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特許7153013高熱伝達中空コア押出スクリュ組み立て体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】高熱伝達中空コア押出スクリュ組み立て体
(51)【国際特許分類】
   B01F 27/722 20220101AFI20221005BHJP
   A22C 5/00 20060101ALI20221005BHJP
   B29B 7/38 20060101ALI20221005BHJP
   B01F 35/95 20220101ALI20221005BHJP
   B01F 27/2122 20220101ALI20221005BHJP
   B01F 27/1143 20220101ALI20221005BHJP
   B01J 2/00 20060101ALI20221005BHJP
【FI】
B01F27/722
A22C5/00
B29B7/38
B01F35/95
B01F27/2122
B01F27/1143
B01J2/00 A
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019520860
(86)(22)【出願日】2018-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-09
(86)【国際出願番号】 US2018018396
(87)【国際公開番号】W WO2018152344
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2021-02-12
(31)【優先権主張番号】62/459,215
(32)【優先日】2017-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/699,642
(32)【優先日】2017-09-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】504031159
【氏名又は名称】ウェンガー マニュファクチュアリング エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】WENGER MANUFACTURING LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウェンガー,レイボン
(72)【発明者】
【氏名】スペルメイアー,アラン シー.
(72)【発明者】
【氏名】ウィルツ,フィリップ ビー.
【審査官】河野 隆一朗
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-338343(JP,A)
【文献】特開2015-116581(JP,A)
【文献】特開昭59-167682(JP,A)
【文献】米国特許第03548926(US,A)
【文献】特表2010-538648(JP,A)
【文献】特開昭60-199375(JP,A)
【文献】特開昭55-045360(JP,A)
【文献】特開昭49-073461(JP,A)
【文献】特表2014-511780(JP,A)
【文献】特公昭47-042583(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0131399(US,A1)
【文献】米国特許第02321185(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 5/00
A23L 13/00 - 17/00
A23L 17/10 - 17/50
A23N 1/00 - 17/02
A23P 10/00 - 30/40
B29B 7/00 - 11/14
B29B 13/00 - 15/06
B29C 31/00 - 31/10
B29C 37/00 - 37/04
B29C 71/00 - 71/02
B01F 27/00 - 27/96
B01F 35/00 - 35/95
B01J 2/00 - 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食物成分の混合物に使用される材料取入れ口、および加工済み材料取出し口と、前記加工済み材料取出し口に動作可能に結合された制限オリフィスダイ(orifice die)とを有する細長いバレル(barrel)と;
細長いシャフト中空中心コアを有する細長いシャフト、および前記細長いシャフトから外方に延びる細長いらせん状フライティング(flighting)をそれぞれ有し、前記細長いシャフト中空中心コアが、熱交換媒体を受容するように構成されている、前記細長いバレルの内部の一対の細長い、軸回転可能ならせん状スクリュであって、
駆動されて方向に関して共回転するように構成される当該らせん状スクリュと;
前記細長いバレルの外側のある点から、そしてそれぞれ、前記細長いシャフト中空中心コアの対応する一つの中に延びている一対の媒体送達管と、前記媒体送達管に結合されて、前記媒体送達管に媒体を導入して前記細長いシャフト中空中心コアの中への送達を可能にする構造と、を含む媒体送達組み立て体と、
を含む、食物成分の混合物から食物製造物を作り出すように動作可能な2軸スクリュ加工装置であって、
