(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-10-04
(45)【発行日】2022-10-13
(54)【発明の名称】IONIC/ポリイミド膜の製造
(51)【国際特許分類】
C08J 5/20 20060101AFI20221005BHJP
C08L 101/02 20060101ALI20221005BHJP
C08L 27/22 20060101ALI20221005BHJP
C08L 79/08 20060101ALI20221005BHJP
B01J 39/05 20170101ALI20221005BHJP
B01J 39/07 20170101ALI20221005BHJP
B01J 39/19 20170101ALI20221005BHJP
【FI】
C08J5/20 CEW
C08J5/20 CFG
C08L101/02
C08L27/22
C08L79/08 Z
B01J39/05
B01J39/07
B01J39/19
(21)【出願番号】P 2019527764
(86)(22)【出願日】2017-07-31
(86)【国際出願番号】 US2017044667
(87)【国際公開番号】W WO2018026708
(87)【国際公開日】2018-02-08
【審査請求日】2020-07-10
(32)【優先日】2016-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519042847
【氏名又は名称】ザ ボード オブ リージェンツ オブ ザ ネバダ システム オブ ハイヤー エデュケイション オン ビハーフ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ ネバダ ラスベガス
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【氏名又は名称】服部 博信
(74)【代理人】
【識別番号】100196405
【氏名又は名称】小松 邦光
(72)【発明者】
【氏名】キム クワン ジン
(72)【発明者】
【氏名】リー ドン-チャン
(72)【発明者】
【氏名】ナム ジュンス
(72)【発明者】
【氏名】フワン タエ セオン
【審査官】横山 法緒
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-227385(JP,A)
【文献】特開2005-336475(JP,A)
【文献】特開2007-035315(JP,A)
【文献】特開2005-350658(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00-101/14
C08K 3/00-13/08
C08G 73/10
C08J 5/22
B01J 39/19
B01J 39/05
B01J 39/07
H01M 8/00
H01M 10/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリイミドブレンド
を含む膜の作製方法であって、
a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びテトラフルオロエチレン-ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテンスルホン酸コポリマーから選択される
高分子と、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を含み、
nは、1より大きい整数であり;
mは、0または1であり;
Aは、-Ar
1-及び以下の式で:
表される構造から選択され;
Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;
ここで、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;
Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;
R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリ(アミド酸)とを混合し、それにより、ポリ(アミド酸)ブレンドを作製する工程;
b)前記ポリ(アミド酸)ブレンドを環化する工程;ならびに
c)前記ポリイミドブレンド上に金属電極をメッキする工程を含む、方法。
【請求項2】
前記金属が、Ptである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリイミドブレンドで高分子膜の少なくとも1表面を修飾する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
修飾工程が、接着剤によるものである、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
修飾工程が、前記表面を前記ポリイミドブレンドでコーティングする工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
修飾工程が、前記表面を光源に曝す工程を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
ポリイミドブレンド
を含む膜の作製方法であって、
a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びテトラフルオロエチレン-ペルフルオロ-3,6-ジオキサ-4-メチル-7-オクテンスルホン酸コポリマーから選択される
高分子と、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を含み、
nは、1より大きい整数であり;
mは、0または1であり;
Aは、-Ar
1-及び以下の式で:
表される構造から選択され;
Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;
ここで、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;
Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;
R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリ(アミド酸)とを混合し、それにより、ポリ(アミド酸)ブレンドを作製する工程;
b)前記ポリ(アミド酸)ブレンドを環化する工程;ならびに
c)前記ポリイミドブレンドで高分子膜の少なくとも1表面を修飾する工程
を含む、方法。
【請求項8】
修飾工程が、共有結合によるものである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
修飾工程が、前記表面を前記ポリイミドブレンドでコーティングする工程を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
修飾工程が、前記表面を光源に曝す工程を含む、請求項7に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年8月5日出願の米国仮出願第62/371,622号の優先権を主張し、この出願はそのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0002】
連邦政府資金による研究開発の記載
本発明は、航空宇宙局(NASA)により授与された委託書第NNX13AN15A号の下、国からの支援によりなされた。政府は、発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
イオン性(イオン導電性)高分子・金属複合体(IPMC)は、典型的には、両面に白金などの貴金属の電極の薄層メッキを施したアイオノマー(ionomer)膜(イオン交換膜)からなる合成複合体である(Kim et al. (2014) Robotics and Autonomous Systems 62:53-60)。IPMCは、異色の活物質(高性能材料)であり、ある種の電気活性高分子(EAP)である。EAPには多数の種類があり、例えば、イオン導電性高分子ゲル(Terasawa et al. (2014) Sensors and Actuators B 202: 382-387;Liu and Calvert (2000) Adv. Mater. 12:288-291;Shiga et al. (1993) Journal of Applied Polymer Science 47: 113-291;Shahinpoor (1992) Smart Mater. Struct.1:91-94)、誘電性エラストマー(Jung et al. (2008) Sensors and Actuators A 143:343-351;Pelrine et al. (2000) Science 287: 836-839)、カーボンナノチューブフィルム(Jeon et al. (2004) Journal of Applied Physics 95: 5736-5740;Kim et al. (2006) Carbon 44: 1963-1968)、イオン導電性高分子・金属複合体(IPMC)(Shahinpoor and Kim (2001) Smart Mater. Struct. 10:819-833;Lee et al. (2005) Smart Mater. Struct. 14: 1363-1368;Kim and Kim (2008) Smart Mater. Struct. 17: 035011)などがある。これらEAPの中でも、IPMCは、基材として高分子を使用し、必要とする作動電圧が低く(5V未満)、ひずみ率が高く、水中で作動する能力を有することから、その柔軟性故に、過去数十年にわたり非常に大きな研究上の関心を集めてきた(Kim et al. (2014 )Robotics and Autonomous Systems 62: 53-60;Kim et al. (2011) Sensors and Actuators B 155: 106-113)。こうした特性により、IPMCは、水中ロボット用途(Shen et al. (2015) Bioinspir. Biomim. 10: 055007;Palmre et al. (2013) Smart Mater. Struct. 22: 014003)、流量センサー用途(Lee and Kim (2006) Smart Mater. Struct. 15:1103-1109)、生体医学及び生体模倣用途、例えば人造筋肉など(Lu et al. (2008) Adv. Func. Mater. 18: 1290-1298;Shahinpoor and Kim (2005) Smart Mater. Struct. 14: 197-214;Jung et al. (2003) Sensors and Actuators A 107:183-192)、宇宙利用(Krishen (2009) Acta Astronautica 64:1160-1166、及びその他の用途に関する魅力的な研究対象となっている。
【0004】
イオン交換膜は、IPMC製造の基本的基材であり、IPMCの性能に大きく影響する必須成分である。多数の市販されているイオン交換膜の中でも、ナフィオン(登録商標)は、高いプロトン伝導性、市販されていること、及び良好な化学的安定性などの利点により(Ju et al. (2013) Progress in Polymer Science 38: 1037-1066;Palmre et al. (2014) Scientific Reports 4:6176)、以前から、そして現在もなお、IPMCに最も広く使用されているイオン交換膜材料である(Kim et al. (2014) Robotics and Autonomous Systems 62:53-60;Kim et al. (2011) Sensors and Actuators B 155: 106-113;Kim and Shahinpoor (2002) Polymer 43: 797-802;Lee et al. (2005) Sensors and Actuators A 118: 98-106;Hwang et al. (2015) Smart Mater. Struct. 24: 105011)。ナフィオン系IPMCアクチュエータは、低い作動電圧下で良好な性能を示すものの、ナフィオンには、その応用を制限する欠点がいくつか存在する:80℃超で低下する性能、高い費用、及び低い貯蔵弾性率である(Hickner et al. (2004) Chem. Rev. 104: 4587-4612;Park et al. (2011) SPE Plastics Research Online DOI: 10.1002/spepro.003706)。ナフィオンを他に代替することにより製造費用を下げる試みが多数なされてきたものの(Hwang et al. (2015) Smart Mater. Struct. 24: 105011;Kim et al. (2005) Smart Mater. Struct. 14:889-894)、それらは、部分的にしか成功してこなかった。また、層状ケイ酸塩またはカーボンナノチューブなどのナノ粒子を用いた研究がいくつか行われており、それらは、ナフィオン系IPMCアクチュエータと比べて、熱安定性及び機械的性能を劇的に改善することができる(Ajayan and Tour (2007) Nature 447: 254-255;Kotov (2006) Nature 442: 254-255;Giannelis (1996) Adv. Mater. 8: 29-35)。高性能IPMCアクチュエータで使用するための改善された特性を持つ新規イオン導電性高分子の探求は、依然として続ける必要がある。
【0005】
ナフィオンの優れた電気機械的性能にもかかわらず、ナフィオンを用いて製造されたIPMCアクチュエータは、その高い費用及び物性のため、望ましいものからは程遠い。このように、改善された熱的及び機械的特性を有するイオン導電性高分子系IPMCは依然として必要とされている。これら及び他の需要を、本発明は満たす。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的(複数可)に従って、本明細書中具現化され及び広く記載されるとおり、本発明は、1つの態様において、イオン導電性高分子及びポリ(アミド酸)を含むブレンドイオン交換膜、ならびにそれらの使用に関する。
【0007】
開示されるのは、ポリイミドブレンドの作製方法であり、本方法は、(a)全フッ素置換(perfluorinated)アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン導電性高分子と、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;式中、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立してアリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリ(アミド酸)とを混合すること、
それにより、ポリ(アミド酸)ブレンドを作製すること;ならびに(b)ポリ(アミド酸)ブレンドを環化させることを含む。
【0008】
同じく開示されるのは、ポリ(アミド酸)ブレンドであり、これは、(a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン導電性高分子;ならびに(b)以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリ(アミド酸)を含む。
【0009】
同じく開示されるのは、ポリイミドブレンドであり、これは、(a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン導電性高分子;ならびに(b)以下の式:
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリイミドを含む。
【0010】
本発明の態様は、システム法定分類など特定の法定分類において記載され及び特許請求され得るものの、これは、便宜上にすぎず、当業者には当然のことながら、本発明の各態様は、任意の法定分類において記載及び特許請求することができる。特に明白に記載されない限り、本明細書中記載されるいずれの方法または態様についても、その工程が特定順序で行われることを必要とすると解釈されることを、いかなる形でも意図しない。したがって、方法請求項が、特許請求の範囲または説明において、工程について特定順序に限定されることになると具体的に指定しない場合、どのような考慮においても順序が推定されることを、いかなる形でも意図しない。このことは、解釈のための黙示原則として可能なもの全てに当てはまり、そのような原則には、工程の配列または操作の流れに関する論理事項、文法上の組織化または句読法に由来する率直な意味、または明細書中に記載される態様の個数または種類などが含まれる。
