特許 7152990 車両後部収納構造

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】特許公報(B2)

(11)【特許番号】

(24)【登録日】2022-10-04

(45)【発行日】2022-10-13

(54)【発明の名称】車両後部収納構造

(51)【国際特許分類】

   B60R 5/04 20060101AFI20221005BHJP

【ＦＩ】

B60R5/04 T

【請求項の数】 1

(21)【出願番号】P 2019113232

(22)【出願日】2019-06-18

(65)【公開番号】P2020203627

(43)【公開日】2020-12-24

【審査請求日】2021-06-23

(73)【特許権者】

【識別番号】000157083

【氏名又は名称】トヨタ自動車東日本株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】000003207

【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社

(73)【特許権者】

【識別番号】000241500

【氏名又は名称】トヨタ紡織株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100082876

【弁理士】

【氏名又は名称】平山 一幸

(74)【代理人】

【識別番号】100086807

【弁理士】

【氏名又は名称】柿本 恭成

(74)【代理人】

【識別番号】100178906

【弁理士】

【氏名又は名称】近藤 充和

(72)【発明者】

【氏名】伊藤 綾規

(72)【発明者】

【氏名】山本 昇

【審査官】西田 侑以

(56)【参考文献】

【文献】特開２００９－２８６２３１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００８－２３９０８６（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１７－１１４３９０（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２００９－２９８１８１（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１０－１１１２１５（ＪＰ，Ａ）

【文献】特開２０１５－００９６０８（ＪＰ，Ａ）

(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)

Ｂ６０Ｒ ５／０４

(57)【特許請求の範囲】

【請求項1】

リヤシートのシートバック部が車幅方向に分割されるとともに前方へ可倒式に構成され、前記リヤシート後方のリヤデッキ周りには、前記シートバック部の分割位置に対応して車幅方向に分割されたデッキボードが配置される車両後部収納構造であって、
前記デッキボードを前記リヤデッキ上に配置するための第１の配置部と、前記デッキボードを前記第１の配置部の上方に配置するための第２の配置部と、を備え、
前記第２の配置部は、前記リヤデッキ周りの複数位置に前記デッキボードを載置可能に設けられた複数のデッキ受け部により構成され、
複数の前記デッキ受け部のうち車両前方側の前記デッキ受け部は、分割された前記シートバック部間に配設されて前記リヤシートをフロアパネルに固定するためのシート固定部に設けられ、前記分割位置に跨がるように配置されて、分割された前記デッキボードの各前端部を支持するとともに、車幅方向断面における上向きの凹凸により各前記デッキボードを位置決めするように構成されている、車両後部収納構造。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、リヤシート後方のリヤデッキ周りにデッキボードが配置される車両後部収納構造に関する。

【背景技術】

【0002】

従来、リヤシート後方のリヤデッキ周りにデッキボードを配置して荷物を収納する車両後部収納構造として、デッキボードにより収容空間の大きさを変化するように構成された構造が提案されている。
例えば特許文献１に開示の技術では、デッキボードとなる天面に側面等の支持部位が設けられた３面体や４面体等のフロア収納ボックスをリヤデッキに配置している。また特許文献２では、デッキボードとなるフロアボード板に支柱や側壁等の支持部位が設けられたフロアボード体をリヤデッキに配置している。

【0003】

これらの構造では、立体形状のフロア収納ボックスやフロアボード体の位置や向きを変えることで収容空間の大きさを変化させることが可能であった。しかしながら、デッキボードを支える支持部位が立体形状で大きく設けられているため、配置の制約が大きく収容空間が規制されていた。

【0004】

特許文献３では、フロアを複数に分割してデッキボードを開閉可能に連結している。このデッキボードでは、開くことで収容空間を大きくでき、上下方向に大きな荷物を収容可能である。しかしながら、強度を確保して連結されたデッキボードを開いて配置するため収容空間が規制され易い。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0005】

【文献】特開２００６－３３５１３３号公報

【文献】特開２００８－１４３４３５号公報

【文献】特開２００６－２８２１２６号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0006】

上述のように、従来のデッキボードを配置した構造では、上下方向に収容空間の大きさを変化できてもデッキボードの形状や位置等により収容空間が規制されるものであった。

【0007】

本発明では、デッキボードにより収容空間の大きさを変化できるとともに、変化させても収容空間が規制され難く、収容空間を大きく有効に活用できる車両後部収納構造を提供することを解決課題とする。

