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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】断熱材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/94 20060101AFI20221005BHJP
   E04B 1/76 20060101ALI20221005BHJP
   E04B 1/80 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
E04B1/94 E
E04B1/94 L
E04B1/76 400G
E04B1/76 500C
E04B1/76 500F
E04B1/76 500Z
E04B1/76 400C
E04B1/80 A
E04B1/80 100P
E04B1/94 V
E04B1/94 F
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019501491
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-26
(86)【国際出願番号】 EP2017067861
(87)【国際公開番号】W WO2018011403
(87)【国際公開日】2018-01-18
【審査請求日】2020-06-09
(31)【優先権主張番号】1612314.3
(32)【優先日】2016-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】510028648
【氏名又は名称】ナフ インサレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】デュール, アティエン
【審査官】伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-040824(JP,U)
【文献】特表2008-531323(JP,A)
【文献】特開2007-132082(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/94
E04B 1/76
E04B 1/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火層を建築要素の支持表面に提供する方法であって
-第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維と第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維の組み合わせを噴霧装置の入口の中に導入することであって、前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、ことと、
-混合ミネラルウール繊維の噴霧層を前記支持表面上に提供するために、前記第1のミネラルウール繊維前記第2のミネラルウール繊維結合剤とを前記噴霧装置の噴霧ノズルから前記支持表面に向かっ同時に投射することであって、前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は(前記層の総重量に基づく重量%単位で)、
-前記結合剤と、
-少なくとも50重量%の前記第1のミネラルウール繊維と、
-少なくとも5重量%の前記第2のミネラルウール繊維
を含む、ことと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1のミネラルウール繊維は、グラスウール繊維を含み、前記第2のミネラルウール繊維は、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記方法は混合ミネラルウール繊維の層を投射する前に、プライマ結着層を前記支持表面上に適用することさらに含む、請求項1~2のいずれか一項に記載の方法。
【請求項4】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、前記層の総重量に対して、3重量%~8重量%、好ましくは、4重量%~6重量%の範囲内、より好ましくは、5重量%~6重量%の範囲内の結合剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、建築要素に対するEN1363-1、EN1365、および/またはEN13381に準拠して、少なくとも20分、好ましくは、少なくとも30分、より好ましくは、少なくとも45分の付加的耐火性を前記建築要素に提供する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、EN13501-1に準拠して、少なくともBの防火反応分類を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、30mm~210mmの範囲内の厚さを有する、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、50kg/m~100kg/mの範囲内、とりわけ、60kg/m~80kg/mの範囲内の密度を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記支持表面は、床下、地下室、駐車場、建物、または住居の支持表面、とりわけ、天井または壁建物の金属梁または柱、とりわけ、垂直または水平耐荷重金属梁から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、耐火層を、木材、金属、石膏、漆喰、またはコンクリートを含支持表面に提供する、請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