【0011】
添付の図面は、本明細書に組み込まれて、その一部を構成し、複数の態様を例示するとともに、説明と一緒になって、本発明の原則を説明する役割を務める。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1B】調製された膜の熱イミド化後の代表的画像を示す(左から右に向かって:ナフィオン、NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30;寸法=1.0×1.0cm)。
【
図2】製造されたIPMCの代表的画像を示す。具体的には、ナフィオン117(2A)、NPI-18(2B)、及びNPI-30(2C)を示す。
【
図3】熱イミド化前後の、PAAフィルム(未処理)及びPIフィルム(処理後)の代表的なフーリエ変換赤外吸収スペクトルを、4000~700cm
-1(3A)及び2200~700cm
-1(3B)の領域で示す。
【
図4】ナフィオン、NPI-6、NPI-12、NPI-18、NPI-30、及びポリイミドの代表的なフーリエ変換赤外吸収スペクトルを、4000~700cm
-1(4A)及び2200~700cm
-1(4B)の領域で示す。
【
図5】Q500(TA)を用い、窒素環境中、加熱速度10℃/分で温度を30~700℃に上昇させた場合の、膜の代表的なTGA(4A)及びTGA微分曲線(4B)を示す。
【
図6-1】ナフィオン117、NPI-6、NPI-12、及びポリイミドの膜の代表的なDMA結果を示す。具体的には、引張様式において0.01~20Hzの周波数範囲での、貯蔵弾性率(6A)、損失弾性率(6B)、及びtanδ(6C)を示す。
【
図6-2】ナフィオン117、NPI-6、NPI-12、及びポリイミドの膜の代表的なDMA結果を示す。具体的には、引張様式において0.01~20Hzの周波数範囲での、貯蔵弾性率(6A)、損失弾性率(6B)、及びtanδ(6C)を示す。
図6Dは、10Hzでの試料の代表的な貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδを示す。
【
図7-1】調製したIPMCの代表的なSEM画像を示す。具体的には、ナフィオン(7A)、NPI-6(7B)、NPI-12(7C)、及びNPI-18(7D)を、示す。
【
図7-2】調製したIPMCの代表的なSEM画像を示す。具体的には、ナフィオン(7A)、NPI-6(7B)、NPI-12(7C)、及びNPI-18(7D)を、示す。
【
図8-1】IPMCアクチュエータ(ナフィオン117及びNPI-18)の作動性能に関する代表的データを示す。具体的には、
図8Aは、0.1Hzで±3VのAC矩形波下で測定された電圧、電流、変位応答、及び曲げひずみを、0.1HzでのNPI-18アクチュエータのビデオ録画の重ね合わせ画像と合わせて示す。
【
図8-2】
図8B及び
図8Cは、それぞれ、0.5Hz及び1.0Hzで±3VのAC矩形波で測定された電圧、電流、変位応答、及び曲げひずみを示す。
【
図9】調製したIPMCアクチュエータの代表的画像を示す。具体的には、ナフィオン117(9A)、NPI-18(9B)、及びNPI-30(9C)に、様々な周波数(0.1、0.5、及び1.0Hz)で電圧(±3V、AC)を印加した/しなかった場合を示す。
【
図10】ナフィオン117とNPI-18を比較するIPMCアクチュエータについて、3V、DCでの経時的な発生力応答の代表例を示す。
【0013】
本発明のさらなる利点は、一部は、以下に続く説明で記載され、一部は、説明から明白となるか、または本発明の実施により知ることができる。本発明の利点は、添付の特許請求の範囲において詳細に指摘される要素及び組み合わせにより理解及び達成されることになる。当然のことながら、前記の一般的説明及び以下の詳細な説明は両方とも、例示にすぎず、特許請求されるとおりの本発明を制限しない。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明は、以下の本発明の詳細な説明及びその中に含まれる実施例を参照することにより、よりたやすく理解することができる。
【0015】
本発明の化合物、組成物、物品、装置、及び/または方法を開示及び説明する前に、当然のことながら、それらは、特に記載がない限り具体的な合成法に限定されず、特に記載がない限り特定の試薬に限定されることもなく、そのため、もちろん変更可能である。同じく当然のことながら、本明細書中使用される用語は、特定の態様を説明することのみを目的とし、限定することを意図しない。本明細書中記載されるものと同様または等価な任意の方法及び材料が、本発明の実施または試験に使用可能であるものの、例示の方法及び材料を、ここで説明する。
【0016】
本明細書中記載されるものと同様または等価な任意の方法及び材料が、本発明の実施または試験に使用可能であるものの、例示の方法及び材料を、ここで説明する。
【0017】
本明細書中言及される全ての刊行物は、本明細書中参照として援用されて、その刊行物が引用される内容に関連して方法及び/または材料を開示または説明する。本明細書中記載される刊行物は、本出願の出願日以前にそれらの開示があったことを提示するにすぎない。本発明が、先行発明を理由にそのような刊行物に先行するものであるという資格がないことを承認するものとして見なされるものは、本明細書中何一つない。さらに、本明細書中提示される公開日は、実際の公開日と異なる可能性があり、個別の確認を必要とする可能性がある。
【0018】
定義
本明細書中使用される場合、化合物の命名は、有機化合物も含めて、一般的名称、IUPAC、IUBMB、またはCASの推奨する命名法を用いて名付けることができる。1つまたは複数の立体化学特徴が存在する場合、立体化学に関するカーン・インゴルド・プレローグ則を用いて、立体化学的優先順位、E/Z特定などを指定することができる。当業者なら、名前がわかれば、命名の慣例を用いて体系的に簡略化された化合物構造により、またはCHEMDRAW(商標)(Cambridgesoft Corporation、U.S.A.)などの市販されているソフトウェアなどにより、化合物の構造を容易に確認することができる。
【0019】
明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」、は、文脈でそうではないと明白に示されない限り、複数形を含む。すなわち、例えば、「a(1つの)成分」、「a(1つの)高分子」、または「a(1つの)粒子」という言及は、そのような成分、高分子、または粒子などの2つ以上の混合物を含む。
【0020】
範囲は、本明細書中、「約」1つの特定値から、及び/または「約」別の特定値までとして表すことができる。範囲がそのように表現される場合、別の態様は、その1つの特定値、及び/またはその、他の特定値を含む。同様に、値が、先行詞「約」の使用により、おおよそとして表される場合、当然ながら、その特定の値は、別の態様を形成する。さらに当然ながら、範囲のそれぞれの端点は、どちらも、他方の端点との関連において重要であり、他方の端点から独立している。同じく当然ながら、本明細書中、複数の値が開示されており、それぞれの値は、本明細書中、その値自身だけでなく、「約」その特定値としても開示される。例えば、「10」という値が開示される場合、「約10」も開示されている。同じく当然ながら、ある値が開示される場合、その値「以下」、「その値以上」、及びある値間の可能な範囲も、当業者が適切に理解するとおり、開示されている。例えば、「10」という値が開示される場合、「10以下」ならびに「10以上」も開示されている。同じく当然ながら、本出願全体を通じて、データは複数の異なるフォーマットで提供され、このデータは、終点及び開始点、ならびにデータ点の任意の組み合わせに関する範囲で表される。例えば、特定のデータ点「10」及び特定のデータ点15が開示される場合、当然ながら、10及び15超、以上、未満、以下、及びそれらに等しい値、ならびに10と15の間の値が開示されるとみなされる。同じく当然ながら、2つの特定単位間の各単位も、開示される。例えば、10及び15が開示される場合、11、12、13、及び14も開示されている。
【0021】
明細書及び結びの特許請求の範囲における、組成物中の特定要素または成分の重量部に対する記述は、重量部で表されている組成物または物品中の、要素または成分と、任意の他の要素または成分との間の重量の関係性を示す。すなわち、2重量部の成分X及び5重量部の成分Yを含有する合成物において、X及びYは、重量比2:5で存在し、さらなる成分が合成物中に含有されているかどうかに関わらず、その比で存在する。
【0022】
成分の重量パーセント(重量%)は、そうではないと具体的に記載されない限り、その成分が含まれる配合物または組成物の合計重量に基づく。
【0023】
本明細書中使用される場合、「任意選択の」または「任意選択で」という用語は、それに続いて記載される事象または状況が起こる場合と起こらない場合とがあり、その記載が、その事象または状況が起こる場合及び起こらない場合を含むことを意味する。
【0024】
本明細書中使用される場合、「有効量」及び「に有効である量」という用語は、所望の結果を達成するのに、または望ましくない状態に影響を及ぼすのに十分な量を示す。
【0025】
「安定な」という用語は、本明細書中使用される場合、ある組成物が、その生成、検出、及びある特定の態様においてその回収、精製、ならびに本明細書中開示される目的の1つまたは複数のための使用を可能にする条件に供された場合に、実質的に変化しないことを示す。
【0026】
本明細書中使用される場合、「重合体」という用語は、比較的高分子量の、天然または合成の、有機化合物であって、その構造が小さな繰り返し単位、すなわち単量体で表すことができるものを示す(例えば、ポリエチレン、ゴム、セルロース)。合成重合体は、典型的には、単量体の付加または縮合重合により形成される。
【0027】
本明細書中使用される場合、「同種重合体」という用語は、単一種の繰り返し単位(単量体残基)で形成された高分子を示す。
【0028】
本明細書中使用される場合、「共重合体」という用語は、2種以上の異なる繰り返し単位(単量体残基)で形成された高分子を示す。例であって限定ではないが、共重合体として、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体、またはグラフト共重合体が可能である。同じく企図されるのは、ある特定の態様において、ブロック共重合体の複数のブロック区分が、それ自身共重合体を構成することができる。
【0029】
本明細書中使用される場合、「オリゴマー」という用語は、繰り返し単位の個数が2~10、例えば、2~8、2~6、または2~4である比較的低分子量の重合体を示す。1つの態様において、オリゴマーの集合は、約2~約10、例えば、約2~約8、約2~約6、または約2~約4という繰り返し単位の平均数を有することができる。
【0030】
本明細書中使用される場合、「架橋重合体」という用語は、1本の重合体鎖と別の重合体鎖を連結する結合を有する重合体を示す。
【0031】
「アルキル」という用語は、本明細書中使用される場合、1~24個の炭素原子を持つ分岐したまたは分岐していない飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、s-ペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシルなどである。アルキル基は、環式であることも非環式であることも可能である。アルキル基は、分岐していることも、分岐していないことも可能である。アルキル基は、また、置換されていることも無置換であることも可能である。例えば、アルキル基は、1つまたは複数の基で置換することが可能であり、そのような基として、本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールが挙げられるが、これらに限定されない。「低級アルキル」基とは、1~6個(例えば、1~4個)の炭素原子を有するアルキル基である。アルキルの限定ではなく例として、C1-18アルキル、C1-C12アルキル、C1-C8アルキル、C1-C6アルキル、C1-C3アルキル、及びC1アルキルが挙げられる。
【0032】
本明細書全体を通じて、「アルキル」は、概して、無置換アルキル基及び置換アルキル基両方を示すために使用される;しかしながら、置換アルキル基は、アルキル基上の特定置換基(複数可)を特定することにより、本明細書中具体的に記載されることもある。例えば、「ハロゲン化アルキル」または「ハロアルキル」という用語は、1つまたは複数のハライド、例えば、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素で置換されたアルキル基を具体的に示す。「アルコキシアルキル」という用語は、以下で説明されるとおり、1つまたは複数のアルコキシ基で置換されたアルキル基を具体的に示す。「アルキルアミノ」という用語は、以下で説明されるとおり、1つまたは複数のアミノ基で置換されたアルキル基を具体的に示す、などである。「アルキル」が1つの例で使用され、「アルキルアルコール」などの特定の用語が別の例で使用される場合、「アルキル」という用語が、「アルキルアルコール」などの特定の用語も示すことはないということを暗示するという意味ではない。
【0033】
「アルケニル」という用語は、本明細書中使用される場合、2~24個の炭素原子を持ち、少なくとも1つの炭素炭素二重結合を含む構造式を持つ炭化水素基である。アルケニル基は、無置換であることも、1つまたは複数の基で置換されていることも可能であり、そのような基として、本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールなどが挙げられるが、これらに限定されない。アルケニルの限定ではなく例として、C2-18アルケニル、C2-12アルケニル、C2-8アルケニル、C2-6アルケニル、及びC2-3アルケニルが挙げられる。
【0034】
「アルキニル」という用語は、本明細書中使用される場合、2~24個の炭素原子を持ち、少なくとも1つの炭素炭素三重結合を含む構造式を持つ炭化水素基である。アルキニル基は、無置換であることも、1つまたは複数の基で置換されていることも可能であり、そのような基として、本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルコキシ、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハライド、ヒドロキシ、ケトン、アジド、ニトロ、シリル、スルホ-オキソ、またはチオールが挙げられるが、これらに限定されない。アルキニルの限定ではなく例として、C2-18アルキニル、C2-12アルキニル、C2-8アルキニル、C2-6アルキニル、及びC2-3アルキニルが挙げられる。
【0035】
「アミン」または「アミノ」という用語は、本明細書中使用される場合、式-NA1A2で表され、式中、A1及びA2は、独立して、水素、あるいは本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることが可能である。
【0036】
「エステル」という用語は、本明細書中使用される場合、式-OC(O)A1または-C(O)OA1で表され、式中、A1は、本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることが可能である。「ポリエステル」という用語は、本明細書中使用される場合、式-(A1O(O)C-A2-C(O)O)a-または-(A1O(O)C-A2-OC(O))a-で表され、式中、A1及びA2は、独立して、本明細書中記載されるとおりの、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることが可能であり、「a」は、1~500の整数である。「ポリエステル」は、少なくとも2つのカルボン酸基を持つ化合物と、少なくとも2つのヒドロキシル基を持つ化合物との間の反応により生成する基を記載するのに用いられる。
【0037】