【課題を解決するための手段】

【0008】

上記課題を解決するために、本発明の車両後部収納構造では、リヤシートのシートバック部が車幅方向に分割されるとともに前方へ可倒式に構成され、リヤシート後方のリヤデッキ周りには、シートバック部の分割位置に対応して車幅方向に分割されたデッキボードが配置される車両後部収納構造であって、デッキボードをリヤデッキ上に配置するための第１の配置部と、デッキボードを第１の配置部の上方に配置するための第２の配置部と、を備え、第２の配置部は、リヤデッキ周りの複数位置にデッキボードを載置可能に設けられた複数のデッキ受け部により構成され、複数のデッキ受け部のうち車両前方側のデッキ受け部は、分割されたシートバック部間に配設されてリヤシートをフロアパネルに固定するためのシート固定部に設けられ、分割位置に跨がるように配置されて、分割されたデッキボードの各前端部を支持するとともに、車幅方向断面における上向きの凹凸により各デッキボードを位置決めするように構成されている。

【発明の効果】

【0010】

本発明の車両後部収納構造によれば、デッキボードがリヤデッキ上に配置される第１の配置部と、デッキボードが第１の配置部より上方に支持される第２の配置部とを備えているので、収容する荷物の大きさに応じてデッキボードを上下方向の異なる位置に配置でき、荷物の大きさに適した収容空間を設けることができる。よって、デッキボードにより収容空間の大きさを適宜変化させることが可能である。

【0011】

そして第２の配置部では、リヤデッキ周りの複数位置のうち車両前方側のデッキ受け部が、リヤシートをフロアパネルに固定するためのシート固定部に設けられているので、荷室利用時に邪魔にならない位置及び大きさでコンパクトに設けることができる。そのため荷室空間内に過剰に突出したり、デッキボードを支持するための専用部材を別に設けたりする必要がなく、突出部位や別部材などにより収容空間が規制されることがない。

【0012】

従って、本発明によれば、デッキボードにより収容空間の大きさを変化できるとともに、変化させても収容空間が規制され難く、収容空間を大きく有効に活用できる車両後部収納構造を提供することが可能である。

【0013】

本発明において、リヤシートのシートバック部が車幅方向に分割されるとともに前方へ可倒式に構成され、デッキボードがシートバック部の分割位置に対応して車幅方向に分割されていれば、シートバック部の一部を前方へ倒したときに、デッキボードの対応する部位を第１の配置部に配置することで、車幅方向の一部に上下方向に高く且つ前後方向に長い収容空間を設けることができ、使い勝手がよい。

【0014】

本発明において、デッキ受け部が分割位置に跨がるように配置され、分割されたデッキボードの各前端部を支持していれば、分割されたデッキボードをいずれも第２の配置部に配置した際、少ない部品点数でデッキボードを連続して配置させることができる。

【0015】

本発明において、デッキ受け部が前方へ倒したシートバック部と同等以下の高さに設けられていれば、シートバック部を前方へ倒しても、デッキ受け部にシートバック部より上方に突出する部位がないため、荷室の上方に突出した部分が形成されず、シートバック部を倒して形成される収容空間を広く活用できる。

【図面の簡単な説明】

【0016】

【図1】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造を示す斜視図である。

【図2】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造を示す車室内の概略平面図である。

【図3】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造におけるデッキ受け部を示す図２のＡ－Ａ断面図である。

【図4】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造におけるデッキ受け部を示す図２のＢ－Ｂ断面図である。

【図5】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造においてデッキボードを第１の配置

【図6】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造においてデッキボードを第２の配置部に配置した状態を示す概略断面図である。

【図7】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造においてデッキボードを第１の配置部に配置する動作途中を示す概略断面図である。

【図8】本発明の実施形態に係る車両後部収納構造においてデッキボードを第１の配置部に配置するとともにシートバック部を前方に倒した状態を示す概略断面図である。

【発明を実施するための形態】

【0017】

以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。各図中、車両前方を矢印Ｆｒ、車両後方を矢印Ｒｒで示し、車幅方向を矢印Ｗで示している。

【0018】

図１乃至図４に示すように、本実施形態の車両後部収納構造が構築された車両１０は、後部にバックドア開口１１を備えるとともに、内部に荷室１３と、荷室１３の車両前方Ｆｒに配設されたリヤシート１５と、を備えており、荷室１３のリヤデッキ１４周りにデッキボード１７が配置されている。