前記らせん状スクリュのそれぞれが、第1のらせん状フライティング区間であって前記第1のらせん状フライティング区間の径を基準にして.4~1.2のピッチ長D1を有し、前記材料取入れ口から前記加工済み材料取出し口に向けて、そしてそれを通じて材料を搬送するように動作可能である第1のらせん状フライティング区間と、第2のらせん状フライティング区間であって前記加工済み材料取出し口に近位であり、その中を通る材料の流れを遅延させるように動作可能である第2のらせん状フライティング区間と、を有し、前記第1らせん状フライティング区間および第2のらせん状フライティング区間が反対巻きであり、前記第2のらせん状フライティング区間が、前記第1のらせん状フライティング区間より短く、前記第1のらせん状フライティング区間のピッチ長より小さいピッチ長を有し、
前記第1らせん状フライティング区間および第2のらせん状フライティング区間が、それらの長さに沿って噛み合っており、
前記第1のらせん状フライティング区間が、その長さに沿って中空らせん状コアを有し、前記中空らせん状コアが、前記中空中心コアと連通している、2軸スクリュ加工装置。
【請求項2】
前記構造が、対応する送達管にそれぞれ、そして動作可能にしっかりと固定された一対のロータリユニオン(rotary union)を備える、請求項1に記載の加工装置。
【請求項3】
ライティング区間の部分が、前記細長いシャフトから外方に延びている一対の対向する離間した壁部分を有し、当該対向する壁部分の間にらせん状遷移部を有する、請求項1に記載の加工装置。
【請求項4】
前記らせん状遷移部が内壁を含み、前記内壁を貫く一連の離間したアパーチャを有する、請求項3に記載の加工装置。
【請求項5】
前記ピッチ長D1が.5~1.0である、請求項1に記載の加工装置。
【請求項6】
食物の成分の混合物から食物製造物を製造するシステムであって、
前記食物の成分の混合物を受容する取入れ口とプレコンディショニングされた製造物の取出し口とを有する筐体を含むプレコンディショナであって、前記食物の成分の混合物を加熱し、少なくとも部分的に下ごしらえして、前記プレコンディショニングされた製造物を作り出すように動作可能である、プレコンディショナ、ならびに
前記プレコンディショニングされた製造物をさらに調理するように動作可能である食物の押出機であって、
前記プレコンディショニングされた製造物の取入れ口と押し出される製造物の取出し口とを有する細長いバレル(barrel)と、
前記押し出される製造物の取出し口に動作可能に結合される制限オリフィスダイ(orifice die)と、
前記細長いバレルの範囲内の、細長く、軸回転可能な、らせん状にフライト(flight)の付けられた一対のスクリュであって、該一対のスクリュのそれぞれが、細長いシャフトであって、中空コアと、当該細長いシャフトから外方に延びている細長いフライティング(flighting)とを備えた細長いシャフトを有しており、当該フライティングの少なくともある部分が内部中空領域を有し、前記中空コアが前記内部中空領域と連通しており、前記中空コアが、熱交換媒体を受容して該熱交換媒体を前記内部中空領域へと通過させるように構成されるものであり、前記一対のスクリュの前記細長いフライティングがその長さに沿って全体的に噛み合っており、前記一対のスクリュは、方向に関して共回転するように構成されているものである、当該一対のスクリュと、
前記細長いバレルの外側のある点から、そしてそれぞれ前記中空コアの対応する一つの中に延びている一対の媒体送達管を含む媒体送達組み立て体とを備える、前記食物の押出機を備える、システム。
【請求項7】
当該らせん状の一対のスクリュのそれぞれが、前記プレコンディショニングした製造物を、前記細長いバレルの取入れ口から前記押し出される製造物の取出し口に向けて、そしてそれを通じて搬送するように動作可能である第1のらせん状フライティング区間と、
前記押し出される製造物の取出し口に近位であり、通過する前記プレコンディショニングした製造物の流れを遅延させるように動作可能である第2のらせん状フライティング区間とを有し、前記第1のらせん状フライティング区間と前記第2のらせん状フライティング区間は、反対巻きである、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記第2のらせん状フライティング区間が、前記第1のらせん状フライティング区間より短い、請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
前記第2のらせん状フライティング区間が、前記第1のらせん状フライティング区間のピッチ長より小さいピッチ長を有する、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1のらせん状フライティング区間が、前記第1のらせん状フライティング区間の径を基準にして.4~1.2のピッチ長を有し、前記第2のらせん状フライティング区間が、前記第2のらせん状フライティング区間の径を基準にして.2~1.1のピッチ長を有する、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
当該フライティングの部分が、前記細長いシャフトから外方に延びている一対の対向する離間した壁部分を呈し、当該対向する壁部分どうしの間にらせん状遷移領域を有し、該らせん状遷移領域が、その長さおよび幅の全体にわたって開口であり、前記内部中空領域と前記中空コアとの間に遮るもののない連通を提供する、請求項6に記載のシステム。
【請求項12】
当該フライティングの部分が、その長さに沿って内部のらせん状溝を有して、そして内壁を呈し、前記内壁を貫く一連の離間したアパーチャが、前記らせん状溝を前記中空コアと連通させる、請求項6に記載のシステム。
【請求項13】
食物製造物を準備する方法であって、