とりわけ、請求項1に記載の方法によって取得される、建築要素の支持表面上に提供される、噴霧されたミネラルウール断熱製品であって、前記層は(前記層の総重量に対して重量%で)、
-結合剤、とりわけ、有機結合剤と、
-少なくとも50重量%の第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維と
-少なくとも5重量%の第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維と、
を備え
前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、噴霧されたミネラルウール断熱製品。
【請求項12】
ばら繊維を含パッケージであって、
-第1の組成、とりわけ、グラスウール繊維を有す第1のミネラルウール繊維と、
-とりわけ、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択され第2の組成を有す第2のミネラルウール繊維と、
-随意に、乾燥結合剤
備え、
前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、パッケージ。
【請求項13】
前記第1のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも60重量%、好ましくは、少なくとも70重量%を占め、
前記第2のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも10重量%、好ましくは、少なくとも20重量%を占める、請求項12に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記第2のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも10%、好ましくは、少なくとも20重量%を占め、
前記パッケージの内容物の残りの重量は、前記第1のミネラルウール繊維、前記随意の乾燥結合剤、および随意に、1つ以上の添加剤、とりわけ、防塵剤および/または帯電防止剤から選択される成分から構成される、請求項12~13のいずれか一項に記載のパッケージ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混合ミネラルウール繊維を含む断熱製品およびそのような断熱製品を提供する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
断熱材は、多くの場合、グラスウール繊維の断熱パネルを固着することによって、または(米国では、噴霧または湿式噴霧とも呼ばれる)グラスウール繊維を結合剤とともに建築要素の支持表面に向かって投射(project)することによって、例えば、天井の一部として、建築要素の支持表面に提供される。グラスウールは、良好な断熱材を提供するが、所望の耐火性が要求される場合、その軟化点は、概して、低くすぎる。耐火性建築用断熱材が機能すべき温度で、そしてこれらの条件をシミュレートする適切な試験において、ガラス繊維は、軟化または溶融し、グラスウール断熱材の破壊および破損につながる。
【0003】
ロックウール繊維(ストーンウール繊維としても知られる)またはスラグウールが、典型的には、あるレベルの耐火性もまた要求される建築用途では、断熱材を提供するために使用されている。グラスウール繊維と比較してより高い軟化点のストーンウール繊維は、したがって、より高い温度において、その完全性を維持することを可能にする。しかしながら、その性質に起因して、ストーンウール断熱材は、とりわけ、噴霧されると、概して、相当するグラスウール断熱材より高い密度を有する。ストーンウール断熱材のために要求される付加的重量は、要求される原材料の量を増加させ、パネルまたは噴霧された断熱材のいずれかである据付をより困難にさせる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1つの目的は、低密度および低ラムダ値の組み合わせを有する、断熱製品を提供することであって、これは、良好な耐火性を建築要素に提供する。本発明の別の目的は、より良好な耐火性を元々低耐火性の断熱製品に提供することである。
【0005】
その側面のうちの1つによると、本発明は、請求項1に定義される断熱層を提供する方法を提供する。本発明の付加的側面は、独立請求項に定義される。従属請求項は、好ましいおよび/または代替実施形態を定義する。
【0006】
本明細書で使用されるように、用語「混合ミネラルウール繊維」は、少なくとも第1および第2のミネラルウール繊維の組み合わせを意味し、これは、3次元繊維骨組に相互に織り交ぜられる。例えば、そのような混合ミネラルウール繊維の層のサンプルを参照すると、織り交ぜられた、交絡された、または重複する第1および第2の繊維の骨組が見られ、好ましくは、繊維の織り交ぜは、骨組の体積全体を通して実質的に均質である。
【0007】
混合ミネラルウール繊維の層は、連続層、とりわけ、断熱製品の面積全体にわたって、または表面全体に沿って延在する連続層であってもよい。混合ミネラルウール繊維の層は、断熱製品の外部層であってもよい。すなわち、さらなる断熱層に隣接して提供されてもよい。ミネラルウール断熱製品は、2つの隣接する層、例えば、さらなる断熱層間に狭入される、混合ミネラルウール繊維の中間層を含み得る。さらなる断熱層は、グラスウール繊維、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、またはそれらの組み合わせから成る群から選択される、ミネラルウール繊維を含んでもよい。1つまたはそれを上回る隣接する層、とりわけ、ミネラルウール層の存在は、製品の熱および/または防火性の最適化を可能にする。
