。
【0014】
(特徴構成)
本発明に係るグラウトストッパにあっては、前記封止部の少なくとも一部に前記反力発生部として機能する磁力発生部が設けられていると好都合である。
【0015】
(効果)
本構成であれば、グラウトストッパをネジ鉄筋をより受け部材に対して簡便に取り付けることができる。取り付けの際には、磁力発生部が発する磁力によって、グラウトストッパがネジ鉄筋と受け部材の双方に吸着可能である。よって、ネジ鉄筋と受け部材との隙間を確実に封止することができる。
【0016】
(特徴構成)
本発明に係るグラウトストッパにおいては、前記封止部の一部から延出し、前記ネジ鉄筋の雄ネジ部に係合して前記反力発生部として機能する係止部を形成しておいてもよい。
【0017】
(効果)
本構成のごとく、ネジ鉄筋の雄ネジ部を利用することで、封止部がグラウト材によりネジ鉄筋の長手方向に沿って押し出されようとする力に十分に対抗することができる。また、雄ネジ部には複数のネジ溝が形成されているから、ネジ溝の何れか一つに係合するよう、封止部の位置に対して任意の位置に係止部を設けることができる。よって、グラウトストッパを構成する際の自由度が高まる。
【0018】
(特徴構成)
本発明に係るグラウトストッパにあっては、前記封止部の二つが、前記封止部どうしを互いに近接する方向に付勢する挟持部材で連結されていると好都合である。
【0019】
(効果)
二つの封止部を挟持部材で連結することで、封止すべき箇所に対して二つの封止部を一度に配置することができ、グラウト材充填作業の効率が高まる。また、二つの封止部がネジ鉄筋を挟持することになるから、封止部の位置保持効果がさらに高まる。
【0020】
(特徴構成)
本発明に係るグラウトストッパにあっては、前記挟持部材を、長尺状の一本の部材を屈曲させたバネ部材で構成することができる。
【0021】
(効果)
本構成であれば、グラウトストッパの構造が簡略化されるため、故障発生個所が少なくなり耐久性が高まる。また、グラウトストッパを安価に製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】第1実施形態に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図2】第1実施形態の別構成に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図3】第2実施形態に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図4】第2実施形態の別構成に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図5】第2実施形態の別構成に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図6】第3実施形態に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図7】第3実施形態の別構成に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
図8】第3実施形態の別構成に係るグラウトストッパの外観を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0023】
(概要)
本発明に係るグラウトストッパSは、雌ネジ部21を有する受け部材2にネジ鉄筋1を螺入したのちネジ鉄筋1と受け部材2の接続部に両者の係合を固定するグラウト材を充填する際に、グラウト材が不用意にもれ出すのを防止するために、両者の隙間を封止するものである。
【0024】
図1に示すように、ネジ鉄筋1の表面には、製造の都合上、雄ネジ部11と平面部12とが形成される。そのため、ネジ鉄筋1を受け部材2の雌ネジ部21に螺入したとき、平面部12と雌ネジ部21の間には大きな隙間が生じる。ネジ鉄筋1を螺入したのち、受け部材2の長手方向中程に設けた注入孔22からグラウト材を注入し、雄ネジ部11と雌ネジ部21との隙間にグラウト材を行き渡らせる。その際に、受け部材2の端部からグラウト材があふれ出るまでグラウト材を注入する。
【0025】