食物の成分の混合物を、食物のプレコンディショナであって前記食物の成分の混合物を加熱して少なくとも部分的に下ごしらえしてプレコンディショニングされた製造物を作り出すように動作可能である前記食物のプレコンディショナの中に通過させるステップと、
前記プレコンディショニングされた製造物を、食物の押出機であって前記プレコンディショニングされた製造物をさらに調理するように動作可能である前記食物の押出機の中に通過させるステップであって、前記食物の押出機は、プレコンディショニングされた製造物の取入れ口、制限オリフィスダイを備えた押し出される製造物の取出し口を備えるバレルと、一対の細長い、軸回転可能なスクリュであって、その長さに沿って当該スクリュから外方に延びているらせん状フライティングを有する当該一対のスクリュとを備えるものであり、前記一対のスクリュが、前記バレル内にあって前記プレコンディショニングされた製造物の取入れ口から前記制限オリフィスダイに向けて、そしてそれを通じて前記プレコンディショニングされた製造物を移動させるように動作可能であり、
前記食物の成分の混合物が、穀物、でんぷん、脂肪、および肉を含み、
前記一対のスクリュがそれぞれ、中空コアを有し、前記らせん状フライティングの少なくともある部分が内部中空らせん状領域を有し、前記中空コアおよび前記内部中空らせん状領域がそれぞれ、その中に熱交換媒体を受容するように構成され、前記中空コアおよび当該フライティングの部分が互いに連通しており、
前記一対のスクリュのらせん状フライティングが、その長さに沿って全体的に噛み合っているものである、
前記プレコンディショニングされた製造物を前記食物の押出機の中に通過させるステップと、
前記プレコンディショニングされた製造物を前記食物の押出機の中に通過させるステップの最中に、前記一対のスクリュを方向に関して共回転させ、前記バレルの中圧力を発生させステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記食物の押出機の中に通過させるステップに先立って、前記食物の成分の混合物の少なくとも一部分をプレコンディショニングし前記食物の成分の混合物を加熱し部分的に下ごしらえするステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記肉が、前記食物の押出機の中に通過させるステップに先立って、35~50℃の温度に予熱される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記中空コアおよび前記内部中空らせん状領域が互いに連通するものであり記熱交換媒体前記中空コアの中に導かれるステップと、前記熱交換媒体を前記内部中空らせん状領域の中に通過させるステップとを含む導くステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記中空コアおよび内部中空らせん状領域が、一連の離間したアパーチャを通じて連通し、これによって、前記中空コアの中に導かれる前記熱交換媒体が、前記アパーチャを通過して前記内部中空らせん状領域内に入る、請求項13に記載の方法。
【請求項18】
一対のスクリュのそれぞれが、らせん状にフライト(flight)の付けられた取入れ区間であって、前記プレコンディショニングされた製造物の取入れ口から記バレルの長さに沿って当該取入れ区間の端部まで延びている、当該取入れ区間と、らせん状にフライト(flight)の付けられた中心区間であって、前記取入れ区間端部から前記バレルの長さに沿って当該中心区間端部まで延びている、当該中心区間と有し、前記中心区間が、前記取入れ区間のフライトの幅より広いフライトの幅を有し、前記取入れ区間および前記中心区間のらせん状のフライティングが同一巻き方向である、請求項13に記載の方法。
【請求項19】
前記食物の成分の混合物が、肉を含むものであり、前記肉が、乾燥成分の重量を100重量%としてこれを基準に、100~250重量%のレベルで、前記食物の成分の混合物中に存在する、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記食物の成分の混合物を前記食物のプレコンディショナの中に通過させるステップに先立って、前記肉が、35~50℃の温度に予熱される、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記プレコンディショニングされた製造物を前記食物の押出機の中に通過させるステップの最中に、前記一対のスクリュを30~150rpmの速度で回転させ、前記バレルの中に00~600psiの圧力を発生させて、そして熱交換媒体が、前記一対のスクリュの前記中空コアおよび前記内部中空らせん状領域の中に導かれる、請求項13に記載の方法。
【請求項22】
加工装置のスクリュであって、
細長い、軸回転可能なシャフトであって、
中空コアを有し、前記スクリュを駆動部と結合するように動作可能な接続端部と、当該シャフトのもう一方の端部での軸受構造とを呈し、該端部に軸の穿孔を備えるものであり当該穿孔を通ってそして前記中空コアの中に入る熱交換媒体送達管の挿入を可能にする前記軸の穿孔を備えた、当該シャフトと;
その長さに沿って前記シャフトから方に延び細長いらせん状フライティングであって、
前記らせん状フライティングの少なくともある部分が、前記シャフトから外方に延びる一対の対向する離間した壁部分を有し、当該対向する壁部分どうしの間に中空らせん状領域を有し、
前記らせん状フライティングが、その長さに沿って前記壁部分の間に内部のらせん状溝を有し、上端が開口した外側溝および内壁を呈し、前記内壁を貫一連の離間したアパーチャが、前記らせん状溝を前記中空コアと連通させ、前記アパーチャが、前記らせん状溝に沿って延びてその幅を超える長さを有する細長いスロットの形態を有するものである、