【0008】
ミネラルウール断熱製品は、本質的に、混合ミネラルウール繊維と、結合剤とから成ってもよく、とりわけ、ミネラルウール断熱製品は、ミネラルウール断熱製品の総重量に基づいて、少なくとも95重量%の混合ミネラルウール繊維と、結合剤とを含み得る。用語「本質的に、~から成る」は、請求項の範囲を規定された材料またはステップならびに請求される発明の基本および新規特性に実質的に影響を及ぼさないものに限定することが意図される。
【0009】
ミネラルウール断熱製品は、1つまたは複数のミネラルウール断熱パネル、すなわち、実質的に弾力性構造および固定の所定の寸法を有し、現場で容易に運搬され得る、略平行六面体形状を有するパネルの形態で提供されてもよい。ミネラルウール断熱パネルは、≧90cm、≧120cm、≧150cm、および/または≦220cmもしくは≦180cmの長さを有してもよい。パネルは、≧50cm、≧70cm、および/または≦100cmもしくは≦90cmの幅を有してもよい。
【0010】
ミネラルウール断熱製品は、とりわけ、建築要素の支持表面に向かって、ミネラルウール繊維、水、および結合剤の流体物を投射することによって取得される、噴霧層の形態であってもよい。噴霧層は、中断なく、単一断熱パネルまたはさらに複数の並置されたパネルより大きい表面を被覆するように適合される。例えば、噴霧層は、中断なく、壁と隣接する天井との間の界面、または中断なく、天井もしくは他の支持構造全体を被覆するように配列されてもよい。さらに、ミネラルウール繊維、水、および結合剤を支持表面に向かって投射することによる、支持表面の被覆は、概して、同一支持表面を複数の断熱パネルで被覆するよりも少ない時間を要求する。好ましくは、プライマ結着層が、噴霧層の形態でミネラルウール断熱製品を投射する前に、最初に、支持表面上に適用される。これは、噴霧層と支持表面の接着を促進する。プライマ結着層の量は、少なくとも80g/cm、少なくとも100g/cm、少なくとも120g/cm、および/または160g/cm未満、140g/cm未満であってもよい。
【0011】
支持表面に向かって投射されるように適合されるとき、ミネラルウール繊維は、とりわけ、ばら充填繊維(loose fill fibers)の形態における混合ミネラルウール繊維を、好ましくは、結合剤、とりわけ、乾燥結合剤とともに含む、パッケージで提供されるか、または第1のばら充填ミネラルウール繊維を含む第1のパッケージと、第2のばら充填ミネラルウール繊維を含む第2のパッケージの少なくとも2つの別個のパッケージで提供されてもよい。第1のミネラルウール繊維および第2のミネラルウール繊維は、パッケージ化に先立って混合されてもよい。ばら充填混合ミネラルウール繊維のパッケージは、現場で事前に混合せずに、噴霧装置の中に、例えば、ホッパの中に入れられてもよい。第1のミネラルウール繊維と第2のミネラルウール繊維、とりわけ、ばらおよび/または混合された第1と第2のミネラルウール繊維の組み合わせを含む、パッケージは、以下を含んでもよい。
ある量の第1のミネラルウール繊維、これは、パッケージの内容物に対して少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、もしくは少なくとも90重量%であって;および/または;
ある量の第2のミネラルウール繊維、これは、パッケージの内容物に対して少なくとも10%、少なくとも20%、もしくは少なくとも30%、および/または50%未満、40%未満、もしくは30重量%未満であって;および/または;
随意に、ある量の乾燥結合剤、とりわけ、水とともに噴霧後、第1および第2のミネラルウール繊維をともに結合するように適合され、これは、パッケージの内容物に対して10%未満、8%未満、もしくは6%未満、および/または少なくとも3%、もしくは少なくとも4重量%であって;および/または;随意に、1つまたはそれを上回る添加剤、例えば、防塵油等の防塵剤および/または帯電防止剤であって、添加剤の量は、とりわけ、パッケージの内容物に対して1重量%未満の量である。
【0012】
支持表面は、床下、地下室、駐車場、建物、または住居の支持表面、とりわけ、天井または壁であってもよい。支持表面は、とりわけ、断熱製品が固着される暴露表面として、木材、金属、石膏、漆喰、またはコンクリートを含んでもよい。支持表面は、塗料またはニス等の被覆層を含み得る。支持表面は、水平、垂直、または斜めであってもよい。例えば、支持表面は、建物の金属梁または柱、例えば、垂直または水平耐荷重金属梁であってもよい。
【0013】
支持表面とミネラルウール断熱製品の組み合わせは、その使用場所に運搬されるように適合される、事前に製作されたアセンブリとして提供されてもよい。例えば、ミネラルウール断熱製品は、事前製作された構造、とりわけ、事前製作された壁またはパネル内に組み込まれる、例えば、事前製作された壁、板材フレーム、もしくは木材構造の空洞内に組み込まれるか、または、例えば、サンドウィッチパネルの金属プレート間に狭入される、ミネラルウール断熱製品を含む、事前製作された構造で提供されてもよい。しかしながら、概して、ミネラルウール断熱製品は、現場でその支持表面に固着される。
【0014】
用語「第1のミネラルウール繊維」および「第2のミネラルウール繊維」は、本明細書で使用されるように、第1のミネラルウール繊維が第1の化学的組成を有し、第2のミネラルウール繊維が第2の異なる化学的組成を有することを意味する。本明細書で使用されるように、ミネラルウール繊維に関連した用語「同一の化学的組成」は、実質的に同一の化学的組成を意味し、通常の産業製造変動および許容差が許容され、とりわけ、ミネラルウール繊維は、その化学的組成における変動が以下の範囲内であるとき、同一の組成を有する:
≧15重量%の量中に存在する各酸化物について±2.5%の複数の点;
≧2重量%および<15重量%の量中に存在する各酸化物について±1.5%;および
<2重量%の量中に存在する各酸化物について±1.0%の複数の点;
但し、(CaO+MgO)および(NaO+KO)はそれぞれ、1つの酸化物成分として取り扱われることを条件とする。
例えば、63重量%の量中に存在するSiOに関して、上記に表される許容差は、63%±2.5%点、すなわち、60.5%~65.5%である。
用語「異なる化学的組成」は、本明細書で使用されるように、化学的組成が同一ではなく、とりわけ、2つの組成が前述の許容差外にあることを意味する。
その体積全体を通して均質組成を有する個々の繊維に関して、この組成は、繊維の単一部分から測定されることができる。代替として、繊維は、分析のために、均質組成を有する塊を提供するように溶融されてもよい。
【0015】
好ましくは、第1のミネラルウール繊維と第2のミネラルウール繊維との間の軟化点の差異は、少なくとも150℃である。軟化点の差異は、少なくとも200℃、好ましくは、少なくとも250℃、より好ましくは、少なくとも300℃であってもよい。ミネラルウール繊維は、以下のように選択されてもよい:
-第1のミネラルウール繊維の軟化点は、軟化閾値を下回り;
-第2のミネラルウール繊維の軟化点は、軟化閾値を上回り;
-上記軟化閾値は、温度750℃、800℃、850℃、900℃、および950℃から選択される、温度である。
断熱製品は、≦750℃、≦800℃、または≦850℃である、軟化点を有する、第1のミネラルウール繊維と、≧900℃、≧950℃、または≧1000℃である、軟化点を有する、第2のミネラルウール繊維とを含んでもよい。
【0016】
用語「軟化点」は、本明細書で使用されるように、ミネラルウール繊維組成物がその独自の重量下で変形し、粘度107.6ポアズ(106.6Pa.s)で生じる温度を意味する。好ましくは、本明細書の軟化点は、国際規格ISO7884-1およびISO7884-2に従って判定される。代替として、国際規格ISO7884-1およびISO7884-6(2016年7月15日発効バージョン)に従って判定されてもよい。
【0017】
理論によって拘束されることを所望するわけではないが、建築耐火性試験を代表する燃焼条件を受けると、混合ミネラルウール繊維の層は、保護的凝集高粘度層をその火炎に暴露される側に形成すると考えられる。マグマ層であり得る、本保護層は、保護的難溶性または難溶性状層を提供し、改良された耐火性を提供し、ミネラルウール断熱製品の非暴露部分を保護すると見られる。混合ミネラルウール繊維が、その第1および第2のミネラルウール繊維のより低い軟化点を上回る温度に到達すると、これらのミネラルウール繊維は、軟化を開始し、より高い軟化点を有する第2のミネラルウール繊維の繊維と接続するであろうと思われる。これは、より低い軟化点のミネラルウール繊維が、とりわけ、製品の耐火性に対して何らかの有意な方法で寄与することなく、それとともに他方のミネラルウール繊維の一部を伴って、単に、溶融してなくなるであろうと考えられていたため、驚くべきことである。
【0018】
耐火性試験または条件では、凝集表面層の真下の混合ミネラルウール繊維の非暴露層は、好ましくは、実質的に無傷のままである。そのような凝集された保護的高粘度または難溶性層またはその一部が製品から剥離する場合でも、新しい凝集された保護的高粘度または難溶性層が、先の下層材料から形成され得る。本保護的高粘度または難溶性層およびその可能性として考えられる再生に起因して、ミネラルウール断熱製品は、グラスウール繊維断熱製品と比較して、有意により優れた耐火性を提供可能である。断熱製品が、依然として、存在する限り、支持表面は、火災から保護され得る。
【0019】
混合ミネラルウール繊維の層は、少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、または少なくとも95重量%のミネラルウール繊維を含んでもよい。第1のミネラルウール繊維は、ガラス繊維であってもよく、第2のミネラルウール繊維は、ロックウール、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択されてもよい。好ましい実施形態では、第1のミネラルウール繊維は、グラスウール繊維であって、第2のミネラルウール繊維は、ロックウール繊維である。
【0020】
第1のミネラルウール繊維の量は、混合ミネラルウール繊維の層の総重量に対して、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、または少なくとも90重量%であってもよい。
【0021】
第2のミネラルウール繊維の量は、混合ミネラルウール繊維の層の総重量に対して、少なくとも10%、少なくとも20%、もしくは少なくとも30%、および/または50%未満、40%未満、もしくは30重量%未満であってもよい。
【0022】
驚くべきことに、断熱層内のロックウール繊維の量が、グラスウール繊維の量を有意に下回る、とりわけ、ロックウール繊維の30%未満であって、グラスウール繊維の60%または70%を上回るとき、断熱製品、とりわけ、噴霧された断熱層は、物理的性質、例えば、グラスウール製品により近い密度を有するが、ロックウール製品により近い耐火性性質を有することが見出されている。さらに、高割合、例えば、少なくとも70または80重量%のグラスウール繊維を用いても、火炎に暴露される噴霧された断熱層は、グラスウール断熱層のように反応しない、とりわけ、製品は、定位置に留まり、耐火性を提供し、全てが溶融してなくならない。