ただし、グラウト材はネジ鉄筋1の平面部12と雌ネジ部21との隙間から外部に漏れ出し易いから、この部分をグラウトストッパSで封止する。これにより、注入されたグラウト材を雄ネジ部11と雌ネジ部21との隙間に十分に行き渡らせることができる。以下には本発明に係る複数の実施形態につき図面を参照しながら説明する。
【0026】
〔第1実施形態〕
図1および図2に、第1実施形態のグラウトストッパSを示す。このグラウトストッパSは、平面部12と雌ネジ部21との隙間を封止するように着脱可能で、当該隙間を封止する封止部3と、この封止部3がグラウト材に押されて移動するのを阻止する反力発生部4とを備えている。
【0027】
本実施形態においては、グラウトストッパSの全体を、磁力を有する材料で構成する。つまり、反力発生部4として磁力発生部を設けておく。封止部3は、平面部12に当接する第1平面31と、受け部材2の端面23に当接する第2平面32とを備えた、例えば角柱状の磁石で構成する。これにより、平面部12と雌ネジ部21との隙間がグラウトストッパSによって確実に封止される。このように本実施形態では、グラウトストッパSを構成する磁石部材が封止部3であり且つ反力発生部4となる。
【0028】
グラウトストッパSの一部には、図1に示すように把持部33を設けることで、隙間への着脱操作が容易になる。また、第1平面31及び第2平面32の少なくとも何れか一方に、柔軟性を有する密閉部材34を設けておくと、グラウトストッパSと受け部材2の端面23との隙間、あるいは、グラウトストッパSとネジ鉄筋1の平面部12との隙間の封止が確実になる。密閉部材34としては、例えば、スポンジや軟質ゴム等の柔軟材料を用いる。
【0029】
また、このような密閉部材34を用いることで、第1平面31や第2平面32に鉄粉等のゴミが付着した場合でも除去が容易となる。尚、密閉部材34の厚みは、グラウトストッパSが受け部材2やネジ鉄筋1に十分な吸着力で付着できる程度とする。
【0030】
図2に示すように、当該グラウトストッパSは、平面部12に対する吸着力を高めるべくT字状に構成し、平面部12に沿った部位の長さを大きくしてもよい。この結果、封止姿勢の維持がより確実となり、グラウト材の漏れ出しが少なくなる。また、吸着面積が大きくなる結果、磁力がそれ程強力でない材料でも利用可能となり、グラウトストッパSのコストが削減される。
【0031】
〔第2実施形態〕
図3および図4に、第2実施形態のグラウトストッパSを示す。ここでは、封止部3と反力発生部4とを別構成とした例を示す。例えば、図3に示すように、封止部3の中央からネジ鉄筋1の長手方向に沿って棒状部材35を延出させておき、反力発生部4に設けたスライド孔41に挿通させる。棒状部材35の先端には、棒状部材35が反力発生部4から抜け出すのを防止するようにCリング等を用いたストッパ42を設けておき、封止部3と反力発生部4とに反力をとるように棒状部材35の周囲に例えば付勢部5としてのコイルバネ51を設ける。
【0032】
さらに、反力発生部4には、ネジ鉄筋1の雄ネジ部11に係合するアーム状の係止部43を備えておくとよい。この係止部43は、雄ネジ部11のネジ溝13に係入できるよう所定の太さに形成するか、ネジ溝13に係入できる突起等を設けておくと良い。
【0033】
本構成により、グラウト材の注入作業を行う作業者は、反力発生部4を保持しつつ封止部3を受け部材2の端面23とネジ鉄筋1の平面部12に押し当て、反力発生部4を受け部材2の側に押し付けてコイルバネ51を縮める。その状態で係止部43をネジ溝13に係止させることで、グラウトストッパSが封止姿勢に固定される。コイルバネ51の縮み量を適宜変化させることで、封止部3の押付力をグラウト材の押圧力に対抗できる強さに調節することができる。
【0034】
このグラウトストッパSは、ネジ鉄筋1の二つの平面部12の位置にできる隙間に取り付けるが、互いの係止部43が干渉しそうな場合には、一方のコイルバネ51を大きく縮ませ、夫々の係止部43を異なる位置のネジ溝13に係合させればよい。
【0035】
また、アーム状の係止部43を弾性部材で構成し、自然状態ではアームの間隔がネジ鉄筋1の外径よりも小さくなるように設定しておいてもよい。その場合、係止部43はネジ鉄筋1のネジ溝13に付勢係合するから、グラウトストッパSの取付姿勢がさらに安定する。