前記らせん状フライティングと、
前記内壁から離間した、前記上端が開口した外側溝を閉じる外壁
含むスクリュ。
【請求項23】
前記らせん状フライティングが、第1の区間と、より短い第2の区間とを含み、前記第1の区間前記第2の区間とは、反対巻きとなっており、前記第2の区間が、前記第1の区間と前記軸受構造との間に位置し、前記第1の区間が、前記第2の区間の軸長より少なくとも倍大きい軸長を有する、請求項22に記載のスクリュ。
【請求項24】
らせん状の前記第1の間が、らせん状の前記第1の間の径を基準にして.4~1.2のピッチ長を有し、らせん状の前記第2の間が、らせん状の前記第2の間の径を基準にして.2~1.1のピッチ長を有する、請求項23に記載のスクリュ。
【請求項25】
前記細長いスロットの末端が丸みを有する、請求項22に記載のスクリュ。
【請求項26】
加工装置のスクリュであって、
細長い、軸回転可能なシャフトであって、
中空コアを有し、前記スクリュを駆動部と結合するように動作可能な接続端部と、当該シャフトのもう一方の端部での軸受構造とを呈し、該端部に軸の穿孔を備えるものであり、当該穿孔を通ってそして前記中空コアの中に入る熱交換媒体送達管の挿入を可能にする前記軸の穿孔を備えた、当該シャフトと;
その長さに沿って前記シャフトから外方に延びる細長い、らせん状フライティングであって、
前記スクリュが、フライト(flight)の付けられた取入れ区間であって前記接続端部から当該取入れ区間の端部まで延びている、当該取入れ区間と、フライト(flight)の付けられた中心区間であって、前記取入れ区間の端部から前記軸受構造に向けて延びている、当該中心区間とを有し、前記軸の穿孔は、熱交換媒体が前記スクリュの前記取入れ区間を加熱しないように、前記取入れ区間の端部において実質的に終結しており、
当該らせん状フライティング区間の少なくともある部分が、前記シャフトから外方に延びている一対の対向する離間した壁部分を有し、当該対向する壁部分どうしの間に中空らせん状領域を有し、
当該フライティングが、その長さに沿って内部のらせん状溝を有して、上端が開口した外側溝および内壁を呈し、前記内壁を貫く一連の離間したアパーチャが、前記らせん状溝を前記中空コアと連通させるものである、
当該らせん状フライティングと、
前記内壁から離間した、前記上端が開口した外側溝を閉じる外壁と
を有する、スクリュ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月15日に仮出願されたセネガル国特許仮出願第62/459,215号の利益を主張し、参照によりその全体が本明細書において援用される。
【0002】
技術分野
本発明は、高い肉含有量を有する食用製造物の製造において使用することができる、高熱伝達2軸スクリュ加工装置(例えば、押出機)に広く関する。より詳細には、本発明は、加工中の材料の中に蒸気を直接注入する必要なしに非常に高い熱エネルギー入力を提供するそうした装置のみならず、その装置中の2軸スクリュに関する。これは、材料を加工する最中にそれを間接的に加熱する蒸気注入装置を備えた、独自の、中空コアの、高熱伝達スクリュ設計により得られる。
【背景技術】
【0003】
多くのペットフードが、押出技術を使用して製造されており、この場合、穀物、でんぷん、脂肪、およびその他の成分を含有する混合物は、まずプレコンディショニングされ、加熱および部分的な調理の後、単軸または2軸スクリュ押出機に通して加工される。プレコンディショニングは、最初乾燥している混合物を、細長い筐体の中に通過させる必要があり、この中で混合物は、注入された蒸気および/または水と混合されて、下流に押出すためにさらに良く調整される。押出の最中には、押出機バレルを混合物が通過する最中に混合物の中にさらなる量の蒸気および/または水をさらに注入するのが普通である。多くの製造物処方にとっては、この既存の技術は満足のいくものである。しかしながら近年では、製造装置は、供給処方の中にますます大量の新鮮な肉を取り込むことを模索するようになっている。加える肉のレベルが比較的低い場合では、従来の押出加工技術は適切である。しかしながら、高レベルの肉(例えば、約40重量%より大きい)を取り込もうとすると、標準的なプレコンディショナ/押出機設備は適切でないことがある。一つの課題は、新鮮な肉製造物の湿度が非常に高く、よってプレコンディショナおよび/または押出機の中に加湿する通常のステップでは、製造物が高湿度になりすぎて押出しがうまくいかないことである。
【0004】
以下の参考文献が対象となる:米国特許第3,255,814号、3,259,374号、3,386,708号、3,637,069号、3,776,529号、4,040,768号、4,372,734号、5,074,057号、5,547,277号、6,099,159号、および9,321,190号明細書、ならびに仏国特許第2477429号明細書。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上に概説した問題を克服し、好ましくは押出機の形態の、しかしながら必ずしもその形態ではない、制限オリフィスダイ(orifice die)構造を有する2軸スクリュ加工装置を提供する。概して、本発明の加工装置は、材料取入れ口と加工済み材料取出し口とを有する細長いバレルを含み、バレルの内部にそしてその長さに沿って延びている一対の細長い、噛み合った、軸回転可能な、らせん状スクリュを備えている。スクリュのそれぞれは、中空コアと、シャフトから外方に延びている細長いらせん状フライティング(flighting)区間とを備えた細長いシャフトを有しており、中空コアは、熱交換媒体を受容するよう構成されている。装置はまた、バレルの外側のある点から、そしてそれぞれ中空コアの一つの中に延びている、対応する一対の媒体送達管を有する媒体送達組み立て体を含んでおり、ロータリユニオン(rotary union)などの構造が、送達管に動作可能に結合されて、媒体を管に供給して中空コアの中に送達するようにしてある。