「エーテル」という用語は、本明細書中使用される場合、式A1OA2で表され、式中、A1及びA2は、独立して、本明細書中記載される、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることが可能である。「ポリエーテル」という用語は、本明細書中使用される場合、式-(A1O-A2O)a-で表され、式中、A1及びA2は、独立して、本明細書中記載される、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、シクロアルキニル、アリール、またはヘテロアリール基であることが可能であり、「a」は、1~500の整数である。ポリエーテル基の例として、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、及びポリブチレンオキシドが挙げられる。
【0038】
「アジド」という用語は、本明細書中使用される場合、式-N3で表される。
【0039】
「チオール」という用語は、本明細書中使用される場合、式-SHで表される。
【0040】
本明細書中記載される化合物は、1つまたは複数の二重結合を有することができ、したがって、シス/トランス(E/Z)異性体、ならびに他の立体配座異性体が生じる可能性がある。そうではないと記載されない限り、本発明は、そうした可能な異性体全て、ならびにそのような異性体の混合物を含む。
【0041】
本明細書中開示されるある特定の材料、化合物、組成物、及び成分は、市販品を入手することも可能であるし、当業者に一般的に知られる技法を用いて容易に合成することも可能である。例えば、開示される化合物及び組成物を調製するのに使用される出発物質及び試薬は、Aldrich Chemical Co.、(Milwaukee、Wis.)、Acros Organics(Morris Plains、N.J.)、Fisher Scientific(Pittsburgh、Pa.)、またはSigma(St.Louis、Mo.)などの業者の市販品を利用する、あるいは、以下の参照に記載される手順に従って当業者に既知の方法により調製される:Fieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1-17 (John Wiley and Sons, 1991);Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1-5 and Supplemental volumes (Elsevier Science Publishers, 1989);Organic Reactions, Volumes 1-40 (John Wiley and Sons, 1991);March’s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons, 4th Edition);及びLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)。
【0042】
特に明白に記載されない限り、本明細書中記載されるどの方法であっても、その方法の工程が特定順序で行われることを必要とすると見なされることを、いかなる形でも意図しない。したがって、方法請求項が、その方法の工程が従うべき順序を実際に記載してはいない、あるいは特許請求の範囲または説明において、工程が特定順序に限定されることを何らかの形で具体的に記載していない場合、どのような考慮においても順序が推定されることを、いかなる形でも意図しない。このことは、解釈のための黙示原則として可能なもの全てに当てはまり、そのような原則には、工程の配列または操作の流れに関する論理事項、文法上の組織化または句読法に由来する率直な意味、及び明細書中に記載される実施形態の個数または種類などが含まれる。
【0043】
開示されるのは、本発明の組成物を調製するのに使用されることになる成分、ならびに本明細書中開示される方法内で使用されることになる組成物そのものである。これら及び他の材料が本明細書中開示されるが、当然ながら、これらの材料の組み合わせ、サブセット、相互作用、グループなどが開示される場合、種々の個別及び集合的組み合わせそれぞれならびにこれら化合物の入れ替えについて具体的な記述が明白に開示されない場合があるものの、それぞれ、本明細書中具体的に企図され記載されるものとする。例えば、特定化合物が開示及び説明されており、その化合物を含む複数の分子に対して行うことが可能な複数の修飾が説明されている場合、そうではないと具体的に示されない限り、化合物及び修飾のありとあらゆる組み合わせ及び入れ替えが、具体的に企図される。すなわち、あるクラスの分子A、B、及びCが開示され、ならびにあるクラスの分子D、E、及びFならびにA-Dという分子の組み合わせ例が開示されている場合、たとえそれぞれ個別に記述されていないとしても、組み合わせ、A-E、A-F、B-D、B-E、B-F、C-D、C-E、及びC-Fのそれぞれが個別に及び集合的に企図されることが開示されていると見なされる。同様に、これらの任意のサブセットまたは組み合わせも開示されている。すなわち、例えば、A-E、B-F、及びC-Eというサブグループが、開示されていると見なされると考えられる。この概念は、本出願の全ての態様に当てはまり、当てはまるものとして、本発明の組成物の作成方法及び使用方法における工程が挙げられるが、これらに限定されない。すなわち、実行可能な追加工程が多様に存在する場合、当然ながら、そうした追加工程のそれぞれが、本発明の方法の任意の特定態様または態様の組み合わせで実行可能である。
【0044】
当然ながら、本明細書中開示される組成物は、ある特定の機能を有する。本明細書中開示されるのは、開示される機能を実行するためのある特定の構造的必要事項であり、当然ながら、開示される構造と関連した同じ機能を実行可能な構造が多様に存在し、そうした構造は、典型的には、同じ結果を達成することになる。
【0045】
B.イオン導電性高分子・金属複合体(IPMC)
イオン導電性高分子(EAP)とは、電気刺激が加えられた場合に寸法または形状に変化を示す高分子である。これらEAPは、導電性表面上にある金属とともに複合体を形成し、電気刺激を受けたときに、巨大な力を維持しながら大きな屈曲変形を起こす。EAPの例として、イオン導電性高分子ゲル、誘電性エラストマー、カーボンナノチューブフィルム、及びイオン導電性高分子・金属複合体(IPMC)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
IPMCは、2つの部分で構成される:イオン導電性高分子膜及び金属電極である。ナフィオンまたはフレミオンなどのイオン導電性高分子膜の膜表面に、金または白金などの金属で電気化学的にメッキする。製造されたIPMCは、その内部に、カチオン、アニオン、及び水分子を含有する。これに低電圧(一般に5V未満)がかけられると、イオン交換膜中の水和した可動イオン(カチオンまたはアニオンいずれか)が、それぞれ、アノードまたはカソードに向かって移動し、両面の電極間での体積勾配または圧勾配を生じる。この勾配が、IPMCの変形の元である。
【0047】
イオン交換膜は、IPMCの製造に使用される基礎材料であり、IPMCの性能に大きく影響する非常に重要な要因である。理論に固執するつもりはないが、イオン交換膜という用語は、膜に存在するイオン基により高分子膜を選択的に横断させてイオンを輸送するように設計された膜を示すことができる。付加されたイオン基の種類に応じて、2種類のイオン交換膜が存在する:(1)カチオン交換膜;及び(2)アニオン交換膜である。カチオン交換膜は、カチオンを通過させるがアニオンを遮断する固定カチオン基を含有する。反対に、アニオン交換膜は、アニオンを通過させるがカチオンを遮断する固定カチオン基を含有する。
【0048】
IPMCの製造に最も一般的に使用されている市販材料は、ナフィオンである(31、32)。ナフィオンは、全フッ素化高分子であり、その柔軟性、軽量性、屈曲応答の即時性、柔らかさ、低い作動電圧(<5V)、大きな屈曲変形、市販で入手可能なこと、適切な機械的耐久性、良好な化学安定性、及び高いプロトン伝導性で有名である(36)。その上、ナフィオンは、DC電流パルスを用いて測定して、1MのH2SO4中20℃で、0.1Scm-1前後の高いイオン伝導性を有する(37)。
【0049】
本明細書では、イオン導電性高分子及びポリイミドを含むブレンドイオン交換膜を用いた、IPMCアクチュエータが開示される。様々な態様において、これらのIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータに匹敵する電気化学特性を有することができる。さらなる態様において、開示されるIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータより改善された電気化学特性を有することができる。なおさらなる態様において、開示されるIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータに匹敵する熱特性を有することができる。なおさらなる態様において、開示されるIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータより改善された熱特性を有することができる。なおさらなる態様において、開示されるIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータに匹敵する機械特性を有することができる。なおさらなる態様において、開示されるIPMCアクチュエータは、ナフィオン単独系アクチュエータより改善された機械特性を有することができる。
【0050】
C.ポリ(アミド酸)ブレンド
1つの態様において、開示されるのはポリ(アミド酸)ブレンドであり、これは、以下:(a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択される、イオン導電性高分子;ならびに(b)以下から選択される式:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下:
の式で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリ(アミド酸)を含む。
【0051】
高分子骨格の剛性及び強力な鎖間相互作用故に、大部分のポリイミドは、有機溶媒に不溶性であり、それらのイミド型での扱いが困難である。したがって、ポリイミド及びイオン導電性高分子のブレンドイオン交換膜を作製するために、ポリイミド(PI)前駆体であるポリ(アミド酸)(PAA)、及びイオン導電性高分子のブレンド膜を最初に調製しなければならない。これは、PIが溶解しないのに対して、PAAは、例えば、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に溶解性であるという事実によるものである。PAA/イオン導電性高分子膜が調製されてしまえば、PAAをPIに変換することにより、PI及びイオン導電性高分子のブレンド膜とすることができる。
【0052】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約25重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約20重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約15重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約10重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約1.0重量%~約5.0重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約5.0重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約15重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約20重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約25重量%~約30重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約5.0重量%~約25重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10重量%~約20重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約15重量%~約20重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約18重量%~約20重量%の量で存在する。
【0053】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)ブレンドは、溶媒を含む。溶媒の例として、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジエチルアセトアミド、N-メチル-2-ピロリドン、N-エチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、N-メチルカプロラクタム、ヘキサメチルホスホロトリアミド、1,2-ジメトキシエタン、ビス(2-メトキシエチル)エーテル、1,2-ビス(2-メトキシエトキシ)エタン、テトラヒドロフラン、ビス[2-(2-メトキシエトキシ)エチル]エーテル、1,4-ジオキサン、ジメチルスルホキシド、ジメチルスルホン、ジフェニルエーテル、スルホラン、ジフェニルスルホン、テトラメチル尿素、及びアニソールが挙げられるが、これらに限定されない。なおさらなる態様において、溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド、及びN-メチル-2-ピロリドンから選択される。
【0054】
さらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約45体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約40体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約35体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約30体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約25体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約10体積%~約20体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約15体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約20体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約25体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約30体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約35体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約40体積%~約50体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約15体積%~約45体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約18体積%~約42体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約20体積%~約40体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約25体積%~約35体積%の量で存在する。
【0055】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)ブレンドは、さらに、共溶媒を含む。共溶媒の例として、水、アルコール、及び他の極性溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
さらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約50体積%~約90体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約50体積%~約80体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約50体積%~約70体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約50体積%~約60体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約60体積%~約90体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約70体積%~約90体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約80体積%~約90体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約55体積%~約85体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約58体積%~約82体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約60体積%~約80体積%の量で存在する。なおさらなる態様において、共溶媒は、ポリ(アミド酸)ブレンドの約65体積%~約75体積%の量で存在する。
【0057】
1.イオン導電性高分子
1つの態様において、開示されるポリ(アミド酸)ブレンドは、全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択される、イオン導電性高分子を含む。
【0058】
様々な態様において、イオン導電性高分子は、少なくとも1つの荷電残基を有する高分子を示すことができる。イオン導電性高分子は、電気的中性残基及び荷電残基の両方を有することができる。例えば、さらなる態様において、イオン導電性高分子は、99mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、90mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、75mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、50mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、25mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、10mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、5mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は1mol%未満の荷電残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は0.1mol%未満の荷電残基を有することができる。
【0059】
あるいは、イオン導電性高分子は、99mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、90mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、75mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、50mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、25mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、10mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、5mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、1mol%未満の無電荷残基を有することができる。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、0.1mol%未満の無電荷残基を有することができる。
【0060】
様々な態様において、イオン導電性高分子は、ポリカチオン及びポリアニオンから選択される。さらなる態様において、イオン導電性高分子は、ポリカチオンである。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、ポリアニオンである。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、カチオン性繰り返し基及びアニオン性繰り返し基の両方を有することができる。
【0061】
様々な態様において、イオン基は、高分子骨格と共有結合することができる。あるいは、イオン基は、高分子骨格に組み込むことができる。
【0062】
様々な態様において、イオン導電性高分子は、優れた熱及び機械特性、例えば、高いイオン伝導性、高い水透過性、超酸触媒、温度耐性、及び化学耐性などを有することができる。
【0063】
さらなる態様において、イオン導電性高分子は、ナフィオンである。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、フレミオンである。
【0064】
2.ポリ(アミド酸)
1つの態様において、開示されるポリ(アミド酸)ブレンドは、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下:
の式で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;式中、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリ(アミド酸)を含む。
【0065】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0066】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0067】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
及び
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0068】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0069】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0070】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0071】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0072】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0073】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0074】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0075】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0076】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0077】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0078】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0079】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0080】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0081】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
及び
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0082】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0083】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0084】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0085】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0086】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0087】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0088】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0089】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0090】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0091】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0092】
なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0093】
1つの態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0094】
さらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0095】
さらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0096】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0097】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0098】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0099】
なおさらなる態様において、
は、以下の式:
で表される構造を有する。
【0100】
1つの態様において、nは、1より大きい整数である。さらなる態様において、nは、10より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、100より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、1000より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、10,000より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、100,000より大きい整数である。
【0101】
1つの態様において、mは、0または1である。さらなる態様において、mは、0である。なおさらなる態様において、mは、1である。
【0102】
a.A基
1つの態様において、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択される。
【0103】
さらなる態様において、Aは、-Ar
1-である。なおさらなる態様において、Aは、以下の式:
で表される構造である。
【0104】
b.Q基
1つの態様において、Qは、存在する場合、O、NR1、SO、SO2、C(O)、及びCR2aR2bから選択される。
【0105】
さらなる態様において、Qは、存在する場合、O、NR1、及びCR2aR2bから選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、NR1及びCR2aR2bから選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、O及びNR1から選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、O及びCR2aR2bから選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、Oである。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、NR1である。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、CR2aR2bである。
【0106】
さらなる態様において、Qは、存在する場合、SO、SO2、及びC(O)から選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、SO及びSO2から選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、SO及びC(O)から選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、SO2及びC(O)から選択される。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、SOである。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、SO2である。なおさらなる態様において、Qは、存在する場合、C(O)である。
【0107】
c.Z基
1つの態様において、Zは、存在する場合、O、NR3、CR4aR4b、CO、及びSO2から選択される。
【0108】
さらなる態様において、Zは、存在する場合、O、NR3、及びCR4aR4bから選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、NR3及びCR4aR4bから選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、O及びNR3から選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、O及びCR4aR4bから選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、Oである。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、NR3である。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、CR4aR4bである。
【0109】
さらなる態様において、Zは、存在する場合、O、NR3、CR4aR4b、及びCOから選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、NR3、CR4aR4b、及びCOから選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、CR4aR4b及びCOから選択される。
【0110】
さらなる態様において、Zは、存在する場合、CO及びSO2から選択される。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、COである。なおさらなる態様において、Zは、存在する場合、SO2である。
【0111】
d.R1、R2a、及びR2b基
1つの態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される。さらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、水素である。
【0112】
さらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-(CH2)2CH2F、-(CH2)2CH2Cl、-(CH2)2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、-CH2CBr3、-(CH2)2CHF2、-(CH2)2CF3、-(CH2)2CHCl2、-(CH2)2CCl3、-(CH2)2CHBr2、及び-(CH2)2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、及び-CH2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、及び-CBr3から選択される。
【0113】
さらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びC1-C4アルキルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、及びt-ブチルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、及びn-プロピルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、及びエチルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びエチルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びメチルから選択される。
【0114】
さらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びC1-C4ハロアルキルから選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-(CH2)2CH2F、-(CH2)2CH2Cl、-(CH2)2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、-CH2CBr3、-(CH2)2CHF2、-(CH2)2CF3、-(CH2)2CHCl2、-(CH2)2CCl3、-(CH2)2CHBr2、及び-(CH2)2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、及び-CH2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R1、R2a、及びR2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、及び-CBr3から選択される。
【0115】
e.R3、R4a、及びR4b基
1つの態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される。さらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、水素である。
【0116】
さらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-(CH2)2CH2F、-(CH2)2CH2Cl、-(CH2)2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、-CH2CBr3、-(CH2)2CHF2、-(CH2)2CF3、-(CH2)2CHCl2、-(CH2)2CCl3、-(CH2)2CHBr2、及び-(CH2)2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、及び-CH2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、及び-CBr3から選択される。
【0117】
さらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びC1-C4アルキルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、s-ブチル、及びt-ブチルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、エチル、i-プロピル、及びn-プロピルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、メチル、及びエチルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びエチルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びメチルから選択される。
【0118】
さらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素及びC1-C4ハロアルキルから選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-(CH2)2CH2F、-(CH2)2CH2Cl、-(CH2)2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、-CH2CBr3、-(CH2)2CHF2、-(CH2)2CF3、-(CH2)2CHCl2、-(CH2)2CCl3、-(CH2)2CHBr2、及び-(CH2)2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CH2CH2F、-CH2CH2Cl、-CH2CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、-CBr3、-CH2CHF2、-CH2CF3、-CH2CHCl2、-CH2CCl3、-CH2CHBr2、及び-CH2CBr3から選択される。なおさらなる態様において、R3、R4a、及びR4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、-CH2F、-CH2Cl、-CH2Br、-CHF2、-CF3、-CHCl2、-CCl3、-CHBr2、及び-CBr3から選択される。
【0119】
f.Ar1基
1つの態様において、Ar1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されている。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつ無置換である。
【0120】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、無置換のアリールである。
【0121】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、無置換のフェニルである。
【0122】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつ無置換である。
【0123】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、無置換の五員ヘテロアリールである。
【0124】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されている。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつ無置換である。
【0125】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、無置換の六員ヘテロアリールである。
【0126】
さらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換される。なおさらなる態様において、Ar1は、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつ無置換である。
【0127】
g.Ar2及びAr3基
1つの態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されている。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつ無置換である。
【0128】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されたアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、無置換のアリールである。
【0129】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換されたフェニルである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、無置換のフェニルである。
【0130】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、独立して、五員ヘテロアリール及び六員ヘテロアリールから選択され、かつ無置換である。
【0131】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換された五員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、無置換の五員ヘテロアリールである。
【0132】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、フラニル、チオフェニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、及びトリアゾリルから選択され、かつ無置換である。
【0133】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換された六員ヘテロアリールである。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、無置換の六員ヘテロアリールである。
【0134】
さらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、または2つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される0または1つの基で置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから選択される基で一置換される。なおさらなる態様において、Ar2及びAr3はそれぞれ、存在する場合、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、及びトリアジニルから選択され、かつ無置換である。
【0135】
D.ポリイミドブレンド
1つの態様において、開示されるのは、ポリイミドブレンドであり、これは、以下:(a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン導電性高分子;ならびに(b)以下の式:
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;式中、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリイミドを含む。
【0136】
芳香族ポリイミドは、航空宇宙産業用のマイクロエレクトロニクス装置及び高温材料のコーティングとして最も広く使用されている高性能高分子のクラスである(59)。理論に固執するつもりはないが、イオン導電性高分子及び開示されるポリイミドを含むブレンドは、熱特性、寸法安定性、及び機械特性の改善をもたらすことができる。スルホン化ポリイミド高分子電解質を用いた高性能燃料電池用途の開発に複数の報告がある(62-67)。しかしながら、スルホン化PIの電気機械的応用については限られた例しかない(68、69)。これらの例は、スルホン化PIの非常に長い化学合成を利用する。本明細書では、ポリイミド及びイオン導電性高分子を含む物理的ブレンドを開示する。理論に固執するつもりはないが、これらのブレンドは、イオン導電性高分子のみを含むイオン交換膜に比べて改善された特性をもたらすことができる。
【0137】
1.ポリイミド
1つの態様において、開示されるポリイミドブレンドは、以下の式:
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され、
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;式中、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリイミドを含む。
【0138】
さらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0139】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下:
及び
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0140】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0141】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0142】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0143】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下:
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0144】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0145】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0146】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0147】
さらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0148】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0149】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0150】
なおさらなる態様において、ポリイミドは、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0151】
1つの態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0152】
さらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0153】
さらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0154】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0155】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0156】
なおさらなる態様において、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有する。
【0157】
なおさらなる態様において、
は、以下の式:
で表される構造を有する。
【0158】
1つの態様において、nは、1より大きい整数である。さらなる態様において、nは、10より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、100より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、1000より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、10,000より大きい整数である。なおさらなる態様において、nは、100,000より大きい整数である。
【0159】
1つの態様において、mは、0または1である。さらなる態様において、mは、0である。なおさらなる態様において、mは、1である。
【0160】
2.膜の特性
様々な態様において、開示されるイオン交換膜は、膜の優れた機能を提供する様々な特性を有することができ、そのような特性として、改善された貯蔵弾性率、優れた弾性率、低下した減衰性、及び優れた表面抵抗が挙げられる。同じく当然のことながら、膜は、他の特性も有する。
【0161】