【0019】

リヤデッキ１４を構成するフロアパネル２１は、車体フレームやクロスメンバー等の図示しない骨格部に支持されて、リヤデッキ１４及びその前方に連続して設けられている。形状は限定されないが、本実施形態では、略水平方向に広がり、リヤシート１５付近から前方側で下方に傾斜している。また予備タイヤを収容する凹部２１ａが設けられ、凹部２１ａの開口上端がスペアタイヤボード２２により覆われている。

【0020】

リヤデッキ１４の車両後方Ｒｒ側及び車幅方向Ｗ両側には、内壁部１９が設けられている。バックドア開口１１の下部には、フィニッシュプレート等のバック側内壁部１９ａが設けられ、車幅方向Ｗの両側には、デッキサイドトリム等のサイド側内壁部１９ｂが設けられている。

【0021】

リヤシート１５は、リヤデッキ１４側では複数のシート固定部２３を用いてフロアパネル２１上に固定されている。リヤシート１５のシートバック部１５ｂは車幅方向Ｗに分割して設けられ、本実施形態のシートバック部１５ｂは車幅方向Ｗの全幅を例えば６：４等の非対象の比率で左右に分割されている。

【0022】

分割されたシートバック部１５ｂは、各シート固定部２３のヒンジ部２９を介して回動可能に支持されて、それぞれ車両前方Ｆｒへ可倒式に構成されている。
分割されたシートバック部１５ｂ間に配設されたシート固定部２３ａは、図３及び図４に示すように、フロアパネル２１に固定される固定部２５と、固定部２５から立設されてヒンジ２９を有するシート支持部２７と、を備えるとともに、デッキボード１７を支持するための後述する前部デッキ受け部３１ａを備えている。

【0023】

デッキボード１７は、図２乃至図４に示すように、分割されたシートバック部１５ｂの分割位置に対応する幅で、車幅方向Ｗに分割されている。分割された各デッキボード１７は、前端部１７ｆ、後端部１７ｅ、両側縁部１７ｄに連続した環状の剛性枠１８が埋設されるとともに、裏面には、下向きに突出して環状に連続した枠部１７ｇが設けられ、内側全体が略一定の厚みを有する平板状に形成されている。

【0024】

リヤデッキ１４には、分割されたデッキボード１７を配置するための配置位置が上下方向に離間して複数設定されており、デッキボード１７をリヤデッキ１４上に配置するための第１の配置部４１と、第１の配置部４１より上方に配置するための第２の配置部４２とを構成するように設けられている。第１の配置部４１又は第２の配置部４２を択一的に使用することで、分割されたデッキボード１７毎に各配置位置に配置可能となっている。

【0025】

第１の配置部４１は、図２及び図５に示すように、フロアパネル２１やフロアパネル２１に積層されたスペアタイヤボード２２等の積層材等が配置された載置面４３と、デッキボード１７の前端部１７ｆを位置決めして配置する前端位置決め部４４と、デッキボード１７の後端部１７ｅをバック側内壁部１９ａに当接乃至近接させて位置決めする後端位置決め部４５と、を備えていてもよい。また前端位置決め部４４及び後端位置決め部４５の一方又は双方あるいは他の部位に、デッキボード１７の車幅方向の位置決め部が設けられていてもよい。

【0026】

第１の配置部４１に複数の分割デッキボード１７ｃが配置されると、側縁部１７ｄ同士が当接するように配置され、フロアパネル２１の上面及びフロアパネルの凹部２１ａが複数の分割デッキボード１７ｃにより連続して覆われ、デッキボード１７全体が荷物を安定して載置可能に配置される。

【0027】

第２の配置部は、図２及び図６示すように、第１の配置部４１より上方におけるリヤデッキ１４周りの複数位置に、デッキボード１７を支持可能なデッキ受け部３１を有している。車両前方Ｆｒ側では、分割されたシートバック部１５ｂ間に配置されたシート固定部２３ａに、分割されたシートバック部１５ｂ間に跨がるように前部デッキ受け部３１ａが配設されている（図３、図４参照）。
前部デッキ受け部３１ａは、シート支持部２７の車幅方向Ｗの両側に立設されて固定部２５及びシート支持部２７の一方又は双方に固定され、シート支持部２７より車両後方Ｒｒ側に突出して設けられている。
シート固定部２３ａより車両後方Ｒｒ側には、バック側内壁部１９ａ及びサイド側内壁部１９ｂに、それぞれ荷室１３内側に向けて設けられた後部デッキ受け部３１ｂ（図６）及び側部デッキ受け部３１ｃ（図２）が設けられている。