【0006】
好ましい形態では、らせん状スクリュのそれぞれが、材料取入れ口から加工済み材料取出し口に向かってそしてこれを通して材料を搬送するように動作可能な、第1のらせん状にフライト(flight)の付けられた区間と、加工済み材料取出し口に近位の第2のらせん状にフライトの付けられた区間であってそれを通る材料の流れを遅延させるように動作可能な区間とを有し、第1および第2のらせん状にフライトの付けられた区間は反対巻きとなっている。そうした設計では、流れを遅延させる第2のらせん状区間が、第1のらせん状区間のピッチ長より少ないピッチ長を有することが好ましい。
【0007】
中空コアスクリュから最高度の熱伝達を提供することを目的として、後者は、中心区間を備える設計とされ、この区間は、互い連通している中空コアおよび中空スクリュの両方と一体化した鋳造構造であってもよい。ある実施形態では、中心区間のらせん状スクリュは、一対の対向する離隔した壁部分を有しており、この部分はシャフトから外方に延びていて、対向する壁部分どうしの間でらせん状遷移領域を呈している。この遷移領域は、その長さと幅全体を通して開口しており、中空コアと中空スクリュとの間で遮るもののない連通を提供している。さらに、中空シャフトおよび中空スクリュの厚さは、実質的に等しい。
【0008】
本発明のスクリュは、典型的には、中空コアを備えた、細長い、軸回転可能なシャフトを有しており、スクリュを駆動部と結合するように動作可能な後部接続端部と、シャフトの反対端部の前方軸受構造とを呈している。軸の穿孔は、シャフトの前方端部を貫いて延びており、穿孔を通して中空コアの中に熱交換媒体送達管を挿入することが可能になっている。さらには、スクリュは、シャフトから、その長さに沿って外方に延びている細長いらせん状フライティングを有しており、このフライティングは第1の区間と、第2のさらに短い区間とを含む。第1および第2のフライティング区間は、反対巻きとなっており、第2の区間は、第1の区間と軸受構造との間に位置し、そして第1の区間は、第2の区間の軸長より少なくとも約3倍大きい軸長を有する。
【0009】
別の実施形態では、スクリュは、フライティングの長さに沿った、内方に延びているらせん状の、最上部が開口した溝を備えたものが製造され、これにより溝とシャフトコアとの間に底部壁を画定している。離隔した複数のアパーチャが、らせん状溝とシャフトコアとを連通させることを目的として、底部壁またはカバー部品を貫通して提供されており、そして溝の開口した最上部は、その場所に溶接されたらせん状カバーにより閉じられる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に準拠した2軸スクリュ加工装置の斜視図であり;
図2図1の装置の一部分を形成する2軸スクリュ組み立て体の部分図であり;
図3図1の装置の前方取出し口端部の一部分を切り欠いた部分図であって、2軸スクリュの逆フライト区間を描写しており;
図4図5の線4-4に沿った部分垂直断面であって、加工装置の内部構造を例示しており;
図5図4の線5-5に沿った垂直断面図であり;
図6】本発明に準拠した別の2軸スクリュ加工装置の前方端部の一部分を切り欠いた部分図であって、2軸スクリュの逆フライト区間を描写しており;
図7図6の装置の一部分を形成している2軸スクリュ組み立て体の部分図であり;
図8図6の装置の断面図であって、その2軸スクリュ組み立て体の全構成を例示しており;
図9図8の線9-9に沿った垂直断面図であり;
図10図1の装置の2軸スクリュの中空シャフト/中空らせん状構造を例示する部分断面図であり;
図11図6の実施形態の2軸スクリュ組み立て体の一部分を形成している駆動接続部および蒸気拡散器を例示する部分斜視分解図であり;
図12】本発明に準拠した別の中空コアスクリュ実施形態の斜視図であり;
図13図12のスクリュの部分立面図であり;
図14図12のスクリュの部分垂直断面図であって、その内部構造を例示しており;
図15図12のスクリュの部分拡大断面図であり;
図16図12のスクリュの別の部分拡大断面図であり;
図17図14の線17-17に沿った垂直断面図であり;
図18図14の線18-18に沿った垂直断面図であり;そして
図19】高い肉含有量のペットフードを製造する、本発明に準拠した加工システムを例示する模式的なブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
さて、これらの図面、そして特に図1~5に目を向けると、加工装置20が例示されている。概して、装置20は、材料取入れ口24と、反対側の加工済み材料取出し口26とを有する細長い管状バレル(barrel)22を含み、バレル22の内部には、2軸スクリュ組み立て体28を備えている。
【0012】
例示のとおり、バレルは、端部どうしを相互接続させた複数のバレル区間30、32、34、および36から構成されている。内部ライナ(liner)組み立て体38は、区間30~36の内部に位置しその長さに沿って延びており、一対の細長い、並置された、連通する弓状の通行路40、42を呈しており、これらの通行路は、2軸スクリュ組み立て体28を受容する。スリーブ(sleeve)はさらに、最後開口部44を呈しており、図4では、これが最もよくわかる。アパーチャ付き正面壁46は、バレルの反対端部に位置しており、そこにしっかりと固定されている。加えて、前方に突出する軸受筐体48は、正面壁46の外面に取り付けられ、内部に一対の横に並んだ管状軸受を有している。