【0023】
ガラスミネラルウール繊維は、>55重量%酸化ケイ素(SiO)および/または<10重量%酸化アルミニウム(Al)、および/または>1であるその組成のアルカリ/アルカリ土類比、および/またはCaOとMgOの組み合わせられた量<20重量%、および/またはNaOとKOの組み合わせられた量>8重量%を含み得る。グラスウール繊維は、600~750℃の範囲内、とりわけ、650~700℃の範囲内の軟化点を有してもよい。
【0024】
ロックミネラルウール繊維は、30~55重量%SiOおよび/または10~30重量%Al、および/または<1であるその組成のアルカリ/アルカリ土類比、および/または20~35重量%の範囲内のCaOとMgOの組み合わせられた量、および/またはNaOとKOの組み合わせられた量<8重量%、および/または4~10重量%のFeとして表される総鉄含有量を含み得る。噴霧された断熱層内の注入物(またはビーズ)の量は、1重量%未満であってもよく、注入物は、60μm未満の最大見掛け直径を有する粒子として定義される。ロックウール繊維は、900~1200℃の範囲内、とりわけ、1000~1100℃の範囲内の軟化点を有してもよい。
【0025】
第1および/または第2のミネラルウール繊維は、8μm未満、好ましくは、6μm未満、より好ましくは、4μm未満の平均直径を有してもよい。第1および/または第2のミネラルウール繊維は、少なくとも10μm、少なくとも12μm、および/または40μm未満、もしくは20μm未満の平均長を有してもよい。第1のミネラルウール繊維および第2のミネラルウール繊維は、異なる平均長、とりわけ、少なくとも10%、少なくとも15%、または少なくとも20%の差異を有してもよい。第1および第2のミネラルウール繊維間の長さの差異は、繊維骨組内の繊維の交絡および凝集力を促進し得る。
【0026】
ミネラルウール繊維は、シリコンが実質的になくてもよい、すなわち、1重量%未満のシリコン量、とりわけ、0.1重量%未満のシリコンを有するか、またはシリコンがないもしくは実質的にない。シリコンが実質的にないミネラルウール繊維の提供は、噴霧を促進する。
【0027】
ミネラルウール繊維は、とりわけ、ミネラルウール繊維の総重量に基づいて、少なくとも70重量%、好ましくは、少なくとも80重量%、より好ましくは、少なくとも90重量%、95重量%、または98重量%の量における、バージン繊維を含んでもよい。好ましくは、そのようなバージン繊維は、結合剤がないか、そして/またはシリコンがない。ミネラルウール繊維は、とりわけ、ミネラルウール繊維の総重量に基づいて、20重量%または10重量%未満の量における、再生ミネラルウール繊維を含んでもよい。
【0028】
本明細書で使用されるように、用語「バージンミネラルウール繊維」は、ミネラルウール繊維製品の中に事前に組み込まれていない、ミネラルウール繊維を意味する。本明細書で使用されるように、用語「再生繊維」は、形成された断熱材製品から、例えば、破砕縁またはスクラップ製品から復元されたミネラルウール繊維を意味する。好ましくは、ミネラルウール繊維は、例えば、スクラップからの繊維および硬化された結合剤を含む集塊(flock)がない。好ましくは、第1および/または第2のミネラルウール繊維は、繊維の形態であって集塊がない、とりわけ、少なくとも4mmまたは少なくとも5mm、とりわけ、5~30mmの範囲内の見掛け外接円によって判定される幾何学的直径を有する、集塊の形態の繊維の凝集がない。
【0029】
ミネラルウール断熱製品は、とりわけ、EN1607に準拠して、少なくとも2kPa、少なくとも4kPa、および/または10kPa未満、もしくは8kPa未満の機械方向における抜け強度を有してもよい。
【0030】
ミネラルウール断熱製品は、10重量%未満、好ましくは、8%未満、より好ましくは、6%未満の結合剤を含み得る。少なくとも3重量%または少なくとも4重量%の結合剤を含み得る。結合剤は、とりわけ、支持表面に向かって噴霧されることに先立って、乾燥結合剤の形態または水性結合剤溶液の形態であってもよい。水性結合剤溶液は、水と混合された乾燥結合剤を含み得、好ましくは、総結合剤溶液に対して、5~10重量%の範囲内の乾燥結合剤を含む。結合剤は、好ましくは、有機結合剤、例えば、PVOHまたはEVA等のアクリル結合剤を含む。
【0031】
防火用途では、有機結合剤ではなく、セメント等の無機結合剤の使用が好ましいと考えられるであろう。繊維骨組内のミネラルウール繊維間の凝集力が、主に、結合剤に起因し、したがって、火災条件に暴露されると、有機結合剤の分解後、繊維間の凝集力は、低減され、したがって、断熱製品および/または混合ミネラルウール繊維の層は、崩壊または破損する可能性が高いであろうと仮定され得る。驚くべきことに、有機結合剤の使用にもかかわらず、混合ミネラルウール繊維の層の繊維骨組は、有機結合剤の分解後でも維持されることが見出された。
【0032】
ミネラルウール断熱製品は、欧州規格EN13501-1に準拠して、少なくともB、A2、またはA1の防火反応分類を有してもよい。ミネラルウール断熱製品は、少なくとも20分、少なくとも30分、少なくとも45分、少なくとも60分、または少なくとも90分の耐火性を有するか、もしくは提供してもよい。耐火性は、とりわけ、EN1363-1、EN1365-1、EN1365-2、EN1365-3;EN1365-4、EN13381-3、EN13381-4、EN13381-5、EN13381-6、EN13381-7に従って判定される(適切な規格が、建築構造または支持表面の機能として選択される)。