様々な態様において、膜は、約0.2GPa~約5.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。さらなる態様において、膜は、約0.2GPa~約4.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約0.2GPa~約3.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約0.2GPa~約2.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約0.5GPa~約5.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約1.0GPa~約5.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約2.0GPa~約5.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約3.0GPa~約5.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約0.5GPa~約4.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約0.5GPa~約3.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約1.0GPa~約3.0GPaの貯蔵弾性率を有することができる。
【0162】
様々な態様において、膜は、約1.0Ω/cm~約20.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。さらなる態様において、膜は、約1.0Ω/cm~約15.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約1.0Ω/cm~約10.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約1.0Ω/cm~約5.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約5.0Ω/cm~約20.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約10.0Ω/cm~約20.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約15.0Ω/cm~約20.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約5.0Ω/cm~約15.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。なおさらなる態様において、膜は、約5.0Ω/cm~約10.0Ω/cmの表面抵抗を有することができる。
【0163】
さらなる態様において、膜は、弾性、貯蔵弾性率、及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性及び貯蔵弾性率から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、貯蔵弾性率及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性の改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、貯蔵弾性率の改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、表面抵抗の改善を示す。
【0164】
E.ポリイミドブレンドの作製方法
1つの態様において、本発明は、ポリイミドブレンドの作製方法に関し、本方法は、(a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン導電性高分子と、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を有し、
式中、nは、1より大きい整数であり;式中、mは、0または1であり;式中、Aは、-Ar
1-及び以下の式:
で表される構造から選択され;
式中、Zは、存在する場合、O、NR
3、CR
4aR
4b、CO、及びSO
2から選択され;式中、R
3、R
4a、及びR
4bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;式中、Ar
1は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Ar
2及びAr
3はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;式中、Qは、存在する場合、O、NR
1、SO、SO
2、C(O)、及びCR
2aR
2bから選択され;ならびに、式中、R
1、R
2a、及びR
2bはそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ有するポリ(アミド酸)とを混合すること、
それにより、ポリ(アミド酸)ブレンドを作製すること;ならびに(b)ポリ(アミド酸)ブレンドを環化することを含む。
【0165】
さらなる態様において、イオン導電性高分子は、ナフィオンである。
【0166】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0167】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)は、溶液で存在する。なおさらなる態様において、ポリ(アミド酸)溶液は、非プロトン極性溶媒を含む。なおさらなる態様において、非プロトン極性溶媒は、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリドンから選択される。
【0168】
さらなる態様において、非プロトン極性溶媒は、ポリ(アミド酸)溶液の約95重量%~約99重量%の量で存在する。なおさらなる態様において、非プロトン極性溶媒は、ポリ(アミド酸)溶液の約95重量%の量で存在する。
【0169】
さらなる態様において、ポリ(アミド酸)溶液は、約20重量%~約50重量%の量で存在する。
【0170】
さらなる態様において、イオン導電性高分子は、溶液で存在し、ポリ(アミド酸)も、溶液で存在し、イオン導電性高分子及びポリ(アミド酸)を合わせると、濃度が約0.01g/mL~約6g/mLである。なおさらなる態様において、イオン導電性高分子は、溶液で存在し、ポリ(アミド酸)も、溶液で存在し、イオン導電性高分子及びポリ(アミド酸)を合わせると、濃度が約0.03g/mL~約6g/mLである。
【0171】
さらなる態様において、混合は、ブレンド法(blending)である。なおさらなる態様において、混合は、溶液流延法である。なおさらなる態様において、溶液流延法は、約50℃~約100℃の温度で行われる。なおさらなる態様において、溶液流延法は、約40℃~約90℃の温度で行われる。
【0172】
さらなる態様において、環化は熱を介するものである。なおさらなる態様において、熱は、約180℃~約250℃の温度で加えられる。
【0173】
さらなる態様において、熱は、約12h~約36h加えられる。
【0174】
さらなる態様において、熱は、真空、窒素、またはヘリウム下で加えられる。
【0175】
さらなる態様において、ポリイミドは、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ有する。
【0176】
さらなる態様において、本方法は、さらに、ポリイミドブレンド上に金属電極をメッキすることを含む。なおさらなる態様において、金属は、Ptである。
【0177】
さらなる態様において、本方法はさらに、高分子膜の少なくとも1表面を、ポリイミドブレンドで修飾することを含む。なおさらなる態様において、修飾は、接着剤を介するものである。なおさらなる態様において、修飾は、表面をポリイミドブレンドでコーティングすることを含む。なおさらなる態様において、修飾は、表面を光源に曝すことを含む。
【0178】
さらなる態様において、本方法はさらに、高分子膜の少なくとも1表面を、ポリイミドブレンドで修飾することを含む。なおさらなる態様において、修飾は、接着剤を介するものである。なおさらなる態様において、修飾は、表面をポリイミドブレンドでコーティングすることを含む。なおさらなる態様において、修飾は、表面を光源に曝すことを含む。
【0179】
さらなる態様において、膜は、弾性、貯蔵弾性率、及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性及び貯蔵弾性率から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、貯蔵弾性率及び表面抵抗から選択される少なくとも1種の特性で改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、弾性の改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、貯蔵弾性率の改善を示す。なおさらなる態様において、膜は、表面抵抗の改善を示す。
【0180】
F.実験の部
当業者に、本明細書中特許請求される化合物、組成物、物品、装置、及び/または方法がどのように作製及び評価されるかを完全に開示及び説明するために、以下の実施例を記載するが、それらは純粋に本発明の例示を意図しており、本発明者らが本発明であるとする範囲を限定することを意図しない。数字(例えば、量、温度など)に関して正確さを確保する努力がなされたものの、多少の誤差及び偏差は考慮しなければならない。特に記載がない限り、部は重量部であり、温度は、℃単位であるか周辺温度であり、圧は、大気圧であるか大気圧付近である。
【0181】
1.材料
ポリ(ピロメリット酸二無水物-コ-4,4’-オキシジアニリン)、アミド酸溶液(NMP/芳香族炭化水素(80%/20%溶媒比)中、11重量%±5重量%)は、Sigma-Aldrichから購入した。アルコール系ナフィオン分散液(5重量%)及びNMPは、それぞれ、DuPont(商標)及びTCIから購入し、ブレンド膜の調製に使用した。テトラアンミン白金(II)クロリド水和物(Pt(NH3)4Cl2・xH2O)、水酸化アンモニウム(NH4OH)、及び水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)は、Sigma-Aldrichから購入し、白金メッキに使用した。ヒドラジン一水和物(H2NNH2・H2O)及びヒドロキシルアミン塩酸塩(H2NOH・HCl)は、Sigma-Aldrichから購入し、還元剤として使用した。塩化リチウム(LiCl)は、Sigma-Aldrichから購入した。脱イオン(D.I.)水は、膜の洗浄及びIPMCの調製に使用した。
【0182】
2.膜の調製
ナフィオン膜は、ナフィオン分散液(5重量%、d:0.87g/mL)30mLを、ポリスチレン型(r=3.0cm、深さ1.9)中50℃で一晩、溶液流延することにより作製した。PI膜は、ポリ(ピロメリット酸二無水物-コ-4,4’-オキシジアニリン)、アミド酸溶液(NMP/芳香族炭化水素(80%/20%溶媒比)中11重量%±5重量%、d:1.066g/mL)12mLを、アルミニウム箔型(r=2.3cm、深さ1.27cm)中85℃で一晩、溶液流延することにより作製した。
【0183】
ナフィオン及びPAAのブレンド膜は、以下の手順を通じて、ナフィオン溶液(5重量%)とPAA/NMP溶液(1.26重量%)の混合液21mLを溶液流延することにより調製した。最初に、100mLビーカーに、11重量%のPAA溶液(5.33g、5mL)及びNMP(41.36g、40mL)を加え、室温で1時間撹拌した。この1.26重量%PAA溶液(各試料用に用いるPAA溶液の量、NPI-6:3.7mL、0.044g、NPI-12:6.6mL、0.086g、NPI-18:8.8mL、0.115g、及びNPI-30:4.3mL、3.9g)を、5重量%ナフィオン(各試料用に用いるナフィオン溶液の量、NPI-6:17.3mL、15.05g、NPI-12:14.4mL、12.53g、NPI-18:12.2mL、10.61g、及びNPI-30:10.5mL、9.1g)と混合し、混合物を、NPI-6については70℃で(NMPが少量のため)、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30については室温で、1時間撹拌した。NPI-6、NPI-12、及びNPI-18を、キムワイプ(登録商標)で覆った50mLビーカー中、60℃で一晩撹拌して溶媒を蒸発させた。NPI-30の場合、蒸発させる必要がある溶媒が少なかったため、温度は50℃に設定した。溶液を室温に冷却した。沈殿を生じた溶液はなかったので、各溶液をアルミニウム箔型(r=2.3cm、深さ1.27cm)に注ぎ入れた。
図1Aに示すとおり、型を家庭用掃除機と接続したデシケーターに入れ、10~20分間気泡を除去してから鋳造した。試料NPI-6、NPI-12、NPI-18の場合、型は、ホットプレート上に置き、85℃で一晩加熱した。NPI-30の場合、型は、70℃のオーブンに2日間入れておいた。なぜなら、他のブレンドと同じ条件では、非常にもろいフィルムが生成したためである。鋳造膜を型から取り出し、熱イミド化のため180℃の真空オーブンに12時間入れておいて、ナフィオン/PIブレンド膜とした。調製した膜の写真を、
図1Bに示すとともに、材料の詳細な組成を表1にまとめる。
【0184】
表1に示すとおり、NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30は、溶媒乾燥後のPI対ナフィオンの重量比に基づいて命名した。単位面積中のPI及びナフィオンの合計量は、それぞれ、mg/cm
2及び2種の成分の重量比で計算した。
表1.
【0185】
3.IPMCの製造
表面積を増やすことにより、より多くの白金粒子を内側表面に堆積させることを目的として、膜に紙やすり(800/1000番)でやすりがけした。やすりがけは、高分子と電極の接触面積を増加させるのにも役立つ。やすりがけは、IPMCの屈曲方向に対して垂直な方向で行う必要がある。やすりがけ後、全ての膜を洗浄して不純物を除去してから、一次メッキ処理を行った。膜を、3重量%のH2O2溶液中70℃で40分間、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、D.I.水中70℃で40分間、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、洗浄し、続いてD.I.水中40℃で40分間洗浄した。
【0186】
次の工程、一次メッキは、膜の粗面にした内側表面での含浸還元処理である。膜を、0.02MのPt(II)塩溶液(テトラアンミン白金(II)クロリド水和物、Pt(NH3)4Cl2・xH2O)に3.5時間浸漬し、そしてD.I.水で数回すすいだ。膜の表面を金属化するため、膜を、NH4OH(0.3mL)及びNaBH4(0.2g)を含有する水溶液350mLに、60℃で2時間浸漬した。0.2gのNaBH4を、0.5時間ごとに加えた。膜を、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、D.I.水中70℃で40分間、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、洗浄し、続いてD.I.水中40℃で40分間洗浄した。一次メッキ手順を3回繰り返した。
【0187】
二次メッキ処理を行い、膜の外側表面、内側白金層の表面に白金を成長させ、電極の表面抵抗を低下させた。膜を、Pt(II)塩(0.2g)ならびに2種の還元剤、20重量%H2NNH2・H2O溶液(1mL)及び5重量%H2NOH・HCl溶液(2mL)を含有する水溶液350mLに、50℃で1時間、ついで60℃で3時間浸漬した。還元剤を、4時間の間、30分ごとに加えた。次いで、複合体を、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、D.I.水中70℃で40分間、1MのH2SO4水溶液中60℃で40分間、洗浄し、続いてD.I.水中40℃で40分間洗浄した。抵抗が10~15Ω/cmより高い場合は、全手順を、最大2回まで行わなければならない。全ての手順を行った後、プロトンをリチウムイオンに置き換える目的で、膜を1MのLiCl溶液に一晩入れておいた。膜表面に、白金層をひび割れなくメッキすることに成功した。
【0188】
得られたIPMCを、さらに特性決定するために、0.5×2.5cmの長方形に切断した。各メッキ工程後に調製されたIPMCで測定された電極表面抵抗を、表2にまとめる。上述したとおり、溶液流延法(solution-casting)によるナフィオン、NPI-6、及びNPI-12は、4.7~20.2Ω/cmの範囲の比較的高い表面抵抗を示したが、一方NPI-18、NPI-30、及びナフィオン117は、2Ω/cm未満の値を示し、これらは、先行研究と比べて妥当である(Palmre et al. (2014) Scientific Reports 4: 6176)。NPI-18(2A)、NPI-30(2B)、及びナフィオン117(2C)のIPMCの写真画像を、
図2A~Cに示す。
表2.