【0013】
2軸スクリュ組み立て体28は、同一の、相補的な第1および第2の噛み合った、2条フライトスクリュ50および52を含み、これらは、装置20の動作の最中に方向に関して共回転するように設計されている。図2および4を参照すると、スクリュ50、52はそれぞれ、細長いシャフト54と、シャフト54の長さに沿って、外方に延びているらせん状フライティング56とを有しており、フライティングは、スクリュ径を基準にして1のピッチ長を有していることがわかるであろう。細長い中心穿孔58は、実質的にシャフト54の長さ全体を通して延びていて、それにより、その中に中空コア60を作り出している。図3で最もよくわかるように、フライティング56は、二つの区間、すなわち取入れ口24から加工済み材料取出し口26に、そしてそこを通して材料を搬送するように動作可能な第1の区間62と、通る材料の流れを遅延させるように動作可能な第2の区間64とに分かれている。この目的のため、フライティング区間62、64は、それぞれ逆巻きである。スクリュ50、52の最後端部は、最後部の、スプライン付きコネクタ端部70、72を有する駆動および軸受構造66、68を備えており、端部70、72は、軸回転するスクリュに好適な駆動構造(図示せず)と係合するように設計される。スクリュの前方端部は、細長い延伸部74、76を備えており、これらは、筐体48の管状軸受の内部で受容されている(図3)。
【0014】
スクリュ50、52は、熱交換媒体をその内部コアに供給する構造78を備えている。具体的には、細長い定常蒸気送達管80および82は、正面壁46に隣接する筐体22の外側のある点から穿孔58の中に延びている。管80、82は、延伸部74、76の前方端部に位置する末端の管状取り付け品84、86を通じて延びている。管80、82の最外端部は、同一のロータリユニオン88、90と接続している。それぞれのそうしたユニオンは、媒体取入れ開口94と、液体除去取出し口96と、対応する管80または82の周りに配置された回転可能なスリーブ98とを有するブロック92を含む。この目的のため、スリーブ98は、対応する管状取り付け品84、86にしっかりと固定される。
【0015】
スクリュ50、52は、通常の加工技術を使用して金属から好ましくは製造され、通常、表面硬化されている。
【0016】
動作中では、加工されることになる材料(これは、以降説明されるとおりプレコンディショニングされてもよい)は、スクリュ50、52の共回転の最中に取入れ口24に送達されるが、この共回転は、材料をその加工の最中に前進させて加工済み材料を取出し口26へ送達するように働く。この動作の最中には、熱交換媒体(通常は蒸気)が、媒体取入れ口94と結合された送達導管(図示せず)から、そして管80、82の中にスクリュの開口コア60に向けて導かれるが、これは、材料を加工するのに必要な熱エネルギーを提供することを目的としている。さらなるエネルギー入力が、バレル22の中に発生した圧力およびせん断(sheer)の条件を用いて提供される。加工の最中には、復水が、コア60から、そしてスリーブ98の中を通り、除去取出し口96を介してシステムから脱出する。壁46および取り付け品84、86を通して材料が漏出するのを防止することを目的として、逆フライト区間64が、区間62の反対巻きのフライティングにより生み出された材料の流れに対して遅延力を生み出すことにより、働き始める。取出し口26から出現する製造物はその後、制限オリフィス押出ダイを通過させ、切断してもよく、これは最終製造物を形成するのが目的であるが、ただし実際には、細長い送達パイプが通常、取出し口26にしっかりと固定されており、そして最終的なダイとナイフ組み立て体とが、パイプの反対端部に位置している。
【0017】
図6~11に、加工装置100の形態での本発明の別の実施形態を例示する。装置100は、装置20に多くの観点で類似していて、内部に2軸スクリュ組み立て体104を備えた管状バレル102を有し、そして取入れ口24と取出し口26とを有しており、第1の実施形態の場合のとおりである。さらに、バレル102は、管状の、相互接続されたバレル区間106~112から構成されており、内部ライナ組み立て体114が、横に並んだ通行路116、118を画定している。バレル102の前方端部は、正面壁120を備えており、これは前方に突出する軸受筐体122を支持している。
【0018】
スクリュ組み立て体104は、一対の同一の、噛み合った、単一フライトの、らせん状スクリュ124、126を有しており、これらは、通行路116、118の内部に受容されている。スクリュのそれぞれは、細長い中心シャフト128、130だけでなく、その長さに沿って外方に延びているらせん状フライティング132、134を有する。第1の実施形態の場合のとおり、スクリュ124、126は、最後部の駆動および軸受構造136、138を有しており、これらはスプライン付き駆動接続端部140、142を備えている。スクリュの前方端部は、軸受延伸部144、146を有しており、これらは、筐体122の軸受の内部に受容されている。
【0019】