【0033】
ミネラルウール断熱製品は、とりわけ、10℃で測定されるとき、42mW/m.K未満、好ましくは、40mW/m.K未満、より好ましくは、38mW/m.K未満のラムダ値を有してもよい。
【0034】
好ましくは、ミネラルウール断熱製品は、実質的に白色を有する。これは、光反射製品を提供し、これは、内部の明るさを改良し得る。代替として、ミネラルウール断熱製品は、茶色がかったまたは灰色がかったものであってもよい。
【0035】
ミネラルウール断熱製品は、1つまたはそれを上回る添加剤、例えば、防塵油等の防塵剤および/または帯電防止剤を含み得る。添加剤の量は、ミネラルウール断熱製品の総重量に対して1重量%未満であってもよい。
【0036】
混合ミネラルウール製品の層は、実質的に均質であってもよい。好ましくは、2つのミネラルウール繊維間のラムダ値、密度、および比率から選択される、1つまたはそれを上回る物理的測定可能性質の差異は、10%未満、好ましくは、5%未満、より好ましくは、3%未満である。これは、混合ミネラルウール製品の層の全ての点において実質的に一様な耐火性を提供する。
【0037】
混合ミネラルウール繊維の層および/またはミネラルウール断熱製品は、少なくとも30mm、少なくとも100mm、もしくは少なくとも150mm、および/または250mm未満、もしくは200mm未満の厚さを有してもよい。ミネラルウール断熱製品は、少なくとも50kg/m、もしくは少なくとも60kg/m、および/または120kg/m未満、80kg/m未満、もしくは70kg/m未満の密度を有してもよい。厚さおよび密度のこれらの組み合わせは、据付を複雑にする過剰な重量を伴わずに、良好な熱および耐火性性質を提供する。
【0038】
混合ミネラルウール繊維の層の密度は、以下であってもよい:
-とりわけ、混合ミネラルウール繊維の層が、50~60重量%の範囲内のグラスウール繊維と、40~50重量%の範囲内のロックウール繊維(またはスラグウール)とを含むとき、100~120kg/mの範囲内であって;
-とりわけ、混合ミネラルウール繊維の層が、70~80重量%の範囲内のグラスウール繊維と、20~30重量%の範囲内のロックウール繊維(またはスラグウール)とを含むとき、60~70kg/mの範囲内である。
混合ミネラルウール繊維の層内のグラスウール繊維の量が増加されると、混合ミネラルウール繊維の層の密度は、とりわけ、60~70重量%のグラスウール繊維まで急減することが見出された。
【0039】
建築要素の支持表面に向かって噴霧されると、第1および第2のミネラルウール繊維の流体物が、支持表面に向かって投射された混合ミネラルウール繊維の層を形成するように、結合剤と混合され得る。断熱材ノズルと支持表面との間の距離は、少なくとも0.5m、少なくとも1m、および/または3m未満、もしくは2m未満であってもよい。床下、地下室、または駐車場では、距離は、0.5m~2.5mの範囲内であってもよい。
【0040】
別の側面によると、本発明は、第1のミネラルウール繊維、とりわけ、グラスウール繊維の層と、とりわけ、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、またはそれらの組み合わせから選択される、第2の層ミネラルウール繊維の隣接する層とを含む、噴霧されたミネラルウール断熱製品を提供する。噴霧されたミネラルウール製品は、以下によって提供されてもよい:
-支持表面に向かって、第1の噴霧されたミネラルウール層を提供するように、1つのミネラルウール繊維と結合剤の流体物を噴霧する;
-続いて、第1の噴霧されたミネラルウール層に向かって、第1の噴霧されたミネラルウール層に隣接する第2の噴霧されたミネラルウール層を提供するように、他のミネラルウール繊維と結合剤の流体物を噴霧する。
噴霧に先立って、プライマ結着層が、支持表面に適用されてもよい。
【0041】
さらなる側面によると、本発明は、混合ミネラルウール繊維の層、とりわけ、以下を含む(層の総重量に基づく重量%で)、連続層を含む、ミネラルウール断熱製品を提供する。
-結合剤;
-少なくとも50重量%の第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維;
-少なくとも5重量%の第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維;
第1のミネラルウール繊維および第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有してもよい。
ミネラルウール断熱製品は、ミネラルウール断熱製品の総重量に基づいて、少なくとも60重量%の混合ミネラルウール繊維、好ましくは、少なくとも75重量%の混合ミネラルウール繊維を含んでもよい。
ミネラルウール断熱製品は、EN13501-1に準拠して、少なくともBの防火反応分類を有してもよい、および/またはEN1363-1、EN1365、および/またはEN13381に準拠して、少なくとも20分、好ましくは、少なくとも30分、より好ましくは、少なくとも45分の付加的耐火性を建築要素に提供してもよい。
ミネラルウール断熱製品は、42mW/m.K未満、好ましくは、40mW/m.K未満、より好ましくは、38mW/m.K未満のラムダ値を有してもよい。
好ましい実施形態では、第1のミネラルウール繊維は、グラスウール繊維であって、第2のミネラルウール繊維は、ロックウール繊維、スラグウール繊維、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
好ましくは、結合剤は、有機結合剤、とりわけ、PVOHまたはアクリル結合剤を含む。混合ミネラルウール繊維の層は、層の総重量に対して、3~8重量%、好ましくは、4~6重量%の範囲内、より好ましくは、5-6重量%の範囲内の結合剤を含み得る。