【0189】
4.フーリエ変換赤外吸収スペクトル
フーリエ変換赤外吸収スペクトルは、IRTracer-100(Shimadzu)に減衰全反射(ATR)用アクセサリ(MIRacleTM、PIKE Technologies)を装備したものを使用して測定し、膜の化学構造を特性決定した。
【0190】
試料は、真空中180℃で12時間イミド化した後にフーリエ変換赤外分光法(FT-IR)により特性決定して、それらのイミド化が成功しており、PI成分及びナフィオン成分の両方がブレンド膜中にあることを確認した。
図3A及び
図3Bは、熱イミド化前後のPAA膜及びPI膜のスペクトルを示し、これらは参照として比較に用いた。未処理のPAA膜は、1714cm
-1(C=O伸縮振動、カルボキシル)、1657cm
-1(C=O伸縮振動、アミド)、及び1540cm
-1(N-H変角振動)でピークを示した(Kumar et al. (2016) Data in Brief 7: 123-128)。熱イミド化後、1714cm
-1(C=O伸縮振動、カルボキシル)及び1657cm
-1(C=O伸縮振動、アミド)は、1774cm
-1(C=O伸縮振動、逆対称)及び1712cm
-1(C=O伸縮振動、対称)に置き換わり、これらはPIに特徴的なものである。さらに、他のピークが、1453cm
-1(C=C伸縮振動)、1367cm
-1(C-N伸縮振動、イミド)、及び1163cm
-1(イミド環変形)に出現し、このことは、熱イミド化の成功を示した(Kumar et al. (2016) Data in Brief 7: 123-128)。
【0191】
図4A及び
図4Bに示すとおり、ブレンド膜NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30は、1780cm
-1(C=O伸縮振動、逆対称)、1730cm
-1(C=O伸縮振動、対称)、1502cm
-1(C=C伸縮振動)、及び1383cm
-1(C-N伸縮振動、イミド)にピークを示した。これらのピークは、PIに特徴的なものであり、熱イミド化に成功したこと及びPIがブレンド膜に存在することを裏付けた。また、1205cm
-1(C-F伸縮振動、逆対称)及び1144cm
-1(C-F伸縮振動、対称)のピークは、ナフィオンに特徴的なものであるが、これらが、NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30で示され、ナフィオンがブレンド膜に存在することを裏付けた(Laporta et al. (1999) Physical Chemistry Chemical Physics 1: 4619-4628)。FT-IRの結果から、本発明者らは、熱イミド化の成功、ならびにブレンド膜に、両方の高分子、PI及びナフィオンが組み込まれたことを確認した。
【0192】
5.熱特性
熱特性を、TGA(Q500、TA instruments)により調べた。特性決定は、室温で、窒素雰囲気下、10℃/分の加熱速度で行った。
図5A及び
図5Bに示すとおり、PI膜は、最高550℃まで安定である。PI膜は、550~600℃付近で、識別可能な熱分解を示す。また、TGA微分曲線は、315℃に幅広い転移ピーク及び572℃に鋭い転移ピークを示し、分解後の重量減少合計は38%である。ナフィオン膜は、325~380℃及び420~570℃付近に大きな重量減少段階を示す。TGA微分曲線は、360℃及び462℃に2つの鋭い転移ピークを示し、分解後の重量減少合計は92%である。
【0193】
ブレンド膜NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30は、325~380℃、380~420℃付近に2つの大きな重量減少段階、及び420~570℃付近に小さい第3の分解を示す。第3の分解は、PI含有量が高くなるにつれて、高くなる。ナフィオンと比較しての転移点の差異は、TGA曲線で観察されない。360℃及び462℃の鋭い転移ピークは、ナフィオンに特徴的なものであるが、これだけでなく、ブレンド膜のTGA微分曲線は、315℃に幅広い転移ピーク、及びPIの分解を565℃のショルダーとして示す。重量減少の合計は、NPI-6及びNPI-12が81%であり、NPI-18及びNPI-30が77%である。ブレンド試料のTGA及びTGA微分曲線は、ブレンド中にナフィオン及びPI両成分が存在することを裏付ける。
【0194】
6.調製した膜の機械特性
ナフィオン117、NPI-6、NPI-12、及びPI膜で、Pyris Diamond DMAを用いた動的機械分析を行った。NPI-18及びNPI-30は、膜の硬さを理由に、DMAを測定しなかった。DMAは、材料の粘弾性特性を理解するのに重要である。試料を、0.5cm×2.5cmに切断した。DMAのテンションを設定し、試料を、異なる周波数で振動させた(0.01、0.02、0.05、0.1、0.2、0.5、1、2、5、10、20Hz)。測定された貯蔵弾性率、損失弾性率、及びタンジェントデルタを、それぞれ
図6A~Cに示す。上昇及び減少傾向をはっきり示させるため、試料の10Hzでの貯蔵弾性率、損失弾性率、及びtanδを、
図6Dに示す。10Hzでは、膜中のPI含有量が増加するにつれて、貯蔵弾性率(E’)は、0.1563(ナフィオン)から、0.5723(NPI-6)へ、1.619(NPI-12)へ、そして2.430GPa(PI)へと上昇した(
図6A)。損失弾性率(E’’)の場合、わずかな変化しかなかった:0.0432(ナフィオン)、0.1252(NPI-6)、0.2343(NPI-12)、及び0.1366GPa(PI)(
図6B)。したがって、減衰特性(tanδ=E’’/E’)(Chen et al. (2005) Journal of Biomechanics 38: 959-963;Bashaiwoldu et al. (2004) International Journal of Pharmaceutics 269: 329-342;Xie et al. (2004) Journal of Macromolecular Science B 43:805-817)は、PI含有量が増加するにつれて、0.2799(ナフィオン)から、0.2191(NPI-6)へ、0.1448(NPI-12)へ、そして0.0562(PI)へと低下した(
図6C)。PI含有量の関数としての、E’、E’’、及びtanδの傾向は、
図6Dではっきり示された。理論に固執するつもりはないが、材料の弾性特性を表す貯蔵弾性率は、PI含有量を増加させることにより、上昇させることができる。一方で、粘性特性を表す損失弾性率は、PIが12%になるまで目立った影響を受けず、PIが12%になると、減衰特性の低下がもたらされた。限定的であるものの、機械的特性の選択的調整を、このように単純な物理的ブレンドにより達成することが可能である。なお、PI含有量がさらに高いブレンドのDMA分析は、試料の硬さを理由に行わなかった。
【0195】
7.断面形態及び膜厚
図7A~Dに示すとおり、IPMCの断面形態及び膜厚を、SEM(TM3030、Hitachi)を用いて15kVで測定した。試料を、エポキシで成形し、慎重に研磨し、そしてPtでスパッタコーティングした。溶液流延によるナフィオン、NPI-6、NPI-12、NPI-18、及びNPI-30を基にIPMCを製造した後、表面電極抵抗を、2点プローブ法で測定した。表2に示すとおり、溶液流延によるナフィオン、NPI-6、及びNPI-12は、高い表面電極抵抗(4.7~20.2Ω/cm)を示した。表面電極抵抗が高くなるほどIPMCの作動能力が低くなることが、実験的に実証されているため(Shahinpoor and Kim (2000) Smart Mater. Struct. 9: 543-551)、作動試験は、二次無電解メッキ後に2.0Ω/cm未満の表面抵抗(1.1~1.5Ω/cm)となったNPI-18及びNPI-30 IPMCアクチュエータでのみ行った。この表面抵抗は、本発明者らの先行研究と比べて適切な値である。溶液流延によるナフィオンを用いたIPMCの表面抵抗は高すぎたため、本発明者らは、表面抵抗が2.0Ω/cm未満(1.3~1.7Ω/cm)となったナフィオン-117系IPMCを調製し、ナフィオン117系IPMCとNPI-18系IPMCの作動性能を比較した。
【0196】
図7Dに示すとおり、NPI-18系IPMCアクチュエータの断面形態を、SEM画像で特性決定した。白金電極で膜表面を均一にメッキすることに成功しており、ひび割れまたは剥離などの欠陥は何もない。電極の厚さは、電極の表面全体にわたり一定であり、その値は10μmである。NPI-30については、表面電極抵抗がNPI-18と同様であり、2.0Ω/cm未満であったため、SEM画像を撮影しなかった。
【0197】
8.IPMCの電圧、電流、変位応答、及び曲げひずみ
調製したIPMCの変位及び発生力を含む電気機械的応答を、シグナル発生装置(FG-7002C、EZ digital)、電力増幅器(LVC-608、AE Techron)、DC電源(CPS250、Tektronix)、及びDAQ(SCB-68、National Instruments)で構成される試験装置で、0.5×2.5cmの試料を用いて、レーザー変位センサー(optoNCDT-1401、Micro-Epsilon)及びロードセル(GSO-30、Transducer Techniques)により測定した。IPMCを、水中で、片持ち配置で把持し自由長は2.2cmとした。変位を、クランプ接点から2.0cm離れた位置でモニタリングした。電圧、電流、及び変位(または発生力)応答を、データ取得システム(LabView 8、National Instruments)を用いて記録した。
【0198】
ナフィオン117、NPI-18、NPI-30 IPMCアクチュエータの変位応答を、0.1、0.5、及び1Hzで測定した。クランプでの電圧を回路によりセンシングしながら、変位レーザーセンサーで先端の変位を追跡し続けた。ナフィオン117、NPI-18、及びNPI-30系IPMCの、周波数0.1、0.5、及び1Hzでの±3V AC(矩形波入力)で測定された電圧、電流、対応する変位応答、及び曲げひずみを、
図8A~Dに示す。曲げひずみ(ε)は、
という関係を用いて、変位(δ)から変換した。式中、tは、IPMCの厚さであり、Lは、自由長である。
【0199】
図8Aについては、ナフィオン117及びNPI-18アクチュエータの結果のみを示す。NPI-30の場合、実験誤差のため、0.1Hzのサイクル数が、ナフィオン117及びNPI-18と同じではなかった。ナフィオン117及びNPI-18アクチュエータは、0.1Hzで、それぞれ変位が5.3mm及び5.9mmであり、ひずみが0.21%及び0.28%であった。NPI-18アクチュエータの0.1Hzで撮影したビデオの重ね合わせ画像も含めてある。アクチュエータは、2.8秒まで、同様な変位性能を示す。NPI-18が、跳ね返り効果を示し、最大変位を維持するのではなく、2.8から4.7秒まで、跳ね返って反対方向に変角振動して、変位が1.3mm変化したのに対して、元来のナフィオン117ではそうはならない。この結果は、DMA分析と一致する。理論に固執するつもりはないが、弾性の上昇が跳ね返り効果の原因となっている可能性がある。変位は、1.6mmであったことがわかり、この変位はナフィオン117及びNPI-18よりも小さかったが、それは、ブレンドの剛性及び跳ね返り効果が低周波数(0.1Hz)でのみ観察され、高周波数(0.5及び1Hz)では観察されなかったことが原因である。
【0200】
0.5Hzでは、
図8Bに示すとおり、ナフィオン117及びNPI-18アクチュエータの変位は、ほとんど同じ(3.8mm)であり、ひずみはそれぞれ0.17%及び0.28%であった。NPI-30アクチュエータの変位は、1.1mmであり、ひずみは、0.06%であって、これらはアクチュエータの中で最小であったが、それは、アクチュエータの剛性が原因である。1.0Hzでは、
図8Cに示すとおり、ナフィオン117及びNPI-18アクチュエータは、それぞれ、変位が1.3mm及び2.0mmであり、ひずみが0.07%及び0.14%であった。NPI-30アクチュエータの変位は、1.1mmであり、ひずみは、0.06%であって、これらはアクチュエータの中で最小であった。
【0201】
1.0Hzでの変位は、0.5Hzと比べて減少し、変位応答は、0.5Hzと比べて遅くなる。これらの効果は、周波数が高くなるほど充電時間が限られることによると考えられる(Palmre et al. (2014) Scientific Reports 4: 6176)。作動周波数が上昇するにつれて、水和したカチオンがアノードに向かって移動する充電時間は短くなり、結果として、変位及びひずみの両方が減少する。変位の結果から、アクチュエータ中のPIが18重量%という相当量であってさえも、同等な電気機械的性能を見ることができる。