第1の実施形態と第2の実施形態との間の主な違いは、らせん状スクリュ124および126の構成である。具体的には、それぞれのそうしたスクリュは、バレル102の長さに沿って取出し口26に向かって、そしてその中を通して製造物を移動させるように動作可能な主要な中心区間148と、入ってくる材料を区間148に送達するように動作可能な取入れ区間150と、材料の流れを遅延させる前方の区間152とを含む。取入れ区間150は有利には、中心シャフト154を有する加工された部分であり、中心シャフトは、内部にスプライン付き穿孔156、および外方に延びているフライティング132、134を備えている。図10で最もよくわかる通り、穿孔156は、対応する駆動および軸受構造136、138の前方端部を受容するように設計されている。スクリュ区間148および150は、スクリュ径を基準にして、図10のD1により示された1のピッチ長を有する。各スクリュの前方区間152は同様に、加工された部分であり、中心の、穿孔されたシャフト160を有し、シャフトは、外方に延びているらせん状のフライティング162を備えている。とりわけ、フライト162のピッチは、スクリュ区間148のフライティング158のピッチのそれとは反対であり、スクリュ径を基準にして、図10のD2により示された0.3のピッチ長を有する。好ましくは、ピッチ長D1は、約0.4~1.2、より好ましくは0.5~1.0であるものとし、その一方で、ピッチ長D2は、約0.2~1.1、より好ましくは0.3~1であるものとする。
【0020】
中心区間148は好ましくは、鋳造(例えば、砂型鋳造またはインベストメント鋳造)により、複数の区間を用いて形成され、これらはいっしょに突合せ溶接されて、中心区域の全体を形成する。図10で最もよくわかるとおり、中心区間148は中心シャフト166を有しており、シャフトは、その長さに沿って中空であることにより、中心コア167と、外方に延びるフライティング168とを画定しており、フライティングは同様に中空であることにより、らせん状コア169を画定している。この点に関して、フライト168は、外方に延びていて対向する、離隔した側壁170および172により画定され、平坦化された外壁174を備えている。従って、側壁170、172の最内端部の間にらせん状遷移部176が提供され、これにより、いかなる閉塞または狭窄もそれがどんなものであれ、ともなうことなく、中心コア167とらせん状コア169との間に完全な開口した連通が提供されることが認められることになり;別して述べるなら、遷移部176は、その長さおよび幅全体を通して開口した領域を呈しており、その目的はシャフトとらせん状スクリュの中空領域との間に遮るもののない連通を提供することである。区間148が鋳造構造である限り、シャフト166の厚さが、側壁170、172、および外壁174の厚さと本質的に同一であることが分かるであろう。
【0021】
好ましい形態では、中心スクリュ区間148の長さは、前方スクリュ区間152の長さよりも少なくとも約3倍、より好ましくは少なくとも約5倍大きい。
【0022】
スクリュ124、126は、細長い媒体送達管178、180を受容しており、これらの送達管は、スクリュ区間148および152の内部へ媒体、例えば蒸気を送達するよう設計されている。管178、180の前方端部は、第1の実施形態に関して記載されたものと同一のロータリユニオン88、90の内部に受容されており、そして類似の参照符号が付けられている(図10)。回転可能なスリーブ98は、カプラ(coupler)84により支持されており、これもまた第1の実施形態に記載されているとおりである。
【0023】
管178、180の最内端部は、管状で側部の開口した拡散ケージ182により、それぞれ支持されている。後者は、搭載スクリュ184を含んでおり、これは、主要なスクリュ区間148の端部を貫いて延びていて、軸受および駆動構造136の前方突合せ端部におけるネジ付き穿孔186の中に受容されている。
【0024】
スクリュ区間148の最後端部は、スプライン付き部分188を有しており、これは、取入れスクリュ区間150の先の、構造136の前方端部を受容している。スクリュの前方端部148は、突合わせ溶接またはあらゆるその他の適切な技術によりスクリュ区間152の後方端部にしっかりと固定される。それゆえ、構造136の駆動回転が、全スクリュ124、126を回転させるように働く。
【0025】
装置100の動作は、装置20と同様である。しかしながら、スクリュ区間148の中空コア構造が完全に開口していることに起因して、装置20と比較して、注入された蒸気からのさらに良好な熱伝達が提供される。
【0026】
図12~18に、らせん状押出スクリュ190の形態での本発明の別の中空コアスクリュ実施形態を例示する。スクリュ190は、2軸スクリュ押出機における使用向けに設計されており、相手スクリュ(図示せず)がスクリュ190と併せて使用されてスクリュの組を形成するようになっている。概して、スクリュ190は、細長い中心シャフト192を含み、シャフトはその長さに沿って、連続したらせん状フライティング194を備えている。
【0027】
シャフト192は、モータ/ギア減速機組み立て体との駆動接続部を提供する最後部のスプライン付き区間196と、前方軸受延伸部とを有する。シャフト192は、加工され、表面硬化された部分であり、中実の後部区画98と、細長い、軸方向に延びている中心コア202を呈する中空コア前方区間200とを有している。コア202の前方端部は、ロータリユニオン88を受容するよう設計されたカプラ204を備えている(図14)。定常蒸気送達管208(図14に部分図として示す)は、実質的にコア202の全長に延びており、開口した端部210を有する。
【0028】
フライティング194は、比較的狭いフライト幅の後部区間212を含み、これは、中実区間198の全長に延びている。加えて、フライティング194は、最外部のフライト表面214aを呈するさらに広いフライト幅の前方区間214を有しており、これは区間212の端部からシャフト192の前方端部に近い点に延びている。しかしながら、先の実施形態の場合にあるとおり、スクリュ190は、区間214とカプラ204の端部との間に逆フライト区間216を有している。