混合ミネラルウール繊維の層は、30mm~210mmの範囲内の厚さおよび/または50kg/m~100kg/mの範囲内、とりわけ、60kg/m~80kg/mの範囲内の密度を有してもよい。
ミネラルウール断熱製品は、ミネラルウール断熱パネルの形態または噴霧された断熱層の形態であってもよい。
断熱層は、混合ミネラルウール繊維を水および結合剤とともに、建築要素の支持表面に向かって噴霧し、混合ミネラルウール繊維の層を提供することによって、建築要素の支持表面上に提供されてもよく、層は、以下を含む(層の総重量に対して重量%で)。
-結合剤;
-少なくとも50重量%の第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維;
-少なくとも5重量%の第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維。
【0042】
なおもさらなる側面によると、本発明は、耐火層を建築要素の支持表面に提供する方法であって、
-第1の組成を有する、少なくとも50重量%のグラスウール繊維と、第2の組成を有する、とりわけ、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、少なくとも5重量%の第2のミネラルウール繊維との組み合わせを、噴霧装置の入口の中に導入するステップと;
-混合ミネラルウール繊維の層を支持表面上に提供するように、グラスウール繊維、ミネラルウール繊維、水、および結合剤を、噴霧装置の噴霧ノズルから支持表面に向かって同時に投射するステップと、を含む、方法を提供する。
第1および第2のミネラルウール繊維は、好ましくは、ばら充填繊維の形態で提供される。
本発明は、例えば、以下を提供する。
(項目1)
耐火層を建築要素の支持表面に提供する方法であって
-第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維と第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維の組み合わせを噴霧装置の入口の中に導入するステップであって、前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、ステップと、
-混合ミネラルウール繊維の噴霧層を前記支持表面上に提供するために、前記第1のミネラルウール繊維、前記第2のミネラルウール繊維、水、および結合剤を、前記噴霧装置の噴霧ノズルから前記支持表面に向かって、同時に投射するステップであって、前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は(前記層の総重量に基づく重量%単位で)、
-前記結合剤と、
-少なくとも50重量%の前記第1のミネラルウール繊維と、
-少なくとも5重量%の前記第2のミネラルウール繊維と、を含む、ステップと、を含む、方法。
(項目2)
前記第1のミネラルウール繊維は、グラスウール繊維を含み、前記第2のミネラルウール繊維は、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、項目1に記載の方法。
(項目3)
前記方法はさらに、混合ミネラルウール繊維の層を投射する前に、プライマ結着層を前記支持表面上に適用するステップを含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目4)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、前記層の総重量に対して、3~8重量%、好ましくは、4~6重量%の範囲内、より好ましくは、5~6重量%の範囲内の結合剤を含む、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目5)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、建築要素に対するEN1363-1、EN1365、および/またはEN13381に準拠して、少なくとも20分、好ましくは、少なくとも30分、より好ましくは、少なくとも45分の付加的耐火性を前記建築要素に提供する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目6)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、EN13501-1に準拠して、少なくともBの防火反応分類を有する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目7)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、30mm~210mmの範囲内の厚さを有する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目8)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、50kg/m ~100kg/m の範囲内、とりわけ、60kg/m ~80kg/m の範囲内の密度を有する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目9)
前記支持表面は、床下、地下室、駐車場、建物、または住居の支持表面、とりわけ、天井または壁、および建物の金属梁または柱、とりわけ、垂直または水平耐荷重金属梁から選択される、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目10)