【0036】
尚、図3では、アーム状の係止部43を示したが、第2実施形態のグラウトストッパSの別構成として、図4に示すように反力発生部4を第1実施形態と同様の磁性部材で構成することで、係止部43を設けなくとも反力発生部4を平面部12の任意の位置に吸着固定することができる。
【0037】
また、図4に示すように、封止部3に対する棒状部材35の取り付けに自在継手36を用いることもできる。当該自在継手36としては、例えば、ボールジョイントを用いる。これにより、平面部12に対する反力発生部4の取付姿勢がある程度変化した場合でも、特に封止部3の第2平面32を受け部材2の端面23に密着させることができる。
【0038】
さらに、第2実施形態のグラウトストッパSの別構成として、図5に示すように封止部3と反力発生部4とをネジ部材37で連結するものであっても良い。即ち、係止部43の挟持力を利用して反力発生部4をネジ鉄筋1に取り付けたのち、ネジ部材37を指で回転させて封止部3を受け部材2の端面23に押し付ける。これによってもグラウトストッパSを簡単に設置することができる。
【0039】
尚、この例においても、反力受部4に磁石を用いることで係止部43を省略することができるし、ネジ部材37の先端と封止部3との接続部に自在継手36を用いることもできる。
【0040】
〔第3実施形態〕
図6乃至図8には、二つの隙間を同時に封止できるグラウトストッパSを示す。例えば、図6に示すように、一対の封止部3どうしを互いに近接する方向に付勢する挟持部材6を備えた構成とすることができる。具体的には、開閉可能な一対の挟持アーム62を備えたクランプ61を用い、挟持アーム62の夫々の先端に封止部3および反力発生部4を取り付けておく。挟持アーム62の両先端部には軸部63が設けられており、封止部3が回転可能である。これにより、ネジ鉄筋1の太さに拘わらず、二つの封止部3の第1平面31を夫々が対向する平面部12に密着させることができる。
【0041】
尚、第1平面31には、平面部12に対する係止効果を高めるべく、ローレット加工などにより多数の凹凸を設けておくとよい。ただし、当該凹凸と平面部12との隙間からグラウト材が容易に漏れ出ない程度の形状とする。
【0042】
本構成のグラウトストッパSであれば、クランプ61を操作することで二箇所の封止部3を同時に取り付けることができ封止操作が簡便かつ効率的になる。この場合には、挟持アーム62が封止部3の第1平面31をネジ鉄筋1の平面部12に押し付けるから係止効果が高まる。よって、隙間の封止効果が確実なものとなる。
【0043】
尚、図7に示すように、封止部3および反力発生部4としては、第2実施形態に示したものを使用することもできる。この場合には、グラウト材の注入に際して、封止部3の封止姿勢がより確実に維持されるから、操作性がさらに優れたグラウトストッパSを得ることができる。
【0044】
また、これとは別に、図8に示すごとく、一対の封止部3を単一の挟持部材6で連結する構成にすることもできる。具体的には、挟持部材6を、例えば長尺状の一本の部材を屈曲させたバネ部材64で構成する。本構成であれば挟持部材6の構成がより簡便なものとなり、グラウトストッパSを安価に作製することができ、しかも耐久性が高まる。
【0045】
〔その他の実施形態〕
本発明のグラウトストッパSとしては、最も簡単な構成としては、例えば粘土を用いるものでもよい。即ち、平面部12と雌ネジ部21との二つの隙間に、夫々、所定量の粘土を貼り付ける。この場合、粘土の一部が隙間を封止する封止部3となり、他の一部がネジ鉄筋1の平面部12に密着して反力発生部4となる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のグラウトストッパは、ネジ鉄筋を受け部材に螺合し、グラウト材で両者を固定するネジ鉄筋の接続部に広く適用可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 ネジ鉄筋
11 雄ネジ部
12 平面部
2 受け部材
21 雌ネジ部
3 封止部
4 反力発生部
43 係止部
6 挟持部材
64 バネ部材
S グラウトストッパ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8