【0202】
調製したIPMCアクチュエータの、様々な周波数(0.1、0.5、及び1.0Hz)下で電圧(±3V、AC)の印加がある/ない場合の最大変位の写真画像を
図9A~Cに示す。NPI-18 IPMCアクチュエータが、ナフィオン117 IPMCアクチュエータと比べて同様な変位範囲を示したことがわかる。NPI-30 IPMCアクチュエータは、アクチュエータの中で最小度合いの変形を示した。写真画像は、変位性能と一致する。
【0203】
9.IPMCの発生力
発生力は、変位0でIPMCの先端で形成される電気機械的力を表すが、この力を、駆動電圧3V、DC下で測定した。
図10は、ナフィオン117及びNPI-18アクチュエータについて経時的に測定された典型的な発生力応答を示す。ナフィオン117及びNPI-18の発生力の最大値は、1.84秒で6.86mNa及び1.47秒で5.93mNと測定された。NPI-18の発生力の低下は、PIがナフィオンに組み込まれて剛性が上昇したことによると思われる。発生力は、15%未満だけ減少し、応答時間も20%減少する。PIをブレンドすることによりアクチュエータの応答時間をより速くすることは重要であるものの、それに伴って発生力が低下することもIPMCアクチュエータの製造において考慮しなければならない。
【0204】
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【0241】
当業者には明らかなことながら、様々な修飾及び変更が、本発明の範囲または趣旨から逸脱することなく実行可能である。本発明の他の実施形態は、本明細書中開示される本発明の仕様及び実施を検討することで当業者に明らかとなるだろう。仕様及び例は例示にすぎないとみなされ、本発明の真の範囲及び趣旨は以下の特許請求の範囲により示されるものとする。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ポリイミドブレンドの作製方法であって、
a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン性高分子と、以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を含み、
nは、1より大きい整数であり;
mは、0または1であり;
Aは、-Ar
1
-及び以下の式で:
表される構造から選択され;
Zは、存在する場合、O、NR
3
、CR
4a
R
4b
、CO、及びSO
2
から選択され;
ここで、R
3
、R
4a
、及びR
4b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;
Ar
1
は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Ar
2
及びAr
3
はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Qは、存在する場合、O、NR
1
、SO、SO
2
、C(O)、及びCR
2a
R
2b
から選択され;
R
1
、R
2a
、及びR
2b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリ(アミド酸)とを混合し、それにより、ポリ(アミド酸)ブレンドを作製する工程;ならびに
b)前記ポリ(アミド酸)ブレンドを環化する工程
を含む、方法。
〔2〕前記イオン性高分子が、ナフィオンである、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕nが、10,000より大きい、前記〔1〕に記載の方法。
〔4〕前記ポリ(アミド酸)が、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔5〕前記ポリ(アミド酸)が、以下:
の式で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔6〕前記ポリ(アミド酸)が、以下:
の構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔7〕前記ポリ(アミド酸)が、以下:
の構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔8〕前記ポリ(アミド酸)が、溶液で存在する、前記〔1〕に記載の方法。
〔9〕前記ポリ(アミド酸)溶液が、約20重量%~約50重量%の量で存在する、前記〔7〕に記載の方法。
〔10〕前記ポリ(アミド酸)溶液が、非プロトン極性溶媒を含む、前記〔7〕に記載の方法。
〔11〕前記非プロトン極性溶媒が、N,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチル-2-ピロリドンから選択される、前記〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記非プロトン極性溶媒が、前記ポリ(アミド酸)溶液の約95重量%~約99重量%の量で存在する、前記〔10〕に記載の方法。
〔13〕前記非プロトン極性溶媒が、前記ポリ(アミド酸)溶液の約95重量%の量で存在する、前記〔10〕に記載の方法。
〔14〕前記イオン性高分子が、溶液で存在し、かつ前記ポリ(アミド酸)が、溶液で存在し、かつ前記イオン性高分子及び前記ポリ(アミド酸)が、合わせて、約0.01g/mL~約6g/mLの濃度である、前記〔1〕に記載の方法。
〔15〕前記イオン性高分子が、溶液で存在し、かつ前記ポリ(アミド酸)が、溶液で存在し、かつ前記イオン性高分子及び前記ポリ(アミド酸)が、合わせて、約0.03g/mL~約6g/mLの濃度である、前記〔1〕に記載の方法。
〔16〕混合工程が、ブレンド法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔17〕混合工程が、溶液流延法である、前記〔1〕に記載の方法。
〔18〕溶液流延法が、約50℃~約100℃の温度で行われる、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕溶液流延法が、約40℃~約90℃の温度で行われる、前記〔17〕に記載の方法。
〔20〕環化工程が、熱を介するものである、前記〔1〕に記載の方法。
〔21〕前記熱が、約180℃~約250℃の温度で加えられる、前記〔20〕に記載の方法。
〔22〕前記熱が、約12時間~約36時間加えられる、前記〔20〕に記載の方法。
〔23〕前記熱が、真空、窒素、またはヘリウム下で加えられる、前記〔20〕に記載の方法。
〔24〕前記ポリイミドブレンドが、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリイミドを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔25〕前記ポリイミドが、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔24〕に記載の方法。
〔26〕前記ポリイミドが、以下の式:
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔24〕に記載の方法。
〔27〕前記ポリイミドが、以下の構造:
を有する残基を少なくとも1つ含む、前記〔24〕に記載の方法。
〔28〕前記ポリイミドが、約6重量%~約30重量%の量で存在する、前記〔24〕に記載の方法。
〔29〕前記ポリイミドが、約18重量%~約20重量%の量で存在する、前記〔24〕に記載の方法。
〔30〕前記ポリイミドブレンド上に金属電極をメッキする工程をさらに含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔31〕前記金属が、Ptである、前記〔30〕に記載の方法。
〔32〕前記ポリイミドブレンドで高分子膜の少なくとも1表面を修飾する工程をさらに含む、前記〔30〕に記載の方法。
〔33〕修飾工程が、接着剤によるものである、前記〔32〕に記載の方法。
〔34〕修飾工程が、前記表面を前記ポリイミドブレンドでコーティングする工程を含む、前記〔32〕に記載の方法。
〔35〕修飾工程が、前記表面を光源に曝す工程を含む、前記〔32〕に記載の方法。
〔36〕前記ポリイミドブレンドで高分子膜の少なくとも1表面を修飾する工程をさらにを含む、前記〔1〕に記載の方法。
〔37〕修飾工程が、共有結合によるものである、前記〔36〕に記載の方法。
〔38〕修飾工程が、前記表面を前記ポリイミドブレンドでコーティングする工程を含む、前記〔36〕に記載の方法。
〔39〕修飾工程が、前記表面を光源に曝す工程を含む、前記〔36〕に記載の方法。
〔40〕ポリ(アミド酸)ブレンドであって、
a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン性高分子;ならびに
b)以下:
及び
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を含み、
nは、1より大きい整数であり;
mは、0または1であり;
Aは、-Ar
1
-及び以下の式:
で表される構造から選択され;
Zは、存在する場合、O、NR
3
、CR
4a
R
4b
、CO、及びSO
2
から選択され;
ここで、R
3
、R
4a
、及びR
4b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;
Ar
1
は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Ar
2
及びAr
3
はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Qは、存在する場合、O、NR
1
、SO、SO
2
、C(O)、及びCR
2a
R
2b
から選択され;
R
1
、R
2a
、及びR
2b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
から選択される式により表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリ(アミド酸)を含む、ポリ(アミド酸)ブレンド。
〔41〕ポリイミドブレンドであって、
a)全フッ素置換アイオノマー膜、ポリ(アクリル酸)塩、スルホン化ポリスチレン、スルホン化ポリ(アリーレンエーテルスルホン)、スルホン化ポリ(アリーレンチオエーテルスルホン)、架橋ポリ(スチレン-ran-エチレン)、スルホン化ポリ(スチレン-b-エチレン-コ-ブチレン-b-スチレン)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-アクリル酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-2-アシルアミド-2-メチル-1-プロパンスルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸)、ポリ(フルオロアルキルメタクリラート-コ-スルホン酸-コ-2-ヒドロキシエチルメタクリラート)、ポリ(ビニリデン-g-スルホン化N-エチレンカルバゾール)、ポリ(ビニリデンフルオリド-コ-ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(エチレン-コ-テトラフルオロエチレン)、及びナフィオンから選択されるイオン性高分子;ならびに
b)以下の式:
(式中、
は、以下:
から選択される式により表される構造を含み、
nは、1より大きい整数であり;
mは、0または1であり;
Aは、-Ar
1
-及び以下の式:
で表される構造から選択され;
Zは、存在する場合、O、NR
3
、CR
4a
R
4b
、CO、及びSO
2
から選択され;
ここで、R
3
、R
4a
、及びR
4b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択され;
Ar
1
は、存在する場合、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Ar
2
及びAr
3
はそれぞれ、存在する場合、独立して、アリール、五員ヘテロアリール、及び六員ヘテロアリールから選択され、かつハロゲン、-OH、-CN、-NH
2
、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、及びC1-C4アルコキシから独立して選択される0、1、2、または3つの基で置換され;
Qは、存在する場合、O、NR
1
、SO、SO
2
、C(O)、及びCR
2a
R
2b
から選択され;
R
1
、R
2a
、及びR
2b
はそれぞれ、存在する場合、独立して、水素、C1-C4アルキル、及びC1-C4ハロアルキルから選択される)
で表される構造を有する残基を少なくとも1つ含むポリイミドを含む、ポリイミドブレンド。