【0029】
スクリュ190の製造においては、フライティング194は、シャフト192からの中実突出部として、連続した、らせん状の、最上部が開口した溝218を、広いフライト区間214中に備えるように加工され、溝は、最外部のフライト表面214aから内方に、コア202に近い内壁220に延びている。その後、一連の離隔したアパーチャ222が、内壁220の長さに沿って形成されるが、これは、コア202を溝218と連通させるのが目的である。次に、らせん状カバー部品224が、溝218の上端部を覆うように配置され、フライティング区間214に溶接される。最終的なステップでは、スクリュ190は、フライティング194にとって適切な外径を提供するように加工される。これは、単一構造を作り出し、諸図面に例示のとおりである。
【0030】
スクリュ190と、その相手である、バレル22などの押出機バレルの内部で噛み合ったスクリュとの動作は、図1~5の実施形態に関して記載されたものと同一である。すなわち、このスクリュの組の共回転は、材料を、その加工の最中にバレル取入れ口からバレル取出し口に前進させる働きをする。同時に、蒸気またはその他の熱交換媒体は、コア202の中に、ユニオン88と、押出機バレルの端部より先のシャフト192の延伸部とを通して導かれる。この媒体は、連通アパーチャ222によりコア202および溝218を通して流れる。これは、熱エネルギーのレベルの増大を工程にもたらす。逆フライト区間216はまた、スクリュの前方端部190で材料の流れを遅延させる働きをする。
【0031】
図19は、高い肉含有量のペットフードの製造向けのシステム226を模式的に例示するものであり、上流プレコンディショナ228、および押出機230を概して含み、後者は、上に記載された中空コアスクリュのいずれかを使用する、装置20または100の修正版である。より詳細には、押出機230は、取出し口26に固定され最端部の制限オリフィス押出ダイ234を有する概してL字形の導管またはパイプ232を含む。
【0032】
システム226は、肉と、その他の従来のペットフード成分、例えば、穀物、でんぷん、および脂肪、そしてそれらとともに少量成分、例えばビタミンおよび乳化剤との混合物を使用して製造物を製造するよう設計されている。出発混合物の肉含有量は典型的には、乾燥成分の重量を100重量%としてこれを基準に、約100~250重量%、より好ましくは約125~200重量%の範囲である。加工の最中には、製造物は、肉の供給安全性要件を満たすために、90℃の最低温度を満たすものとする。2軸スクリュの回転は、約30~150rpm、より好ましくは約30~65rpmの範囲;筐体の内部の圧力は通常、約200~600psi、より好ましくは約300~400psiである。高圧蒸気は通常、30~60psi、より好ましくは約45psiのレベルで、中空コアスクリュの中に導かれる。図面では例示されていないが、蒸気またはその他の熱交換媒体を受容するためにジャケット付き押出機バレルを採用することが可能である。
【0033】
プレコンディショナ228は、出発混合物が取入れ口24への送達に先立って加熱され部分的に下ごしらえされる限り、多様な形態をとってもよく、プレコンディショニングの最中に加湿することもまた可能であるが、しかしこれは、混合物の肉断片の高い湿度含有量を理由に、通常は最低限にされる、または省略される。例えば、従来のリボンミキサ又は同種のものにおいて乾燥成分を混合し、その後、約35~50℃(より好ましくは約45℃)の温度に予め加熱された肉をその乾燥成分に加えて、さらに混合するすることが可能である。交互に、既存の押出プレコンディショナ、例えば市販のWenger DDCまたはHIPプレコンディショナを使用してもよい(米国特許第4,752,139号、7,448,795号、および9,028,133号明細書を見られたい)。そうしたプレコンディショナは、出発混合物を加熱し下ごしらえするために、蒸気および/または水注入を提供するか、場合によっては、高温空気を加熱媒体として使用してもよい(米国特許第7,963,214号明細書)。そうした実例では、プレコンディショナを通過させる最中には混合物の肉断片の一部のみを提供し、肉断片の残りは分けて、加工装置の入力24の中に、プレコンディショナ材料とともに直接導入して、肉の所望の合計百分率を達成することが必要となる場合がある。
【0034】
押出技術では、エネルギー入力の二つの主要な源泉が存在し、比機械エネルギー(SME)、および比熱エネルギー(STE)と称されることは認識されるであろう。SMEが主に、押出スクリュにより発生した熱、摩擦、およびせん断力に由来する一方、STEは、熱交換媒体、典型的には蒸気の添加により生成される。既存の押出技術では、STEは、プレコンディショナ、押出機のいずれか、または両方において加工されている混合物の中に、蒸気を直接注入することにより加えられるのが最も普通である。しかしながら、上に示したとおり、蒸気の直接注入は、高い肉量の処方を処理する場合には問題となり得る。本発明は、押出機において間接的な加熱が実現され、これにより直接的な蒸気の添加およびそれに付随して結果として生じる過度の湿度の問題が回避されるという点で、明らかな改善が得られる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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