【0028】

前部デッキ受け部３１ａは、図３及び図４に示すように、シート固定部２３ａ又は固定部２５に固定されて車両後方Ｒｒへ傾斜して設けられた脚部３３と、脚部３３の上部に固定されて分割された各デッキボード１７の前端部１７ｆを載置する前部受け面３５と、デッキボード１７の前端部１７ｆにおける枠部１７ｇの角部を位置決めするように、前部受け面３５から上方に突出して枠部１７ｇの角部に対応した形状に設けられた角部位置決め部３７（図４）と、を有している。

【0029】

本実施形態の前部デッキ受け部３１ａのフロアパネル２１からの高さは、図３に仮想線で示すように、シートバック部１５ｂを車両前方Ｆｒへ倒した状態におけるリヤシート１５の高さと同等以下となるように設けられている。また前部デッキ受け部３１ａは、シートバック部１５ｂを車両前方Ｆｒに傾倒させたり起立させたりした際、シートバック部１５ｂの下端部が回動しても当接しない位置に配置されている。

【0030】

さらに図２及び図６示すように、後部デッキ受け部３１ｂ及び側部デッキ受け部３１ｃにおける前部デッキ受け部３１ａの前部受け面３５に対応する位置には、各デッキボード１７の後端部１７ｅ及び側縁部１７ｄを載置するための後部受け面４７及び側部受け面４９がそれぞれ設けられている。

【0031】

また本実施形態では、前部デッキ受け部３１ａが車両前方Ｆｒから第１の配置部４１上へ張り出すように設けられ、また後部受け面４７がバック側内壁部１９ａから突出して設けられているので、前部受け面３５及び後部受け面４７が第１の配置部４１上に配置されており、第２の配置部４２が第１の配置部４１と平面視で略同じ位置に設けられている。

【0032】

第２の配置部４２に各デッキボード１７が配置されると、デッキボード１７の前端部１７ｆ及び後端部１７ｅにおける剛性枠１８が配置された枠部１７ｇの下面が前部受け面３５、後部受け面４７及び側部受け面４９に、位置決めされた状態で安定に載置される。また互いに隣り合うデッキボード１７の前端部１７ｆが、共通の前部デッキ受け部３１ａに支持されて側縁部１７ｄ同士が当接して配置されることで、デッキボード１７全体が連続して荷物を安定して載置可能に配置される。

【0033】

以上のような車両後部収納構造を使用するには、通常時に図６に示すように、各デッキボード１７を第２の配置部４２に配置して、通常の荷物を荷室１３に収容して使用することができる。このとき複数のデッキボード１７全体で連続した載置面が形成されている。
そして大きな荷物を収容する場合には、図７に示すように、第２の配置部４２に配置されたデッキボード１７を外し、前端部１７ｆを第１の配置部４１の前端位置決め部４４に当接させ、その位置を支点にして後端部１７ｅを後端位置決め部４５まで回動させる。これにより図５に示すように、第１の配置部４１にデッキボード１７を配置して、大きな荷物を荷室１３に収容して使用することができる。

【0034】

また収容する荷物が、例えば自転車のように、上下方向及び前後方向に大きい荷物を収容するような場合には、デッキボード１７の一方を第２の配置部４２に配置した状態で、図８に示すように、他方を第１の配置部４１に配置する。さらにリヤシート１５のシートバック部１５ｂを車両前方Ｆｒ側へ倒す。これにより上下方向が大きいとともに車両前後方向に長い収容空間を設けることができ、図１に示すように、この収容空間に自転車を収容することができる。その場合、第２の配置部４２に配置した他方のデッキボード１７に他の荷物を収容して使用することも可能である。

【0035】

以上のような車両後部収納構造によれば、デッキボード１７をフロアパネル２１上に配置するための第１の配置部４１と、デッキボード１７を第１の配置部４１より上方に配置するための第２の配置部４２とを備えている。そのため荷室１３に収容する荷物の大きさに応じてデッキボード１７を上下方向の複数位置に配置でき、荷物の上下方向の大きさに適した収容空間を設けることができる。
またデッキボード１７を第２の配置部４２に配置した場合、デッキボード１７の下側にも収容空間を形成できるため、荷室１３を上下に仕切ってそれぞれに荷物等を収容することができ、荷室１３を有効に活用することができる。