前記混合ミネラルウール繊維の噴霧層は、耐火層を、木材、金属、石膏、漆喰、またはコンクリートを含む、支持表面に提供する、前記項目のいずれかに記載の方法。
(項目11)
とりわけ、項目1に記載の方法によって取得される、建築要素の支持表面上に提供される、噴霧されたミネラルウール断熱製品であって、前記層は(前記層の総重量に対して重量%で)、
-結合剤、とりわけ、有機結合剤と、
-少なくとも50重量%の第1の組成を有する第1のミネラルウール繊維と
-少なくとも5重量%の第2の組成を有する第2のミネラルウール繊維と、
を備え、前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、噴霧されたミネラルウール断熱製品。
(項目12)
ばら繊維を含む、パッケージであって、
-第1の組成、とりわけ、グラスウール繊維を有する、第1のミネラルウール繊維と、
-とりわけ、ロックウール繊維、スラグウール、セラミック繊維、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、第2の組成を有する、第2のミネラルウール繊維と、
-随意に、乾燥結合剤と、を含む、パッケージ。
(項目13)
前記第1のミネラルウール繊維および前記第2のミネラルウール繊維は、少なくとも150℃、好ましくは、少なくとも250℃の軟化点の差異を有する、項目12に記載のパッケージ。
(項目14)
前記第1のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも60重量%、好ましくは、少なくとも70重量%を占め、
前記第2のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも10重量%、好ましくは、少なくとも20重量%を占める、項目12または項目13に記載のパッケージ。
(項目15)
前記第2のミネラルウール繊維は、前記パッケージの内容物の少なくとも10%、好ましくは、少なくとも20重量%を占め、
前記パッケージの内容物の残りの重量は、前記第1のミネラルウール繊維、前記随意の乾燥結合剤、および随意に、1つまたはそれを上回る添加剤、とりわけ、防塵剤および/または帯電防止剤から選択される成分から構成される、項目12-14のいずれかに記載のパッケージ。
【図面の簡単な説明】
【0043】
本発明の実施形態が、ここで、一例としてのみ、付随の図面を参照して説明される。
【0044】
図1図1は、第1の噴霧された断熱製品の写真である。
図2図2は、第2の噴霧された断熱製品の写真である。各例における製品は、防火試験条件を受け、続いて、室温まで冷却された。
【発明を実施するための形態】
【0045】
漆喰ボード10から成る支持表面が、最初に、結着プライマの量が約120g/mであるように、結着プライマを支持表面上に噴霧することによって調製される。
【0046】
試験後の図1に図示される第1のサンプル1は、結着プライマと接触する、ロックミネラルウール繊維の第1の噴霧層と、ガラスミネラルウール繊維の第2の噴霧層とを含む。各噴霧層は、約94.5重量%のミネラルウール繊維を含み、混合物の結合剤含有量が約5.5重量%である、混合ミネラルウール繊維を提供するように、結合剤がなく、かつシリコンがないミネラルウール繊維と、6重量%のトリス(1クロロ-2プロピル)リン酸塩を含む水性結合剤溶液を、混合装置の中に混合することによって調製される。
【0047】
試験後の図1に図示される第2のサンプル2は、約94.5重量%のミネラルウール繊維を含み、混合物の結合剤含有量が約5.5重量%である、混合ミネラルウール繊維を提供するように、両方とも結合剤がなく、かつシリコンがない、グラスウール繊維およびロックウール繊維と、6重量%のトリス(1クロロ-2プロピル)リン酸塩を含む水性結合剤溶液を、混合装置の中に混合することによって調製される。ミネラルウール繊維は、約60重量%のグラスウール繊維と、約40重量%のロックウール繊維とを含む。
【0048】
噴霧ノズルを投射角度約90°で漆喰ボード10から約1.5mの距離に保持しながら、オペレータは、単一かつ連続ステップにおいて、噴霧された断熱製品10、20を形成するように、各混合物を噴霧する。サンプル1およびサンプル2の噴霧された断熱製品は、厚さ約200mmおよび平均密度約100kg/mを有する。サンプル1では、噴霧された断熱層は、厚さ約100mmを有する2つの層から成る。
【0049】
各サンプル1、2は、上昇温度および最大温度約900℃を伴う防火条件をシミュレートするように構成されたオーブン内に垂直位置で設置された。各試験は、30分続くようにスケジュールされる。
【0050】
図1に見られるように、第1のサンプル1の暴露されたガラス噴霧された断熱製品10は、著しく損傷されている。サンプル1からの繊維の溶融に起因して、試験は、15分まで短縮された。噴霧された断熱製品の平均厚は、約200mmから約110mmまで減少し、局所厚はさらに、約70mmまで減少した。しかしながら、ロックウール繊維の噴霧層は、依然として、存在し、耐火性層を支持構造に提供し得る。
【0051】
図2に見られるように、噴霧された断熱製品20は、防火条件を受けるとき、約190mmの平均厚を有し、減少は、主に、噴霧された断熱製品の収縮に起因する。保護的難溶性または難溶性状層200が、噴霧された断熱製品20の暴露された表面に形成された。防火試験の間、本層は、高粘度マグマ層の外観を有していた。非暴露の噴霧された断熱製品は、実質的に無傷であって、依然として、試験前と同一耐火性を有する。達成された結果と対照的に、グラスウール繊維は、溶融し、製品全体の崩壊を生じさせるであろうと仮定され得る。
図1
図2