【0036】

そして、このような構造において、第２の配置部４２では、リヤデッキ周りの複数位置に設けられたデッキ受け部３１ａ～３１ｃのうち、車両前方Ｆｒ側における車幅方向Ｗの中間位置のデッキ受け部３１ａが、シート固定部２３ａに設けられている。そのためデッキボード１７を複数位置に配置するための構造を、荷室１３内の空間に過剰に突出して設けたり別に設けたりする必要がなく、荷室利用時に邪魔にならない位置に邪魔にならない大きさでコンパクトに設けることができる。

【0037】

従って、この実施形態の車両後部収納構造によれば、デッキボード１７により収容空間の大きさを変化できるとともに、変化させても収容空間が規制され難く、収容空間を大きく有効に活用することが可能である。

【0038】

本実施形態の車両後部収納構造では、シートバック部１５ｂが車両前方Ｆｒへ可倒式に構成されるとともに車幅方向Ｗに分割され、デッキボード１７もシートバック部１５ｂに対応する分割位置で車幅方向Ｗに分割されている。そのため、分割されたシートバック部１５ｂの一部を車両前方Ｆｒへ倒したときに、デッキボード１７の対応する部位を第１の配置部４１に配置することで、車幅方向Ｗの一部に上下方向に高く前後方向に長い収容空間を設けることができ、使い勝手がよい。

【0039】

また本実施形態の車両後部収納構造では、図４に明瞭に示すように、デッキ受け部３１ａがシートバック部１５ｂの分割位置に車幅方向Ｗに跨がるように配置されていて、分割されたデッキボード１７の各前端部１７ｆを支持している。そのため、分割されたデッキボード１７をいずれも第２の配置部４２に配置した際、少ない部品点数でデッキボード１７を配置でき、邪魔になり難くしかも同じ高さで連続して配置させることができるため使い勝手がよい。

【0040】

さらに本実施形態の車両後部収納構造では、デッキ受け部３１ａの高さがシートバック部１５ｂを車両前方Ｆｒへ倒したリヤシート１５の全高と同等以下に設けられている。よって、シートバック部１５ｂを車両前方Ｆｒへ倒しても、車幅方向Ｗの中間部分に配置される前部デッキ受け部３１ａにリヤシート１５より上方に突出する部位は生じないため、荷室１３の上方に突出した部分が形成されず、シートバック部１５ｂを倒して形成される収容空間を広く活用できる。

【0041】

なお、上記実施形態は本発明の範囲内において適宜変更可能である。例えば上記実施形態では、分割されたシートバック部１５ｂ間に配置されたシート固定部２３ａに前部デッキ受け部３１ａを設けたが、リヤシート１５の車幅方向Ｗの両側に配置されたシート固定部２３に前部デッキ受け部３１ａを設けることも可能である。

【0042】

上記実施形態では、一つの第２の配置部４２を設けた例について説明したが、第２の配置部より上方にデッキボードを配置するための他の配置部を設けることも可能である。
また上記実施形態では、デッキボード１７の枠部１７ｇをデッキ受け部３１ａ～３１ｃに載置した例を示したが、デッキ受け部３１により支持する部位はデッキボード１７の他の部位であってもよく、凹部や孔部などを設けて支持してもよい。

【符号の説明】

【0043】

１０ 車両
１１ バックドア開口
１３ 荷室
１４ リヤデッキ
１５ リヤシート
１５ｂ シートバック部
１７ デッキボード
１７ｄ 側縁部
１７ｅ 後端部
１７ｆ 前端部
１７ｇ 枠部
１８ 剛性枠
１９ 内壁部
１９ａ バック側内壁部
１９ｂ サイド側内壁部
２１ フロアパネル
２１ａ 凹部
２２ スペアタイヤボード
２３，２３ａ シート固定部
２５ 固定部
２７ シート支持部
２９ ヒンジ部
３１ デッキ受け部
３１ａ 前部デッキ受け部
３１ｂ 後部デッキ受け部
３１ｃ 側部デッキ受け部
３３ 脚部
３５ 前部受け面
３７ 角部位置決め部
４１ 第１の配置部
４２ 第２の配置部
４３ 載置面
４４ 前端位置決め部
４５ 後端位置決め部
４７ 後部受け面
４９ 側部受け面

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】